人気ブログランキング | 話題のタグを見る

拙句 月別俳句抄 2月

拙句 月別俳句抄 2月

俳句 時候・天文・地理・生活・行事・動物・植物

■時候

春 /立春 /二月 /寒明 /魚氷に上る /早春 /春めく /春浅し /睦月 /旧正月 /二月尽 /春寒 /余寒 /獺の祭/

■ 天文

吹越 /春一番 /春北風 /春時雨 /

■ 地理

雪解 /雪しろ /雪崩 /残雪 /雪間 /凍解 /氷解 /薄氷 /凍戻る /冴返る /焼野 /山焼 /

■ 生活

絵踏 /初午 /針供養 /建国記念日 /かまくら /雪晒 /春の風邪 /魞挿す /野焼く /芝焼く /麦踏 /木の実植う /梅見 /蕗味噌 /

■ 行事

春祭 /バレンタインの日 /義仲忌 /多喜二忌 /茂吉忌 /実朝忌 /

■ 動物

猫の恋 /白魚 /公魚 /鱵 /鶯 /眼白 /四十雀 /

■ 植物

末黒の芒 /猫柳 /クロッカス /片栗の花 /雛菊 /春菊 /菠薐草 /州浜草 /節分草 /蕗の薹 /水菜 /海苔 /青海苔 /梅盆 /梅 /紅梅 /黄梅 /山茱萸の花 /まんさく /下萌 /いぬふぐり /君子蘭 /若布 /

■ 季語「二月」




◆時候

春 /

立春 /
春立ちしこと流雲の端々に
夕雲も春立つ白を帯び飛べり
しろしろと雲に春立つ雑木山
立春を相変はらずの坊主山
立春の洋上に我解き放つ
安房へ船立春を経て海大人し
立春の四肢を伸ばせり掛布団
立春の赤文字ほのと日めくりに
横須賀の山に春来とやって来ぬ 素抱
立春の八百万神覚ます風 素抱
立春の一語を以て押し切られ 素抱
一息に春来ぬまはりくどさかな 素抱
立春の半島へ発つ踊子号 随笑
春立てる空に閾のあるごとし 随笑
立春の肉屋の前を通りけり 宿好
年金の本読みゐたり春立つ日 宿好
立春の日に当たりたく庭に出づ 宿好
立春のリビング・ルームに鳥影さす 宿好
鳩の眼のくりくりけふは春立つ日 宿好
小波にひとり頷き春立てり
立春と復誦しては春立たす
春来るとひよこ色なるユニフォーム
蹼の斯く忙しや春立ちて
春立つと外の出て一味違ふ呼気
立春の雑木大地に光り佇つ
立春の筆立にある赤えんぴつ
立春の今日とて寝床飛び出しぬ
立春の煙草の灰のやはらかに
立春の焔躍れり釜の下
立春と云ひつ外に出て首すくめ
立春のいつか過ぎをる机かな ぱらりとせ
日まみれの梢立春過ぎてゐし ぱらりとせ
立春の夜を馳すバスは光の函 さざなみやっこ
宿木は一つ欅に春立てり
春立ちて根府川沖のかさご漁
立春と言葉も威勢よかりけり
立春のかちかち道に星仰ぎ
立春の肉屋の前を通りけり
立春の板の間にさす白日差
春立つとおもふ日差しに面当て
掌に日差しを載せぬ春立つ日
春来ると云へどなんきんはぜの枝
川波の立春の音響かせて
春立てる空に閾のあるごとし
照りこぞる枝立春といふ感じ
産土の枝おろされて立春過ぎ
立春の鼻尖に浴ぶ柔日差し
きのふ春立ったばかりの机の角
春立って花粉予報の出づ時分
立春のプライドといふカクテルほす

二月 /
喪に服すごとし二月の蜜柑畑
どぶろくの底を浚ひて二月尽
一寸だけ射して二月の日の退く木
日の射して無難なる景二月尽
二月二十八日の海苔酢に浸す
ちり紙の山や二月の屑籠に
空っぽの洋菓子袋二月尽
文机に辞書は定位置二月尽
二月は海苔拾ひなどして精出す日々
引き揚ぐる若布二月の日の色に
二月尽波滔々と海苔運ぶ
流れ海苔波間に躍る二月尽
拾ふものありて二月の庭雀
巖冴ゆる二月の朝比奈切通し
かさつける指もて開く二月の辞書
樹皮凛と二月半ばのさくらの幹
甲矢(はや)乙矢(おとや)飄と空切る梅二月
鶴其処に立つごと二月の噴水は
白描の二月の枝を鋭く引く
変哲の無き景ばかり梅二月
乾っからぶ土に二月の影曳く楠
手当たり次第はおりて二月始まれり
木の表情わけても二月の李の枝
李の枝赤く細かく二月ぞら
玻璃二月視界をよぎるものを待つ
木雫や風と氷の二月果つ
波明り差し込む二月の雑木林
梅の花唐竹割に二月空
赴任先カード二月のワルシャワより
そら豆の葉に土埃二月尽
がらくたの身体と知る二月尽
心臓の検査の梯子二月盡
ふむふむと二月の庭を往き来せり
杭打ちて二月の蚯蚓驚かす
二月始思ひ立ったる大仕事
こめかみにひたと二月の白日差
二月より三月心底冷ゆる日は
一ト月がすぐ過ぎ二月の診察日
固蕾二月半ばのこゑ聞けど
高梢といふ高梢に二月の陽
風邪なども引かず二月のこゑを聞く
山茱萸の襤褸着て二月の風に耐ふ
二月尽く区切りの風と覚めて聞く
ただならぬ火の粉浄土の二月堂
二月堂下に立ちんぼお水取
二月堂火の入るを待つ懐手
二月堂甍の冷えて初夜の行
チョロ松明(まつ)が三本上がる二月堂
三寒の今本行の二月堂
二月堂行の迫れる鹿の夕
本行も半ばに入れり二月堂
馬醉木の森二月堂まで横這ひに
髪刈るを一日延し二月尽
二月の陽振りあふぎ顔温めんと

寒明 /
寒明けとふんぎりつけるやうに云ふ
こだはりの解けるがごとく三寒過ぎ
シベリヤを食(お)せばいよいよ寒明くか
塩辛にときをり甘味寒明くる
寒明の家震ふ風夜も絶えず
寒明けしこと服薬の呑み水にも
寒明と探りを入れるやうな眼を
寒明けし夕空の下頬締る
寒明の白雲生々しき雑木
雑木山百度鳴りて寒明けぬ
大椨の幹のざらりと寒明くる さざなみやっこ
皀角子の赤み帯ぶ棘寒明けぬ
ひょんの木の虫瘤に寒明けるらし
寒明けの底光りせる青木の葉
大椨の肌のざらつく寒明けぬ
愛染の愛憎一如寒明くる


魚氷に上る /
魚氷に上るその感大いにある日和
先達の魚氷に上る句を鏡 素抱
魚氷に上りアザラシの皮下脂肪
魚氷に上りつらきめに遇ひにけり さざなみやっこ
オペ承諾魚氷に上るここちなり

早春 /
土篩ふ手もいそいそと春さきがけ
春先の花壇如雨露の水剰る
春先の阿波を思うてまんばう顔
早春のバケジャコを出すゴカイ掘 素抱
早春の海月石蓴を褥とす 素抱
春先の牡丹の手入れもくもくと 宿好
春先の風邪こじらせてああしんど 燕音
大津繪の春さきどりの藤娘 燕音
利尻富士春さきがけの十六景
春先の礼文へ向ふ白き船
春先と云へど落木降らす山
川吹いて春さきがけの風荒き
早春の海月小ぶりよ波の間に
早春の海月渚にもう一つ
梅膨らまむ春先の陽気とよ
春さきのテッポウウオの口捌き ぱらりとせ
網剪りて安房の春先き不鯛抜く
春先に見当つけおく山芋(いも)を掘る
春先の貝に生まるる真珠質

春めく /
手品にも芸風ひらひら春めく指 素抱
クロッカス一輪春めく日も一輪 素抱
一寸だけ春めく山の花きぶし 寒暑
建材屋春めく脚立目白押し
春めく庭おん母出たり引っ込んだり
えいほうと松も春めく東海道 ぱらりとせ
走り根に灘も春めく波明り
にょきにょきと繰り出す枝に春めく陽
鎌倉の春めく小路見て歩かん
春めく日外出誘ふ程ならず
一つぽっかり何處となく春めく雲

春浅し /
浅春のカクテル光線エノケンに ぱらりとせ
浅春の稚き水母寄る浜辺
浅春の海に生れそめ透き水母
神将の武具のいろいろ春浅し
浅春の巨船見上ぐるベレー帽
天麩羅の江戸前小柱春浅し
玻璃に風どすんとばかり春浅き
浅春の横にひろがる濤の音 素抱
山茱萸の無頼を通し来て浅春 素抱
浅春の欅に鵙のむかう向き 宿好
浅春の闇のとりもつ睡りかな 鳩信
浅春の波波波をおっぺして 鳩信
浅春のデッキに立てば頬摶つ風
春浅き宗谷丘陵鳶翔たせ
浅春の雲を送りてオホーツク
浅春の濤のたっぷんたっぷんと
浅春の渚あをさをふんだんに
浅春の真白き波高からず
細枝あり浅春の禽放ちては
ぷるるんと鴨の水浴び春浅し
遠浅の浅春の波立つところ
春浅くもの映しそむにはたづみ
梢見てあゆむ乃木坂春浅し ぱらりとせ
浅春のおもひは淡にして湖辺
桜古木浅春の日を枝々に
春浅き来島の瀬戸小渦巻く
春浅く巳の日の弁天詣でかな

