磧 の俳句
磧 の俳句
磧
「罪なく此処に斬らる」と磧へ虎落笛 平井さち子 完流
あしたより盆の磧の砂利すくふ 石橋秀野
こつつんと全山紅葉磧 松澤昭 宅居
この世からいつかはみ出し夏磧 寺井谷子
ししやも焼く匂ひの誘ふ磧風 茶木ひろし
せきれいや庭にひろごる球磨磧 有働木母寺
そちこちにせせらぎひかる雪磧 長谷川櫂 古志
ただ磧大正池の出水禍 阿波野青畝
ダム涸れて磧のごとし山ぼくち 森澄雄
ためし踏みして三月の磧かな 諸角せつ子
つばめ去る空も磧も展けつつ 友岡子郷
なんとなく投げて五月の磧石 鷹羽狩行
ばつた飛ぶ乾ききつたる磧草 柏木志浪
ふくら鴨 磧の石は固きまま 伊丹三樹彦
ふるさとの磧若草踏みにけり 臼田亜浪
ほかに無き広場磧の出初式 右城暮石 一芸
みせばやや放置とみえて磧畑 上田五千石 天路
みなづきの磧に焚けり艾ぐさ 飴山實 句集外
むらぎものおもひのかげる灼磧 佐藤鬼房
やんま高きまひるの磧照られゆく 金尾梅の門 古志の歌
ゆつくりと春の磧に踏み入りぬ 岸田稚魚 紅葉山
よべの凍ミ月にのこれり白磧 中戸川朝人
芦原に牛沈み居る磧かな 高浜年尾
鮎たべてかなしからねど磧 神尾久美子 桐の木
鮎を焼く火のちら~と磧かな 小山白楢
鮎掛けのうしろの磧灼けまさり 松本たかし
鮎焦げて磧一国なせりけり 吉田紫乃
鮎落ちて伊昔紅忌の白磧 馬場移公子
鮎落ちて干す物殖ゆる磧かな 田守としを
暗い磧をほのかに御祓すと遠見る 梅林句屑 喜谷六花
一筋の水をはさみて冬磧 高浜虚子
一石を一座の磧きりぎりす 上田五千石『森林』補遺
一度磧におりる仮橋日の出遅し 橋閒石 無刻
稲架にある日の磧には無かりけり 久米正雄 返り花
雨降れば濡れ伏流の涸れ磧 佐藤鬼房
鵜翔けるや磧の空を出づるなし 原田種茅
雲漢の初夜すぎにけり磧 蛇笏
泳ぎ着く子に磧合歓低枝なる 大野林火 飛花集 昭和四十五年
駅家去る車塵 磧に美女残し 伊丹三樹彦
炎昼のひかりの果ての磧 廣瀬直人 帰路
炎天の酒徒が見送る磧越ゆ 木村蕪城
炎天や水に磧に橋の影 野村喜舟 小石川
煙無き焚火の焔紀の磧 右城暮石 句集外 昭和四十年
遠方の若葉静かや磧行く 阿部みどり女
鴬や山中青き涸磧 大野林火 雪華 昭和四十年
黄瀬川といふ水涸れの磧かな 小杉余子 余子句選
屋根の上にちよつと出てみる夏磧 長谷川櫂 古志
温泉の町の磧に尽くる夜寒かな 道芝 久保田万太郎
温泉の町の磧に盡くる夜寒かな 久保田万太郎 草の丈
下りゆきて昼は素面の鵜の磧 鷹羽狩行
下り簗白々月の磧かな 松根東洋城
下駄流れ堤焼かるる毛馬磧 加藤秋邨
夏茜何か事ある磧 廣瀬直人 帰路
夏雲のだんだらの斑や磧うごく 川島彷徨子 榛の木
花すみれ光る迅風の山磧 石原八束 空の渚
花火師か真昼の磧歩きをり 矢島渚男
花合歓や昨日より遠く白磧 上田五千石『森林』補遺
花傘を皆打仰ぐ磧かな 比叡 野村泊月
賀茂祭すみし磧に居ちらばり 岡田抜山
改修の土嚢散らばる冬磧 右城暮石 天水
街道や磧つゞきに春深く 道芝 久保田万太郎
覚えあり待宵草の大磧 佐藤鬼房
葛もみぢ磧も水にいたみたる 飴山實
寒残月闘竜灘の石磧 阿波野青畝
寒雀翔ち遅れしは磧(いし)となる 山老成子
寒潮に磧石つみ垣とせり 柴田白葉女 『夕浪』
眼白鳴く磧つづきの家の中 飯田龍太
紀の川の磧にひびき網代打つ 中筋味左夫
起きぬけを出て磧湯に初湯かな 高濱年尾
