柳 補遺

柳 補遺

あぢさゐも柳も淡き雨のなか 渡邊白泉
あちへゆらりこちへゆらりと柳哉 正岡子規 柳
あをあをと細民窟の柳かな 日野草城
いざいでう柳の小簑梅の笠 正岡子規 柳
いつまでも人現はれず柳かな 高野素十
いろいろに風のひろがる柳かな 正岡子規 柳
うつくしき手て一まねぐ柳かな 正岡子規 柳
おもしろや柳いよ~緑にて 高野素十
かへり見る門には柳ばかりなり 正岡子規 柳
くたびれて柳も眠る日和哉 正岡子規 柳
クヱ食うてさすが裸の柳の木 岡井省二 猩々
この辺は名もなき家の柳哉 正岡子規 柳
さき交る柳の中の糸桜 正岡子規 糸桜
ざゞ降りの雨の桜に別れかな(悼柳外子) 細見綾子
さし柳しだれんとして上に向く 正岡子規 柳
さし柳三尺にして緑ふく 正岡子規 柳
しばらくは風にまかせし柳哉 正岡子規 柳
しめ縄の風吹きつくる柳哉 正岡子規 柳
しろがねに塗る結ひ柳淑気罩め 阿波野青畝
すつかり病人になつて柳の糸が吹かれる 尾崎放哉 小豆島時代
たちよるや青田波打つ痩柳 角川源義
たなごころ濡れ葉柳に触れしなり 岡井省二 前後
つゞきけりちまたの柳村の桃 正岡子規 柳
どちらともつかぬ柳や村境 正岡子規 柳
とびこんで鶯見えぬ柳哉 正岡子規 鶯
とらまへて衣売る店の柳かな 内藤鳴雪
とりつきて柳ひきゝる小舟哉 正岡子規 柳
なにをくよくよ川端柳呆けけり 山口青邨
ならびたる柳の糸の間かな 後藤夜半 翠黛
はつきりと桜の中の柳かな 正岡子規 桜
はつきりと柳の中の桜かな 正岡子規 柳
ひつたりと風のとまりし柳かな 正岡子規 柳
ひつたりと風のなくなる柳かな 正岡子規 柳
ひと雨の玉の雫や糸柳 飴山實 花浴び
ふく風をすなほにうけし柳哉 正岡子規 柳
ふり帰るかほもかすむや柳原 正岡子規 柳
まちがへてほめし隣の柳哉 正岡子規 柳
マッチの軸短し 楊柳路は四方ヘ 伊丹三樹彦
むつまじき姿になりし柳哉 右城暮石 句集外 昭和九年
もう継がせんと杞柳編む 梨咲く村の薄暮 伊丹三樹彦
もつれたり解けたり風の糸柳 正岡子規 柳
も来べかりけるを柳蔭 相生垣瓜人 明治草
やせんぼの柳あわてて伸びそめし 阿波野青畝
ゆくりなく柳河の宿花みかん 山口青邨
ランチタイム葉柳の道川に抜け 岡本眸
わか柳ひとすぢのりて藁廂 阿波野青畝
わづらはしからず柳の傘に触れ 鷹羽狩行
われを囚ふ葉柳と吾子の妙齢と 下村槐太 天涯
をなごやは夜がまだ明けない葉柳並木 種田山頭火 草木塔
愛情は秘むべし柳の裏葉銀 香西照雄
一村は杏と柳ばかりかな 正岡子規 杏の花
一村は柳ばかりや朝かすみ 正岡子規 霞
一白杖 進む 楊柳叩き 叩き 伊丹三樹彦
一葉二葉柳紅葉のかなしとも 山口青邨
稲刈りのそばに葉のある柳かな 右城暮石 句集外 昭和二年
稲妻の燃ゆれば柳一樹あり 山口青邨
雨の糸よりも柳の糸繊し 後藤比奈夫
雨一日風の絶えたる柳哉 正岡子規 柳
雨一日風を押へて柳哉 正岡子規 柳
雨石あるこの世の春の煙柳忌 西島麦南 人音
永き日を柳の風のよわりけり 正岡子規 日永
永き日を柳の風の幾かはり 正岡子規 日永
縁日の昼も店出す柳かな 河東碧梧桐
遠くより柳青めと鶫鳴く 飯田龍太
遠山のおもてにゑがく糸柳 日野草城
王城や大路の柳小路の花 正岡子規 柳
