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(人物評)・マイナス の俳句

(人物評)・マイナス の俳句

人並み 世間並み 十人並み 一通り 平凡 平々凡々 陳腐 常套 月並み 凡庸 お定まり 
平板 一本調子 金太郎飴 ワンパターン マンネリ ステレオタイプ 通り一遍 紋切り型 
愚の骨頂 愚昧 蒙昧 暗愚 痴呆 鈍感 猿知恵 浅はか 無定見 無能 能無し 鈍ら 生嚙り 
生半可 半可通 非力 無力 音痴 無知 不勉強 珍紛漢紛 ちんぷんかん 不肖 半人前 青臭い 
お人好し 二流 三流 マイナー 稚拙 拙劣 下手糞 へぼ 
不出来 不細工 不器用 ぶきっちょ 不得手 苦手 どじ 愚図 鈍間 間抜け 盆暗 卑し




【人並み】

絮たんぽぽ肺活量は人並み以下 高澤良一 宿好
春著きて十人並の娘かな 中村七三郎

【一通り】

籬菊や花のうら道一通り 加藤曉台
落葉一通り掃いてきた髪をつくろう 荻原井泉水
一通り聞きて入院梅雨海鼠 高澤良一 鳩信
一通り梅林を見て引き返す 高澤良一 宿好
一通り猪の牙の跡の薄かな 之道 俳諧撰集「藤の実」
一通り消息つげて日の盛り 中村汀女
一通り見せ呉れ目白の軽業芸 高澤良一 素抱

【平凡 平々凡々】

鰊燃ゆ平凡な日の夕厨 田川飛旅子
茘枝裂け少し平凡から覚める 正木志司子
緑平雀の句いつも平凡にして達者らし 荻原井泉水
木瓜の花愛でてそして平凡に生きる 中村青鈞
夢のみが平凡ならず昼寝覚 嶋田一歩
返り花見しほか一日平凡に 山田弘子 螢川
平凡無事にて朝の海苔あぶる 瀧井孝作
平凡を大切に生き夫年今年 稲畑汀子 春光
平凡を大切に生き去年今年 稲畑汀子
平凡を心に秘めて初諷経 内田たま子
平凡を仕合せとして屠蘇祝ふ 森 白象
平凡を願ふくらしや胡瓜漬 三沢久子
平凡を噛みしめてゐる端居かな 大野林火 月魄集 昭和五十六年
平凡を佳しとして来し去年今年 浅井青陽子
平凡も非凡もあらず青木の実 青柳志解樹
平凡は幸福なこと町紅葉 高田風人子
平凡の無念が父母の後光ぞよ 江里昭彦 ロマンチック・ラブ・イデオ口ギー
平凡の長壽願はずまむし酒 杉田久女
平凡の長寿願はず蝮酒 杉田久女
平凡の長寿願はずまむし酒 杉田久女
平凡に筍梅雨の墓一基 高野素十
平凡に老いて座にあり初句会 宮内保寿庵
平凡に椎樫どもの耐へる冬 田川飛旅子
平凡に雪にこもりて松の内 川田 政尾
平凡に生き小火ほどの鶏頭花 栄田しのぶ
平凡に生きて秋刀魚の夕餉かな 前川良雄
平凡に咲ける朝顔の花を愛す 日野草城
平凡に妻と連れ立ち初大師 橋本花風
平凡に五十頭上の初雀 石田波郷
平凡に勤め驕らず花石榴 野中紫陽
平凡に過ぎたる年を惜しみけり 森田君子
平凡に嫁ぎゆきしが幸福なり 安住敦
平凡に榎の花の仰がれぬ 寒食 星野麥丘人
平凡にはや極月となりにけり 中川玉枝
平凡な余生楽しや日記買ふ 本橋勝美
平凡な名前も良かれ雛飾る 松原初枝
平凡な名前がよけれ女の子 筑紫磐井 花鳥諷詠
平凡な暮らし夕虹に飾られる 松野加寿女
平凡な暮し覗きに小鳥来る 柚山悦子
平凡な日々のある日のきのこ飯 日野草城
平凡な女に生きて針納む 山田弘子 初期作品
平凡な妻の倖はせ色足袋はき 柴田白葉女
平凡な妻になりたき初詣 菖蒲あや
平凡な笠をうなづき冬灯 高田風人子
平凡な柿と一緒に朽ちにける 櫂未知子 貴族
平凡な花火上りて淋しけれ 高浜虚子
平凡な往還かがやく蛇の殼 沢木欣一
平凡な雨の一日半夏生 宇多喜代子 象
平凡なをんなに咲きぬ茱萸の花 三橋鷹女
平凡といふ幸せに西瓜切る 寺岡捷子
腹巻して狸のごとし平凡なり 金子兜太
猫が仔産めり平凡なる仔ばかり 右城暮石 句集外 昭和三十年
日日好日とは石の平凡なるあたたかし 荻原井泉水
冬がすみ山平凡につづくかな 阿部みどり女
蔦若葉平凡大の浮世かな 永田耕衣
朝顔蒔く平凡といふかくれみの 藤田湘子 神楽
昼寐覚めけふも一日平凡に
双六や眉目平凡にわが娘 日野草城
双六や屑目平凡にわが娘 日野草城
世のなか平和、人生平凡なる暑中御見舞もよし 荻原井泉水
障子白く平凡に朝はじまれり 岡本眸
初夢もまた平凡でありにけり 岩岡中正
春雪や味噌壺の蓋とる妻の平凡な幸福 橋本夢道 無礼なる妻
春宵の自動車平凡な人と乗る 藤木清子
春の雨降る平凡という明日 対馬康子 純情
子に生きる平凡妻と晦日そば 鴨下秀峰
菜の花といふ平凡を愛しけり 富安風生
元日や富雄平凡極まれり 右城暮石 句集外 昭和二十二年
金魚玉いつしか妻も平凡に 田畑美穂女
岩を下り又平凡に街へかえる 石橋辰之助
花割つて平凡な日の泰山木 古館曹人
いもうとの平凡赦す謝肉祭 林 桂
いちじくもざくろも食はず平凡に 亭午 星野麥丘人

