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重陽 の俳句

重陽

うは露も御覧を経たり今日の菊 尾崎紅葉
お菊見や酒をたまはる供の者 菊の酒 正岡子規
きしきしと重陽の米研ぎにけり 吉田みえ子
くさの戸の用意おかしや菊の酒 炭 太祇 太祇句選後篇
くらがりに供養の菊を売りにけり 高野素十(重陽観音菊供養)
これよりは菊の酒また菊枕 山口青邨
たまはるや大盃の菊の酒 菊の酒 正岡子規
ほこほこと菊の宴の炬燵の火 木村蕪城
よもぎふや袖かたしきて菊の酒 一茶
わが手よりつめたき今日の菊を摘む 鶴見恭子
一生に一死残りし菊の酒 中里麦外
一僧の少し乱れぬ菊の酒 上野 泰
烏相撲終りて賜ふ菊の酒 板谷芳浄
雨の菊酒酌む門の馬もなし 菊の酒 正岡子規
喝士殿に盃さすや菊の酒 菊の酒 正岡子規
記者會す天長節の菊の酒 菊の酒 正岡子規
菊の宴いまのわが身にはれがまし 松尾いはほ
菊の宴に菊の蒔繪そ心なき 菊 正岡子規
菊の宴に心利きたる下部かな 夏目漱石 明治四十三年
菊の香よ露のひかりよ文化の日 久保田万太郎
菊の酒あたゝめくれしこゝろざし 星野立子
菊の酒一杓づゝの回向かな 都甲 久美子
菊の酒酌むや白衣は王摩詰 芥川龍之介
菊の酒上げて卒寿を自祝せん 村上三良
菊の酒人の心をくみて酌 星野立子
菊の酒醒めて高きに登りけり 闌更
菊の日に唇赤く病婦酔ひ居りぬ 阿部みどり女 笹鳴
菊の日に用ため置いてうかと居ぬ 阿部みどり女 笹鳴
菊の日のふとん部屋まで子がつき来 山本洋子
菊の日のまだ膝だしてあそびゐる 田中裕明 櫻姫譚
菊の日の渚づたひに来る子かな 大峯あきら
菊の日の長き汀を歩きをり 大峯あきら 宇宙塵
菊の日の門に風出できたりけり 小林虚人
菊の日の陽明り残る磯の空 古畑丁津緒
菊の日や丸うて臣を愛み 作者不知 選集古今句集
菊の日や御岳烏も出でて啼く 蒼[きう]
菊の日や水すいと引く砂の中 宇佐見魚目
菊の日や母の好みし江戸小紋 高須禎子
去来忌や相逢うて酌む菊の酒 茂里正治
鍬提げて野に重陽をうたひけり 菫哉
今日シヤトームートン開けん菊の宴 稲畑廣太郎
些かの意地つらぬきて菊の酒 藤本享史
指に入ル風はや寒し今日の菊 服部嵐雪
辞書買ひに出づ重陽の陽射し浴び 原口英二
偲びては重陽の日のめぐり来し 桑田青虎
借りかけし庵の噂や今日の菊 丈草
手折りもす五色の香の今日の菊 石口光子
寿ぎの舞終へて注がるゝ菊の酒 中村芳子
重陽と気づく日付の請求書 太秦女良夫
重陽に偲びて式部官杞陽 粟津松彩子
重陽のこのわたを盛る津軽塗 鳥居美智子
重陽の雨が叩けり真葛原 有働 亨
重陽の屋上にこそ運ばれめ 相生垣瓜人
重陽の屋上にこと運ばれめ 相生垣瓜人
重陽の改札口にもたもたす 伊規須富夫
重陽の栗を琥珀の珠と煮たり 秋櫻子
重陽の穴ある三角定規かな 栗栖恵通子
重陽の月打ち落し毛氏逝く 殿村莵絲子 雨 月
重陽の昏れて動きぬ水の面 高浜千代子
重陽の山里にして不二立てり 水原秋桜子
重陽の酒贈るべき人減りて きくちつねこ
重陽の節句と思ふ忌日かな 稲畑汀子
重陽の膳なる豆腐づくしかな 藤本美和子
