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涼風

涼風

あいさつはうちとの風でしまひけり涼風 千代尼
お岩木の涼風徹る忠魂碑 高澤良一 寒暑
こつと高き墳の涼風広田より 大熊輝一 土の香
とめどなき涼風に松老いにけり 大峯あきら 宇宙塵
どの道も土橋で反るよ涼風得て 香西照雄 素心
なほ海天濤声涼風ある限り 香西照雄 素心
みづいろの忌よ涼風に色あれば 渡辺恭子
もの思ふほどの涼風立ちにけり 神崎 忠
ダイヤモンドヘッドの涼風日本より 茂里正治
一生の今涼風の仏かな 笹目翠風
云はむとす事ふと忘れ涼風に 翁長恭子
仏足に触れ涼風を聴くごとし 櫛原希伊子
何もかもこの涼風にまかせをり 星野椿「波頭」
信濃びとわれに信濃の涼風よ 相馬遷子 山河
句碑の辺に涼風たちて待ちくるゝ 高木晴子 花 季
吹きぬける涼風前も後にも 星野 椿
吾子たのし涼風をけり母をけり 篠原鳳作 海の旅
土工朗笑涼風を受け球を逸し 香西照雄 素心
大沢の池の涼風来る写経 大橋敦子
天守閣上涼風百尺吹きぬける 瀬谷泰泉
天然の涼風窓より浅草線 高澤良一 鳩信
岩を攀ぢ立つ涼風の天狗岳 岡田日郎
幼き問ひと涼風にむせぶ日ぞ 友岡子郷 日の径
心静かにあれば涼風自ら 星野立子
心静かに在れば涼風自ら 星野立子
手術日を告げ涼風と医師去りぬ 中嶋秀子
摩天楼涼風とゆく女かな 仙田洋子 雲は王冠
日が遠ければ涼風に山揃ふ 飯田龍太 麓の人
木の家や涼風に肩叩く音 中山純子 沙 羅以後
森の抜道いま涼風のためにあり 村越化石 山國抄
極楽や湯屋の窓から涼風が 高澤良一 暮津
次の男も涼風を言う 天守閣 坂田直彦
水の上に涼風見えて走りけり 野沢節子 八朶集以後
水引の紅の一すぢ涼風忌 赤澤千鶴子
池涼風遠来の友のパイプ反る 平井さち子 完流
洞穴や涼風暗く水の音 涼風 正岡子規
涼風(すずかぜ)の曲りくねつて来たりけり 小林一茶 (1763-1827)
涼風がたてばおろかな猫となる 岡田史乃
涼風が昔語りをくりかへす 高木晴子
涼風が歯塚が待つてをりにけり 高木晴子 花 季
涼風といふもおろかや人励む 星野立子
涼風となる一擲の真鯉かな 神蔵器「幻」
涼風と共に山門くぐりけり 福田勝男
涼風と土間の凸凹昔より 高木 晴子
涼風と思ひゐし間の夕冷も 稲畑汀子
涼風にまなことぢぬもあはれなり 川島彷徨子 榛の木
涼風にみどりごの息つまるばかり 山本歩禅
涼風によき計画の又生れ 星野立子
涼風にマリアッチ沸く渡舟かな 仙田洋子 雲は王冠
涼風に円座あり他は無用なり 高浜虚子
涼風に吹き返さるる鴉かな 大峯あきら 宇宙塵
涼風に月をも添て五文哉 一茶 ■文化九年壬甲(五十歳)
涼風に痩せ細りをる柱かな 上野泰 佐介
涼風に積古る蚕笊二十枚 八木林之介 青霞集
涼風に紙片の如く我吹かれ 上野泰 佐介
涼風に縫ひ広げたるワンピース 今井千鶴子
涼風に臍吹かれつつ東道す 木村蕪城 寒泉
涼風に蓮の飯喰ふ別かな 中村史邦
涼風に蓮の飯喰ふ別れかな 史邦 俳諧撰集「藤の実」
涼風に薬をさがす旅鞄 飯田龍太
涼風に身をおしあてて歩行けり 梅室「梅室家集」
涼風に身を置き明日を考へず 藤木和子
涼風に集はれよ道遠くとも 高木晴子 花 季
涼風に面を向けてをるばかり 楠目橙黄子 橙圃
涼風に音といふものなかりけり 水見壽男
涼風に飯食ふ主黄昏るゝ 尾崎紅葉
