人気ブログランキング | 話題のタグを見る

【患者】

【患者】

B棟の患者見下ろす一冬木 高澤良一 さざなみやつこ
あたたかき夜を酔ひ戻る患者あり 古賀まり子 洗 禮
いい患者でありたいたつのおとしご 栗林千津
いわし雲けさの艶張る患者粥 百合山羽公 樂土
カーディガン青し看護婦と患者われ 黒崎治夫
カーネーシヨン少年患者に若き母 村山古郷
ガーベラの萎れて患者自治会なり 石田波郷
ぎす鳴けり患者の通ふ道にして 右城暮石 虻峠
クリスマス一夜の餐の患者食 細谷喨々
クリスマス七寮に満つ患者等に 石田波郷
グロキシニヤけふより外科の患者とよ 久保田万太郎 流寓抄以後
これはまた百日患者鳥渡る 百合山羽公 樂土以後
サングラスかけてもゐるや癌患者 星野麥丘人
ストーブや患者につゞる非情の語 相馬遷子 山国
たどりゆく患者居住区蝉暑し 草間時彦 中年
たま~に来る患者や鏡餅 五十嵐播水 播水句集
ダリア頒けゆく歩を軽やかに女子患者 赤城さかえ
どん底の患者の血もてわが手染まる 西東三鬼
ひぐらしに明けて重症患者室 坊城 中子
ふつつかな海鼠物云ふ患者食 高澤良一 ぱらりとせ
まださめてをりし患者に除夜の鐘 神尾季羊
メモしたる年越患者回診す 松岡巨籟
めらめらと焚火患者を嗤へりき 石田波郷
もてなさる西瓜患者と共に食べ 瀧澤伊代次
モヒ患者がくりと向日葵に夜が 伊丹三樹彦
われを呼ぶ患者寒夜の山中に 相馬遷子 雪嶺
ゑのころと頷きあうて軽患者 鷲谷七菜子 一盞
易々と蠅にたかられ一患者 高澤良一 鳩信
一患者ふうふう云ふて扇子風 高澤良一 素抱
一患者黄梅ひらきたるを言ふ 金田咲子
一菜は冬至南瓜や患者粥 百合山羽公 樂土以後
雨の蕗煮つめて仕込む患者食 佐々木とく子 『土恋』
卯の花や患者われらの森の道 石田波郷
丑の日の輸入蒲焼患者食 大輪昌
曳売の白桃すでに一患者 角川源義
永き日やみな憂ひもつ患者の目 古賀まり子
越年患者わが身の煤も払はばや 百合山羽公 樂土以後
炎天の一戸一戸の患者訪ふ 瀧澤伊代次
何に見下ろされゐる患者春の暮 斎藤玄 狩眼
夏雲や八十路初めて患者食 松村蒼石
夏果ての隠れ煙草を患者らは 高澤良一 暮津
花どきのおほかた残す患者食 朝倉和江
華麗なる金魚をのぞく老患者 有働亨 汐路
海荒るる鰤おもへりき患者食 石川桂郎 四温
外来の患者持ち込む咳いろいろ 高澤良一 宿好
角力好き患者綿子にくるまれて 高澤良一 ぱらりとせ
寒夜診て来し患者はすでに寝ねたらむ 相馬遷子 山国
患者には恐き夜が来る虎落笛 藤井啓子
患者の間抜けて夕涼二輪車駆る 岸田稚魚 紅葉山
患者はこぶ廊の明暗梅雨入かな 飯田蛇笏 白嶽
患者みな故なくすさび大暑来ぬ 古賀まり子
患者みな貧し千羽の紙の鶴 西東三鬼
患者より医者いたはられ敬老日 築城百々平
患者より看護婦ほそし栗の花 星野麥丘人
患者より気鬱移りし養花天 築城百々平
患者らに芋の枯蔓花のごと 角川源義
患者らに妻もまじれり西瓜食ふ 石田波郷
患者らに白炎の空平和祭 佐藤鬼房
患者らのパチンコばなし暖房裡 角川源義
患者らの横臥すままの遠花火 石田波郷
患者らの血に太りたる春蚊打つ 三宅年子
患者らの春日づたひは数珠のやう 斎藤玄
患者らの朝は声高女郎花 石田波郷
患者らはみなのつぽなり枇杷をもぐ 石田波郷
患者ゐて萌草の香に刻うつる 飯田蛇笏 白嶽
患者一人の傅染病棟野分せり 相馬遷子 雪嶺
患者皆着膨れ病院狭くする 高澤良一 随笑
患者皆南枕に月を浴ぶ 染谷十蒙
