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◆西瓜☆

◆西瓜☆


半月の赤い西瓜のある座敷 市川英一
ひときれの西瓜の赤き患者食 田中呑舟
門川に西瓜も冷し宿場町 松原フクエ
母の声だけを信じて西瓜割り 高木悠悠
魯迅ルーシュンの一節浮かべ西瓜かな 近藤憙治
遠くから来てごろごろと大西瓜 池田みつお
西瓜下げ癒えたる妻に歩を合はす 渡辺よし生
西瓜まはして包丁の入れどころ 嵯峨根鈴子
落ちさうで落ちぬ西瓜を積み上ぐる 金森教子
種飛ばす子等を叱りつ西瓜食ぶ 稲畑廣太郎
十人の集まれば切る西瓜かな 稲畑汀子
心はや郷里にあり西瓜畑 松沢久子
初物の西瓜を買ふも四半分 中森百合子
天心の傾ぐ音せり西瓜割 彌榮浩樹
西瓜もぐいの一番は大きいの 松沢久子
寺の名で僧呼び止めし西瓜畑 辻のぶ子
灯台の頭が見ゆる西瓜畑 小泉洋一
上げし棒の上に太陽西瓜割り 菰田晶
好きなだけ持てと云はれし西瓜かな 松沢久子
ほんぼんと西瓜を叩きどれもぐか 松沢久子
大仏に西瓜を一つたてまつる 倭文ヒサ子
楕円なる西瓜国境はみ出せり 杉浦典子
西瓜売り男歩きの五児の母 坂井まさき
こいびとの膝に西瓜の種がある 池田澄子
下界より自坊へ西瓜提げ戻る 永野秀峰
西瓜食うというより食われたり 川島ひとみ
医療費の代りに西瓜持参せる 永野秀峰
一人の夏西瓜割る日もなく過ぎし 北原志満子
縁側に足ぶらぶらと西瓜食む 稲畑廣太郎
神は西瓜に宿るとも思われず 藤田守啓
子の未来それぞれにあり西瓜食む 稲畑廣太郎
幸福は西瓜の中で熟れていた 尾上有紀子
セミノール西瓜そのあと二次会に 山田六甲
くちびるの西瓜の汁を肩で拭く 山田六甲
西瓜食べ斑烏は芝の上 中里カヨ
六分の一の西瓜を買いなれて 中原幸子
パソコンもゲーム機も消え西瓜割 渡辺純
もすこしで抜けきる西瓜畑なり 田中英子
うらなりの不貞寝西瓜に鴉声あり 水島夜雨
たたら跡見終へて西瓜かぶりつく 松崎鉄之介
西瓜砕いて手掴みで食う土地の人 金子兜太
我庭の小さき西瓜よ供花に添へ 五十嵐八重子
見限りし西瓜の冷えてをりにけり 松本康司
西瓜の種あうらにつけて眠りをり 辻享子
大西瓜住所不明で戻りけり ロツキイ
如意ヶ岳西瓜の雄花ばかりかな 安原楢子
全方位の車座に切る西瓜かな 佐藤真次
太陽の恵みに西瓜太りをり 小橋安子
農協を信ぜず西瓜に藁を敷く 田中武彦
民宿の洗濯場横西瓜畑 神原操
神饌の一つに大き西瓜かな 高鴨アヤ子
若ものに貰ふ西瓜は拳割り 中本柑風
祖父は祖父兒は兒の歯型西瓜食む 田中藤穂
姉妹の西瓜の種を飛ばしつこ 高木伸一
西瓜割る遠白波をまなかひに 富岡伸子
西瓜喰ぶアウトドアーの静まりし 斉藤静枝
百選の水より冷えて西瓜浮く 神蔵器 風
西瓜出荷盆の休もなかりけり 三宅句生
赤い月西瓜は縞を競ひたる 佐藤昌子
西瓜の実煮詰め煮詰めて一握り 松沢久子
烈日をまともに受けて西瓜畑 鷹羽狩行
小玉西瓜ころころ遊び畑乾く 山田清香
放たれし鶏の中なる西瓜割り 鈴木石花
紅の里西瓜売くる夜明けなり 岸のふ
みてくれの悪しき西瓜やうまきこと 浅井千鶴子
大西瓜ベンチ湧きたつ草野球 植松美根子
西瓜撫でる向井千秋にメンス来る 時枝武
西瓜割満ち潮棒を持ち去りぬ 利根川博
西瓜提灯中から外を向き笑ふ 後藤立夫
正眼の構へ西瓜に隙あらば 田村みどり
冷やし西瓜おやじの如くタオル乗せ 佐方敏明
円きものと決めし西瓜に四角あり 永野秀峰
ざつくりとあなたを想い西瓜切る 甲田夏湖
全方位の車座に割る西瓜かな 佐藤真次
傾いて立つ阿弥陀像西瓜番 近藤憙治
オニヤンマ琵琶湖の西瓜ああまいか 近藤憙治
西瓜蒔く人に貰ひし黒き砂 竹中一花
