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雪山の俳句

雪山の俳句

雪山

あかつきの雪山の上星黄なり 長谷川かな女 雨 月
いつ見ても婆に雪山雪降りをり 中山純子
いぬふぐり雪山は雲湧き立たせ 斎木直治
おほひなる雪山いま全盲 かがやくそらのもとにめしひたり 葛原妙子
おもおもと雪山の方餅搗く音 村越化石
かへり見る雪山既に暮れゐたり 清崎敏郎
こたへなき雪山宙に労働歌 飯田蛇笏
こだまして雪山に鶴浮び出づ 野見山朱鳥 幻日
ことごとく雪山なりしめでたさよ 高野素十
さくら咲き連なり雪山の光連なり 荻原井泉水
すれちがふ汽車の窓透き雪山あり 篠原梵
そして眠れ 雪山散華の父の骨 伊丹三樹彦
その墓に佇てば雪山鷽の舞ふ 黒田杏子 花下草上
たはやすく弾丸に撃たれて雪山をまろび落つる熊は映画に撮られぬ 半田良平
つく~と雪山近く歩きけり 星野立子
ぬり上げし鉛筆の艶雪山澄む 松崎鉄之介
ふところに一枚の櫛雪山へ 岡本 眸
ふるさとは雪山まろし父母在らず 成瀬櫻桃子 素心
まだ国の雪山はしり舷に雨 古沢太穂 火雲
まばたかぬ雪山のわがアトラスよ 佐藤鬼房
よべの雪山白くしぬ梅花村 山口青邨
わが一生(ひとよ)雪山つなぐ橋に揺れ 野沢節子 花季
わか一生雪山つなぐ橋に搖れ 野澤節子 花 季
わが生や夜も雪山に囲繞され 相馬遷子 雪嶺
わが博徒雪山を恋ひ果てしかな 佐藤鬼房
をのゝく日雪山にきて胸にしむ 高屋窓秋
闇とほく雪山おそふ風ゆける 石橋辰之助 山暦
一つ知る雪山の名を言ひにけり 綾部仁喜 樸簡
一歩前へ出て雪山をまのあたり 斉藤美規
雲雀たかく雪山隈に夕日照る 角川源義
英霊を雪山ふかく秘めし家 石橋辰之助 山暦
遠天に雪山ほのと秋の暮 相馬遷子 山国
奥武蔵雪山ならぶ除夜の鐘 水原秋櫻子
翁舞国栖の雪山塀をなす 津田清子 二人称
翁舞国栖の雪山屏をなす 津田清子
温泉の池に雪山映り女体透き 松本たかし
画家たらんおもひ雪山前にして 高澤良一 素抱
外輪山五百重雪山を垣外にす 山口誓子
雁の声雪山は月に見えてか 佐野良太 樫
汽車来る雪山に音刻みつつ 相馬遷子 雪嶺
漁樵をり氷湖雪山こもごも照る 木村蕪城 寒泉
極月や雪山星をいただきて 飯田蛇笏
極月や雪山星をいたゞきて 飯田蛇笏
極月や雪山星をいただきて 飯田蛇笏 山廬集
極月や雪山星をいたゞきて 飯田蛇笏 霊芝
銀婚の旅雪山の虹に入り 影島智子
桑括ることぶれの雪山に見て 秋山幹生
群りてゐる雪山を去りにけり 八木林之介 青霞集
月いでて雪山遠きすがたかな 飯田蛇笏
月いでゝ雪山遠きすがたかな 飯田蛇笏
月いでて雪山遠きすがたかな 飯田蛇笏 山廬集
月いでゝ雪山遠きすがたかな 飯田蛇笏 霊芝
月稚し雪山照らす力なし 岡田日郎
月明りありて雪山くるゝかな 比叡 野村泊月
犬吠えて峡は雪山すぐ応ふ 森澄雄
湖暮れて雪山ほのと残りたる 細見綾子
吾子泣くか雪山かぎる杉一樹 角川源義
行く春を比良の雪山紫に 細見綾子
降りて止む降りて止む雪山真白 岡田日郎
降りやみて雪山鎮む月あかり 飯田蛇笏 家郷の霧
昏々と夜は雪山をおほひくる 石橋辰之助 山暦
策無きに怒る雪山の中の妻 石橋辰之助
山開雪山讃歌もて了る 渡辺立男
山間にのぞく雪山河涸れたり 松崎鉄之介
