人気ブログランキング | 話題のタグを見る

【雪の夜】

【雪の夜】

あくがれし雪国に来て飛雪の夜 大島民郎
いまはには妻ばかりあれ雪の夜 小鳥幸男
オカリナの少年雪の夜の地下街 石寒太 翔
きぬぎぬや絶頂雪の夜を創る 古市絵未
こがらしの夜や雪の夜や月照らす 山口誓子
この音は魚群移動や雪の夜 高野ムツオ 蟲の王
ニポポ人形抱かせてもらふ雪の夜 影島智子
みどり児にことばを尽す雪の夜 岩淵喜代子
みどり児の知恵ふかめいる雪の夜 穴井太 原郷樹林
らうたけてあはれや雪の夜を眠る 太田鴻村 穂国
一姫にニ太郎三は雪の夜に 木内彰志
宇治川や雪の夜明の下り舟 正岡子規 雪
河豚ちりの白子とけゆく雪の夜 橘棟九郎
階段にズボン脱ぎ捨つ雪の夜 皆吉司
客間洩る寝語りに雪の夜の明くる 宮武寒々 朱卓
銀紙を剥く雪の夜のチヨコレート 橋閒石 雪
君子蘭花芽をほのと雪の夜 松崎鉄之介
月雪の夜をあらそへる風情かな 井上士朗
言葉と言葉博ちあひ別る飛雪の夜 能村登四郎
語り足らひしゆたかさ雪の夜をもどる 金尾梅の門 古志の歌
産神に雪の夜さりの橇の鈴 深谷雄大
子に如何な人現れむ雪の夜の林檎 文挟夫佐恵 黄 瀬
子のたつる茶に正客よ雪の夜は 大野林火 雪華 昭和四十年
鹿の斑を想ひて雪の夜の湯浴み 鷹羽狩行
酒こぼれし膳に雪の夜蟹ちぎる 猿橋統流子
女に捨てられたうす雪の夜の街燈 尾崎放哉
小用にたつも楽しき雪の夜 右城暮石 句集外 昭和十年
掌に崩す葛粉のくくと雪の夜 佐藤喜代子 『水の綺羅』
信州では雪が来たといふ静かに雪の夜を思ふかな 谷口喜作
深海の鮫となりおり雪の夜 松原君代
人体は薔薇のごとしや雪の夜 高野ムツオ 鳥柱
酔うてまた階段降りる雪の夜 対馬康子 吾亦紅
折鶴を千羽折るまで雪の夜 こでまり
雪の夜かの世の音に耳澄ます 高林文夫
雪の夜にたかぶることもなくなれり 山口誓子
雪の夜に座しきうれしや久しぶり 樗良
雪の夜に鉄匂はせて機械ほてる 三好潤子
雪の夜の*をこぜ可愛や刃を入れよ 矢島渚男 梟
雪の夜のいつも彼の星あるばかり 高木晴子
雪の夜のインク瓶より海の音 高野ムツオ 鳥柱
雪の夜のうつばり軋み父いま亡し(父葬送) 細川加賀 『傷痕』
雪の夜のおつうになれと鶴を折り 市原ちゑ子
雪の夜のコップに泡のうきうきす 矢島渚男 延年
雪の夜のしづかな檻の中にをり 藤田湘子 てんてん
雪の夜のしづけさとなり鏡拭く 鷲谷七菜子 銃身
雪の夜のしみじみ紅粉花の乾燥花 山口青邨
雪の夜のパン売る雪の囮めき 斉藤夏風
雪の夜のひびくは林へだつ瀬か 大島民郎
雪の夜のぶだう酒すでに寂に帰す 柴田白葉女 花寂び 以後
雪の夜のヘヤピン海の匂いもつ 寺田京子
雪の夜のペンが懐剣なるは可笑し 吉田紫乃
雪の夜のほくろ飾りし眉目かな 石田波郷
雪の夜のほとけよろこぶ朱塗椀 神尾久美子 桐の木
雪の夜のむかしのごとく蕪蒸 黒田杏子 花下草上
雪の夜のらぢを・どらまの言とぎれ 伊丹三樹彦
雪の夜の一灯胸を去ることなし 雅人
雪の夜の華鬘といふ語消え去らず 平井照敏 天上大風
雪の夜の画集展けば鳥柱 高野ムツオ 鳥柱
雪の夜の絵巻の先をせかせたる 辻桃子
雪の夜の岩室甚句廓唄 浜アヤ子
雪の夜の機音くどきゐるごとし 吉野義子
雪の夜の泣くを愉しむ瞽女口説 竹田菁雨 『瞽女慕情』
雪の夜の勤行祖霊鎮めけり 岡田日郎