黄河天上よりと詩を成す柳かな 阿波野青畝
屋根舟を招きよせたる柳かな 正岡子規 柳
夏草の庭裾に柳二三本 右城暮石 句集外 昭和九年
家々の柳刈時祖父江村 高野素十
家主の無残に伐りし柳哉 正岡子規 柳
家二つ狭きが中の柳かな 正岡子規 柳
花の中に柳一木のあはれ也 正岡子規 柳
花の背戸柳の路次や蜆売 正岡子規 蜆
花はさかりに、はなれて老いし柳なり 荻原井泉水
花紅く草みどりなり煙柳忌 飯田蛇笏
荷車の柳曳きずる埃かな 内藤鳴雪
会わざれば弥濃き人や柳の蝿 永田耕衣 人生
街道に余の木もまぜぬ柳哉 正岡子規 柳
活けんとして柳置きたる畳哉 正岡子規 柳
萱刈るに刈りし柳も萌えてゐる 右城暮石 句集外 昭和十一年
瓦斯燈にかたよつて吹く柳哉 正岡子規 柳
寒灯は粛然柳の糸の中 山口青邨
干網に取りまかれたる柳かな 正岡子規 柳
岸崩えて小魚たまりぬ川柳 正岡子規 柳
客通す結び柳が手をつきて 平畑静塔
逆髪は風に柳の名なるべし 正岡子規 柳
球うける極秘は風の柳哉 正岡子規 柳
牛飼の鞭に柳のもつれけり 正岡子規 柳
居留地の街正しき柳哉 正岡子規 柳
京を出る旅人多し梅柳 正岡子規 梅
京人のいつはり多き柳かな 正岡子規 柳
驚くや旅地に早き梅柳 正岡子規 梅
極月の柳の青葉光る老女 飯島晴子
極東箴柳行当りばたりかな 永田耕衣
金亀虫覚めゐる柳すゞしさに 右城暮石 声と声
金州の城門高き柳かな 正岡子規 柳
駒繋ぐいくさのあとの柳かな 正岡子規 柳
畦螢遊行柳に突当り 石田勝彦 雙杵
結び目をはんなり結び柳かな 鷹羽狩行
月の下の柳一本柳ケ崎 高野素十
月夜鴉水吸ひ上ぐる柳かな 渡邊水巴 白日
見渡すや柳の緑り花の紅 正岡子規 柳
古き梅古き柳や小六条 河東碧梧桐
戸繰る隣は葉柳に白う動くもの 種田山頭火 自画像 層雲集
故郷にわが植ゑおきし柳哉 正岡子規 柳
午後よりの風の柳となりにけり 鈴木真砂女
御車の昔過ぎたる柳かな 正岡子規 柳
御堂一つ柳一本奈良である春である 荻原井泉水
広島は柳の多きところかな 正岡子規 柳
構内倉庫建つまゝに柳青みたり 種田山頭火 自画像 層雲集
江東に緑の早き柳哉 正岡子規 柳
紅星帽の駐屯 楊柳隠れにだ 伊丹三樹彦
行き過ぎて葉柳ならぶ畷かな 岡井省二 山色
行春や柳の糸も地について 正岡子規 行く春
高殿に美人佇む柳かな 正岡子規 柳
黒塀にしだるゝ雨の柳かな 正岡子規 柳
佐保姫の眉についたる柳哉 正岡子規 佐保姫
左右にいづ柳の花に立ちにけり 高野素十
柵結ふて柳の中の柳かな 正岡子規 柳
三日月をいろいろに吹く柳哉 正岡子規 柳
三味ならす子に銭投る柳哉 正岡子規 柳
山吹に柳しだるゝ小池かな 正岡子規 山吹
山吹の上にしだるゝ柳かな 正岡子規 山吹
使して柳も見えず蜀の道 河東碧梧桐
史家村の入口見ゆる柳かな 正岡子規 柳
四五本の柳とりまく小家かな 正岡子規 柳
市中にひねもす動く柳哉 正岡子規 柳
枝長く柳活けたる花屋哉 正岡子規 柳
時雨るゝや柳に少し葉のありぬ 細見綾子
七夕の柳の枝を切りゆける 山口青邨
七夕柳かこみ点せりをさならは 臼田亜郎 定本亜浪句集
取りついて波引ち切る柳哉 正岡子規 柳
手花火のしだれ柳となりて消ぬ 三橋鷹女
種籾を柳に吊し西大寺 右城暮石 句集外 昭和八年
