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余生

余生

あるままに余生過さむ諸葛菜 水原春郎
いくばくの余生や芋の露享けて 原 俊子
いつまでの余生ぞ蛍見てゐたり 三谷貞雄
いまのいま余生に加ふ焚火跡 斎藤玄 雁道
ががんぼや手術してわれに余生あり 村山古郷
がらくたの余生の冬と思へりき 佐藤鬼房
これよりの余生いくばく鍬初 三好仙里
しぐれして余生の永き世はよきか 大野林火 月魄集 昭和五十四年
しやくとりに己が余生をはからるる 日笠靖子
セルを着て余生少しは期すべしや 安住敦「柿の木坂雑唱」
そこばくの余生大事に夜寒かな 貝森ひで
ダリヤ剪る余生といふは忌詞 亭午 星野麥丘人
ちちははの余生吾が手にかたつむり 佐藤喜代子 『水の綺羅』
とろろ摺ぬ足腰強き余生かな 三宅三穂
なほもつて余生働く破魔矢うく 鈴木真砂女 夕螢
なりゆきに任す余生や雪柳 立岡由子
フェニクスの花咲く国や余生感 角川源義
フエニクスの花咲く国や余生感 角川源義 『西行の日』
ふぐちりや余生見えたる影いくつ 津田汀々子
まんじゆさげ安静あけて余生感 角川源義
わが胸に三月十日余生なほ 辻 久子
わが余生さらに余命へ年越さな 原 柯城
わが余生とも茂山の濡れ岩は 佐藤鬼房
わが余生少したいくつ日向ぼこ 稲田 桃村
わが余生如何に余寒の二タ佛 石塚友二 磊[カイ]集
われの余生へ畦は小粒の花溜めて 北原志満子
衣更へることの余生に入るごとし 長谷春潮
一つ家に二つの余生春深し 立石ただし
一病に仕ふる余生吾亦紅 角川源義
一病に仕ふ余生や吾亦紅 角川源義
一本の破魔矢余生を護るべし 阿波野青畝
芋と蕎麦ありて落人余生生く 平畑静塔
雨蛙めんどうくさき余生かな 永田耕衣
何時までの余生と思ひ日記買ふ 杉森干柿
夏落葉焚く朦朧と余生の烟 鈴木石夫
夏立ちぬをんな余生の斜の構 大塚信子
花大根余生はためく如きなり 大口元通
花樗日々見にゆくを余生とせず 安住敦
花満開余生に揺らぎなかりけり 三枝青雲
柿食ふやすでに至福の余生かな 結城昌治(1927-1996)
鎌倉に医として余生鰯雲 佐藤斗星 『七草の籠』
寒菊や余生を夫に置き去られ 瀬野美和子 『毛馬堤』
寒蝉の遠音ばかりの余生かな 山口草堂
肝手術余生に接ぎ木する如し 仲安俊雄 『冬耕』
忌を修すことを余生や萩白し 伊藤京子
気侭なる余生の足湯神の留守 伊藤麦城
汽車はひく余生のけむり紅葉狩 百合山羽公
菊膾のこる余生をどう使ふ 高澤良一 宿好
吉野山残る桜がわが余生 利根弘子
許されし余生いくばく木々青む 相馬遷子 山河
鏡餅余生思ひのほか永し 松木実
芹摘むは余生の閑と申すべく 中村苑子
栗を剥く刃先いきいき妻の余生 上田五千石『琥珀』補遺
鍵ひとつ掛けて余生の花の旅 徳留末雄
古簾来しかた透かす余生かな 三浦正司
枯芙蓉逆らふ事もなき余生 小野 武子
吾が余生いくばく有りて菊を見る 津村青岬 『南紀』
吾が余生情に流され漱石忌 谷口和子
向き合つて蚕豆剥くも余生かな 高崎菁枝
荒涼たる余生よ立ち向かふ単騎 井本農一 遅日の街
高きより余生を覗く棕梠の花 水野柿葉
今と言う余生暇なく萩の風 加藤うめ
座椅子籐椅子余生まだまだ書を手にす 皆吉爽雨
歳々の輪飾いよゝ余生なり 及川 貞
菜に重石余生の足を踏んまへて 鈴木真砂女 夕螢
雑学の余生を生きて冬の虹 古谷正子
雑炊やながき余生の厨ごと 和田 祥子
三寒四温余生濫用をいましめて 安住敦
四月の雪女神に詣で余生感 角川源義
支えあう余生ほのぼの根深汁 畑尾美代子
字余りの如き余生や初句会 吉野香風子
時雨せし日輪吾に余生なし 右城暮石 句集外 昭和四十九年
治聾酒をまたも賜はる余生かな 成田昭男
