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春の空 の俳句

春の空 の俳句


春の空

例句を挙げる。

いまだ雪かくせるものに春の空 上野章子
とんと手をとんととび箱春の空 平井照敏
まん中が黒い蝶々や春の空 鳴戸奈菜
やがてかのなきがらも無し春の空 正木ゆう子
ゆけむりの上にゆけむり春の空 倉田 紘文
ゆびきりの指が落ちてる春の空 坪内稔典(1944-)
ガスタンク孵りさうなる春の空 田中政子
シャガールの女たゆたふ春の空 仙田洋子 雲は王冠
ピアノは地ヴァイオリン春の空ながる 八牧美喜子
一つづつ春の空ゆく絵蝋燭 津沢マサ子 華蝕の海
今日はしも匂ふがごとき春の空 蓼汀
仰ぐこと多くなり春の空となる 秋を
伸ばせば手が眞っ青となる春の空 北島輝郎
何番の花で尽くるや春の空 野童 俳諧撰集「有磯海」
切れがちに榛の樹までの春の空 藤田あけ烏 赤松
四五人の僧の仰げる春の空 高野素十
妻の上にあくまで濃くて春の空 八木林之介 青霞集
山鳩の鳴きいづるなり春の空 松村蒼石 寒鶯抄
幼子の手の腥き春の空 飯島晴子
影曳きて春の空ゆく熱気球 根岸善雄
待春の空に襞ある瀧の音 古舘曹人 砂の音
手を容れて冷たくしたり春の空 永田耕衣(1900-97)
日輪をかくして春の空ひろし 長谷川かな女 雨 月
春の空人仰ぎゐる我も見る 高浜虚子
春の空円しと眺めまはし見る 立子
春の空叩いて鴨のとべるなり 岡井省二
春の空帆船の綱交錯す 松田多朗
春の空日の輪いくつも色となり 阿部みどり女 笹鳴
春の空森のひとすみ濡れてをり 岡部名保子
春の空濡れてゐる手ぞ美しき 中尾寿美子
春の空目を上ぐるたび濃かりけり 八木林之介 青霞集
月淡く出でてたゆたふ春の空 松本幹雄
木々涵したる春の空ほろほろ鳥 千代田葛彦 旅人木
松島の鶴になりたや春の空 乙二
梨の木に水のぼりゆく春の空 鳴戸奈菜
此処からも大佛見ゆる春の空 星野立子
死は春の空の渚に游ぶべし 石原八束 空の渚
死んで花が咲くなら死にます春の空 内田南草
水平線溶けどこまでも春の空 市ヶ谷洋子
水煙の天女が舞へる春の空 山下佳子
点滴の終りに近し春の空 阿部みどり女
玻璃ごしに見てゐる限り春の空 稲畑汀子
盗みする鳶も舞けり春の空 闌更
草に臥て右や左の春の空 岡井省二
行く春の空に煙吐く湯殿哉 会津八一
襖絵の虹のつづきに春の空 大木美沙
許すまじ春の空井戸覗かれて 鳴戸奈菜
開拓の昔のまゝの春の空 栗原 昌子
雨晴れておほどかなるや春の空 高浜虚子
首長ききりんの上の春の空 比奈夫
騎馬像の駆け上がらんと春の空 上村ミチル
高々と煙突立てり春の空 高柳重信
鳶のかげ笠にかかるや春の空 吉田ひで女
鴎の目鋭きかなや春の空 高浜虚子
閑(しづ)かさは何の心や春のそら 千代尼
ひとありて春空にかがやきつ神のごとく 日夏耿之介 婆羅門誹諧
一寺より春天に消え木こり道 宇佐美魚目
壺を抱く春空のもの皆入れて 高橋沐石
大屋根に春空青くそひ下る 高浜虚子
富士の笠雲漂ひいでぬ春天ヘ 羽部洞然
新柱添ひに春天深きかな 香西照雄 対話
日輪のしろささみしさ春空へ金管楽器水仙鳴れり 小島ゆかり
春天に鳩をあげたる伽藍かな 茅舎
春天へひびけよ鞨皷音取りつつ 河野多希女 こころの鷹
春天や影を流して軽気球 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
春天をふり仰ぐ白歯とぢまけて 飯田蛇笏 山廬集
春天を降り立つごとし爺杉 平井照敏 天上大風
春空とふ大いなる枡の底にわれ 林翔 和紙
春空に虚子説法圖ゑがきけり 阿波野青畝
春空に身一つ容るゝだけの塔 草田男
春空に雪まだとけずくに境 上村占魚 鮎
春空に露びつしりとある如し 中川宋淵
春空に鞠とゞまるは落つるとき 橋本多佳子
春空の思はぬ方へ靴飛べり 守屋明俊
春空へ割り込む山車を仰ぎけり 青木綾子
春空へ砂なげ上げてあそぶ子ら 京極杞陽 くくたち下巻
春空やけむりとならむ大思い 永田耕衣 殺祖
浅き春空のみどりもやゝ薄く 高浜虚子
浅間燃え春天緑なるばかり 前田普羅 春寒浅間山
縄跳に春空たわみやすきかな 奥坂まや
高笛の春天ひようと下るべし 平井照敏 天上大風
いまはじまる春の黙劇朴の天 三谷昭 獣身
一睡の椅子浮き上りけり春の天 長谷川かな女 牡 丹
日は宙に春の天壇ねむるさま 飯田蛇笏
春の天全身情をみなぎらす 飯田蛇笏 椿花集
春の天浅間の煙お蚕のごと 普羅
発掘に壷出づ春の天が下 森田峠

