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新海均編 「季語ものしり事典」 を読んで

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新海均編 「季語ものしり事典」 を読んで
       角川ソフィア文庫 2021年5月25日

あとがきに
「『季語うんちく事典』の兄弟版として、手に取っていただき、「うんちく」で発表できなかった季語の持つ本意と、その知られざる側面を存分に楽しんでもらえれば編者としてこの上ない幸いである」とある。

一読し、早速お返事をと考えた訳であるが、最速のお返事は、取り敢えず本著で精選された例句を、小生の独断で列挙してみることと判断した。その例句群を見ながら著者の本旨である季語解説の「妙」を愉しみたいものと思った。

人は影鳥は光を曳きて春
春の川音も流れてをりにけり
接岸の流氷なほも陸を押す
綿虫の日に漂へる良寛忌
其角忌の夜ともなれば夜の遊びかな
荷風忌の雲の移り気見てゐたり
恋猫や世界を敵にまはしても
亀鳴くや男は無口なるべしと
これが親愕然とするお玉杓子 吉行和子
うぐひすのケキョに力をつかふなり
雨の日は雨の雲雀のあがるなり
小雀の声切々と日は昏し 臼田亜郎
鰆舟瀬戸口を出て暮光負ふ 西村公鳳
おどけたる後のさみしさ鯥五郎
雲丹割くやおろかな日日のつづきをり
白つつじこころのいたむことばかり
こだはらず妻は太りぬシクラメン
波来れば鹿尾菜に縋り鹿尾菜刈る
世を隔て人を隔てて梅雨に入る
本閉ぢて青水無月の山を前
漕ぎ出でて水の広さや五月晴
サイダー売一日海に背を向けて
日本に醤油ありけり冷奴
ストローを色駆けのぼるソーダ水
人ごとと思ひし古稀や泥鰌鍋
かき氷前頭葉のうろたへて
竹植ゑて一蝶すぐに絡みけり
髪白きまで山を攀ぢ何を得し
海の日の海見ゆる席レモンティー
雨をもて木木を洗へり山開
富士講者火を連ねつつ夜を登る
亀の子のその渾身の一歩かな
鳴く前の喉ふるはせて雨蛙
軽雷や松を下り来る赤楝蛇
一塊の肉羽ばたきて羽抜鳥
霧に遊ぶ雷鳥もまた一家族
目高ひねもす急発進急停止
水槽の無音を鱏の横断す
のの字よりつの字となりし泥鰻
大海亀裏がへる眼の淋しさは
わが足のああ堪えがたき美味われは蛸
おほいなる蝦蛄の鎧のうすみどり
ザリガニの音のバケツの通りけり
暁やうまれて蝉のうすみどり
十字架の釘のごとくに蚯蚓死す
悪女かも知れず苺の紅つぶす
貧厨にどかとキャベツを据ゑにけり
名月やしづまりかへる土の色
生きてあることのうれしき新酒かな
新蕎麦や着馴れしものをひとつ着て
持ちまえのがむしゃらが出て負相撲 高澤良一
煌々と乱世見ている月兎
カレーの香ただよふ雨の文化の日
舟板に撲たれ横たふ鱸かな
空缶にきよとんと鯊の眼がありぬ 下田稔
横顔は子規に如くなしラ・フランス
林檎剥く静臥の夫に皮垂らし
朝顔に天平の代の空明り
古漬けの生姜百まで母生きよ
病院の廊下つぎつぎ折れて冬
一食を車中に済ます師走かな
第九歌ふむかし音楽喫茶あり
冬の雨夕あかるみて止みにける
寒肥を吸ひきつてまた土眠る
すき焼やいつか離れてゆく家族
棒立ちのものばかりなり火事の跡
湯ざめして顔の小さくなりにけり
列島の闇真新し除夜の鐘
この出逢ひこそクリスマスプレゼント
日本語の乙張(めりはり)しんと一葉忌
晩成を待つ顔をして狸かな
隼の霧きる翅音きこえけり
ししやもししやも顎まで卵満たしゐる
煮凝の半信半疑鮃の目 高澤良一
人参は丈をあきらめ色に出づ
れんこんのくびれくびれのひげ根かな
あらたまのちからあめつちより貰ふ
正月の子供に成つて見たきかな
初富士にかくすべき身もなかりけり
まだ誰も来ぬ玄関の注連飾
ひび割れをうしろへ廻す鏡餅
いつ逢へるともなく見入る賀状かな
老妻の一打の強し鏡割
初場所の砂青むまで掃かれけり
なまはげにひやつくり止みし童かな
(この句いけません。「ひやつくり」と云う語彙は何處探しても辞典には在りません。「しやつくり」の類語としてお使いなのでしょうが。一歩譲って造語だとしても私にはシックリ来ません)
一身を静かに運ぶ初詣

作者名は原著を参照下さい。拙句も掲載下され感謝申し上げます。
(妄言陳謝 高澤良一)

以上

by 575fudemakase | 2021-05-31 04:32 | ブログ


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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