干瓢 の俳句
広重絵 初夏の風物詩
【水口 名物干瓢(みなくち めいぶつかんぴょう)】
土山から11.2キロ。この宿では、一年中どじょう汁を出すことで知られていたといわれています。
平凡な村落であったらしく、広重も明るい近江路の静かな田園風景を描いています。画題の「名物干瓢」とあるように、この地の名産の干瓢作りをする三人の女性たちの傍ら、衣服を脱いだ飛脚が街道を行くのも炎天下の暑さを思わせます。一見平凡な絵のようですが、季節感を絵のなかに見せた図としては有数の作だといえます。(ウィキペディア)
干瓢 の俳句
いつまでも切れない長さ干瓢干す 今瀬剛一
かぎろひし雲も消えけり干瓢干す 岩谷山梔子
かんぴようは白き干しもの日の出前 平畑静塔
かんぴようを干す千条の旭のすだれ 野澤節子
かんぺうの乾く白妙日和かな 菊地一雄「知足」
かんぺうは白き干しもの日の山前 平畑静塔
ふるさとの雲の匂ひのかんぴよう着く 高澤良一 ねずみのこまくら
闇汁の種かんぴようの草鞋編む 平畑静塔
一筋も縺れてをらず干瓢干す 平井富子「かつらぎ選集」
翁と媼干す干瓢のうすみどり 大野岳翠
家~や干瓢むいて浦の風 惟然
家々や干瓢むいて浦の風 惟然「住吉物語」
巻き寿司の干瓢甘き春の山 伊藤晴子
干瓢のさゆらぎもなき我鬼忌かな 黒川 龍吾
干瓢のしごきの如く乾きけり 松崎鉄之介
干瓢のすだれの粗き軒端富士 富安風生
干瓢のすだれの端のゆれて止む 川崎展宏
干瓢のとりとめなきを剥きつづけ 成瀬櫻桃子
干瓢のねぢれねぢれて干し上り 高島 みどり
干瓢のはし爪切りて掛けにけり 西本一都 景色
干瓢のはりつき乾く筵まく 春山他石
干瓢のひらひら吹かる穴師村 浜崎晃子
干瓢のほとばしる如剥かれをり 岸久子
干瓢の一連丈六竿にかけ 平畑静塔
干瓢の嫁の身丈に乾されけり 松崎鉄之介
干瓢の花や下野国分寺 西本一都
干瓢の花咲く籬癩の島 八木三日女 紅 茸
干瓢の乾く風ある長昼寝 上野波翠
干瓢の干されて母の在るごとく 高橋安芸「紅杏Ⅲ」
干瓢の干され葬も昨日のこと 和田浩一
干瓢の干し場の隅の星祭 瀧澤伊代次
干瓢の干場のかぎりむかれけり 松崎鉄之介
干瓢の幾筋吹かる夕茜 小川有代
干瓢の四五竿を干し足らへると 綾部仁喜 寒木
干瓢の四五本落ちて干し上がる 斉藤咲子
干瓢の滝なし干され土間暗し 八木絵馬
干瓢の瀧の照りあふうすみどり 西本一都
干瓢の曇るを高嶺曇りとす 木村蕪城
干瓢の白縮緬の花の夕 西本一都 景色
干瓢ノ肌ヘウツクシ朝寒ミ 正岡子規 朝寒
干瓢の畑が荒れし徹夜句座 萩原麦草 麦嵐
干瓢は夜干よけれと母のこゑ 中島ふき「茶立虫」
干瓢むく孤村の風の日暮かな 尾崎紅葉
干瓢も終りの畑や遠筑彼 山口青邨
干瓢や湖の空より鳶のこゑ 岡井省二 猩々
干瓢や盆の農家の隙見られ 小林康治 玄霜
干瓢や賤の苧環剥きかへし 泉鏡花
干瓢や賤の苧環剥き返し 泉鏡花
干瓢をくぐり現はれはづしけり 赤山竜史
干瓢をどうつきだしに星月夜 斎藤玄 雁道
干瓢をほしたるまゝの二日月 佐野まもる 海郷
干瓢をほすや真昼の月の下 佐野まもる 海郷
干瓢を乾して僻地に棲みつくか 昆ふさ子 『冬桜』
干瓢を乾すに風なき照りつゞき 桑田詠子
干瓢を干してや湖に秋のいろ 森澄雄
干瓢を干して村中軽くなる 篠崎す枝
干瓢を干して飛鳥の里まづし 清崎敏郎
干瓢を干しをり農を捨て切れず 西浦一滴
干瓢を干し隼のよぎる天 木村蕪城 寒泉
干瓢を干すや女の天下にて 古舘曹人 能登の蛙
干瓢を吊り太陽を白くせり 大林秋虹
干瓢を吊る灯待たれて旅の句座 萩原麦草 麦嵐
干瓢を剥いて一語を聞き流す 遠藤久子
干瓢を剥く肋骨のみな赭し 古舘曹人 能登の蛙
干瓢を野に干して野の一軒家 大橋桜坡子
干瓢を幟干しして入峯村 岡井省二 鹿野
干瓢乾し村に白雲殖やすごとし 大串章
干瓢干し白雨の中にあるごとし 宮本由太加
干瓢剥く一部始終を山烏 原田しずえ「時鐘」
干瓢畑虫除韮をめぐらせる 西本一都 景色
竿落ちて生干瓢のうづくまり 松崎鉄之介
使ひべりして干瓢を剥ぐ具あり 富安風生
秋暑く干瓢かけし廂かな 龍胆 長谷川かな女
春深しかんぺうを煮る匂ひして 燕雀 星野麥丘人
新干瓢まだらに乾き風の道 植松深雪
新干瓢三千丈もたまはりし 山口青邨
新干瓢畑十字に歩きけり 古舘曹人 能登の蛙
吹抜ける風あり土間に干瓢剥く 山崎一角
水汲みに干瓢を乾す庭通る 栗原米作
息しづかに干瓢長く長く剥く 津田清子
昼寝の村らしい 干瓢を高々乾し 伊丹三樹彦
土用干瓢もつとも軽かりき 佐野青陽人
道ばたか庭かわからず干瓢乾す 森田 峠
曇り来し乾し干瓢のうすみどり 細川加賀
日の盛り干瓢棚に過ぎにけり 清崎敏郎
白き風起る干瓢干場かな 福田千栄子
反りかへるもの干瓢の日に反りぬ 古舘曹人 能登の蛙
秒の間に干瓢ほそる轆轤かな 西本一都 景色
母孤りの生活干瓢干されをり 杉本寛
夕顔に干瓢うむいてあそびけり 芭蕉 俳諧撰集「有磯海」
夕顔に干瓢むいて遊びけり 松尾芭蕉
夕顔やこれも干瓢のたぐい候 芦角
藁屋より新干瓢に日が烈し 古舘曹人
賤が怨干瓢剥くや綿々と 尾崎紅葉
賤が契ハ干瓢のむすびもとめず 杉風
賤が恋干瓢剥くや綿々と 尾崎紅葉
以上
by 575fudemakase
| 2020-05-16 05:47
| 夏の季語
俳句の四方山話 季語の例句 句集評など
by 575fudemakase

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(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
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尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
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《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)
例1 残暑 の例句を調べる
検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語
例2 盆唄 の例句を調べる
検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語
以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。
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以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。
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