重陽の遅れゆく雲やさしげに 鍵和田[ゆう]子 武蔵野
重陽の朝封切りし庫の酒 西山小鼓子
重陽の日と知るのみの菊を買ふ 川上百合子
重陽の日の春慶の色に似し 岡井省二
重陽の日は三輪山の上にあり 大峯あきら
重陽の日や琴出して妻老いぬ 岸風三樓
重陽の日を宿かりし豪家かな 大谷句仏
重陽の被綿とこそ寿 山田弘子 懐
重陽の風雨に菊を起しけり 安藤橡面坊
重陽の変にもの食ふ翁かな 攝津幸彦 鹿々集
重陽の夕焼けに逢ふ幾たりか 阿部みどり女 『月下美人』
重陽の夕焼に逢ふ幾たりか 阿部みどり女
重陽の夕日をのこす奥嶺あり 大峯あきら 鳥道
重陽やいのちの重味病みて知り 小野はつゑ
重陽やこだまし吠ゆる杣の犬 大峯あきら 鳥道
重陽やベッドの父の口達者 浜明史
重陽や温室の七棟灯ともりて 加藤 草杖
重陽や花麩豊かにすまし汁 有馬朗人
重陽や海の青きを見に登る 喜舟
重陽や子盃なる縁の金 鷹羽狩行
重陽や出逢ひ約せし日の遥か 蒲 みつる
重陽や書斎に翁の酒を呼ぶ 角田竹冷
重陽や親子四代渡初め 棗楕伊
重陽や青柚の香ある雑煮椀 水原秋桜子
重陽や帯に織り込む金の蝶 阿戸敏明
重陽や蝶ひらきなる椀の貝 平野吉美
重陽や底岩までも汐の澄み 亨
重陽や天日変はりなく廻り 福島清恵
重陽や内湖の*えりは杭ばかり 民郎
重陽や眠つたままの着物出す 土生依子
重陽や冷き茣座を抱いてゆく 飯島晴子
重陽や椀の蒔絵のこと~し かな女
升のみの酒の雫や菊の花 菊の酒 正岡子規
小座敷や袖で拭ひし菊の酒 一茶
心から栗に味ある節句かな 鬼貫 (重陽)
身の内のこきと音して菊の酒 川崎展宏
人心しづかに菊の節句かな 黒柳召波 春泥句集
正午かと思へば菊の節句かな 清水径子
正座して海を見る日の菊の酒 阿戸敏明
生き上手はなし上手や菊の酒 台迪子
生涯にまたなきけふぞ菊の酒 五十嵐播水 埠頭
船を憶ふわれらが集ひ菊の酒 高浜年尾
草の戸に日暮てくれし菊の酒 芭 蕉
草の戸の用意をかしや菊の酒 太祇
草の戸や日暮てくれし菊の酒 松尾芭蕉
草の戸や日暮れてくれし菊の酒 松尾芭蕉
太刀持の脊中に菊の日なた哉 高井几董
丹田へとくくそそぐ菊の酒 川崎展宏
団欒や民喜びの菊の酒 河東碧梧桐
着世綿の重陽の茶を賜はりぬ 小坂 順子
朝露や菊の節句は町中も 太 祇
塗師蔵へ重陽の潮照り返す 本谷久邇彦
徳利に袴をはかせ菊の酒 佐野克男
日出づるところの天子菊の宴 福田把栗
売文は明日へまはして菊の酒 加藤郁乎(1929-)
白川や重陽の砂買はれゆく 桂樟蹊子
父母に重陽の燭奉る 香月 梅邨
仏にも神にも手向け菊の酒 針ヶ谷里三
文弱の酒こぼすなり菊の夜 清水基吉
母を締め吾を締むる帯菊の酒 大館史子
末永う二人三脚菊の酒 高澤良一 寒暑
木の股に火星が咲けり菊の酒 鈴木鷹夫 千年
木曾谷の養生訓に菊の酒 加藤耕子
木曽谷の養生訓に菊の酒 加藤耕子
籾蔵の戸が開いてゐる重九かな 宮岡計次
野菊の碑訪ねし今日の菊日和 鈴木鷹夫 千年
立砂の鋭く尖り今日の菊 阪本早苗
鈴木町のとなり大師や菊の酒 満田春日
雙六の石もまばらや菊の宴 俵雨
嚊殿に盃さすや菊の酒 菊の酒 正岡子規
枸杞酒得て重陽の日となりにけり 村上麓人