睦月 /
灌木の結ぶ雨滴を見て睦月
荒るる海見つゝ睦月の磯日向
しろがねに著莪は睦月の日を返し(妙本寺)
睦月に逝き世の寸法に合はぬ人 随笑
悼みごと重ねて睦月如月と 随笑
信念の重み睦月の一家集 燕音
粛々と雲を募らせ睦月富士
懇ろになりて睦月の患者食
この人の重み睦月の一家集
三角のそれが睦月の竹生島
さざなみの滋賀の睦月の諸仏見て
誰彼を悼む睦月も半ば過ぎ
三椏の枝のしろしろ睦月の日
海牛に睦月の浪のこもり唄

旧正月 /
旧正の波旧正の波を押す
旧正の星それぞれの光り方
旧正の諸鳥啼ける向ひ山
旧正の葉欄木洩れ日一刻受く
旧正の日のつらつらと木斛に
魚団子スープの湯気に春節来 素抱
春節の関羽煙たげ支那線香 素抱
春節の円卓ぐるりぐるりかな 素抱
春節の飯店気前よき盛り付け 素抱
春節の布袋呼び込む點心舗 素抱
春節や銅鑼の巨濤に呑まる路地 素抱
豚饅頭(ぶたまん)を山積み春節セールなり 素抱
春節や人波の上の朝陽門 素抱
旧正の妻の手を借りぎっくり腰 寒暑
旧正の髯を振り振り鯉寄り来 寒暑
老酒を春節の胃に点じけり
飯店に「福」の逆さ字春節来
春節の中華街観るあらためて
脇路地で豚饅頭商ふ旧正月
春節料理先づは甕出し紹興酒
蒸し餅をけふ春節と聞くからに
春節や春在千門万戸中
春節の飯店「福」の逆さ文字
チャイニーズシューズ金ぴか春節祭
豚饅頭(ぶたまん)を山積み春節セールとて
列なして春節の豚角煮店
春節の赤幡連ね中山路
春節セール松の実南瓜の種諸々
卓上に春節のいろ上海蟹
春節の夕べひっそり漢方店
春節のとりわけ赫き豚肉(チャーシュウ)食ぶ
春節の羅漢果三つ家苞に
街並みは目の覚める赫春節来
春節の支那線香を高掲げ
春節の街並み抜けて地久門
日まみれに春節迎ふ善隣門
春節のめでたさ還る商の御代
旧正のはつかに挙がる沖つ波 ぱらりとせ
旧正の妻を走らすぎっくり腰


二月尽 /
二月尽く区切りの風と覚めて聞く 寒暑
どぶろくの底を浚ひて二月尽
日の射して無難なる景二月尽
文机に辞書は定位置二月尽
空っぽの洋菓子袋二月尽
二月尽波滔々と海苔運ぶ
流れ海苔波間に躍る二月尽
木雫や風と氷の二月果つ
そら豆の葉に土埃二月尽
がらくたの身体と知る二月尽
髪刈るを一日延し二月尽

春寒 /
心臓に良からぬ春寒浅蜊掻
よろけ履く股引春寒湯屋板間
古ぼけて春寒疊棺桶脇
物音を立つるを憚り春寒通夜
料峭や投函に出づ身を縮め
足裏の魚の目つつきゐて春寒
春寒の日々大人しく家居して
春寒の薄皮纏ふあんこ玉
春寒の家押す風の音どすん
春寒の船尾に鳴れる日章旗
フェリー過ぐ港の春寒赤燈台
利尻町春寒灯の入る赤提灯 素抱
サハリンより寄せて春寒日暮波 素抱
料峭の鴨颯々と行き交うて 素抱
料峭の眼鏡に跳びぬ雨飛沫 素抱
春寒に転倒せしかお大事に 素抱
料峭の動きの鈍き鯰漁 寒暑
料峭のそれでもぼちぼちハーブ園
春寒く日光返す木々の枝
終に一人憮然と渋茶のむ料峭
料峭の坂に息継ぐ東大寺
料峭の渓谷刻む名張川
春寒に山茱萸ひるむ日なりけり
頼朝の墓料峭の磴のうへ

余寒 /
シベリヤの甘味残りし舌余寒
夕空に余寒のテレビアンテナ群
閻王のお顔の凄む堂余寒
ブラウンシチュウ手間暇掛けて残る寒 素抱
余寒なほ山茱萸の粗衣なぶる風 素抱
川明り余寒明りと云ふべきや 素抱
水溜り一瞥呉れて過ぐ余寒 素抱
よべの雨山に余寒を残しけり 素抱
又の日を恃む余寒にかこつけて 素抱
ぶらんこの下の余寒の水たまり 寒暑
出勤の一人一人の余寒顔 宿好
祖光浄稔信士と余寒の掌になぞる 燕音
安直楼余寒車軸を流す雨 鳩信
缶詰のアスパラ玲瓏として余寒
地に落ちし百の椿に残る寒
一切のこゑ断つ竹林残る寒
生々しき原稿の文字残る寒
水明り余寒明りと云ふべきや
ポケットの中に拳や余寒なほ
首すぼめ出づる余寒の理髪店
都心にゆく気を打ひしぐ余寒なる
素破こそとばかり余寒は詠むべかり さざなみやっこ
十二神将一体修復中余寒 ももすずめ
安直楼に登り余寒の畳踏む
土建屋風皮ジャンの男尿る余寒
首筋のあたりがすっと余寒空
一枝の空へ突き出す余寒かな
一ト吹きの風に揺らぎぬ余寒星
いっぽんの句業の道の余寒星
庭土を踏めば余寒の音還る


獺の祭/



◆天文

吹越 /
四万の病を治す温泉に風花(四万温泉)
風花の舞い込む三塔十六谷 燕音
風花に取り込み忘る男物 ぱらりとせ


春一番 /
春一番葭の擦れ合ふ河原べり
かうしてはおられぬ性分春一番 素抱
いつものこと後で知らされ春一番
春一番吹きし翌日春北風来
傘壊す春一番が吹きにけり
外出を思ひとどまる春一番
春一番籠りごころを解き放ち
建付けの傷みどうかう春一番
春一番程の風吹く日なりけり
どたばたと春一番の名を負へる
暴れんぼう春一番のお通りだい
けふ吹きて春一番を凌ぐ風
遠くより波駆け来たる春一番
春一番上野の山を吹かれ降る
春一番もどきの風の吹く街へ
春一番吹きし翌日春北風来

春北風 /
春北風が嘘のやうなり明くる日は

春時雨 /


◆地理

雪解 /
月山の山毛欅の根開きの始まれり(根開きとは樹木の周りの雪解けのこと)
利尻富士眼鏡の球の雪解冷え 素抱
利尻富士顱頂を覆ふ雪解靄 素抱
林立の榛の川端雪解靄 素抱
小赤沢部落駆け抜け雪解水 燕音
雪解山降り注ぐ日は天蚕糸 ぱらりとせ
雪解山にっこり天蚕紬店
アズマイチゲ雪解明りを返しけり
雪解風アズマイチゲにまともなり
雪解光谿の木五倍子を透きにけり
ふきのたうの一団前山雪解せり
うるうると雪解明りに橡濡れ芽
小赤沢部落駆け抜け雪解水
雪解どきさくら色なる芽木のいろ
谷間の余花に差し込む雪解光
雪解水引き安曇野の早場米
日暮れ道雪解明りにふきのたう
露天湯に首出す雪解風の中
山毛欅林水駆け抜けて雪解急
林間を翔ぶ一鳥と雪解風
まんまるく山毛欅の回りの雪解穴
町内裏路地雪解雫の音の中
町内を歩いて雪解の句を拾ふ

雪しろ /雪崩 /

残雪 /
林に雪田に雪村に残る雪 寒暑
福寿草日は在りながら残る雪
三椏やあちらこちらに残る雪
残雪の風容赦なく鐵佛
陰雪に灯影投げかけ辻外燈
残雪の落ち込む地塘深翳り
焼山に残雪二タ刷け眼下に小屋
道北の残雪退いて里青む 素抱
残る雪点在音威子府村(おといねっぷむら)
町木はヤチダモ残雪うち敷きて 素抱
陰雪がゾクッと端山に近き畑 素抱
残雪の引っ掻き傷めく羅臼岳 燕音
残雪と越後訛りが耳元で 燕音
宝剣岳(ほうけん)の剣もどきの残雪光 鳩信
残雪に赤松は幹赭く赭く 鳩信
残雪をひたすら走る右手に海
椴松の若木利尻の残雪に
椴松に残雪滑り出しさうに
長汀に鴉の骸残る雪
揚舟に残雪礼文船泊
模糊と見て礼文の高みに残る雪
最北端岬のブッシュに残る雪
目に付くは残雪宗谷の風岬
牧場に丘あり窪あり残る雪
残雪へオホーツクより朝日影
白樺に残雪痩せて中頓別
浜頓別牧場にぽっちり残る雪
残雪は林間に透け天塩川
残る雪点在音威子府村(おといねっぷむら)
残雪と樺の道北内陸部
田に残雪畦に萌えたつふきのたう
残雪の陸路北上ふきのたう
残雪の宝剣岳(ほうけん)の尖り具合かな
残雪や朝の川音切れ込む空
残雪光花に生彩与へけり
羅臼岳正面残雪二三箇所
よく見ゆる羅臼岳の残雪湖巡り
ぽっちりと残雪の嵩イワシモツケ
残雪に三時の日影下山道
雪残る山杉の濃枯木の淡


