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滝 続2

滝 続2

滝凍てて金剛力のこもりけり 小島花枝
滝凍てぬ水の痛さを閉ぢこめて 鈴木鷹夫 渚通り
滝凍り命の丈をきらめかす 源鬼彦
滝凍り真白の刻をとどめけり 櫻井菜緒 『帰雁』
滝千筋不意にちちはは近きかな 鍵和田[ゆう]子 飛鳥
滝千筋天心の日は珠をなす 鍵和田[ゆう]子 武蔵野
滝坂のはじまる蝌蚪の濁り溝 桂樟蹊子
滝坂の道のでこぼこ百千鳥 大門朴童
滝垢離に褌の真白きそひあふ 筑紫磐井「婆伽梵」
滝垢離の端に白息つつしめり 杉山やす子 『梅東風』
滝垢離の胸高に組む祷りの手 谿昭哉 『航跡』
滝垢離の髪干す榾火明りかな 恩田秀子
滝垢離はよくよくのこと束ね髪 長谷川洋児
滝垢離を終へずぶ濡れの祝ひ唄 石川美佐子
滝壷に滝活けてある眺めかな 中原道夫「アルデンテ」
滝壺がけむる白さや五十代 鈴木鷹夫 大津絵
滝壺にさくら鱒飼ふ名栗村 大西八洲雄
滝壺にしぶきて瀧の収まらず 柴田佐知子
滝壺に春ほとばしりゐたるかな 河口吟蔵
滝壺に滝のたかぶり残りをり 小島健 木の実
滝壺に落ちてゆく声誰にも似ず 折井紀衣
滝壺のたぎちたぎちてうすみどり 深見けん二 日月
滝壺の一点蒼し結氷界 佐野美智
滝壺の韻きに和して木の葉散る 高澤良一 随笑
滝壺はふちより凍る身のゆくへ 鍵和田[ゆう]子 武蔵野
滝壺はよろこびあつめ春隣 村松正規
滝壺は水の百態鎮めけり 山室キミ子 銀化
滝壺へ瀬を替え道の続きをり 高澤良一 素抱
滝壺や死怖ぢて陽気な京訛り 平井さち子 完流
滝壺や風ふるひこむ散り松葉 散り松葉 正岡子規
滝壺を出ざる水の青さかな 永方裕子
滝壺を出ても滾ちのをさまらず 檜紀代
滝壺を出てより水のかへりみず 檜紀代
滝壺を出てより水のもつれ解く 檜紀代
滝壺を流れ出て水無傷なり 津田清子「縦走」
滝壺を経て春水のいまは自適 鈴木 榮子
滝外れて滝壺も外れ水落ちゆく 津田清子
滝守の禰宜に積まれし賀状かな 皆吉爽雨
滝巾の風の通路に佇めり 高澤良一 素抱
滝径に音の死角や木の葉散る 氷高 爽
滝掠め飛沫をくぐり岩燕 小川斉東語
滝暮れて一朶の雲に響あり 武田鶯塘「鶯塘集」
滝桜空洞より蛇を吐きにけり 岩崎眉乃
滝桜落ちくるひかり子へ流す 佐怒賀正美
滝殿に人あるさまや灯一つ 内藤鳴雪
滝殿のしぶきや料紙硯箱 滝 正岡子規
滝殿の柱々や並び居る 篠原温亭「温亭句集」
滝殿やさし来る月の薄烟 嘯山「葎亭句集」
滝殿や玉の響の珊々と 島田五空「裘」
滝殿や窟の神も鎮りぬ 河東碧梧桐
滝殿や運び来る灯に風見えて 田中王城
滝水のぐるりと迂回せるもあり 高澤良一 ももすずめ
滝水のとどろに大徳出づる寺 高澤良一 素抱
滝水の下に滝水割込めり 高澤良一 ぱらりとせ
滝水の中やながるる蝉の声 惟然「草庵集」
滝水の天へ流るとみしが鵙 田中水桜
滝水の巖過ぐとき巖いろ 高澤良一 ぱらりとせ
滝氷る空也のごとく身を絞り 西田 誠
