孤独 の俳句

孤独 の俳句

孤独

あたたかし背後はいつも孤独にて 石原八束
いくたびも鷹の孤独を放ちけり 水田光雄
えびがにを釣る受験後の孤独顔 殿村莵絲子 遠い橋
おなじ速さに円を描きてゐる鳥よかかるかたちの孤独もあらむ 谷井美恵子
おほき孤独が鮟鱇にぶら下がる 辻美奈子
かくれんぼ鬼の孤独や夕焼くる 佐土井智津子
カナリヤの孤独校長室に飼はれ 穴井太 鶏と鳩と夕焼と
かりそめの孤独は愉しビール酌む 杉本零
キーパーの孤独へ流れ鰯雲 小島健
くさめして鶴の番人孤独なり 成瀬櫻桃子
くちなはの遮るもののなき孤独 吉野十夜
ことばもたぬ守衛の孤独夏草に 栗林一石路
さきがけはいつも孤独の山茱萸黄 岩岡中正
したたかに水打ち孤独なる夕 柴田白葉女
しみじみとわれの孤独を照らしをり札幌麦酒のこの一つ星 荻原裕幸
しんがりを行きて野遊び孤独もち 甲斐 とくえ
スケートの渦に乗りゐて孤独なり 黒坂紫陽子
すさまじき孤独や象の花吹雪 加藤楸邨
チューリップ原色はみな孤独なる 中村正幸
つきまとふ咳に孤独のはじまりぬ 新田充穂
とほい風の孤独に堪えて塩は白いか 金井明
ドラマーの孤独の眼鏡僕の眼鏡 鈴木六林男 桜島
ナイターの最上段にあり孤独 南雲愁子
ナイターの芝生役手こそ孤立像 河野南畦 『風の岬』
ねむりいて耳が孤独よ雪夜の父 寺田京子 日の鷹
パラソルの中を孤独と思はずや 鷲巣ふじ子
はんざきに夜来て孤独透き透る 山崎政江
ひとなかに弁当開き孤立せり 冨山としを
ひとりぼつちにはまなすの花の数 石田郷子
ひとりぼつちの泊灯ね 寒いわ お父さん 伊丹三樹彦 樹冠
ひまはりの迷路孤独は鋭利なもの 今井豊
ひろひためし栗を孤独の灯にひろげ 瀧春一 菜園
ふくろふの声ふところに孤独かな 高屋窓秋
ペンペン草孤独あつまる山羊の額 岡崎ゆき子
マーライオンの灯に寄る守宮 しかと孤独 伊丹公子 ドリアンの棘
またもとのひとりぼつちの夜釣かな 加藤 覚範
マラソンの背に負ふ孤独北風つよし 中尾みどり
ゆく秋の孤独が抱く膝がしら 高橋光子
るいるいといそぎんちやくの咲く孤独 土橋石楠花
るいるいと磯巾着の咲く孤独 土橋石楠花
葦火してしばし孤独を忘れをる 竹下しづの女
飴舐めて孤独擬や十三夜 佐藤鬼房 「何處へ」以降
粟蒔いて孤独の影をかへりみず 中村秋一
衣更孤独を隠すこと覚ゆ 森 敏子
一億年ぽっちの孤独春の雨 高野ムツオ 蟲の王
鰯雲鼻の孤独の極まるなり 加藤楸邨
雲の無く月は孤独でありにけり 粟津松彩子
雲雀仰ぐ/孤独や/山姿は/字國定 林桂 銀の蝉
雲雀野を行き一人づつひとりぼつち 行方克巳
影も又孤独となりて冬木立つ 田中 蘇水
永き日のことに孤独を愛しけり 高橋淡路女 梶の葉
永き日の銀座大路にゐて孤独 田中兼豊
泳ぎつつ水に孤独になつてゆく 粟津松彩子
炎天やひとりぼつちの父の墓 松崎あき子「貴船菊」
炎熱の日々を過ごせり氷塊のやうなる孤独地獄とともに 江畑實
遠花火ひとりぼつちにあきるまで 片山芙美子
遠足にとり囲まれて象孤独 野中亮介
黄金虫の羽根美しき孤独かな 細見綾子