雪間 /
山毛欅描くコンテさくさく雪間どき 宿好
家ぽんと置いて名寄の雪間かな
峠路の土筆呆けて立つ雪間
ふきのたうちらほら山毛欅の雪間谿
雪のひま無念無想の山毛欅一樹

凍解 /氷解 /

薄氷 /
烈風にひっつる水舎の薄氷
薄氷春光封じ込めにけり
うすらひを未だ見ぬ首を引っ込めぬ
薄氷ことし一、二度突っきしのみ
遊び田のうすらひつつく三日かな 寒暑
うすらひをつつつつと鶸浄瑠璃寺 ねずみのこまくら
うすらひの封ず風跡くきやかに
薄氷をつつけば震ふ其処が縁
うすらひにまざまざ透ける朽葉いろ
遊び田のうすらひつつく三日かな

凍戻る /冴返る /
冴返るお吉愛用大徳利
嘴の如き木の芽の冴返る

焼野 /
末黒野ゆく雲のすこぶる女性的 ぱらりとせ
末黒野の芒夜盗のごとくなり ぱらりとせ

山焼 /
焼山に残雪二タ刷け眼下に小屋
焼山の灰のほろりと道よぎる ぱらりとせ
焼山の焦げ目曼陀羅日表に ぱらりとせ
通り魔に遇ひし面持ち焼山は ぱらりとせ
焼山の段だら縞に日の新た ぱらりとせ
焼山は心腹の友さながらに ぱらりとせ
山焼に煤けごころを払ひけり ぱらりとせ
焔(ほむら)焔(ほむら)を呑んで大きく山焼く火 ぱらりとせ
山焼きの灰のわらわら頬を打つ ぱらりとせ
手をゆるくつなぎのぼれり山焼く火 ぱらりとせ
山焼きの付け火ちょんちょん小走りに ぱらりとせ
たっぷりと日を浴み山焼き前の萱 ぱらりとせ
焼山に月の出かかる母郷かな ねずみのこまくら
山焼き済みお天道様も一安堵
山焼かれ草むら隠りの径失せぬ
焼山にほっかり白日当たりけり
くさぐさの白き灰黒き灰山焼かれ
焼山の匂ひうするゝ日に風に
山焼きの済みてふすぼる茎一つ
風廻りよくて山焼き了りけり
焼山のだんだら日向に雲雀降る
山焼きの済みし日向に雲雀降る
焼山のすすけ草株こんもりと
焼山のほとぼり鴉覚ましけり
山焼きの灰降る里のくさぐさに
山焼きの半ば済みたる顔ゆるむ
突風に打って変わって山焼く火
山焼く火千軍万馬の征(ゆ)くごとし
山焼きの本日日和風向きよく


◆生活

絵踏 /

初午 /
その中に新(さら)の鳥居も一の午 宿好
八幡宮宮司を上座午まつり 宿好
午まつり氏子ら煎餅座布団に 宿好
午まつり目指せる畦の踏み心地
粗き日の小枝に注ぐ一の午
赤手袋取りて一礼一の午
甘酒の匂ひが風に午まつり
山堂に氏子畏み午祭
一の午雨具が役に立ちにけり
玉ぐしを我等も捧ぐ午まつり
午まつり祝詞かしこみかしこみと
しづしづと巫女神楽舞ふ午まつり
鯛一尾三宝に載せ午まつり
空模様何とかもちぬ一の午
一礼後お直り下さい午まつり
三宝の中ににんじん午まつり
その奧の祠にも揚げ一の午
祠まで百段昇り午まつり
初午の焚火何やら燻しけり
杉叢の奧に山堂一の午
太郎杉古色蒼然一の午
裏白の谷戸の細道一の午
甘酒に氏子ら温む午まつり
初午の鈴陰々と響きをり
午まつり焚火の灰も宙を舞ひ

針供養 /
この在のいつか廃れて針供養 素抱
鼻の上にちょこんと眼鏡針納め 宿好
この道で生活(たつき)立て来し針供養 宿好
貴女まあお変わり無くてと針納め 宿好
つつみ紙楚々と開きて針納め 宿好
まなうらにミシン踏む母針納め 宿好
針納む美風普く傳はりて 宿好
行き合ふて話が弾む針供養 宿好
紅絹(もみ)いろに浅草の空針納め 宿好
針納む人のおもひもそれぞれに
針納む日とや淡島明神へ
がむしゃらにミシン踏む母針納め
針まつり母にも嘗て針の日々
下萌えのいろの待ち針針祭
針納む美風普く世に傳はり
連れ立ちてお針子仲間針供養
婆ちゃんの可愛いい眼鏡針供養
針入れも共に納めて針供養
其の上(かみ)は釣り針なども針供養
針納む婆の手つきも慎ましく
針供養一日風の吹き止まず
院長が指図して針納めしむ

建国記念日 / 
玉堂の浜辺の絵あり紀元節

かまくら /
かまくらの雪の横手に「よぐ来たねし」

雪晒 /

春の風邪 /
ちょっとした油断の一つ春の風邪
春の風邪鼻むづむづに始まれり
足腰の痛み抜けざる春の風邪
昏々と身を折るのみの春の風邪

魞挿す /

野焼く /
夕野火のうさぎの耳のやうな炎よ ぱらりとせ
野焼せし川辺烏の濡れ羽色
ひょいひょいと野焼跡より春ジオン

芝焼く /麦踏 /木の実植う /

梅見 /
梅見客熱海の見番うち過ぎて 随笑
観梅の海苔巻きは黒玉子は黄
労る手遣りて梅見の蝶番
粋な黒梅見男の鳥打帽
片言の日本語挟み梅見客
観梅の風強ければ足勇む
癌といふ爆弾抱え梅見とぞ
梅見茶屋バタバタ組立てロケセット
観梅は日のある内に巨福山 素抱
観梅におもむく一団前を行く 素抱
飛石の高さを足して梅見客 素抱
梅見ての余生などとはとんでもない 宿好
袖煽る風ありてこそ観梅は
観梅も明治天皇お成りの地
観梅に佇むひとも数える程
佇みて坐りて観梅百姿態
観梅の逸るこころを先立てゝ
鎌倉の梅見処に早速来
風すこし出できぬ梅見切り上げむ さざなみやっこ
魯山人展観梅雨の日曜日
抱へ来て観梅の座の新聞紙
観梅に誘ひし手前ばつ悪し
枝影を潜りて園の梅見客
甘酒の振舞い観梅期間中
観梅路日陰の茶屋の早仕舞ひ
布袋腹ほどの火鉢に梅見茶屋
月ヶ瀬の山梅見んと顎を出し
観梅の夫婦の会話筒抜けに
観梅や帽子被らぬ若人と


蕗味噌 /


◆行事

春祭 /

バレンタインの日 /
ひとごとの最たる日なりバレンタイン 素抱
老人には和菓子バレンタインの日 素抱
甘党の吾にもバレンタインの日
間食に妻の差し入れバレンタイン
エレベータガール眩しやバレンタイン

義仲忌 /
義仲寺の墓雪白に寒暮急
義仲公墓所の寒木瓜一二輪
義仲寺に暇塀越し枯れ芭蕉
義仲寺の葉を大切や枯れ芭蕉
義仲寺の芭蕉の花の蜜に蜂
義仲寺の門前寒し東海道
義仲寺の水の面の冬もみぢ
義仲寺のしろがねいろのさるすべり

多喜二忌 /茂吉忌 /

実朝忌 /
実朝の墓へ木五倍子の垂れ継ぐ道
鎌倉に当てもなく来て実朝忌
大挙して実朝の忌の沖つ波 さざなみやっこ
実朝忌ますらおの歌鼓吹して

◆動物

猫の恋 /
恋猫の恨みがましきこゑ収め 寒暑
恋猫にうって変はれる日も近し 随笑
恋猫の季節と云ふか黙らっしゃい 燕音
恋猫の香油のやうなこゑを曳き ぱらりとせ
恋猫の老嬢坐り直しけり ぱらりとせ
恋猫の往き来にそぞろ心かな ぱらりとせ
恋猫は日に膨らめる瞑想家 ぱらりとせ
恋猫の何にのぼれる爪の音 さざなみやっこ
恋猫のこゑを真似して通りけり さざなみやっこ
恋猫の彼奴此奴が庭通る ももすずめ
恋猫の別誂えの声を出す
恋猫のそれかあらぬか忍び脚
恋猫の事了ふあとのすまし顔
恋猫のこゑを亦聞く入日際
界隈の恋猫にして横坐り
夜に入りて風荒々し猫の恋
恋猫のどこ吹くかぜの朝帰り
恋猫のこゑの夜な夜な枕上ミ
恋猫に放浪癖のつく時分
恋猫のこゑのうろつく闇浅し
一夜にして恋猫となるこゑの艶
ご近所に恋猫のこゑ降って湧く
恋猫の欠伸噛みしめ膝ほとり
薄闇にして恋猫のこゑ二三
恋猫のこゑの奥にもこゑありき
意表つく孫来て恋猫追ひ立てぬ