産院を繞る雪山四温光 飯田蛇笏
産声は未来を告げり雪山河 丸山比呂
師の眼鏡雪山照らす木瓜の花 角川源義
車輪すでに雪山がかる響かな 野沢節子 花季
手あぶりや雪山くらき線となりぬ 大野林火 早桃 太白集
酒場既に灯雪山遠く日あたりて 日野草城
銃声の谺雪山無一物 長嶺千晶
初蝶や雪山恍と雲の上 松村蒼石
小さき母雪山にながくながくあれよ 石橋辰之助 山暦
信濃は雪山をめぐらす城山の花にして 荻原井泉水
人の許へ雪山たたむ敦賀湾 細見綾子
人の許へ雪山たゝむ敦賀湾 細見綾子
人日の雪山ちかき父母の墓 石原舟月
人日の雪山近き父母の墓 石原舟月
吹き晴るる雪山の威の自ら 阿部みどり女
水晶の数珠雪山にかげなき日 柴田白葉女 花寂び 以後
雛買うて杣雪山へ帰りけり 原石鼎
青春なかば雪山並ぶ暗さ知りぬ 岡田日郎
雪の上に雪山かすむ朴の花 松崎鉄之介
雪山が負ふ幻の嶺二つ 佐藤鬼房
雪山こごりげんげ田の果に海光る 栗林一石路
雪山と雲とのあはひ鳥帰る 森澄雄
雪山と降る白雪と消し合ひぬ 松本たかし
雪山と寝起共にし疲れけり 阿部みどり女
雪山と雪の日輪白きかな 阿部みどり女
雪山と立ち向ひたる身一つ 伊藤柏翠
雪山に 日のあたりたる 馬のいななき 富澤赤黄男
雪山になほ降る雲か垂れて来ぬ 篠原梵 雨
雪山にひとりの眠り沈みゆく 林翔 和紙
雪山にゆふべの月のまだ白く 上村占魚 球磨
雪山に位あり老いても兵に位 松崎鉄之介
雪山に一つの入江飯の浦 高野素十
雪山に一家はたらく日の英霊 石橋辰之助 山暦
雪山に一切埋めし心のはづ 相澤静思
雪山に雲のかゝりしことありぬ 今井杏太郎
雪山に英霊の供華あたらしき 石橋辰之助 山暦
雪山に沿ふてりんごの花街道 高澤良一 燕音
雪山に何も求めず夕日消ゆ 飯田龍太
雪山に会いたる痩木とその影と 寺田京子 日の鷹
雪山に還り英霊しづかなるや 石橋辰之助
雪山に近づくわれに雲垂れ来 大野林火 白幡南町 昭和三十年
雪山に憩ひ明日思ふうつゝなき 高屋窓秋
雪山に死なで見苦し涅槃像 越人
雪山に時計は遅々とすゝまざる 相馬遷子 山国
雪山に春が来てをり美しや 高木晴子 晴居
雪山に春のはじめの滝こだま 大野林火
雪山に春の川ある街住ひ 高木晴子 晴居
雪山に春の夕焼滝をなす 飯田龍太
雪山に照る日はなれて往きにけり 飯田蛇笏
雪山に食ひものありて犬は食ふ 山口誓子
雪山に水ほとばしる寒の入り 飯田蛇笏
雪山に水銀燈を消し忘れ 山口誓子
雪山に成層圏の蒼さ墜つ 松本詩葉子
雪山に星が矢を射る父母の国 飯田龍太
雪山に雪の降り居る夕かな 前田普羅
雪山に雪の道あり白白と 松本たかし
雪山に雪降り重ね粥柱 陣内イサ子
雪山に雪降り夜の力充つ 日下部宵三
雪山に雪降り友の妻も老ゆ 西東三鬼
雪山に漕ぎ入り謡などうなる 佐藤鬼房
雪山に打てばとび散る蔓もどき 飯田龍太
雪山に対し州庁舎の威容 高浜年尾
雪山に大汗はばむしまき哉 中勘助
雪山に朝の樫の木さかんなり 飯田龍太
雪山に灯なき電気に雪が降る 金子兜太
雪山に汝を思へば海蒼し 相馬遷子 山国
雪山に虹のをはりのいろしづか 飯田龍太
雪山に虹の尾たらしはたた神 角川源義
雪山に日が真赤ぞな薺打 岸田稚魚 紅葉山
雪山に燃え来よ嫁かぬ事務乙女 藤田湘子 途上
雪山に白樺の白やや汚れ 福田蓼汀 山火
