拙句 春 三春
春や春蕪村の武陵桃源圖 高澤良一 随笑
春の水黙ってゐても春の水 高澤良一 燕音
荒ぶ世の春をどっこい曉斎展(「国芳曉斎なんでもこいッ展だィ!」展) 高澤良一 暮津
太鼓橋登りたさうな春著の子 高澤良一 暮津
ぐい呑の手重りゆかし春の宵 高澤良一 暮津
立読みの春の園芸雑誌かな 高澤良一 暮津
春疾風それに倍する花吹雪 高澤良一 暮津
下駄履きの作務僧春笋抱えくる 高澤良一 暮津
遠ざかる船を呑み込む春霞 高澤良一 暮津
春愁ふ吾が骨格を医師と見て(レントゲン写真) 高澤良一 暮津
病人に個室大部屋春闌けぬ 高澤良一 暮津
彩どりを考え春植えグラジオラス 高澤良一 暮津
ひょうたんの苗をこかして春疾風 高澤良一 暮津
一湾に舞ひては降りる春鴎 高澤良一 暮津
春の草ちぎり投げ上ぐ子の三人(みたり) 高澤良一 暮津
ある時は吹雪くが如く春鴎(平潟湾) 高澤良一 暮津
度忘れに助け舟出す春炬燵 高澤良一 暮津
利子薄き貯金にも慣れ竹の春 高澤良一 暮津
五輪塔片寄せられて竹の春(報国寺) 高澤良一 石鏡
デッキより遠望上総の春の山 高澤良一 石鏡
東京湾横断フェリー春濤切り 高澤良一 石鏡
春望の甲板三百六十度(東京湾フェリー) 高澤良一 石鏡
春招く和菓子「きざはし」段葛 高澤良一 石鏡
戒名をノートに控え春の暮 高澤良一 石鏡
ゲートボール春昼をなほ単調に 高澤良一 石鏡
あはあはと暮春の蕗の炊き合はせ 高澤良一 石鏡
春水といふこゑ大きめに出でて 高澤良一 石鏡
ドラエもん映画ねだられ春休 高澤良一 石鏡
もう一度呼び掛け暮春の柩窓 高澤良一 石鏡
春水に小鷺の臑の惚れ惚れと 高澤良一 石鏡
吹っかけてつんのめる小木春荒れに 高澤良一 石鏡
洗濯物掲げ出づれば春の星 高澤良一 石鏡
大人しくしてゐる春の蝿でなし 高澤良一 石鏡
玻璃に風どすんとばかり春浅き 高澤良一 石鏡
春疾風聞きゐる我が身がらんどう 高澤良一 石鏡
春荒れがつっかけ来りて家が鳴る 高澤良一 石鏡
裁ち物の音のぞりぞり春の昼 高澤良一 石鏡
海へ出てよりの俊足春の雲 高澤良一 石鏡
春が来る港鴎のモニュメント 高澤良一 石鏡
正面に現れてまさかの春の鵙 高澤良一 石鏡
素っ首をくるりくるりと春の鵙 高澤良一 石鏡
春の川渡りとよもす東横線 高澤良一 石鏡
春そこに通草細工の鳩車 高澤良一 石鏡
春荒れの叩きつけてはひっぺがす 高澤良一 石鏡
春は曙けふあれをしてこれをして 高澤良一 石鏡
春荒れの吹っかけ来たる真夜の雨 高澤良一 石鏡
雛飾る孫二人目の春なりけり 高澤良一 石鏡
ぎうとこゑ居ること確か春の鵙 高澤良一 石鏡
春の雲見てゐる我も押し移る 高澤良一 石鏡
輝きをまた取り戻す春の雲 高澤良一 石鏡
惜春の鼻を浮かべて池の亀 高澤良一 鳩信
浅春の闇のとりもつ睡りかな 高澤良一 鳩信
造影剤かっと血管焼く暮春 高澤良一 鳩信
鎮守府の官舎の樟の春落葉 高澤良一 鳩信
落とさんと諏訪の春宮二之柱 高澤良一 鳩信
流鏑馬や鼻づら切りて春疾風 高澤良一 鳩信
熱川の宿てふ宿の春灯 高澤良一 鳩信
