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薇 の俳句

薇 の俳句


例句を挙げる。

あるだけの金で薇買ふひとりの日 野見山ひふみ
ぜんまいが男の手の中にひらく 金田咲子 全身 以後
ぜんまいにさめてやさしき今年蛇 加藤楸邨
ぜんまいにどつと風吹く賤ヶ岳 すだ左千子
ぜんまいに不意に風湧く古戦場 西村公鳳
ぜんまいに吹かれてゐたる蜘蛛の絲 佐々木六戈 百韻反故 吾亦紅
ぜんまいに相模湖の入江ひとつ見ゆ 水原秋桜子
ぜんまいに跼めば庵の昼ふかし 塘 柊風
ぜんまいに雪の峰々立て込みぬ 高澤良一 燕音
ぜんまいのいのちしづかに渦ほぐす 三宅 句生
ぜんまいのすでにほどけてゐし暮色 宇咲冬男
ぜんまいののの字の綿の並び立つ 北條 力
ぜんまいののの字ばかりの寂光土 川端茅舎(1897-1941)
ぜんまいのほぐれて遠き海愛す 島みえ
ぜんまいのゆるびてよりの草長けぬ 米澤吾亦紅
ぜんまいの拳ほどけよ雲と水 桂信子 緑夜
ぜんまいの明日をめざして立ち上がる 佐藤美恵子
ぜんまいの春惜むげにたけにけり 清原枴童 枴童句集
ぜんまいの月の中までのびあがる 野中亮介
ぜんまいの果は知らねど男草 小檜山繁子
ぜんまいの渦の明るさ地をはなれ 岸霜蔭
ぜんまいの渦の疑問符子守唄 佐川広治
ぜんまいの渦巻きて森ねむくなる 野見山朱鳥
ぜんまいの灰汁つきし指気にしつゝ 河野扶美
ぜんまいの灰汁ぬけ切つて年逝けり 殿村莵絲子 花寂び 以後
ぜんまいの産毛ひかりの風の媚び 河野南畦 湖の森
ぜんまいの筵日陰となりて留守 小川公巴
ぜんまいの鼓膜一輪づつ山路 赤松子
ぜんまいは仲よく拗ねて相反き 富安風生
ぜんまいは長けぬ四月は疲れの月 有働亨 汐路
ぜんまいやまだ海道の峠越 百合山羽公 寒雁
ぜんまいや孝子の滝と山守り 百合山羽公 寒雁
ぜんまいや岩に浮きだす微笑仏 古舘曹人 樹下石上
ぜんまいや思考の渦を立ちのぼらす 橋本夢道 無禮なる妻抄
ぜんまいや未だよく飛べぬ仔山雀 羽部洞然
ぜんまいや聞く耳もたぬ石一つ 南雲愁子
ぜんまいや靄の底なる滝ひゞき 徳永山冬子
ぜんまいをねんごろに煮て彼岸入 細見綾子
ぜんまいを口にくちびるで別れる 加藤郁乎
ぜんまいを干すにひゞけり室生川 米沢吾亦紅 童顔
ぜんまいを揚舟に干し湖の国 伊藤京子
ぜんまいを浸け野の色にもどしけり 高野寒甫
ぜんまいを貫くシュールレアリスム 櫂未知子 蒙古斑
ぜんまい干す日向日向の峡の家 山口草堂
ぜんまい干す灰汁に染まりし荒筵 上石みち子
ぜんまい摘みその錆色に指ぬらす 高井北杜
ひとり住み鬼ぜんまいも味方なり 殿村菟絲子 『樹下』
みず・うるい・しどけ・ぜんまい雨しとど 八木林之介 青霞集
世阿弥寺ぜんまいを干す花の下 細見綾子 天然の風
乾く岩濡るる岩ぜんまいあまた萌ゆ 岡田日郎
妻のみが働く如し善薇芽立つ 石田波郷
婆が煮てぜんまい甘し深山鳩 佐野美智
子を産みに来て薇を母と揉む 渡部柳春
幾雪崩ぜんまい採りの越えて消ゆ 皆吉爽雨 泉声
待ちて今日ぜんまい土をやぶりけり 水原秋櫻子
捨雛を隠しぜんまい伸びにけり 羽部洞然
村中の莚の並ぶぜんまい干し 小林輝子
梅雨鳥の籠りてゆるゝ翠薇かな 前田普羅 飛騨紬
狗背(薇)の綿帽子ぬぐ日和かな 水田正秀
狗脊(薇)の塵に選らるゝわらび(蕨)かな 服部嵐雪
猛烈に生きたし見よぜんまいの炎の渦 橋本夢道 無礼なる妻
真直ぐに伸びる為ぜんまい千萬の渦 橋本夢道
耳敏くせり薇の立ちあがる 辻美奈子
薇がほどけるまでの寝釈迦かな 間石
薇に吹かれてゐたる蜘蛛の糸 佐々木六戈
薇の渦のしろがね子へ初潮 井桁白陶
薇を干すところ過ぎポストあり 加倉井秋を 午後の窓
薇干る匂ひ人通るたび匂ふ 加倉井秋を 午後の窓
薇干る匂ひ暗がりにとどこほる 加倉井秋を 午後の窓
退屈な和尚と鴉ぜんまい伸び 長谷川草々
ゼンマイと云ひかけコゴミと云ひ直す 高澤良一 石鏡

