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●討ち死 玉砕 自殺 自害 自刃 切腹 身投げ 入水 首吊 心中 人殺し 殺め 殺生 殺戮 半殺し 必殺 等にかかわる俳句

●討ち死 玉砕 自殺 自害 自刃 切腹 身投げ 入水 首吊 心中 人殺し 殺め 殺生 殺戮 半殺し 必殺 等にかかわる俳句

討ち死 玉砕 自殺 自害 自刃 切腹 身投げ 入水 首吊 心中 人殺し 殺め* 殺生 殺戮 半殺し 必殺



玉砕


夏薊玉砕知らぬ教師満つ 宗像 隆
玉砕といふ豊後梅花しづか 萩原麦草 麦嵐
玉砕の島水筒の腐りがたき 池田澄子
玉砕をまぬがれし日のごとき海霧 澤田緑生
玉砕碑に添え置くバナナ武器めけり 梅田弘祠
見よ左翼より玉砕の珊瑚の樹 鈴木六林男 悪霊
青空がまるごと灼けて玉砕日 高澤良一 随笑
硫黄島玉砕の報野菊噛む 渡邊白泉

自殺

やがてバスは自殺名所の滝へかな 櫂未知子 蒙古斑以後
海碧し自殺防止の網暑く 福田甲子雄
茅花しろし自殺文人世に絶えず 山口誓子
寒卵いくつ嚥み足る自殺狂 秋元不死男
兄自殺母水死吾夢遍路 星野石雀
隙間風狂言自殺の看護(みとり)なる 中村草田男
月になまめき自殺可能のレール走る 林田紀音夫
自殺せしか黒き屍の兜蟲 山田みづえ
自殺願望、メラメラと燃える火がある 住宅顕信 未完成
自殺系空間きりんうるむなり 摂津幸彦
若き友自殺し残す冬帽子 宮坂静生 青胡桃
爽やかに文士に自殺奨めたる 後藤比奈夫
地を躍り出る馬鈴薯よ自殺せず 永田耕衣
二酸化炭素が増えないように自殺する 加藤ミチル
氷上に自殺じやらじやら首飾り 寺田京子 日の鷹
文人の自殺のむかし韮の花 鷹羽狩行
燠立てて手にす失職自殺記事 石川桂郎

自害

ハンカチの忘れてありぬ自害石 福田甲子雄「草虱」
わが宗旨自害認めずと行長忌 景山筍吉
自害藩主の寺だ 裏にも百日紅 伊丹三樹彦
白萩や妻子自害の墓碑ばかり 宮坂静生 青胡桃

自刃

おしくらまんぢゆうする年頃を自刃せり 鈴木真砂女 都鳥
なまなまと*ばったのみどり自刃の地 鍵和田[ゆう]子 武蔵野
遺影秋深し自刃供へまつり 佐野青陽人 天の川
栄華とは、牡丹この朝自刃せんとは 荻原井泉水
遠足の子らに自刃の趾見せず 後藤比奈夫
襖絵つぎつぎに柳に雪の自刃の間という荻原井泉水
海女沈む自刃のごとき深さまで 大口元通
強霜や若き自刃の墓十九 水原春郎
桐の花畢んぬ淀の自刃跡 大橋敦子 勾 玉以後
源三位頼政自刃落し文 飴山實 句集外
山茶花のうち崩るるは自刃に似て 高澤良一 宿好
自刃さながらにころがり新松子 鷹羽狩行
自刃せし菊人形の匂ひかな 仙田洋子 雲は王冠以後
自刃の間懐炉もつとも熱かりし 北見さとる
実南天柄まで真紅や自若たり 草田男 (聚光院の利休自刃の間の内外にて)
春月の自刃の廣場濤を聴く 古舘曹人 砂の音
水引の白のかなしき自刃の地 鷹羽狩行
杉落葉惨と散り敷き自刃の地(飯盛山) 高澤良一 石鏡
雪玉を投げて自刃の地なりけり 吉田鴻司
全山のかなかなしぐれ自刃跡 近藤一鴻
貼り替へて明るき障子自刃の間 森田峠 避暑散歩
白牡丹暮れず関白自刃の間 阿波野青畝
舞い込める青葉いちまい自刃の間 高澤良一 石鏡
墓らは夭折 陣没 自刃 昼の虫 伊丹三樹彦
夕冷えの名草自刃の間より見ゆ 飯田龍太
利休忌の自刃は闇のさくらかな 山本一雄
練炭もて点す線香自刃の山 井桁白陶

