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極楽 浄土

極楽 浄土
極楽

蜩や堂に地獄図極楽図 石田麦水
蜻蛉群るその中極楽とんぼもゐて 能村登四郎
嚏一つ極楽坊にこぼしけり 清水利子
曼陀羅の地獄極楽しぐれたり 細見綾子
老いらくを極楽坊の垣手入れ 上田五千石 天路
蓮咲いてその極楽のあまり風 庄司節子
蓮の葉に極楽水を裹み来ぬ 尾崎紅葉
蓮の台(うてな)に蛙極楽疑はず 高澤良一 暮津
冷し馬極楽づらをならべたり 三村哲田
落葉掻き極楽へ父着きたるや 宮坂静生 春の鹿
落鮎に極楽日和嘘なりけり 橋閒石
柚子風呂や極楽と妻口ぐせに 西形佐太郎 『てんご』
野遊の極楽晴の小半日 亭午 星野麥丘人
野蒜摘み極楽といふ寺めざす 山田春生
木の実ゆく極楽色の水の中 飯田龍太
閉めてあり極楽とある大襖 後藤比奈夫
文学に地獄極楽桜桃忌 山田弘子 こぶし坂
仏名や極楽もかく庭の雪 支考
風のなき日は極楽と牡蛎を割る 浜川 穂仙
板子一枚うへの極楽沖膾 百合山羽公 樂土以後
白萩や極楽さげて茂吉来る 角川源義
萩枯れて極楽坊の縁ぬくし 燕雀 星野麥丘人
日向ぼこ死後の極楽疑はず 田中政子
頭の中の地獄極楽牡丹雪 藤田湘子 てんてん
湯あがりの極楽浄土虫浄土 阿部みどり女
島の御池海女の極楽雲映す 加倉井秋を
渡仏して極楽浄土の雨に逢ふ 攝津幸彦 未刊句集
天の沙羅 地の沙羅 まさに極楽風 伊丹三樹彦
吊し柿貧しき寺の極楽図 渋谷光枝
朝寝して聞く極楽の鳥と思ふ 山口青邨
朝寝していま極楽にゐたりけり 片山鶏頭子
茶粥食べ極楽図見てしぐれたり(奈良、元興寺三句) 細見綾子
遅桜極楽水と申しけり 芥川龍之介
地獄極楽梅雨の廊下をゆききして 山口青邨
地獄極楽見て来し貌のなめくぢり 藤岡筑邨
地獄遠く極楽近し迎へ馬 後藤比奈夫
誰からとなく極楽ね盆花火 紺野佐智子
苔を敷き往生極楽院涼し 轡田 進
草紅葉暮るる地獄図極楽図 飯田龍太
先生が極楽といふ花の下 藤崎久を
青蚊帳に寝て極楽へ一つ飛び 小出秋光「一日仕切り」
青蚊帳に寝て極楽へひとっ跳び 小出秋光
生簀鮎地獄極楽うごめける 松村多美
水底の極楽冬に入りにけり 清水基吉
焦熱のうらや極楽夕すゞみ 桃先
春雪や極楽にまた泣く母か 今瀬剛一
春の雲夕べ極楽いろさしぬ 柴田白葉女 『朝の木』
春といぶ極楽はあり寒念仏 馬場存義
紫薇花下に極楽おもへとや 高澤良一 随笑
仔燕に往生極楽院の天 山田みづえ
山の日の極楽いろに鴉の子 柴田白葉女 『月の笛』
根は切れて極楽にあり枯尾ばな枯尾花 千代尼
根は切て極楽にあり枯尾ばな 千代尼
荒れ寺の名は極楽よ蛇住めり 宮津昭彦
月下美人は極楽の花盆の月 山口青邨
君地獄へわれ極楽へ青あらし 高山れおな
九十五齢とは後生極楽春の風 富安風生
極楽坊より書信着き凌宵花盛り 長谷川かな女 花寂び
極楽坊にて住職の毛糸帽 藤田あけ烏 赤松