春の空 補遺

いろいろのもの飛びかひぬ春の空 政岡子規 春の月
くら沢や冨士にふたがる春の空 卓池
つきいでてゐるおとがひの春の空 岡井省二 五劫集
とんづらにぢかに触れてや春の空 岡井省二 鯛の鯛
ひとり別春の空見る庵かな 風麦
ふじよりも立つ陽炎や春の空 政岡子規 春の月
ま横より仰ぐ大佛春の空 星野立子
わが立ちて壺のごとしや春の空 鷹羽狩行
シャガールの空を探せる春の蝶 阿波野青畝
一塊として春空をとぶ孔雀 赤尾兜子 歳華集
住吉天王寺大阪の春の空 中川一碧樓
何番の花でつくるや春の空 野童
其心さまかくありし春の空 寥松
出す舌にとまるものなし春の空 三橋敏雄
呼気吸気おのづから息春の空 岡井省二 鯛の鯛
四五人の僧の仰げる春の空 高野素十
天壇や弓のごとくに春の空 鷹羽狩行
富士といふ春空の太柱かな 平井照敏
山脈の空みどりなす春の月 相馬遷子 山国
山鳩の鳴きいづるなり春の空 松村蒼石 寒鶯抄
幼子の手の腥き春の空 飯島晴子
庵の空鳶二十程春に舞ふ 政岡子規 春の月
待春の空に襞ある瀧の音 古舘曹人 砂の音
手をあげて腋のありけり春の空 岡井省二 前後
手を容れて冷たくしたり春の空 永田耕衣
新柱添ひに春天深きかな 香西照雄 対話
旅人よ雪はふれども春の空 井上士朗
春の夜の三味の空音や三味線屋 政岡子規 春の夜
春の夜をはかなまねども旅の空 飯田蛇笏 山廬集
春の空叩いて鴨のとべるなり 岡井省二 山色
春の空大石悦子大きな字 亭午 星野麥丘人
春の腰形の空溝めいわく也 永田耕衣
春の雁禿の空と思ひをり 岡井省二 鯨と犀
春の雪林の空の力抜け 岸田稚魚 筍流し
春天に鳩をあげたる伽藍かな 川端茅舎
春天のとり落したる島一つ 清崎敏郎
春天のもとの饗宴鵲翔ける 飯田蛇笏 白嶽
春天の吸ひ残したる雲一朶 清崎敏郎
春天へ昇神の声まだ了らず 阿波野青畝
春天をおちくるものに猫ひとつ 平井照敏
春天をふり仰ぐ白歯とぢまけて 飯田蛇笏 山廬集
春天を降り立つごとし爺杉 平井照敏 天上大風
春空とふ大いなる枡の底にわれ 林翔 和紙
春空と等しき口を聞きけり 岡井省二 鯛の鯛
春空にして雪嶺を夢の数 森澄雄
春空にみづがねの山うかび立つ 平井照敏
春空に松傾けり切通 松崎鉄之介
春空に目鼻はひりてゐることも 岡井省二 前後
春空に虚子説法図描きけり 阿波野青畝
春空に身一つ容るるだけの塔 中村草田男
春空に雪まだとけずくに境 上村占魚 鮎
春空に鞠とどまるは落つるとき 橋本多佳子
春空の乳雲にとぶ編隊機 飯田蛇笏 山響集
春空は心も広し鴻の羽 智月尼
春空やけむりとならむ大思い 永田耕衣
有明や影おのづから春の空 完来
椽へ出て見れば鳥飛ぶ春の空 政岡子規 春の月
横山の空ねんごろに春の人 岡井省二 有時
橋渡れば江東春の空低く 松崎鉄之介
此処からも大佛見ゆる春の空 星野立子
残壇にちらばる天使春の空 阿波野青畝
法然や袖がそのまゝ春の空 岡井省二 鯨と犀
浅間燃え春天緑なるばかり 前田普羅 春寒浅間山
深き井にひかり暮春の空ひときれ 鷲谷七菜子 銃身
白波も乱るる萱も春の空 飯田龍太
箱根より先はしらねど春の空 岱水
考のつまづき仰ぐ春の空 星野立子
脚尖が暮春空溝からぬつと 永田耕衣
腰形尼服春空にて乾く 平畑静塔
草に臥て右や左の春の空 岡井省二 鯨と犀
菌雲ならず春天色に浮く噴煙 赤尾兜子 歳華集
行方かな首そのまま春の空 岡井省二 夏炉
踵かへして海をそがひや春の空 原石鼎 花影
身の消ゆるまで春天にのぼりたし 平井照敏
野の空をうけてありくや春の鹿 松窓乙二
野を行けばつむじをりをり春の空 村山故郷
鐘樓より蜂は大嶺へ春の空 飯田蛇笏 白嶽
除幕待つ斎庭の空を春の鳶 富安風生
首長ききりんの上の春の空 後藤比奈夫
高笛の春天ひようと下るべし 平井照敏 天上大風

以上
f
by 575fudemakase | 2016-02-20 00:02 | 春の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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