【陳腐】

鳥帰る陳腐な日々の待つ屋根ヘ 櫂未知子 貴族
青葦で肌切られしという陳腐 金子兜太
人生は陳腐なるかな走馬燈
初夢の陳腐に腹を立てゝをる 川崎展宏 冬
紅梅に雪の陳腐なる正月をよしとする 荻原井泉水
挨拶の陳腐なれども初扇 阿波野青畝
つじつまの合ふ句は陳腐蝉しぐれ 高澤良一 暮津

【常套】

誰彼死ぬ 唇噛むとは常套語 伊丹三樹彦
あゝあゝとして常套の山あけび 安井浩司 風餐

【月並】

月並句供へて糸瓜忌を修す 右城暮石 句集外 昭和四十五年
月並を重ね非凡な年男 松尾悦子
月並や女礼者の朝帰り 加藤郁乎
月並みを恐れず恥じず名月吟 高澤良一 鳩信
月並は何と聞くらん子規 時鳥 正岡子規
月並の俳諧の徒の蒼*きう忌 梅津 光
月並の短冊掛けて炬燵船 森田 峠
月並の句碑をよろこぶ蜥蜴かな 阿波野青畝
月並の句碑ごろごろと春の山 山口青邨
月並の句をな恐れそ獺祭忌 茨木和生
月並のいまにめでたき既望かな 加藤郁乎 江戸桜
鴬宿の寺も月並俗に狎れ 平畑静塔

【凡庸】

凡庸や梅雨の向脛濡らしては 小林康治 玄霜
凡庸の病まぬが取り柄とろろ汁 塩川星嵐
凡庸な芽吹きの色でありにけり 高澤良一 燕音
夏草や凡庸の性あきらめず 渡部春水

【平板】

毬に見え平板に見ゆ揚花火 山口誓子
平板にこほろぎが鳴く寝ねにけり 館岡沙緻
平板な石の念力蝶をとどむ 橋閒石

【一本調子】

都忘れ男は一本調子の唄 阿部完市 無帽

【金太郎飴】

梅に新月舌にもたつく金太郎飴 三橋鷹女
冬うらら金太郎飴と智恵の輪と 渡辺のぶ子
着ぶくれて金太郎飴いまも不思議 望月百代
金太郎飴児と頒ちあふ子供の日 河本好恵