極楽中心中山寺月冴えし 中島陽華
極楽をわらふ生徒ら花あしび 鍵和田[ゆう]子 未来図
極楽をでてきてしまう蟇 松澤昭 面白
極楽をきのふの鰒の夢とはん 一笑(金沢)
極楽や湯屋の窓から涼風が 高澤良一 暮津
極楽や清水の中に蓮の花 正岡子規
極楽や人の願ひの花のかげ 望月宋屋
極楽や君が行く頃梅の花 正岡子規 梅
極楽も陸続きなる麦埃 桑原三郎 春亂
極楽も地獄も盆は月夜哉 許六
極楽もかくやと思ふ小春かな 杉村凡栽
極楽へ蓮の実飛んでしまひけり 雨滴集 星野麥丘人
極楽へ迷ひこんたり蓮華草 れんげ 正岡子規
極楽へ風船逃れゆきにけり 正圓青灯
極楽へ肘膝ついて笑いにゆく 四ッ谷 龍
極楽へゆきし誰彼牡丹雪 村越化石
極楽は先精進ぞ梅の花 支考
極楽は赤い蓮に女かな 正岡子規 蓮の花
極楽は西に月夜や帆かけぶね 支考
極楽は近きがごとし施餓鬼寺(故郷の丹波青垣町にて七句) 細見綾子
極楽は何もしらねと花御堂 花御堂 正岡子規
極楽は衣も更へず仏だち 更衣 正岡子規
極楽はむらさきはなな咲く方に 燕雀 星野麥丘人
極楽はこの世にありて日向ぼこ 森 輪花
極楽はかゞやくものぞ菊紅葉 支考
極楽はいつも月夜に十夜かな 浪化
極楽の蓮華や唄ふ蛙かな 野村喜舟 小石川
極楽の門のちまたに喜雨あがる 角川源義
極楽の夢見て覚むる夜長かな 折井愚哉
極楽の便聞日は十夜かな 嵐青
極楽の文学なりし蝶を見る 京極杞陽
極楽の文学と別河童の忌 阿波野青畝
極楽の風涅槃図に吹いてをり 小林一鳥
極楽の風一本のあふぎ哉 土芳
極楽の入り□で覚め春炬燵 香川せき
極楽の道へ迷ふや蓮華草 れんげ 正岡子規
極楽の道へふみ込むこたつかな 蓼太 蓼太句集初編
極楽の島つ岩根の初日の出 坪内逍遥 歌・俳集
極楽の青水無月の海牛(あめふらし) 岡井省二 鯨と犀
極楽の指図や蓮の植所 支考
極楽の札場込合ふ踊かな 越人
極楽の口切にさけ花の主 句空
極楽の口には合はじ魂祭 班象 発句類聚
極楽の御判つめたくやごとなく 西本一都 景色
極楽の近道こゝか曼珠沙華 大谷句佛
極楽の近道いくつ寒念佛 蕪村 冬之部 ■ 感偶
極楽の花茣蓙のべし我鬼忌かな 百合山羽公 樂土以後
極楽の雨やにんにく花ざかり 宮坂静生 樹下
極楽のちか道いくつ寒念仏 蕪村
極楽のすこしづつ減るアイスキャンディ 松山足羽
極楽に行く人送る花野かな 永井荷風
極楽にすつと行けりとろゝ汁 桃先
極楽と母の眼あけし火鉢かな 河野静雲 閻魔
極楽と地獄の話施餓鬼寺(故郷の丹波青垣町にて七句) 細見綾子
極楽とおもふまで雪ふるを見る 中杉隆世
極楽とあたまくだしに清水かな 寂芝
極楽か地獄か冬の昼を寝て 鈴木鷹夫 春の門
極楽が見ゆと蝙蝠乱舞せり 鈴木蒼穹
虚子の忌の極楽行の人ばかり 坊城俊樹
蟻のためにも極楽の欲しかりし 後藤比奈夫
汗も身のうち極楽のあまり風 鷹羽狩行
寒茜極楽いろに鴨千羽 柴田白葉女
蒲団敷く地獄極楽絵図のまヘ 辻 桃子