雪山に父の樅の木鳥見えて 大井雅人 龍岡村
雪山に噴く湯ゆたかに登別 清水寥人
雪山に頬ずりもして老いんかな 橋かんせき
雪山に頬削り来し男なり 野沢節子 鳳蝶
雪山に無韻の流れ一と筋に 飯田蛇笏 家郷の霧
雪山に野を界(かぎ)られて西行忌 橋本多佳子
雪山に野を界られて西行忌 橋本多佳子
雪山に野鯉群れいて蜜の澄み 阿保恭子
雪山に野尻湖の碧沈めけり 橋本夢道
雪山に野村万蔵手をかざし 高野素十
雪山に林相白を以て描き 福田蓼汀 秋風挽歌
雪山に路あり路を人行かず 相馬遷子 山国
雪山に籠り牛百の他は見ず 太田土男
雪山のあきらかにして自愛見ゆ 森澄雄
雪山のあなた雪山麻を績む 文挟夫佐恵 雨 月
雪山のある日老髯のさるをがせ 古舘曹人 能登の蛙
雪山のいま樹々の闇青かりし 石橋辰之助 山暦
雪山のうしろにまはり遅日光 松村蒼石
雪山のおもてをはしる機影かな 飯田蛇笏 春蘭
雪山のかがやき近き山になし 阿部みどり女
雪山のかへす光に鳥けもの 木村蕪城
雪山のきららの雪の夜を透す 石原八束 空の渚
雪山のけさ鳴きたるは橿鳥か 長谷川櫂 天球
雪山のけぶらひひとりふたり帰化 松澤昭 山處
雪山のしづけさの中に吾ゐたり 村山古郷
雪山のそびえ幽らみて夜の天 飯田蛇笏
雪山のたそがれにこそあこがるる 松澤昭 面白
雪山のつき出してあり鮭の海 高野素十
雪山のどこも動かず花にほふ 飯田龍太
雪山のどのみちをくる雪女郎 森 澄雄
雪山のどの墓もどの墓も村へ向く 相馬遷子 雪嶺
雪山ののぞける街の羽子日和 上村占魚 球磨
雪山のひかりのこれりかの夜空 石橋辰之助 山暦
雪山のひと日のうるみ青烏 野澤節子 黄 炎
雪山のふところ深く行く列車 高浜年尾
雪山のふもとの伏家初かまど 飯田蛇笏 春蘭
雪山のまなざしのなか白鳥湖 細見 綾子
雪山のみな木かげして音絶えき 飯田蛇笏
雪山のむらさきに出す凍豆腐 平沢洲石
雪山のむらたつ故園日のはじめ 飯田蛇笏 春蘭
雪山のラッセル深し膝でこぐ 矢我崎和子
雪山のゑぐれし襞に霧たてばただよふ如し愛といふこと 五島茂
雪山の旭にひとざとの鶫かな 松村蒼石 寒鶯抄
雪山の闇たゞ闇にすがりゆく 石橋辰之助
雪山の闇夜をおもふ白か黒か 正木ゆう子
雪山の雲に入りてよりながし 阿部みどり女 『雪嶺』
雪山の遠さ発止ととどめたる 松澤昭
雪山の遠目に煙る林かな 川端茅舎
雪山の奥に雪山白子汁 長田喜代子
雪山の絵を見て選ぶ雪眼鏡 後藤比奈夫
雪山の冠りみだるゝ風の星 飯田蛇笏
雪山の冠りみだるる風の星 飯田蛇笏 雪峡
雪山の岩肌をかく爪掻きし 八木林之介 青霞集
雪山の幾襞遠く曇りなし 飯田蛇笏 家郷の霧
雪山の虚ろに炎立つランプ小屋 原裕 青垣
雪山の金色の線引くところ 川端茅舎
雪山の午下はけぶろふ桃の花 上田五千石 天路
雪山の後ろにまはり遅日光 松村蒼石 寒鶯抄
雪山の向うの夜火事母なき妻 金子兜太
雪山の荒膚仰ぐ針供養 堀口星眠
雪山の今日の輝き明日ありや 阿部みどり女
雪山の昏るるゆとりに鳴る瀬かな 飯田蛇笏 春蘭
雪山の左右に揺るる歩みかな 上野泰 佐介
雪山の重なる奥の白さかな 五十嵐春男
雪山の初明りして狐罠 小坂順子
雪山の照り楪も橙も 森澄雄
雪山の障子をひらきたるかたち 齊藤美規
雪山の裾とどまれば畦木立つ 廣瀬直人