酒船をつなぎとめたる柳哉 正岡子規 柳
秋燕通りぬけたる柳かな 岡井省二 前後
秋風のこれは楢なり柳なり 高野素十
秋霖に老柳のただ存すのみ 上野泰
舟と岸柳へだつる別れ哉 正岡子規 柳
十五夜を締めあげてゐる黒子雲 佐藤鬼房
宿は柳の、塔は五重の暮れてゆく空 荻原井泉水
春はまだ短うたるゝ柳哉 正岡子規 柳
春雨や柳の糸もまじるらん 正岡子規 春の雨
春風の姿やさしき柳かな 正岡子規 春風
春風の手柄見せけり桃柳 正岡子規 春風
春風の油断も見えぬ柳かな 正岡子規 春風
春風や何の夢見る朽柳 正岡子規 春風
春風や柳のなでる古やぐら 正岡子規 春風
春風をかたちに見せる柳哉 正岡子規 春風
巡邏をへて柳に日あり歌書を繙く 飯田蛇笏 山廬集
初茶の湯結び柳の真ん円く 山口誓子
女ばかり住みて柳の今朝の秋 細見綾子
梢狭き二等道路の柳かな 正岡子規 柳
焼け跡の道になつたる柳哉 正岡子規 柳
照る波に柳青めと鶫鳴く 飯田龍太
象肥えて戦ひ習ふ柳かな 正岡子規 柳
上下に道二つある柳かな 正岡子規 柳
城門を出て遠近の柳かな 正岡子規 柳
寝てをればしんじつたるる柳かな 大野林火 海門 昭和七年以前
新阪を下りて根岸の柳哉 正岡子規 柳
新道に痩せたる柳桜哉 正岡子規 柳
新道に緑少き柳かな 正岡子規 柳
新緑の柳の木あるやさしさよ 高野素十
真直に堀割遠き柳かな 正岡子規 柳
神輿荒れもみにもみたる柳かな 原石鼎 花影
身をなげた名所めでたき柳哉 正岡子規 柳
人々と柳を植ゑし一日あり 高野素十
人生を空費して居る柳かな 永田耕衣 人生
人道と車道を分る柳哉 正岡子規 柳
吹きわける柳の風や不二筑波 正岡子規 柳
水に浮く一つ~の柳の葉 高野素十
水汲みに来ては柳の影を乱す 尾崎放哉 大学時代
水辺に柳暮れ秋の墓石店 山口誓子
雛あられ柳桜とこきまぜて 山口青邨
雛の幕柳も花もくれなゐに 山口青邨
菅笠にはらりとかゝる柳哉 正岡子規 柳
裾長の結び柳も手を仕へ 平畑静塔
晴晨の柳色動き動くかな 日野草城
生死とは桃花横臥の柳かな 永田耕衣
生酔のもつれこんたる柳哉 正岡子規 柳
西鶴忌おどろ吹かるる大柳 鈴木真砂女 夕螢
西門の杏東門の柳かな 正岡子規 杏の花
青々たる柳縺るよ一軒家 中村草田男
石橋の目にはさまりし柳かな 正岡子規 柳
石文の上にしだるゝ柳かな 正岡子規 柳
切り捨てゝ心しづめん糸柳 正岡子規 柳
川ありと見えてつらなる柳哉 正岡子規 柳
川波や柳白らけて秋の暮 村山故郷
浅妻の烏帽子をなでる柳哉 正岡子規 柳
船曳のあたまで分ける柳かな 内藤鳴雪
船人が米とぐ岸の柳かな 内藤鳴雪
早く来し柳の下の五六人 高野素十
草と見え柳と見えて村遠し 正岡子規 柳
草臥て行手を望む柳哉 正岡子規 柳
足袋白く結び柳の裾踏まず 平畑静塔
卒然と風湧き出でし柳かな 松本たかし
対岸の人に日当る柳かな 岸田稚魚
待合や柳しだるゝ狭き庭 正岡子規 柳
大きなるものを吹き出す柳かな 正岡子規 柳
大ゆれに梅雨に入るなる柳かな 岸田稚魚
大家の足場古びし柳かな 正岡子規 柳
大江戸は八百八町の柳哉 正岡子規 柳
大川に女船漕ぐやなぎ哉 正岡子規 柳
大店の檐つらねたる柳かな 正岡子規 柳
大道の柳依々として洛に入る 正岡子規 柳
大門につきあたりたる柳哉 正岡子規 柳