滝氷柱白をつくして峡の奥 奥田恵美 『再度山』
滝津瀬に三日月の金さしにけり 飯田蛇笏
滝津瀬の飛沫燦々竹煮草 田中水桜
滝浴のまとふものなし夜の新樹 山口誓子
滝浴びし祖母のかたえの遠き日よ 松澤晴美
滝浴びて来し山伏のひろき胸 皆川盤水「高幡」
滝浴びの童子の言葉谿に澄む 河野南畦(あざみ)
滝涸れてさらにしづけき庫裡の裏 黒田桜の園
滝涸れてしなやかに猫通りけり 長谷川櫂 古志
滝涸れて一枚岩の屹立す 森田 峠
滝涸れて一枚巌となりにけり 大橋桜坡子
滝生きて秋のしのびし峡震ふ 鍵和田[ゆう]子 未来図
滝紅葉水は激しく睦みあふ 鈴木貞雄
滝臭い若葉の夜は墨は濃く 原満三寿
滝落ちてよりにぎやかな雪解水 上林厚一
滝落ちてアオダモの木に轟けり 高澤良一 鳩信
滝落ちて山中の春ゆるやかに 星野麥丘人
滝落ちて群青世界とゞろけり 水原秋櫻子「帰心」
滝落ちて自在の水となりにけり 小林康治
滝落ちて若き水なり藍凝らす 勝又寿々子 『春障子』
滝落ちて谺を天へ返しけり 小山曲江 『余韻』
滝落としたり落としたり落としたり 清崎敏郎
滝落とすなり直立の玄武岩 相磯 守
滝落下点へゆつくり向ふ水 高澤良一 さざなみやつこ
滝行のうしろの山のかゝり藤 高浜年尾
滝行の僧のうしろへ廻りけり 小笠原和夫
滝行の声に寒禽だまりけり 森田 峠
滝行の声の切りたる昼の闇 平野無石
滝行の女身はも乳尖らする 東條素香「鶴俳句選集」
滝行を終へたる女身細りけり 福神規子
滝行女濡れ身の岩戸がくれかな 平畑静塔
滝行者水を掴みて滝離る 宮田カイ子
滝行者腹の底より声発す 池内淳子
滝行者荒瀬の綱を一人づつ 松原智津子
滝行者鋼佇ちしてゐたりけり 能村研三「磁気」
滝行衣並べ干したる堂庇 垣内弥栄子
滝行衣絞る菩薩に背を向けて 稲富義明
滝見るにイタリヤ製の靴泣かす 諸田登美子
滝見岩にんげん声をしまひけり 鍵和田[ゆう]子 飛鳥
滝見茶屋ざっくばらんな紅葉かな 高澤良一 石鏡
滝見茶屋の婆の亡き夫よく知れり 佐久間俊子 『むさし野』
滝見茶屋声ぶっつけてぶっつけて 油井和子
滝誉むる詩碑に手を置き滝を見る 中戸川朝人 尋声
滝谺水の匂ひを失くしたり 阿部俳声
滝近きけひの霧に破れ笠 岡田貞峰
滝近く雪片急ぎやまざるも 肥田埜勝美
滝道のそよろそよろと羊歯大き 鍵和田[ゆう]子 飛鳥
滝開石動山の芋供へ 野上智恵子
滝雫染めて秋海棠の花 矢島渚男 延年
滝音に人語逆らふすべもなし 小路紫峡(ひいらぎ)
滝音に驚き黄葉したりけり 高澤良一 寒暑
滝音のするどくほそりやがて凍つ 澁谷道
滝音のはつかに聞ゆ蔓あぢさゐ 高澤良一 燕音
滝音の中小説を読む女 山田弘子 螢川
滝音の中松蝉のまぎれなし 深見けん二 日月
滝音の呪縛振り切り来たりけり 高澤良一 燕音
滝音の唄とも聞こゆ読経とも 西山小鼓子
滝音の消ゆるところに来て安堵 磯辺まさる(藍生)
滝音の生あるものにひびきけり 谿昭哉 『航跡』
滝音の耳を離れし昼の酒 小島健 木の実
滝音の高まるばかり解夏の寺 新田千鶴子