総領事ハリス出府圖春の雨 高澤良一 鳩信
春愁ふウツボカズラに指入れて 高澤良一 鳩信
手さぐりに春の夜の雨まかりけり 高澤良一 鳩信
春水の日向に出でて網目状 高澤良一 鳩信
川いっぱい使って春の水ながる 高澤良一 鳩信
春近く桜の幹のいぶし銀 高澤良一 鳩信
浅春の波波波をおっぺして 高澤良一 鳩信
春塵の分厚く赤茶け煤仁王 高澤良一 鳩信
退院の途次の暮春の中華蕎麦 高澤良一 鳩信
退院や春の常着に手を通す 高澤良一 鳩信
春の夜を看護婦消灯触れ廻る 高澤良一 鳩信
春の夜の手術痕撫で寝入るまへ 高澤良一 鳩信
尿(ゆばり)取る訓練堂に入る暮春 高澤良一 鳩信
体温計鳴り出す春の夜のとばり 高澤良一 鳩信
春の昼医師は正面向いて話す 高澤良一 鳩信
目に見えて体力戻る春大根 高澤良一 鳩信
大部屋の消灯までの春灯 高澤良一 鳩信
春の夜のまなぶた閉じて患者たり 高澤良一 鳩信
患者食済みし春昼箸洗ふ 高澤良一 鳩信
あかがねの雨樋秋の蓬春邸 高澤良一 素抱
春慶塗箸買ふ旅の空澄む日 高澤良一 素抱
翻車魚の肝和え春と思ふべな 高澤良一 素抱
春なれや雀烏の名の付く草 高澤良一 素抱
遠望の春は留萌の波の綺羅 高澤良一 素抱
最北の海を見納め春コート 高澤良一 素抱
留萌川留萌本線春景色 高澤良一 素抱
春の蝿番屋の客に蹤いて来ぬ 高澤良一 素抱
春光をやはらかに投げ利尻富士 高澤良一 素抱
海上を一路利尻へ春鴎 高澤良一 素抱
春光を鈍く放てる利尻富士 高澤良一 素抱
利尻島フェリー追ふ春の鴎の数減りて 高澤良一 素抱
さようなら春の礼文の赤燈台 高澤良一 素抱
礼文の春さんざ鴨茅なぶる風 高澤良一 素抱
まなかひに礼文近みて春かもめ 高澤良一 素抱
春がすみ利尻は溶けてしまひけり 高澤良一 素抱
あざらしの腹の上なる春入日 高澤良一 素抱
猿払の貝殻置場春荒れひゅう 高澤良一 素抱
春なれや見上げてチャンチンモドキの木 高澤良一 素抱
うす膩泛く春の蛇正視して 高澤良一 素抱
春の蛇間が悪さうに消えゆけり 高澤良一 素抱
野毛山の春の夜浅く辻楽士 高澤良一 素抱
はたきなどぱたぱた春の楽器店 高澤良一 素抱
ヤリ烏賊の前進後退春近し 高澤良一 素抱
春興や橋の上から見遣る景 高澤良一 素抱
植込みの中に頭の見ゆ春雀 高澤良一 素抱
春の水窪みに落ちて翳生めり 高澤良一 素抱
かりそめに春水の翳生れては消ゆ 高澤良一 素抱
天麩羅にからりと揚げて春告げ草 高澤良一 素抱
相模野に春を奏でて酒匂川 高澤良一 素抱
この齢になりて春暁てふものを 高澤良一 素抱
孫戻す家のしょんぼり春燈 高澤良一 素抱
庭土に滲み込むまでの春の水 高澤良一 素抱
名ばかりの春嘯いて反れる月 高澤良一 素抱
春三日月風が募ればぎすぎすして 高澤良一 素抱
団子虫出づれば春とおもうべな 高澤良一 素抱
遠浅の海と聞くさえ春めきて 高澤良一 素抱
春はまだ浅く洗面器の桃いろ 高澤良一 素抱
春昼をきうと年取る魔法瓶 高澤良一 素抱
春の蠅元へ戻ってをりにけり 高澤良一 素抱
止まらせてなまあたたかき春の蠅 高澤良一 素抱