大門や柳かぶつて灯をともす 正岡子規 柳
大柳したれぬ程そおもしろき 正岡子規 柳
大柳小橋あるべきところかな 正岡子規 柳
濁し手に仔細に柳さくらかな 富安風生
短日や柳眉を立つる岐神 古舘曹人 樹下石上
男髪も柳も東西わかぬ左右へ垂れ 中村草田男
地に垂るる花への、水に垂るる柳への道 荻原井泉水
池の面にはらりとしたる柳かな 飯田蛇笏 山廬集
竹馬に唐児友呼ぶ柳かな 正岡子規 柳
朝の柳ぐるぐるくぐり似てくる三人 飯島晴子
朝煙草うまし柳の青う垂る 村山故郷
町の柳十本毎に灯をともす 正岡子規 柳
町中を小川流るゝ柳かな 正岡子規 柳
鳥追や柳の軒端梅の門 内藤鳴雪
鳥逃げて吹矢の落る柳哉 正岡子規 柳
津山かな柳の下をゆく日傘 渡邊白泉
辻まちの車の上に柳哉 正岡子規 柳
辻駕に朱鞘の出たる柳かな 正岡子規 柳
低きより柳の枝の垂れにけり 後藤夜半 翠黛
電車待ち居る傘に柳がさはる 尾崎放哉 大正時代
都をどりの切符蒲柳の人の手へ 波多野爽波
土橋あり柳かくれの馬の鈴 正岡子規 柳
土手一里依々恋々と柳哉 正岡子規 柳
東門の外に舎栄す柳哉 正岡子規 柳
桃の背戸柳の門や二三軒 正岡子規 桃の花
桃ほどに葉をのばしゐる柳かな 右城暮石 句集外 昭和九年
桃柳河に臨みて誰が楼ぞ 正岡子規 桃の花
桃柳桜の中を蜆売 正岡子規 蜆
桃柳四大不尽の淋しさよ 永田耕衣
灯るまで雀かしまし門柳 角川源義
藤さげて水に見とるゝ柳かな 渡邊白泉
独往の復りがちなる柳かな 永田耕衣
鳶の笛囃せ菁々たる柳 石橋秀野
鍋墨を静かになてる柳かな 正岡子規 柳
汝は柳君は桃ぞと置いて行く 永田耕衣
二三尺はや風うける柳哉 正岡子規 柳
日盛の柳行李をまたぎけり 波多野爽波
馬の尾の折々動く柳哉 正岡子規 柳
馬の尾の東になびく柳哉 正岡子規 柳
馬車柳小路の広さかな 正岡子規 柳
馬車柳大路のひろさ哉 正岡子規 柳
梅雨明けて八雲旧居に瑠璃柳 松崎鉄之介
梅及び柳さしたる手桶かな 正岡子規 梅
梅若の夢をしづむる柳哉 正岡子規 柳
白鳥と柳の縁はや幾歳 中村草田男
白拍子柳の門に這入りけり 正岡子規 柳
八百庄は酔ひ死にし葉柳垂れて 中川一碧樓
伐り攻めて瘤柳なる青みけり 臼田亜浪 旅人 抄
蛤や柳緑花紅描きたる 阿波野青畝
帆舟来てつなぎし柳茂りけり 水原秋櫻子 殉教
板塀にしたるゝ雨の柳哉 正岡子規 柳
版画屋の前の一もと柳かな 安住敦
晩涼や柳伐りても出でて揺るゝ 渡邊白泉
百千鳥柳少き関屋哉 正岡子規 百千鳥
描柳ある方小川音立てて 山口青邨
病人の門迄出たる柳哉 正岡子規 柳
不忍に風のはなれぬ柳かな 正岡子規 柳
風うける力柳は柳かな 正岡子規 柳
風は柳に棹させば水の流れゆく 荻原井泉水
風吹て枝もならさぬ柳哉 正岡子規 柳
物ありと見ればゆらゆら糸柳 正岡子規 柳
文君の酒屋ありける柳哉 正岡子規 柳
兵の出て駅前を乱し柳吹く 右城暮石 句集外 昭和十一年
閉目は柳の明さ尽地燦 永田耕衣
碧水に浮べて柳一葉かな 富安風生
遍路となれば伊豫の柳の青さなり 荻原井泉水
弁天のうしろ姿は柳かな 正岡子規 柳
弁天をとりまく柳桜かな 正岡子規 柳
法師蝉茂り疲れし老柳 百合山羽公 寒雁
蓬莱の上にしたるゝ柳哉 正岡子規 蓬莱
