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白夜

白夜

おんじきに肉の馴れたる白夜かな 佐川広治
がちや~の島の白夜を鳴きしきる 鈴鹿野風呂 浜木綿
きりぎしや白夜に咲いて百合桔梗 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
このあたりホテルばかりの白夜かな 久保田万太郎 流寓抄
この白夜馴鹿の乳にねる児かな 飯田蛇笏 春蘭
さまよえばからだにたまる白夜かな 江里昭彦 ロマンチック・ラブ・イデオ口ギー
つかつかと花の白夜の篝守 鳥居美智子
なほ続く白夜の舞踏会脱けて 大森保子
ふるさとは白夜に近しジギタリス 小檜山繁子
みづうみの白夜をわたる風煤花(ストックホルムにて) 石原八束 『白夜の旅人』
むらさきに白夜の孤島火を焚けり 石原八束 白夜の旅人
わが泊つる森のホテルの白夜なる 山口青邨「雪国」
アイマスクかけて白夜の旅めける 山本歩禅
イプセンの像に鴎舞ふ白夜かな 石原八束 白夜の旅人
インディアン仮面白夜の町に買ふ 古賀まり子
オペラはね白夜の街をさまよひぬ 秋枝蕭子
オペラ果て町逍遙の白夜かな 岩崎照子
オランダの白夜スイスの白夜かな 成瀬千代
カナディアンオークの森の白夜かな 鈴木しげを
カーテンを厚く白夜の国に泊つ 矢島久栄(狩)
チエホフ忌白夜の森の家灯す 有馬朗人
トナカイのソテー白夜の地下酒場 松本澄江「西施桜」
ハープひく漁港の船の夏至白夜 飯田蛇笏 春蘭
バルト海渡る白夜の船しづか 山之内赫子(橡)
ピアノ弾くからだの中の白夜かな 浦川 聡子
フィヨルドの潮の匂へる白夜かな 天岡宇津彦(狩)
マリア像白夜におはす窓辺かな 岩崎照子
ラスコーリニコフめき白夜の階のぼる 成瀬櫻桃子 風色
リラ濡れて白夜の町の波のこゑ 石原舟月
ワイン飲む上甲板に白夜光 宇野直治
一流木揉みて白夜の河の渦 吉野義子
九時は九時十時は十時白夜かな 久保田万太郎 流寓抄
人垣は辻芸と知る白夜かな 森田峠 逆瀬川以後
人来たるごとく鳥来る白夜かな 有馬朗人 知命
人通りさすがに絶えし白夜かな 久保田万太郎 流寓抄
佳木斯差す船に白夜の踊り子ら 原田青児
分銅のかすかににほふ白夜かな 仙田洋子 雲は王冠以後
刎橋の刎ねし白夜となつてをり(コペンハーゲンにて) 石原八束 『白夜の旅人』
唇に白夜の蝶のきてゐたり 石原八束 白夜の旅人
回し飲みワイン楽しむ白夜かな 岩崎照子
土曜日のまためぐり来し白夜かな 久保田万太郎 流寓抄
城の裏白夜の墓石立ち上る 有馬朗人 天為
塔時計四面おなじき白夜かな 阿波野青畝
塔青し白夜の鐘がなかぞらに 石原舟月
夏至白夜濤たちしらむ漁港かな 飯田蛇笏「山響集」
夕焼のさめゆく白夜つづくなり 石原舟月
大氷河烟り音なき白夜かな 仙田洋子 雲は王冠
天主堂白夜の天ぞかかりたる 有働亨 汐路
天国の夫に白夜の旅だより 飯田浦子
夫と座す白夜余生にさも似たり 横山淑子「沖歳時記」
女馭者髪なびくなる白夜かな 岩崎照子
妻連れて白夜の街に琥珀買ふ 高橋克郎「塞翁が馬」
子が遊ぶ白夜の塔の真下かな 佐川広治
寂けさを湖は白夜の帳とす 有働亨 汐路
寝しづみし白夜の屋根のこふのとり 石原舟月
尖塔が目印となる白夜かな 前田野生子「かつらぎ選集」
尖塔に月一つある白夜かな 倉田絋文
川近くサーカスの来る白夜かな 中尾有爲子
帆船にムンクの貌のある白夜 石原八束「白夜の旅人」
幾度も覚めて白夜の空にあり 太田梨三
影もなく白夜に遊ぶ馬一頭 有馬朗人
指揮棒は白夜の蝶のやうに降る 仙田洋子 雲は王冠
捨猫の群るる白夜の石畳 岩崎照子
旅一と日たたみ切れざる白夜かな 堀恭子
日は窶れ月なほ夭き白夜かな 沼尻巳津子
暮れおそしおそしと白夜楽しみぬ 中島藤女
朝焼す白夜牛啼く町の裏 石原舟月
杲らかに杳き母なり風の白夜 沼尻巳津子
楡の木に白夜の闇のひそみけり 成瀬桜桃子 風色
標色して白夜に似るか島の暁 文挟夫佐恵 遠い橋
橋上にくちづけ長き白夜かな 岩崎照子
欧州の時刻で発車白夜めく 角田昇一
氷原の果てに白夜の影引かず 合田丁字路