人間も木石の類春の蠅 高澤良一 素抱
春の蠅ちちんぷいとぞ消えにける 高澤良一 素抱
突き立てしシャベルにしとど春の雨 高澤良一 素抱
手品にも芸風ひらひら春めく指 高澤良一 素抱
春は未だ浅く塔婆の前のめり 高澤良一 素抱
浅春の横にひろがる濤の音 高澤良一 素抱
宝籤春の陽気に乗せられて 高澤良一 素抱
春なれや土摶つ雨の返点 高澤良一 素抱
家中を経巡る孫は春の虻 高澤良一 素抱
伸び縮む鳩の瑠璃首春隣 高澤良一 素抱
春の潮上げてゐるやら引いてゐるやら 高澤良一 素抱
水輪生み継ぐ雨以て春意とす 高澤良一 素抱
生きもののごとくに春の雨水輪 高澤良一 素抱
春の蠅庭石はまだ冷たかろ 高澤良一 素抱
紙風船春を手玉にとるごとく 高澤良一 素抱
春の鵙こんな日もあるこんな日も 高澤良一 素抱
春星の間合を一つ一つ見て 高澤良一 素抱
鳥影は大柄にして春の鵙 高澤良一 素抱
鴨蹴って水裏返る春なりし 高澤良一 素抱
鳩を見て憩ふ視線も春めけり 高澤良一 素抱
来る筈の春が何處かで道草す 高澤良一 素抱
春告げに来る風今か今かとも 高澤良一 素抱
もうそろそろ春が来るかと遠めがね 高澤良一 素抱
介護バス来るを婆待つ春なれや 高澤良一 素抱
三春のことぶれまだか坊主山 高澤良一 素抱
三春のここに始まる濤の音 高澤良一 素抱
春よりも妻の懐広きかな 高澤良一 素抱
樹々にこゑ懸けて廻れる春そこに 高澤良一 素抱
横須賀の山に春来とやって来ぬ 高澤良一 素抱
山茱萸の無頼を通し来て浅春 高澤良一 素抱
クロッカス一輪春めく日も一輪 高澤良一 素抱
袖の雲脂指で弾きて春遠し 高澤良一 素抱
駐輪場光満杯春近し 高澤良一 素抱
風呂敷を抱ふ出で立ち春は来ぬ 高澤良一 素抱
日もめっきり春めき並木の木偶ノ坊 高澤良一 素抱
休日の学校に来る春の鵙 高澤良一 素抱
そらそこの紅らむ枝に春の鵙 高澤良一 素抱
一息に春来ぬまはりくどさかな 高澤良一 素抱
曇り空春は何處かで足踏みして 高澤良一 素抱
劉生の習作春の坂の草 高澤良一 随笑
春の絵本桜の木伐るワシントン 高澤良一 随笑
春光を芹に振り撒きゆける水 高澤良一 随笑
藻草の辺春の湧水ひょっこりと 高澤良一 随笑
春曙出湯に入らんと目覚めたる 高澤良一 随笑
春暁の躰を覚ます畑毛の温泉 高澤良一 随笑
春霞富士はうたたね決め込めり 高澤良一 随笑
漉油(こしあぶら)採りにそろそろ春の山 高澤良一 随笑
横濱の春告ぐ花の標本木 高澤良一 随笑
春の雷先づは太皷の小手しらべ 高澤良一 随笑
大風のドンと家摶ち春一途 高澤良一 随笑
蕗を先づ湯がいて春の水仕事 高澤良一 随笑
走り根にも瘤もつ欅春近し 高澤良一 随笑
小競り合ひしながら春の雪落ち来 高澤良一 随笑
春立てる空に閾のあるごとし 高澤良一 随笑
馬頭尊春は名のみの野辺の風 高澤良一 随笑
春駒の昨日廻りし村に泊つ 高澤良一 随笑
俳人の諸氏口あけの春の詠(うた)(新年号) 高澤良一 随笑
嵯峨竹の春にしてなほつづく径 高澤良一 宿好
薩摩琵琶七曲月の春臨閣 高澤良一 宿好
