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未発表句集 歩屁扉(ほへと)

未発表句集 歩屁扉(ほへと)

わが老後忙中閑が閑閑閑*虎狼難(コロナ)肺炎で期待外れ
牡丹旺んな境内吹き抜け臭(かざ)嵐*金沢区洲崎 龍華寺
御室桜照りては気圧す石燈籠*金沢区洲崎 龍華寺
青ダモと云へば日高のバット材*無論「花」を見ての一句
梟の城読み出せば黄鶯睍睆(うぐいす なく)
茶碗蒸し底を突つゐて陶の音
あんなに降ったから こんなにいい天気
暖かな日と為す御空の大日様
嬰の足弾んで弾んでつくしんぼ
海水の記憶に繋がる夏の果
見目もよく手頃な百合の値蒸しものに
救急車氷張る街滑走す*耳年寄
とんど火は北風に昏倒砂嘗むのみ
左義長の黒焦げ跡地に関係者
松林越しにとんど火ひいふうみい
沓脱にいわずと知れた鞍馬石
苔寺の庭石の彩二月盡
拝見す岩と木と苔巡らす庭
正月場所難敵力士しりぞけて
句を得んとほっつき歩くは羆に似
バラ這ふ館動いて何ぼのクラシックカー
初場所の見覚えある人砂かぶり*tv観戦
天覧相撲見んとテレビの砂かぶり
内無双唖然茫然逸ノ城
本年も俳句作らず読むばかり
鉛筆の筆圧軽く使ふ夏至
毛むくじゃらな汝の脚浮苗ひっつけり
お絵かきのたんぽぽの種子着地の土堤
冬麗の水底の鯊が手に取るやう
受験生螢光ペン派が今流行り
松過の鉛筆削機空ら廻り

万物枯れ時計は歯車内に秘め
宿浴衣つんつるてんで締まりなし
みずに独酌旅の気安ささうさせる
欄干より湯川のぞける浴衣がけ*塩原温泉
連れ立ちて湯町散策夕河鹿
こてこての金魚の糞の如きホ句
西瓜すい臓に良しと又聞きして食す
早逝に煮染め喰らひて腹が立つ
古本の処分急げと蚯蚓鳴く
鉛筆削機(えんぴつけずり)長夜の鉛筆咥え込み
枝豆に食べ頃ありと出羽言葉
夏負けせじ躰がよろこぶ塩麹
燈火親しめり二刷と印す本
日に透く海苔 紅、緑、藍、紫の万華鏡
海苔焼くと金色帯びて緑勝つ
昨夜鍋の煮返し下仁田葱艶然
小柴海苔巻いて、ちぎって、包んでと*横浜 金沢 小柴漁港
運動会おにぎりにしてヘタる海苔
湯気甘く上げて土臭だだちゃ豆
あつあつおじやと云へば昭和の病み上がり
一口に脳天くらり土瓶蒸し
山葵生ふ雨をもたらす連峰に
島暮らしわかめふんだん磯料理
おさしみに粉の山葵は金輪際
海鞘といふ懐かしきものひとり酒
牛若も食(を)すや鞍馬の山椒煮*午の夢
青菜てふビタミンの彩七種粥
お雑煮を食ぶころまぶたが重くなる
菖蒲の根束ぬ輪ゴムをぐるぐる巻き
曼珠沙華花の了りは火傷めく
古写真のパーマネントの子は妹
妻褒めて無心す栗の渋皮煮
ゴーサイン送りつ抜けだ出す月見の座
まあそれはさうと月下を急ぐ脚
虹の脚消えゆくあらあらなんとまあ
北風吹く中なかなか開かぬ鍵のバカ
金木犀薫るを止めず地に落ちても
雁帰る空にあとがきあるごとし
波羅門の赤き口中涅槃図に
顔見せの看板書きも冬立つ日
普通には野菊 詳しくは野紺菊
香林坊望む黒松菰巻す
冬立つ日菰巻ニュース金澤より
立冬の入院かかふ一荷物
目減りして神社の立木寂もみぢ
風の日は湯屋が恋しく冬隣
満月に足が弾んで戻り道
寛、八重子炉辺に暖とる一場面*伊志井寛 初代水谷八重子の写真車中ビラに
野すすき咲く象潟にだだちゃ雨
象潟なる地元の川にだだちゃ雨
との曇りふようは大き花納め

