2018年 7月 ねずみのこまくら句会の諸句

2018年 7月 ねずみのこまくら句会の諸句



 うすものに師の忌を修す僧の友

 コウノトリ子を連れて来よ青田中

(コウノトリが赤ちゃんを運んで来るのはドイツの逸話から引用だそうだが、その俗説を上手く青田中に当て嵌めた)

 はらからの思い出尽きず宿浴衣

(親族の団欒のひと時、私にも思い当たる)

 モチーフの西瓜用済み後の始末

(「後の始末」?「如何せん」)

 一花咲く木槿の百花忽ちに

(木槿一花咲くより百花忽ちに)

 一人覚め一人朝げの夏至一日

(一人覚め一人朝餉の半夏なる)

 炎暑来通院妻の露払ひ

(炎暑を往き通院妻の露払ひ)

 夏うぐひす鳴き交ふ能登のどんづまり

(半島の尖端、狼煙あたりか?)

 夏寒し津波の浜の石の声

 夏至夕べ漏刻の世をおもんみる

(刻を測るに水時計、水時計と夏至夕べは何処となく親和性あり)

 夏萩や菩提寺守る知己の無し

(私も同じ感慨持ち居ります。私の田舎は栃木 田沼。)

 海胆の棲む海が玄関伊根舟屋

 顔と尾のどっちつかずの蚯蚓かな

(「顔と尾のどっちつかず」の表現 もう一工夫)

 魚河岸をめぐり飛魚仕留めたる

 空濠の草に紛るる梅雨茸

 庫裏外に錆の五斗釜楠落葉

 午後晴れて庭番めける蝮草

(土地柄が思いやられます)

 骨揚げを待ちて麦茶を飲みにけり

(齢ゆけば、この習慣も大分慣れたものとなります)

 司馬さんの里をけぶらす虫篝

 十一鳴く大原問答おさむごと

(十一鳴く大原問答おさむるごと)

 書き出しも結び言葉も暑を案ず

(「暑を案ず言葉並べて見舞状」若しくは「暑を案ず言葉あれこれ見舞状」サラッとやってもよいのでは?)

 新茶濃く淹れて野良出の力とす

(判る判る)

 真炎天鴉の嘴の半開き

 真夜の地震秘湯の長押を大百虫

(これは即吟だろう。ピシッと言い止めた)

 水馬いのちを弾き音もなし

(「いのち」さてここの処が問題であるのかないのか 皆の意見を聞きたいところ)

 睡蓮の葉の朗々と照り返す

(私流だともう少しおとなしくなる。「睡蓮の葉の午過ぎて照り返す」)

 全かり露坐の不動明王(ふどう)に蛇の衣

 全身に真昼日浴びて袋掛

 送り梅雨不意に立ち寄る美容室

(これも即吟だろう。構えぬよろしさ)

 昼酒のすすめ上手や沙羅散れり

 朝顔市売り手の姉御べらんめえ

(「朝顔市」か「酸漿市」か。私は後者を押す。 「売り手」は「売手」の方が締まる)

 町灼けて質の広告車両過ぐ

(「質の広告」と言うことは古い市電辺りの景か?)

 帝塚山少女涼しく電車待つ

(街自慢の俳句大いに結構。帝塚山は「てづかやま」と読む。此処出身の著名人にサッカーの岡田武史。俳人の橋本多佳子。)

 点在の牛を眼下や大南風

 塔頭しんと龍の髭花咲かせをり

 日焼け子のどこで覚えし謙譲語

 日々暇を持て余しつつ夏越かな

 熱帯夜ベッドの四辺即奈落

 梅雨夕焼け雨降嶺の稜炎ゆばかり

 麦茶かな嬰のストロー吸ひはじめ

(些細な処に目が利いている)

 抜き捨ての十薬にほふ太宰の忌

 半ズボン座卓に足をもてあまし

(正に夏の光景。言うまでもなくこれは男の感覚)

 晩学の重たき辞書や稲光

 浜辺には取り残されて死す海月

(「浜辺の海月」で「取り残され」も「死」も既に含意されていると思う。)

 父祖の山持て余しをり遠郭公

(継いだはいいが意外な処で苦労することに…)

 本舞台八十路よりぞとほととぎす

(心意気が出ていて好感もてる)

 民宿の婆の手作り心太

 戻り梅雨混み合ふコインランドリー

 野良疲れ鮎の塩焼きにて忘る

(野良疲れ鮎の塩焼きもて忘る)

 立葵めげることなく咲き上る

(「咲き上る」は不要?)

 緑蔭のシートの四隅靴揃へ

 恋たけなは渓の蛍火河鹿笛

 拗ねる子の尖る口似て花柘榴

(ちまちました比喩表現「似て」など使わずにドカンと勝負したらよい。拗ねる子の尖る口許花柘榴)

 珈琲手に朝出勤のアロハシャツ

(コンビニのテイクアウトなど、今時の流行りの光景)

 瞑想の刻欲しくなる白菖蒲

(峡田にて瞑想三昧白菖蒲)

 葭簀織る音へ葭簀をくぐりけり




以上



by 575fudemakase | 2018-10-21 18:29 | ねずみのこまくら句会 | Trackback | Comments(0)
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《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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