自ら風の涼しき余生かな
自我を捨て従ふ余生懐手 蟹江かね子
自問して余生のことは知らず寒し 安住敦
七日粥とろりとぬくし余生いま 西田孤影
七曜のいらぬ余生や大根干す 向笠千鶴子
芝焼いて女の余生にぎやかに 古舘曹人 樹下石上
酒蔵をゆづり余生の牡丹かな 宇野篤子
終弘法余生をのぞく眼鏡売る 中川須美子
十字架吊り美貌の長き余生献ぐ 伊丹三樹彦
出窓から沖見る 余生の揺椅子鳴る 伊丹三樹彦
春興や余生小粋にしたたかに 柴田由乃
春深し余生の恋を大切に 松本 あや子
瞬けば余生霞んで終ふなり 殿村莵絲子 雨 月
初蛙これが余生の灯かと思ふ 永井龍男
初鏡いよよ余生へ肚据ゑて 大江三知緒
焼若布もんで余生の裏にをり 能村登四郎 天上華
焼秋刀魚余生は十指折れば足る 乗本真澄
職辞せし日よりが余生鰯雲 金子豊子
身辺の余生めきたる初明り 岡本眸
酢の飯を扇ぐ余生の甚平かな 河西みつる
水仙のすらりと余生見えてくる 星永文夫
星月夜余生寂かに在りたしと 深川正一郎
生牡蠣をつるりと余生白濁す 北見さとる
生涯に余生などなし春田打つ 徳留末雄
青柿や余生の門は田に開く 古舘曹人 能登の蛙
青葉木菟余生といふもあなどれず 猿橋統流子 『丹波太郎』
青葉木莵余生といふもあなどれず 猿橋統流子
切り札を持たぬ余生や花かるた 白井良治
切山椒余生と言ひて寿 中澤康人
節分会母の余生を福となす 恒任愛子
雪国の余生暮らしや根深汁 山本 きつの
千金の余生を日がな雪を掻く 柿崎としお
戦争の後の余生を籠枕 長谷川櫂 蓬莱
洗ひ飯生きざりし身に余生なし 稲垣きくの 牡 丹
草摘むを余生の閑といふべかり 杉田八重子
走馬灯余生駈け去るばかりかな 小林康治 『華髪』
憎や風邪余生の日々を寝込まする 林翔
大露や余生大事の早起きに 白井春星子 『喜雨』
脱皮して蝉の余生のはじまりぬ 杉山和美
竹植ゑて余生謀れる如くなり 石塚友二 磊[カイ]集
長らえて余生へ団扇の風つくる 勝村茂美(風景)
沈丁や余生を乱す癌告知 金澤 貞
天井に青き馬追母の余生 橋本多佳子
田廻りを楽しむ余生蛙鳴く 堀越正代
冬のバラせめて余生を悔のなく 林 香翠
冬の日と余生の息とさしちがふ 斎藤玄 雁道
冬蝿や余生なる身の置きどころ 犬塚南川
冬籠れば余生飽きしを嘆きに来 大野林火 潺潺集 昭和四十二年
湯婆や余生なほ死の一事ある 安住敦
湯婆抱く余生といふは佗しくて 栗生純夫
闘病の余生必せり新浴衣 相馬遷子 山河
入墨も余生の薄さ露青光 林翔 和紙
葱植ゑて余生を住むによき島や 山崎房子
葱剥きて余生を涙もろくせり 大畠新草
熱燗や余生躓くばかりなる 石原八束
年の夜の夫婦余生をききすます 戸村羅生
芭蕉玉巻く肝据ゑて余生見極むる 鈴木真砂女 居待月
馬鹿になりきれぬ余生や乱れ菊 高嶋香都
梅雨を聞くために余生はあるならむ 大野林火 方円集 昭和五十二年
梅見ての余生などとはとんでもない 高澤良一 宿好
梅咲くや余生をきざむ万歩計 宮崎青岬
晩年か余生か破魔矢受けにけり 亭午 星野麥丘人
氷湖駆く余生の力恃みつつ 北見さとる
夫と座す白夜余生にさも似たり 横山淑子「沖歳時記」
夫余生吾れに託して日向ぼこ 犬飼久子 『寧日』
浮寝鳥みてをり余生おもひをり 柴田白葉女
風鈴の音にある余生愉しめり 渡辺宇免江
平凡な余生楽しや日記買ふ 本橋勝美
変化球覚えし余生去年今年 仲川記代
母に兆す苦汁の余生蕗の薹 上田五千石『田園』補遺
凡々の余生見通し畳替 藤崎さだゑ
埋火を珠と抱ける余生かな 北光星
未知数の余生尊し年立てり 新村酔魚
毛糸玉ころり余生を多忙にす 中村恭子
網刺すが余生じゃ 聾で 日向でのう 伊丹三樹彦
木洩れ日のやうな余生や零余子飯 安斉君子