黄門祭の沸点にゐて孤独かな 馬籠よ志子
乙字の忌孤独地獄といふ寒気 新谷ひろし
夏草やひとりぼつちに吾子の墓 田子鴨汀
花桐や孤独でありし少年期 吉村ひさ志
花終る春蘭のまた孤独かな 北原志満子
華やかな孤独へ太古からの舌 松本恭子 二つのレモン 以後
華やかに咲いても孤独アマリリス 川口咲子
芽柳の孤独の淵に心欲る 高澤晶子
蟹孤独炎ゆる砂どち歌へるに 川口重美
外套の肩の断崖孤独かな 不破博
街の灯や岩の孤独はひとに告げず 石橋辰之助
蛙の子飼つて孤独の性子にも 安住敦
蛙鳴く孤独を耐へてゐる夜も 雨宮抱星
柿冷ゆる重みよ孤独なる手相 品川鈴子
寒晴や釘は一本づつ孤独 奥坂まや
寒地獄孤独なるとき笑ひけり 小林康治
寒釣の孤独まさぐる糸長し 斉藤満子
寒梅の孤独と言へぬ花の数 江口竹亭
寒夜孤独反古だまうごきつゝ燃ゆる 川口重美
館孤独梅雨晴雀戸に来ても 下村ひろし 西陲集
眼帯の朝来て原子炉孤独なり 宮川としを
岩頭の孤独な恋ぞ鵜のもてり 田原俊夫
亀の子の買はれて乾く孤独な背 乾鉄片子
蟻地獄孤独地獄のつゞきけり 橋本多佳子
蟻地獄孤独地獄のつづきけり 橋本多佳子「紅絲」
掬はれて金魚の孤独始まれり 森高たかし
吉良常と名づけし鶏は孤独らし 穴井太
玉葱の厨に芽吹く孤独かな 野崎宮子
桐の実の孤独へ風の音乾く 古市絵未
金魚も孤独気泡を一つまた一つ 三谷昭 獣身
熊穴に入るや孤独の風の音 中谷真風
群なして孤立無援の曼珠沙華 吉田静子
群れてゐて一花の孤独曼珠沙華 上原白水
群像のいづれも孤立夏館 鍵和田[ゆう]子 未来図
畦塗つて峡に孤独の田となせり 宮津昭彦
茎立や子なき夫婦の相孤独 西本一都
犬ふぐり一ぱい咲いてゐる孤独 加倉井秋を
元旦の孤独を映画館にもまれ 藤木清子
元日の孤独を映画館にもまれ 藤木清子
孤独かと問はる湯治の甲斐の春 及川 貞
孤独このとき夕顔が咲きました 清水径子
孤独とは息らふためか風の中われと駝鳥は柵をへだてて 小中英之
孤独なやつさ茅の焚火をでかくして 細谷源二
孤独なり冬木にひしととりまかれ 木下夕爾
孤独なるブロンズに夜の雪積り 山本歩禅
孤独なる姿惜しみて吊し経し塩鮭も今日ひきおろすかな 宮柊二
孤独なれば浮草浮くを見にいづる 細見綾子
孤独にも仲間は在りし帰り花 平林 良
孤独の勝利黒き秋衣に躯をつつめば 内藤吐天 鳴海抄
孤独よろしみそさゞえ更らに遠くのみそさゞえ 安斎櫻[カイ]子
孤独育つ古りて銘なき夏茶碗 殿村菟絲子
孤独三人豆撒くときの心寄る 殿村菟絲子
孤独参上むしっては食べる絹糸草 岸本マチ子
孤独汝枯野の丘に今日も見つ 中尾白雨 中尾白雨句集
孤独無限あざらし温む水くぐり 稲垣きくの 牡 丹
孤立して秋の火を焚く石の上 椎橋清翠
孤立せる老鶏頭を一瞥す 相生垣瓜人 明治草抄
枯れるものすべて孤独となりにけり 大竹喜代子
枯れる滝女教師喋らねば孤独 河合凱夫 飛礫
枯草の大孤独居士ここに居る 永田耕衣
枯草の大孤独居士此処に居る 永田耕衣
枯雄羊歯からから孤独の音こぼす 加藤房子
