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美人等 補遺

美人等 補遺

*はまなすのたとへば夜の黒眸美女(マラゲーニア) 佐藤鬼房
*まくなぎに面打たせん女子生る 齋藤玄 飛雪
「寝る子は育つ」昼寝の女人遺愛児ぞ 中村草田男
あかゞりや傾城老いて上根岸 正岡子規 皸
いつの世も美男美女よし菊人形 右城暮石 虻峠
いにしへの女人の嘆き読み始む 上田五千石 天路
うぐいす、女人は湯を出るとすつと消える 荻原井泉水
うすものに堪へざる美女の立居かな 正岡子規 羅
うそ寒き暗夜美人に逢着す 正岡子規 うそ寒
うそ寒の誠を泣くや小傾城 正岡子規 うそ寒
おたいまつ青衣の女人よばれしや 角川源義
かの佳人ならむ枯山生野糞 佐藤鬼房
きぶし群落美女韆浴は乳房見せぬ 金子兜太
クインメリー麗人を求む年の暮 山口青邨
こちらが躱(か)はしにほふ女人や夜のさくら 中村草田男
この重きおかめ南瓜は女傑なり 百合山羽公 樂土
ゴルフアーの佳人の自動車春泥を 日野草城
その青年のもの美女の顔平手打ち 三橋敏雄
だが秋田美人に逢へずきりたんぽ 鷹羽狩行
たたずめる女人に箆麻に月明り 下村槐太 光背
チユーインガム噛み噛み女人天を航く 日野草城
つみふかき女人と梢の雪を見し 下村槐太 天涯
とりわけて女人の機嫌 梅見筵 伊丹三樹彦
はかなきは女人剃髪螢の夜 飯田蛇笏 椿花集
ビールほろ苦し女傑となりきれず 桂信子 女身
ぶをとこも美人も出たる小春哉 正岡子規 小春
むかし禁制の女人と夜の端居 鷹羽狩行
もう淋し女人も道も藻の花も 永田耕衣
ものうしや傾城をまつ蚊帳の中 正岡子規 蚊帳
よろこびにも女人吐息す蛍の香 中村草田男
わが庭のにぎやか秋田美人の蕗の薹 山口青邨
わびしらに桜散るなり女人堂 正岡子規 散桜
をだまきや女流詩人の屋根の下 原裕 葦牙
案内の女人山薯の穴と教ゆ 山口青邨
衣更へて美人はいつも美人かな 星野立子
一月の女人撞木に触れしのみ 飯田龍太
一心に蝉を捕りをる女人あり 相生垣瓜人 明治草
陰雪の緊れり女人禁制門 鷲谷七菜子 游影
雨支度出来て茶摘女子をあやす 高野素十
雲の上より降拝の紅一点 平畑静塔
駅家去る車塵 磧に美女残し 伊丹三樹彦
遠い窓辺に女人座さしめ吹流し 楠本憲吉 方壺集
遠目にも茶摘畑の祖谷美人 鷹羽狩行
襖絵の美女に囲まれ寝正月 鷹羽狩行
黄鳥きて美女群浴の死せしや 金子兜太
牡丹栽て美人土かふ春の風 正岡子規 春風
牡丹咲て美人の鼾聞えけり 正岡子規 牡丹
牡丹焚く宙に青衣の女人の手 平井照敏
佳人に会へり途上黄落ただならず 村山古郷
佳人もたらせし木犀の香に睡る 伊丹三樹彦
佳人花の如し我衣破れたり 正岡子規 花
夏に籠る傾城もあり百日紅 正岡子規 百日紅
夏山の記憶の中の一佳人 高野素十
夏至の萩紅一点を明らかに 阿波野青畝
夏草や嵯峨に美人の墓多し 正岡子規 夏草
