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◆箸 ◆の俳句(無季)

◆箸 ◆の俳句(無季)

塗り箸を渡してゆるきわらび餅 金久美智子
塗箸がはたまた牡蠣が滑るのか 高澤良一 宿好
塗箸に貝のきらめく土用東風 坂根白風子 『彩雲』
塗箸に追ひかけられてゐる海雲 山田弘子 懐
塗箸のきらりと老の菊膾 鈴木鷹夫 大津絵
塗箸へつゝと寄りくる海雲和 神崎 忠
塗箸をえらぶ小浜の良夜かな 熊谷恵子
春慶塗箸買ふ旅の空澄む日 高澤良一 素抱
いつまでも母の太箸汚れなく 鳥越すみこ
もてなしの太箸もまた吉野なる 松本松魚
一つ子の太箸握る太鼓哉 太箸 正岡子規
太箸にしみ込み屠蘇の匂ひかな 其朝
太箸にとゞまる日光手に移す 渡辺桂子
太箸にまづ海のもの山のもの 今田博子
太箸に枝の俤ありにけり 長谷川櫂 蓬莱
太箸に根深の芯の熱きこと 辻桃子
太箸に華人褒めたる子の名書く 河野頼人
太箸のこの滑らかなふくらみよ 西田 孝
太箸のただ太々とありぬべし 高浜虚子
太箸のつまみあげたる海の色 増田斗志
太箸のよそよそしさも佳かりけり 矢島三榮代
太箸の三日七日となりにけり 星野石木
太箸の二本をつかむ力かな 青山丈
太箸の名は子が書いてくれにけり 大石悦子 群萌
太箸の太きを主持たれけり 涼葉
太箸の太しき程ぞめでたけれ 太箸 正岡子規
太箸の嬉しさしるや草枕 蒼[きう]
太箸の抓みそんじもなかりけり 大橋敦子
太箸の木目匂へり祝ひ膳 阿部寿雄
太箸の無垢に遥かな樹齢あり 三石俊江
太箸の白きに言葉あらたまる 永方裕子
太箸の真白にうごく火勢なり 鳥居おさむ
太箸の神と居並ふ心地かな 尾崎紅葉
太箸の素きが母に長かりき 野澤節子
太箸の鶴にあやかる思ひあり 尾崎紅葉
太箸まづ常の梅干摘みをり 北野民夫
太箸も其庭訓の威儀にこそ 露月句集 石井露月
太箸やいただいておく静心 飯田蛇笏 山廬集
太箸やいのち惜まむ四人子に 沢田弦四朗
太箸やころげ出でたる芋の頭 籾山梓月
太箸やどこやら梅のはや咲くと 龍岡晋
太箸やふところふかき父のこと 佐々木菁子
太箸やほのぼの匂ふ吉野杉 瀧 春一
太箸やまずは丹波の黒き豆 此口蓉子
太箸や七歳にして家の主 吉武月二郎句集
太箸や先づこの太きもたけぬる 松根東洋城
太箸や夫はゆつくり酔うており 大八木久栄
太箸や家族たしかめ合ふ正座 今木幸子
太箸や帰省子の名もしつかりと 竹内光江
太箸や廂の空は梅もどき 波多野爽波 『湯呑』
太箸や後にひかへし檜木山 暁台
太箸や御祓の木のあまりにて 言水
太箸や惣領といふは粗忽者 清水基吉
太箸や戦後を生きて五十年 多賀谷榮一
太箸や日ごろの山に正座して 福島勲
太箸や染めものばかり喰はさるる 石川桂郎 四温
太箸や淡しと思ふ母の面 山田みづえ
