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石原静世句集「栗おこは」を読んで

石原静世句集「栗おこは」を読んで
2021・5・10  本阿弥書店 第一句集

句集上木おめでとうございます。
早々の御恵送恐縮に存じます。

以下、共鳴句を挙げさせて頂きます。

濃き霧の土手より母の鎌の音
時雨空大僧正の細き経
空吠えの犬の泪目寒に入る
柿の秋鶏呼ぶ姑の声がする
菊日和なだめて履かす赤い靴
尻もちも苦笑も一人大根引く
除夜の鐘ピッカピッカに鍋みがく
野地蔵へ赤飯たつぷりつくづくし
ごはごはと重ね前掛菊売り女
ふさふさの葱の根自慢土自慢
初蝉やうんぐうんぐと乳飲む児
父母の頰つややかに九月来し
秋晴や児の祝着を届けんと
萩の風番犬の尾を吹き分けて
歳晩の月煌々と川にあり
補聴器の具合よさそう福寿草
くねくねと墓へ敷石黄水仙
病窓の母へほうたる呼べば来て
悪童の手から手手から手甲虫
母に母と思はれてゐる茗荷汁
こつを得て押す車椅子帰り花
どんど焼号砲村を貫けり
小稲荷の屋根の緑青飛花落花
手術待つ脚に赤丸梅雨の音
夕端居ポストに物の入る音
幸せと素直に言へて焚く門火
九十六歳姑みんみんを真似てをり
野路晩秋合掌地蔵の大き手よ
梅が香や父の遺品に吾が手紙
田を畑を忘れて小旅初かつを
新緑や鍬音締まる朝の畑
朝顔市法被の友の男振り
白菊や棺に入れやる二尺差し
冬至風呂ゼロ歳三歳六歳児
風やんはり川どんよりと葦の角
残照の金色蜘蛛と蜘蛛の囲と
啞蝉のちつちとかすか掌に
とろろ汁脳天に沁む津軽三味
庭下駄の鼻緒の湿り花みかん
夏衣一撞きごとの深き礼
鉦叩職員室はまだ灯り
落雲雀冠ちらと見せて消ゆ
糠雨を棘に留めて花胡瓜
葉生姜の風呂や瞑り浸る姑
冬至かな姑を抱きて乗る秤
寒禽や看取りは見詰めらるること
氷面鏡不動の鷺へ夕茜
春の雪抱かれ上手になりて姑
花山茱萸ハミングと来る回覧板
今朝の供花炸裂しさうな夏桔梗
また当てて鎌先蟻の噴き上ぐる
セルロイドの針箱いまも秋の雨
いと脆き母の血脈擦りりんご
立冬の護摩火の熾の荒呼吸
思春期の会はせぬ眼沈丁花
草紅葉平均台のやうな畔
おはぐろは木洩れ日が好きそつと来て
掃くほどにぽこぽこ現れて蕗の薹
秘湯へのバスや屋根打つ青胡桃
野良着着るわつと蜻蛉の空になる
蛙合戦夜更け明明大型店
ざくと剪りグラジオラスを滴らす
腕組めば乳房のぬくみ寒昴
花の雨昼湯に指の皺むまで
母の墓へ運ぶ忌の膳あかとんぼ
孕み蟷螂羽破れをり睨みをり
沢庵禅師忌犀の角めく冬の月
朝練の吠え合ふ球児飛花落花
太腿のやうな大根抱くはめに
食べてるか寝てるか卒業できたのか
藍浴衣男の子の背丈定まりぬ
青田波筑波両翼空に浮く
初蛍正造翁の川の闇
節穴の秋日一条地蔵堂
行渡りたれば静かな芋煮会

集中好みで云へば次のあたりがもっとも好きであります。

濃き霧の土手より母の鎌の音
空吠えの犬の泪目寒に入る
初蝉やうんぐうんぐと乳飲む児
病窓の母へほうたる呼べば来て
母に母と思はれてゐる茗荷汁
手術待つ脚に赤丸梅雨の音
梅が香や父の遺品に吾が手紙
新緑や鍬音締まる朝の畑
白菊や棺に入れやる二尺差し
残照の金色蜘蛛と蜘蛛の囲と
啞蝉のちつちとかすか掌に
庭下駄の鼻緒の湿り花みかん
鉦叩職員室はまだ灯り
糠雨を棘に留めて花胡瓜
冬至かな姑を抱きて乗る秤
春の雪抱かれ上手になりて姑
セルロイドの針箱いまも秋の雨
いと脆き母の血脈擦りりんご
おはぐろは木洩れ日が好きそつと来て
蛙合戦夜更け明明大型店
腕組めば乳房のぬくみ寒昴
花の雨昼湯に指の皺むまで
朝練の吠え合ふ球児飛花落花
太腿のやうな大根抱くはめに
食べてるか寝てるか卒業できたのか
藍浴衣男の子の背丈定まりぬ
初蛍正造翁の川の闇

尚、句集あとがきに「俳句の浅い私が句集を編むなんて…おこがましいことですが、勇気をもって整理整頓することにいたしました。二十年間の掲載句約千句を三百五十句に削りました。どの句にもかけがいのない思い出があり、遅々として捗らない作業でした。この句集に乗せられなかった句は別の車輌に乗せて整理することにいたします」とありました。私の最大の関心事は「この句集に乗せられなかった句は別の車輌に乗せて整理することにいたします」の部分。
一言で云へば未練?そうは云っても切り捨てられぬものがある。
年を経れば自選も変わるだろうし…。別の部分の自分を見てもらいたいの念も強かろう。これを達成する為には最後の「一足掻き」が必要であろう。
小生も目指している処である。(妄言陳謝)


以上

by 575fudemakase | 2021-05-16 16:27 | 句集評など


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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