白魚 /

公魚 /
七輪と椅子など公魚釣セット

鱵 /
戸田人に細魚の揚がる海があり 素抱
スタイルは細魚に優る水着かな 随笑
細魚(さより)嬢看護婦(ナース)寝起きの声掛けぬ 鳩信

鶯 /
鶯や畠いちめん波打ちて
匂鳥お経の如く読み下し
湯島天神女坂下うぐひす来
山道や鶯に息整えて
庭木無き家ばかり殖え春告鳥
鶯の藪の中より甘えごゑ 素抱
鶯の啼くや母音を先立てゝ 素抱
鶯の伝来のこゑ破綻なし 素抱
冬鶯吸ひ付くやうに梅が枝に 宿好
久遠寺の南無妙鶯ほうほけ経 燕音
うぐひすのこゑの又せり坊隣り 燕音
皇居に来鶯どきのガイド嬢
うぐひすの笛方雀の囃子方 ぱらりとせ
老鶯や起きて欠伸をもうひとつ さざなみやっこ
箸置に箸鶯の幼なごゑ ねずみのこまくら
古巣箱老鶯を目で追ひやれば
ひやひやと踏みてうぐひす張りの廊
北上川鶯色を湛えけり
鶯のさわりが板に付きにけり
付けたりのケキョの一ト声藪鶯
秋声の足下に生まるうぐひす張

眼白 /
逆しまに止まる目白を目白見て さざなみやっこ
目を止めし目白の側に目白ゐて さざなみやっこ
番で来る目白を心祝ひとす
垣伝ふ目白が一羽とは妙な
掠めゆく目白続いてもう一羽
一通り見せ呉れ目白の軽業芸 素抱
花の山騒がしにくる目白かな 素抱
目白翔ち目にも止まらぬ一を引く 素抱
梅汚れ番の目白来ずなりぬ 宿好
目白らが逃げないやうに眼で応ふ 燕音
たまに人来る花のもと目白ゐる
様になる細枝目白を止まらせて
餌漁る目白に鵯の加はらず
黐の実を引立て目白の目もとあり
成人式番の目白見かける日
目白らにせめて庭木の遺る家
目白捕る黐をコッコッ叩きをり さざなみやっこ
笹子来と云へば目白と正さるる ねずみのこまくら
近在は楠多くして目白御所
雨衝いて来しは目白か番なり
尾を振りて目白の機嫌梅の隙
目白来ぬ梅低ければ低く飛び
弾み来る朝の目白ぎっくり腰
バネの利く腰持つ目白ぎっくり腰
目白来てぎっくり腰の視野に入る
雀より少し機敏な目白来し
ついと来る目白や朝も早き内

四十雀 /
図説して教育園の四十雀(目黒 自然教育園)
四十雀来さうな日なり庭覗く
確信はなけれどそれは四十雀
四十雀の白と灰色ちらちらす
四十雀止まるその枝にすぐ飽きて
団子に柄つけし形に四十雀
判らねば其にしておかう四十雀

◆植物

末黒の芒 /

猫柳 /
購買欲くすぐる苗木は猫柳
猫柳咲いたよ咲いた春よ来い
谷戸畑の日向いっぱい猫柳
猫柳だいぶ陽気がよくなって 素抱
猫柳少し膨らみ事も無し 素抱
猫柳苞を破れる渓の風 燕音
みゃうみゃうと水鳥鳴けり猫柳
異変とも思へる陽気猫柳
猫柳だいぶ陽気がよくなって
寒さ来て寒さにめげず猫柳
猫柳少し膨らみ事もなし
この木の芽何處か似てゐて猫柳
猫柳一言云ひて皆触るる ももすずめ
猫柳苞を破れる渓の風
川縁の辺りの陽気猫柳
猫柳雫切ることうれしげに

クロッカス /
クロッカス鉢の古土交え植う
クロッカス一輪春めく日も一輪 素抱
クロッカスぐらと地表を吹ける風 宿好
三寒を遠ざけ庭のクロッカス
クロッカス一輪春めく日も一輪
陰る日に臆病咲きのクロッカス ぱらりとせ
クロッカスぐらと地表を吹ける風
クロッカス日がな開閉繰り返し

片栗の花 /
ほくり咲き秋田支藩の武家屋敷 宿好
控え目になほ控え目に花かたかご 鳩信
かたかごの素描くりくり瞳(め)の動く 鳩信
アイドルの髪型かたかご型どりて 鳩信
べべんべんべんと堅香子反り返る 鳩信
かたかごの花の盗み目林中に 鳩信
かたかごのつんのめり咲きして墓地裏
薄着して巡る堅香子日和かな
彼の人の目線点々かたかごへ
アイドルの髪型かたかご型どりて
面長の堅香子に顔突き出して
かたかごへ視線を落とす老夫婦
戻るのは今が潮時花かたかご
かたかごの素描くりくり瞳(め)の動く
屯してかたかご崖を覗き込む
大斜面にしてかたかごの一等地
かたかごの花のうようよ屋敷墓
控え目になほ控え目に花かたかご
横浜線山辺で降りて堅香子見に
かたかごのぱらりと云ふは五六輪
かたかごの花の盗み目林中に
べべんべんべんとかたかご花の反る
ほくり咲き秋田支藩の武家屋敷


雛菊 /
このところデージーに凝る庭の主 素抱
デージーの根分けそろそろよき時分
デージーに如雨露の水の燦々と

春菊 /
仕事かたし来て春菊のごまよごし 宿好
鋤焼鍋春菊投入葱投入
己が彩忘るゝもあり野春菊

菠薐草 /
独り酌む目にほうれん草寒の内
菠薐草妻奨めればそろと箸 随笑
菠薐草妻奨めれば箸伸ばし
ぎっくり腰直さんための菠薐草

州浜草 /
雪割草風透き通るこの辺り 宿好
初不動支那の雪割草も売る

節分草 /
節分草節分草と尋め歩き 素抱
又も聞く節分草は見たきもの
節分草目当てのバスのツアーあり

蕗の薹 /
パック入り蕗の薹とは心外な 素抱
蕗の薹けふの泊りの一集落 燕音
馬頭尊脇にむっくり蕗の薹
この女(ひと)の何と目敏き蕗の薹
地酒酌むばっけの佃煮肴とし 寒暑

水菜 /
兜抜毘沙門天に水菜あげ 燕音

海苔 /
海苔拾ひこれは一等海苔なるや 素抱
海苔拾ふ海苔の如くに漂ふて 素抱
我が拾ふ海苔は三等海苔でよし
海苔拾ひこれは一等海苔なるや
風呂敷のごとき海苔欲し流れ海苔
海苔拾ふ海苔の如くに漂ふて
細切りの海苔を散らして浅蜊飯
観梅の海苔巻きは黒玉子は黄
海苔ひびの翳ひょろひょろと浦磯に
眼底に刺さる海光海苔掬ふ
寒海苔を肴に酒はまだ飲むぞ
なまくら出刃もって寒海苔叩くかな 素抱
海苔拾ふ腰を大きくおよがせて 素抱
手間暇掛け拾ひし寒海苔これっぽち 素抱
海苔採の麁相の袖口絞りけり 素抱
海苔拾ひとてもたまらぬ冷たさに 素抱
流れ海苔鴉のごとく翔けるあり 素抱
出刃持って小柴の寒海苔百叩き 素抱
ひとり酌む甘酢の海苔に宵の雨 素抱
海苔採の完全武装耳袋 素抱
海苔採の身を削ぐ風に水っ洟 素抱
二月は海苔拾ひなどして精出す日々 素抱
ぞんぶんに海苔拾ひして手近な海 素抱
海苔採に昔語りを浦浪は 素抱
海苔育つ海は広いな大きいな 素抱
逆光に海苔掬ふこと百万遍 素抱
海苔拾ふうすももいろの掌に 素抱
軽きが売り宮古岩海苔お土産屋 随笑
海向う海苔の木更津鯊の木更津
なまくら出刃もって寒海苔叩くかな
海苔拾ふ腰を大きくおよがせて
途中から寒海苔拾ひに転向す
海苔採の見ゆる浜辺に顔出しぬ
二月二十八日の海苔酢に浸す
拾ひ来て今日の糧とす海苔・若布
乾上りて浅蜊の潟と海苔の粗朶
海苔拾ひこれでなくちゅあ腰に魚籠
海苔採の完全武装耳袋
海苔採の身を削ぐ風に水っ洟
二月は海苔拾ひなどして精出す日々
二月尽波滔々と海苔運ぶ
ぞんぶんに海苔拾ひして手近な海
鶏冠海苔「はあるが来たとおもふべな」
春の波流れ海苔載せどんぶらこ
流れ海苔波間に躍る二月尽
流れ海苔疾風に掬ふ水っ洟
八方へ海苔が流れて広き海
手間暇を掛けて拾ひし海苔これっぽち
海苔採の麁相の袖口絞りけり
長靴履海苔採姿出来上がり
流れ海苔拾へる人の身拵え
出刃持って小柴の寒海苔百叩き
海苔採の腰が泳いで採り疲れ
海苔叩く音のとんとこ日脚伸ぶ
流れ海苔鴉のごとく翔けるあり
海苔拾ひとてもたまらぬ冷たさに
海中に大きく見えて流れ海苔
海苔好きな蠅とは小奴も贅沢な
海苔採の翌日の腰頼りなき
浦晴れてしこたまあらな流れ海苔
ひとり酌む甘酢の海苔に宵の雨
海苔採に昔語りを浦浪は
少年の昔を今に海苔採る景
海苔育つ海はひろいな大きいな
少年の昔の波音流れ海苔
腰伸ばし海苔の塵取りまだ半ば
海苔拾ふ女ばかりの中に入り
中腰のあ痛たた流れ海苔拾ふ
粗朶離る海苔掬ふこと百万遍
海苔拾ひはた浅蜊掘二兎を追ふ
掬ひ採る今を昔に流れ海苔
海苔拾ふお国談義の婆と婆
海苔拾ふうすももいろの掌に
海苔巻のすこし乾ける遅日かな さざなみやっこ
味噌汁に布海苔を浮べ荒磯宿
海苔粗朶の一つ一つに冬鴎
野遊びのおむすびの海苔パリリッと
流れ海苔掬ひて桶をはたく音
浅蜊掘る海は遠浅海苔の香す