ま青なる西瓜真赤に切られたり 宮原みさを
死後もまたうからの寄れる西瓜かな 中原道夫
西瓜割りしたき砂浜ありにけり 松本欣子
買ふ気なき西瓜の音をためしをり 金國久子
台風のつぎつぎにくる西瓜かな 堀内一郎
ひと叩きして供へたる西瓜かな 高尾豊子
夕星や西瓜の種は庭へ吐く 土井田晩聖
タクシーの抜け道近道西瓜畑 常坂幸次郎
独り居に西瓜二個来る宅急便 木村幸子
敷藁に傾く西瓜正座さす 林和子
風呂敷の結び目堅く西瓜あり 竹内美智代
青空の音する西瓜買ひにけり 鈴木とし子
少年のうれゆく真昼西瓜畑 おおた敏
良寛に似てきしひとと西瓜食ふ 渡辺立男
西瓜ごろごろ孫達の来るを待ち 神田恵子
大西瓜提げて真昼のニュータウン 小林玲子
大西瓜囲みて会談せるごとし 鹿野佳子
銀匙で掬ふ帯広西瓜かな 松本文一郎
井戸に吊り西瓜の縞の濃くなりぬ 長谷川春
山積みの西瓜の腹を叩きけり 吉本淳
落着かぬ昼を西瓜の種とばす 鳴海清美
西瓜とは赤いから切売にする 後藤立夫
西瓜売る荷車驢馬を繋ぎ置き 長谷川きくの
悪童のこともありしよ西瓜畑 長沼紫紅
まばたけば西瓜提灯笑ひけり 稲畑汀子
赤き目の西瓜提灯瞬きぬ 稲畑汀子
配られし中身も西瓜提灯よ 稲畑汀子
目と口の表情西瓜提灯に 稲畑汀子
西瓜割る当たるも八卦当たらぬも 山田六甲
西瓜蔓雲竜型に伸びにけり 丸山敏幸
清流を堰き止め西瓜冷しあり 神原操
西瓜出て何も決まらぬ村会議 浅川正
西瓜畑行く度のぞき日を待てり 岡田麻枝
供物とす大き西瓜を丸のまま 小澤友江
装飾用四角い西瓜輸出する 永野秀峰
騒がしき子らに西瓜を切り分ける 小林朱夏
来月はお稽古休み西瓜食ぶ 安部美和子
農作の西瓜鶏にも与へけり 城戸愛子
西瓜一ヶ買つて我が身に水をさし 鎌倉喜久恵
敷藁へ西瓜の蔓を曲げてをり 武田和代
初作りの西瓜俎上にときめけり 早崎泰江
エスカレーター西瓜提げたる客並び 徳丸峻二
西瓜食ぶ種を飛ばすか別れるか 木村みかん
屈強と見ゆるが提げし西瓜かな 仲尾弥栄子
昼下り競ひて啜る西瓜かな 永田勇
包まれてゐても西瓜と判りけり 長谷川守可
叩かれて売れ残りたる西瓜かな 長谷川守可
路仏辺に一言控え西瓜売る 禰寝瓶史
合宿の西瓜冷してありにけり 青池亘
冷された小玉西瓜にかぶりつく 大川原加容子
満載のリヤカーを曳き西瓜売 中島霞
ロシア国境老女は西瓜さげており 河村高天
せせらぎに小玉西瓜の二つ浮く 中谷喜美子
大西瓜割られし悲鳴かもしれぬ 足立幸信
子供会終りは大き西瓜割 青木暁子
リヤカーを曳きて島より西瓜売 兼久ちわき
晩秋の畑に西瓜のころがれり 金川眞里子
顔中の肉動かして西瓜食ふ 石平周蛙
なまぬるい西瓜が暗中模索生む 山元志津香
シャリシャリと三ヶ月西瓜天の川 寺門武明
舂くや春の西瓜の種にぎる 谷村幸子
目立ちくる西瓜畑に網を張り 山口秀子
地球食むやうに西瓜を食うてをり 稲畑廣太郎
姉よりも大きな口で西瓜食む 稲畑廣太郎
捕へられ西瓜ぜめなる兜虫 大橋麻沙子
本尊に供ふるに大いなる西瓜 田中藤穂
真二つを囲む瞳の数西瓜切る 古屋元
マネキンのやうな脚して西瓜食む 山田六甲
ドの音の西瓜を選ぶ道の駅 中野薫
憚らず西瓜を食べてをりにけり 北崎珍漢
大西瓜冷す船屋のポンプ井戸 綱川恵子
古井戸の蓋押し開く西瓜時 谷合青洋
大西瓜下げ来し人と西瓜食ぶ 米林外喜子
ある時は善人ぶりて西瓜喰む 土屋酔月
西瓜玉天真燗漫なるころび 小田元
大西瓜次の電柱まで右手 高木嘉久
叩くだけ叩いて迷ふ大西瓜 志水芳秀
白山の水引き西瓜冷し居り 能沢和子
限りなき旨き西瓜を孫と食ぶ 長志げを
縁側がもつとも似合ふ西瓜かな 長谷川通子
田原坂西瓜ばたけは官軍か 荻野千枝
