俳句年鑑(2020年版) 諸家自選五句(637名)の共鳴句
俳句年鑑(2020年版) 諸家自選五句(637名)の共鳴句
作者名は省略。(高澤良一)
民宿も漁もやめたと鹿尾菜干す
茗荷竹サラダに加はへ味はへり
明日出荷の畑のもの掘る四日かな
後がないどうしたものか蝉しぐれ
薔薇園の薔薇の迷路の抜けられず
落葉して落葉してまだ掃かぬ庭
空遠くなる熊啄木鳥(くまげら)のドラミング
人生は百年とあり年賀状
腹立ててをさまりてより日は永き
去年今年瀧は飛沫の中にあり
梅雨の灯の人語のやうにともりけり
きのふけふ雪あした天気になるや否
辣韮噛むモノクロ映画の佐分利信
一分を巡る秒針あたたかし
飛んでくる蠅に大らか烏賊を干す
打ち水の匂ひの中を招ばれけり
獅子舞や空よりうねりくるごとく
しろがねといふ華やぎに霧氷林
光源は太陽一つ初景色
釘抜がのっと釘曲げ秋暑し
芋水車任せておけばそれでよし
常のことつねのごとして年送る
初風に鵬のはばたき聞かんとす
指環棲みついてゐさうな泉かな
漂着の棒の沖から六月来
ひととせの闇の長さよ雛納
金目鯛夕映え色を手放さず
みちのくのざざと立ちたる海胆の棘
トテ馬車のトテと踏み出す花野かな
足すぼめ開けば一歩鶴歩む
開かるること待つ扉大旦
まんさくや言はれてみれば大き月
麦飯や昔日本に社会党
全山の葉櫻を打つ雨の音
緑蔭を影新しく出でにけり
柳橋漫歩百寿の春の宵
引き返す蟻あり何か忘れたか
じんわりと尻に湿り気苜蓿
イヤーマフはづしイヤホンはづし「はい」
県道を山車がふさいで秋祭
菊人形出来て言葉をかけてやる
雪を待つやうに女の鮫小紋
桐一葉落ちて静けさ変りなく
白梅やよく働けは父のこゑ
寒海鼠夢から醒めてなほ海鼠
竹馬に乗れて七十七のぢぢ
短夜をさらに短くしたる本
みみず鳴く老いては妻に従へと
肉体に皺のあること夕薄暑
枯蓮無為無策にもほどがある
春闌くる何か為さんと何もせず
潮干潟両肌脱ぎて現はるる
恋猫の星座ゆるがすやうなこゑ
永き日や書架にあるべき書をさがし
蜜豆や向き合ひて縁浅からず
春や嬰(こ)のまじまじと視てほわと笑う
野を焼くと漢静かに集いけり
叩かれて真っ赤な野火として奔る
父の日の暮れてしばらく考のこと
このあとはどこへ行かうか秋の風
古草や常の暮らしに常の道
湯豆腐のしやうゆの香りなつかしや
鐘の音のほかは一山霞みけり
たんぽぽをたどればローマまで行ける
蓑虫を此奴と呼びし青畝大人
花冷や人を信じて人の中
帰るには遠くへ来たり雲の峰
道いっぱいひろがり歩く墓参かな
茶柱のごとく尺蠖立ちあがる
紫陽花やサビなつかしきビートルズ
中秋の月や合掌おのづから
今あるもやがて遠き日春の雲
花筏岸辺に着いて壊れけり
伽羅蕗の辛き祭の来りけり
竜淵に潜むに髭の邪魔なると
明日乗る船を見てをり春の雨
競艇のなき日出没かいつぶり
ぶらんこの揺れこれでよし老いにけり
流れとは違ふ細波山女来て
一汁をいただき夏をすこやかに
道一つ貫く畑の初景色
ふくらんで風船の色うすくなる
濁り酒振って濁して注ぎ合へり
消灯ののちの小さき春灯
十二月八日戛戛ハイヒール
十分にはみだしてゐるかたつむり
春満月抱へきれずにゐる狸
春が来て日暮が好きになりにけり
交番の赤き灯もお元日
囮とはついぞ知らずに鳴く囮
謡初微醺ながらも膝揃へ
還暦も古希も序ノ口菖蒲風呂
処暑の雨ときに一人もよかりけり
麦稈帽腰手拭に下駄履きて
紫陽花の似合う女で尾道で
夏めくや白地に垂らす色見本
堂々と的を外して弓始
二階へと消へし日焼のふくらはぎ
金盥日脚一気に伸びてきし
在りし日のままに椅子あり縁遅日
指入れて切る新海苔の紙の帯
曇天を花見日和と揃ひけり
忘年会先づ円卓を称へけり
薄氷に兆すさすらひごころかな
行秋の後姿のやうな雲
秋晴れの果てのファミリーレストラン
須ク文ハ匕首タレ鴎外忌
灯を消してしまってからの雛かな
降る雨の見え始めたる柳かな
変てこな吾が顔写る金魚玉
雑踏にその背を探す薄暑かな
寒灯の一つとなれり終電車
昆虫の目の二つづつ熱帯夜
洗髪鏡の奥の暦かな
チェルノブイリどころかといふ亀のこゑ
急逝は失踪に似て花ぐもり
雀にも夫唱婦随や春隣
籾殻のまだ付いてゐる早苗かな
以上
俳句の四方山話 季語の例句 句集評など
by 575fudemakase

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《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。
尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。
《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)
例1 残暑 の例句を調べる
検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語
例2 盆唄 の例句を調べる
検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語
以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。
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