太箸や眉にも白を加へたる 森澄雄
太箸や知命といふは軽からず 西嶋あさ子
太箸や草の庵も旅心 太箸 正岡子規
太箸や覚束なくも左利き 吉武月二郎句集
太箸や親に貰ひしめでたき名 太田壽子
太箸や言葉あらたに夫の前 小泉良子
太箸や頬燃えて侍す吾子二人 石田波郷
太箸をいたゞいて置く内儀かな 卯七
太箸をそへてかげ膳ありにけり 松岡君子
太箸を持ちあましたる子供哉 太箸 正岡子規
太箸を洗ひざらしてつかひけり 橋本鶏二
太箸を添へて一椀奉る 五十嵐象円
太箸を置けばちちははありし世や 西川みさを
橿原の宮の太箸今年又 谷村喜美子
深熊野の杉の太箸匂ひけり 清水礼子
痩腕の太箸にだも恥づるかな 太箸 正岡子規
癒えし夫太箸しかと使ひけり 増井智子
薺粥ちちの太箸並べをく 長谷川久子
覺束な太箸握る花嫁御 太箸 正岡子規
貧に処して太箸やまづ潔き 妻木 松瀬青々
これは~腰がある餅雑煮箸 川崎展宏
働かぬ手にいただくや雑煮箸 西島麦南
名を書くや奈良墨にほふ雑煮箸 的場 敏子
神路山の焼印あるや雑煮箸 鈴鹿野風呂
背のびして鴎見る妻雑煮箸 佐川広治
雑煮箸子等の戻りて家膨る 野辺祥子 『遠野火』
雑煮箸水引かけてひとり~ 鬼城
ひぐらしに丈を違へて夫婦箸 黛まどか
加減よき結び昆布や夫婦箸 浜明史
喰積にさびしき夫婦箸とりぬ 松本たかし
垂れこめし簾のかげの夫婦箸 鷲谷七菜子 花寂び
夫婦箸の在り処おぼろや桜鯛 草田男
夫婦箸姉妹が使ひ秋灯下 後藤綾子
夫婦箸買ひたる卯の花月夜かな 中山純子 沙 羅以後
山笑ふ功一洋子夫婦箸 川崎展宏
新涼や祝ぎに象牙の夫婦箸 櫛田と志子 『繭玉』
風呂吹や使ひふるしに夫婦箸 三ケ尻湘風
あたたかや抜けば用なき箸袋 上村占魚 『萩山』
初春や酒吸つてゐる箸袋 鈴木鷹夫 春の門
喰積や我名なほある箸袋 萩谷成村
夕涼し朱印捺したる箸袋 高井北杜
夜寒かな箸袋など蒐めても 大塚まや
新涼や盆唄ちらす箸袋 新井保
春の宵ひらりと落ちる箸袋 高井眞行
焼鮎の膳より吹かれ箸袋 桂信子 黄 瀬
秋蝉のとぎれとぎれに箸袋 折井紀衣
箸袋江戸村とあり茸飯 米永 操
箸袋船をかたどり冬の旅 土佐豊子
箸袋裂きて句をとめ年忘れ 赤松[けい]子 白毫
よき春の大箸紙や御本山 廣江八重櫻
成人の子の名大きく箸紙に 渡辺恭子
箸紙に五観の偈あり白牡丹 山田弘子 懐
箸紙に住所書き合ふ窓若葉 都筑智子
箸紙に書き終へし名の並びけり 稲畑汀子
箸紙に書くかなしさよ山蛾の灯 長谷川かな女 牡 丹
箸紙に最上舟唄渓紅葉 小原啄葉
箸紙の名の墨色が濃かりけり 榎本冬一郎
箸紙の数に変はりのなかりけり 井上三須女
箸紙を書く墨を磨るしづ心 山田菜々尾
食積に箸紙赤き祝ひ箸 中村春逸
この顔の大きが鮴ぞ箸の先 瀧澤伊代次
ちよろぎ赤し一年の計箸先に 加古宗也
何となく芹の香のする箸の先 長谷川櫂 天球