青海苔 /
青海苔を採る永日の日を忘れ
青海苔の乾からび白光放つ巌
四万十青海苔載せて朝飯喜ばす
四万十川の青海苔の香に一善飯

梅盆 /
三段の盆梅の鉢初天神
紅白の盆梅あしらひ小衝立
銭湯の心尽しの鉢盆梅
盆梅を手に取り見れば墨客めく
初不動苞の盆梅鷲掴み

梅 /
ひた登る山径嶮し風と梅
急峻な坂の梅みる一呼吸
日向山梅の窶れのみえぬ裡
梅林出て襟掻き合はす夫婦もの
梅林の花期を話題にして散策
梅林に突如湧きたる笑ごゑ
梅林の香の尽き赤土畑に出る
たまに逢ふことが佳きこと梅三分
梅林の日溜りでとるお弁当
梅林の厠ぽつんと日溜りに
雛壇のごとき棚田に梅を観る
老梅に風鳴るばかり北斜面
梅林に流る人ごゑ風交り
整然たる梅林を振り返りたる
早梅の山順繰りにひと降ろす
早梅に風鳴る山の高みかな
風の他訪ふものも無きハケの梅
梅林を見て来て頬っぺ赤きひと
のほほんと登りて降りて梅の山
横須賀市田浦梅林ここで下車
甲矢(はや)乙矢(おとや)飄と空切る梅二月
狂歌堂真顔の歌碑に梅の風
ひともとの梅の根方に狂歌の碑
魁の梅に近づく写楽顔
烈風もものかは梅の侠気かな
蔵壁は永久の真白さ梅の花
梅林の上の日向の避寒宿
しまい込む箪笥預金や梅の日々
梅咲きて虎屋の羊羹旨き昼
うんすんも云はぬ堅物坊の梅
鳥見居り小じんまりした梅林に
もう待てぬ梅の性分一分咲き
鎌倉の咲く迄待とう谷戸の梅
咲く気無き梅の廻りを一巡り
我が知れる梅林の数指折りて
杜撰はた整然梅の徒長枝は
梅林を一巡りして退場す
魁の梅前にしてホ句ごころ
土湿る山に早梅探らむと
不粋なる山を彩どる梅椿
変哲の無き景ばかり梅二月
日の陰る梅組み立てしごとき枝
何處となくとんがる風や梅林に
けふよりは膨らみをらむあすの梅
一つづゝおろそかならず梅の紅
江戸に名を取りし杉田の梅の裔
一世を風靡せし梅唐の世も
懐風藻梅のかほりを漂はせ
花は梅随・唐の世を偲ぶべく
どうせなら人出ぬ前の谷戸の梅
早過ぎることは承知の上の梅
天神の早梅真白き花混むよ
梅みむと天神前でバスを降り
稲荷の赤天神さまの梅の赤
天神の鳥居二つ目くぐれば梅
菅公の梅石畳直進す
天神の梅の合間の忠魂碑
梅林をいつしか抜けをり日向道
梅林の厠の壁の白かつし
山間の魁の梅探らむと
淡泊な天満宮の紅き梅
久良岐郡蒔田村辺の梅の花
紅梅の紅白梅に先んじて
寺町の梅の遅速を見て歩かむ
とっつきの梅の莟のくりくりと
尋ぬなら何處そこの梅囲み記事
何時入りし切絵の世界梅の影
折角の鎌倉山の梅咲かず
江ノ電は人の目線の高さに梅
梅探り北鎌倉の風探り
ぽんぽんと巨き飛石梅早し
陽気一変逡巡の梅ならむ
きのふ寒くけふあたたかく軒の梅
ろう梅や夕日大きく傾きて
飛び石の高さを足して梅見客
梅膨らまむ春先の陽気とよ
鎌倉の梅見処に早速来
混沌を愉しむが如梅ケ枝
ろう梅のはなくたくたとなってをり
好意ありがたく綻ぶ梅のなか ぱらりとせ
巨福山梅は五百(いお)木に先立ちて ぱらりとせ
曇日の目許ぼんやり梅咲けり ぱらりとせ
梅もぎの擦り傷此処とこことここ さざなみやっこ
梅は了り杏咲きそめ桃半ば さざなみやっこ
園の梅何分咲きかと確かむ風 さざなみやっこ
叡尊の鎌倉下向も梅の頃 さざなみやっこ
真向より烈風を受け咲ける梅 さざなみやっこ
事旧れど杉田の梅を偲ぶべう さざなみやっこ
かつかつと寿福金剛禅寺の梅 さざなみやっこ
その梅は豊後と告ぐる破裂音 さざなみやっこ
天神の梅に祝詞の出だしかな さざなみやっこ
風すこし出できぬ梅見切り上げむ さざなみやっこ
まんまると梅の莟を誉むるこゑ さざなみやっこ
梅を見て廻る歩幅となりゐたり さざなみやっこ
海東の法窟の梅心当て さざなみやっこ
梅かをるをみなの引目鈎鼻に さざなみやっこ
梅林をざつと見て来ぬ鼻つ風邪 ももすずめ
風の中梅の徒長枝日を恋へる ももすずめ
早咲きも早咲き明王院の梅 ももすずめ
ぬかるみに嵌り其処より梅を見る ももすずめ
つまさきだち緑蕚梅を嗅ぐ男 ももすずめ
梅東風に弁財天の膝吹かれ ももすずめ
梅林を歩いて見むかもう少し ももすずめ
巨福(こふく)山梅の活発発地かな・・・建長寺 ねずみのこまくら
清湘老人呼びに遣りたき里の梅 ねずみのこまくら
風邪に臥す一日梅の光りざま ねずみのこまくら
梅柄の枕に涅槃し給へる
巨福山梅は百木(ももき)に先立ちて
平九郎梅の花数まづまづや
そこそこに華やぎ梅のもみぢせり
散り癖のいろいろありて梅もみぢ
枝々のあらかた透けて梅もみぢ
ゆふいんの霧に目の慣れ梅もどき
由布院の朝鳥啼けり梅もどき
伝へ聞く颱風接近梅もどき
青梅雨の家包曽我の極上梅
下曽我の曽我さん宅の白き梅
雨に散る梅花俗名きちの墓
冠雪の富士は野梅の空つづき
下曽我の梅皚々の方十里
年代物写真機出して梅を撮る
梅の木に鳥の乗り降りきびきびと
天神の梅に謝すこと多々ありて
ご老人梅と桜を取り違へ
山梅の咲く急斜面緩斜面
山風が吹く梅林の端に佇てり
天性の野梅の白といふべかり
梅の花スケッチ型染作家かな
梅を見る足をふんばり急斜面
山腹の梅は真白き日を返す
山の梅疾うに匂ひのとんでをり
梅林に腹擦り翔べり群雀
急斜面一際梅の香も強く
重心をうつしてみるや梅の花
湯河原幕山梅の里
枝ぶりに付き古梅は範を垂れ
湯河原の外れ野梅といふを見に
新平家書き継ぐ部屋に梅の影
山峡の梅の日向に踏み入りぬ
梅の木に雪が舞ひ来てえらい降り
梅もぎの一ト年ぶりのこんなこと
梅の花唐竹割に二月空
日差す中花片寄れる古木の梅
梅落葉散るにまかせて始末せず
見識と破格問はるる梅の花
梅もぐに程よき力使ひけり
庭の梅そろそろ鵯の来る時分
梅汚れ番ひの目白来ずなりぬ
ひととほり梅林を見て引き返す
二分咲きの梅と聞きしが嘘ばっかり
蓬莱といふ梅ありて夢うつつ
梅園に故郷の錦てふ梅も
梅が枝の間に踊れる鳥の翳
斉昭の戦に備ふ梅ぞこれ
梅散ってよしと云はぬにもう散りて
梅見ての余生などとはとんでもない
酷寒に打たれて覺めぬ梅の性(しょう)
緑蕚梅鋭角に影投げ出せり
道すがらコツンと生る梅一句
梅を描くコンテのタッチ荒削り
寿福寺や寿の字寿の字に梅の花
若宮の社殿に映ゆる薄紅梅
梅が枝の莟の付き方三通りよ
幹捩れなかなか咲かぬ頑固梅
二粒づつはた三粒づつ梅蕾む
梅が枝の先っぽ莟のうすみどり
先っぽ梅の莟は走りけり
ほうほうと梅の莟を見て廻る
梅弾け音無き音を聞くごとし
あち見こち見梅が上枝の鵯の嘴(くち)
早梅に上目使ひの通行者
鵯ゐれば首をすくめて梅が下
とっつきの梅の一輪嗅ぎゐたり
梅林の剪定済めば鴉が来
梅林に剪定音の徹る昼
梅つぼむ口もつむぐにしくはなし
梅林に鋏との鋸の剪定音
庭石のまろまろ梅は固莟
靴の泥削ぎ落としけり梅の下
梅林の莟ばかりの素っ気なし
乃木旧居梅はまだまだ固莟
梅林のあればつと入りついと出で
枝影を潜りて園の梅見客
人を見て鵯発てり梅もどき
梅もみぢせると云ひてもこの程度
空ら風にぶらつく梅の葉数かな
つまらなき色して梅のもみぢ了ゆ
三日目の夜干しの梅の香なりけり
梅を干す後姿の空似かな
齢ばかりとる梅の木の実のぽっちり
母なりに嫁なりに梅漬ける家
うっすらと埃の載れる冬の梅
梅文の切子硝子の雛調度
つづけざま青空三日梅の蘂
顔にくる瑞鹿山の梅の風
梅見客芸妓見番うち過ぎて
月も半ばのこゑきけば梅ふふみ初め
見当をつけて来たればふふむ梅
ひとつ咲いて日差しのゆるみそむ野梅
即吟派遅吟派梅を探らんと
老體に鞭打ち梅の一ト盛り
早梅の今日薫るべく烈風に
二階より二つ三つ咲く梅覗く
雪雫梅に光りを送りけり
大寒の近づく梅の蕾みやう
梅の名は古代青軸ふむと見て
梅型どり慈姑にきざみ入れにけり
老梅をたうたうへし折る風颱風
楚々として梅鉢草の咲く高地
八幡平夏の名残の梅鉢草
跫音を猫も憚る梅莚
梅渓を縫うて奈良よりバス来たる
月ヶ瀬梅林関東者の吾れを入れ
梅渓の一目八景春の風
月ヶ瀬梅林鹿飛谷といふがあり
梅林の関西弁の中をゆく
溜息の月ヶ瀬梅林九十九折
布袋腹ほどの火鉢に梅見茶屋
却ってや取り残されし梅の里
月ヶ瀬の梅林茲に在りと詩碑
月ヶ瀬の梅林の間瓦葺き
月ヶ瀬の梅在る故の山間部
月ヶ瀬の山梅見んと顎を出し
梅古庵前の渓咲きむめ見頃
月ヶ瀬梅林
梅咲くと奈良北東部月ヶ瀬村
大方は関西弁や渓の梅
陽に叛く一花なき梅振りあほぐ
尾を振りて目白の機嫌梅の隙
山梅を見通しのぼる寺の磴
青空に枝を差し込める緑萼梅
あられもなくなりて日向の梅の蘂
南面の日溜りぼやけた梅ばかり
梅の蘂谷戸青空にハツハツと
梅ことし早しと報ずさて何處へ
梅眩しく立木眩しく瑞泉寺
中空に長けて飄々梅老い木
がんばって歩くといふこと梅日和
紅白の梅うち潜り瑞泉寺
梅が枝の跳ねて瓦に触れんとす
目白来ぬ梅低ければ低く飛び
梅蕾むところまさしく厚日向
早梅いっぽん杉本寺の磴ほとり
梅咲き出す南面は日の差す方
咲くときは一緒と梅の賑やか好き
外出気分沸々梅など咲き出して
日向より日陰凛々しき谷の梅
緩む日にうなづき合うてハケの梅
林中を風吹き通す梅は未だ
梅を見る室内のよりあたたかく
腰痛の抜けたる梅の三分咲
萬物光輝を生ず最中に梅燻ず
ぎっくり腰顔をしかめて梅を見る
おしめりに梅も何やらほっとして
初孫の勝気は誰似梅真白
梅の他何にもなくて駆込寺
喪に服す間に梅は満開に
北鎌倉梅のさかりは未だ未ださき
満開の梅もあらむに降り始む
水仙と梅の老木斜面畑
鵯が三日の畑の梅の木に