方向が外れて寄せ来る青葉潮
礁打って波の向き変ふ土用過
闇の底夜蝉の洩らすかすれ声
炒めもの朝から暑くてかなはない
五月妻キャベツ炒めに精出せり
鍋返し蒜炒めに精が出る
炎日の遅めの昼餉おにぎりよ
喫泉に五十男の顔濡らす
すいと落ち病葉といふ柔きもの
病葉の垂るは見苦し鉄扉の家
佳き風の吹く日の銭湯がらんどう
皐月の湯屋ササッと上がりて後味よし
腰痛に見舞はれもして早や晩夏(おそなつ)
夜宮の子いやだいやだを連発す
腰痛にとり憑かる夏うらめしや
銭湯の内庭沿ひに起こる風
戸といふ戸皆明け放ち夏の湯屋
手バリカンひゃっと當てられ祭の子
峯雲見てわたしに足りぬ突進力
胡蘿蔔齧りスローライフの似合ふ齢
かたつむりひとり暮らしを全うす
夏が来て衰ふ体力・余れる時間
瞬発力午睡などしておぎなへる
老人力意欲・体力・何のその
熟睡して夏バテ・フラツキ追っ払ふ
三越前地下にて降車薄衣(うすごろも)
猛暑故の乗り換え間違い銀座線
蛇笏に寄す謝辞の言挙げ涼しかり* 文挾夫佐恵氏「蛇笏賞」受賞
揚花火さらっと風の吹く今宵
熱帯夜をピポピポピポと救急車
盂蘭盆の空駆け昇る花火玉
昭和を詠む熱血 無頼の一俳優(わざおぎ)
亀鳴かす昭和男の一代記
打たれれば両頰さし出す半生記*聖書を揶揄して
虹より濃く小沢昭一的世界
放射熱残る歩道を戻りけり
秋草の茎の硬軟揺れ違へ
臑に触れ白露零す一穂草
ツイツイと寝息リリリとすだく虫
今晩のおかずによかろう初さんま
足組みに隣家包まれ初ちちろ
家建たぬ空き地にすだく千の蟲
どの一つとりても虫音気負ひなし
吹き窪められて夏柄ワンピース
遺跡の空ポンと足蹴にせるバッタ
竪穴住居ぎすの翅音を間近にす
眼を剥いてバッタはこの貌原始より
配らるゝゼリーは布袋あふひの色
黄葉して震災いてふの生き残り
肝冷やすとんだ日があり冬支度
五、六度距離とり眺め松手入
知り合ひゆゑ声懸けた迄松手入
蜻蛉のごと肩の力を抜き給へ
公案に応ふ貌していぼむしり
老人にしては達者よ其の抜き手
うわさに聞くこれが彼奴のクロールか
農業立国押し進めんと稲の花
一っ風呂浴び来て待てる良夜かな
雑木林 田んぼ 里山 赤とんぼ
ずぶ濡れの太幹十月櫻なり
手裏剣のごと飛んで来て秋燕
お昼寝の藺枕叩いて凹ましぬ
肘椅子のカバーの光沢豊の秋
節電の電気小出しに冷やす部屋
堅物のホ句を茶化して獺祭
一茶蛙堅物の句を云々す
秋蝉の啼く中古稀も過ぎてをり
草相撲土俵がありて社殿裏
彩どりよく盆の物煮て赤青黄
鵙の贄指さすまでも無く嫌い
薄明りのもうそれだけで鵙の贄
自然薯掘枯れし蒴果を標とす
自然薯掘頭を突っ込んで霧の中
碌なもの無けれど仰山盆の供華
碌すっぽ見ることもなく鵙の贄
御婦人の書かでものこと遠廻し
九月すと十月するりと遣り過ごす
酒饅頭(さかまん)蒸す猫舌ならぬ猫手もて
五年生の作文添へあり敬老日
盆踊りこの人上手と後につき
便箋の隅に著き名鳩居堂
鬼野老の蒴果に唾付け鼻に張り
ながら族遂に煙らす焼さんま
吾は頭部妻は尻尾と分けて食ぶ*初秋刀魚
焼さんま秋田こまちを汚し食ぶ
リヤカーをどかと横づけさんま船
自分のことは自分でしてと梨押し付け
鬼の子の雨降る中を垂れ放し
鬼の子の長持ち目指す蓑作り
光沢ある栗選り分けて栗ごはん
おはじきにして山栗のみそっかす
師との距離先師との距離見す海市
風荒めば天へ向って飛ぶ露も
ミズ摘みにそそらそらそら兎のダンス
夜学子に昔ゲバゲバ今ジェジェジェ
夜顔の高き木を選りのぼり詰め
滝見茶屋癋見のむかご商へり
滝道の筵のうへの痩せ零余子
藷食ふもおもはく外れ音無し屁
だらだらと齢は取るまじ酢れんこん
新蕎麦の風味そば湯を継ぎ足して
同じくと所望の声や鴨南蛮
海描くに多用三色ボールペン
新企画とかすててこのア・ラ・モード*ユニクロ
ラムネ噴き昭和モダンの喫茶店
博多人形諸説いろいろありまして
博多人形絵付け体験羅着て
夏至過ぎの博多に来たけんもつ鍋を
中洲ジャズ2013火蛾放ち
日野てるまさ渾身籠めて糞ラッパ
蜻蛉上昇右に左にぐんぐんと
秋霖にたじたじとなる穂草かな
川奔り金魚が泳ぐ城下町
菓子司菊屋日晒し菓子木型
これが元祖の御城之口餅(おしろのくちもち)鶯いろ
あい染と金魚の一大繁殖地
片手間に金魚の養殖下級武士
鹿寄せて東の大寺東大寺
冷まじや柱に喰い込む鉄炮痕
踊衆白狐ばやしに乗せ送る
秋も澄むある日の湯屋にビバノンノン
虫も殺さぬ仏の貌で贄作り*猛り鵙
悪夢など遠慮す虫でこんな貌
新山古志村復活でこんな虹
父の日やどこにも居たよ星一徹
天眼鏡口裂け蟻を大写し
やぶからしすがるといふよりまつはりつく
法務局横丁ヘタクソカズラの実
コンビニの入口山積みサンつがる
薄味に慣れて退院豊の秋
人なつこい俳人にして梨農家
ニュース速報戦場ヶ原紅葉すと
紅葉予報箱根鎌倉日光と
こほろぎとリスは同族頰のあたり
リスとこほろぎ頰のあたりがよく似てゐて
新米焚きそろそろ汽笛上ぐ時分
じめじめ雨 天候十月下旬とか
うしろ髪まだ引く花野後にせり
塗り箸に鱈は何處じゃとちり鍋す
ホエールウオッチ鯨漁師のなれの果て
池上のデンデンボコのお万燈
白イルカのおでこ瓜よりすべすべす
これみんな鯊を釣る人岩畳
遊船の案内放送海の上
足運びえっちらおっちら紅葉坂
秋晴れの島内遊覧汽車ぽっぽ
八景島一日遊覧敬老パス
ワンデーパス爺婆無料の敬老日
電気ウナギ ビリビリ・ビリーに逢う秋口
ミノカサゴ腰つきよろしくフラダンス
記念写真白イルカとのツーショット
南海のマドンナエイのねずみ貌
イルカに触れ八景島の海牧場
ヤシガニがハワイの空からコンバンワ
槽底の隅っこエイのねずみ貌
何か居る鮫ゐる海のその暗部
生きものの容を海月披露せり