旧盆の水なき磧わたりけり 橋閒石
鏡びらき昼の磧にひるの闇 宮坂静生 山開
苦桃のごときが叫ぶ灼け磧 佐藤鬼房
熊野犬何に吠えたつ冬磧 右城暮石 句集外 昭和四十七年
鶏頭や温泉煙這へる磧 川端茅舎
迎へ火も送り火も磧かな 岡井省二 鯛の鯛
月出づとかなしき影の磧草 米沢吾亦紅 童顔
月明の電線磧までは見ゆ 大野林火 青水輪 昭和二十四年
懸巣鳴き硫黄の染みし磧石 大橋敦子
元朝のまだ暗きより磧温泉へ 松尾緑富
枯萱に磧のだだっぴろき空 高澤良一 寒暑
枯桑のきれいな影の磧径 藤田あけ烏 赤松
午過ぎの磧に干せる鵜縄かな 飯田蛇笏
紅葉冷磧あそびもすこしして 神尾久美子
耕牛に多摩の磧べ桐さけり 飯田蛇笏 春蘭
耕牛に多摩の磧べ桐咲けり 飯田蛇笏 心像
荒れた磧 シヤツと雑草 栗林一石路
荒れ磧も露寒う檻伐の里 シヤツと雑草 栗林一石路
荒磧ひとり経詠む秋の暮 福田蓼汀 秋風挽歌
鉱毒の磧うぐひす啼きやまず 鷹羽狩行
魂送る足跡を曳く磧かな 松村蒼石 寒鶯抄
左義長のけむり磧にながれけり 岡井省二 夏炉
犀磧旱雀が嘴磨げる 西本一都 景色
錆鮎の焼けるを待ちて磧に居 梶尾黙魚
晒布人磧に這へる南風かな 楠目橙黄子 橙圃
山と山押し迫りたる冬磧 右城暮石 声と声
山蝉に磧はいまだ灼けざれど 大野林火 海門 昭和十二年
山伏(やんぶし)を見ず最上川灼け磧 佐藤鬼房
山崩れせし磧にてキャンプ張る 右城暮石 上下
山磧知りつくしたる夏の風 岡井省二 夏炉
子が泣くや満月過ぎの白磧 宮坂静生 山開
子と昼寝磧に洗濯物を干し 関森勝夫
死後の名を彫るまひるまの磧礫(いしころ)に 佐藤鬼房
雌河鹿居りし磧の溜り水 右城暮石 一芸
灼磧足の重くて輪廻見ゆ 佐藤鬼房
秋すだれ捨てし磧にほどけゆく 吉田汀史
秋暑し脚に縺るゝ磧蠅 石塚友二 光塵
秋晴れの水すこし行く磧 飯田龍太
秋川の雨空辷る磧なり 内田百間
秋昼寝よき磧石拾ひ来て 波多野爽波
秋日傘なにとて磧さすらふや 上田五千石『琥珀』補遺
秋風や遺品とて磧石ひとつ 福田蓼汀
秋風や骨の白さの磧石 片山由美子 水精
舟捨てし広き磧の秋の風 高濱年尾 年尾句集
十月はまつすぐに来ぬ磧草 奥坂まや
十津川の磧かがやく秋日和 川澄祐勝
銃こだま磧鶺鴒みな飛びぬ 高野素十
出水引き馬焼く煙磧より 亀井糸游
春めきし雨に瀬ばしる磧 飯田蛇笏
初夏や水の乗り来る磧にて 尾崎迷堂 孤輪
初空を映す磧や細り水 原石鼎
初夢や漬物石を磧より 中田剛 珠樹以後
宵鵜飼果てし磧に雨そぼつ 内藤吐天
小屋を組む磧八十八夜かな 猪俣千代子 秘 色
小判草磧へ径の消えてなし 上村占魚
障子洗ふ人居りたれば磧まで 銀漢 吉岡禅寺洞
乗鞍の秋磧より林道より 高澤良一 素抱
色鳥のあとかたもなし白磧 鷲谷七菜子 天鼓
色鳥の群れゐしあとの白磧 鷲谷七菜子 游影
色鳥の散りて磧の砂の月 内田百間
森閑とものの芽うごく谷磧 佐藤鬼房
人も我もたのまず暮春の磧(いしがはら) 森澄雄
吹雪く声石咽ぶ声荒れ磧 林翔 和紙
水始めて涸るる磧に鴉ゐて 池田秀水
水涸れし磧のはてに山眠る 田中冬二 麦ほこり
水涸れて汚き磧歩きけり 高屋窓秋
瀬と淵とならびて磧涼しさよ 川端茅舎
青き歎き磧に生ひし麦一本 中村草田男
青淵の磧に一人キャンプせり 右城暮石
石になりきつて磧の青蜥蜴 吉田千代
石は屍木は骨と立ち梅雨磧 福田蓼汀 秋風挽歌
石盗むくるまを入れて秋磧 和知喜八 同齢