紅梅 /
紅梅に紅梅のとるよき間合 さざなみやっこ
魁の紅梅の花片寄れる
紅梅に鳥居を配し初天神
蘂吹かる紅梅の名は紅千鳥
紅梅のたった五輪に馳せ来し路
紅梅の老木にして薄日向
早咲きの紅梅透けり除夜篝
年内にまさか紅梅咲けるとは
山腹の紅梅目当てにのぼるかな
浦山の一谷埋めて緋紅梅
紅梅や声掛けて脇通り抜け
紅梅に侍りて一言あるべきか 素抱
濃き方の紅梅へ先づ足を向け 素抱
紅梅を丹念にみる夫婦もの 素抱
紅梅に見惚れる人の肩優し 素抱
回り込み見る紅梅の媼ぶり 素抱
紅梅に抱え込まるる如く居ぬ 素抱
どちらかと云へば紅梅勝る景 素抱
紅梅に佇めば土ふかふかと 素抱
紅梅を顕たせる日差し加減かな 素抱
紅梅を少し多めに天満宮 素抱
紅梅の莟ぽこぽこ鉛筆描 随笑
紅梅のよくよく見れば弾け花 宿好
紅梅のいろの飛びたる訪問着 宿好
はるかにて雛あられめく淡紅梅 鳩信
紅梅の目先の花より奥の花 鳩信
紅梅は蕾のうちの真くれなゐ 鳩信
紅梅に戻りて目線やはらぎぬ 鳩信
紅梅は生菓子ほどの湿り得て 鳩信
紅梅に放心頭(かしら)大きひと
紅梅の綻び初めて雛の息
紅梅を濃しとみる距離ありにけり
妻の位置吾の位置紅梅真ん中に
緋紅梅揺さぶりづめに谷戸の風
紅梅にほとりて一言あるべきか
紅梅に見惚れる人の肩優し
濃き方の紅梅へ先づ足を向け
目を移す斜面(なぞえ)の次の紅梅へ
紅梅の花の隙間の暗みかな
紅梅を丹念にみる夫婦もの
紅梅は隣の山に固め植え
紅梅を揺さぶる風の段畠
紅梅の懐に入る鳥のごと
紅梅の彩の厳しく急斜面
紅梅の樹下の黒土踏みしめぬ
雨吸ひし山の中腹遠紅梅
よべ雨の端山紅梅彩尽くす
紅梅やつるんと転けそな山の径
紅梅へのっと漢の頤かな
回り込み見る紅梅の媼ぶり
ご昵懇なる紅梅に遭ひに行く
紅梅に抱え込まるる如くゐぬ
どちらかと云へば紅梅勝る景
紅梅を遠くしてみる一風情
紅梅のほんとの紅は蕾のうち
紅梅の内懐は暗かりき
ひともとの紅梅裹む薄日差し
紅梅に差し込む日筋斜めなり
紅梅を顕たせる日差し加減かな
紅梅の小木も交れる天満宮
紅梅に佇めば土ふかふかと
紅梅を少し多めに天満宮
谷戸の上に出でて紅梅目に納む
紅梅の樹下に黒猫ぬっと現れ
紅梅の懐に入る目暗がり
紅梅の昃りて黒に近き紅
紅梅の紅白梅に先んじて
紅梅の一輪人の絶えて莫し
紅梅の精境内を漂ふて
紅梅に寄りくるひとりふたりかな ぱらりとせ
老紅梅能う限りの花付けて ぱらりとせ
紅梅の一二輪ほど好意に似て ぱらりとせ
紅梅の雪洞咲きに遍き日 ぱらりとせ
紅梅の雨滴とろりと枝をつたひ さざなみやっこ
紅梅に赤坂小梅顎引き さざなみやっこ
眼の馴れてつまらぬ彩の紅梅よ さざなみやっこ
黒髪に吹きつける風紅梅へ さざなみやっこ
しぶしぶと煤け紅梅咲き出せり ももすずめ
紅梅の下土踏めばほこほこと ももすずめ
紅梅を見合のごとく見てをかし ねずみのこまくら
紅梅の上白梅をわたりし風 ねずみのこまくら
紅梅の中へ一歩の夕ごころ ねずみのこまくら
紅梅にもつとも近く女ごゑ ねずみのこまくら
瞬きてはっきりさせぬ淡紅梅
紅梅の幹はとみれば年期もの
紅梅の莟近々頬っぺいろ
はるかにて雛あられめく淡紅梅
紅梅の目先の花より奥の花
紅梅は生菓子ほどの湿り得て
紅梅は蕾のうちの真くれなゐ
紅梅に戻りて目線やはらぎぬ
紅梅のまはりの空気うまかりき
紅梅に近々鼻の穴寄れる
紅梅の唇いろに雨意確か
紅梅に白梅を重ね見て
蕾見て咲けば見事な紅梅と
暗澹たる山峡の空紅梅に
紅梅の寺山号は瑞鹿山
紅梅の咲けるてっぺんあたりより
紅梅に目を奪はるる峡の口
いっぽんの心に留めぬ夕紅梅
鳥も引きぽつねんとある夕紅梅
紅梅の紅を力に坂上る
紅梅のこれといふ彩無く窶れ
紅梅のいろの飛びたる訪問着
紅梅の家のとびとび佐助町
紅梅のよくよく見れば弾け花
紅梅の膨らむ莟見たるのみ
紅梅の日中に二ッはじけ玉
紅梅の莟ぽこぽこ鉛筆描
紅梅の莟ぽこぽこ寺日向
白梅は了へ紅梅はこれからか
紅梅の懐に日の割って入り
月ヶ瀬の胸突き坂の緋紅梅
紅梅は池の向うや大廻り
紅梅に女近寄り遠ざかり
水仙に紅梅に人瑞泉寺
探梅の先づ紅梅の一本目