槽底を点す灯チョウチンアンコウか
館内の足許まっくら水クラゲ
槽の水吐いて前進アオリイカ
夕焼見て島一周のクルーズ船
口開けてパックリジンベイザメの芸
フラッシュ浴びアブラボウズといふ魚
水槽のウツボ我等に背を向けて
その泳ぎうなづくやうにオウム貝
突起もておのが身支ふボウズウニ
そのギョロ眼水槽擦ってシュモクザメ
墨つけし頭部が不細工マツカサウオ
ウミスズメてふ魚その装只の箱*フグ目ハコフグ科
熱帯魚に隙間だらけの岩組んで
水族館水槽気泡の大銀河
ヤドカリはザック負ふさま濡れ干潟
アリゲーターガーだかギイだか藻草の中
つつつつとイルカの水上尻滑り
ドドドドとセイウチ滑るラストショウ
空中を三転イルカのひねり業
てんこもりアイスクリームシーズン去る
ぬいぐるみエイのお腹は真っ白け
ぬいぐるみ亀のお目めは皆睡げ
ぬいぐるみセイウチの牙布入りで
八景島遊船巡らせ椰子亭々
鮟鱇のゆるキャラ愛敬振りまけり
ハワイアン椰子の葉陰でテケテケと
島巡りも終盤背に負ふ秋夕焼
島巡りの初っぱなイルカでも見るか
糸巻きエイ海底に腹擦りてゆく
マンボウは大洋(オーシャン)をゆく航海士
マンボウの目をキョトキョトと水槽越し
マンボウは旅する魚赤道ゆく
ミノカサゴのふはふは泳ぎ夢見勝ち
ここ小人(しょうにん)その横大人トイレの秋
水槽に昼寝欠かさぬ大鮟鱇
蘭好きのボー・グエン・ザップ将軍死す
銀河系さながらスーパーイワシショウ
器量よき鶏頭ばかり種採るは
チャリ寄せて夜釣寝待の松林
沖に出て夕焼堪能クルーズ船
イルカとの握手次いでのハイタッチ
ペンギンのハロウィンパレード総拍手
セイウチは拍手に照れて鰭を振る
アザラシの鰭使ふ芸フレンドリー
さうなのか語源の由来はアザ(痣)ラ(之)シ(獣)か*「ラ」は接尾語のラが発達したもの。あざらしはアイヌ語で「トツカリ」
ふれあいショウイルカのおでこ二度タッチ
いつか人むなしくなるとき来て秋風
花すすきここより老いの坂一気
ハロウィンの先がけ布哇のチョコ届く
びしょびしょの雨がちゃがちゃを駆逐せり
こもり居の暗さ鮃の伏す暗さ
むずかしく書きたくもなし竜胆と
風天・変哲既に世に亡く空っ風
鯊日和シーパラ出来て二十年*横浜 金沢 八景島
プレジャーランドシーパラいわし雲の下
鶏頭のほむら為す丈大いなり
薄は湧き秋海棠はくずおれて 
石蕗は尊び秋海棠は遜る
黄昏に零れて小さき槍鶏頭
鶏頭花逢う魔が時の薄闇に
鶏頭燃ゆ山古志村のその暗部
遠足は歩いてばかり秋の浜
これ鳥渡鯖雲崩れといふ処か
あの夫婦ビーバーのやうで佳き賀客
鉛筆をまとめて削る冬休
鉛筆は豪勢に使えハチロー忌*佐藤ハチロー
審査直前再度見直し菊くらべ*大船植物園
大試験選び抜かれしえんぴつもて
模擬試験えんぴつせいぜい豪勢に
空母の上飛雪に軍歌口衝いて*ジョージワシントン試乗 横須賀
降雪霏々邦画通なら「桜田門」*雪の記憶
小石みな朝露やどし花野みち
居酒屋のフグがジロリと水槽越し
どんぐりのこの道除けてハイヒール👠
セーターの着馴らしなんぞして家居
新築擬ひの改築つわぶき咲く商家
この日和十月桜にもってこい
わっと来て何剥ぎ取りし稲雀
蔓引けば背丈を見する藪からし
大道芸どうだとばかり帽出され*今日の稼ぎの決まる瀬戸際
久米の仙人行水見てゐて墜ちしそら
光沢の冷えに冷えたる式部の実*ひやひやとした処陶器然
ご町内老人ばかりの運動会*当節は
運動会二つ張り合ふ花火音
螽蟖(ぎす)飛んで東京湾を展げたり
目と目が合ひ草食獣の露けき眼
少し厚着の雨靴で来て杉田湯に*近隣に残った最後の銭湯
金木犀零れ銭湯割引き日*横浜市条例により毎月十五日
雨水とわが句少々溜まる月*いつしか月末
変哲句集重版快挙の秋といふ*彼の小沢昭一的世界のおんたいの…
救急のサイレン消され暴風裡*実は颱風裡
颱風下障子ペコポコ鳴る音す
冬至湯に浸かりて競馬の長話
台風の行き過ぎるまで何をせん
公衆浴場爺さまばかりの亀遊館*近場の銭湯 横浜市金沢区六浦
駅前に丸型ポストを置く江ノ電*鎌倉 極楽寺
ジオラマや秋の灯点す艀船*私的には横浜 石川町のイメージを重ねて
分包の日付確かめ秋曉*退院後の日課
何喰らふ島の岩屋の船虫等*窟と云へばそれ江ノ島の…
颱風に相継ぐ欠航・運休と*私の場合は横須賀 久里浜の東京湾フェリー
悪漢(わる)台風なるべしコースも勢力も
十年に一度の台風すぐそこまで
土佐の高知また出て台風進路報*上陸地点はいつも決まって…
颱風は生きものスピードアップせり
始発から運休・休校颱風裡*お決まりのスケジュール
颱風中継運転再開・運転見合わせ*これもお決まりのコース
糠雨に金木犀のもぬけ花*秋霖とはこのこと…
鉢植等起こしにかかる野分あと
第一戦もう一押しの声の束*何より応援…
芋水車最後に見しは出羽の國*私の記憶では…
花窶る颱風崩れの長雨に
みまかると代筆届く夏の果*俳句道の恩人 小山梧雨
稲光東京にゐて陸奥憶ふ
脚力が落つ故この頃蜻蛉も見ず*めっきり衰弱しましたなあ…
更新は九月認印持って来いと*典型的お役所仕事…
敬老パス貰ひにちんたら秋天下*まだ秋日は暑いのう…
蚊遣豚仕舞ふ序でに風鈴も*やっつけ仕事
残る蚊を誰が引き入れしと膚打つ音*無言ながらピシリとやっている
筋トレに望むは楊の柔らかさ*彼の御人躰がよく撓ること…
夏ものの蔵ひどころぞ天袋*何せ古い家で…
扇風機仕舞ふハタキで百叩*あたかも刑罰のごとく…
ぶっつけておお痛晩夏の脚小指*年寄れば注意力も散漫
夜を徹し啼く虫枕新調す
新しき枕に透る虫のこゑ
冬すみれ地に齧りつき咲かす花
箒木の競る背恰好ほほゑまし
鳥渡目を離した隙に蟻団子*悪夢みたい…
春の闇妻の寝返り蛸のごと*と茶化して我等が日常…