夏服煌と女人を導く手頸執りて 中村草田男
河骨や女人を愛せざれば死ぞ 永田耕衣 物質
火の修二会闇に女人を結界して 橋本多佳子
火口丘女人飛雪を髪に挿す 山口誓子
花の山浮世画の美人来る哉 正岡子規 花
花晴れて佳人の眼鏡度の強き 日野草城
花南瓜*つつの美女には会へずとも 後藤比奈夫
蚊帳ツラデ畫美人見ユル夜寒カナ 正岡子規 夜寒
海青し黒衣の淑女籐椅子に 日野草城
海棠に鼾の細き美人哉 正岡子規 海棠
外梯子降りる一佳人花衣 山口青邨
咳(しはぶ)きて神父女人のごと優し 西東三鬼
茅花さく家を傾城のなれのはて 正岡子規 茅花
寒垢離の女人しもたやを出で行きぬ 村山古郷
寒燈に身を遠ざかる女人の香 飯田蛇笏 家郷の霧
寒美人嬋娟として尿意あり 日野草城
汗くさしうしろ向たる小傾城 正岡子規 汗
汗の日のみさを忌なりき女流来て 石田波郷
貴婦人と礼交したる春の旅 伊丹三樹彦
貴婦人の黒スカートの黒金魚 山口誓子
貴婦人の歩み春風裡のきりん 後藤比奈夫
菊人形源氏も美男美女ばかり 右城暮石 句集外 昭和五十四年
菊人形力車の淑女伊達眼鏡 山口誓子
喫茶房避暑の女流とフアンらと 村山古郷
禁制の女人を語りぬくめ酒 上田五千石『琥珀』補遺
金屏風傾城こもる秋の暮 正岡子規 秋の暮
空き壜に雨水女人禁止の山 右城暮石 句集外 昭和三十七年
傾城が筆のすさひや燕子花 正岡子規 杜若
傾城と千鳥聞く夜の寒さ哉 正岡子規 千鳥
傾城にあふがれて居る団哉 正岡子規 団扇
傾城にいつわりのなき熱さ哉 正岡子規 暑
傾城にとへども知らず紅の花 正岡子規 紅花
傾城にとりかくされし扇哉 正岡子規 扇
傾城にふられてひとりすゞみ哉 正岡子規 納涼
傾城にまことありけり秋のくれ 正岡子規 秋の暮
傾城にものかゝれたる扇哉 正岡子規 扇
傾城に可愛がらるゝ暑さ哉 正岡子規 暑
傾城に歌よむはなしけふの月 正岡子規 今日の月
傾城に起請の外の夏書哉 正岡子規 夏書
傾城に死んで見せけり火取虫 正岡子規 火取虫
傾城に袖引かれたる夜寒哉 正岡子規 夜寒
傾城に電話をかけん秋のくれ 正岡子規 秋の暮
傾城に問へども知らず秋の風 正岡子規 秋風
傾城に約束のあり酉の市 正岡子規 酉の市
傾城のうそも上手にさよしくれ 正岡子規 時雨
傾城のうらやまれけり蝸牛 正岡子規 蝸牛
傾城のお白粉はげて朝桜 正岡子規 朝桜
傾城のなるゝ柱も一夜鮓 正岡子規 鮓
傾城のぬけがらに寐る夜寒哉 正岡子規 夜寒
傾城のぬけ殻に蚤のはねる哉 正岡子規 蚤
傾城のひとり寐ねたる湯婆哉 正岡子規 たんぽ
傾城の噂を語れ納豆汁 正岡子規 納豆汁
傾城の花に泣く夜となりにけり 正岡子規 花
傾城の海を見て居る夕涼み 正岡子規 納涼
傾城の海を背にする夜寒哉 正岡子規 夜寒
傾城の外はしくるゝとも知らず 正岡子規 時雨
傾城の噛み砕きけり夏氷 正岡子規 夏氷
傾城の顔にあてたる団扇哉 正岡子規 団扇