黄梅 /
割烹の殖ゆる道筋迎春花
黄梅や磴の磨り減る瑞泉寺
迷ひ道ぱったり出会ふ迎春花

山茱萸の花 /
虫出しの雨山茱萸を一押しす
山茱萸の辺に来る翅音の弱々し
老眼の霞み目懈し花さんしゆゆ
さんしゆゆの彩させる芽の暮れかかり
さんしゆゆの呼び込む冷えに佇めり
さんしゆゆの天辺に日の当りをり
山茱萸の花の割には幹粗末
さんしゆゆに思ひ当たるは鉦のいろ 素抱
さんしゆゆの黄を振り撒くは善意めく 素抱
どうでもよいやうに山茱萸なりにけり 素抱
窶れもう取り繕へぬ花さんしゆゆ 素抱
帝王学山茱萸明り取り込んで 素抱
鼻冷えて来ればさんしゆゆ暮れ放題 素抱
風の日の山茱萸よりも日の弱気 素抱
さんしゆゆの花了ふ翳がよぎるごと 素抱
渋さとは恰好よさとは山茱萸咲く 素抱
山茱萸に日はまだ粗き洗濯物 素抱
さんしゆゆの持ち味曇れば曇る形(なり) 素抱
余寒なほ山茱萸の粗衣なぶる風 素抱
王道は山茱萸の黄を貫きて 素抱
山茱萸咲く笙・篳篥の樂あらな 素抱
山茱萸が咲いて初陣めける日よ 素抱
山茱萸の黄が開け放つ朝なりき 素抱
山茱萸の窶れ夕日にあはれまる 素抱
山茱萸の日暮れ惜しまむ片田舎 素抱
山茱萸の無頼を通し来て浅春 素抱
居候然たり花了ふ山茱萸は 寒暑
日に痴れし山茱萸日々の眺めとし 寒暑
のほほんとして山茱萸の花ほとり 寒暑
山茱萸と云へば和菓子の黄味しぐれ 寒暑
このところ霞む記憶と山茱萸と 随笑
さんしゅゆの炒り卵咲き朝の日に 随笑
さんしゅゆの古木ぐらつく涅槃吹 随笑
山茱萸の黄み朝が来て日が昇る 宿好
旭の黄み山茱萸の黄み睦まじく 宿好
花つけてとっても寒き日の山茱萸 宿好
綻び出す庭山茱萸に雨の滋味 宿好
山茱萸の弾けてぽっと夕日中 宿好
どうかうもなく山茱萸の醜(しこ)もみぢ 鳩信
山茱萸が咲きぬ陽気もよくなりぬ 鳩信
花闌けて山茱萸は葉を押し広げ
梅・万作・桃・山茱萸と順に咲き
花さんしゅゆけふも一日暮れにけり
近くゐて遠目のここち花さんしゅゆ
山茱萸の影白壁に日は傾く
山茱萸を朝昼晩に見て家居
さんしゅゆの陽気振る舞ふ中にゐたり
さんしゅゆの大いなる威の中すすむ
さんしゅゆや栄光の日々無き者に
老耄の山茱萸と見られゐていつも
関心のいつも外(と)にあり花さんしゅゆ
さんしゅゆを朝夕眺め優劣を
さんしゅゆの花呼ぶ冷えにしゃんとせり
山茱萸の何處かに師の目見通す目
疎と云うか密と云おうか花さんしゅゆう
山茱萸咲く一気呵成の日なりけり
山茱萸は淡きを通し月のはな
王道は山茱萸の黄を貫きて
山茱萸咲く家に朝日を呼び込んで
山茱萸のぽんぽこぽんと弾み咲き
山茱萸に嘘のやうなる日の続く
山茱萸のなまなま蕾む昼の雨
山茱萸咲く笙・篳篥の樂あらな
山茱萸が咲いて初陣めける日よ
山茱萸をはじめ庭木の皆律義
山茱萸のつぶらな蕾機の熟す
山茱萸と起居共にし無為無職
山茱萸の燧の黄花庭に飛ぶ
山茱萸を黙って見をり今朝のあめ
山茱萸咲ききな臭き世を遙かにす
山茱萸の蕾と竝ぶ雨しづく
山茱萸に音なしの雨濡れ飛石
山茱萸の明日恃む彩奔放に
山茱萸の窶れ夕日にあはれまる
山茱萸の黄が開け放つ朝なりき
山茱萸の烟るかに縁薄れたり
山茱萸も人の縁も遙かなり
小庭にも春くる證し山茱萸咲く
枯山茱萸紆余曲折のなれの果
山茱萸の希望見いだすごと咲ける
山茱萸の花が創りし陽気なり
山茱萸の日暮れ惜しまむ片田舎
山茱萸の無頼を通し来て浅春
山茱萸にいま一照りの夕日かな
そっけなく枯山茱萸を離るゝ日
山茱萸の出を待つまでの殺風景
山茱萸の霞み始むにもう一刻
枯山茱萸かさかさしをる手をこする
山茱萸の粗悪な土地に粗末な枝
質素なり山茱萸ほぐるゝまでの景
山茱萸の向ふ側より差し込む旭 ぱらりとせ
花さんしゆゆ日差しに斑のありにけり さざなみやっこ
山茱萸の一昨昨日より咲けるとや さざなみやっこ
さんしゆゆの葉裏に蜂の小さな巣 ももすずめ
さんしゆゆの鶸色に母屋没しけり ももすずめ
山茱萸の黄にむらありて鄙曇 ももすずめ
莟解くさんしゆゆ雨を心待ち ももすずめ
パッパッとさんしゅゆの黄を振撒ける ももすずめ
山茱萸に赤き実付くを君知るや
どうかうもなく山茱萸の醜(しこ)もみぢ
山茱萸の花の黄沈む鄙曇り
山茱萸が咲きぬ陽気もよくなりぬ
山茱萸の綻び初めしより諸々
山茱萸の花古ぶ前手を打てり
もぞもぞと山茱萸春も整ひて
山茱萸の芽に水晶玉の雨雫
祖父のごと傍らに山茱萸の芽
山茱萸の万蕾弾け飛ぶ黄なり
山茱萸の莟莟の未だ硬く
冬日に透き山茱萸の樹皮瑪瑙いろ
山茱萸の色を引き継ぎ土佐水木
烈風に庭山茱萸の蕾張る
山茱萸咲き贋金造り流行る世に
旭の黄み山茱萸の黄み睦まじや
山茱萸の黄み朝が来て日が昇る
花付けてとっても寒き日の山茱萸
山茱萸の弾けてぽっと夕日中
山茱萸のこの花咲けば春一気
山茱萸の固き莟に雨白し
あのやうに鵙は山茱萸の実を盗む
もみづると云へども山茱萸この程度
草臥れてしまへば山茱萸忘れられ
山茱萸の盛りを過ぎし花に飽き
山茱萸のほとりを過ぎて足音失せ
山茱萸の一花開きて全て咲く
このところ霞む記憶と山茱萸と
山茱萸の痴呆が移る小昼時
山茱萸の老木懈き花掲げ
山茱萸の粒粒咲きに朝日さす
吃として山茱萸咲けり風の中
山茱萸と倶に朝の日迎えけり
陽に囀るごとく山茱萸咲き出せり
山茱萸の塵程の芽をなぶる風
山茱萸に二度目の雪をもたらしぬ
山茱萸の襤褸着て二月の風に耐ふ
巡り来る春を思へと山茱萸の芽
雪かむりいたいたさうな山茱萸の実
山茱萸の冬芽ぐらつく突風に
居候然たり花了ふ山茱萸は
アブラチャン・木ぶし・山茱萸黄のとりどり
満目の山茱萸朝日に貫かれ
山茱萸にほとりす芽吹き具合見て
山茱萸の風に大搖れ抜ける空
日に痴れし山茱萸日々の眺めとし
重き腰起たしむ庭の山茱萸咲き
山茱萸の咲き休まざる花の昼
山茱萸のせっかち咲きも月始め
のほほんとして山茱萸の花の昼
山茱萸に薄曇る空そらぞらし
花了る山茱萸を風素通りす
遠浅の海めく山茱萸霞めるは
昃れば山茱萸はるか遠退けり
山茱萸の花期返信を溜めに溜め
山茱萸と云へば和菓子の黄味しぐれ
目を瞠る春は山茱萸の木ほとりより
山茱萸の棚引くところへ目を戻し
山茱萸の懐に日を取り込んで
うちあふぐ天に夕月地に山茱萸
春寒に山茱萸ひるむ日なりけり
山茱萸の花を乾びし風震ひ
山茱萸の花は一気にこの陽気
山茱萸の莟ほんのり黄の載れり
老木の山茱萸の辺に住みなせり
山茱萸の日向臭きを風払ひ