涼風のからむか牛の角ふりて 尾崎紅葉
涼風のとどく木賊の前の石 神尾久美子 桐の木以後
涼風のとほるに死してよこたはる 谷野予志「昭和文学全集」
涼風のどちらからとも定めなく 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
涼風のまた来りけり歩みそむ 池内友次郎 結婚まで
涼風のまろぶによろしつぶら吾が子 篠原鳳作 海の旅
涼風のみなもととして沙羅双樹 三田きえ子(俳壇)
涼風のレインボーブリッジ越えて来し 坂井建
涼風の一塊として男来る 飯田龍太「遅速」
涼風の一日夫を母にかへす 上野さち子
涼風の一枚となり野を渡る 押谷 隆
涼風の一楽章を眠りたり 矢島渚男「翼の上に」
涼風の上野吹くらん杉動く 涼風 正岡子規
涼風の中で団扇を使ふかな 高木晴子 晴居
涼風の出処なるや夏木立 夏木立 正岡子規
涼風の吹木へ縛る我子哉 一茶
涼風の妻に槌目の鍋ひとつ 友岡子郷 未草
涼風の我眉太し佐渡ケ嶋 尾崎紅葉
涼風の揺椅子に添ふ聖書かな 中戸川朝人 残心
涼風の星よりぞ吹くビールかな 水原秋桜子
涼風の曲りくねつて来たりけり 小林一茶
涼風の来てゐる燕通しかな 増成栗人
涼風の来て屑籠の転がれり 村越化石
涼風の植所なき住ゐかな涼風 千代尼
涼風の窓あり我は図書頭(づしょのかみ) 森田峠 逆瀬川
涼風の立つやさらしの疋田山 中村史邦
涼風の筋に触れたる刹那かな 鈴木美那子
涼風の自在吾よりも若僧に 野澤節子 黄 瀬
涼風の裂くばかりなる頁読む 中村汀女
涼風の這入りて見えぬ紅畑 千代尼
涼風の通ふところを犬知れる 青葉三角草
涼風の鷺の巣映す行潦 大熊輝一 土の香
涼風の黙つてゐればつのり来る 石田郷子
涼風はきりんの首からおりてくる 森 玲子
涼風は四通八達孤独の眼 中村草田男「萬緑」
涼風は賣物ならずお品書 中原道夫
涼風も招けバ湯から出にけり 西原文虎
涼風やあふぐ団扇のうらおもて 団扇 正岡子規
涼風やいのち競へる波頭 鍵和田[ゆう]子「風月」
涼風やしづかに消ゆる宿篝 大坂邦子
涼風やたまたま川の匂ひ来る 阿部みどり女
涼風やながれのすゑに生駒山 闌更「三傑集」
涼風やふと指をくり日をかぞふ 橋本鶏二 年輪
涼風やほの三日月の羽黒山 松尾芭蕉
涼風やよき隔りの椅子二脚 志方ヒ口枝(南風)
涼風やわれを山から吹下す 涼風 正岡子規
涼風やセニヨ・リータと呼ばれもし 高木晴子
涼風やビードロになる砂を採る 涼風 正岡子規
涼風や三蓋松の寺の紋 中戸川朝人 残心
涼風や何喰はせても二人前 一茶 ■文政五年壬午(六十歳)
涼風や余所の鉦鼓(しょうご)になむあみだ 園女 俳諧撰集玉藻集
涼風や剣士一団田安門 平野無石
涼風や力いつぱいきりぎりす 一茶
涼風や力一ぱいきり~す 一茶 ■文化七年庚午(四十八歳)
涼風や問はれて答ふこと多し 高木晴子 花 季
涼風や太宰生家の通し土間 島田ヤス
涼風や如是我観の太文字 阿部みどり女 『石蕗』
涼風や寄る辺もとむる蔓のさま 臼田亞浪 定本亜浪句集
涼風や寝起の心よみがへる 寺田寅彦
涼風や峠に足をふみかける 許六 六 月 月別句集「韻塞」
涼風や左手の石の沈みつつ 岸田稚魚 筍流し
涼風や座敷つづきに母と寝て 實谷千恵美「雉俳句集」
涼風や忘れしもののかへり来る 阿部みどり女
涼風や愚庵の門は破れたり 涼風 正岡子規
涼風や愚庵の門は被れたり
涼風や押され合たる草と草 千代尼