傾城の古郷遠し京の春 正岡子規 初春
傾城の故郷や思ふ柏餅 正岡子規 柏餅
傾城の悟り顔なり蓮の花 正岡子規 蓮の花
傾城の在所をきけば藪蚊哉 正岡子規 蚊
傾城の罪をつくるや紅の花 正岡子規 紅花
傾城の姿あらはす蚊遣哉 正岡子規 蚊遣
傾城の耳たぶ広しほとゝきす 正岡子規 時鳥
傾城の汐干見て居る二階哉 正岡子規 汐干狩
傾城の鹿呼ぶ奈良の夕淋し 正岡子規 鹿
傾城の手つからくへる蚊遣哉 正岡子規 蚊遣
傾城の重ね着苦し汗の玉 正岡子規 汗
傾城の出しぬかれたる師走哉 正岡子規 師走
傾城の寝顔にあつしほつれ髪 正岡子規 暑
傾城の息酒くさし夕桜 正岡子規 夕桜
傾城の足音更ける火鉢哉 正岡子規 火鉢
傾城の団扇に這はす蛍哉 正岡子規 蛍
傾城の昼寝はあつし金屏風 正岡子規 昼寝
傾城の燈籠のぞくや寶巖寺 正岡子規 燈籠
傾城の発句名高し初松魚 正岡子規 初鰹
傾城の瓶にしぼみし牡丹哉 正岡子規 牡丹
傾城の腹をひやさん氷餅 正岡子規 氷餅
傾城の文とゝきけり五月雨 正岡子規 五月雨
傾城の文にも春を惜むかな 正岡子規 春惜しむ
傾城の文反古まじる紙帳哉 正岡子規 紙帳
傾城の夢に殿御の照射哉 正岡子規 照射
傾城の娘もちける鵜匠哉 正岡子規 鵜匠
傾城の名をつけて見ん竹婦人 正岡子規 竹婦人
傾城の紋は何紋衣配り 正岡子規 衣配
傾城の門まで出たり凧 正岡子規 凧
傾城の猶うつくしき燈籠哉 正岡子規 燈籠
傾城の涙煮えけり玉子酒 正岡子規 玉子酒
傾城の咄ときるゝ夜長かな 正岡子規 夜長
傾城の泪にやれし紙衣かな 正岡子規 紙衣
傾城の菫は痩せて鉢の中 正岡子規 菫
傾城の裲襠着て見つ春の雨 正岡子規 春の雨
傾城の顏見て過ぬ酉の市 正岡子規 酉の市
傾城の鼾おそろしほとゝきす 正岡子規 時鳥
傾城はうしろ姿の寒さ哉 正岡子規 寒さ
傾城はなれてよく寐る鹿の聲 正岡子規 鹿
傾城は格子の内や夏の月 正岡子規 夏の月
傾城は五階の上の霞哉 正岡子規 霞
傾城は誠にあつき者なりけり 正岡子規 暑
傾城は痩せて小さき蒲團哉 正岡子規 蒲団
傾城は知らじ三夜さのむら時雨 正岡子規 時雨
傾城は屏風の萩に旅寐哉 正岡子規 萩
傾城も居らず蝶飛ぶ仲の町 正岡子規 蝶
傾城も石になりたる夏野哉 正岡子規 夏野
傾城も南瓜の畑で生れけり 正岡子規 南瓜
傾城も猫もそろふて雜煮哉 正岡子規 雑煮
傾城も娘めきたり青簾 正岡子規 青簾
傾城やしくれふるとも知らで寐る 正岡子規 時雨
傾城や格子にすがる籠の虫 正岡子規 虫
傾城や客に買はれて夕涼み 正岡子規 納涼
傾城や年よりそむる五月雨 正岡子規 五月雨
傾城をかむろとりまく粽哉 正岡子規 粽
傾城をよぶ声夏の夜は明けぬ 正岡子規 夏の夜
傾城を見たる師走の温泉かな 正岡子規 師走
傾城を舟へ呼ぶ夜の寒さかな 正岡子規 寒さ
傾城を買ひに往く夜や鮟鱇鍋 正岡子規 鮟鱇
傾城曰く歸らしやんすか此雪に 正岡子規 雪