雪山の星見いでたし猿啼く 松村蒼石 雪
雪山の星座を数ふ指で衝き 橋本美代子
雪山の雪の立錐皆檜 橋本鶏二
雪山の雪の歇み間の一つ星 殿村莵絲子 花 季
雪山の雪谷を出て魚野川 森澄雄
雪山の泉の鯉を苞にせる 水原秋櫻子 蓬壺
雪山の繊翳もなく日のはじめ 飯田蛇笏
雪山の前に目立たぬ雪の山 桂信子 緑夜
雪山の前の煙の動かざる 高野素十
雪山の大汝とはなつかしや 高野素十
雪山の大白妙に初烏 田村木国
雪山の端が輝き奴凧 阿部みどり女
雪山の昼も夜も寝て杉丸太 吉田紫乃
雪山の朝日に顔のちから抜く 飯田龍太
雪山の朝日英霊にわかれ浴びぬ 石橋辰之助 山暦
雪山の眺めに桑のあをみけり 松村蒼石 露
雪山の鳥の音は目をさそふなり 大串章
雪山の底なる利根の細りけり 草間時彦
雪山の底に方等般若落つ 川端茅舎
雪山の堂断食の僧一人 伊藤柏翠
雪山の内懐に岳友葬 上田五千石『田園』補遺
雪山の日にかゞやきて雪崩前 鈴木真砂女
雪山の肌より顕るる岳かんば 関本テル
雪山の肌をはなれて雲移る 飯田蛇笏 家郷の霧
雪山の肌朗々と雉子鳴く 飯田龍太
雪山の斑や近き者愛す 岸貞男
雪山の斑や友情にひゞ生ず 上田五千石 田園
雪山の斑や友清にひゞ生ず 上田五千石 田園
雪山の眉を上げゐる春の夕 森澄雄
雪山の風樹孤島の濤と聴き 福田蓼汀 秋風挽歌
雪山の風来るまでにちかづきぬ 篠原梵
雪山の聞きたる儘に現れし 京極杞陽
雪山の没日を咥へ飛びたしや 佐藤鬼房
雪山の名を言ふ春の渚かな 山本 洋子
雪山の木々の根もとの息吹かな 飴山實 おりいぶ
雪山の夜ぞねがふべきいのち忘れ 石橋辰之助
雪山の夜も聳えをり近松忌 森澄雄
雪山の夕かげふみて猟の幸 蛇笏
雪山の夕しづかさのせまりけり 橋本鶏二 年輪
雪山の夕べかげりて噴く煙 石原八束 空の渚
雪山の夕日に溶けて鳩の道 阿部みどり女
雪山の夕日の斜面近くゆく 飯田蛇笏 家郷の霧
雪山の翼ひらけば蔓もどき 飯田龍太
雪山の梨ケ平は十七戸 高野素十
雪山の立木の並び見の正し 松本たかし
雪山の麓のポスト尊くて 川端茅舎
雪山の麓の山毛欅の疎林かな 京極杞陽
雪山の羞らひの白村が見え 齊藤美規
雪山の襞ぎつしりと青年期 木村敏男
雪山の谺金輪際を這ふ 川端茅舎
雪山の鷽が来てをり春祭 加藤岳雄
雪山はうしろに聳ゆ花御堂 石井露月
雪山はゆつくり霞むかいつむり 岡井省二
雪山は雲にかくれて梅匂ふ 大熊輝一 土の香
雪山は月よりくらし貌さびし 前田普羅 飛騨紬
雪山は人の棲まざる淋しさあり 岡田日郎
雪山は晴れて港の船往来 高濱年尾 年尾句集
雪山へ眼遊ばす絵付工 羽部洞然
雪山へ顔上げつづけ一人旅 細見綾子
雪山へ共に快癒を祈るかな 阿部みどり女
雪山へ狐の駈けし跡いきいき 大野林火
雪山へ狐の馳けし跡いきいき 大野林火
雪山へ向ふ人数恃まるる 山田弘子 螢川
雪山へ行きし日焼や松の内 水原秋櫻子 蘆雁
雪山へ成人の日の道通ず 百合山羽公 樂土
雪山へ雪吹きかへす最上川 上村占魚
雪山へ鉄路消えゆく建国日 鍵和田[ゆう]子 武蔵野
雪山みゆるこの坂いつも埃まく 川島彷徨子 榛の木
雪山も雪なき山も似し高さ 稲畑汀子
雪山も其を見る人も屹と立つ 林翔
雪山や駅には駅の煙立ち 京極杞陽
雪山や正しく胸のかたすみに 飯田龍太
雪山をぬけきし川の高鳴れる 安原 葉