医者の気分なり西瓜叩きけり 渡辺美代
西瓜食む先づは王手をかけしより 長谷英夫
身辺にいつも雀や大西瓜 小林恵子
初西瓜叩いて母の忌日かな 高尾豊子
出羽小富士の機嫌に育つ西瓜かな 田嶋洋子
初成の西瓜出荷の農日誌 斎藤和江
何よりも西瓜の旨し病み疲れ 寺島順子
幾度もたたかれ西瓜売られけり 兼子栄子
声援の多くて迷ひ西瓜割り 今成公江
西瓜食ぶてのひらうすくなりゐたり 武田芳絵
叩かれて賞められ売られゐる西瓜 野村智恵子
半分にしても入らぬ西瓜かな 山田六甲
魂棚へ間に合ひたると初西瓜 滝沢伊代次
西瓜食む頬が躍つてをりにけり 稲畑廣太郎
西瓜旨し日向の国の産とこそ 大橋敦子
食卓に置かれてでんと西瓜かな 永利恍郷
枇杷ぶだう西瓜初物そろひぶみ 木村茂登子
西瓜割日屑散らばりゐる浜辺 宇都宮滴水
空き畑へ西瓜の蔓の延び放題 望月久美子
三方に神饌の西瓜の安定す 堀田綾子
西瓜苗刈り草厚く敷きにけり 土川照恵
孤独なる冷し西瓜を切らずおく 小林正史
大西瓜居間でごろりと出番待つ 三橋早苗
西瓜食うべ血族ただに減るばかり 淵脇護
胸中を明かすや西瓜真つ二つ 渡辺民親
刃をあてしのみにはじけし西瓜玉 笠嶋陽子
家見えてにはかに重き西瓜かな 清水ミツコ
大粒の雨が西瓜を叩き割る 村上和子
生みさうに西瓜かかへて嫁の来る 鎌倉喜久恵
小気味よく叩く啖呵や大西瓜 中村春宵子
閻王に供ふや西瓜をでんと据ゑ 東野鈴子
家毎の洗ひ場西瓜冷えてをり 稲垣光子
西瓜また運ぶ日課のごとき夫 安部里子
円周率いまだ忘れず西瓜割る 新井泰子
やんはりと水はじきけり大西瓜 浜崎芙美子
固唾のむ子らに西瓜を真っ二つ 東野鈴子
西瓜割り笑ひをさそふ棒の先 藤井久仁子
西瓜割おほきな波の音の来る 田口武
餓鬼道に墜ちゐるごとく西瓜食ぶ 浅井青二
木菟鳴くは西瓜泥棒来る夜かや 有働亨
昼寝の子西瓜の種を付けしまま 小林朱夏
肥後訛り添へて西瓜を買はさるる 永利恍郷
あらかじめ西瓜の置いてある席に 稲畑汀子
西瓜食む子は未来へと種飛ばし 稲畑廣太郎
越の砂丘煙草につづく西瓜畑 大石昌代
弟のぶら提げて来る大西瓜 工藤ミネ子
滝見衆布袋腹出し西瓜食ふ 松崎鉄之介
進みゐる脳のおとろへ西瓜割 陳錫恭
寝そびれて仕草をかしく西瓜食ぶ 芝宮須磨子
小気味よく歯型のこして西瓜食む 池野凉子
砂丘台地西瓜の摘果始まれり 石井たを子
行きずりに桶の西瓜をこづきたり 中田みなみ
西瓜抛る受くるは家族きらめけり 木船史舟
西瓜半分貰ふに実家訪へり 苑実耶
西瓜売りの声町内を離れざる 出来由子
幾たびも指に試され初西瓜 佐藤山人
噴井ある家に冷やさる大西瓜 伊藤通友
なんとなく叩いてしまふ西瓜かな 畑絹枝
西瓜冷ゆぼくはおむつがだーいすき 東亜未
西瓜食ぶ海峡へ窓開け放ち 和田一
頬ぬらし子らかぶりつく初西瓜 木暮剛平
病院食に西瓜一と切れ色を添ふ 山田をがたま
麦藁の礼にと西瓜貰ひけり 高倉恵美子
鳥除けの網目食ひこむ西瓜かな 広瀬俊雄
齢忘れ大きい方の西瓜とり 小松サチコ
子の髪に西瓜の種がへばりつく 石橋萬里
西瓜切るにつちもさつちもいかぬ時 濱上こういち
この年も西瓜苦手と言へぬまま 真鍋万緑
幸せの角度で切られ西瓜食ぶ 吉田多美
バス出口転げし西瓜止まりけり 村田とくみ
西瓜食べのどの乾きのをさまりし 稲畑汀子
湧き水に西瓜の縞のよく回る 中村房子
人数の増減自由西瓜切る 稲畑汀子
西瓜選るもう目の中の赤くなり 中田みなみ
初出荷西瓜は甘度計らるる 鈴木榮子
長涛や西瓜の皮を埋めんとす 大島翠木
大西瓜仏も加へ切る真昼 伊藤真代
西瓜切る一家団欒遠のけり 向井芳子
西瓜提げ父せはしなく戻りけり あさなが捷
大土間に西瓜ごろごろ直売所 森山暁湖