患者看護婦別箇に仰ぐ冬の虹 橋閒石
患者群れ苑のクローヴア花咲けり 飯田蛇笏
患者食こんにやくつづき百千鳥 斎藤玄 雁道
患者食に夫が焼きたす鮎一尾 影島智子
患者食往来の寒さ窓に見て 石川桂郎 四温
患者食月見団子も添へられて 楢崎子葉
患者食済みし春昼箸洗ふ 高澤良一 鳩信
患者食相似て蜂の一巡す 中嶋秀子
患者診しあとの雑煮となりにけり ひろし
患者診るや外套敢へて脱がずして 相馬遷子 山国
患者等に五月の冷えの屍室 石田あき子 見舞籠
患者等に二つ影もつ柏餅 石田あき子 見舞籠
患者等のわれらが宝庫冷蔵庫 高澤良一 鳩信
患者等の花火櫟の空に爆づ 石田あき子 見舞籠
患者等は椰子蟹売りをかこみゐて 高橋馬相 秋山越
患者来ず四周稲刈る音きこゆ 遷子
癌患者訪ふ汗をもて身を鎧ひ 相馬遷子 雪嶺
眼患者シネマの冬燈浴び行けり 飯田蛇笏 山響集
眼鏡橋阿片患者が春惜しむ 石原八束 空の渚
眼鏡橋阿片患者と春惜しむ 石原八束 『空の渚』
雁来紅微熱患者の吾も燃ゆ 島村利南
菊日和出戻り患者にまた逢へり 角川源義
脚気患者雨季のいくさを敢てゆく 長谷川素逝 砲車
旧盆の仏を飾る一患者 石川桂郎 高蘆
牛の貌チブス患者の夢にくる 藤後左右
胸板に夜風涼しみゐる患者 高澤良一 鳩信
空港の黒旗に追われ患者ら発つ 藤後左右
啓蟄や夕になりて患者増す 瀧澤伊代次
結果みかんの皮散らし果つ患者会 楠本憲吉 孤客
月追うて祭ごころや患者らは 角川源義
吾につく十年患者老い涼しき 相馬遷子 雪嶺
菜の窪の苺を寝かす患者食 石川桂郎 高蘆
昨日診し風邪患者なりチンドン屋 瀧澤伊代次
山に雪けふ患者らにわれやさし 相馬遷子
酸素さはに吸はせて除夜の患者守る 佐藤斗星 『七草の籠』
子ふくべの微風頼みに老患者 岸田稚魚 筍流し
師の句評聞きいる患者ふところ手 西形佐太郎 『てんご』
死期近き患者もともに燕待つ 古賀まり子 洗 禮
七百の患者等にけふ雪来るや 石田波郷
室の花駘蕩として患者あり 久米正雄 返り花
室咲やどれも冷めゐる患者食 仲村美智子
疾く暮れよ雉子啼き患者逝きし日は 三嶋 隆英
秋の蚊をつれて患者の入り来たる 木内徴子
秋風や頂上ありく癩患者 佐野青陽人 天の川
終の葡萄ひと房添へて患者食 石川桂郎 四温
春の夜のまなぶた閉じて患者たり 高澤良一 鳩信
春愁やわが名入院患者表に出づ 村山古郷
春愁や老医に患者なき日あり 五十嵐播水
春暖炉わが患者らは癒えゆくも 相馬遷子
春着して十年患者とは見えず 石田波郷
春昼や絵も無き皿の患者食 高井北杜
春夜採尿女患者と顔合はす 安住敦
初夢もなく患者食運ばるゝ 萩原麦草 麦嵐
女患者に頒けて螢の数が減る 長田等
小鳥来るスプーンひとつの患者食 岩永トヨノ
焼藷やけふの終りの患者診て 下村ひろし 西陲集
章魚さげて島より患者十二月 井上杉香
障子貼るかたへ瀕死の癌患者 相馬遷子 雪嶺
新入患者として夜濯の端にあり 岸田稚魚 筍流し
人参も余さず食ふぞ新患者 高澤良一 鳩信
水洟や手遅れ患者叱しつゝ 相馬遷子
数へ日や隅の隠居の老患者 百合山羽公 樂土以後
数へ日や百日患者退院日 百合山羽公 樂土以後
生人参噛る患者よ耳朶うすし 坂口子平
聖菓一つ添へてありけり患者食 星野麥丘人
西日どき歯科の患者の列に入る 百合山羽公 故園
惜しみなく女患者に蝌蚪頒つ 石田波郷
節分の小鬼坐れる患者椅子 山田ゆう子
節分の豆少し添へ患者食 石田波郷
千の患者に千の聖果や枯木中 石田波郷