柿落葉大和に地獄極楽図 石田勝彦 雙杵
餓鬼達や極楽覗く盆の鯖 桃後
遠くゐて極楽とんぼ曼珠沙華 松崎鉄之介
遠からぬこの極楽やほとゝぎす 支考
猿酒や部屋に地獄図極楽図 甲斐遊糸
噂では知ってます極楽の蓮華 池田澄子 たましいの話
ぽんぽんだりあ極楽なんぞ信じない 塚越美子
どやどやの極楽門に冬夕焼 田中英子
ぢぢさまは日向極楽紙干して 平畑静塔
しやぼん玉極楽の色きはまれり 芹山 桂
さて極楽は道一つ幅は一尺 野田誠
からだぢゅう竹の花咲く極楽や 豊口陽子
*かりんの実地獄極楽見えてをり 岸田稚魚 紅葉山

極楽寺

棕櫚の花極楽寺坂本降りに 藤田弥生
囀るや裏手より入る極楽寺 小林鱒一
路地一つ替へて花咲く極楽寺 古賀まり子
路地一つ替えて花咲く極楽寺 古賀まり子
忘れ雪ならめ極楽寺坂まで 雨滴集 星野麥丘人
菩提樹の花盛りなる極楽寺 田村恵子
風薫る極楽寺坂海に尽く 新福ふく
百日紅盛りなりいざ極楽寺 高澤良一 燕音
冬椿極楽寺坂徒行けば 石塚友二 磯風
大花火極楽寺坂の真ん上に 横井博行
深閑と南無極楽寺郁子の花 山村政子
月の下極楽寺坂下り海へ 大場白水郎 散木集
極楽寺裏に魚干す竹の春 広瀬千鶴
極楽寺百日紅の夢見時 高澤良一 さざなみやつこ
極楽寺行きの発車や涼あらた 芹山 桂
牛かりて卯の花みばや極楽寺 鈴木道彦
竿竹売り極楽寺坂松過ぎて 下山田美江
海見通し極楽寺坂鵯鳴けり 松崎鉄之介
黄落やひとの木戸ある極楽寺 桂樟蹊子
まんさくや極楽寺坂なだらかに 吉田未灰
すゞしさや垣のとなりは極楽寺 松岡青蘿

浄土

鼬去る銀木犀の白浄土 村上冬燕
駱駝歩む先は浄土か朧月 松本旭
芍薬やおくに蔵ある浄土寺 大江丸
穢土浄土分かつ朱の橋柳絮とぶ 里川水章
穢土浄土風の撓みに松納む 角川源義
穢土浄土煩悩つくして菊の枯れ 岡部久美子
穢土浄土月の砂漠の賭博都市 保田白帆子
穢土浄土火を吹きほてる冬至顔 角川源義
穢土浄土もとよりあらず秋日和 小西愛之助
穢土浄土いづれも土や寒鴉 秦夕美
穢土か浄土か海峡の崖凍り 佐藤鬼房
涅槃西風銀座の路地はわが浄土 鈴木真砂女 紫木蓮
慟哭のあとのかなかな浄土かな 古賀まり子
曼珠沙華浄土の雲に紅移す 平畑静塔
和讃浄土湖の月の出遅きかな 伊藤京子
六甲の闇の被さる虫浄土 山田弘子
蓮咲いて億万浄土見るごとし 明石浩嗣
練供養稚児も浄土へ渡りゆく 出口巡一路
練供養今日を限りの浄土なり 浜端順子
練供養犬は浄土へ駆けて行く 石井ぎ一
鈴虫や浄土に案内の鈴を振れ 阿部みどり女
落鮒の深処金色浄土かな 松村蒼石
落椿浄土と眺め終んぬる 後藤夜半 底紅
裸寺の雪浄土なる実万両 竹亭
夕映えてうつせみに踏む寒浄土 相馬遷子 山国
野牡丹の散りし紫浄土かな 勝又一透
目つむれば日永浄土よ僧とゐて 寒食 星野麥丘人
木葉木菟しきり浄土の夢ひらく 野沢岩雄
霧吹かれ火口湖すでに浄土変 角川源義
霧浄土てふも岳人泣かせかな 平田青雲