切腹

ながながと切腹の場や夏芝居 大木あまり 火球
なかんづく切腹の間の涼しさよ 鷹羽狩行
春雪いくたび切腹で終る色彩映画 三橋鷹女
切腹のいまだはたせず菊人形 岬 雪夫
切腹の間からりんどう見えており 五島高資
切腹の間より見せたる牡丹かな 宗田安正
切腹は白き色なり春の夢 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
藤袴切腹衝動堪えけり 浅賀穀象虫

身投げ

「ナントの囚人」あ・あ・あ・あ 身投げの河ならある 伊丹三樹彦
かくも澄む太宰身投げし上水は 広田祝世
コスモスの花の海へと身投げせる 龍野よし絵
ストーブの炎に身投げせる瞳 櫂未知子 蒙古斑以後
ひし採女身投げの如くぬれもどり 古賀烏濤子
ボストンの雪に身投げている鴎 対馬康子 吾亦紅
花火尽きて美人は酒に身投げけむ 高井几董
花火尽て美人は酒に身投げけん 几董
心だけ身投げしており夏の海 平沢茂雄
身投げ哭く僧は阿難よ涅槃像 河野静雲
谷紅葉身投げをさそふ極彩色 田中保
望郷歌身投げの崎に鴎群れ 江里昭彦 ラディカル・マザー・コンプレックス
野遊びの身投げのやうに靴揃へ ふけとしこ 鎌の刃

入水

うるはしき入水図あり月照忌 篠原鳳作
うるはしき入水圖あり月照忌 篠原鳳作
ことごとく沖に入水の雲の峯 鷹羽狩行
はつゆきの入水ひたすらなるを見き 櫂未知子 蒙古斑以後
ひとと並び猫の入水をみとどけむ 宇多喜代子
維盛の入水の島の芽木月夜 角川源義
維盛入水の春の海なりけり 尾崎迷堂
鴛ゆくや夕日江に入水のあや 几董 (遊龍安寺)
河豚供養みかど入水の浦凪ぎて 大島民郎
花石蕗の水戸や入水の小宰相 角川源義
花筵入水のやうに靴置いて 大牧広
絵襖の終り幼帝入水の図 高橋光太郎
逆浪に入水の裳裾流し雛 杉田英子
茎折れのあやめを見たる入水かな 金原まさ子
祭の夜入水せしともさだかならず 山口誓子
祭神は入水の天子梅雨の宮 下村ひろし 西陲集
秋の入水眼球に若き魚ささり 和田悟朗
秋蝉の一縷のこゑの入水かな 野澤節子
醜い子 挟み 入水の家鴨夫婦 伊丹三樹彦
春潮の入水に叶ふ色といふ 吉田汀史
松手入水陽炎の書院かな 松崎鉄之介
先帝の入水の海へ河豚放生 陳場孝子
草入水晶如月恋が婚約へ 中村草田男
孫抱きて入水のさまに母屈み 江里昭彦 ラディカル・マザー・コンプレックス
蝶翔てり入水詩人の碑に寄れば 角川源義
土手を焼き尽して入水したる火か 鷹羽狩行
道をしへられつつ入水せしならむ 平井照敏
入水して 浮身安堵の 傷み家鴨 伊丹三樹彦
入水して死ねぬ瀧ありわれはゆかず 赤尾兜子 玄玄
入水せし御髪に似たり須磨和布 阿波野青畝
入水なら火の音貸さむ黒揚羽 中原道夫
入水の老優悼み春惜む 大橋敦子 手 鞠
蛤にかくも入水のこころざし 櫂未知子 蒙古斑以後
蛤は雀の入水知つてをり 小島健 木の実
満月の桜入水をそそのかす 文挟夫佐恵
夜長し草入水晶翳こもり 大野林火 雪華 昭和三十七年
幼帝のまさに入水の菊衣 鷹羽狩行
老優の遍路入水のことありし 能村登四郎

首吊

ブランコの木首吊りの木紅葉す 中嶋鬼谷
海に足浸る三日月に首吊らば 西東三鬼
寒むや妻首吊る夢を見て泣けり 猿山木魂
鮭の首吊し囲炉裏の燭熾ん 佐川広治
首吊の具に*あご置けば鵙叫喚 角川源義
首吊の軒薬草のからと鳴り 石寒太 翔
首吊りにみとれてガムを踏んじゃった 江里昭彦
首吊りの身重の姉のはだしかな 平井照敏 猫町
鴉には首吊るによき冬木立 安西 篤