滝音も昔のままや寒雷忌 鎌田 茂
滝音を己が声とし若き行者 加藤知世子
滝音を離れてよりの冬日和 竹中碧水史
滝音を離れて水の匂ひけり 小島健 木の実
滝頭より滑り出て秋つばめ 由利雪二
滝風に行衣干しある日石寺 吉田泰子
滝飛沫あびてアリアを聴くごとし 高澤良一 ぱらりとせ
滝飛沫ダグラス樅を育めり 高澤良一 ぱらりとせ
潮騒に垂水の滝の昏れのこる 山口耕堂
瀧が瀧のり越えて落つ水行場 平井さち子 鷹日和
瀧けむり双竜の翳帯びにけり(双竜の滝) 高澤良一 石鏡
瀧しぶきセーラー服の一団に 鈴木鷹夫 千年
瀧しぶき虹に厚さを見せにけり 中戸川朝人 星辰
瀧つ瀬は滾りて白き紅葉川 川崎展宏
瀧となり落ちたる水の大循環 高澤良一 燕音
瀧となる水に惑いの許されず 成田淑美
瀧とぶや霧にもつれて尾上より 霧 正岡子規
瀧の上まで舟のゆく花さびた 中戸川朝人 星辰
瀧の威をおそれず島の樹々太る 梶山千鶴子
瀧の影瀧におくれて落ちにけり 高田正子
瀧の月散るや毛穴に風起る 月 正岡子規
瀧の水弥陀の御衣をなせりけり 高澤良一 燕音
瀧の水空の剥落さそひけり 中原道夫 巴芹
瀧の秀の凍る直前かも知れず 石寒太 翔
瀧の面をわが魂の駈け上る 後藤比奈夫 めんない千鳥
瀧の音いろいろになる夜長哉 夜長 正岡子規
瀧の音殘る暑さもなかりけり 残暑 正岡子規
瀧を見に水晶を売る店通る 中戸川朝人 星辰
瀧を見る切羽詰まれる時間まで 茨木和生 野迫川
瀧上の水のうつろや小晦日 宮坂静生 春の鹿
瀧凍てむとて渾身に落ちゐたり 宮坂静生 春の鹿
瀧壺にふきぬけの空遠く青し 百瀬美津
瀧壺の渦にはねこむ霰哉 霰 正岡子規
瀧壺の轟音に我投げ込まれ 高澤良一 暮津
瀧壺へ根こそぎの水枯谺 宮坂静生 山開
瀧殿に積翠の文字掲げあり 中戸川朝人 尋声
瀧浴びし人やはらかに横たはる 長谷川櫂 虚空
瀧涸れて日向に寒し山の不動尊 寒し 正岡子規
瀧湧くや秋のはらわたちきれけん 秋 正岡子規
瀧落ちてゆく人老いてゆく時間 黒田杏子 花下草上
瀧落ちて月光那智にあふれしむ 黒田杏子 花下草上
瀧落ち岩尖る處鶺鴒飛ぶ 鶺鴒 正岡子規
瀧行のしぶきの玉と龍の玉 中戸川朝人 星辰
瀧行者草鞋の雫とばし来る 中戸川朝人 尋声
瀧裏にこゑひゞくなり三十三才 藤原たかを
瀧音の秀衡櫻とぞ申す 黒田杏子 花下草上
瀧音を持ち帰りたる懐炉かな 鈴木鷹夫 千年
瀬音澄み奥入瀬の滝ひびき合ふ 鳥谷部武子
灯を向けて瀧蓬髪の素顔もつ 中戸川朝人 星辰
炭竃や滝のひかりも烟るひま 紫暁
照雨や滝をめぐれば鷽の啼く 加舎白雄
熊本より来たばい真名井の滝はよか 高澤良一 鳩信
熊野なる瀧谺なす月今宵 黒田杏子 花下草上
熊野路の滝百尺の水の棒 山島和子
燭ゆらぐ神へひびきて春の滝 鈴木鷹夫 渚通り
父の声滝の音にも消されざる 山崎みのる(諷詠)
父も師も子も母もなし月の瀧 黒田杏子 花下草上
牛滝の海鵜は鳴かず浪ころし 小西尚治
牧へ行く仔馬が瀧に打たれ過ぐ 水原秋櫻子
狼の絶えて百年滝涸るる 岩津厚子