重陽 補遺

お菊見や酒をたまはる供の者 正岡子規 菊の酒
かんむりに華髪を得たり菊の酒 上田五千石 天路
これよりは菊の酒また菊枕 山口青邨
その中狂いざく菊を菊の酒とせよ 荻原井泉水
たまはるや大盃の菊の酒 正岡子規 菊の酒
のめよのめよ老師老友菊の酒 高野素十
ひとくちの酒をたまはる小重陽 森澄雄
ほこほこと菊の宴の炬燵の火 木村蕪城 寒泉
育てたきおもかげ得しや菊の酒 角川源義
一僧の少し乱れぬ菊の酒 上野泰
雨の菊酒酌む門の馬もなし 正岡子規 菊の酒
佳節より下りくだりて今日の菊 山口誓子
喝士殿に盃さすや菊の酒 正岡子規 菊の酒
記者會す天長節の菊の酒 正岡子規 菊の酒
菊の宴に菊の蒔繪そ心なき 正岡子規 菊
菊の酒思ひつついま花の酒 後藤比奈夫
菊の酒人の心をくみて酌 星野立子
菊の日に雫振り梳く濡毛かな 杉田久女
菊の日のあはや俄かに風だつは 富安風生
菊の日を雪に忘れずの温泉となりぬ 河東碧梧桐
菊の日を浴びて耳透く病婦かな 杉田久女
虚子刀自に仕事の話菊の酒 上野泰
懸崖の菊の託生文化の日 百合山羽公 樂土
枯菊の日矢まとひたる微塵かな 小林康治 玄霜
吾子の名のひとも秩父に菊の酒 角川源義
残菊の宴といへば意にかなふ 山口青邨
重九の水をいみじと飲みにけり 上田五千石『琥珀』補遺
重陽の屋上にこそ運ばれめ 相生垣瓜人 明治草
重陽の菊をたたへし紫苑かな 森澄雄
重陽の山里にして不二立てり 水原秋櫻子 重陽
重陽の産土神母を呼ぶらしき 佐藤鬼房
重陽の四山の雲に蕎麦を打つ 水原秋櫻子 霜林
重陽の小雨ながらも夕茜 佐藤鬼房
重陽の草原をゆく走者あり 飯田龍太
重陽の日の春慶の色に似し 岡井省二 山色
重陽の眇をしたる日ひとつ 岡井省二 前後
重陽や奥の奥まで日下部家 藤田湘子 神楽
重陽や花麩豊かにすまし汁 有馬朗人 天為
重陽や小盃なる縁の金 鷹羽狩行
重陽や青柚の香ある雑煮椀 水原秋櫻子 重陽
重陽や舌にさぐりて鯉の骨 能村登四郎
重陽や八百の「真」重ね来て 林翔
重陽や肘上げて酌む一獻を 森澄雄
重陽や養へる身の先が見ゆ 佐藤鬼房
重陽や冷き茣蓙を抱いてゆく 飯島晴子
重陽や老いのはらから餅を食ふ 水原秋櫻子 重陽
重陽や揉む豆腐屋の水のいろ 赤尾兜子 稚年記
女には菊の盃菊の酒 高野素十
升のみの酒の雫や菊の花 正岡子規 菊の酒
小重陽けざやかに過ぐ硝子壺 赤尾兜子 玄玄
摺鉢のもの何なりや菊の宴 山口青邨
世は重陽余は膺懲の責苦たり 楠本憲吉 方壺集
島やぶりすすめられをり菊の酒 角川源義
亡き妻のあと蹤いてくる小重陽 森澄雄
癒え賜ひまぶしき菊の日も賜ふ 能村登四郎
立て看板に赤鬼子鬼菊の宴 角川源義
和を以て貴ぶために菊の酒 阿波野青畝
嚊殿に盃さすや菊の酒 正岡子規 菊の酒

by 575fudemakase | 2017-06-07 09:08 | 秋の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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