【マンネリ】

マンネリのリズムで冬日使い切る 丹羽美智鴣

【紋切り型】

夜の蝉も十七文字も紋切り型 高澤良一 素抱
序破急の紋切り型も年の暮 佐藤鬼房
鷺翔つて紋切り型の蝌蚪残る 平井さち子 完流
ごにょごにょと云ひて夜蝉の紋切型 高澤良一 随笑

【愚の骨頂】

昼蛙愚の骨頂と啼くなめり 高澤良一 素抱
愚の骨頂とまでは行かねど万愚節 細谷定行

【蒙昧】

蒙昧の*まくなぎに目をふさがるる 百合山羽公 寒雁
春大根を無知蒙昧と君は言へるか 栗林千津
その昔蒙昧宿や狩の宿 辻桃子

【痴呆】

薺粥痴呆の母の口へさざなみ 安西 篤
父の痴呆冗談ならむ松明くる 徳武和美 『梅の香をり』
猫じやらし痴呆といふは眩ゆかり 斎藤玄 狩眼
竹落葉拾へり痴呆軽度の母 高澤良一 暮津
痴呆すすむ母と小春のメープルティ 高澤良一 石鏡
蝉しぐれ痴呆の母と禅問答 高澤良一 暮津
震へつつ痴呆のからだ水を呑む 高島筍雄
言替えても痴呆は痴呆秋彼岸 高澤良一 暮津
帰燕過ぎ朝痴呆めくシネマ街 高井北杜
賀状書く痴呆かなしき友ひとり 細見しゆこう
卯の花や一夜飲まねば痴呆めく 皆川白陀

【暗愚】

雷去りて ひとら暗愚の白飯くへる 富澤赤黄男
吾暗愚死して寒晝の壺とならん 細谷源二
虚子忌なりひとの暗愚の見えにけり 藤田湘子 てんてん

【無能 能無し】

螻蛄泳ぐ無能嘆かふこともなく 冨田みのる
恪勤の彼の無能は覆ふべきか 日野草城
命ありけり能無しの生身魂 阿波野青畝
能無しよ寒夜の湯舟溢れしめ 鍵和田[ゆう]子 未来図
能無しの父の道草くすり草 攝津幸彦 鹿々集
天地に凋む能無き牡丹かな 永田耕衣 人生
鉄線花叛骨にして無能なり 香西照雄
春埃無能の自影でうるほふかに 香西照雄
覚めて視る無能のもろ手明易し 鷲谷七菜子

【鈍らす】

文月の沼面鈍らす日を雲に 石川桂郎

【非力】

鳴く程に蝉の非力を思はする 高澤良一 随笑
鳴き通すことが全てや蝉非力 高澤良一 素抱
万緑に吾が眼鏡澄み吾が非力 楠本憲吉
法脈を非力にうけて法然忌 野島無量子
武士(もののふ)の風貌に似ず蝉非力 高澤良一 素抱
非力多力あぎとひの言放生会 中村草田男
非力多力あぎとひの音放生会 中村草田男
非力者を嗤ひし人に天寒し 中村草田男
非力もて縛す縦横幟竿 右城暮石 句集外 昭和四十三年
梅雨の灯に非力な鬼は図形引く 山本春穂
脱穀機音大きこと非力ゆゑ 宮津昭彦
蝉非力一陣の風起てば墜つ 高澤良一 素抱
秋風に肥えて非力の一裸身 飯田龍太
児が掬ふ泉非力な父の前 佐藤鬼房
詩も非力すこしの灰を照らす燠 香西照雄
詩も非力かげろう立たす屋根の石 寺山修司 『われに五月を』
残る蝉非力非力と鳴けるなり 高澤良一 暮津
雑炊に非力ながらも笑ひけり
厚氷妻の非力を刎ねかへす 日野草城
迎鐘つくや非力の一心に 橋本月登
なか空のひかり非力のすみれ草 飯島晴子

【無力】

燻る炉に咽び無力の教師ぶり 津田清子 礼 拝
涸池に下りてしまえば無力なる 阿以鎮雄
黙祷の一分無力なる頭脳 石川青狼
無力にてつめたくしたり黄揚羽に 永田耕衣
無力にてしづかに靴を脱ぎにけり 小寺正三
風の威を借らねば無力鳥おどし 多田蒼生
病めば無力にやりと笑ふばかりにて 木下十三
日々落葉夫の仕事にわれ無力 岡本眸
春著ひらりと来て 去る 無力な虎の眼に 伊丹公子 メキシコ貝