石負ひに磧一筋道の枯れ 大野林火 白幡南町 昭和三十二年
石磧にも飛びゐたり道をしへ 右城暮石 句集外 昭和四十九年
赤潮や旅鞄置く石磧 上野 泰
雪しろの飛沫とび来る磧風呂 上村占魚
雪すぐにやんでおほきく磧かな 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
雪痩せて磧石出る杭が出る 右城暮石 虻峠
千曲川磧の先の桑も枯る 森澄雄
千曲川磧もとより秋の暮 草間時彦 櫻山
千曲川磧日焼の杏干 森 澄雄
川蟹のしろきむくろや秋磧 芝不器男
川狩や龕燈の火に磧草 松根東洋城
川風に鼻昂然と冬磧 高澤良一 石鏡
川涸るるとも磧湯はあふれけり 岩崎美葉子
川涸れぬ磧の中の渡り板 高濱年尾 年尾句集
船の荷を卸す家なき冬磧 山口誓子
船宿の厠粗末や夏磧 楠目橙黄子 橙圃
草の葉の氷をはらふ磧かな 中田剛 珠樹
蒼さびて殺生磧雪置かず 上田五千石 森林
足とられ易き磧や螢狩 高浜年尾
足跡は消されぬものか冬磧 津田清子
孫太郎虫の磧や秋深む 佐藤鬼房
太き日矢立ち啓蟄の荒磧 鷲谷七菜子 花寂び
大頭の杜氏つぎつぎに来る磧 赤尾兜子 玄玄
大年のひと帰りくる磧道 飯田龍太
大年や寺真つ向に白磧 石原舟月
大鴉小鴉霧の磧草 飯田龍太
凧引き擦られゆく磧かな 中田剛 珠樹以後
凧遠く浮べるままの磧 廣瀬直人
淡路小国夏川の磧荒れ 山口誓子
短夜や磧に灯る晒布小屋 野村喜舟 小石川
竹山を舁きでし怪我や秋磧 飯田蛇笏 山廬集
竹藪の間に春昼の磧見ゆ 金子兜太
注連を焼く子等に雪ふる磧かな 田士英
朝鵙に竹伐り落とす磧かな 金尾梅の門 古志の歌
蝶去りて磧にのこる石の数 遠藤若狭男
吐く息を存分にせり枯磧 岸田稚魚
冬ざれや磧の中に見ゆる橋 尾崎迷堂 孤輪
冬枯れの天を感ずる峡磧 飯田蛇笏 雪峡
冬麗や磧のなかに道ありて 橋閒石 微光
冬磧越えて物日の町に出づ 木村蕪城 一位
冬磧河合に称辞を宣る 山口誓子
冬磧孤独の石の掘り出され 能村登四郎
冬磧上手の生活物資積む 山口誓子
冬磧闘う軍鶏を馴らしをり 北見さとる
冬磧紐のごとくに碍子垂れ 阿波野青畝
冬磧雉子さげてゆく童児あり 飯田龍太
投げ松明逸れて磧の草燃やす 甲斐遊糸
踏むがまゝ磧蓬の日和かな 楠目橙黄子 橙圃
童女ゆく磧櫟の花ざかり 飯田龍太
鳶の輪の磧明るし青祈祷 岡井省二 明野
肉親はかたまり露の荒磧 福田蓼汀 秋風挽歌
肉声もなく盆過ぎの白磧 子郷 (紀州滝神村)
日いでて煙草火わかつ冬磧 堀風祭子
日の磧日の芒馬止めにけり 中西夕紀
日をとどめをり雪磧青肌 佐藤鬼房
日当りて太初のごとき冬磧 高山あい
日当れば磧さみしき曼珠沙華 鷲谷七菜子 花寂び
如月の磧に舟を作るかな 野村喜舟 小石川
梅雨磧湿らぬ翅の蝶をのせ 鷹羽狩行
白くこまかく立冬の日の磧石 能村登四郎
白鷺が鶴の舞ひして涸磧 右城暮石 句集外 昭和六十二年
白式部見あぐ磧の冷え鏡 赤尾兜子 玄玄
白昼の磧に風の施餓鬼幡 大橋一郎
白磧より草笛か麦笛か 神尾久美子 桐の木以後
八月の磧にて火をつくりをり 岡井省二 鯛の鯛
八月を雄の月となす磧 岡井省二 鹿野
飯煮ると灼けし磧に火を焚けり 山口誓子
氷柱ある磧の青年黒く跳ぶ 和知喜八 同齢
病妻を磧へさそふ星まつり 有働亨 汐路
父の忌の露の磧の広さあり 岸田稚魚 筍流し
負け凧の打ち据ゑられし荒磧 櫛原希伊子
