後評(2017・12)

後評(2017・12)


2017年 12月 ねずみのこまくら句会の諸句


 「ふるさと」を歌ひて締める年忘

(確かに忘年会は「締める」と言う言葉がふさわしい)

 ゼブラ歩道音符のごとき木の葉かな

(確かに「ゼブラ歩道」は平行線だらけ。だから音符が出てくるのか?)

 どこまでもどこへもゆける刈田みち

(「どこまでもどこへもゆける」と言う措辞が適切であろう)

 ひとつ垂る植ゑし覚えのなき糸瓜

(伏兵に唖然!)

 ゆつくりと野の色変はる初時雨

(どちらかと言えばモノトーンに近い色彩であろう…。初時雨を絵に書かば…と言ったところ。)

 顔にほんのりスマホ明かりやクリスマス

(近頃の待合の景か?)

 菊日和花舗は朝より濡れてをり

 鶏小屋の屋根に三本干し大根

 鍵盤に冬日の反射構わず弾く

(読み手を演奏者の立場に引き込む手法…に注目。)

 枯野揺らしハーレーダビッドソンの列

(確かにアレが来ると野辺は仰天する)

 山茶花の花びら剥がれ飛びにけり

(確かに山茶花には「剥がれ散る」と言う姿態あり)

 山低く入日の遅き小春村

(何でもない表現をとっているが何処か味のある一句)

 子らの継ぐ人形浄瑠璃冬うらら

(地方に地方らしさ、即ち伝統が遺る)

 手に乗りてわたしの一部雪ぼたる

(「わたしの一部」に稚拙を感じるかそれとも納得を感じるか?両論あろう…)

 受付にごろんとかりん植物園

(最近、地方には観光体験型植物園が増えているのだろう)

 秋の海ちりめんぢやこのほどの波

(もう一寸的確な表現欲しい処である。例えば「ちりめんぢやこ程の小波」とか)

 秋霖や介護に暮れる友をふと

(秋霖を契機に友のことがふと… 巧まぬ詩情である)

 小流れに映る紅葉と空の青

(小気味よい程に色彩を取り込んだ)

 小六月眠さふに見ゆ藁ボツチ

(小品然としている処がいい)

 笑ひ声絶えぬ家族や花八手

(花房が混んでいる処が賑やかでよい)

 鯛焼に観てきし芝居の話など

(鯛焼といふ当て方がいい)

 町石に紅葉傘なす高野道

(「町石」と言ふ措辞が効いていよう)

 長元坊柱状節理の崖の上

(長元坊はどこかお坊さんのような響きを持つ)

 通夜の家照らし出したる冬の月

(冬の月夜の通夜の情感を確かに上手く引き出している)

 冬館窓に色なき空映す

(冬空と言えば確かに彩色なき空ですネ)

 島かげの遠ちに島かげ蜜柑山

(伊豆七島辺りの景を想像した。もしくは瀬戸内海辺りか?)

 豆稲架組む飛鳥大仏おん前に

(飛鳥大仏と言えば斑鳩の田畑の拡がりが自ずから感得される。作者は豆稲架を持って来たが、私は白菜を持ち出した。拙句は 白菜をどかと仏へ飛鳥人)

 動き出す池泉の景色雪ぼたる

(「池泉(ちせん)」という言葉が効いている)

 熱燗や錫盃に錫徳利

(「錫盃に錫徳利」とは或る時代性を感じさせる。作者はそうゆう年齢なのだと…)

 夫の戒名喬き松とよ日脚伸ぶ

(夫を偲ぶにこんなやり方があつたのかと感心する)

 風呂吹き料理るなべて面取懇ろに

 目瞑りて寒さ寄せじと朝着替ふ

(朝、肌着を着替える時の様か?上着の筒っぽに躰を通す時の状況を言うたのか?)

 門前に草鞋となるや今年藁

(見方の問題。このようにも謂へると…)

 葉表は吉と拾へり朴落葉

(吉凶を占うごとく落葉を拾うとは微笑ましい)

 竜の玉秘めごともなき齢かな

(「竜の玉」と言ったら「秘む」だろう。「秘め」を媒介して「齢」に繋ぐ。なるほどである)

 蓮枯れて泡も立たぬ放生池

(泡(あぶく)。ルビの問題を提起して置いた。一目で読者に判らせる親切心も重要と)

 筥迫を幾度も落とし七五三

(落とし易い代表「筥迫」とも…)

 蘊蓄に離れられなく菊の前

(菊展に行くと熱心に説明してくれる解説員が居るものだ)

 飄飄と付かず離れず番鴨


by 575fudemakase | 2017-12-18 04:31 | ねずみのこまくら句会 | Trackback | Comments(0)
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《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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