雪の夜の血はことことと巡るかな 橋間石
雪の夜の更けては父の匂ひこもる 佐野良太 樫
雪の夜の更けて雛の眉目描くと 桑田青虎
雪の夜の紅茶の色を愛しけり 日野草城
雪の夜の荒れし唇拭ふかな 鈴木真砂女
雪の夜の黒珈琲は沈痛に 日野草城
雪の夜の座敷童子と自在鉤 春樹
雪の夜の傘をどす狗子哉 尚白
雪の夜の子にほのぼのと種痘熱 細川加賀 『傷痕』
雪の夜の指をあふるる朱欒の香 渡辺千枝子
雪の夜の時計なき家沈みゆく 西東三鬼
雪の夜の耳より冷え来寝ぬべしや 鈴木真砂女 夕螢
雪の夜の手足は骨と皮ばかり 飯田龍太
雪の夜の獣園愛の懐中灯 鷹羽狩行
雪の夜の昇楽太夫あなとちり 岸田稚魚
雪の夜の硝子戸をしめつ音なし 大野林火 海門 昭和七年以前
雪の夜の醤油かんばし蘭(あららぎ)村 塚本邦雄 甘露
雪の夜の新妻といふ一大事 長谷川櫂
雪の夜の刃物を持てば若がへる 正木ゆう子
雪の夜の酢を効かせたる海鼠かな 角川春樹
雪の夜の水屋にこもる檜の香 影島智子
雪の夜の星のふかさの町に出づ 大野林火 海門 昭和七年以前
雪の夜の赤きものたゞ造花のみ 有馬朗人 母国
雪の夜の息ひそめ聴く湖の音 鷲谷七菜子 雨 月
雪の夜の卓の灰皿用はなし 鈴木真砂女 夏帯
雪の夜の短波放送より羽音 高野ムツオ 雲雀の血
雪の夜の男女をつなぐ糸電話 穴井太 原郷樹林
雪の夜の知らぬ誰かも帽濡れて 飯田龍太
雪の夜の停電テレビ尻すぼみ 平畑静塔
雪の夜の天地合掌はてしなし 照敏
雪の夜の電球の裡音こもる 大野林火 冬雁 昭和二十一年
雪の夜の冬剪りダリア束ねらる 夏井いつき
雪の夜の童話の国に紛れ込む 佐々木真理
雪の夜の毒薬買ひに行きしことも 竹下しづの女
雪の夜の乳房に裾野ありにけり 鳥居真里子
雪の夜の薄絹人形首をまげ 古沢太穂 古沢太穂句集
雪の夜の父のふとんに入る子ども 京極杞陽
雪の夜の風が訪ねるろくろ首 穴井太 土語
雪の夜の物語りめく寺院かな 池内友次郎
雪の夜の繭と灯りて麹室 高橋睦郎 金澤百句
雪の夜の夢見るものに海鼠かな 高橋睦郎 稽古
雪の夜の明るさ見ゆるもの皆信ず 細見綾子
雪の夜の盲の魚を眠らせよ 有馬朗人 母国
雪の夜の目を洗ふべく綿、茶碗 岡本眸
雪の夜の目覚めや誤字にかかづらふ 野澤節子 未明音
雪の夜の踊子の痣かくすなし 岸田稚魚
雪の夜の裸身のままで湯を落とす 岡本眸
雪の夜の利酒すぐに酔へりけり 村山古郷
雪の夜の隣家の声は母へかな 原田種茅 径
雪の夜の浪除(のたよけ)地蔵文弥かな 金子のぼる
雪の夜の藁塚今に動き出す 山口超心鬼
雪の夜の玻璃を鏡に踊子は 野中亮介
雪の夜はいつも彼の星あるばかり 高木 晴子
雪の夜はショーウィンドウの馬車駈ける 有馬朗人 母国
雪の夜はせめて静かにしてゐたく 星野 高士
雪の夜はピアノ鳴りいづおのづから 篠原鳳作
雪の夜はホルンとビオラ睦むかに 鈴木六林男 桜島
雪の夜は洩れ灯糸ひく時親し 大井雅人 龍岡村
雪の夜は遠き木魂に呼ばれをり 金箱戈止夫
雪の夜は何の響に鍋のつる 傘下
雪の夜は火斑(ひがた)奪ひに鬼が来る 佐川広治
雪の夜は高野に電話してみたや 大野林火 飛花集 昭和四十八年
雪の夜は手を見てあかぬ長き病 西東三鬼
雪の夜は梢をおもふ床柱 正木ゆう子 静かな水
雪の夜は厨辺の妻さへ遠し 加倉井秋を
雪の夜は厨邊の妻さへ遠し 加倉井秋を 『午後の窓』