胡桃の実カサと割りつつ酒を飲む夫の孤独の縁にわが座す 平林静代
五月祭の汗の青年病むわれは火のごとき孤独もちてへだたる 塚本邦雄
耕耘機畦の黄菊を孤独にす 津村青岬 『南紀』
妻がゐて子がゐて孤独いわし雲 安住 敦
雑炊や猫に孤独といふものなし 三鬼
雑踏の中の孤独や春愁い 井上かつ枝
三羽いて 三羽の孤独 汐木の鳶 伊丹三樹彦 樹冠
傘で指すボタ山するどく孤立して 穴井太 穴井太集
散るさくら孤独はいまにはじまらず 桂 信子
四葩淡し個が孤立して己れなる 河野多希女 こころの鷹
詩は孤独風向き変へて野火走る 中村明子
七夕や孤独をしらずして老ゆる 池上不二子
煮大根を煮かへす孤独地獄なれ 久保田万太郎
煮大根煮かへす孤独地獄なれ 久保田万太郎
謝肉祭の肺(ルンゲ)の孤独海に染まず 石原八束 『雪稜線』
灼くる宙に眼ひらき麒麟孤独なり 中島斌男
手入れよき庭が鈴蘭孤独にす 稲畑汀子
種子島鳴つて孤独・熊腑抜けたり 筑紫磐井 婆伽梵
秋の日や凭るべきものにわが孤独 木下夕爾
秋汐に泳ぐ孤独の男あり 鈴木真砂女 夕螢
秋風の吹き抜く孤独地獄の底 小林康治
終戦日孤独の風呂を溢れさす 雨宮抱星
俊寛孤独のごとき蓬髪藪拓く 加藤知世子 花寂び
春の草孤独がわれを鍛へしよ 藤田湘子 てんてん
春愁や孤りと孤独とは違ふ 田畑美穂女
春燈のもと愕然と孤独なる 桂 信子
春嶺の気流に孤独の鳶乗れり 渡邊日亜木
初庚申長蛇の列にゐて孤独 山本美智子
初紅葉なる一本の木の孤独 今橋眞理子
除草機押すひとりびとりの孤独境 伊丹三樹彦 人中
小春日を跳んでも跳んでも孤独です 上村益穂
少年の孤独捕へし蟻地獄 清水節子
少年早や魚割く孤独野分充つ 楠本憲吉
松過ぎて個室の孤独始まれり 朝倉和江
消灯は孤独の一つ虫しぐれ 桂樟蹊子
鉦叩たゝきて孤独地獄かな 安住 敦
常高き麒麟の孤独花吹雪 恩田野生
色鳥がひとりぼつちの妻に来る 細川加賀
真清水に口痺らして孤独癖 内藤吐天 鳴海抄
真青なる孤独に乗りぬハングライダー 水野良明
身を吊る巌流汗冷ゆるとき孤独 小松崎爽青
辛夷ついに開く孤立に堪えられず 田邊香代子
人去りて孤独に戻る座禅草 八木澤高原
人込みを抜けて孤独や*きりぎりす 佐藤栄一
甚平の肩怒らせて孤独なる 堀内一子
水着着て身軽く出でて孤独なり 倉橋羊村
棲むものの孤独月牙の泉あり 稲畑汀子
逝く年の孤独大手を振つて通る 山田みづえ
青蜥蜴孤独ならずよ交ひ落つ 稲垣きくの 牡 丹
赤とんぼこんな孤独な世があろうか 細谷源二
赤もまた孤独なりけり寒椿 和田律子
赤鬼と孤独分けあふ春の月 斎藤光子
節分の火の粉を散らす孤独の手 鈴木六林男
雪やなぎ母に孤独の刻多し 田中灯京
雪礫うちし孤独のかへりけり 小林康治 玄霜
蝉のごとあをあをとゐて孤独なり 栗林千津
蝉生る孤独の殻を脱ぎすてて 渡辺寛子
仙人掌の花の孤独を持ち帰る 上田日差子
船火事は孤独の業火妻に見す たむらちせい
善丁また孤独の冬に入りにけり 下村ひろし
草の花孤独は天に蝶ふゆる 窓秋
足組むも孤独のかたち落葉ふる 米岡幸子