月が出て美女群浴の白照す 金子兜太
月を待つ女人ら詣ず女人堂 大野林火 雪華 昭和三十九年
遣羽子に負けし美人の怒哉 正岡子規 遣羽根
玄室に女人のこゑや冬浅し 星野麥丘人
古里や秋に痩せたる小傾城 正岡子規 秋
枯野行く美人をしばし眺めたり 永田耕衣
狐の前貴婦人同士ふりかへる 橋閒石 無刻
五月雨の二月堂出で来し女人 村山古郷
五月雨や傾城のぞく物の本 正岡子規 五月雨
五六人海芋のやうな女流欲し 星野麥丘人
紅一点とは唇のこと霧山中 鷹羽狩行
紅一点現れぬまま年忘れ 鷹羽狩行
荒行の女人に滝の力尽く 平畑静塔
行かんとして雁飛び戻る美人哉 正岡子規 帰雁
行く鳥や傾城国に帰る船 正岡子規 鳥帰る
行春の鴉啼くなり女人堂 内藤鳴雪
行春や茶屋になりたる女人堂 川端茅舎
行水や美人住みける裏長屋 正岡子規 行水
香煙の美人にもならず年暮れぬ 正岡子規 年の暮
高殿に美人佇む柳かな 正岡子規 柳
此里に美女二人あり桃の花 正岡子規 桃の花
沙羅散華葷酒女人の入り処なし 鷲谷七菜子 游影
砂丘ゆく女人の手足雪催ひ 飯田龍太
砂嘴に在り紅一点の漁家の梅 阿波野青畝
才女ひとり老いてふうせんかづらかな 藤田湘子 神楽
才女逝く三途の水もぬるむころ 林翔
雑仕にて女人寒造に加ふ 平畑静塔
三月尽街一筋に女人の航 角川源義
三彩の唐の美女見し牡丹かな 森澄雄
三色菫や贔屓倒しの女流論 鷹羽狩行
三椀の雜煮喰ひぬ小傾城 正岡子規 雑煮
傘さして傾城なぶる春の雨 正岡子規 春の雨
参詣の女人に揉まれ花供養 森澄雄
山ざくら女人その身へ手を添へて 中村草田男
山葵田花咲き流るる女人の感動詞 中村草田男
山高く夏館あり女人住む 村山古郷
珊瑚樹のことに夕霧女人講 飯田龍太
四頭の雄馬と烈女白鳥座 金子兜太
死ぬまでは装う女人 鴨足草 伊丹三樹彦
紫蘇の実を摘みし夕や女人講 赤尾兜子 玄玄
紫陽花や舌を見せたる小傾城 正岡子規 紫陽花
七夕に草履を貸すや小傾城 正岡子規 七夕
七夕を寝てしまひけり小傾城 内藤鳴雪
室咲きやほとほと甘い女流論 鷹羽狩行
実むらさき女流は育ち易きかな 後藤比奈夫
蛇いでてすぐに女人に会ひにけり 橋本多佳子
手にしたる女人高野の落し文 清崎敏郎
手弱女にあやめられたき黄すげ原 佐藤鬼房
手弱女の*陰をしのびて梅活けぬ 飯田蛇笏 心像
手弱女の高臀にして十二月 飯田蛇笏 家郷の霧
手弱女の目のなまめきや暑気下し 飯田蛇笏 山廬集
酒の名は山陰美人花三分 山口青邨
樹下美人ならばと梅の咲く下に 津田清子
修二会の桟女人とすこしものを云ふ 山口誓子
修二会見る棧女人の眼女人の眼 山口誓子
修二会僧女人のわれの前通る 橋本多佳子
修二会走る走る女人をおきざりに 橋本多佳子
修二会堂ひとかたまりの女人臭 山口誓子
秋近し七夕恋ふる小傾城 正岡子規 秋近し
秋風や傾城町の晝下り 正岡子規 秋風
秋満つ寺蝶の行方に黒衣美女 西東三鬼
終生まぶしきもの女人ぞと泉奏づ 中村草田男