霧はれし尾根がみちびく浄土山 能村登四郎
無明橋あたり涼風浄土かな 久保田珠生
埋墓に燈籠三日火の浄土 大野林火 方円集 昭和五十年
凡人浄土丸太も雪にうもれたる 成田千空
墨染の蝶に睡蓮浄土かな 後藤比奈夫
菩提子のこぼれて九品浄土かな 田宮房子
壁画古り浄土曼荼羅霧のごと 野見山朱鳥 天馬
壁画古り浄土曼陀羅霧のごと 野見山朱鳥
兵散つてたうもろこしの花浄土 金箱戈止夫
文机の月光浄土なりしかな 小澤克己
蕗の薹萌えて浄土と思ひけり 秋澤猛
風花や浄瑠璃浄土うすみどり 大屋達治
撫子の花野浄土となりにけり 沢木欣一
不作の田刈つてしまへば露浄土 成田千空
浜おもと補陀洛浄土この沖に 酒井 京
膝つきて草浄土なり仏生会 白井米子 『青浄土』
飯貝や花をたのみの浄土寺 角川春樹 夢殿
白蓮や浄土にものを探す風 中村草田男
白木蓮咲けば陋巷一浄土 園本穹子
白々と浄土ケ浜の年明ける 磯野充伯
白萩の浄土すなはち恋地獄 手塚美佐 昔の香
白浄土天つ日あつめ乗鞍は 大野林火 潺潺集 昭和四十一年
白杖の右も左も青浄土 村越化石
白鷺を雪客と言ふ雪浄土 福田蓼汀 秋風挽歌
白鷺の掲諦浄土青嵐 文挟夫佐恵 黄 瀬
白はちすひらくひととき浄土めく 柴田白葉女 花寂び 以後
白つつじ暮れて浄土のこゑとなる 飯田龍太
梅雨霧らひ青浄土めくみちのくは 松崎鉄之介
梅を干し癩の浄土と云はれ住む 村越化石
波郷忌の深大寺道穢土浄土 下村ひろし 西陲集
日照雨して九品浄土の牡丹の芽 松村日出子
二輪草暗緑浄土広がれり 高澤良一 随笑
栃大樹黄葉浄土を現じけり 林翔
童うた聞きつつ昼寝浄土かな 長道 澄江
堂ぬちの真闇も浄土空海忌 村上梅泉
頭巾著て浄土の近き思ひあり 正岡子規 頭巾
藤棚の下の浄土のこみ合へり 横山白虹
湯あがりの極楽浄土虫浄土 阿部みどり女
冬麗の石蓴浄土を踏みゆけり 高澤良一 随笑
冬波群れ来て浄土の島を責むばかり 角川源義
冬瓜や補陀落浄土ここにあり 角川春樹 夢殿
怒りなどいきどほりなどいたみなどあらぬ浄土へかへり給ひぬ 堀口大学
渡仏して極楽浄土の雨に逢ふ 攝津幸彦 未刊句集
田を植ゑて浄土夢みる風吹けり 福田甲子雄
伝教忌百禽浄土雨ふりぬ 那須乙郎
伝教会浄土院への雨の道 山際かほり
庭隅の苔の浄土に花つむじ 阿部みどり女
爪先の凍れる九品浄土かな 川崎展宏
長谷寺の谷間は麒麟草浄土 山口誓子
蝶生れ草三寸の青浄土 白井米子
朝露に浄土参りのけいこ哉 一茶 ■文化十年癸酉(五十一歳)
朝霧浄土夕霧浄土葛咲ける 水原秋櫻子 晩華
虫浄土ふたりの吾子はねまりけり 能美丹詠
中世の欣求浄土の跡の秋 稲岡長
地獄よりのがれし蟻に草浄土 白岩 三郎
地にひとり跼み夕焼浄土かな 村越化石
端居して浄土の母を疑はず 大橋桜坡子
誰も来ぬ紫陽花浄土雨けぶる 古賀まり子 緑の野以後
大根煮る婆のたのしみ死後浄土 かけい
大寒の火焔浄土に壺生まる 古市絵未
苔浄土 万両十顆に 露十顆 伊丹三樹彦