春陰の大明竹(たいみんちく)に噎びゆく 高澤良一 宿好
磊落な椨の落とせる春落葉 高澤良一 宿好
春欅ゆとりをもって眺めけり 高澤良一 宿好
春めくと探りを入るゝごとき日差し 高澤良一 宿好
乳母車など買うて遣り淺春 高澤良一 宿好
のんのんと海上に出る春の雲 高澤良一 宿好
すってんと転んで掴む春の土 高澤良一 宿好
春めくと家路半ばにして思ふ 高澤良一 宿好
鉢小物持出し春の土いじり 高澤良一 宿好
浅春の欅に鵙のむかう向き 高澤良一 宿好
年金の本読みゐたり春立つ日 高澤良一 宿好
鳩の眼のくりくりけふは春立つ日 高澤良一 宿好
連れ立ちて仲見世をゆく春ショール 高澤良一 宿好
浅黄空おらが一茶の國の春 高澤良一 宿好
アイスティー茉莉春亳(モーリーチュンハオ)試し飲み 高澤良一 寒暑
ぷーんと来る春の蚊にしてあな近き 高澤良一 寒暑
吾が好むドンパチ映画春休 高澤良一 寒暑
夫婦して啜るや春のざるぶっかけ 高澤良一 寒暑
春興の駕籠に揺られて象頭山 高澤良一 寒暑
春濤の大きさ見よや桂浜 高澤良一 寒暑
春潮の広がり広がり桂浜 高澤良一 寒暑
はりまや橋さうよ高知の春の旅 高澤良一 寒暑
四万十の橋四万十の春の雨 高澤良一 寒暑
春驟雨船端叩く川蝦漁 高澤良一 寒暑
土佐鶴に鱶の湯晒し春の雨 高澤良一 寒暑
子規堂の電燈の笠春埃 高澤良一 寒暑
宇和島の旅の中日の春の雨 高澤良一 寒暑
一茶も入りし湯なれば道後の湯頤まで浸かりおらが春 高澤良一 寒暑
瀬戸内を雑貨など積み春の船 高澤良一 寒暑
瀬戸内のおむすび大の春の島 高澤良一 寒暑
瀬戸内にモデルになりし島あれば波たぷたぷひょっこりひょうたん島の春 高澤良一 寒暑
渡し賃七十五円よ瀬戸の春(生口島 耕三寺) 高澤良一 寒暑
春の日のぽかぽか山陽自動車道 高澤良一 寒暑
春の瀬戸原付バイクでタタタタと(しまなみ海道) 高澤良一 寒暑
春服に鶴のマークのクルー嬢 高澤良一 寒暑
春草を蹴ってジャンボ機テイクオフ 高澤良一 寒暑
ジャンボ機の胴にミッキー春休 高澤良一 寒暑
うたた寝の風太郎にも隅田の春 高澤良一 寒暑
春は赤芽のつんつんチャンチンモドキの木 高澤良一 寒暑
籠居の着の身着のままやがて春 高澤良一 寒暑
銭洗弁天(しろへびさま)春は巳の日の験(げん)あらな 高澤良一 寒暑
一寸だけ春めく山の花きぶし 高澤良一 寒暑
やっと春やっと水皺顕てる池(金沢文庫 称名寺ー) 高澤良一 寒暑
待春の肱付き椅子の深さかな 高澤良一 寒暑
春の蝿四辺にはかに活気づく 高澤良一 寒暑
三春の皮切りの風吹く日かな 高澤良一 寒暑
とどこおる処はっきり春の水 高澤良一 寒暑
野毛山下春ともなれば大道芸 高澤良一 寒暑
餃子リャンコと注文とられ春の飯店 高澤良一 寒暑
春水に河馬のうたた寝四六時中 高澤良一 寒暑
蟻喰いのそはそは春の土を嗅ぎ 高澤良一 寒暑
春めくやまんばうの絵の防波堤 高澤良一 寒暑
上野山めっきり春のベンチかな 高澤良一 寒暑
房総の春の襖を引きにけり(花摘み部落) 高澤良一 寒暑