雪の夜は竹馬の跡に我つれよ 路通
雪の夜は美(よ)し 灯と 嬰児の瞳 富澤赤黄男
雪の夜もゆかた一つや滝まうで 奈良-含粘 俳諧撰集「有磯海」
雪の夜も木乃伊は金の棺の中 有馬朗人 知命
雪の夜やうなづかしめて妻あはれむ 千代田葛彦
雪の夜やかくかく曲る駅地下道 右城暮石 句集外 昭和三十四年
雪の夜やたしかに翌をまつ心 鈴木道彦
雪の夜やつぶ貝の蓋ひつこんで 八木林之介 青霞集
雪の夜やとりわけ佐野の薪買ん 宗波
雪の夜やひとり釣瓶の落つる音 千代女
雪の夜やホツトオレンジの匙長し 内藤吐天 鳴海抄
雪の夜やわすれ/\に梅匂ふ 松岡青蘿
雪の夜やわすれ~に梅匂ふ 松岡青蘿
雪の夜や遠つ世を鳴く鶏の声 佐野良太 樫
雪の夜や家をあふるる童声 前田普羅
雪の夜や火はともさねど石灯篭 万子
雪の夜や臥せば胸中水奏づ 根岸善雄
雪の夜や隅田の渡し舟はあれど 正岡子規 雪
雪の夜や口はなされぬ御酒の間 越人
雪の夜や重つて行く鳥の声 丈草
雪の夜や重ッて行鳥の声 除風
雪の夜や重心のなき膝の猫 殿村莵絲子 牡 丹
雪の夜や鐘つく人もあればある 横井也有 蘿葉集
雪の夜や真理をのせくる蒼き馬 角川源義
雪の夜や逃げだしてゆく火事の馬 本宮哲郎
雪の夜や芭蕉を倒すかねの声 寥松
雪の夜や膝に子を置く角力取 長翠
雪の夜や布子かぶれば足の先 千川
雪の夜や伏見の方に馬鳴ン 一笑(金沢)
雪の夜や包みの紙の干肴 中川宋淵 詩龕
雪の夜や命拾ひの話など 高野清美
雪の夜や朧豆腐のなつかしき 智月尼
雪の夜や珈琲重き舌の上 日野草城
雪の夜や簔の人行く遠明り 正岡子規 雪
雪の夜を 血みどろのもの生れけり 富澤赤黄男
雪の夜を雨波貝ことに睡りけり 鴫戸奈菜
雪の夜を帰す短き二三言 岡本眸
雪の夜を寝しづまり屋根おもくなる 伊丹三樹彦
雪の夜を寝惜しむ耳の澄むばかり 野澤節子 八朶集以後
雪の夜を灯して母は喪服縫ふ 古賀まり子 緑の野
雪の夜を当つる枕は白鳥か 三橋敏雄 畳の上
雪の夜を飛ぶ幻の鶴を折る 野見山朱鳥 愁絶
雪の夜を泪みられて涕きにけり 鈴木しづ子
雪の夜を當つる枕は白鳥か 三橋敏雄
雪の夜狂女はすでにねむれるか 山口波津女 良人
雪の夜紅茶をいれて甘からぬ 山口青邨
雪の夜風白刃抜いては収めては 飯田龍太
雪の夜棒鮫むつちりと煮えぬ 矢島渚男 船のやうに
雪山のきららの雪の夜を透す 石原八束 空の渚
絶望もたやすからねば雪の夜をかじかみながら石斧を研げり 生方たつゑ
大雪の夜の白檀を燻ずべし 橋閒石 雪
湯に浸るごとく雪の夜抱かれをり 吉野義子
湯上りの身を載せ雪の夜の秤 桂信子 黄 炎
独り気づいて街の雪の夜つと曲る 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
能面に血の通ひ出す雪の夜 吉田輝二
薄雪の夜をたはむれの北枕 岩村蓬
眠る獣目覚めの獣と雪の夜を 飯田龍太
野も森も白衣白骨雪の夜は 大屋達治
漣の影さし雪の夜の睡りぎは 鷲谷七菜子 花寂び 以後
老雛師目を切る雪の夜も斯く 大野林火 雪華 昭和三十五年
老杉の奥を点して雪の夜坐 佐野美智
彳めば猶ふる雪の夜みちかな 几菫
檻たたく音の聞えて雪の夜 如月真菜
瞑れど雪の夜の燈の透りけり 佐野良太 樫
罠ぎつね是非なくも雪の夜明ぬる 東皐
鮃の王鮃の仏陀雪の夜 高野ムツオ 蟲の王