バスの揺れ西瓜半分ぶら下げて 上原口チヱ
ぼんと声上げて西瓜の真つ二つ 田中久仁子
己れより食みて西瓜をすすめをり 清水幸治
うらなりの西瓜ころがる九月畑 木内美保子
大西瓜に結石一つ導かす 高塚千代子
見えてゐる縞が六本西瓜切る 窪田佳津子
兄弟が競ふ西瓜の種とばし 大井邦子
句筵の真中どっかと大西瓜 樺山翠
西瓜切る庖丁半ばにて傾ぐ 柴田佐知子
西瓜好き肉親たまたま揃ふ 数長藤代
西瓜一つ妻と食べ尽せしことも 大橋晄
秋田西瓜申し分なき容チもて 東野鈴子
授粉日の札あちこちに西瓜畠 西田たかこ
飾られて大和坐りの西瓜かな 関根洋子
抱へても提げても抱へても西瓜 椎名和代
撥の指発止々々と西瓜選る 今谷脩
西瓜割り園児みごとに一太刀す 山本漾子
頭かず目によむ西瓜まんなかに 窪田佳津子
雨不足に西瓜の高値崩れざり 岩崎靖子
縁側にて西瓜を食ふに種吹けり 竹内龍
留守番に大きな西瓜あてがはる 山田六甲
西瓜喰ふ家系図持たぬ江戸つ子で 伊東湘三
抱へくる西瓜砲弾かもしれぬ 北島和奘
風呂敷の西瓜包みの結び方 能村研三
でで虫も幼も大好きな西瓜 木原今女
外つ国に甘き西瓜をせりせりと 近藤きくえ
格別のことなき一日西瓜食む 松本蓉子
西瓜売夫逝きてより素通りす 西出俊子
井戸の水へこませて吊る大西瓜 柴田久子
叩き売り西瓜たたいて買ひにけり 亀田虎童子
西瓜にも前線のあり食べ納め 和田郁子
だみ声の西瓜触れ売り羽後誰 小松敏郎
躊躇ひのなくては切れぬ大西瓜 岡敏恵
末成りの西瓜の柄のきちやうめん 西畑敦子
仏前に供へ自作の大西瓜 寺尾ヱツ子
買物に夫連れ出して大西瓜 井口初江
エプロンに西瓜包んで亡母来る 片田きく
見舞妻大き西瓜を貰ひきし 佐藤雄二
富士山に向けて西瓜の種飛ばす 西山春文
抱へ来る西瓜砲弾かもしれぬ 北島和奘
よしあしの音の不確か西瓜買ふ 松本文一郎
五つ六つ西瓜転がる三和土かな 松本文一郎
冷水の中より揚げし西瓜かな 山田六甲
多勢の会待ち西瓜切ることに 稲畑汀子
息詰めて西瓜に刃先入れにけり ことり
西瓜切る会の人数揃ひけり 稲畑汀子
敷藁に望みを託す西瓜かな 小関栄子
豆蓮根筍西瓜隠元忌 冨松寛子
上段の木刀迷ふ西瓜割 山田六甲
淋しさはひとり西瓜を食ぶるとき 成宮紀代子
名産に西瓜加はる米所 菊地英雄
噴井戸に西瓜の自転ありにけり 鈴木伸一
ご詠歌の声の不揃ひ西瓜割る 山本耀子
「西瓜あるよ」「わーい寄るよ」の母子メール 伊藤航
昔大西瓜今はも切西瓜 大橋敦子
西瓜切る二度入れし刃の食ひ違ひ 紀平吉勝
西瓜切るじふぶんにじふぜんに水 宮本佳世乃
木陰にて犬も見守る西瓜割 山野惣一郎
本復の礼提げ来る西瓜かな 米田正弘
自転車のかご丸ごとの西瓜かな 松山三千江
風呂桶で冷されてゐる西瓜かな 植田利一
畑より西瓜抱へし頃の父 高倉恵美子
叩いても分からぬ西瓜たたきけり 長浜徳三
切るまでが勝負の西瓜大きかり 栃木志津
西瓜冷え地球はいよよ温暖化 松本圭司
西瓜食む青きまで食む美しき女 覚本秀子
どっかりと上り框の西瓜かな 栃木志津
水の惑星に住む幸せの西瓜かな 鈴木撫足
吉四六さんの噺のつづき西瓜割る 雨村敏子
西瓜食べ九十二歳の胸濡らす 神谷耕輔
黄の西瓜両断されてより点る 田辺博充
堂縁に西瓜尻据ゑ和尚留守 藤岡紫水
討論の結論みえて西瓜かな 柿沼盟子
メロン西瓜と仏に供へ賑はしき 近藤豊子
ピラミッド仕立ての西瓜王家の紋 小阪律子
ときどきはみんな集れ大西瓜 陽山道子
気丈なる母の忌日や西瓜食む 二見淑子
末生りの西瓜ころがる古戦場 若井新一
食べあとは人それぞれの西瓜かな 佐藤静子
一列におだま西瓜の並べあり 松下幸恵
人数の西瓜切る目となりにけり 稲畑汀子