足袋外套脱ぎ散らさでや孤独慣れ 石塚友二 方寸虚実
太宰の夏孤独は湖へ置いて来し 河野南畦 湖の森
太陽に埋れてやぬくき孤独かな 永田耕衣 陸沈考
太陽は孤独でありし草の花 澤井我来
台風の眼に入る街の孤独かな 加藤はま子
大都市を孤独に歩くサングラス 山田弘子 螢川
滝の大音響吾を孤立さす 津田清子 礼 拝
瀧の大音響吾を孤立さす 津田清子
茸山の茸の孤独に囲まるる 三谷 昭
炭焼きは孤立無援に煙あぐ 末近国成
団栗にうたれし孤独地獄かな 藤田湘子
暖かな孤立ありけり試着室 隈元拓夫
男と女海の孤独を泳ぎぬけ 三谷昭 獣身
地下街の柱の孤独去年今年 戸板幽詩
地虫こそ自我の孤独の声放つ 殿村 莵絲子
蜘蛛の囲は蜘蛛の孤独の広さとも 長山あや
着飾りて磯巾着の孤独かな 市野川豊昭
昼は疲れ夜は孤独な田掻牛 中山純子
虫の闇大黒柱孤独なり 澁谷道
虫鳴けば孤独も詩の肥しかな 富田潮児
張り終へし大蜘蛛の巣の蜘蛛孤独 後藤 寿美
帝王の孤独のやうに月あがる 地平に眠る雲を照らして 高島裕
天が下孤独に堪へて種蒔ける 小林鹿郎
天を指す土筆一本づつ孤独 福本五都美
冬ざれや石に腰かけ我孤独 虚子
冬待つやひとりぼつちの神威岩 細川加賀 生身魂
冬凪をゆけば孤独もゆたかなり 中川和子
冬帽子冠りてよりの孤独なる 毛塚静枝
凍鶴を見しより孤独ふかみけり 成瀬桜桃子
灯を消して孤独の孤独たのしきかな 藤木清子
灯台の孤独な佇立吾亦紅 奥平考芦
白という孤独運動靴の少年 高階健一
白蚊帳に孤独の母が透きとほる 藤井 亘
白菜の孤独 太陽を見送つている 吉岡禅寺洞
白鞘の孤独な反りも冬に入る 宮城白路
白息に眼を湿らせし孤独かな 三浦紀水 『湖その後』
白桃を剥けば夜が来て孤独が来 鈴木真砂女 夕螢
麦秋駈る天地孤独のトラクター 平井さち子 完流
筏鳴に鳴き移らるゝ孤独も佳し 石塚友二
鳩吹く風リフトにひとりぼつちかな 鈴木寿美子
百年も孤独でいれば枯葎 石井嗣子
百落ちて百の孤独の木の実かな 梅本伸子
病葉や孤独楽しむ老人ら 村田脩(萩)
浜木綿の花のしろさ 琉球はいま 孤独です 吉岡禅寺洞
風が来て廻す孤独の風車 山口素人閑
風に咲く薊荒寥たる孤独 内藤吐天 鳴海抄
風の花葛/ももんがに/かの/紺色孤独 林桂 銀の蝉
風花や孤独と云いて自由なり 豊福芳枝
文芸の孤独を訪はれ火取虫 山田弘子 懐
方正の囲炉裏孤独の二人哉 露月句集 石井露月
万緑や巨岩の孤独はじまれる 殿村菟絲子 『晩緑』
万緑や巨石の孤独はじまれり 殿村菟絲子
蓑虫の綴れ錦を着て孤独 田中英夫
霧とぶよ青田孤独の貌ばかり 宮坂静生 雹
椋鳥の樹を埋めつくす孤独かな 岩切雅人
毛虫焼く焔このとき孤独でなし 橋本多佳子
木の実独楽マッチの脛を見せて孤独 細谷源二
門出でてすでに孤独やあきの暮 米澤吾亦紅
夜が好きで孤独が好きで茶立虫 高岡智照
夕焼のひろがるほどに孤独知る 山本歩禅
落葉降る一葉一葉に孤独埋め 服部初枝
立版古仕立屋銀次孤独なり 久米三汀
涼風は四通八達孤独の眼 中村草田男