【音痴】

父も子も音痴や野面夕焼けて 伊丹三樹彦
声よくて少し音痴な初音かな 大西常江
春月と音痴が登る螺旅階 やしま季晴
根っからの音痴に生まれグラジオラス 高澤良一 暮津
月夜ゆく音痴の歌も愛すなり 能村登四郎
夏休み果つよ音痴のハーモニカ 中谷朔風
音痴にも第九は沁みる冬の雨 佐藤鬼房

【無知】

無知が可愛彩とりどりの鳳仙花 福田蓼汀 秋風挽歌
春大根を無知蒙昧と君は言へるか 栗林千津

【ちんぷんかん】

打つ鐘もちんぷんかんや菩薩祭 一茶
花の月のとちんぷんかんのうき世哉 一茶 ■文化八年辛未(四十九歳)

【不肖】

盲眼寒く母葬るわれ不肖の子 金子晃典 『望郷独語』
不肖の娘三人桔梗の芽に雪 塚本邦雄 甘露
不肖なり夜の秋より習ひごと 中原道夫
葱の花かくも不肖な長子ゐる 中原道夫
雪国に雪なく不肖の弟子は隅 縄田屋朗々 『きりたんぽ』
西虚子忌不肖ながらに吾老いし 阿波野青畝
枝豆や不肖の弟子も弟子のうち 安住敦
雑炊やつくづく不肖なることも 永井龍男
ゆくとしやいつ不肖なる顔もせず 三宅嘯山
まゆ玉を年々吊し不肖の弟子 安住敦
セルを着て不肖なる子も老いむとす 百合山羽公 故園

【青臭し】

茗荷竹いつまでも心青臭し 浅羽緑子
茗荷竹いつまでこころ青臭し 浅羽緑子
朝霜や猶青臭き莖菜桶 正岡子規 朝霜
草すべりして青臭し春の岡邊 三橋敏雄
青葉青臭しまさかの脳出血 高澤良一 暮津
青臭き蕃瓜たうべて刀自の健 久米正雄 返り花
狐火見て梅雨の枕の青臭し 殿村莵絲子 牡 丹

【二流】

しづり雪二流の人と遂げにけり 加藤郁乎

【稚拙】

蜷のみち船笛もまた稚拙なり 鷹羽狩行
老人の稚拙はげまし水車 三橋鷹女
燃えだしてまだ稚拙なる大文字 高橋克郎
冬の近さで 釘を打ちこむ稚拙な音 伊丹三樹彦
稚拙な唄すぐに流行りて麦の秋 鍵和田[ゆう]子 未来図
春秋に富む君たちの稚拙な句 筑紫磐井 花鳥諷詠
古九谷の虎の稚拙に年新た 沢木欣一
現在も稚拙な愛なり氷菓を木の匙に 磯貝碧蹄館
建立地蔵の稚拙な極彩 野菊晴 伊丹三樹彦
却つて稚拙四十路の恋の雪模様 石川桂郎
干柿を作り稚拙を喜べり 後藤比奈夫

【拙劣】

拙劣に夜寒火起す独りもの 田川飛旅子

【へぼ】

六波羅へぼたん見にゆく冬至かな 飯田蛇笏 山廬集
励ましてばかりを悔むへぼ茄子 小林寿子
八月やひと山売りのへぼ胡瓜 鈴木真砂女
朝もぎの「つ」の字「く」の字のへぼ胡瓜 高澤良一 暮津
身ほとりに置ける団扇とへぼ俳諧 高澤良一 暮津
実篤の絵のへぼ胡瓜揉みたるか 上田五千石『琥珀』補遺
故郷や上がり框にへぼ南瓜 二宮貢作
遺伝子の気まぐれ憎しへぼ胡瓜 角田双柿
へぼ胡瓜盆の仏の馬になれ 松野自得
へぼ胡瓜地を擦るばかり忍野町 新井佳津子
へぼ胡瓜生らして恙なきわが家 佐藤鬼房
へぼ胡瓜ヘルパーさんにお裾分け 高澤良一 暮津
へぼきうり採らんとすなり苗を植う 山口青邨
ステテコで八十八夜のへぼ将棋 中根久治