心中

*おきいろふ心中よはし猫の妻 尚白
カヌーに帆 心中になお残り焔 伊丹三樹彦
くさぐさの末心中や走馬灯 野村喜舟
けふも亦心中ありて近松忌 高浜虚子
ことによると心中たのし春の山 清水浩
さくら心中絞められてゐてうつとりす 筑紫磐井 婆伽梵
すでに心中深し冬濤見てをれば 玉城一香
ななかまど*ぶなダケカンバ霧心中 攝津幸彦 未刊句集
はすかいに蓮みて心中の刃こぼれ 仁平勝 花盗人
ムリヤリの心中もありとしのくれ 東皐
闇深く夜風と心中牡丹かな 高澤良一 随笑
一歩きしてわが心中の桜の木 桑原三郎 花表
夏草や心中者の下駄二足 日野草城
花に倚るおそろしきこと心中に 篠崎圭介
気球より没り日が赤し心中次ぐ 飴山實 おりいぶ
虚子も書きし心中物や近松忌 星野高士
蛍追ふ心中に火を育てつつ 橋本榮治 麦生
妻と子と心中物の初芝居 細谷喨々
射干玉もまた心中を照らすもの 後藤比奈夫
灼けし砂握り心中何を握る 加藤秋邨
灼け沙を握り心中何か握る 加藤秋邨
心中す黄色のジウス飲み余し 右城暮石 上下
心中にいくつも狭間曼珠沙華 玉城一香
心中になほ期するあり水の秋 桂信子 草影
心中にひそめる鬼はいかに追ふ 富安風生
心中にひらく雪景また鬼景 赤尾兜子
心中に一基の墓の灼くるかな 赤尾恵以
心中に応答激しレース編む 津田清子
心中に伽藍の炎ゆる桜の夜 柿本多映
心中に火の玉を抱き悴めり 三橋鷹女
心中に雁舞うてゐる雨月かな 徳永山冬子
心中に師なく弟子なくかすみけり 下村槐太
心中に垂らす藤房ひとりの午後 蛭田親司
心中に全き柘榴ざくろ食ふ 加藤秋邨
心中に焚く詩ありけりけさの秋 小杉余子 余子句選
心中に補陀落のあり沙羅ひらく 高橋ちちり
心中に鳴らす金鈴凍てずあれ 岡本差知子
心中のありさうな日の青田かな 山尾玉藻
心中の花道くらし近松忌 水原秋桜子
心中の崖を見あぐる氷柱かな 秋元不死男
心中の骸浮きけり秋の湖 松根東洋城
心中の昏さに気づく雛かな 寺澤慶信
心中の沙汰は誠か芥子の花 芥子の花 正岡子規
心中の屍つゝむや土用浪 高浜虚子
心中の日向水いま揺れはじむ 桂信子「草影」以後
心中の片われ墓や花樒 能村登四郎
心中もせで起きいでぬ露の宿 飯田蛇笏
心中も死語となりし世 花吹雪 伊丹三樹彦
心中も情死も野分あとのこと 保坂敏子
心中より殺しの平成近松忌 森澄雄
心中を貫く光寒の月 桂信子 草影
心中を見にゆく髪に椿挿し 寺山修司
心中物を聴く夜衣紋竹一つのこし 長谷川かな女 花寂び
神楽の夜湖心にありし心中かな 原月舟
其はてが萩と薄の心中かな 正岡子規 萩
大接心中や紅梅酣に 森澄雄
二の替世は心中のはやりかな 野村喜舟
白息吐く心中火玉燃えてをり 松村多美
彼岸花心中などとは 絵空ごと 伊丹三樹彦
柊咲く心中の鬼飼い馴らし 相川玖美子
浮草の心中話やつゞき物 正岡子規 萍
蔓きりて心中に置く烏瓜 中田剛 珠樹以後
名月の心中と世にうたはれん 正岡子規 名月