襲着の佳人に冬の泉鳴る 佐藤鬼房
淑女たちおそ夏の服いや白き 日野草城
出湯にゆく女人に垂れて紅うつぎ 飯田龍太
出戻りの美人の散歩麦の秋 日野草城
春の夜のともし消ちたり小傾城 正岡子規 春の夜
春の夜や傾城町の電気燈 正岡子規 春の夜
春の夜や傾城買ひに小提灯 正岡子規 春の夜
春の夜や見知顔する小傾城 正岡子規 春の夜
春を倦む女人の房の花鳥圖絵 飯田蛇笏 旅ゆく諷詠
春駒や美人もすなる物貰ひ 内藤鳴雪
春宵の美酒とは美人注げばこそ 鷹羽狩行
春雪が止みかたわらに女人在り 橋閒石 卯
春蝉に女人の色の鏡掛 飯田龍太
春憂う美女群浴の交交(こもごも) 金子兜太
春蘭を女人に賜らる誕生日 森澄雄
春筍が二つ佳人は来ぬものか 星野麥丘人 2001年
初点の女人よはひの重からず 平畑静塔
初野菊仮想の女人みなあはれ 中村草田男
女子安産やや不平あり柏餅 阿波野青畝
女子泳者着替へて男子泳者見る 平畑静塔
女子事務員専検合格の報と病む 安住敦
女子走高跳覗くからたち垣 三橋敏雄
女子挺身隊員たりし諸姉秋の暮 三橋敏雄
女子夜学生闇へ振り出す靴の沙 中村草田男
女子療に風邪をはやらす壁鏡 鷹羽狩行
女人とも淡くなりけり新走 藤田湘子 てんてん
女人には先づ声に出づ花風露 斎藤玄 雁道
女人のあはれ男の嘆き春は徂く 福田蓼汀 秋風挽歌
女人の雨月の宮に詣づるも 山口青邨
女人の香亦めでたしや老の春 飯田蛇笏 家郷の霧
女人の山吹を挿す芭蕉像 山口青邨
女人の史儚く牡丹ひらきをり 鷲谷七菜子 黄炎
女人やや多き一座も蛇笏の忌 飯田龍太
女人より修二会にすこし近きのみ 山口誓子
女人ゐる側へ傾き涼み船 鷹羽狩行
女人をも入れ秋晴の坑めぐり 平畑静塔
女人一途黄沙白泉走せ渡りぬ 中村草田男
女人遠流の女人を詠めりさくら散る 大野林火 潺潺集 昭和四十三年
女人咳きわれ咳きつれてゆかりなし 下村槐太 天涯
女人寄りおのもおのもに衣の透ける 桂信子 女身
女人禁制やめるなと鵙の声 鷹羽狩行
女人詣で加太の野分に髪乱す 大野林火 雪華 昭和三十四年
女人見て腐酒とならざる寒造り 山口誓子
女人講いつもの西に葛咲けり 飯島晴子
女人講八ツ手花房かいくぐり 飯田龍太
女人講菩提の幣の春田かな 星野麥丘人
女人高野のぬばたまの木下闇 鷹羽狩行
女人三体火鉢と四体と云はんとしたり 中川一碧樓
女人持つマンダラ柄のハンカチで 岡井省二 鯨と犀
女人女体八つ手花咲く 中川一碧樓
女人笑い鯨は急ぐ春の海 金子兜太
女人堂までの草虱を払ふ 鷹羽狩行
女人堂までを教へて道をしヘ 鷹羽狩行
女人堂火のいろの氷のしづく落つ 飯田龍太
女人堂跡の小平蕚つぼむ 平畑静塔
女人堂灯点せといま雉子鳴く 飯田龍太
女人泌み出づる浴衣の藍地より 山口誓子
女人憂し旅粮食ふとき目に汗し 佐藤鬼房
女人浴泉百囀りの影すなり 松本たかし
女流へと 世は傾いて 梅の花 伊丹三樹彦