他の草まじへてをらぬ著我浄土 阿波野青畝
足なへのころびし浄土涅槃雪 井沢正江
息白く生くる限りは浄土なし 鈴木真砂女
霜凪の浄土が浜に目覚めけり 佐藤鬼房
霜柱きしる法華の浄土かな 阿波野青畝
霜の月華厳浄土を照らすなり 水原秋櫻子 旅愁
総身の匂ふばかりに藤浄土 中村祐子
層雲に浄土はありや冴返る 熊田幸子
先生の葬終へし夜の虫浄土 毛塚静枝
蝉遠く切支丹浄土涼しけれ 小林康治 『玄霜』
雪中にして寒牡丹浄土あり 安住敦
雪女郎はだけて黒き雪浄土 攝津幸彦 未刊句集
切つ先きの露の涼しき草浄土 邊見京子
石蕗浄土金ンのくしゃみをしたりけり 高澤良一 鳩信
青邨も正一郎も花浄土 深見けん二
青き踏むひとりひとりの浄土なり 村越化石
西方は浄土か輝く夏の海 桂信子「草影」以後
西方の浄土は銀河落るところ
西方に浄土の富士や秋の暮 渡辺水巴 白日
西日浄土干梅に塩結晶す 橋本多佳子
精霊舟浄土に向ひ湾に沈む 山口誓子
精霊舟手離さばすぐ浄土の舟 加倉井秋を
生きに耐え月光ひらひら舞ふ浄土 谷口波津女
雀ふえ夕焼浄土から風呂に 大野林火 雪華 昭和三十六年
睡蓮の花閉づ月光浄土かな 柴田白葉女
水中に夕焼浄土蓮の花 川村紫陽
人に生浄土のえごに花粉季 加倉井秋を
身をそぎし苦も果てなむと霜浄土 橋本榮治 麦生
振り返る浄土門より日の紅葉 甘田正翠
寝正月西方浄土へ足向けて 小出秋光
信州の浄土の白さ蕎麦の花 鷹羽狩行
燭浄土露の身のまた露の刻 八牧美喜子
燭を寄せて浄土の春ぞつまびらか 日野草城
浄土曼荼羅見足りて夜の髪洗ふ つじ加代子
浄土変西日の棚の青葡萄 角川源義
浄土浜善知鳥屯しゐて涼し 山口沙都
浄土図に筍供へ当麻人 肥田埜勝美
浄土巡る思ひどこかに蓮見人 林昌華
浄土宗総本山の木下闇 木内彰志
浄土宗光明寺前苗代田 森澄雄
浄土寺や残花に海の展けたる 田阪笑子
浄土寺へ往来の野面麦黄ばむ 滝井孝作 浮寝鳥
浄土寺へまつすぐに来る青田風 川崎光一郎
浄土寺の夜寒の襖太柱 黒田杏子
浄土寺の日暮を深め合歓の花 秋山晃子
浄土見て来たるごとくに盆の僧 古賀幹人
浄土をば偲ぶべしとや曼珠沙華 相生垣瓜人 負暄
浄土までつづく秋晴とぞ思ふ 山田弘子 螢川
浄土への橋は木の橋練供養 古杉長子
浄土にも穢土にも釘が錆びている 稲葉直
浄土にも白南風吹くか茅舎の忌 山口耕堂
浄土にも秋茄子くらい在つて欲し 橋間石
浄土にもすゝきかるかやをみなへし 川崎展宏 冬
浄土にて復た逢ふまでの夜長かな 大谷句佛 我は我
浄土なる薔薇のあるじとなりたまふ 水原秋櫻子 蘆雁
浄土とは春月ほどの明るさか 井上哲王
浄土とはかくも混み合ふ彼岸寺 山田 弘子
浄土とてこんなものかも日向ぼこ 有吉桜雲
浄土これ畳のヘりにとろゝ汁 攝津幸彦
浄土ケ浜蟹の称ふるお念仏 高澤良一 随笑
杖ついて蓮の浄土をさ迷へり 野崎たか志
常寂光浄土に落葉敷きつめて
松風の青浄土かな海芋咲く 角川源義