雪山をのしのし匍へる鯰雲 宮坂静生 春の鹿
雪山をはなれてたまる寒の闇 飯田龍太
雪山をはひまはりゐるこだまかな 飯田蛇笏
雪山をはるけく来つる炭売女 飯田蛇笏 雪峡
雪山をへだてて見ゆる炭山疲れ 齋藤玄 『無畔』
雪山をまぢかに見つゝ通勤す 上村占魚 鮎
雪山をみせて月出ぬ古かかし 飯田蛇笏 山廬集
雪山をめぐらす國土日のはじめ 飯田蛇笏 家郷の霧
雪山をゆく日とどまるすべもなし 飯田蛇笏
雪山を畏みてをり源義忌 吉田鴻司
雪山を雲海の涯に見て登る 松崎鉄之介
雪山を越えて彼方へ空むなし 相馬遷子 雪嶺
雪山を冠りつららの峡は裂け 川端茅舎
雪山を寒きところと仰ぐばかり 高柳重信
雪山を近く林檎の咲き潤ふ 長谷川かな女 雨 月
雪山を見し眼うつらふペンの先 飯田龍太
雪山を見てきし故に山見つゝ 京極杞陽
雪山を見てならぶショールのまぶしくも 飯田龍太
雪山を行く電線のかすかなる 山口誓子
雪山を指して確認転轍手 松崎鉄之介
雪山を灼く月光に馬睡る 飯田龍太
雪山を手玉にとつてみたくなる 松澤 昭
雪山を手招いてゐる山の木か 飯田龍太
雪山を出でたる風の雲に入る 飯田龍太
雪山を前に後に耕しぬ 森田 愛子
雪山を宙にひくめて年新た 飯田蛇笏 雪峡
雪山を背にし枯れ山貧窮す 吉田嘉彦
雪山を背に立つ国境歩哨兵 深田久彌 九山句集
雪山を浮べて春のはやて村 森澄雄
雪山を蔽ふまひるの黝き海 飯田蛇笏 家郷の霧
雪山を奔りきし水口漱ぐ 長谷川櫂 虚空
雪山を夜目にポールをまはすなり 中村汀女
雪山を容れて伽藍の大庇 伊藤柏翠
雪山を流れて水の炎となれる 原裕 葦牙
雪山を匍ひまはりゐる谺かな 飯田蛇笏
雪山を匐ひまはりゐる谺かな 蛇笏
雪山を匐ひまわりゐる谺かな 飯田蛇笏
雪山滑り降り人住むドア汚る 中山純子
雪山幾重まさしく北にポーラリス 福田蓼汀 秋風挽歌
雪山呼ぶO(オー)の形の口赤く 西東三鬼
雪山真向ひもり上がりをる膝の継 川口重美
雪山想う心音は軽い音楽 一ノ瀬タカ子
雪山背にバレーのごとき白孔雀 加藤知世子 黄 炎
雪山暮るゝや天青きまゝ月ほの~ 楠目橙黄子 橙圃
雪山暮れきれば月するどし 荻原井泉水
仙丈そのほか一々雪山のその名にうなずく 荻原井泉水
川の淵寂寥は雪山よりくるか 川島彷徨子
川激ち雪山うつるところなし 早崎明
霜日輪雪山の秀をつつむなり 松村蒼石 春霰
村人や雪山の威に恃み栖む 深川正一郎
村人や雪山の威を待み栖む 深川正一郎
男山酒造雪山正面に 高澤良一 素抱
朝焼けの雪山負へる町を過ぐ 篠原梵 雨
長きトンネル出て雪山の夕かな 村山古郷
天へ入りゆふべ雪山結晶す 岡田日郎
電線のたるみが大事雪山へ 林 庄一
桃の村雪山が見え鶏が鳴く 柴田白葉女 花寂び 以後
湯檜曽水上すぎて雪山に日暮るゝ 村山古郷
灯を消され雪山近み眠られず 村越化石 山國抄
豆撒くや雪山ふかきかり住居 鎌野秀々
逃げ来しにあらず雪山あたゝかし 石橋辰之助
鳶ないて雪山空に暮れかぬる 梅の門
日の当りをる雪山の雪げむり 右城暮石 句集外 昭和四十九年
日もすがら日当りてゐし雪山か 清崎敏郎
日象と雪山ふかく水かがみ 飯田蛇笏 雪峡
梅折つて雪山遠く帰るの図 山口青邨
白鳥見て雪山を見て戻りたる(新潟県、瓢湖六句) 細見綾子
八方に雪山ばかり年用意 角川源義