【不出来】

蠅叩そんな不出来と思はれず 高木晴子 花 季
涅槃婆欠けてやしようまやゝ不出来 島崎五穂 『さざれ石』
抱へゆく不出来の案山子見られけり 松藤夏山
不出来なる粽と申しおこすなる 夏目漱石 明治三十年
蔦かづら松の根本の不出来かな 為有
虫ついて不出来の煙草掻き捨てる 松尾緑富
象の鼻少し不出来や花祭 相原雨稲
嵯峨菊を括りて不出来目立ちけり 山田弘子 初期作品
見るからに不出来の鳴子引けば鳴る 中谷楓子
鏡餅不出来人工衛星の世や 山口青邨
一の関すぎていよいよ不出来秋 鷹羽狩行

【不細工】

不細工を親に手向ル灯篭哉 白雪
不細工よ牡丹の木(ボク)の枯れざまは 高澤良一 素抱
不細工もよしよしと吾が雪兎 飯島晴子
不細工は不細工なりにもみづれり 高澤良一 宿好
不細工のいよいよ寂し鳥おどし 柏茂
不細工に柘榴の花も咲にけり 白雪
眼鏡なき不細工な顔冬の霧 中拓夫 愛鷹

【不器用】

浚渫船不器用芦は芽ぐみそむ 岸風三楼 往来
捩花や六十路のいまも不器用に 谷内田和子
飽食の世に不器用な桐一葉 島田妙子
父に似ぬ不器用可笑し目借時 小松崎爽青
不器用をかくすすべなし障子貼る 衣巻新風子
不器用も器用も一生去年今年 榎本木作
不器用に動くががんぼ日暮れどき 関由紀子
不器用に生き片隅の春惜しむ 鈴木鈴風
不器用に生きて目刺を裏返す 竹村幸四郎
不器用に生きて草矢のよく飛べる 山本静桜
不器用に出來て案山子のあはれ也 案山子 正岡子規
不器用に警察官が蝿叩く 加藤良彦
不器用に願の糸を結ぶ吾子 稲畑廣太郎
不器用に乾く障子を叱るなり 中原道夫
不器用にして無器用やむぎこがし 草間時彦 櫻山
不器用にして根はあり毛糸編む 糸賀千代
不器用な佛の顏も秋の暮 秋の暮 正岡子規
不器用な夫婦の會話萬兩に 石田あき子 見舞籠
不器用な男結びも冬ごもり 橋閒石 微光
不器用な男らばかり芋煮会 鈴木雅子
不器用な我が手つきかな葡萄食ふ 右城暮石 虻峠
不器用なところも母似牡蛎女 岡本輝久
葱坊主みな不器用の独り立ち 柴崎左田男
土鳩の巣不器用な子が家を継ぐ 田村陽子
長き夜を眠ることにも不器用な 浅野久子
星あひや不器用なればいかにせむ 角川源義
春の蛇に会ひ不器用に相見合ふ 宮津昭彦
自宅附近にきて不器用な靴音さす 仲上隆夫
左手は草ひくさへも不器用な 遠山安津子
五葉松歩く玉虫不器用に 右城暮石 散歩圏
額の花多感中年不器用に 河野多希女 彫刻の森
蟹を追ふ足指不器用に五本あり 長谷川かな女 花寂び
衣被剥くにつけても不器用な 島田みつ子
バナナむく器用不器用なかりけり 稲畑汀子
ずわい蟹食ぶる器用と不器用と 椎橋清翠
サーフィン器用不器用まる出しに 右城暮石 散歩圏
この齢の指の不器用 サモサ喰う 伊丹三樹彦