以上

by 575fudemakase | 2020-03-07 15:11 | 冬の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

カテゴリ

全体
無季
春の季語
夏の季語
秋の季語
冬の季語
新年の季語
句集評など
句評など
自作
その他
ねずみのこまくら句会
ブログ
自作j
自作y
未分類

以前の記事

2024年 03月
2024年 02月
2024年 01月
more...

フォロー中のブログ

ふらんす堂編集日記 By...
魚屋三代目日記
My style

メモ帳

▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

検索

タグ

最新の記事

外山滋彦著「俳句的」の指摘し..
at 2024-03-28 07:13
山本覚馬
at 2024-03-28 05:53
【桜餅】といえばどっち派?全..
at 2024-03-27 05:17
あまおう」と「とちお...
at 2024-03-24 03:42
一茶 生きもの句帖 小学館文..
at 2024-03-18 13:28
シュリンクフレーションという..
at 2024-03-13 05:15
ザッピングzapping?き..
at 2024-03-11 01:51
書道 書・筆・墨・硯の俳句
at 2024-03-08 10:04
しょどう
at 2024-03-08 09:38
すずり
at 2024-03-08 09:35
筆の俳句
at 2024-03-08 09:26
墨の俳句
at 2024-03-08 09:04
書の俳句
at 2024-03-07 18:12
佐々木敏光句集 富士山麓・秋..
at 2024-03-07 05:49
山口昭男著 波多野爽波の百句..
at 2024-02-26 02:57
ザッピングzapping?
at 2024-02-24 00:32
私の俳句入門 大野林火編 有..
at 2024-02-21 01:39
茨木和生著 右城暮石の百句 ..
at 2024-02-20 03:20
季寄せを兼ねた 俳句手帖「春..
at 2024-02-11 18:17
我が家の梅 2024/02/..
at 2024-02-06 13:51

外部リンク

記事ランキング