女流特集読まされてゐる残暑かな 亭午 星野麥丘人
女流俳人いま社会増 秋桜 伊丹三樹彦
宵半の夢裡の女人に貌は亡き 日野草城
小傾城蚊遣に顔をそむけゝり 正岡子規 蚊遣
小傾城蕣の君と申しけり 正岡子規 朝顔
菖蒲の芽女流俳人整列す 亭午 星野麥丘人
神無月女人四五人高千穂へ 飯田龍太
身受けせし傾城くやし衣かへ 正岡子規 更衣
針供養女人は祈ること多し 上野泰
刃のごとき涼気佳人とすれ違ひ 鷹羽狩行
水汲みの美女現れよ靫草 佐藤鬼房
水鳥やひとつ鋭き女流の句 百合山羽公 故園
水無月の傾城並ぶ格子かな 正岡子規 水無月
翠簾ごしの美人の顔や朧月 正岡子規 朧月
酔えば蝋化の美少女といて大石忌 楠本憲吉 孤客
青しぐれ山刀伐越えの女人たち 佐藤鬼房
青衣の女人局の闇に氷る女人 大野林火 飛花集 昭和四十六年
青衣の女人燈明凍てて動かざる 大野林火 飛花集 昭和四十六年
青栗のとげあるを持つ淑女にて 山口誓子
青梅や傾城老いて洗ひもの 正岡子規 青梅
青嶺あまたなれど女人に高野なし 角川源義
昔馴染の美女やまじれり初姿 村山古郷
石見にも知る女人あり人丸忌 森澄雄
石蕗の黄のほつと枯色起美女亡し 松村蒼石 雁
雪の降る宙ゴンドラに女子ひとり 山口誓子
雪解富士鑑に女人梳る 上田五千石『天路』補遺
雪解風女人地声で争える 橋閒石 卯
雪晴の開扉に女流つつしめる 上田五千石『琥珀』補遺
川ゆたか美女を落第せしめむか 平畑静塔
川岸に二番芽の*たら佳人亡し 佐藤鬼房
船旅の灯にマドンナと濃紫陽花 飯田蛇笏 春蘭
船旅の燈にマドンナと濃紫陽花 飯田蛇笏 山響集
素心臘梅女人になぞへ齢いくつ 森澄雄
早乙女のむかしを語れ小傾城 正岡子規 早乙女
巣鳥鳴き女人高野の鐘ひびく 水原秋櫻子 玄魚
霜の笹紅衣女人の過ぎにけり 草間時彦 中年
村の名は「貴婦人」 裏に羊放ち 伊丹三樹彦
大根咲く里に才女を尋ねけり 村上鬼城
大文字京の才女の宿で見る 村山古郷
大峰の女人結界蛇よぎる 松崎鉄之介
滝ほそく女人を打てるやさしさよ 後藤比奈夫
滝やさし垢離の女人を待てる音 後藤比奈夫
滝行の導師に女人二人蹤く 松崎鉄之介
誰が為に登山の女人梳る 山口誓子
探梅の行に女人をまじへたる 森澄雄
淡路忌の春灯せば女人の香 飯田蛇笏 椿花集
短夜の女人は目縁より弱る 下村槐太 天涯
短夜やわりなくなじむ小傾城 正岡子規 短夜
断ち難き女人を断てり修二会の桟 山口誓子
暖房に淑女はなはだ薄く衣たり 日野草城
竹落葉降る 降る 女人の箒を強い 伊丹三樹彦
茶の花の思うツボなる美人哉 永田耕衣
中山は女人の寺よ萩に磴 後藤比奈夫
昼顔に傾城眠きさかり哉 正岡子規 昼顔
虫干や傾城の文親の文 正岡子規 土用干
朝がほや梦の美人の消え處 正岡子規 朝顔
朝顔に傾城だちの鼾かな 正岡子規 朝顔
朝顔や傾城町のうら通り 正岡子規 朝顔
朝顔や夢裡の美人は消えて行く 正岡子規 朝顔
朝焼の山も女人も彫り深し 佐藤鬼房