差出人南部町とは茶処よ*歳暮
茱萸咲いて昔むかしのままの川*差し詰め疎開先の静岡県 島田 大井川 …
かたばみが繁茂す庭をサンダル履き
簡単で手っとり早きがビールなり
味噌餡の柏餅出て窮すなり
黄菖蒲咲き綺麗とまでは云へぬ池*名勝 金沢文庫 阿字ヶ池
阿字ヶ池黄菖蒲の黄をトイメンに
雨続きで変哲無き日の枇杷青む
場所とらぬ山あじさいゐを偏愛す
朝顔の種蒔き遅る今年もや
遅るゝも手あてすバラの黒星病
先づ筋を伸ばす体操夏の朝
三越のライオン脇を抜け梅雨どき
春曉のパン屋にて買ふ三色パン
列毎に名札 伊勢・肥後・米國系
沼を打ち仙石原の夏の雨
深梅雨をちびし鉛筆もて句作
河骨の雨後をうっすら光帯び
菖蒲田に水満ちみちて栄ゆるそら
風募り菖蒲一叢倒しけり
雲の名の又舞の名のしやうぶ達
菖蒲苑傘たずさえて一巡す
菖蒲田に浮く塵流す風が出て
菖蒲の名付けに付けたり助六と
菖蒲見て老婆手入れがたいへんと
睡蓮の池に映れり薄黄空
菖蒲田にきれい連発車椅子
峯雲にぞろりと艦首横並び
お化け小屋泥酔入場お断り
お化け呼び込み「おあとも続いた続いた」
しわがれ声「お化けだお化けだお化けだお化けだ」
さあ皆さんお化けの出る処こちらでござい
のうぜんの花散らかしに午の風
青天に天日干しして山車片す
夕蟻の何処へ去るか古畳
索敵の如き飛行を乙鳥
燕見つゝポテトフライとコカコーラ
炎日に晒され保線夫葛を刈る
夾竹桃港の空に帆柱が
新メニュウカレーごはんが富士山盛り*ランドマークタワー
空に散る雲見て何処か秋めく日
空あふぐことも久々昼の虫
基地入口灼けぬばたまの黒錨*横須賀 米軍基地
モノレール右前方に喜雨の海
涼しむや百種怪談(むかしばなし)・妖物(ばけもの)双六に
八月も月半ばにて「濱」終刊*ああ無情
昭和の戦索いて終刊の辞を主宰*ご苦労様でした
喜雨騒然三越ライオン見つむ街
怪しみ見る円了妖怪分類図*井上円了
みんみんを近くで聞きし日もうはるか
不忍の蓮田行き交ふ日傘かな
相撲草抜いていざいざ一勝負
蓮田の畦一歩乗り出し蓮見んと
はるかなる目をして蓮(はちす)のあなた見る
不忍の蓮田の中の弁財天
蓮の葉を返す夕風出て不忍
夕風がそろりとまかり出て根岸*子規庵
蓮田よりことし一番の夏の風
不忍の蓮(はちす)越えゆく蜻蛉翳*私小説的情景
蓮の上を 鈍く光りて蜻蛉過ぐ
日を除けるにいっしょうけんめい黒装束*世の妻は
日除けんと墓地へ向へる烏族*親戚一同
百日紅投げかく日影にバスを待つ
冷房車一息どころか十息継ぐ
開演は未だか未だかの古扇子
長道中は退屈扇子開き閉じ
胸開きの夏着はだけて冷房車*目の遣り場に困る事も誰も経験する処
アロハ着て海岸廻りの葉山行
ビーチサンダル履きで降り立つ処暑の逗子*近ければ皆こんな恰好で…
避暑客が今着き民宿活気づく
兎波避暑地葉山の岸洗ふ
手始めに眠気殺して問診票*診察待ち風景
患者等見上ぐ長者ケ崎の夏の鳶*葉山ハートセンター
長者ケ崎ひぐらしの声崎鼻まで
燈台の門脇浜木綿二、三株
珊瑚樹の朱ケ玉濱への抜け道に
トンボとゆく京急1000形空港線*羽田行
臨海線い行く電車は省エネ型
あじさいゐも首垂れ職業安定所
炎天に首垂れ男職安へ
慈母涼しげ江戸の大御所文晁展*慈母観音図
南蘋画など見て猛暑日過しけり*沈南蘋
狂気涼気項(うなじ)伝ひて芳年展*月岡芳年展
奇岩奇勝なべて涼しや山水画
拡声機がならせチャンチキオケサかな*横浜 金沢小学校(母校)
景気付なんなら私も炭坑節
皆手つきやさしく踊りはあられちゃん
休憩にアイスキャンデーの配給あり
踊りは二部冒頭またも炭坑節
提灯もゆらゆら東京音頭かな
さて夏はでんと据へたる扇風機*空調は好まず
顔に来る熱気国道16号
妻曰く動くと汗が垂れ来ると
スイッチ入れ肌がベタつく夏休
めんだうをみてやることに夏休
孫共々盆の留守番かって出ぬ
此処に蚊が誰かつれ来し藪っ蚊が
やめとけと身中(みうち)よりこゑ昼寝とす
まなぶたの赴くままに昼寝とせん
金亀子窓よりおっ放り出されけり
冷房は強めとAB型の我
暑がひいて小夜風吹く頃お買物
スターフルーツ籠に盛られてウエルカム*懐古 ラッフルズホテルにて
暑を嘆く婆等の会話朝の路地
名は体を表すミネラルオレンジも
人間は食うて汗ばむものと知る
剪り頒けて朝のオレンジ五、六艘
夜のかなぶん何くっちゃべって灯のまはり
またしても口衝いてでるけふの暑気
海水浴一歩一歩の浮き上がり
海水に浮きあがること第一課
暑にけぶる陋巷朝から救急車
ピーポーのポーをながして街走(わし)る*救急車
ピーポーの東奔西走して薄暑*入院初日
その烏暑さにやられ変な声*病室にて
さっきから喉元悶え夏鴉*駐車場
手にしかと不断のちから相撲草
今の川利根川だったか鬼怒川行*会津旅行
盂蘭盆の人等かち合ふ田沼の墓地*父のふるさと
餃子つまむ人のビールを横目に見て*蠅の飛んでる場末の食堂
墓参てふたのしみありて田沼まで*西林寺
閼伽桶に踊る水道水墓参*炎昼でした
佐野ラーメン期待はずれの盆休*佐野薬師
墓石てふ墓石放熱炎天下* 佐野厄よけ大師
その頃は毎日短パンデパートへも*デパート全盛時代でした
その暑さうなぎ昇りの館林*名産麦落雁をおみやげに
墓洗ふ下野一の暑さの下*父につれられて幾星霜
みみず、亀鳴くを聴く耳もう齢ぞ*おんとし八十一
西林寺うすむらさきにさるすべり*足腰不如意にて不参
暮れ方へ灼けし墓石の突立てり
掩体壕昔のままの空ありぬ*追浜飛行場跡 野島
下野の夏を讃へて馬鹿囃子
昭和の祖父さらしくじらに舌鼓*よく買い物にやらされた
夕焼けのしばらく雲も上気して*ほとぼりを覚ますが如く
墓参り重なり花屋が立て込んで*主人は足の悪いお方でした
高澤性やたらに多し西林寺*田沼
白昼の供花彩脱け盂蘭盆会*田沼
炎天下ぽつりぽつりと墓参客
唐沢山のぞみ灼けつく墓石群*山滴る唐沢山は一服の清涼剤
夏料理これはとうがん他はしかじか
潜り抜け車中、地下街、ビル冷房 *とかく都会といふやつは…
とまどひの車中、地下街、ビル冷房 *とかく都会といふやつは…
程々の涼しさてふものなべてに欲し
これみんな主宰のおごりソーダ水
団扇もて肋に風を送るわれ*どこか自画像めいて
暑ければ明後日(あさって)来いと言ひたき気分*何事にも我慢我慢
風鈴の色目を使ふけふの風
八景島捩花なんぞに目も呉れず*横浜八景シーパラダイス 若きカップルの来るところ…
夏書(げがき)とはだういう紙のだういう書*金澤文庫にて
ことしも又さうこうしてゐる裡九月*月見の季節だ
空調が嫌いで手配の扇風機
熊蝉の朝方遅く裏手より*寺町八幡神社方面
この暑さこんちくしょうめとビルを出て
すててこで探すリモコン夏の果
地球上異変や大気不安定*温暖化?
にいにいの啼き方に似てたどたどし
枝豆の羽黒の青田方十里*だだちゃ豆?
鷺一羽降りて華やぐ青田みち
百貨店のジオラマ展見に夏休
日盛りを阿弥陀籤めく墓地のみち
明け易し熱中症とかいふ病(やまひ)
炎天の照りより痛み墓参行
線香の付け火あつしと顔そむけ
炎天に合掌了へれば唐沢山*我が家の墓より
墓参行妻とは今もこの先も
夏百日熱中症など患はじ
炎天に包丁研ぎのやぶにらみ
夾竹桃いつまで咲くや非常口
短夜を短くねむり永く生き
酔芙蓉いいあんばいに昼のいろ