玉簾の滝の千筋のもつれなく 松本たかし
玉簾も飛烟も女瀧畏まる 山崎千枝子
生卵籠ごと冷やし滝行場 西村弘子
田の水となる四十八滝落ちて来て 西條真智生
男の瀧は直に女瀧は滾つなり 川崎展宏
男の瀧へ小瀧のしぶき散りかゝり 川崎展宏
男の瀧や女瀧な凍てそと打ち続く 平井さち子 鷹日和
男体山の芽吹きを誘ふ行者滝 高井利夫
男滝へは女の足で十四、五分 高澤良一 暮津
男滝より女滝激しく落ちにけり 上野玲子
白でなし透明でなし那智の滝 宇多喜代子
白といふ激しき色に滝躍る 森本之子
白光の天上天下那智の滝 成田千空「白光」
白山の雲割つて滝落ちにけり 山田春生「雪渓」
白木蓮や遠くひかりて那智の滝 石原八束
白梅や火の粉無尽に御滝護摩 小川原嘘帥
白滝の忽と現はる秋気かな 上田佳久子
白瀧の二筋かゝる紅葉かな 紅葉 正岡子規
白糸のその細糸の滝落つる 阪本坂水
白糸の滝の坂道きぶし咲く 阿部ひろし
白繭のごとき行者を滝打てり 吉武千束
白菊を瀧につくりし細工哉 菊細工 正岡子規
白馬駈け下りるごとくに滝の水 鷹羽狩行「十二紅」
真ん中の棒となりつつ滝落つる 深見けん二 日月
真向へる男滝じりじり詰め寄れる 高澤良一 さざなみやつこ
真白とは激しき色か滝真白 山口超心鬼
眼裏に滝の全長あふれしめ 片山由美子「水精」
瞬きて瀧を寸断してをりぬ 鈴木鷹夫 風の祭
矢のごとき背山の滝や妙雲寺 皆川盤水
知床のか細き滝の海へ落つ 小池宗彦
石楠花にかくれ二の滝三の滝 宮下翠舟
石清水音羽の滝として落つる 木村君子
石組に滝跡ありて水草咲く 松本澄江
石階の滝のごとしや百千鳥 富安風生
碧落へ注連張つて那智一の滝 肥田埜勝美
神々の滝てふ銀河しぶくなり 田中玉江
神にませばまこと美はし那智の滝 高浜虚子「虚子全集」
神の滝よりいく筋の川生まれ 稲田眸子
神宿る滝のしぶきを少し浴び 志子田花舟(ホトトギス)
神鈴の緒の滝じめり竜王峡 檜 紀代
秋の山瀧を殘して紅葉哉 秋の山 正岡子規
秋の滝水崩れずに落ちにけり 茨木和生 往馬
秋の空より落ち仙娥滝白し 鶴田栄秋
秋の空華巖の瀧の白さかな 秋の空 正岡子規
秋の雲瀧をはなれて山の上 秋の雲 正岡子規
秋深し身をつらぬきて滝こだま 鷲谷七菜子
秩父七瀧一気に寒さ落しけり 小川原嘘帥
称名滝天に沖して男梅雨 小林俊彦
空見えぬ縄文杉を落つる瀧 梶山千鶴子
立琴に瀧こしらへて月見哉 月見 正岡子規
竜田姫瀧の柱は粧はずに 高澤良一 石鏡
竹林の向うの滝の涼気来る 鈴木鷹夫 渚通り
筧にも滝と名のつく涼みかな 納涼 正岡子規
箱庭に一の滝二の滝とあり 山川喜八
糸投げしごとくに滝や遅桜 舘岡沙緻
糸滝の音より抜けて日雀かな 隈崎了仙
紅葉の裾は一つの夫婦滝 富永和賀子
紅葉より瀧ちる谷間谷間かな 紅葉 正岡子規
紅葉より紅葉へ女瀧見え隠れ 川崎展宏
紅葉出て落ちこむ瀧や霧の中 霧 正岡子規
紅葉散り小滝三段鳴り揃ふ 岡田日郎
紅葉滝一会の領巾を振りに振る 中戸川朝人 尋声