朝顏に傾城眠きさかり哉 正岡子規 朝顔
朝顏の垣根荒れたり小傾城 正岡子規 朝顔
蝶生る女人高野の森の奥 有馬朗人 耳順
長きもの干す春寒の女子病舎 右城暮石 句集外 昭和三十七年
長き夜や古傾城のささめ言 正岡子規 夜長
鳥ぐもり馬具に女人の坐り沢 鷹羽狩行
鳥たちの初恋女人高野かな 能村登四郎
鳥雲に美人うごけばわれ動く 三橋敏雄
都踊り美女嬋娟を競ひけり 村山古郷
冬ぬくし獣肉をむさぼり啖ふ美人 日野草城
冬扇シテの美女出て国なまり 角川源義
冬谷の水の落差を女人踰ゆ 佐藤鬼房
冬鵙や水交社にて女人句座 岡本眸
塔中の実梅を女人袂にす 下村槐太 天涯
桃咲けば女人あはれや桃に昏れ 三橋鷹女
桃熟れてあまりに若き烈女像 林翔 和紙
湯のよろしさ女人の情にかも似たる 日野草城
豆飯や作務衣を被たる女人たち 阿波野青畝
踏青や美人群れたる水の隈 正岡子規 青き踏む
同人雑誌女流号出す露の秋 山口青邨
奈良の夜は女人の匂ひ花あしび 飴山實 花浴び
日のテラス雪嶺へ展べ佳人亡し 木村蕪城 寒泉
韮の花女人禁ぜし境に入る 山口誓子
年箭して小面は美女と思ふ 阿波野青畝
念々の氷れる夜の女人講 鷲谷七菜子 游影
梅雨たのし女人透明の雨具のなか 伊丹三樹彦
梅雨ふるや美女は採用せず帰す 村山古郷
梅白し佳人のひと世をろがみぬ 藤田湘子 てんてん
蝿生れて女人の机這ひにけり 飯島晴子
白手甲涼しく女人高野かな 飯島晴子
箸墓に眠る女人や梅雨の闇 桂信子 花影
櫨紅葉女人その後の旅いかに 飯田龍太
肌脱ぎの癩の女人を見まじとす 草間時彦 中年
髪に蜻蛉を載せし淑女のただようかな 金子兜太
悲報来て女人喪ふ薔薇のとき 森澄雄
微笑、美女、槍の貫きし箱を出でて立つ 荻原井泉水
美しき風邪の女人に隣せり 能村登四郎
美女の手に狩られて鮎の錆きはやか 上田五千石『琥珀』補遺
美女の深情のありて近松忌 鷹羽狩行
美女去りしその墓にわれも詣でけり 村山古郷
美女更に美女涅槃哭く顔ゆがめ 山口誓子
美女立テリ秋海棠ノ如キカナ 正岡子規 秋海棠
美女蹌踉の絵とあり白蓮の西安 金子兜太
美少女の双手にあまる山の栗 飯田龍太
美少女来て仕事納めの稿急かす 安住敦
美人の図無銘にして艶昼寝覚 山口青邨
美男美女に異常乾燥期の園 西東三鬼
鼻をするどく 刻んで 美女生むカメオ職人 伊丹三樹彦
氷りては山水止る女人堂 平畑静塔
布浅黄女人遍路の髪掩ふ 中村草田男
浮世絵の女人の顔を紙魚食ひし 森澄雄
風引きし初卯參りの美人哉 正岡子規 初卯詣
福藁にあふれて女流はなやぎ来 石田波郷
豊国の春駒の図の女人たち 後藤比奈夫
飽食の美人わらへり寒潮に 日野草城
忘れ寒潮女人には水鏡 鷹羽狩行
鉾粽京美人の前に落下せり 村山古郷
頬赤き女人高野の実梅かな 鷹羽狩行
摩崖碑や女人の遍路歩を休め 阿波野青畝
万緑へ女子の筋肉砲丸擲げ 山口誓子
岬たのし白く開いて女子泳ぐ 秋元不死男