風吹くや磧一望鶏皮(そぞろさむ) 佐々木六戈 百韻反故 わたくし雨
泡立草枯れて磧のすべて枯る 池田秀水
暴れ川数多濡身で着けば磧のわが家 赤尾兜子 歳華集
頬白の群れのふつとぶ磧草 飯田龍太
北上の秋暑に乾く磧石 能村研三
北風や磧の中の別れ道 河東碧梧桐
奔流となりゆく音の冬磧 佐久間慧子
末枯れぬ丹生大前の磧草 石田勝彦 秋興
明る過ぎ磧の枯れを夜が流れる 桜井博道 海上
模擬試験花ばかりなる磧芹 宮坂静生 山開
木の葉時雨磧の岩に川中に 高澤良一 石鏡
黙り合ふ磧の石やねこじやらし 和田 祥子
目の下にある冬磧下り行けず 右城暮石 句集外 昭和四十四年
目白鳴く磧つづきの家の中 飯田龍太
夜振網揚ぐる磧へ心急く 右城暮石 句集外 昭和五十八年
夜長なる磧なりけりほの白う 尾崎迷堂 孤輪
夕立の大粒濡らす磧石 右城暮石 上下
羅刈女の昼寝の刻ぞ白磧 佐藤鬼房
来し方は白き磧の凍夜かな 橋石 和栲
雷雨後の磧を赤毛馬とゆく 佐藤鬼房
雷近き石放りだす磧畑 廣瀬直人
落ちし凧熊野磧に頭を打てり 山口誓子
流す雛しばし載せたる磧石 能村登四郎
流燈会磧蓬の冷えびえと 須山おもと
流紋を刻みて旱磧なる 清崎敏郎
涼しさや暮れて時経つ磧の夜 尾崎迷堂 孤輪
緑蔭に衣脱ぎおとす磧の温泉 山崎冨美子
烈風に山萌えてくる磧の火 飯田龍太
露寒くなりきし磧温泉にひとり 鈴木貞二
老いてなほ磧に焚いて草の煙 飴山實 句集外
老医師に磧芒のなびく道 龍太
凩の磧はるかに瀬をわかつ 川島彷徨子 榛の木
凩は賽の磧の石飛ばす 福田蓼汀 秋風挽歌
曼珠沙華獣骨舎利を置く磧 『定本石橋秀野句文集』
嗚呼あれが三途の川か風底に音なく白く磧見え来ぬ 宮柊二
囮鮎生かす磧の石囲 小島尚巾
拗るべき石は探され父祖の磧 三橋敏雄
檜皮剥ぐ呆と坐りて春磧 友岡子郷 遠方
棕梠の実に白南風磧より来り 大野林火 海門 昭和十年
楮晒す磧にすこし残り雪 田中冬二 俳句拾遺
涸磧梟師は長影をひき 宇多喜代子
磊塊と磧の石は冬もしろし 川島彷徨子 榛の木
磧かけめぐる鍛練山桜 右城暮石 句集外 昭和四十八年
磧なす石ころの秋草の秋 藤田湘子 てんてん
磧にて何の喝采ヂギタリス 岡井省二 鯨と犀
磧にて嘆きの髪を縒りあはす 佐藤鬼房
磧にて白桃むけば水過ぎゆく 森 澄雄
磧にて尾根のさくらのこゑきこゆ 岡井省二 有時
磧にも鴨川踊待つ人等 橋本青楊
磧にも人数の見えて祭かな 尾崎迷堂 孤輪
磧にも道一筋や秋の暮 中村汀女
磧に沿ひあゆむ寒さも本格的 高澤良一 ももすずめ
磧の草焼く火を宙に持ち歩く 右城暮石 句集外 昭和三十二年
磧の流木億の民衆産みつづく 橋閒石 無刻
磧はしる水筋多き卯月かな 長谷川かな女
磧ひろびろ夜もやむまじと雪つのる 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
磧へはひとりで下る夏の終り 中谷貞代
磧べを焼く炎のみえて耕馬嘶く 飯田蛇笏 白嶽
磧まで棚田残雪それへ下る 森澄雄
磧ゆくわれに霜夜の神楽かな 飯田蛇笏
磧よこぎる秋の日中かな 松村蒼石 寒鶯抄
磧より一炊煙や上り簗 野中 穂浪
磧より春の雪嶺羽根ひらく 森澄雄
磧温泉に菖蒲投げ入れ湯女去りぬ 大橋鼠洞
磧温泉や秋収めたる顔ばかり 吉田丁冬
磧温泉や夜霧渦巻く三朝川 末滝敏郎
磧砂掘りて居り春を掘るごとく 林原耒井 蜩