紅葉見え瀧見える茶屋の床几かな 紅葉 正岡子規
素麺の瀧に李白の月見せよ 月 正岡子規
紫木蓮滝ノ口にも腰越にも 高澤良一 宿好
細滝を容れて淵濃し桂川 小俣幸子
紺青の孔雀の瀧といひつべし 宮坂静生 樹下
終章はかがやけと滝凍るなり 倉橋羊村
結氷をゆるりと落とす那智の滝 小林茂晴
絵の中に滝の小さく切子かな 岩田由美 夏安
維摩会の遠滝を鶏流れけり 安井浩司
総身に滝音つめて戻りけり 黛 執
総身に瀧飛沫あび赤子抱く 石寒太 炎環
緑十重二十重の滝の落つるなり 井上康明(白露)
緒を締めし鼓ケ滝の音と思ふ 鷹羽狩行
羽衣のごとくに瀧の吹かれをり 長谷川櫂 虚空
翔ぶ鳥の下にひかりて滝氷る 中戸川朝人 残心
老杉に滝白刃となりにけり 澤村昭代
老神の上から瞶め滝氷る 和知喜八
肩をうつ湯滝のしぶき合歓の花 坪根里杏
胸を押す滝の気配や滝しぶき 谷口芳江
胸中に小さき滝懸け三尺寝 高澤良一 寒暑
胸中に青きもの秘め滝凍る 檜紀代
胸底を打つ一本の滝なりし 高浦銘子(藍生)
脚下なる流速すでに滝の相 小倉英男「乾坤」
色鳥の手毬返しを滝がしら 赤松[ケイ]子
若餅や手水とばしる美濃の滝 言水
荒行の鎖閉ぢこめ滝凍つる 武川歌子
落ちてゆくゆとりもありて滝涼し 津田清子
落ち際はそもそも無音法の滝 高澤良一 素抱
落つ瀧の国歌斉唱せるごとし 高澤良一 燕音
落下する滝のぼりゆく水のあり 田邊香代子
葱一本流れつきたり滝行場 若月栄枝
蒼天に氷れる滝の裸身めき 佐野美智
薫風や音羽の滝を吹き散らす 薫風 正岡子規
薬草を掘るまなかひに那智の滝 上村英雄
藤の花滝の真上に吹かれをり 坂部尚子
藤房や小滝さながら枝伝ふ 佐藤洋子
虚子の句も及かずと思ひ瀧仰ぐ 茨木和生 野迫川
虚子の忌の清瀧に雪降つてをり 茨木和生 倭
虹を飼ふことを一途に秋の滝 大島雄作
蛇のから滝を見すして返りけり 蛇の衣 正岡子規
蛇の絹不老の瀧のありといふ 川崎展宏
蜻蛉の飛びとゞまれる滝の前 森田 愛子
蝉鳴くや団扇に画く滝の音 蝉 正岡子規
行き行きて河津七滝辛夷咲く 菊池集午
行者滝蟹を育ててをりにけり 衣川次郎
袋田の滝に垣なす大氷柱 舩山節子
裏山に滝の癒せたる神の留守 鈴木鷹夫 渚通り
裏見せて涼しき滝の心かな 芭蕉「宗祗戻」
裏見の滝仰ぎ壷中にある思ひ 鷹羽狩行
裾をやや乱して神の滝落下 片山由美子 天弓
褌を滝にひたして昼寝哉 昼寝 正岡子規
見えぬ鳥さがす 滝と混声の 伊丹公子 山珊瑚
見下して滝つぼ深き冬木かな 飯田蛇笏
豁然と湯滝の空も四月かな 石田あき子
貝の音の過ぎたる月夜一之瀧 黒田杏子 花下草上
踏跡を持たざり雨の瀧行者 中戸川朝人 尋声
身に浴びて立夏の滝の青しぶき 大石昌代 『清見潟』
身の上に降りかゝりたる春の滝 攝津幸彦 鹿々集
身を剥がすごとくに滝の前を去る 渡部志津子(狩)
軸涼し墨一刷きの瀑布なる 伊藤宮子
轟々と建国の日の滝こだま 吉田銀葉
近づけば木立に隠れ那智の滝 片山由美子 天弓
逆峰の法螺吹き納む一の瀧 黒田杏子 花下草上