■アマビエ アカビコの俳句

#アマビエ関連作品 其の1

入院経緯

2020年5月28日-6月30日 横浜南共済病院
covid19肺炎の疑いで入院。pcr検査は陰性。
二週間抗菌薬治療を実施したが発熱、炎症が続き
原因を再調査。気管支鏡検査をし肺の組織を調べた結果
自己免疫に因る肺炎と判明。その後二週間のステロイド投与となった。

ステロイド投与は炎症を抑える強い作用があるが半面副作用も大きい。
その後経緯良好となり退院に繋がつた。とは言え外来は続きます。

病室の身辺整理 紙*缶出し
病者ら喜ぶ扇風機等まだまだよ
大部屋冷やす扇風機等ありし昔
「消えます」の一語にそそくさ消ゆる虹
病棟に朝から響く「ありがとう」
九官鳥百閒さんのまあだだよを* 内田百閒
梅雨の昼餉広がるベーコンポテトの香
郭公聞きながら肌着の着脱感
病友の寝言すやすや収まって
病床の電気を消して守宮の闇
ビール片手に刈り込み済みし庭木みる
夏暁のシーツに流れる自然光
病棟のお風呂タイムの黒板書き
夏料理香味野菜を多用せよ
頬緩ます虹も音楽再生も
夏暁みる血中酸素を叙す数字* 酸素濃度測定機器
ケイタイのたこ足配線病院でも
気遣ひの一言涼し老看護婦
ひやと握るベッドの鉄柵 微熱の手
夏痩てふあはれはもろに出る湯殿
競ひ合ふ嬌声天を昇る虹
海の上一雨来さうでたじろぐ虹
よく聞けば病棟夜陰に啼くふくろふ
何処衝いて出て来る言葉「あんちくしょう」* 激痛
看護師助言憂慮もそこそこ程度にして*病者になりかわっての配慮
点滴塔走り込ませる梅雨厠
点滴塔走らす硝子と水のいろ

エエィー 怨敵退散!コロナ退散!
江戸時代から既に、疫病から我ら市民を守る妖怪(アマビエ、アマビコ)がいたなんて…流石 イラスト大国ニッポンです。
最後の一葉は天然痘より我らを守る疱瘡絵です。

疱瘡絵「達磨と風車」
国立歴史民俗博物館蔵
「かるすぎて 寝た事のない だるまよりじっとして居ぬ この風車」
ヤマザキマリさんのイラストやヤノベケンジさんの守護獣等も心強い限りです。