美しき雪山の名のシンデレラ 京極杞陽
父なくて母なくて雪山河かな 小島花枝
風が棲む雪山の裾初荷行く 相馬遷子
壁に身をする馬や雪山眼のあたり 金子兜太
母の死や南風の雪山きほひたつ 金尾梅の門(古志)
北の星ばかり雪山背に迫り 中戸川朝人 残心
北へ走す雪山島に二タ並び 中戸川朝人 残心
盆地黄に乾く雪山の中にして 相馬遷子 雪嶺
蜜入れる林檎雪山ととのへり 大野林火 飛花集 昭和四十三年
夜が来て雪山けもののごと横たふ 吉野義子
夜の明けてをらぬ雪山見えてをり 青葉三角草
野の吹雪山脈かくしたる抒情 秋澤猛
夕日落つ雪山の裏は明るからん 岡田日郎
窯出しの雪山写シいかばかり 飴山實
立ち塞ぐ雪山に日の急ぎ落ち 松本たかし
糧を喰ふ手もて雪山の闇はらふ 石橋辰之助
嶺の奥に雪山ありぬ薺摘み 飯田龍太
恋捨てに雪山に来しが笑ひ凍る 小林康治 玄霜
練習機雪山にそひまはりくる 川島彷徨子 榛の木
哭く鴉雪山ちかき家の群 角川源義
杞陽恋ふことのしきりに雪山河 伊田和風
杣のみち今雪山に見えずとも 平畑静塔
梟に雪山星を加へけり 山下竹揺
痣の青年雪山に融け輝くなり 佐藤鬼房
蜷のひげ見てをりし眼を雪山へ 岡井省二 夏炉

斑雪山

コーヒー飲み残して下る斑雪山 廣瀬直人
タクシーに射す日のぬくさ斑雪山 茨木和生 木の國
まだ見えぬ騎手二三人斑雪山 飯田龍太
みやげ屋の熱き呼びごゑ斑雪山 堀口星眠 樹の雫
ゆっくりと麻酔解けゆく斑雪山 伊藤はる子
逢へさうな逢へなささうな斑雪山 鳥居美智子
胸ひらく母の眼をして斑雪山 堀口星眠 青葉木菟
更科はまだ冠着の斑雪山 森澄雄
佐保姫の鈴鳴る水の斑雪山 山上樹実雄
山の魂浮かび月夜の斑雪山 森澄雄
終に風けものの性を斑雪山 緒方敬
終着駅立ちはだかれる斑雪山 松崎鉄之介
送水会や日ののこりゐる斑雪山 猿橋統流子
地鎮めの竹担ぎ出す斑雪山 三森鉄治
鉄を打つ谺短かし斑雪山 阪本 晋
日がさしてきて照りそめし斑雪山 清崎敏郎
日がさしてくるはさびしや斑雪山 清崎敏郎
白鳥の帰北うながす斑雪山 野沢節子 八朶集
半月に今昔もなき斑雪山 森澄雄
反芻の牛に遠見の斑雪山 鷲谷七菜子 花寂び
斑雪山かたくり咲ける頃とおもふ 鈴木貞雄
斑雪山にぎやかに葬の人帰る 中拓夫
斑雪山はるかに鹿が耳立てる 藤森都史子
斑雪山をりをり射せる日もまばら 堤 高嶺
斑雪山月夜は滝のこだま浴び 飯田龍太
斑雪山見えて空席多きバス 浅井一志
斑雪山魂のいろいろ宙に充ち 飯田龍太
斑雪山四方よりせまる別れかな 永田耕一郎 雪明
斑雪山真下に機上のティータイム 塩川祐子
斑雪山眺めて遠き月日かな 飯田龍太
斑雪山半月の黄を被るなり 大野林火
斑雪山負ひたる雪の墓並ぶ 清崎敏郎
斑雪山目の前に来て懸巣鳴く 和公梵字
暮れ際のさくらむらさき斑雪山 堀口星眠 営巣期
落ちてゆく日をとどめたる斑雪山 清崎敏郎
良いときにお逝きなされて斑雪山 鳥居美智子


以上

by 575fudemakase | 2019-02-25 03:36 | 無季


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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