人気ブログランキング | 話題のタグを見る

2020年 1月 ねずみのこまくら句会の諸句

2020年 1月 ねずみのこまくら句会の諸句


お世話ですけど、自分なりに気付いた点附記致します

ザッと見て以下を抜いて見た。妄言陳謝。


 鴉一羽寒夕焼けを落ちてゆく

 鬣に氷柱の飾り寒立馬

 臘梅の枝の先兜太生れし町

 令和二年ぐっと減りたる年賀状

 令和2年賀状仕舞の増えにけり

 落柿舎の冬日に拡ぐ嵯峨日記

 有明の月傾けて蜆掻く

 放水は七色に映え出初式

 薄墨の雲に籠る陽枇杷の花

 日に温み雀とまろむ着膨れて

 湯治場に星を見る椅子山眠る

 冬うらら釣人に鷺つきっきり

 天帝の吐息に散るや冬紅葉

 追焚きの湯やゆらゆらと柚子逃げて

 注連飾りお神酒を注ぐ烏帽子岩

 弾初の八十路のビオロン覚束無

 大富士に虹掛かりたり出初式

 大寒の登り窯より炎立つ

 雪吊りの女庭師の縄捌き

 水脈たてぬ寒の真清水十六井

 伸餅を伸しゐて身ぬちほっかほか

 初富士や海賊船を入れて撮る

 初日さす方湖霧を剥がし行く

 初春や茶寿までと詠む百二歳

 初御空平城宮址千切れ凧

 産土神の千木をこぼるる初雀

 根雨といふ駅名が好き鴛鴦が好き

 口遊み山辺の道若菜摘む

 顧みて最晩年や冬日向

 権勢も今は昔の松飾る

 巻きゆばの煮〆ほっこりお正月

 寒靄を朝日の剥がす斜張橋

 寒の雨畑の鴉を黙らせて

 学園の中抜けの径笹鳴けり

 凱風快晴五輪イヤーの大旦

 何やかやあって今日書く初日記

 庵治石(あじいし)の切り場に発破音凍る

 その夫の病むをぽつりと年忘れ

 こきりこの影絵の躍る榾明り

 ウオーキング冬日を額に貼り付けて

 いただいてゆっくりと置く雑煮箸


鳥渡気になる点。


  落とすもの落として光る冬欅

(落とすもの落とし尽して冬欅)落とす と 光る 二つ入るとうるさくないか?

  柚子二つ湯に浮き暮しつつましき

(柚子二つ湯に置きつつましき生活(たつき))

  木枯らしの奥の木枯らし聞いてをり

(聞いてをり は何処か流れる: 木枯らしの奥の木枯らし聞くことも)

  福笑ひ笑ひを誘ふ子の笑ひ

(笑ひ3つはわざとらしい: 福笑笑ひを誘ふ子の笑まひ)

  冬麗といふ群青の空のあり

(冬麗といふ群青の空の丈)あり なんてぼかさないで云い留めたらどうか?

  丁寧に耳掃除して年惜しむ

(丁寧に耳掃除して年逝かす 若しくは 丁寧に耳掃除して年納む)

  酔覚めの即効薬か寒の水

(酔覚めの即効薬とし寒の水)ぴしっと云い留めたら?

  身のぬちに漲れるもの初やいと

(身の内に漲れるもの初やいと:「見ぬち」は言葉として成立、しかし「身のぬち」は無理。「ぬち」を辞書で牽いてみると、「ぬち」=「のうち」の音変化。さすれば、「身のぬち」=「身ののうち」となりおかしい)

  親族集ひ古九谷皿の節料理

(おじおば等と古九谷皿の節料理: 親族集ひ は少し硬いのでは?)

  神刀に祓はれどんど勢ひ爆づ

(神刀に祓はれどんど火勢ひ起つ)

  松の内鈴落ちて居しエレベーター

(松の内鈴落ちて居し昇降機)昭和を思わす呼び方の方が面白い。昭和製造のエレベーター。

ここからはわたくし事。私がNECに入社したのは昭和39年。本社ビルは四五階建てのビル。外装はコンクリ。内装はニス塗りの木材質の重厚な作り。そんな建物の正面にエレベーターがあり、倶楽部活動の時刻になると、俳句では大野林火先生、合唱指導では藤山一郎氏が乗り込んで来て、はち合わせをしたのである。戦後、先生方が小遣い稼ぎに各社の倶楽部活動を指導していたのである。

私の俳句との縁もここから始まっている。そんな昔のことをこの句は思い出させてくれた。

  手を挙げて別るる上に寒満月

(手を挙げて別れ告ぐ友寒満月)満月下 でもいいだろう。秋の句になるが…

  枯草に陽ざしの溜まりあたたかし

(古草に陽ざしの溜まりゆく小昼)あたたかし と急ぎ駄目押しするよりも淡々と叙した方が句は強くなると思う



以上




by 575fudemakase | 2020-01-19 19:25 | ねずみのこまくら句会


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

カテゴリ

全体
無季
春の季語
夏の季語
秋の季語
冬の季語
新年の季語
句集評など
句評など
自作
その他
ねずみのこまくら句会
ブログ
自作j
自作y
j
未分類

以前の記事

2024年 11月
2024年 10月
2024年 09月
more...

フォロー中のブログ

ふらんす堂編集日記 By...
魚屋三代目日記
My style

メモ帳

▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

検索

タグ

最新の記事

最近の嘱目句あれこれ16  ..
at 2024-11-02 07:22
最近の嘱目句あれこれ15  ..
at 2024-10-30 06:49
最近の嘱目句あれこれ14  ..
at 2024-10-30 06:30
我が家の吊り鉢風景
at 2024-10-25 08:15
寺前八幡神社のぎんなん
at 2024-10-25 07:58
美しい秋の風景
at 2024-10-10 05:04
最近の嘱目句あれこれ10月 ..
at 2024-10-10 02:38
小沢信男 俳句世がたり 岩波..
at 2024-10-08 07:58
句集 鎌倉是空 前田吐実男を..
at 2024-10-07 05:29
最近の嘱目句あれこれ13  ..
at 2024-10-01 06:05
最近の嘱目句あれこれ12  ..
at 2024-09-27 10:23
山本健吉「ことばの歳事記」(..
at 2024-09-27 07:41
【やませ 山背】
at 2024-09-27 04:34
最近の嘱目句あれこれ11  ..
at 2024-09-19 06:32
俳句結社 童子(2024年9..
at 2024-09-18 04:06
最近の嘱目句あれこれ10  ..
at 2024-09-13 09:41
最近の嘱目句あれこれ9  2..
at 2024-09-11 00:12
最近の嘱目句あれこれ8  2..
at 2024-09-08 09:32
一徹
at 2024-09-02 13:26
最近の嘱目句あれこれ7  2..
at 2024-09-01 15:12

外部リンク

記事ランキング