夢にたつかの薩摩美女牡丹の芽 佐藤鬼房
夢に美人来れり曰く梅の精と 正岡子規 梅
名月や美人の顏の片あかり 正岡子規 名月
夜の雪辻堂に寐て美女を夢む 正岡子規 雪
夜叉神に女人の土工霜溶くる 飯田蛇笏 椿花集
野菊濃し女人禁制解きし径 稲畑汀子
幽閉の女子の城の白夜なる 有馬朗人 天為
夕曇る女人高野に光屈折 金子兜太
夕立に看板の美女抱き入るる 右城暮石 上下
夕立や簀戸に押されし小傾城 正岡子規 夕立
葉桜や傾城しらぬ夏の景 正岡子規 葉桜
踊子や除夜の淑女を眼に偸む 山口誓子
浴衣著て女人高野の塔と狎れぬ 後藤夜半 翠黛
羅の女人に見え廬遮那仏 伊丹三樹彦
蘭の香や佳人髣髴として來る 正岡子規 蘭
利久梅水仕にたちて女流ゐず 上田五千石『風景』補遺
利根流域美女群浴に出会う 金子兜太
梨花白し此頃美女を見る小家 正岡子規 梨の花
立ち乗りの女流ら 漁舟 牡蠣棚縫い 伊丹三樹彦
龍田姫ふしは女人の禁制そ 正岡子規 竜田姫
凌霄やからまる縁の小傾城 正岡子規 凌霄花
隣りしてガムの女人にうとまるる 伊丹三樹彦
隣席はこたびも女人 梅日和 伊丹三樹彦
冷やかに女人高野の路ひとつ 阿波野青畝
礼者女人群れてにはかの蝶花園 上田五千石『天路』補遺
烈女の手のつばなの柔さ鯉癸癸(はつはつ) 金子兜太
烈女讃歌の巣てしなき美辞貪りおり 金子兜太
蓮の題即ち飾る支那美人 山口青邨
露けしや鷹と名告りし女人ありき 山田みづえ まるめろ
老いて蟇女人に還りつつあらん 永田耕衣 人生
佛母たりとも女人は悲し灌佛会 橋本多佳子
夾竹桃かがまりゐしは女人かな 伊丹三樹彦
幟竿雨ふる女人高野かな 阿波野青畝
晝中の傾城寐たるこたつ哉 正岡子規 炬燵
朧夜の下駄はみだせる女人講 森澄雄
朧夜の浅蜊さざめく女人講 飯田龍太
炬燵出て尼が燈をやる女人堂 古舘曹人 砂の音
稻妻や闇に美人の笑ひ聲 正岡子規 稲妻
筍や目黒の美人ありやなし 正岡子規 筍
籠いつぱい野蒜を摘みて才女ならず 鈴木真砂女 夕螢
縷のごとく女人のこゑや蚊ふすべす 飯田蛇笏 春蘭
臀並べたる女流らよ金鳳華 石田波郷
芒散ることを女人の情もて詠む 下村槐太 天涯
蓼科を美人に譬へ避暑日記 阿波野青畝
蕣やきのふ死んだる小傾城 正岡子規 朝顔
薔薇一枝美人の胸にしぼみけり 正岡子規 薔薇
螢狂ふ女人高野の夜の雨 阿波野青畝
遽かの暑美人の汗に眼をとどむ 日野草城
錢湯を出づる美人や松の内 正岡子規 松の内
雉鳴くや磴の刻みも女人寺 上田五千石『琥珀』補遺
鶯や京へ売らるゝ小傾城 正岡子規 鶯
鶯や里へ売らるゝ小傾城 正岡子規 鶯

by 575fudemakase | 2018-12-23 10:54 | 無季


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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