相互患者づらなる昼寝かな 阿波野青畝
草の実やわが誤診患者通りをり 川畑火川
卒業の日の病棟に在る患者 山口誓子
大部屋の患者寝息の朧なる 高澤良一 鳩信
短夜や癌患者に妻添ひ臥して 安住敦
暖炉燃え古き患者となりしかな 沢藤紫星 『活字架』
着膨れて外科外来の一患者 安住敦
着膨れて財布まさぐる一患者 高澤良一 宿好
中元の使患者にまじり来る 五十嵐播水
中元や小百姓なる一患者 五十嵐播水 播水句集
朝顔やひとりめざめて老患者 石田波郷
町医者も患者も老いて花なづな 加藤沙知
天高し煙草を吹かす癌患者 仙田洋子 橋のあなたに
天蚕いろカーテンに覚む患者なり 高澤良一 鳩信
点滴の患者眠れり花の昼 村田抱星
冬銀河患者の一語残りをり 岩永のぶえ
桃を得て葡萄を望む患者哉 正岡子規 葡萄
湯たんぽの給湯にぎやか女患者 右城暮石 句集外 昭和三十六年
豆撒けば楽世家めく患者らよ 石田波郷
二の酉へ患者の屋台路地急ぐ 古賀まり子 洗 禮
虹消えて医師と患者に戻りけり 阿部タミ子(桑海)
日記まづ患者のことを書きはじむ 中台泰史
日向ぼこ青年患者すぐ飽きぬ 星野麥丘人
熱の子を負ひ来し祖母も風邪患者 渡会 昌広
年の暮未払患者また病めり 相馬遷子
脳外科の患者虚ろに冴返る 井口公子
梅雨ふかし鶯を飼ふ老患者 石田あき子 見舞籠
買初の蜜柑小粒に患者たち 石田あき子 見舞籠
蝿交む女患者の香の中に 川畑火川
白く淡し炎昼の癩患者たち 草間時彦 中年
被爆忌のけふも児下ろす患者来る 下村ひろし 西陲集
百の貧患者に寒のぼろ太陽 西東三鬼
病院を抜け来し患者合歓あふぐ 高澤良一 石鏡
病院一の弱虫患者黄水仙 石田波郷
病院一の弱蟲患者黄水仙 石田波郷
病廊に外来患者あふれ梅雨 高澤良一 素抱
風邪患者いたはり帰し掃納め 瀧澤伊代次
風邪患者金を拂へば即他人 相馬遷子 雪嶺
法師蝉働き者の患者あり 石田波郷
盆太鼓まだ眠れざる患者らに 石田波郷
繭玉や吾を一瞥の老患者 関戸靖子
無月なり芒惜しまず患者たち 石田波郷
盲ひゆく患者の歳暮受くべきや 向野楠葉
木葉髪拾ひ外来患者のわれ 高澤良一 さざなみやつこ
目刺反る天皇の日の患者食 山田ひろむ
夜泣癖ある子も患者二日灸 森田愛子
野焼く火に微熱患者の吾は寄る 山口誓子
夕焼の池に石投ぐ女患者 右城暮石 句集外 昭和三十六年
夕蝉や黙して對ふ癌患者 相馬遷子 雪嶺
夕立に濡れたるまゝの患者診る 浦上新樹
夕冷えに妻が箸執る患者食 下村ひろし 西陲集
予後くらき患者ばかりの秋暮るる 相馬遷子
葉鶏頭に妻と跼める患者あり 石田あき子 見舞籠
踊見る脱柵患者暗がりに 石田あき子 見舞籠
陽あまねし患者の蒔きし貝割菜 鍵和田[ゆう]子 浮標
羅に患者付き添ひ過ぎにけり 高澤良一 素抱
立て込んで検尿 採血 咳 患者 高澤良一 鳩信
林つづる麦藁帽は試歩患者 石田あき子 見舞籠
隣ベッドは髯の患者や日脚伸ぶ 村山古郷
冷やかに患者が朝の眼を開き 尾崎放哉 大正時代
冷奴布目ばかりの患者食 石川桂郎 高蘆
鈴虫を飼へり万年患者にて 右城暮石
牢名主めく患者ゐて部屋晩夏 高澤良一 鳩信
杣患者受診に郁子をさげて来し 夏秋仰星子
籔からしは偽女郎花患者らよ 角川源義 『西行の日』
羞みの汗の真顔が患者拭く 赤城さかえ
藪からしは偽女郎花患者らよ 角川源義
蜩や子規忌を忘れ患者食 角川源義
螢見んと女患者について行く 岩田昌寿 地の塩
蟇の貌チブス患者の夢にくる 藤後左右
髯の患者はデイレクターとや春の宵 村山古郷