【ぶきっちょ】

機械工海ぶきっちょにたたく泳ぎ 細谷源二 鐵

【不得手】

涅槃図に泣くこと不得手げに侍る 後藤比奈夫
惣領に生まれて夜濯ぎなど不得手 高澤良一 暮津
家かえて不得手の屋根へ野分哉 許六

【苦手】

齢取ったかな蓮根はやや苦手 高澤良一 寒暑
穂積憲法最も苦手大試験 富安風生
腹わたはどうも苦手や秋刀魚食ぶ 高木晴子
二人して猫が苦手や漱石忌 池亀恵美子
地下鉄も苦手の一つ震災忌 福井一歩
算数は苦手草笛得意なり 石塚春美
左眉描くのは苦手金魚玉 大石悦子 百花
口論は苦手押しくら饅頭で来い 大石 悦子
苦手の友胸にハンカチ覗かせ来 伊丹三樹彦
禁欲はなにより苦手厄詣 茨木和生 倭
芋煮るや気に入りの弟子苦手の弟子 安住敦
みみづくの雨は苦手と見ゆ素振り 高澤良一 さざなみやつこ
つばくらや苦手なことを先にして 光恒頼子
ただでさへ苦手な朝の寒さかな 今橋真理子
あやとりが苦手*かりんのみないびつ 岩淵喜代子 硝子の仲間

【どじ】

接骨木のおおどじ踏んで咲きにけり 高澤良一 ぱらりとせ

【愚図】

十三夜愚図の男の身透くか 佐藤鬼房
支那緞通わざと愚図愚図してゐたり 飯島晴子
仕方なく愚図な金魚を掬ひけり 須川洋子
虎落笛三日月を背に愚図をいう 大島和夫
愚図愚図の筆あはれめや冬の鵙 上田五千石 天路
愚図愚図と熟柿の息の春の霧 金子兜太
愚図ついていつになったら五月晴れ 高澤良一 随笑
寒鴉愚図愚図してはをられぬぞ 石嶌岳
みぞはぎは大好きな花愚図な花 飯島晴子
またありぬ愚図颱風の雨のおと 高澤良一 随笑

【間抜け】

炉話の間抜けな鬼に終りけり 太田土男
夜の雪崩カムイと人の間抜け 依田明倫
防風摘む砂さらさらと指間抜け 大川幸子 『小春日和』
蔵の間抜けて見に行く夜光虫 茨木和生 遠つ川
吹き晴れて間抜けな音の威し銃 細川加賀 生身魂
患者の間抜けて夕涼二輪車駆る 岸田稚魚 紅葉山
威し銃とは間抜けもの 葛の花 伊丹三樹彦

【卑し】

鶯笛細工こまかくして卑し 百合山羽公 樂土
裏庭の榊の花も卑しからず 阿部みどり女
裏庭のさかきの花も卑しからず 阿部みどり女
目白捕言葉も卑しからざりし 茨木和生 往馬
無花果もみだりに多くして卑し 百合山羽公
無花果のみだりに多くして卑し 百合山羽公
朴落葉拾ひて卑しからざりし 後藤比奈夫
卑しきは夏痩せさへもせざるとき 山田みづえ 木語
煤掃いて卑しからざる調度かな 村上鬼城
土をでてすぐに卑しき地虫なり 百合山羽公 故園
昼の蚊のこゑの卑しき藪の中 飯田龍太
石蕗卑し湯屋の煙の一すぢに 沢木欣一
丞相のことば卑しく年暮るゝ 飴山實
照葉より卑しく光るもちの串 栗生純夫 科野路
焼酎は卑しき酒か二杯まで 亭午 星野麥丘人
春塵や木馬の金の目の卑し 中村和弘
春の雁市井の夕日卑しかり 石原舟月
秋の蠅静かに這へり卑しからず 高橋淡路女 梶の葉
皿絵卑しく無花果のせて貰ひけり 長谷川かな女 雨 月
狛犬の口紅卑し留守の宮 阿波野青畝
好色を卑しとはせず西鶴忌 下村 梅子
吾ながら卑しき日焼手首かな 飯島晴子
月光の霧に電燈光卑し 西東三鬼
句を念ふときしも黄なる蝶卑し 山口誓子
頑に己れをまもり来しことの卑しくもあるか木犀にほふ 杜澤光一郎
葛よ光れ低姿勢とは卑しい語 赤城さかえ
家系卑しからず牡丹を愛しつゝ 橘華子
化粧塩却つて卑し桜鯛 阿波野青畝
サルビアの卑しと見れば紅燃やす 百合山羽公 樂土
この牡丹卑しけれども杖を立て
うぐひすや卑しからざる朝の耳 磯貝碧蹄館

以上


by 575fudemakase | 2020-03-06 14:00 | 無季


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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舟・渡し  の俳句
at 2022-05-22 14:51

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