防鳥ネット張りて西瓜の苗を待つ 寺岡ひろし
捗りし奉仕作業や大西瓜 岡野ひろ子
最初の子に割られて終る西瓜割 小林朱夏
西瓜抱いて客待つ家に急ぎけり 鎌倉喜久恵
しゃりしゃりの対馬の西瓜ふと思ふ 赤座典子
酔ひ覚めの喉に冷たき西瓜かな 高橋泰子
さいの目の西瓜をひとつ介護膳 鈴木セツ
短命の手相なりしが西瓜食ぶ 小野口正江
西瓜食む恍惚として忘れ顔 堀内一郎
西瓜割遂にはじけし子等の声 山口順子
寮住みの孫来て大き西瓜切る 恒成久美子
両の手に伝助西瓜踏ん張る児 前川ユキ子
深井戸に西瓜来意の通じゐて 谷田部栄
清流に冷し西瓜の縞模様 石川かおり
西瓜一つ抱へきれざる齢かな 水谷芳子
西瓜切るむかし八人いま二人 西本育子
天秤荷下ろし露天の西瓜売り 塩路隆子
注目のなか中玉の西瓜切る 渡辺裕子
元教師自作の西瓜呉れにけり 網野茂子
送盆西瓜は舟の形して 井田実代子
父よりも大き足跡西瓜割 田中珠生
包丁をはじく西瓜の黒模様 齋藤厚子
冷蔵庫の一等地占む大西瓜 小瀧洋子
種多き餓鬼忌の西瓜くらひけり 大崎紀夫
縞模様弾け飛ぶほど西瓜熟る 貝森光洋
売物の西瓜またもや叩かるる 橋本くに彦
園児合宿先着の西瓜二個 藤原照子
ぽんぽんと店主の叩く西瓜買ふ 小沼ゑみ子
静脈浮く男の腕や西瓜食ぶ 小川凉
西瓜食ふ滴る汁を拭はずに 布川直幸
西瓜買ふ妻の目利きの当たりかな 山崎真義
人数の今日切るべしと西瓜かな 稲畑汀子
親も子も楽しむ西瓜種とばし 寺田光香
煙吐く島が夜空に西瓜割る 中田みなみ
今年また西瓜売りゐる宿場町 亀田やす子
えいママよ西瓜丸ごと買つちまを 鎌倉喜久恵
卓袱台をなつかしみつつ西瓜切る 中原敏雄
西瓜切る手許危ぶむ声しきり 中原敏雄
冷蔵庫の間取り考へ西瓜買ふ 七田文子
種とばし合うて兄弟西瓜食む 岡佳代子
大西瓜切る庖丁のたぢろがず 廣瀬義一
兄来れば妹の顔西瓜食ぶ 長谷川歌子
切り西瓜後生大事に帰路急ぐ 林美智
切られたる西瓜に尾根のありにけり きくちきみえ
刃を入れる前の西瓜を撫ぜにけり 田原陽子
格安の大玉西瓜持て余し 高橋信一
包丁の入り大西瓜ひびきけり 田中文治
縁側の俎板に乗る西瓜かな 天野美登里
さくと割れ小玉西瓜の皮うすき 恒成久美子
喉仏まだなき少年西瓜食む 史あかり
一切れの西瓜棺に入れにけり 宮崎高根
トルコ路に大玉西瓜五十円 古井公代
西瓜買ふ介護の妻の話して 高倉恵美子
尻尾たて猫が擦り寄る西瓜好き 高木篤子
棘をほるやうに西瓜のたねを穿る 佐藤山人
秋暑し黒部西瓜に齧り付く 谷渡末枝
農耕系西瓜を掴む指太し 松本文一郎
撫で廻し弾き叩いて西瓜買ふ 小林朱夏
人数の西瓜の待つてをりし席 稻畑汀子
切ろうかな切らねば食へぬ大西瓜 松本秀子
西瓜食ぶ嬰抜けの瞳を大きくし 湯橋喜美
生傷をまあるくなでて大西瓜 山田六甲
奇数には一気に切れぬ西瓜かな 木島茶筅子
高杯に西瓜坐れる勅願寺 細野恵久
太陽の匂ふ少女ら西瓜喰む 柴田久子
西瓜汁のど通るとき喜ばし 細見綾子
仏壇に西瓜まるごと供へあり 北崎展江
残酷に西瓜を割って笑ひ合ふ 大日向幸江
直会の男等去りし後西瓜 山内碧
孫の来て西瓜のお面はにかめり 江草礼
西瓜来て冷蔵庫大混乱す 塩田博久
西瓜切る姉となりたる幼子に 服部早苗
西瓜切り鮮やかな円現るる 栗原京子
日を浴びてデン助西瓜自己主張 村上倫子
割れさうで割れぬ大きな西瓜かな 橋本リエ
葉がくれの大き西瓜をのぞきこむ 谷村幸子
包丁の長さの足りず西瓜切る 今井春生
西瓜切り鮮やかな円現るる 栗原京子
はらはらす西瓜切る娘の左利き 布川孝子
大西瓜腰を要に運びくる 水谷靖
前世は兜虫かも西瓜食ふ 大木清美子
生身魂西瓜の種をほろと吐き 西村節子