フェリー航くゆたゆたゆたに春の波 高澤良一 寒暑
春鴎がやがやフェリーターミナル 高澤良一 寒暑
桃・満作咲きてとんとん拍子の春 高澤良一 寒暑
水音(みおと)またおろそかにせず春の水 高澤良一 寒暑
春の水鳴るか鳴らぬか身を屈め 高澤良一 寒暑
小さき段差ありて水鳴る春うたた 高澤良一 寒暑
白鷺の一考つづく春の水 高澤良一 寒暑
春草にづかづかと倚り犬の鼻 高澤良一 寒暑
胸張って視野に入りくる春の鴨 高澤良一 寒暑
春水といふ輝きに不足なし 高澤良一 寒暑
腰痛の抜けず日差しは春めけど 高澤良一 寒暑
春の蠅何をするかと見てをりぬ 高澤良一 燕音
春の蠅探せばをりぬ俳諧寺 高澤良一 燕音
春の蠅一挙手一投足の妙 高澤良一 燕音
合流して春の小川の音となる 高澤良一 燕音
秋山郷赤湯に春を惜しみけり 高澤良一 燕音
念を押すごとくに春の雷鳴れり 高澤良一 燕音
ひんやりと手の甲に当つ春の草 高澤良一 燕音
まんぼうはまんぼう泳ぎ春隣 高澤良一 燕音
心臓の働き具合もおらが春 高澤良一 燕音
春著着て乗合自動車内宮前 高澤良一 燕音
春小袖うつせる五十鈴川の水 高澤良一 燕音
をろがめる大御親神(おおみおやがみ)伊勢の春 高澤良一 燕音
三年坂連れ立ちのぼる春小袖 高澤良一 燕音
心ここにあらざる清水春舞台 高澤良一 燕音
坂うまく使ひて八坂店(たな)の春 高澤良一 燕音
春を待つ淡海に心預けんと 高澤良一 燕音
大津繪の春さきどりの藤娘 高澤良一 燕音
春小袖二人連れなる巴塚 高澤良一 燕音
春は華やぐ音色即興曲岩木 高澤良一 燕音
岩化してダルマオコゼとなる暮春 高澤良一 ぱらりとせ
春さきのテッポウウオの口捌き 高澤良一 ぱらりとせ
郡上のなあふくら雀も春駒を 高澤良一 ぱらりとせ
枝々にうるみ初めたる春の星 高澤良一 ぱらりとせ
鳴る處見つけて春の水鳴れり 高澤良一 ぱらりとせ
きっぱりと春雪あがる挿木畑 高澤良一 ぱらりとせ
さきざきに鳴りてことごと春の水 高澤良一 ぱらりとせ
ちょろちょろとちょろっと春の水ながる 高澤良一 ぱらりとせ
草の中鳴りをひそめて春の水 高澤良一 ぱらりとせ
看護婦の大き叱声春隣 高澤良一 ぱらりとせ
根詰めて汀を打てる春の濤 高澤良一 ぱらりとせ
半島の椎椨打ちて春の雹 高澤良一 ぱらりとせ
良性の雲のはらわた春の月 高澤良一 ぱらりとせ
大部屋に一つ空き出来春隣 高澤良一 ぱらりとせ
すぐ思いあたる仕種を春の蝿 高澤良一 ぱらりとせ
ビスケット色の三つ四つ春の雲 高澤良一 ぱらりとせ
春近む音の一つにしづり雪 高澤良一 ぱらりとせ
春暁の川波ぴょんとぴょんと立つ 高澤良一 ぱらりとせ
内海へ春は潮目もくきやかに 高澤良一 ぱらりとせ
測温測圧検尿採血春隣 高澤良一 ぱらりとせ
醜男のぶの面持ちの春不鯛 高澤良一 ぱらりとせ
心臓の戸口の直し春にせむ(吾が病ひは僧帽弁閉鎖不全なれば) 高澤良一 ぱらりとせ
春を感じ来してふ朝の顔に遇ふ 高澤良一 ぱらりとせ
半島のももいろがかる春雑木 高澤良一 ぱらりとせ
えいほうと松も春めく東海道 高澤良一 ぱらりとせ