木守の余生といふは透けること 高澤良一 宿好
餅すこし干すも余生の昨日今日 村越化石
余生いま風のままなる芒かな 福本徳恵
余生いま夢見にも似る菊膾 谷内茂
余生が歩きだした洗濯機がまわる 勝屋ひろを
余生こそ凡に長かれ竜の玉 殿村莵絲子 雨 月
余生てふ花守人として主 石川文子
余生てふ母の風鈴鳴りにけり 山田みづえ 忘
余生とはうどんを吹きて年送る 石田玄祥
余生とはかかるものかや日向ぼこ 池上不二子
余生とはかく美しき冬紅葉 高木晴子
余生とはぬか床に茄子艶めかす 赤尾恵以
余生とは何時からのこと藪からし 井上 武
余生とは寄り添う月日置炬燵 木村清
余生とは菜の花に手がとどくなり 中尾寿美子
余生とは斯るくらしの古団扇 林蓼雨
余生とは水のごとしや冬ざくら 柴田白陽
余生とは戦中派の謂さりながら青年をして眠らせしは何 晋樹隆彦
余生とは病むことなりし桜冷え 岩渕晃三
余生とは歩くことらし山笑ふ 清水基吉
余生とは未し古希へ畳更ふ 殿村莵絲子 雨 月
余生とや土筆野にわれありて莫し 佐藤鬼房 朝の日
余生などと人はいふなり蓼の花 星野麥丘人
余生などなかりし妻や送り盆 斉藤孝正
余生などなきくらしして一葉忌 永井房代
余生なほなすことあらむ冬苺 水原秋桜子
余生なほ海を職場に去年今年 道川虹洋
余生なほ人に預けず菜を漬けて 鈴木真砂女 夕螢
余生なほ大いに燈火親しまん 尼子 凡女
余生なほ働かされて目刺焼く 下村非文
余生なほ道草あらん盆帰省 赤松[ケイ]子
余生なる鬼よ吾と酌め宵追儺 林昌華
余生にはあまるを捨てて更衣 小松弘枝
余生には忌月の多し鉦叩 五十嵐哲也
余生には能面ほしき雪女 田中君恵
余生にもあるときめきや酔芙蓉 江間 蕗子
余生にも曙ありて初音かな 鷲谷七菜子 一盞
余生にも託す夢あり初暦 小島シズ子
余生にも土用鰻の一日あり 赤井よしを
余生にも北窓のあり塞ぎけり 藤堂くにを
余生にも夢の掛橋夏の旅 木寅美津子
余生のみ永かりし人よ虎落笛 中村草田男
余生の群 セルバンティスの威儀の下 伊丹公子 パースの秋
余生ふと吉祥草の匂ふ日も 後藤比奈夫
余生また一にはじまる手毬唄 川崎光一郎
余生まだ余力幾許梅雨茸 上原白水
余生をば冬めく星に託しけり 竹川千鶴子
余生棄てがたし菊焚きにけり 安住敦
余生語る緑蔭に妻坐らせて 山口いさを
余生大切枯菊焚けば匂ふなり 安住敦
余生燃ゆ秋のハイビスカス一花 岩城湍
余生白くけむりて見ゆる海鼠喰ふ 石原八束 『仮幻』
余生又美しからん菊枕 下村非文
与謝に来て余生の夢の落葉かな 石原八束 『仮幻』以後
力まずに過す余生や蝸牛 八谷きく
冷素麺余生々々と言ふ勿れ 藤田湘子 神楽
冷奴食べ余生とはこんなもの 山田達雄
烈風や余生の菫抱きかかふ 斎藤玄 狩眼
連翹に癩の余生の杖磨く 赤松[けい]子 白毫
炉明りを分つ余生の影二つ 国吉尚子
老海女の余生の蓮如踊かな 杉原竹女
老後こそ余生こそ待ちし家黴びぬ 殿村菟絲子 『旅雁』
囀を臥して余生のごとく聞く 大野林火 潺潺集 昭和四十二年
帚草余生の母に夜も青し 大野林火 青水輪 昭和二十五年
恙なき余生重ねて残り菊 三ツ木竹子
漱石忌余生ひそかにおくりけり 久保田万太郎
茘枝食べ余生に備へなどあらず 山岡桑史
蟇飼つて余生数ふることならず 安住敦
蟇汝にも余生あるならむ 西川五郎
蟲舞ふ灯余生惜みつ嘆かふ灯 篠田悌二郎

以上

by 575fudemakase | 2019-05-12 10:30 | 無季


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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