#アマビエ関連作品 其の2

飛来して虎狼難(ころな)てふ名の人減らし* パンデミック
停滞は梅雨前線にも句作にも
梅雨豪雨ばかりで太陽恥ぢたかな
梅雨豪雨止まらずかれこれ二十日以上
長梅雨に野菜作りも気圧され気味
長梅雨と日照不足で農不振
悲鳴挙ぐ茄子・瓜・もろこし長雨に
春草にからすのゑんだうすずめの槍
丹沢水系熾烈しろがね銀漢より
小夏でもニューサマーオレンジ土佐小夏* 高知名物 柑橘類フルーツ小夏
早退けの子に虹たちつてたちつてと
月面に凛々しくありぬ兎がほ
入院にも連帯保証人あり小暑
その字面つくつくほうしと長調子
蝉二音かなかな四音重宝す*句作
清水鳴る寺に在るもの力石
願掛けの字のたどたどしすずかぜに*入学祈念
願掛けの木洩れ日の文字超下手や*入学祈念
梅雨前線停滞鰐島押さへこむ*鰐島 日本列島
螻蛄曰くそこつ・けいそつ・ぐのこつちよう* 独言
ハミングして洗ひ髪する妻であり
はるか沖目指す雲見てすつかり夏
笛方の稽古はけふからしつかり夏*八幡宮にて
実朝の殺生戒やハッと夏* 金澤文庫 称名寺
いつもの事祭はわれを華やかし
種痘痕時は経るもの古ぶもの
沖雲伸ぶけふより令和二年の夏
誕生日過ぎゆく後はいつもの夏* 七月十六日
何故か夢に出てくるところてん事件
雷一過ぱりとせんべい割るやうに
蟇(ひき)ひしやげたる このどしやぶり降りに*豪雨
白けむり素破とばかりに飛び去る蜂
腑に落ちる先生(せんせ)のことば深む夏
気付くは夏 わがまま通すある日の私
い往く夏 私を置いて立ち去る濱辺
蟇ひしやげたる莫迦たれの土砂降りに
百合白を張れる小暑の始めなり
何よりも好きな日冷やし中華の日*「冷やし中華の日」といふ日のあれば
台湾で「日式中華涼麺デー」* 冷やし中華の日
日本一(ひのもといち)涼しきけふは川の日よ*川の日と云う記念日あれば
降つて湧く幸の予感も夏到来
万端に温風至(あつかぜいたる)と云ふ風情*二十四節気
遠のける光遠雷暗示して
祭月待たるる獅子唐辛子かな*晴れ姿
やつとのこと暑さは本番啼ける蝉
手にとりて畳むといふこと日本の夏*作法
ごまかす漢字多うなり万事雑になる *晩年
またポカを遣れる我にてこの夏も*何かは内緒
落しきれぬみやうがの泥水けむりゆく*富士湧水
トンネルを清水抜け来て木曾の夏
誰も来ぬ夏をば恋へる我がゐて
何事にもがんばる我(われ)がじやまな夏*性分反省
店先より涼しう見遣る帯小物
まつさをに蟷螂いのち吹きこまれ*摂理
刷けるなら碧一線に鰹潮
唐(から)でなきもろしの棒二本*頓知
けつきよ来けつきよ来とて啼くうぐひす
夢に見て歯が歯を食うてゐるもろこし*一睡の夢
身ほとりに来てはつきりと啼く鶯
夏籠の富士にあんじんあらしめよ*龍声白隠
脱兎のごと馳せくる夏波横一線
二番底なんて言の葉知らねえやい*草田男風に嘯く
懐かしきもの家政婦と大震災*言葉尻
寄つて来た蚊といつしよにゐる我が家
大のわけ生れて日本櫛削る*シーズン到来
曉暗の大しけ関東襲ふ北風
痩せ鰐(わに)の日本襲ふ盆青北風(きた)
いちごにて蛇原色の蛇にして*言葉の綾
棚からぼた餅 ぱくり屋てふ商売
待てよこれ山川草木悉皆成仏
本探しあぐねし果ての濠柳*九段坂下
えご咲いて駿河台下本屋の脇
一杯のコーヒー喫さん梅雨の底*駿河台下
ご近所さんお出掛けしたるは泉下の旅
「尋ね人の時間」てのがありあの終戦
くちなはの戦ぎ消へけり沼の端*目黒 自然教育園
天覗く桔梗空空漠々たり
云ひ違い ダリア誰やと聞こえけり
くらがりにダリアは漠と佇つてをり*白泉風に
音消して耳か何処かに蚊が止まった
てのひらにちびし消しゴム何書かん*疎開先を想う
命終をまぬがれ難く蕣も
ほれここに糸屑ならぬ小かまきり
全うしやがては蕣しぼむもの
蕣の意気消沈の細面
昼過ぎの庭漁りゐる盆すずめ
小かまきりわれを巨人にして微小
反り深く生れて汝が背な小かまきり
原色の菜食生活 with colona
妻どんと帰宅 ドアノブ振ふ夏
5億年昔の細胞単細胞
夏百日費やしウィルスとの消耗戦 *感染症流行れば
消耗戦何はともあれステロイド
夜の秋をデヴュー圭子のらりるれろ* 藤圭子
夏の雀居りて新橋酒場街
麦こがし昭和のお菓子が忘られず
嬲られて飛沫感染てふ尾つぽ
リハビリの夏 大股で歩くこと
ホトトギス 山土砂崩れして唖然
一つぷり 喜雨海上をゆく彼方
音楽に躰揺らして昼餉摂る
花の名を言ひしが中に雀の槍
ダダと来てバイクをふかす郵便夫*白昼
ダダと来て宅配便のこゑが先
ダダと来て我が家に横付け宅配便
路地しじま 何か声 告宅配便告ぐ告ぐる声
この葉の折れ様 正に水仙なり
この香気 水仙を水仙せんと思う時
葉が折れるから水仙の花思ふ
元旦の鏡光りの掛け湯かな
ニセコまで押し寄せスローなツーリズム
その奥にももう一つある燕の巣
バッグパッカー経巡る平家蛍の里
プーンと音のして朝の蚊が其処に居る*放哉風
花の名の答へ返りぬコーゾリア
掃除せにや デブリの満てる銀河系*宇宙塵
日照雨ふる病院の昼ともし
感染検査陰性と出て大昼寝
鈴生りの梅おとろへは黄を帯びて
日本海海山の間夏花生ゆ
海山が挟む畑にて大夏野
夏旺んなる朝刊の腰つよし
南アルプスすっきり軟水満喫す
若人は丘に登りて虹歓呼
お裾分け 婆ちゃん朝顔咲いてるかい
夏毎夜流して歩く道玄坂*サブちゃん懐古談
種子の旅風のまにまに雲のまにまに
病室の掃除のおばさん 顔出す夏
短夜に馴染んでこの先想うこと
嗜まむ俳句命の瀬戸際まで*パンデミック発生につき想うこと
世に遠く蛙無双のこゑを出す
おととひのと似たやうな雲 ぎぼうし咲く
めんないちどり母が唄って親父唄って
船朽ちて風のままにも雨のままにも
旅烏演歌に合い方ありてこそ
梅雨晴れの小道の石のすべすべす
笑えない 「国安法」の横車*中国不穏
香港の人も金魚も意気消沈* 中国「国安法」成立
肺炎が露見 白黒梅雨写真
入院して我が病巣の大祓
ぐうるりと鮠瀬を渡りゆきにけり
梓川鮠鮮烈に列を為し
干潟は干潟 人民代表何云うても* 中国南沙諸島埋め立て
蝸牛いろはにほへとと歩み出す
置いてあるだけで興引く水中花
描線を斜めにとりて夏燕
ひるがほのほとり彷徨ひ灯台へ
啓蟄や多作の虫も動き出す
片鱗をちょと覗かせて夏の月
遠巻きの霧のやうなり認知症
ながむしを殺めて来たる ごつき棒
問診に記憶のおとろへ無しとせず
へたうまのホ句や キホーテ突進す* 多作の夏
角張りて蝋の艶持つ花石榴
半夏雨何はともあれ退院す
そのどれも一途一途の今年竹
一石二鳥! バナナで記憶養へる* バナナが認知症によいと聞けば
その日とや漫画は悪書と云ふ昭和*記念日いろいろ
病院を退院したなら柏餅
吸い込めよと 麻酔あほりて肺カメラ* 肺検査
ジョーカー遣ひ 集団免疫てふ奥の手* パンデミック対策
食乱れみみず肥りといふ有様
ロンドンブリッジ夏ヴァージョンはその向う*気分転換に
世は太平大大茅の輪でかしたり* 北野天満宮
音楽事情 吾は旧式でウオークマン* 入院に際し
イヤホンの紐処置なしの梅雨最中
大部屋のカーテン暮らし爺蚊に似* 入院
メカジキの照焼き患者の空きっ腹
泳ぎの流儀私は私で他人(ひと)は他人(ひと)* 個性と云ふこと
春宵の金目あんかけ中華風
実梅黄に豊後南高・甲州小梅
夕餉済みさてそれからがいやに閑(ひま)
入院は箱根遊山とおもひ遣れ
夏未明血中酸素の度合見て
ファーブルと蝉と大砲 田舎の夏
かはたれ時白木槿咲く吾が古庭
明け急ぐ白壁見れば痩せ守宮
散歩して気分爽快夏の宵
病廊を行くわれ廊下とんびの夏
涼しき餉 シーザサラダなる触れ込み*患者食
睡蓮の水揺れづめの瑠璃天井
換掘の井守飛ばして社の沼
与太話し「はいよ」「あいよ」を使ひ分け
手に取りてギヤマン冷えのフルーツパフェ
点滴日程確と組まれて鉄壁よ
ギザギザの涼しや差し入れ金平糖
便秘気味お腹動いた動かぬの*今朝の看護士
接続水域潜り来る奴土竜打ち* 奄美沖
似て非なる金平糖と金玉糖
水くらげ胎内明り率てすすむ
爽波大人ホ句に「金庫」を持ち込みて
退院の時の夏帽碌なの無し
通し鴨映せる水の小汚し
コトコトと過ぎて皐月の電車音*退院翌朝