庖丁の触れるやいなや西瓜爆ぜ 古井公代
買はぬ人にも叩かるる西瓜かな 橋本くに彦
西瓜の種を父の魂と思ふまで 本多俊子
最後とり婆が命中させり西瓜割り 古井公代
内灘の風に西瓜のまだら焼け 大山文子
豊作の西瓜大きくもてあまし 唐澤春城
皮うすき西瓜は進化しているの 松本アイ
この西瓜完熟なれど種茶色 長谷川としゑ
退院の赤き西瓜のおいしさよ 安原葉
ウォーターポロって何さ西瓜割る 中原幸子
切りたての尖りたてなる西瓜かな 今井肖子
熱の子のごとき西瓜を捥ぎ帰る 原友子
人寄れば井戸より上ぐる大西瓜 斉藤マキ子
時国家土間の馬穴に西瓜浮く 亀田やす子
叩かれて叩かれて西瓜売れ残る 池田かよ
大玉の西瓜弾いて買ひにけり 青木英林
金盥冷やし西瓜の浮き沈み 石川かおり
西瓜切る大小ありの五分けかな 安井和恵
西瓜の花咲きしとて友朝電話 村田とくみ
初成りの西瓜叩いて供へけり 岩木茂
幼子に西瓜の先を折り与ふ 永田万年青
包丁を借りて断ちたる大西瓜 落合晃
金盥冷し西瓜の浮き沈み 石川かおり
日の盛り十六切にする西瓜 吉弘恭子
動員に食みし西瓜を思ひ食む 荒木稔
この二葉西瓜と信じ水をやる 池田久恵
弔ひの庭葉隠れの西瓜かな 服部早苗
大網白里大ぶりに切る大西瓜 すずき巴里
湯上りの西瓜に塩のよく効いて 山崎青史
初物の西瓜居座る冷蔵庫 遠藤俊子
半分に切られ貰はれゆく西瓜 長久保郁子
理科系の妻切る西瓜放射状 濱上こういち
四分一の西瓜をひとり広き卓 村田とくみ
錆の香の井戸へ呼び水大西瓜 あかさか鷹乃
踏切を待つや西瓜を地に置きて 阪本哲弘
鉢巻の気合に西瓜真つ二つ 荒木治代
仏壇に妣の好みの西瓜挙げ 水野弘
指に痛し西瓜を入れし提げ袋 石塚清文
水平線地球は丸い西瓜切る 中谷三千子
西瓜ほど掴みどころの無い男 高橋将夫
上品に食べる西瓜とならざりし 稲畑汀子
この会に西瓜残つてをらざりし 稲畑汀子
西瓜くふ三文と値のつく役者 中村嵐楓子
畑より西瓜ほいほい荷台まで 田尻勝子
見回して爆弾西瓜手渡さる 山田六甲
西瓜抱く仁王力士の不二男かな 山田六甲
西瓜食ふ暑き静かな昼下がり 四條進
「うり坊」てふ手に載る冷し西瓜かな 国包澄子
西瓜売赤子這ひ出す竹の籠 江見悦子
西瓜売り大きな玉を差し出せり 松嶋一洋
西瓜買ふのみの夫婦の睦まじき 村上倫子
爺婆の見守る町の西瓜割り 和田政子
かぶりつく西瓜に顔を埋めけり 黒住康晴
お供への西瓜と決めぬ剪り残す 今瀬一博
大西瓜を持てぬ齢となりにけり 竹内悦子
農継ぎてより疎みける西瓜割り 西郷慶子
日中の熱の遣り場や西瓜喰ぶ 岡田桃子
背より父の手の添ふ西瓜割 齊藤哲子
転がりて落ちる西瓜の鈍き音 秋田典子
刃の入りし西瓜の声を聞く一瞬 長山あや
初西瓜叩かれ弾かれ売られけり 小林朱夏
荒川や天に蠍座地に西瓜 今井春生
右右右前前左西瓜割 吉田葎
渇きたる身に染み渡る西瓜かな 稲岡長
西瓜食う赤い電車に乗って来た 中村あいこ
平成のメロン西瓜は昭和かな 秋葉雅治
売れ残る大き過ぎたる西瓜あり 辰巳あした
西瓜切るつもり人数揃ひけり 稲畑汀子
ともかくも西瓜を食べてからのこと 稲畑汀子
切り分けし西瓜の塔に種の窓 八木健
西瓜撲滅豪華客船の上甲板 八木健
抱へなほす西瓜遮断機上りけり 松井志津子
仏壇の下に西瓜の畏まる 中島和子
袋廻し西瓜の種を飛ばしつつ 原内田梢
ぽつねんと売れ残りたる大西瓜 石垣幸子
井の中のしづかな西瓜敗戰日 佐藤喜孝
山形の西瓜ざつくり地球喰ひ 須賀敏子
新聞紙丸めて並ぶ西瓜割 赤座典子
闇おりて西瓜畑に動く影 秋川泉
戴いて朝な夕なに西瓜かな 斉藤裕子
西瓜の種もノンポリでゐられない 篠田純子
臥す夫に西瓜の汁をしぼりけり 宮本加津代