頬杖は柳の緑なればなり 高野素十
本陣に幕張り廻す柳哉 正岡子規 柳
蓑虫の遊行柳に物知り顔 松崎鉄之介
明易き水のほとりの柳かな 高野素十
明烏葉柳の日のいよよなり 岡井省二 五劫集
茂りたる柳の一葉~かな 高野素十
茂りても柳の性を失はず 清崎敏郎
門外に川あり柳二三本 正岡子規 柳
門口に十日の雨の柳かな 正岡子規 柳
門柳鬼ごとあそび暮れて猶 石橋秀野
夜な夜なの辻君かくす柳哉 正岡子規 柳
夜雨至る柳河の菱生ひいそぐ 阿波野青畝
野に山に白雲ゆくよ煙柳忌 飯田蛇笏 山廬集
野の牛を撫でゝ眠らす柳哉 正岡子規 柳
柳、その人であるはずはない顧る 荻原井泉水
柳あり舟待つ牛の二三匹 正岡子規 柳
柳あり桃あり家の前後 正岡子規 柳
柳があつて柳屋といふ涼しい風 種田山頭火 草木塔
柳がちに花がちに見ゆる村一つ 正岡子規 柳
柳がちに花がちに村はるかなり 正岡子規 柳
柳が倉敷川の昔船問屋のいま宿の女あるじ 荻原井泉水
柳ぐとは胸ひらくこと秋の富士 岡本眸
柳ことに老大、殿の倉とて水に映り 荻原井泉水
柳とは酒屋が前のものならし 正岡子規 柳
柳なく花なき里の西行忌 正岡子規 西行忌
柳などあるらんか夜を着きし宿 中川一碧樓
柳なほ柳のありしゆふべかな 岡井省二 五劫集
柳には柳の木こそ添ひよけれ 正岡子規 柳
柳にも我はづかしや二千石 正岡子規 柳
柳にも糸桜にも分け入れり 相生垣瓜人 明治草
柳の糸みんながふれて涼しさよ 山口青邨
柳の茂頼もしき父持てる家か 中村草田男
柳の木又柳の木秋の風 高野素十
柳ひらめけり年の市立つや 大野林火 海門 昭和七年以前
柳まづ置かれ納涼芝居かな 桂信子 花影
柳みな吹きなびく池畔あたたかし 村山故郷
柳もなし籬の上に春の月 河東碧梧桐
柳よりやはらかきもの見当らず 後藤比奈夫
柳わけて居酒屋の門はひりけり 正岡子規 柳
柳蔭われはをみなとなりしはや 永田耕衣
柳影さんばら 広島忌また 長崎忌 伊丹三樹彦
柳遠く人家の煙搖曳す 正岡子規 柳
柳見てまはれば庵の住み易き 正岡子規 柳
柳見て物思はゞやと思ふかな 正岡子規 柳
柳桜柳桜と栽ゑにけり 正岡子規 柳
柳条の雨のごときは春を待つ 富安風生
柳植ゑて善き名を彫りし小橋哉 正岡子規 柳
柳垂り五月の夕焼にごりなき 大野林火 海門 昭和十二年
柳垂れて海を向いたる借家あらん 正岡子規 柳
柳青く垂りて濠端の昼たのし 村山故郷
柳青しあひまあひまの桃の花 正岡子規 桃の花
柳青しここは故郷比叡も見ゆ 村山故郷
柳青し紅燈七十二青楼 正岡子規 青柳
柳青み家鴨遊べる遠き景 山口青邨
柳青む銀座に出るも医師通ひ 村山故郷
柳挿すやしばし舟押して白腕 飯田蛇笏 山廬集
柳痩せ緑を纏ふ北浜街 右城暮石 句集外 昭和二十八年
柳多き花多き村にいでにけり 正岡子規 柳
柳態も嫋々の時過ぎにけり 相生垣瓜人 明治草
柳堤がひとすぢけぶり湖を*きる<西湖> 篠原梵 年々去来の花 中北支の四〇日
柳伐つて後影つく水輪かな 石橋秀野
柳萌え温室の花より淡かりき 飯田蛇笏 白嶽
柳北が寄附せし土手の桜かな 正岡子規 桜
柳立つうしろの柳笑いけり 橋閒石
柳緑といふは寒中にもありて 後藤比奈夫
柳鰈貰ふ大雪そのあとに 大野林火 潺潺集 昭和四十三年
幽霊の出るといふなる柳かな 正岡子規 柳