偕老を希ふ柚味噌を箸先に 近藤一鴻
力抜くうぐひす餅の箸の先 鳥羽富美子
取箸の先のそろはず葛桜 西嶋あさ子
土用入り天麩羅箸の先焦げて 荒巷樹
夕飯や蚊遣もつるゝ箸の先 蚊遣 正岡子規
大阪の暑気や生き貝箸の先 細見綾子 黄 炎
巴里に煮て隠元なりき箸の先 小池文子 巴里蕭条
平茸を栗茸を指す箸の先 高澤良一 燕音
春の夜や蟹の身ほぐす箸の先 鈴木真砂女 生簀籠
柚味噌焼くや嘗めこゝろむる箸の先 高浜虚子
水飯のごろごろあたる箸の先 星野立子
河豚つつく箸先に亡き友がいて 後藤大典
海鳴りや箸の先まで夕焼けて 玉崎千鶴子
白魚を掬ふ箸先透けてをり 橋本美智代
盃洗の水祝ひけり箸の先 増田龍雨 龍雨句集
箸の先噛んで驚く良夜かな 鈴木鷹夫 春の門
箸の先芋をとらへて月今宵 安積素顔
箸の先花見弁当の飯ころげ 上野泰 佐介
箸の先見て聞くはなし花菖蒲 谷口桂子
箸先にまろぶ子芋め好みけり 村山古郷
箸先に豆飯の豆戯るる 上村占魚 球磨
箸先に酢豆一粒づつ冷たし 長谷川櫂 古志
箸先に雨気孕みけり鮎の宿 岸田稚魚
箸先の鱧の牡丹を崩すかな 草間時彦
芋の頭近うと召すや箸の先 尾崎紅葉
花の世のゆめと行き交う箸の先 津沢マサ子
葛切りをすくひてけぶる箸の先 井沢正江
葛水や一塵とむる箸の先 小杉余子 余子句選
長葱の日本海学箸の先 折笠美秋 虎嘯記
雲霧や夏の蝶とぶ箸のさき 西島麦南 人音
鮎粥のはじける米を箸の先 星野柵彦
あたたかや子無き夫婦の箸づかひ 神忠
一生の幾箸づかひ秋津洲 三橋敏雄 *シャコ
子芋孫芋幼子の箸使ひ 長谷川久々子
息ほそめゐて行く年の箸づかひ 鷲谷七菜子 花寂び 以後
枯野より来て美しき箸づかひ 折原あきの
灰に拾ふ火箸使ひや餘寒顔 安斎櫻[カイ]子
煮こごりや夫の象牙の箸づかひ 及川貞
煮こゞりや夫の象牙の箸づかひ 及川貞 榧の實
笹鳴きを聴きゐるらしき箸づかひ 山崎冨美子
箸づかひきれいな男夏暖簾 帯屋七緒
考へてゐる春寒の箸づかひ 中尾寿美子
誰もが箸使ひはじめて葭雀 中嶋秀子
青饅や夫婦無韻の箸づかひ 柴田白葉女 『月の笛』
首夏にして知命やゆるき箸づかひ 鳥居おさむ
黒豆の母のをさなき箸づかひ 中拓夫 愛鷹
亡き夫の象牙の箸の枯れよせず 佐久間俊子 『むさし野』
新樹の夜長き象牙の箸つかふ 岡本差知子
松過ぎを使ひ馴れたる象牙箸 岡本差知子
水飯や象牙の箸を鳴らしけり 吾空
湯豆腐に添へてひそかや象牙箸 久米正雄 返り花
煮こゞりや夫の象牙の箸づかひ 及川貞 榧の實
煮凝や象牙の箸の父あらば 伊丹さち子
煮鮑に厄日の象牙箸重き 長谷川かな女 花寂び
豆飯や長寿の父の象牙箸 高橋悦男
野分あと象牙の箸の重きこと 中村明子
銀の匙象牙の箸やクリスマス 太田育子
露の夜の象牙の箸に儒者がいる 渋谷道
仏飯に大箸立てて日蓮忌 鈴木無肋