松虫のこゑのつまづく虫浄土 前山巨花
初法話心に浄土生まれけり 林 しづ
初冬の浄土びかりす熊野灘 福田甲子雄
春昼や鳥が口あけ浄土変 古舘曹人 樹下石上
宿とれば先浄土なり盆の月 桜井梅室
十薬の花のたひらは浄土まで 鷹羽狩行
秋天の果を浄土と疑はず 滝川名末
秋草の御浄土なり甘露慈雨 長谷川かな女 雨 月
修二会いま飛雪浄土へ火を降らす 細見しゆこう
湿地いま浄土となりて座禅草 中田亮
七夕竹浄土の父母に何告げむ 堀口星眠 営巣期
七浦のみな浄土なる十夜かな 河野静雲 閻魔
子も毬もはづめる露の浄土かな 飴山實 次の花
子も毬もはずめる露の浄土かな 飴山實
残雪の浄土くづれや海の藍 角川源義
山茱萸は禅門貝母浄土門 後藤比奈夫
山門を入るより浄土冬たんぽぽ 石崎素秋
笹鳴や浄土追はれし磨崖仏 加藤秋邨
鮭簗にせかるる浄土あるごとし 行方克己 昆虫記
沙羅浄土穢土を忘れてをりにけり 倉橋弘躬
沙羅散りて浄土かき暮れゆきにけり 阿波野青畝
沙羅一花浄土に白を還しけり 三浦正弘
沙羅の散る音は浄土に還る音 宮崎稔子
沙羅の花散りて苔庭浄土かな 山本登茂子
今死ねば浄土に花の散り敷かむ 桂信子「草影」以後
此上の浄土や緋に絹ちゞみ 吾仲
獄土浄土けぢめなきまま椿落つ 阿波野青畝
高野山桜浄土となりゐたり 山田春生
行春やほのぼののこる浄土の図 水原秋櫻子 葛飾
行春やほの~のこる浄土の図 秋櫻子 (法隆寺玉虫厨子)
紅白の枝差し交す梅浄土 野間口一夫
紅梅に浄土の図絵の貧しさよ 橋間石
鯉の口より一片の花浄土 坊城俊樹
御影供や花の浄土に吾も座し 内海弘喜
吾子よ積め浄土霧界の弟の塔 能村登四郎
午過ぎの蓮華ひらきし浄土かな 筑紫磐井 野干
枯蓮や浄土本山の大き門 村山古郷
枯芝に九品浄土のみぢんたつ 川端茅舎
枯れてゆく底が浄土と言ふものか 平井照敏 天上大風
故郷の虫の浄土に枕並べ 成宮紫水
古壁に菜の花咲くや浄土寺 菜の花 正岡子規
現じたる夕焼浄土乱雲に 相馬遷子 雪嶺
幻の西施や雨の蓮浄土 山下佳子
見えて来よ浄土白露の道一本 林原耒井 蜩
犬ふぐりの浄土より足はみ出せり 川崎展宏
月天心平林禅寺虫浄土 宇都木水晶花
月代にかはる浄土のひかり哉 土芳
月出でて枯かまきりの浄土かな 中野柿園
月山の裾桜桃の花浄土 阿部月山子
経巻の金描浄土ほととぎす 水原秋櫻子 蓬壺
桂子忌や白蓮浄土まのあたり 渡辺笑鬼郎
恵林寺や花筏浮く浄土池 近藤良一
群がりて蝶の浄土や韭の花 大山 百花
栗の花いまだ浄土の方知らず 角川源義
空々と男抱き込む珈琲浄土 攝津幸彦 鹿々集
虚子忌はや落花の浄土なまぐさし 飯田龍太
朽舟を浄土と籠り鉦叩 松原安治
菊焚いて西方浄土漠とあり 中山純子
亀鳴くや穢土も浄土もひとつ闇 児玉 南草
鬼舞の済みて蜩浄土かな 木内彰志
寒蘚や音の中なる滝浄土 古舘曹人 樹下石上
寒夕焼浄土のいろとなりゆけり 柴田白葉女 『朝の木』
寒雀浄土鱒吉浄土かな 飯島晴子