氷斫る白夜のやうなさびしさに 正木ゆう子 静かな水
氷海に秋日踊らす白夜行 殿村莵絲子 雨 月
消せる灯は消して白夜の山ホテル 竹中碧水史「自転」
消燈の喇叭鳴れども野は白夜 田村了咲
湖沼あり人は住まざる白夜かな 山本杜城
火を焚いて白夜の神を湖に呼ぶ 石原八束 白夜の旅人
火を焚くや白夜の森のバラライカ 有馬朗人 耳順
灯を消すや外は蛙の白夜なる 川島彷徨子 榛の木
煉瓦焼く村一塊となり白夜 桂樟蹊子
牧犬の白夜を起きて仔をまもる 佐藤青水章
男郎花白夜寂けさ緻密にて 有働亨 汐路
町よりも海のあかるき白夜かな 坂本宮尾
白夜かな楡の葉かげのフランス語 石田章子 『雪舞』
白夜ただ茫漠農事試験場 依田明倫
白夜とはかゝる景かな夕かげる 高木晴子 花 季
白夜とは別の光に朝が来る 千原叡子
白夜なるハンセン氏病院灯りをり 石原八束 白夜の旅人
白夜なる地の荒寥に金鳳華 有働亨 汐路
白夜なる太陽の位置追ひ越せり 殿村莵絲子 雨 月
白夜なる氷河に神の爪の跡 仙田洋子 雲は王冠
白夜にてリヤ王豫告小劇場 八木林之介 青霞集
白夜に帰る帆船クリスチヤン・ラーデイツク 石原八束 白夜の旅人
白夜の帆世紀をへだつ魚油もゆる 飯田蛇笏 春蘭
白夜の燈溶けゐるごとし白ビール 関森勝夫
白夜光サビタの花もわれも寝ねず 成瀬櫻桃子 風色
白夜呆け醒め空港の霧に佇つ 小原菁々子
白夜嗄れごえなりし霜の満月に 古沢太穂 古沢太穂句集
白夜更く琥珀の濁りの白ビール 関森勝夫「親近」
白夜来て征露の喇叭寝ぐるしや 筑紫磐井 婆伽梵
白夜航く翼下に森と湖の国 森田峠 逆瀬川以後
白夜行く長距離バスの後部席 坂本宮尾
白夜遡行デッキに舞踏会はあり 原田青児
白樺の白夜を啼いて青葉木菟 三田きえ子
白牡丹二百に白夜めきにけり 岡田透子 『珊瑚樹』
白鳥湧く白夜の母子の空間に 八木三日女
眠らねば白夜の海の膨れくる 竹中碧水史
窓近く白夜の海の航急ぐ 斎藤ひろし
笹百合や白夜を常の村ひとつ 有働亨 汐路
管弦楽奏す白夜の大宮殿 田中和子
納沙布は海霧に白夜の火を焚けり 後藤一秋
紙を折る白夜の国へ行きたしと 神尾久美子 桐の木
菓子を焼く匂ひの甘き白夜かな 坂本宮尾
菩提樹の並木あかるき白夜かな 久保田万太郎「流寓抄」
落葉ふりつむたましひの白夜には 和泉香津子
蒼空に星かげの無き白夜かな 三宅蕪村
薔薇園の色失なえる白夜かな 寺澤慶信
蛾の舞ひの山の白夜を怖れけり 臼田亜浪 旅人
街燈のひとり灯れる白夜かな 久保田万太郎 流寓抄
街白夜王宮は死のごとく白 橋本鶏二
見えぬもの見るため白夜始まれり 対馬康子 純情
誰一人日本語知らぬ白夜かな 久保田万太郎 流寓抄
足りてゐて足らざる眠り旅白夜 長山あや
路面チェス数人かこむ白夜かな 森田峠 逆瀬川以後
路面チェス駒に白夜の影もたず 河野青華
蹄よくひゞく白夜の石畳 平松三平(かつらぎ)
酔ひどれの我にまぶしき白夜かな 日原傳
野の花を摘めば摘まるゝ白夜かな 田村了咲
金色の髪は白夜に似合ふもの 高木晴子 花 季
釣糸を投げる指先より白夜 対馬康子 吾亦紅
長旅を来てフィンランド白夜なる 星野椿「波頭」
闇淡き白夜のホテルゲーテ読む 関森勝夫
雪残る嶺なだらかに白夜なる 有働亨 汐路
雪渓に白夜もあをき天蓋を 桂樟蹊子
露店市あとかたもなき白夜かな 森田峠 逆瀬川以後
静まりし白夜の街の灯は消えず 高木晴子 花 季
颱風来ひしと白夜の躬をいだく 臼田亞浪 定本亜浪句集
鯨鳴く白夜の海のしづけさに 山田夏草
鳥語受信す軟着陸の白夜の肺 八木三日女 石柱の賦
鳩は巣に鴎はとべる白夜かな 森田峠 逆瀬川以後
鴎舞ひ白夜のネオン淡かりし 広瀬河太郎
黄昏といふ色のなく白夜暮る 梅田実三郎
黒ビール白夜の光すかし飲む 有馬朗人 耳順

以上
by 575fudemakase | 2016-06-28 16:55 | 夏の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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