薇 補遺

ぜんまいが疑問符つくる島の道 秋元不死男
ぜんまいとり虎杖をとり桜山(兵庫県武田尾の桜山六句) 細見綾子
ぜんまいにさめてやさしき今年蛇 加藤秋邨
ぜんまいに棚田転作東祖谷 右城暮石 散歩圏
ぜんまいに旅も古りたる眉目かな 藤田湘子 途上
ぜんまいののの字ばかりの寂光土 川端茅舎
ぜんまいのほどけし肩の落花かな 中村汀女
ぜんまいの拳ほどけよ雲と水 桂信子 緑夜
ぜんまいの奨励指定地区ありし 右城暮石 句集外 平成元年
ぜんまいの奨励地なり青嵐 右城暮石 散歩圏
ぜんまいの平らに開きたる若葉 高野素十
ぜんまいの崩ほれて来し山の影 角川源義
ぜんまいの綿あたたかし陶を乾す 阿波野青畝
ぜんまいの葉を黄に染めて山の霜 右城暮石 散歩圏 補遺 頑張れよ
ぜんまいの葉を拡げたる僻地校 右城暮石 天水
ぜんまいの葉を分け入りし人の跡 右城暮石 句集外 昭和五十六年
ぜんまいは長け鴬は声張あげ 川端茅舎
ぜんまいやまだ海道の峠越 百合山羽公 寒雁
ぜんまいや一重の水のよく流れ 岡本眸
ぜんまいや岩に浮きだす微笑仏 古舘曹人 樹下石上
ぜんまいや孝子の滝と山守り 百合山羽公 寒雁
ぜんまいや湯を噴く岩のすぐ傍に 村山故郷
ぜんまいをねんごろに煮て彼岸入 細見綾子
ぜんまいを浸せる水に年つまる 細見綾子
わらび、ぜんまい選みだした句の評をする 荻原井泉水
陰干しにせよ魂もぜんまいも 橋閒石
陰干しにせよ魂もぜんまいも 橋閒石 虚 『和栲』以後(I)
黄の蝶々干しぜんまいにまた来たる(佐渡) 細見綾子
火を噴く死火山 岩間岩間に薇芽生え 三橋鷹女
干しぜんまい浸して春の水と知る 細見綾子
喜寿翁に蕨ぜんまい萌えいでよ 佐藤鬼房
紅蟹やぜんまい満ちて駈けだしぬ 平井照敏 猫町
笹鳴きがわらびぜんまい焼きし跡(越前岬二句) 細見綾子
小流れにつゝじぜんまいつけてあり 右城暮石 句集外 昭和六年
焼山のぜんまい若葉とび~に 高野素十
瑞々しぜんまい長けて神ながら 川端茅舎
世河弥寺ぜんまいを干す花の下(佐渡) 細見綾子
青ぜんまい鬼びらびらに戻りくる 飯島晴子
青々と男ぜんまいらしきかな 高野素十
待ちて今日ぜんまい土をやぶりけり 水原秋櫻子 殉教
蓄へのぜんまいを煮る雪の宿(新潟県浦佐、行方秋峰さん居六句) 細見綾子
茶摘どきそのひまぜんまい煮てくれし(勝山美枝さん居二句) 細見綾子
年の暮干しぜんまいのからみ合ふ 細見綾子
梅雨鳥の籠りてゆるゝ翠薇かな 前田普羅 飛騨紬
物しりの喰残したる薇かな 許六
奉るぜんまい太し人丸忌 百合山羽公 樂土以後
裏山のわらびぜんまい枯れはげし 細見綾子
薇がほどけるまでの寝釈迦かな 橋閒石
薇がほどけるまでの寝釈迦かな 橋閒石 和栲
薇をぜんまい採りに誉められぬ 星野麥丘人 2004年

by 575fudemakase | 2017-04-29 18:14 | 春の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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