冷蔵庫と真夜の孤独を共にせり 熊谷愛子
冷蔵庫開けて孤独をまのあたり 風間 圭
曼珠沙華孤立無援が好きですか 田邊香代子
囀や孤独になれて部屋広し 小松崎爽青
狆曳きの雛の孤独を今知れり 殿村菟絲子
筍梅雨地球の孤独深めけり 脇本星浪
胼割れの指に孤独の血が滲む 三橋鷹女
蘆火してしばし孤独を忘れをる 竹下しづの女
蜥蜴去り石切る孤独また戻る 三谷昭 獣身
鮑かむ鼻が重たき孤独かな 渡部陽子
鳰ひとりぼつちの水輪描き 西村和子 かりそめならず
鵯は睦み鵙は孤独のしぐれどり 千代田葛彦
黴咲かせ孤独地獄と現じけり 小林康治 玄霜

孤独 補遺

*あぎとふ金魚孤立無援を気にするな 佐藤鬼房
アシカの演技映す孤独なバーのテレビ 金子兜太
カンナ散り孤独の日々を愉しめり 三橋鷹女
クリスマスカードを送り来て孤独 後藤比奈夫
こころいつか蟇の孤独の唱に和す 能村登四郎
すさまじき孤独や象の花吹雪 加藤秋邨
その家の孤立はじまる稲架組んで 能村登四郎
トンネルの口や孤独の曼珠沙華 渡邊白泉
ひとりぼつちのふたりぼつちや桜桃 平井照敏 猫町
ふくろふの声ふところに孤独かな 高屋窓秋
みな孤独金亀子まろび竃馬跳ね 安住敦
わが孤独ひしと黄套ひるがへし 伊丹三樹彦
飴舐めて孤独擬や十三夜 佐藤鬼房
一日一日鰥寡孤独の秋深む 山口誓子
鰯雲鼻の孤独の極まるなり 加藤秋邨
駅前緑地老いて孤独の朝から坐す 伊丹三樹彦
黄金虫の羽根美しき孤独かな 細見綾子
花に泣く眼には孤独の病む涙 高屋窓秋
荷役後の舷の孤独に水夫(かこ)眠る 金子兜太
我の「孤独」は「真赤な血」なるを鵙も知らぬ 中村草田男
蛙の子飼つて孤独の性、子にも 安住敦
寒地獄孤独なるとき笑ひけり 小林康治 玄霜
汗の孤独九十九里浜に歩み出で 大野林火 白幡南町 昭和三十二年
蟻地獄孤独地獄のつづきけり 橋本多佳子
吸入の顎拭き孤独きはまりぬ 岡本眸
空罐のなかには泥鰌孤独者 阿波野青畝
月夜霧孤立キヤンプがをのゝけり 能村登四郎
孤独かと問はる湯治の甲斐の春 及川貞 夕焼
孤独なりさぼてん蒼き花を挙げ 三橋鷹女
孤独なり鴉おびただしく鳴き去り 伊丹三樹彦
孤独なれば浮草浮くを見にいづる 細見綾子
孤独な鹿草けり水けり追われる鹿 金子兜太
孤独のあかんぼちんぼこさらし裸麦 金子兜太
孤独登山者に巌裏ほそき滝一条 能村登四郎
孤立してより寒のししむら艶を帯ぶ 能村登四郎
孤立せる老鶏頭を一瞥す 相生垣瓜人 明治草
枯尾花すつくと孤立せるがあり 佐藤鬼房
枯木星孤立無援の吾に点く 津田清子
湖に不眠の手足浸らせ孤独癖 楠本憲吉 孤客
香水のおのが香にゐる孤独かな 岡本眸
高原の孤独日傘の絹を張り 津田清子 礼拝
妻がゐて子がゐて孤独いわし雲 安住敦
朔風の天に円月の大孤独 日野草城
桜くもり鏡に写す孤独の舌 西東三鬼
雑炊や猫に孤独といふものなし 西東三鬼
三羽いて 三羽の孤独 汐木の鳶 伊丹三樹彦
散るさくら孤独はいまにはじまらず 桂信子 月光抄
珊瑚採る男端居に夜も孤独 大野林火 雪華 昭和三十四年
時かけて酌みしビールや孤立無援 楠本憲吉 孤客