造り瀧とてときにする大飛沫 中戸川朝人 尋声
道滝へ近づくちさの落花かな 大谷句仏「我は我」
遠滝の音なき白さ畏れけり 渡辺 昭
那智の滝秋の虹へと遡る 五島高資
那智の瀧一尺見ゆる雛の家 吉本伊智朗
那智を去る瞼に滝の落ちつづけ 山口超心鬼
酒あまた供へ養老滝開き 井上みさ
酒の瀑布冷麦の九天より落るならん 其角
金剛の杖を頼りや滝仰ぐ 深見けん二 日月
金剣宮の滝より小蟹這ひ出せり 田上さき子
釜形(なり)の滝の音色の扇面に 高澤良一 寒暑
鉄梯子下りて禊や滝の行 鳥居忠一
長き夜や闇に落ちかゝる瀧の音 夜長 正岡子規
閉された音のかたちに滝凍る 田邊香代子
陰陽の音たがへけり秋の滝 中川文子
隠れ滝女滝といふを従へて 大石悦子 群萌
隠元を膝に娘や滝の前 川端茅舎
雄の瀧の秋の空より懸りけり 川崎展宏
雌瀧雄瀧ひとつに落ちる血のはじまり 竹中 宏
雪代に渦濁らせて乙字の滝 新井佳津子
雪割草垂水の滝は巌つたふ 山口草堂
雪山に春のはじめの滝こだま 大野林火
雪山に春の夕焼滝をなす 飯田龍太
雪柳小さき滝の重なりぬ 吉岡紀子
雲の峯華厳の滝は涸れにけり 雲の峯 正岡子規
雲中の滝とどろかず初紅葉 澤田緑生
雲飛んで海へ直下の滝凍つる 千田一路
霊山の巌打ちて霊山の滝 岬雪夫
霊水の一すぢ光る紅葉滝 林 道子
霧こめて霧降の滝轟けり 岡崎玲子
霧降の滝より湧けり夏の雲 吉新黒髪
青滝や来世があらば僧として 能村登四郎
非文忌の滝に面影顕ちにけり 三村純也
韓国の愁いの滝というを見し 鳴戸奈菜
音のあることのかなしき女滝かな 田部谷紫「揺籃」
音無しの滝が冷やせしラムネ買ふ 橋川里浦
音無の滝までつづく落椿 大場白水郎
須弥山に懸れる春の瀧ならん 川崎展宏
風光る浄蓮の滝たかぶれり 安藤すみ子
風涼し滝のしふきを吹き送る 涼し 正岡子規
飛沫舞ふ河津七滝冬に入る 高木春夫
養老の闇深ければ滝鳴れり 川端むいつ
養老や残る花より滝の音 吉田冬葉
饒舌は滝の飛沫を浴びてより 矢野美恵子
駅頭の雨滝なせり愛の羽根 水原秋櫻子
駒鳥鳴くやいくつ滝落つ大樹海 岡田日郎
髪ほどき女身にかへる滝行者 館容子(狩)
鬱々と翳昇りゆく瀧の水 川崎展宏
鬱の日のかたまり落ちる滝の水 宮下揺子
鬼灯を鳴らせば湯滝迫り来る 田中水桜
魂魄の一条となり滝落つる 深見けん二 日月
魚止の滝まで登り秋惜しむ 堀口星眠
鳥の名を当てずつぽうに滝涼し ふけとしこ 伝言
鶺鴒や三千丈の瀧の水 鶺鴒 正岡子規
鶺鴒や瀧をはねたる尾の力 鶺鴒 正岡子規
鷹とべり春の滝より現れて 茨木和生 三輪崎
黄落を滝つらぬけり落ちて藍 倉橋羊村
鼓動して太古のこころ深山瀧 高澤良一 燕音

以上
by 575fudemakase | 2016-08-04 18:56 | 夏の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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