人殺し

人殺しありし夜の水の流るるさま 尾崎放哉
切り畑に母と 人殺しの雪が来て 星永文夫
早春展墓おかめひよつとこ人殺し 金子兜太

殺め

サフランや映画はきのう人を殺め 宇多喜代子
とらへむとして綿虫を殺めたる 片山由美子 天弓
にわとりを殺めて剥ぎし掌の記憶遠き故郷に夕日が当たる 三枝昂之
はじめての鳩を殺めて猫花曇り 八木三日女
ふるへてる月光の葦を殺めねば 齋藤愼爾
やまかがし殺めし棒を馬屋口に 河村静香
わが生に幾何の蝶殺めしか 山地春眠子
一夜ひとつの星を殺めて息づく塔よ 豊口陽子
蟻殺めばそこに駆け寄る蟻一つ 高澤良一 随笑
蟻地獄しづかにものを殺めけり 後藤比奈夫
逆上が人を殺めし花の頃 松尾澄子
玉虫が寝間着の妻に殺めらる 齋藤玄 『玄』
玉虫を殺めて美童日の盛り 岩村蓬
鶏の前殺めたる鶏を提げ通る 安川貞夫
古書店の紙魚を殺めて買はざりき 江田三峰
妻の咳妻を殺めるかもしれず 雨滴集 星野麥丘人
殺めかけ薔薇否認する想像妊婦 仁平勝 花盗人
殺めたることなしとせず紫荊 柚木紀子
殺めたる百足虫の妻かやや小さし 沢井 山帰来
殺めては拭きとる京の秋の暮 摂津幸彦
殺められたし空谷の桜どき 佐藤鬼房
雑木黄葉いづこか人の殺めらる 鈴木貞雄
山霊に殺められたし星月夜 長山順子
蛇よりも殺めし棒の迅き流れ 鷹羽狩行
秋の暮鶏殺めたる手を垂らす 藤井旦
秋風や酒で殺める腹の虫 穴井太 原郷樹林
書庫の裏蟷螂蝶を殺めをり 山口青邨
折鶴を殺め無量光へ縋る 大鋸甚勇
滝壺に蛇を殺めし杖冷す 秋元不死男
誰殺めむと曼珠沙華並び立つ 坂本謙二
内視鏡に映れる蝶を殺めんか 長谷川草々
美男なる夜の鮃を殺めけり 小田嶋野笛
鰭酒や殺めた蛇のことを言ふ 内田美紗 魚眼石 以降
仏飯を盛る茶毒蛾を殺めし手 龍山壬生子
蓬は木に母を殺めし思ひ出に 河原枇杷男
蔓萌ゆる殺めたる木の姿して 中戸川朝人 尋声
夢にゐて母を殺めし梅雨晴間 石寒太 夢の浮橋
凌霄やギリシャに母を殺めたる 矢島渚男
凌霄やギリシヤに母を殺めたる 矢島渚男
凌霄やギリシャに母を殺めたる 矢島渚男 天衣
蜻蛉とまるこの指人を殺めずや 山口青邨