すっかり春我等がビルも霞に入る 高澤良一 ぱらりとせ
浅春のカクテル光線エノケンに 高澤良一 ぱらりとせ
梢見てあゆむ乃木坂春浅し 高澤良一 ぱらりとせ
春泥をぶつぶつ云ひつ脱しけり 高澤良一 ぱらりとせ
一睡のゆめに磯長(しなが)の春かもめ 高澤良一 ぱらりとせ
幹照らす春月チャンチンモドキの木 高澤良一 ぱらりとせ
春潮にをりをり差せる風の翳 高澤良一 ぱらりとせ
屯せる春著に聳ゆ二万噸 高澤良一 さざなみやつこ
赤べこをくるみ上手や春著の子 高澤良一 さざなみやつこ
春著の子まるぽちやの手を膝の上に 高澤良一 さざなみやつこ
蛸の木の根の遣り場なき室の春 高澤良一 さざなみやつこ
ワラビーの前脚春の土突きて 高澤良一 さざなみやつこ
コンドルの怒り肩して春逝かす 高澤良一 さざなみやつこ
春潮に一艇一艇打たれ鳴る 高澤良一 さざなみやつこ
張りぼての岩のやうなる春の雲 高澤良一 さざなみやつこ
春一が蒲団落としてゆきにけり 高澤良一 さざなみやつこ
春荒れにとんび揉まれてひようと鳴く 高澤良一 さざなみやつこ
油菜にアゲハ春型かさむりて 高澤良一 さざなみやつこ
ひかりつゝくびれてながる春の水 高澤良一 さざなみやつこ
愛すべき春の欅のその全て 高澤良一 ももすずめ
大あくび春の海より貰ひけり 高澤良一 ももすずめ
春隣向き合うて立つカンガルー 高澤良一 ねずみのこまくら
腫れぼつたき鯉に寄られてゐる暮春 高澤良一 ねずみのこまくら
山羊髭の人類学者春を語る 高澤良一 ねずみのこまくら
質されて子の口ごもる春の雷 高澤良一 ねずみのこまくら
春泥をぬぐひて詣づぼたもち寺 高澤良一 ねずみのこまくら
大いなる春月母子寄る方に 高澤良一 ねずみのこまくら
春の地震白鶏百羽揺すりたる 高澤良一 ねずみのこまくら(末尾は句集名)以上
by 575fudemakase
| 2019-08-29 10:56
| 自作

俳句の四方山話 季語の例句 句集評など
by 575fudemakase
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例1 残暑 の例句を調べる
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いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
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[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語
例2 盆唄 の例句を調べる
検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語
以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。
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