手には雀が 鳩が 孤独を忘れている 伊丹三樹彦
秋汐に泳ぐ孤独の男あり 鈴木真砂女
秋風の吹き抜く孤独地獄の底 小林康治 玄霜
春の草孤独がわれを鍛へしよ 藤田湘子 てんてん
春灯のもと愕然と孤独なる 桂信子 月光抄
除草機押すひとりひとりの孤独境 伊丹三樹彦
少年早や魚割く孤独野分充つ 楠本憲吉 孤客
掌の木の実ひとに孤独をのぞかるる 橋本多佳子
樟大樹孤独の翡翆翔けまどひ 中村草田男
鉦叩たたきて孤独地獄かな 安住敦
棲むものの孤独月牙の泉あり 稲畑汀子
逝く年の孤独大手を振つて通る 山田みづえ 忘
青簾真昼爪きり孤独もよし 鈴木真砂女 夏帯
雪礫うちし孤独のかへりけり 小林康治 玄霜
草の花孤独は天に蝶ふゆる 高屋窓秋
足袋外套脱ぎ散らさでや孤独慣れ 石塚友二 方寸虚実
鯛の打菓子尾鰭より食み孤独の孤独 三橋鷹女
滝の大音響吾を孤立さす 津田清子 礼拝
団栗にうたれし孤独地獄かな 藤田湘子 途上
漬菜石つひの孤独の重み出す 能村登四郎
天澄むに孤独の手足わが垂らす 桂信子 月光抄
冬天に鳥敏く去りわが孤独 伊丹三樹彦
冬磧孤独の石の掘り出され 能村登四郎
働らくうしろ孤独の見学者と虫音 大野林火 雪華 昭和三十八年
日の中の孤独枯木に雲とどかず 鷲谷七菜子 黄炎
熱湯の孤独を寸長き素顔 橋閒石 風景
波あげて鵜岩の孤独わだなかに 橋本多佳子
白桃を剥けば夜が来て孤独が来 鈴木真砂女 夕螢
白癬の山山にはや孤独なし 佐藤鬼房
麦秋の孤独地獄を現じけり 安住敦
晩春の樅の孤立に日けぶれる 佐藤鬼房
壁白く孤独のわれとなりてゐる 日野草城
片虹に瞑目孤独などあらず 佐藤鬼房
歩哨小屋 いまも孤立し 曼珠沙華 伊丹三樹彦
埋立沙漠の果で魚釣る 孤独強め 伊丹三樹彦
稔田を眼下精英樹の孤独 佐藤鬼房
柚子の香に追ひぬかれたる孤独かな 加藤秋邨
夕焼に孤独なりけりゆまりして 山口誓子
流燈やひとりぼつちのタイ嘆く 秋元不死男
憐れまず孤独を好む蜘蛛なれど 相生垣瓜人 明治草
胼割れの指に孤独の血が滲む 三橋鷹女
薔薇の花期吾より孤独に強き吾娘 中村草田男
飆天に孤独なる月よ照るほかなし 日野草城
黴る日々不安を孤独と詐称して 中村草田男
黴咲かせ孤独地獄と現じけり 小林康治 玄霜

以上


by 575fudemakase | 2018-09-12 09:10 | 無季 | Trackback | Comments(0)
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《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
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全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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