まんさく /
万作の風襟首を掠めゆき
一向に伸びぬ万作庭隅に
万作にちりちりと日は音立てゝ
万作の日差しを懈くおもふ日も
万作の隙間を縫ひて風通ふ
物申(ものまう)と風に万作口を切る
万作の髯を揺らして風鮮らし
万作は微風を糧として漫ろ
万作が皮切り小庭賑やかに
風吹けば万作が咲くことし又
万作咲いて二日も経たぬに傷み出す
万作と夕空つりあひとれてをり
豊年踊り地口も嬶(かが)腹万作と
満作の鉤十字(ハーケンクロイッ)靡かせて 素抱
ヒトラーの雄辯満作前にして 素抱
満作はお天道様のおかげ咲き 素抱
まんさくの隙間だらけの花愛す 素抱
金縷梅の黄色は中華菓子のいろ 素抱
満作植う根方を強く足固め 寒暑
満作の小出しに咲ける臆病花 寒暑
満作の昼素通りの郵便夫 寒暑
桃・満作咲きてとんとん拍子の春 寒暑
満作の昼臈たげな気息かな 寒暑
満作の綻び初めぬ空鳴る日 寒暑
満作を前に餃子のげっぷかな 寒暑
そくばくの風立つが見ゆまんさくに
万作やはたきは疾うに廃れたり
ヒトラーの雄辯万作前にして
万作の鉤十字(ハーケンクロイッ)靡かせて
我が闘争(マインカンプフ)読み止しの眼を万作に
万作や今日も何處かで工事音
花まんさくちりちりと日に温む膝
万作はお天道様のおかげ咲き
支那万作風に緩みの見え来たり
万作のいつ咲きていつ花了ふ木
結び目のほぐれ万作黄を展ぐ
まんさくにか細き風の過ぐるのみ
桃・万作花期を違へて賑はふ庭
金縷梅が震えて申す「日が弱き」
三春の魁為してまんさく咲く
まんさくに四通八達風のみち さざなみやっこ
まんさくに昼の風向きかはりけり さざなみやっこ
まんさくのカイゼル髯の風そろと ももすずめ
まんさくの風に瞬く幾星雲
さぞやとはおもふ金縷梅花了へて
烈風のなか金縷梅に目を張りぬ
金縷梅のきみしぐれ彩眩しめり
金縷梅の目出度く中華菓子の彩
境内に万作いっぽんとは淋し
万作植う根方を強く足固め
万作の小出しに咲ける臆病花
万作の臆病咲きも風鳴る日
万作の昼素通りの郵便夫
万作に次の微風が起つまで居
万作を顫はす風に目を細め
桃・万作咲かせとんとん拍子の春
万作植う水鉢に水たっぷりと
万作の苗木飯店に持ち込めり
万作や遠雪嶺を走らせぬ

下萌 /
母上に八十八度草萌えて(米寿)
草青む皇居広場の西東
北上の草萌ゆ頃の雑草園
下萌えのいろの待ち針針祭
デッキより臨む空港草青む
ランディング寸前翼下の草青む
七草を明日に堤の草萌ゆる

いぬふぐり /
丘丸くその先に海犬ふぐり
弁当を片づける音犬ふぐり
和田浦の旧道ゆけば犬ふぐり
犬ふぐり集落のごと點在す 素抱
犬ふぐり堤飾るを怠らず 素抱
犬ふぐり心許なき日影得て 素抱
均等に日を配らるる犬ふぐり 素抱
犬陰嚢(いぬふぐり)あらぬ文ン字をあてがはれ 素抱
犬ふぐり殊勝といふに余りある 素抱
目に入る花卉乏しくて犬ふぐり 素抱
犬ふぐり川はなめらか音立てず 素抱
遺溝吹く風の続きに犬ふぐり 素抱
犬ふぐり屯す郵便受の下 寒暑
犬ふぐり浴びる旭の真新し 寒暑
大空のもとの祭典犬ふぐり 随笑
空讃え水音讃え犬ふぐり 随笑
犬ふぐり一寸離れて牛はこべ 随笑
犬ふぐり集落のごと點在す
犬ふぐり堤飾るを怠らず
犬ふぐり一族郎党引き連れて
腹の鳴るもう昼どきや犬ふぐり
犬ふぐり右に左に車輌音
犬ふぐり心許なき日影得て
均等に日を配らるる犬ふぐり
薄日差し根まで届きて犬ふぐり
犬陰嚢(いぬふぐり)あらぬ文ン字をあてがはれ
犬ふぐり殊勝といふに余りある
目に入る花卉乏しくて犬ふぐり
犬ふぐり一人歩きを彼の人も
犬ふぐり見るとて草に正座して
犬ふぐり川はなめらか音立てず
遺溝吹く風の続きに犬ふぐり
もろともに路肩と崩れ犬ふぐり ももすずめ
草の間吾を見上ぐる犬ふぐり
覗き込む人を窺ふ犬ふぐり
大空のもとの祭典犬ふぐり
空讃え水音讃え犬ふぐり
犬ふぐり一寸離れて牛はこべ
犬ふぐり屯す郵便受の下
犬ふぐり曇天あふぐ眼のくもり
犬ふぐり浴びる旭のまあたらし
足許にみるみる殖ゆる犬ふぐり
巨人吾の影がかかりぬ犬ふぐり
自転車を離して置ける犬ふぐり
犬ふぐり欠伸するかや日の盛り

君子蘭 /
君子蘭タカラジェンヌと聞くも嫌
君子蘭咲けば持ち出す庭表
君子蘭立派に咲けば讃へたき
花咲かぬ君子蘭置く縁日向
遣る水をじはっと吸へり君子蘭 さざなみやっこ
退院して君子蘭待つ我が家なる
家しんと葉の鎮まれる君子蘭
やっとこさ花を付けけり君子蘭
鉢植の花を忘れし君子蘭

若布 /
日和のこゑ仕上がり近き干若布
舟小屋の間抜ける風干若布
のたうって若布冬濤頭擡ぐとき
土用波根付若布をうち揚ぐる
土用波根付若布をうち揚ぐる 素抱
利尻メカブおじやうましよ当店は 素抱
若布汁これはやっかい吸ひつく蓋 素抱
利尻メカブおじやうましよ当店は
拾ひ来て今日の糧とす海苔・若布
若布汁これはやっかい吸ひつく蓋
若布汁熱きを啜り生きかへる
護謨胴着潮光りして若布掻く
引き揚ぐる若布二月の日の色に
地若布売る昔ながらの鮮魚店
地若布の入荷告ぐビラお茶屋さん
かがよへる辺り若布の生簀とよ
一目見てこの襞襞が若布の根
漂着の茎付はたき若布かな
捲き上げられ漂流若布波に透き
金比羅さん若布うどんに腹拵え
◆季語「二月」

喪に服すごとし二月の蜜柑畑
どぶろくの底を浚ひて二月尽
一寸だけ射して二月の日の退く木
日の射して無難なる景二月尽
二月二十八日の海苔酢に浸す
ちり紙の山や二月の屑籠に
空っぽの洋菓子袋二月尽
文机に辞書は定位置二月尽
二月は海苔拾ひなどして精出す日々
引き揚ぐる若布二月の日の色に
二月尽波滔々と海苔運ぶ
流れ海苔波間に躍る二月尽
拾ふものありて二月の庭雀
巖冴ゆる二月の朝比奈切通し
かさつける指もて開く二月の辞書
樹皮凛と二月半ばのさくらの幹
甲矢(はや)乙矢(おとや)飄と空切る梅二月
鶴其処に立つごと二月の噴水は
白描の二月の枝を鋭く引く
変哲の無き景ばかり梅二月
乾っからぶ土に二月の影曳く楠
手当たり次第はおりて二月始まれり
木の表情わけても二月の李の枝
李の枝赤く細かく二月ぞら
玻璃二月視界をよぎるものを待つ
木雫や風と氷の二月果つ
波明り差し込む二月の雑木林
梅の花唐竹割に二月空
赴任先カード二月のワルシャワより
そら豆の葉に土埃二月尽
がらくたの身体と知る二月尽
心臓の検査の梯子二月盡
ふむふむと二月の庭を往き来せり
杭打ちて二月の蚯蚓驚かす
二月始思ひ立ったる大仕事
こめかみにひたと二月の白日差
二月より三月心底冷ゆる日は
一ト月がすぐ過ぎ二月の診察日
固蕾二月半ばのこゑ聞けど
高梢といふ高梢に二月の陽
風邪なども引かず二月のこゑを聞く
山茱萸の襤褸着て二月の風に耐ふ
二月尽く区切りの風と覚めて聞く
ただならぬ火の粉浄土の二月堂
二月堂下に立ちんぼお水取
二月堂火の入るを待つ懐手
二月堂甍の冷えて初夜の行
チョロ松明(まつ)が三本上がる二月堂
三寒の今本行の二月堂
二月堂行の迫れる鹿の夕
本行も半ばに入れり二月堂
馬醉木の森二月堂まで横這ひに
髪刈るを一日延し二月尽
二月の陽振りあふぎ顔温めんと



以上


by 575fudemakase | 2021-01-23 06:33 | 自作


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

カテゴリ

全体
無季
春の季語
夏の季語
秋の季語
冬の季語
新年の季語
句集評など
句評など
自作
その他
ねずみのこまくら句会
ブログ
自作j
自作y
未分類

以前の記事

2024年 03月
2024年 02月
2024年 01月
more...

フォロー中のブログ

ふらんす堂編集日記 By...
魚屋三代目日記
My style

メモ帳

▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

検索

タグ

最新の記事

外山滋彦著「俳句的」の指摘し..
at 2024-03-28 07:13
山本覚馬
at 2024-03-28 05:53
【桜餅】といえばどっち派?全..
at 2024-03-27 05:17
あまおう」と「とちお...
at 2024-03-24 03:42
一茶 生きもの句帖 小学館文..
at 2024-03-18 13:28
シュリンクフレーションという..
at 2024-03-13 05:15
ザッピングzapping?き..
at 2024-03-11 01:51
書道 書・筆・墨・硯の俳句
at 2024-03-08 10:04
しょどう
at 2024-03-08 09:38
すずり
at 2024-03-08 09:35
筆の俳句
at 2024-03-08 09:26
墨の俳句
at 2024-03-08 09:04
書の俳句
at 2024-03-07 18:12
佐々木敏光句集 富士山麓・秋..
at 2024-03-07 05:49
山口昭男著 波多野爽波の百句..
at 2024-02-26 02:57
ザッピングzapping?
at 2024-02-24 00:32
私の俳句入門 大野林火編 有..
at 2024-02-21 01:39
茨木和生著 右城暮石の百句 ..
at 2024-02-20 03:20
季寄せを兼ねた 俳句手帖「春..
at 2024-02-11 18:17
我が家の梅 2024/02/..
at 2024-02-06 13:51

外部リンク

記事ランキング