以上

by 575fudemakase | 2020-05-21 13:10 | 無季


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

カテゴリ

全体
無季
春の季語
夏の季語
秋の季語
冬の季語
新年の季語
句集評など
句評など
自作
その他
ねずみのこまくら句会
ブログ
自作j
自作y
未分類

以前の記事

2024年 03月
2024年 02月
2024年 01月
more...

フォロー中のブログ

ふらんす堂編集日記 By...
魚屋三代目日記
My style

メモ帳

▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

検索

タグ

最新の記事

外山滋彦著「俳句的」の指摘し..
at 2024-03-28 07:13
山本覚馬
at 2024-03-28 05:53
【桜餅】といえばどっち派?全..
at 2024-03-27 05:17
あまおう」と「とちお...
at 2024-03-24 03:42
一茶 生きもの句帖 小学館文..
at 2024-03-18 13:28
シュリンクフレーションという..
at 2024-03-13 05:15
ザッピングzapping?き..
at 2024-03-11 01:51
書道 書・筆・墨・硯の俳句
at 2024-03-08 10:04
しょどう
at 2024-03-08 09:38
すずり
at 2024-03-08 09:35
筆の俳句
at 2024-03-08 09:26
墨の俳句
at 2024-03-08 09:04
書の俳句
at 2024-03-07 18:12
佐々木敏光句集 富士山麓・秋..
at 2024-03-07 05:49
山口昭男著 波多野爽波の百句..
at 2024-02-26 02:57
ザッピングzapping?
at 2024-02-24 00:32
私の俳句入門 大野林火編 有..
at 2024-02-21 01:39
茨木和生著 右城暮石の百句 ..
at 2024-02-20 03:20
季寄せを兼ねた 俳句手帖「春..
at 2024-02-11 18:17
我が家の梅 2024/02/..
at 2024-02-06 13:51

外部リンク

記事ランキング