磧砂掘れば水湧く東風の中 林原耒井 蜩
磧砂粗きに夏をおぼえけり 大野林火 海門 昭和十四年
磧灼けバッタは石の色に飛ぶ 草村素子
磧石おほかた乾き秋の蝉 上田五千石『琥珀』補遺
磧石ぬめりて鮎の落つるころ 能村登四郎
磧石光るにも散りたやもみぢ 林原耒井 蜩
磧石灼くるを積みて畑境 大野林火 冬雁 昭和二十一年
磧石蒼味さしきぬ夕蝉に 大野林火 海門 昭和十二年
磧石投げては 列に驢馬戻す 伊丹三樹彦
磧石蹠にあらく蛍狩 高浜年尾
磧石蹠にあらく螢狩り 高浜年尾
磧草せきれい翔てば萌え立てる 宮武寒々 朱卓
磧草九月の火傷男ゐて 飯島晴子
磧通つて帰る草矢の子 神尾久美子
磧田の岩の頑なをめぐり植う 原田種茅 径
磧湯にこゑのあつまる夜の秋 白井 爽風
磧湯に馬を入れやる冬至かな 野村喜舟
磧湯の一つは冷めて秋つばめ 友岡子郷 翌
磧湯の思はぬ熱さ秋の蝉 鳥越すみこ
磧湯の女体の遠き葛の雨 遠藤梧逸
磧湯の石の白さや十二月 坂本登美子
磧湯の底までうちて霰来る 山岸治子
磧湯の湯の澄み水と異ならず 上田五千石『琥珀』補遺
磧湯の八十八夜星くらし 水原秋桜子
磧湯へ鎖伝ひや岩煙草 荻原芳堂「大漁旗」
磧湯やそびらにひゞく落し水 幕内千恵
磧日当り稲待つのみの稲架のあり 大野林火 白幡南町 昭和三十二年
磧畑霜凪ぐ靄の午までも 西島麥南
磧畑麦を育てて水遠し 原田種茅 径
磧風火を囃すなり芋煮会 清崎敏郎
磧焚火煙草に継ぎてあまかつし 角川源義
磧来てやがて畑打つ人となりぬ 野村喜舟 小石川
磧涸れ戦後居坐るドラム罐 鍵和田[ゆう]子 未来図
磧芒の一穂も靡きたがへざる 林原耒井 蜩
簗の炬に夜雨の磧うつくしき 白山
羚羊の足跡出水の荒磧 福田蓼汀 秋風挽歌
茱萸の根にあくたかゝりし磧哉 寺田寅彦
蘆原に牛沈みゐる磧かな 高浜年尾
蜆蝶には荒々し磧石 後藤比奈夫
蜻蛉や市が磧になる処 東洋城千句
螢呼ぶ子の首丈けの磧草 臼田亜郞 定本亜浪句集
谿ひらく青葉しぐれの白磧 川口芳雨
賽の磧あたりに霧の尾が消えて 佐藤鬼房
霙してしばらく磧きらきらと 中田剛 珠樹
鶺鴒の止まれば光る磧石 山田弘子
以上
by 575fudemakase
| 2019-02-19 07:25
| 無季
俳句の四方山話 季語の例句 句集評など
by 575fudemakase
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《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
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例1 残暑 の例句を調べる
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[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語
例2 盆唄 の例句を調べる
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[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語
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