遊行柳見る間に刈らる三角田 松崎鉄之介
夕煙柳かくれの小寺かな 正岡子規 柳
夕風の月なぶりゐる柳哉 正岡子規 柳
夕風や柳吹きこむ窓の内 正岡子規 柳
楊弓に人の集まる柳かな 正岡子規 柳
楊州は柳に晴るゝ日永かな 日野草城
葉柳に水撒車片よせぬ 正岡子規 葉柳
葉柳に日の力なきゆふべかな 正岡子規 葉柳
葉柳に埃をかぶる車上哉 正岡子規 葉柳
葉柳の五本はあまる庵哉 正岡子規 葉柳
葉柳の招魂祭の鹵簿の雨 富安風生
葉柳の吹かれてしどろもどろかな 清崎敏郎
葉柳の水の日ぐれを驢馬追へる 臼田亜浪 旅人 抄
葉柳の風は中から起りけり 正岡子規 葉柳
葉柳の葉長き活けし何の思ひ 細見綾子 桃は八重
葉柳ははや酋乙女の翁なれ 岡井省二 猩々
葉柳も飛燕も低し五層閣 水原秋櫻子 餘生
葉柳も木屋町四条下ルかな 寒食 星野麥丘人
葉柳やもつれてのこる三日の月 正岡子規 葉柳
葉柳や折ふし村の鏡見ゆ 岡井省二 明野
葉柳や待たされてゐる奈良茶粥 森澄雄
葉柳や病の窓の夕ながめ 正岡子規 葉柳
葉柳や病気の窓に夕ながめ 正岡子規 葉柳
葉柳や風はらひあへずほこりつむ 正岡子規 葉柳
葉柳をつかまへかねし小舟哉 正岡子規 葉柳
踊見送りさぐれば千切れて柳の葉 中村草田男
洛陽の池をとりまく柳哉 正岡子規 柳
裏店にあり来りたる柳哉 正岡子規 柳
裏門にかぶさる雨の柳哉 正岡子規 柳
立琴にしだるゝ床の柳哉 正岡子規 柳
旅立のあとに淋しき柳哉 正岡子規 柳
涼しさの柳に風の順へり 上田五千石 天路
涼風の白楊溝に紅柳(タマリスク) 松崎鉄之介
老い易くはた老い難き柳哉 正岡子規 柳
老柳に句碑にこれより秋淋し 高田風人子
老柳のもとに落つ日の暑からず 高浜年尾
老柳の山廬秋風吹きめぐり 星野立子
藁屋根の上にしだるゝ柳かな 正岡子規 柳
兀山の麓に青き柳かな 正岡子規 青柳
囀りの横町につゞく柳哉 正岡子規 囀
嬌柳さはらず伸べし釣瓶竿 阿波野青畝
嬌柳やうやうにして静まりし 阿波野青畝
朧とは桜の中の柳かな 正岡子規 朧
杞柳編む円座 物真似インコが芯 伊丹三樹彦
梳き下し枝垂柳の枝垂れたり 山口誓子
渺々と緑つらなる柳哉 正岡子規 柳
渤海の平らにつゞく柳かな 正岡子規 柳
絲柳まだ遠景を透しをり 高浜年尾
螢川柳に螢の乳つきて 細見綾子
賤か家の垣根うつくし桃柳 正岡子規 桃の花
跣足の児がスタ~と行けり柳暮る 尾崎放哉 大正時代
颱風の被害最も老柳に 高浜年尾
颱風の名残りの風の柳吹く 高野素十
鯊落ちて柳は青し博多川 水原秋櫻子 蓬壺
鴉鳴く明礼宮の柳かな 正岡子規 柳
鶯や竹へも梅へも柳へも 正岡子規 鶯
鶯や梅へも竹へも柳へも 正岡子規 鶯
鶯横町塀に梅なく柳なし 正岡子規 鶯

by 575fudemakase | 2018-03-20 17:02 | 春の季語 | Trackback | Comments(0)
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《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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