寒牡丹蘂の黄金浄土見ゆ 能村登四郎
鴨群れて浄土の如き放生池 鈴鹿野風呂 浜木綿
蒲公英の黄金浄土日は真上 林翔
華鬘草是や浄土の春の花 重
花辛夷白の浄土を崖下に 松崎鉄之介
花散るや身ぬちに小さき穢土浄土 つじ加代子
花散るや身ぬちにちいさき穢土浄土 つじ加代子
花菜径母の浄土といふところ 本間満子
花あやめ浄土うつせし園池かな 角川源義
火の山にして霜柱浄土あり 大橋敦子 手 鞠
河骨や池をはさみて穢土浄土 加古宗也「八ッ面山」
家の事みんな忘れて花浄土 南出白妙女
夏風邪や昼を居眠る一浄土 河野南畦 湖の森
牡丹浄土舞ふ蝶のみを許しけり 水原秋櫻子 蘆雁
牡丹咲く浄土の寺に絵踏かな 牡丹 正岡子規
往き往きて浄土平は霧浄土 石崎素秋
駅柵は 散華浄土のためにこそ 伊丹三樹彦
雲表に日の躍り出て露浄土 小林碧郎
雲の峰浄土ケ浜の深蒼み 半崎墨縄子
姥捨の梅雨の奥なる歯朶浄土 櫛原希伊子
雨蛙とびかふ羅漢浄土かな 飴山實
芋銭居の落梅浄土とぞ思ふ 藤田湘子 神楽
一灯に母子の浄土白障子 毛塚静枝
一蝶を放ちて蓮華浄土かな 富安風生
一燭のおぼろに浄土変相図 宮下翠舟
一休み浄土に花を鋤きこんで 川崎展宏 冬
闇浄土万の虫の音鏤めぬ 村越化石
闇浄土即ち螢浄土かな 穐好樹莵男
暗き眼に落葉明りの浄土変 安住敦
粟の花いまだ浄土の方知らず 角川源義
わが先へ雀の羽音雪浄土 村越化石
ゆふぞらも湖も浄土や蓮如の忌 杉山郁夫
めつむれば炎の見ゆる滝浄土 角川春樹 夢殿
バルナバ墓地浄土明りに返り花 影島智子
ばせを葉や在家の中の浄土寺 露川
テレビ・ラヂオ消せば秋蝉浄土かな 林翔
ちち亡きあと茶の花の咲き浄土めく 中山純子
ちちろ虫「月光菩薩さまは瑠璃浄土」 辻桃子
タ茜浄土と仰ぐ暇もなし 横光利一
その兄を見よや春寒浄土の図 加藤秋邨
せせり蝶二つの浄土せせり飛ぶ 右城暮石 句集外 昭和六十二年
しんしんと星座歩める虫浄土 山田弘子
してみたくなきもの浄土絵双六 後藤比奈夫
さりげなく浄土のことも炉辺話 赤谷ちか子
さまざまに鳴きて月夜の虫浄土 野島無量子
こは穢土か 浄土か 雨後の沙羅落花 伊丹三樹彦
キャンプ更け雲にとどろく浄土川 望月たかし
きみが髪わが髪ほどき浄土とや 大西泰世
かなかなのかなかな誘ふ谷浄土 阿部ひろし
お水取火屑浄土にわが浮ぶ 青木綾子
お浄土がそこにあかさたなすび咲く 橋石 和栲
うつし世に浄土の椿咲くすがた 水原秋桜子
あめんぼのあそべる蓮華浄土かな 鈴木貞雄
あふむくもうつむくも梅の浄土かな 吾仲
あはあはと浄土のみどり花水木 林翔



以上

by 575fudemakase | 2019-01-17 11:19 | 無季


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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