井戸水に廻り始むる西瓜かな 小林朱夏
目隠しの見えてゐるやも西瓜割 押田裕見子
大西瓜三等分とはややこしき 吉田政江
白砂に喚声あがる西瓜割り 吉成美代子
仮店舗よりはみ出せる西瓜かな きくちえみこ
大西瓜どすんと置いて帰りけり 岩岡中正
幼らの目かくしふんばる西瓜割り 池田光子
さし潮に前島よりの西瓜舟 和田照海
西瓜のタネ飛ばす縁側母も居て 野中圭子
西瓜切る東西南北子の四人 中村洋子
あんなひとゐたかな西瓜食べてをり 浅田光代
もろ声やでん助西瓜赤と黒 中島陽華
延びてくる十本の手に西瓜切る 久保夢女
切売りの西瓜に種の裏おもて 笹村政子
取り敢へず真二つに切る西瓜かな 藤井彰二
浮いてゐし井戸の西瓜のずつしりと 菊池洋子
大西瓜在の友より重く受く 佐々木興作
前掛けに西瓜を入れて戻りけり 小林朱夏
戦争の文字に種飛ぶ西瓜かな 太田良一
騒ぎとは西瓜が井戸に落ちしこと 三村純也
外見で分らぬままに西瓜買ふ 伊吹之博
いちびって西瓜の切り口誉めており 杏中清園
蔓揺れて西瓜の花の目立たざる 稲畑廣太郎
伸び切つて西瓜の花は空を恋ふ 稲畑廣太郎
初西瓜ひと擦りして刃をあてる 能村研三
口中に西瓜の種の又残る 稲畑汀子
種のある百瓜が西瓜なりしこと 稲畑汀子
喜寿にしてみごもりしよと西瓜抱く 山田六甲
数式の解は二つに西瓜切る 鈴鹿呂仁
休日の公園早も西瓜割 松原三枝子
種なしの西瓜の艶の佳かりけり 竹内悦子
ビル毀つ重機西瓜を切るやうに 岩下芳子
腹の内見せて西瓜の売られをり 嶋崎豊子
大西瓜閻魔に供ふ里のひと 山田春生
地蔵会の西瓜地蔵を隠しけり 南うみを
離陸機の影ゆく西瓜畑かな 内藤静
刃に触れて自ら裂けてゆく西瓜 坂場章子
診断のつかぬ漫(そぞろ)や西瓜割る 西住三恵子
西瓜割り居合はす我もご相伴 石森理和
落ちてゐて西瓜の種とすぐ分かる 定梶じょう
両断の西瓜の朱ケのうつくしや 安立公彦
立話の指に食ひ込む西瓜の荷 森脇貞子
西瓜ふたつ大きな方を子に持たす 土井三乙
等分と言ふは難し西瓜切る 植田秀子
耳たぼに八つ切西瓜の端の冷え 荒井和昭
種なしの西瓜に申すことのあり 石田きよし
玄関に先に入り来る西瓜かな 石田きよし
無心なる子供の一打西瓜割り 大日向幸江
子らの吐く西瓜の種に蟻の列 秋川泉
大西瓜廊下の隅にある怠惰 森川絢子
相続の話西瓜に種多め 朝倉晴美
母鳩寿三西瓜苗二五〇本 浅海好美
息吸つて重心正す西瓜割 吉田政江
西瓜食む種を飛ばせし昔かな 稲畑廣太郎
西瓜食ぶ縁側といふ別世界 稲畑廣太郎
鳥取県大栄町出身つつじが丘部屋大西瓜 山田六甲
切り分けて西と東に大西瓜 山田六甲
西瓜切るための人数揃はざる 稲畑汀子
幼子の顔に噛みつく西瓜かな 中村房子
久々に西瓜の丸さ抱きにけり 中田みなみ
ふるさとや縁より飛ばす西瓜の種 小林朱夏
滅茶割れの西瓜とつさの赤しぶき 植村一雄
潮と陽の香る子一気西瓜食ぶ 伊藤よし江
開け放つ窓に大灘西瓜食ぶ 伊藤よし江
種とばす縁側なくて大西瓜 門伝史会
力瘤などうつちやらかして西瓜食ぶ 雨村敏子
井戸水に浮いて子供を待つ西瓜 有松洋子
たつぷりと父の西瓜は塩振らる 廣畑育子
西瓜食ふ海に向かつて種飛ばす 溝渕弘志
長談義中入りにして西瓜切る 長谷川はまゆう
ふるさとの夢は西瓜の二等分 西村渾
西瓜食ぶ未来のことを語りつつ 本多俊子
地球より大き西瓜の浮いてをり 熊川暁子
建築士見た目綺麗に西瓜切る 濱上こういち
やをら立つ西瓜の種を大工吐き 松本三千夫
スーパーに並ぶ八つ切西瓜かな 外山生子
風呂敷の西瓜転がる渡し舟 利國春美
見えてゐる畑の西瓜供へけり 南うみを
カツト西瓜ふたりめの子が欲しかつた 直江裕子
閻王にでんと供ふる大西瓜 佐藤貞子