祭にて逢ふ出目金のがらっぱち
クスの木はショウノウの木や風下もに*樹木尽くし
ぐんぐんとヒマラヤスギの木瘤成す樹根
三笠までナンキンハゼの木ヨコスカは*明治艦を見に
庭先の鉢植の木なり昭和の木*樹木尽くし
今じやもうすたれてイチョウやプラタナス*街路樹として
ヨヨギ青山原宿 東京を彩る木*樹木尽くし
ハナミズキ筆頭 都心を彩る木*樹木尽くし
常緑に香港ゆかりのヤマボウシ*樹木尽くし
歌ふ楽器 ツゲの木の音色出て*樹木尽くし
遊びながらアートの基本 遠近法* 南蘋画
世のよどみいち早く知るカナリヤは
耐ふる術(すべ)知る北國の気丈な木*樹木尽くし
雑炊の米粒の照り見つむる晁(あさ)
降り止みの雨の隙間に麵麭買ひに*本牧
パリパリな白シヤツ擬きのノリウツギ*樹木尽くし
曉山からす悪声転がしをり*看取りの夜
翌朝てふながながしきを味あふ真夜*看取りの夜
南国の花の木 美林と振り仰ぎ*看取りの夜
翌の字が好きで翌年翌月翌日*看取りの夜
五月富士素敵な並木の背景には*樹木尽くし
火の粉浴び焦げ焦げになり戦災樹*樹木尽くし
敢へて云うなら戦後復興象徴木*樹木尽くし 無無

最後の一葉は天然痘より我らを守る疱瘡絵です。
疱瘡絵「達磨と風車」国立歴史民俗博物館蔵
「かるすぎて 寝た事のない だるまよりじっとして居ぬ この風車」
ヤマザキマリさんのイラストやヤノベケンジさんの守護獣等も心強い限りです。

#アマビエ関連作品 其の3

すねてゐる超わがままのかがんぼめが
猛暑の食こまめに水分こまめに塩分
ノックするグランド 四散せる白球*妄想裡に遊んで
海山へ 君より速く夏先取り
夏先取り 近くの鳶のゐる葉山
夏先取りするなら鳶のゐる葉山
白昼の灯台浜木綿かほる中
トラックで僕は真っ白 光る蜂* 三ツ沢公園陸上競技場
リハビリや躰を暑さに慣らさせて
黒船停泊小柴沖合梅雨最中* ペルリ提督 日本遠征記
梅雨の昼餉中華春雨スープかな
病人と分葱と貝柱のぬたと*患者食
老人皆早起き夏暁の病棟でも*熱中症コロナ板挟み
明易の廊ゆくリハビリ患者の背
夏暁よりこたびは何の採血ぞ
点滴をたっぷり夏夜の尿袋
ボンベの酸素補充病者の朝始まる*点滴用
看護師の速歩深夜の廊ひたと
梅雨病棟深く病者を蔵ひ込む
病窓に蔵ひ切れざる烏の森
病棟の目覚めは早く懸巣より*病窓よりの景色少し奮発しました
目覚むならベッドに優る青畳*昔から畳派
メロンうまき病院食でありにけり*メロンとは予想外でした
熱あればベッドの鉄柵冷やつくを*この冷たさ気持よし
流速の真夜の計算点滴す*点滴には鳥渡した計算式あるようだ
有無問はる糞尿・咳・痰 加療の夏
三尺寝するなら畳敷の上
看護交替クルー三人(みたり)は夏服にて
梅雨夕べ交替勤務のナース等来
ヱロ本の何処を好んで紙魚漁る
大根と水菜のサラダに朝はパン
描線も縮れて腐草為蛍(ふそうほたるとなる)*二十四節季
震災忌富田木歩の師は水巴
ポパイ 対 ブルータス カリフラワー 対 ブロッコリ*色見合い
枇杷の命名 楽器に由来し葉っぱにも
塩焼にせるが宜しき縞鯵ぞ
配膳卓に立てある立札 納豆菌* ワーファリン
葉当りよき胡瓜と長芋の醤油和え
人参と冬瓜出逢ふ うすくず煮
梅雨入の睡蓮見頃 花菜(かな)ガーデン* 神奈川県 平塚
ゑんだうの莢透き 冬瓜うすくず煮
全粥の金色帯び来 夏暁の餉
蒸し鶏に淡色添えて茹キャベツ
富士のよに仰ぐよ首夏の点滴塔
梅雨の入院「ガリア戦記」など携へて* 電子書籍端末 キンドルペイパーホワイト
ササササと竹林走(わし)る微細音
筍や初手の雨打つ中仙道
吹きちぎれんばかりに宙ゆく襖の鳶
むくと立つ竹山掠め土讃線
竹林を渡れる風音小鼠ふう
夏空へ抜けて葉騒のゆくへかな