涼風や持ちよるものに茣蓙二枚 鈴鹿野風呂 浜木綿
涼風や机上に白き貝一つ 吉野義子
涼風や椅子かたまつてかげさしぬ 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
涼風や橋のかたちに灯の点り 志村宗明
涼風や毀つ家吾子が撮りまくる 奈良文夫
涼風や湧水のある寺の庭 加藤正子
涼風や漕ぐ音白く月暮れし 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
涼風や秋月城址蒼天に 沼田夕虹
涼風や笹葉まぎれの月うるみ 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
涼風や籬の上なる五剣山 鈴鹿野風呂 浜木綿
涼風や虚空にみちて松の声 鬼貫「鬼貫句選」
涼風や虚空に満ちて松の声 上島鬼貫
涼風や虚空に満て松の声 鬼貫
涼風や鎌ももたずて子かまきり 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
涼風や障子にのこる指の穴 鶴声(おさなき人の早世に申しつかわす) 古句を観る(柴田宵曲)
涼風や青田のうへの雲の影 許六 五 月 月別句集「韻塞」
涼風や青田の上の雲の影 許六
涼風や髪の白さを嗤ひあふ 岸風三樓
涼風をあびる木の間の床几哉 涼風 正岡子規
涼風をいひ秋風をいふ頃ぞ 矢島渚男 木蘭
涼風をはやせば蛭が降りにけり 一茶 ■文化十二年乙亥(五十三歳)
涼風を入れて細身の百済仏 南 恵子
涼風を独り占めして留守を守る 松尾信香
涼風を着こなす黒もまた派手に 岡地蝶児(アンソロジー俳壇)
涼風を腹一ぱいの仁王かな 永井荷風
涼風を落すや雨後の檜山 中勘助
涼風を蝉ゐざりつつ隠れけり 佐野良太 樫
涼風を輪にして廻る車哉 涼風 正岡子規
涼風を通す柱の黒光り 桂信子
涼風を青田におろす伊吹かな 支考「笈日記」
涼風一過読みつつ次の一過待つ 及川貞
涼風忌しばしは墓に日傘かけ 渡辺恭子
涼風熱風こもごもいたる白河原 福田蓼汀 秋風挽歌
湯上りやつい涼風に寝せらるゝ 涼風 正岡子規
湯上りや涼風吹て眠うなる 涼風 正岡子規
無明橋あたり涼風浄土かな 久保田珠生
熟睡子を置く涼風の青畳 佐野美智
生毛吹くほどの涼風来ては去り 阿部みどり女
甲子園一瞬燕と涼風と 有馬朗人
目覚めては涼風をける足まろし 篠原鳳作
睾丸に須磨のすゞ風吹送れ 涼風 正岡子規
絵馬堂に涼風遊ぶ島の午後 山田弘子 初期作品
胸元に涼風あつめ峠茶屋 小林ミヨ子
舟板に涼風吹けどひだるさよ 一茶 ■文化元年甲子(四十二歳)
蔀戸をあげ涼風を奉る 吉田花宰相
谷五つ渡る涼風麦屋節 伊藤京子
遠つ灯の賑やかさ涼風を待つ 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
重き荷を置くや涼風ふところに 五十川敏枝
鍋の焦げ掻くや涼風吹きまはし 東洋城千句
門を入れば涼風ふくや竹林寺 寺田寅彦
魚板二打涼風よぎる翁堂 三好たけし

以上
by 575fudemakase | 2016-08-10 10:21 | 夏の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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