殺生

いたつきの身に殺生の蛇を打つ 木村蕪城 一位
つぐみ食ふ殺生に日の短かけれ 中山純子
のぞき見て簗の殺生地獄かな 桜桃子
鵜の篝夜の殺生の赤々と 橋本多佳子
鵜の篝夜の殺生の明々と 橋本多佳子
鵜篝や殺生図絵のかぐはしく 桂子
塩胡椒して殺生や半夏生 鳥居美智子
芽柳に 殺生戒の川瀬の音 伊丹三樹彦
海鼠酢に漬ける殺生いたしけり 高澤良一 素抱
蟻地獄壊す殺生見る殺生 宇咲冬男
高野にもある殺生や蟻地獄 乾一枝
殺生といひつつ励む鳥屋師かな 福田蓼汀 山火
殺生と我笋は思ひけり 三宅嘯山
殺生と思わずに打つ冬の蝿 百瀬いつせ
殺生な略図に迷ひ秋の暮 高澤良一 暮津
殺生のあと口拭いてくすりの日 長谷川双魚
殺生のかくしなやかに投網打つ 品川昌子
殺生のまだなき深さ蟻地獄 野村久子
殺生の鮎釣る 磨崖仏に侍し 伊丹三樹彦
殺生の異見短し今朝の雪 怒風
殺生の一の鑑札罠猟師 百合山羽公 樂土
殺生の鵜川に沁みて能の笛 長田等
殺生の音からころと糸を引く 大野せいあ(年輪)
殺生の火のうつくしきおぼろかな 西島麦南 人音
殺生の具として握る蝿叩 小林康治
殺生の際の高音を神楽笛 藤田湘子 神楽
殺生の身を護らるゝ十夜かな 野村喜舟
殺生の水明け易し有田川 藤井冨美子
殺生の世を常として山桜 鈴木太郎
殺生の飛沫あがるや鮭生簀 長谷川櫂 虚空
殺生の網のもつるる秋の風 大木あまり 雲の塔
殺生の目刺の藁をぬきにけり 川端茅舎
殺生の目刺の藁を抜きにけり 川端茅舎
殺生の夜振かさねて峡に老ゆ 須田紅三郎(鴫)
殺生の薬莢朱し枯山中 荒井正隆 『父嶽』
殺生の愉快や山のしずり雪 宇多喜代子 象
殺生はいつも切なし蜆汁 北原志満子
殺生は捨てよ糸瓜の水取れよ 燕雀 星野麥丘人
殺生も見ざれば去りぬ蟻地獄 皆吉爽雨 泉声
殺生をあやつる鵜縄おもしろや 川崎展宏 冬
殺生を篝の照らす船遊び 辻田克巳
殺生河原風に穂を解く痩せ芒 高澤良一 随笑
殺生河原硫黄育ちの蝿勁し 矢島久栄
紙魚払ふ殺生戒の為めならず 山口誓子
飼はれたる殺生の鵜を憎みけり 小林康治
慈悲も知らず殺生も知らず十夜哉 十夜 正岡子規
人日に殺生の糸垂れており 西野昌男
水を出し殺生の鵜にとぶ火の粉 長谷川久々子「水辺」
水澄めり殺生の影とどめずに 渡辺恭子
切子火蛾よぶ殺生戒の身におもしろ 橋本多佳子
雪はらはず鴨殺生の傍観者 橋本多佳子
草津夜寒こんな湯加減殺生な 高澤良一 随笑
蒼さびて殺生磧雪置かず 上田五千石 森林
大百足虫殺生戒の尼おさふ 大橋敦子 匂 玉
鳥雲に殺生界は海に溺る 松村蒼石 雪
病む母に盆殺生の鮎突けり 新井盛治
墓地行きて目白殺生せるに逢ふ 山口誓子
蜂の巣をもやす殺生亦たのし 橋本多佳子
霧に呼びかく殺生河原の拡声器 高澤良一 随笑
夜明はや僧の殺生毛虫焼く 藤原如水
野をこめて鯉殺生の露明り 斎藤玄 狩眼
猟銃の重さ殺生知らぬわれ 百合山羽公 寒雁
猟銃音殺生界に雪ふれり 橋本多佳子
猟夫立つすでに殺生界の舟 橋本多佳子
凩の殺生河原吹き抜くる 大橋敦子
晨朝の殺生根切虫居りて 日野草城

殺戮

うつはものかく美しき世を生きて人は殺戮を慣ひとなしき 高橋睦郎 飲食
じつにしづかな晩霜の殺戮よ 坂戸淳夫
蟻地嶽眼下寂寥と殺戮と 加藤秋邨
殺戮/札束/新宿の夜に/<逝>く少女 林 桂
殺戮の涯し風ふき女睡れり 片山桃史 北方兵團
殺戮の岩戸に頭大(づだい)山椒魚 佐藤鬼房
殺戮の地やただ寒し何もなし 岡本眸
殺戮の歴史親しき夜長かな 櫂未知子 蒙古斑
殺戮の路しばらくは風光る 和田悟朗
殺戮へ降る雨黒く声阻む 佐藤鬼房
殺戮もて終へし青春鵙猛る 松崎鉄之介
殺戮も時の果なる青真菰 加藤秋邨
防諜と殺戮向日葵知っている 高澤良一 暮津
木の実いろいろガラス器に殺戮感覚 岡 あきら

半殺し

人の妻なぜか日永を半殺し 加藤郁乎


必殺

わが寝屋に出でし百足虫は必殺す 橋本多佳子
わが木の葉髪を焚火に必殺す 山口誓子
愛しコルト秘む必殺の弾丸を八つ 日野草城
虻は払ひ蠅は許さず必殺す 富安風生
身をくねる百足虫を見れば必殺す 山口誓子
必殺の機を窺ふや枯蟷螂 高澤良一 石鏡
必殺の恋の草矢を放ちけり 小島健 木の実
必殺を目論む妻の蝿叩 高澤良一 燕音

以上




by 575fudemakase | 2019-10-20 11:56 | 無季


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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