#アマビエ関連作品 其の4

森深く迷ってさんざん蜷の道
なかなかの気分愉しむ朝寝床*やはり自宅はいいねぇ
退院して有り付くものに若布汁*やはり自宅はいいねぇ
退院の翌日老鶯ほうほけきよ*やはり自宅はいいねぇ
御御御付けの湯気が立ちゐる夏の朝*やはり自宅はいいねぇ
こう云へばああ来る会話洩れくる晨*やはり自宅はいいねぇ
夢日記付けてる解夏の寝惚け貌*妻
よべ大雨ホイきた彌次さん取り込み中*台風一過
早退けして御免蒙りたき夕立
夫婦てふ丁度よい距離身に付き来*やはり自宅はいいねぇ
この道は歩いて正解きんぽうげ
蚊の微音ただよふ中に風呂あがり*乳頭温泉郷にて
令法咲きいい風吹いてゐる御苑*新宿
令法てふ木の質(たち)何処か粗削り*乳頭温泉郷にて
好きでゐて呉れる木令法身ほとりに
ぎぼうし咲くそんじょそこらに無き彩で*吉野山
百合の花期長丁場にていっとき白*物の初っぱな
あぢさゐの花の途中をいっとき白*物の初っぱな
彩変へる花にてアナベルいっとき白*物の初っぱな
もう秋が来てゐる其処に朝の卓
家居する老鶯にしてわれ八十路*ホーホケキョとホ句を吐く
しんどさに躰が馴れて麦の秋
病窓のトイメン病窓峯雲立つ*病院風景
日に一度日当たる窓や守宮守る*病院風景
病窓に病窓 壁面に壁面 雲の秋*病院風景
側壁と病窓縦に横に秋*病院風景
切手大病窓などとはおっしゃらぬか*有馬朗人先生 初夏に開く郵便切手ほどの窓 を想いつつ
胸喩はば五月の青空 レントゲン*検診 伊丹三樹彦風にやって見た
透き抜けて皐月の胸腔腹腔と*レントゲン
心電計の錆付き電極 麦の秋*検診 伊丹三樹彦風にやって見た
抜歯せし口腔仇為し薔薇の華*肺炎治療の為
梅雨全天夕焼けてビーフストロガノフ色 *患者食
淡きことお藷 パインの重ね煮いろ*患者食 伊丹三樹彦風にやって見た
けふ此の日怨敵ウィルス退散日
ワクチンもて拂へや四万六千日
病院食日々の完食虹に謝す*我ながら殊勝
けふの配膳トンガの南瓜突き刺し食(た)ぶ*患者食
平熱や虹立つ窓へ寄り添へり
感冒炎症 夏潮引くごと失せゐたり
縁日や一病息災頼りとし*回想 愛宕山神社
ほほづき縁日下駄かたことと鳴らしゆく*回想 愛宕山神社
一病のそれが大ごと夏風邪(ふうじゃ)*断じて「なつかぜ」などと読ませたくない コロナ下の肺炎なれば
肉じゃがで一杯やりしは昭和の日*嗚呼昭和
もずくの清汁(すまし)伸ばせる舌に優美に載す*患者食


#アマビエ関連作品 其の5

キルトの蒲団 堅枕*これ何からメモったか?句づくりのヒントになるもの
うすぼんやりナースコールのライトの灯*病床
見えてゐる我が負ふ宿世(すくせ)暗赤(あんせき)に*患者の覚悟
ありとせばわれにもいんげんまめ人生*「まめ」で洒落れて見た 俳句は徘徊否俳諧よ!
突っ切ってゆけよと梅雨のパシャパシャ雨*病者我を励ます詩(うた)
病院のお水は泡入りシュワシュワ水
薬漬け何はともあれ胃腸剤*盲信
エッフェル塔お目見えコロナのパリも夏*病院のテレヴィで
餉の端の西瓜一片目に止まる*患者目線
しんと冷ゆもやしのおひたし患者食*これがイケル
発熱嘔吐水中り等飛び交ふ語*患者の前で医師論争
涼しげでま白くクリニックてふ館*昨今の病院
先ずは「体調」点滴投与の御判断*主治医
すぐに繋がれ点滴静脈注射の夏*主治医から動脈に打たれた事もあった
点滴疲れ癒すにイヤホンハワイアン*ソニーのウォークマン派
直ぐに馴染み速歩愉しむ点滴くん*自嘲
神経ぞっと注射針など見たとたん*季語ないが俳句とした
看護婦の号令いっか「糖」「圧」「温」*毎度のこと 頭がさがりますね
吾は浮き草病ひの浮草肺病んで*肺炎となる
患者食ほうれん草の常連さん*われら退院を待つ一同
たっぷりのお湯もてささっとほうれん草
細切りピーマン添えあり涼味満点の*患者食
この夏風邪(ふうじゃ)ウィルス性とか何とかとか
退院日の主菜副菜色とりどり*患者食
盛り付けの工夫のあとや色ピーマン*患者食
肺炎の炎症云うなら西瓜いろ*季語入れたよ
赤道越え感冒戦線今いずこ*そう残っているのはアフリカ
ワクチンもて御用!感冒大魔神*マリナーズ 佐々木投手ではないが
ステロイド投与し御戦(みいくさ)長丁場*我が現況
病友のカーテン越しの長寝息*秋隣
パンディミック地球丸ごと延焼す*世界へ蔓延
浮子漂ふごとく濃厚接触者*早うせよ PCR検査
感冒は暗闘に似て第二幕*コロナ籠もり
ご遠慮申す第二波コロナ大感染*国民の総意
秋潮の如くに感冒退く時あり*そうありたいね
皆で呑めば感冒なんぞ屁の河童*ワクチン
コロナ騒ぎ歌詞の通りに「夜が明けたら」*何某の歌だったか
日本国第二波コロナ懸念の秋*避けられぬか?
救急車霞をそっちへ行くような*熱中症
尿カップ林立短夜明け来るよ*共済会病院
病室てふ図書館溜まりに溜まる本*退屈で退屈で
やるまいぞやるまいぞとて蜷去ぬ道*退院
太閤の召し物 藷のオレンジ煮*患者食 黄金色 故に・・・
疼き呻吟塗炭惨憺他人(ひと)は他人(ひと)*病状様々 明日は我が身
梅雨真夜中ナースコールのぷるぷるぷる*病院深夜 健常者御存知あるまい
病食のかぼちゃいとこ煮笑顔添え*患者食
人間には食うこと寝ること遊ぶこと

以上







by 575fudemakase | 2021-02-03 17:16 | 自作


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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