囃ある方に打ち込む西瓜割り 永田万年育
もうないか買漁りての西瓜かな 秋川泉
西瓜切るあの世この世と分けにけり 中山皓雪
取り囲む瞳の中で西瓜切る 小林はじめ
仏壇に所を得たる大西瓜 岡田正義
朝のビュフェ西瓜生ハムにも飽いて 森なほ子
西瓜並ぶ「叩かないで」の札を付け 青木朋子
大吉のみくじ引き当て西瓜切る ふけとしこ
切り分ける西瓜の赤の烈しかり 大日向幸江
西瓜へ刃入るる一瞬地震走る 吉田政江
敷藁の新しくある花西瓜 笹村政子
一の市一番重い西瓜買ふ 秋川泉
西瓜マンゴー刃物遣ひの自由自在 おーたえつこ
長旅の西瓜をここで終らせる 高木晶子
目隠しをずらせ西瓜を割りにけり 赤松赤彦
喫茶店冷し西瓜の暖簾出す 延川五十昭
てんびんの撓ふ西瓜と一歳児 神蔵器
西瓜の縦縞すこしのよろけは粋に着よ 片桐てい女
引きさがる一歩が見事西瓜割る 田所節子 田所節子
庖丁のどれも短し西瓜切る 柴田佐知子
アルキメデスと仲良くしてる浮き西瓜 熊川暁子
西瓜食ぶ女は牡を喰ふ如く 三木亨
外人の親子築地に西瓜提げ 下田奉枝
地蔵会の西瓜どの子も撫でにくる 南うみを
西瓜の座へうきんな子の今在らぬ 中村嵐楓子
蛇口より西瓜の縞の広がれり 秋千晴
冷しゐる西瓜水ごと上げにけり 石橋幾代
西瓜の子そっと顔出す葉陰より 酒井たかお
軽々と西瓜提げ来る力士かな 稲畑廣太郎
助手席に我が物顔の西瓜かな 稲畑廣太郎
後腐れなく逝きたしや西瓜割る 亀田虎童子
叩くなと書かれし西瓜叩き買ふ 岡本尚子
足をもて小舟操る西瓜売り 延川五十昭
レジ袋一つに西瓜ひとつかな きくみきみえ
西瓜食ぶこれはなんえと言う母と 松井季湖
真っ二つ西瓜切り役与へられ 大橋晄
種三粒西瓜三角という形 樺山翠
一刀両断に西瓜主宰の庖丁さばき 樺山翠
望郷や井戸に西瓜の有りし頃 密門令子
一口の西瓜になごむ昼餉かな 片山喜久子
西瓜食ぶ産地かの奥尾花沢 塩見英子
半分の半分で足る西瓜買ふ 岡田正義
振る舞うてくれし西瓜を畑に食ぶ 石橋邦子
老犬の顎髪ぬらし西瓜食む 山浦紀子
あはあはと黄色い西瓜いただきぬ 升田ヤス子
太陽をぎゅうと詰め込む西瓜かな 酒井たかお
言いにくいことは西瓜を食うてから 藤野雅彦
西瓜割り声に押されて歩き出す 柴田佐知子
尖りたる甘さ西瓜のひとくち目 今井肖子
受粉する小玉西瓜や子守唄 中貞子
言ひ訳の子は五分と五分西瓜切る 鈴鹿呂仁
佇みて鴉の荒らす西瓜畑 大内幸子
仏壇の夫に一切れ西瓜かな 大山夏子
瀬戸の塩かけて三浦の西瓜かな 杉山善信
差し潮に鵺の島より西瓜舟 和田照海
大西瓜黒々育つ余所の庭 廣畑育子
全員にゆきわたるやう西瓜切る 遠藤泉
水中に縞目のゆがむ西瓜かな 住田千代子
西瓜食う年の離れたはらからと 小山佳栄
十人の等分に苦慮西瓜切る 鈴木石花
西瓜割り地球もろとも割る快感 三木亨
じやんけんよ大中小と西瓜切る 飯田久美子
路地に子らあふれし頃の大西瓜 藤井啓子
浜庄屋縁に西瓜のころがれり 小林共代
デパートの四角の西瓜非売品 喜田君江
八分の一の西瓜を買ひにけり 志方章子
義兄来る夫の名しるす西瓜提げ 田中とし江
大仰な西瓜両断車座に 能村研三
西瓜食ぶ君の唇染め上げて 稲畑廣太郎
西瓜提げ庭より入り来る漢 稲畑廣太郎
故郷の空気もろとも西瓜食む 稲畑廣太郎
塩といふ西瓜を甘くする魔法 稲畑廣太郎
以上

by 575fudemakase | 2021-10-25 09:01 | ブログ


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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