箸立てにぎっしりと箸寒波来る 清水衣子
箸立に亡夫の箸や油照 岡本眸
箸立の箸の林や月の船 高野ムツオ 蟲の王
苧殻箸立てて三河の山や川 古舘曹人
飯に箸立て春月の真下なる 斎藤梅子
春山に生木たづぬる一本箸 飯島晴子
甘酒に いま存命の一本箸 伊丹三樹彦「一存在」
越後國原一本箸のところてん 佐川広治
箸墓に波のさわだつ春しぐれ 伊藤いと子
箸墓のぼんやり見えて桃の花 名田西の鴉
箸墓の初蛍とて小さかり 加藤三七子
箸墓の影より出でず鳰睦む 土田春秋
箸墓の影より抜きし大根かな 角川春樹
箸墓の流れの芹を摘めるかな 藤田あけ烏 赤松
あはれよや麻木の箸の長短 也有
あらがねの火箸つめたき夏炉かな 中田剛 珠樹以後
あんかうは癖のなき魚箸伸ばす 高澤良一 寒暑
いかなごにまづ箸おろし母恋し 高濱虚子
いくかたぎ箸のたのしき柚味噌かな 軽部烏帽子
いく度も甘露煮へ箸山眠る 鈴木鷹夫 渚通り
いただいて足りて一人の箸をおく 種田山頭火 草木塔
いちどきの箸に糸引くごまめかな 藤井恒子
いのちながく痩せて蚊遣の火箸とる 廣江八重櫻
いのち透く白魚に箸ためらひつ 村上光子
いまさらに菜箸長し夕花菜 野沢節子 八朶集以後
おなべはあたたかい我が家の箸でいただく 住宅顕信 未完成
おもえば年越蕎麦の箸をおきしがおわかれ 荻原井泉水
かなしさや麻木(おがら)の箸もおとな並 広瀬惟然
かなしみや火箸のように眠る夜 岸本マチ子
きびなごの身の透く寒や旅の箸 草間時彦 櫻山
くろもじの箸や北山初時雨 藤崎さだゑ
こうろぎや箸で追やる膳の上 孤屋
こともなげに箸とる人ら沙羅の花 上野敏郎
このわたと遊ぶ翁の箸二本 柄沢恭子
このわたや縷々綿々と箸を垂れ 中野三允
これがまあ終の鎖骨か竹の箸 横須賀洋子
ごまよごし時雨るゝ箸になじみけり 久保田万太郎 草の丈
さうめん流し終へたる水に箸うかぶ 横山白虹
さくら鍋箸やすめれば噴きこぼれ 檜紀代
ささぐるや箸そふ盆供手いつぱい 飯田蛇笏 山廬集
さじでたべる子箸でたべる子きりぎりす 井泉水
しぎ焼に爺婆の箸出合ひけり 大木あまり「山の夢」
しづかに箸つかふ朝や沙羅の花 大石悦子 群萌
しなだるる箸の蕨に見惚れけり 仙田洋子 雲は王冠
しばらくは箸使はずに土瓶蒸し 池田秀水
しら箸の夜のちぎりや亥の子餅 宗因
すき焼の豆腐へばかり老の箸 加来ふさえ
せめてこの箸にもとまれ蜆蝶 北原白秋 竹林清興
そらまめへ箸浅草の雨を来て 花谷和子
たべ足りし箸をおきけり薬喰 富安風生
ついばむに似て骨拾ふ箸冷まじ 平井さち子 紅き栞
つねになきものめでたくて孕み箸 森澄雄
とりわけしちょろぎの紅に箸つけず 二木倭文夫
とろろ箸すべるぽつくり父逝きし 後藤一朗 『雪間』
どうにかなるさ海髪の絡んで赤い箸 鳥居真里子
ねぎまの煮え我より箸下ろしたる 小澤碧童 碧童句集
ねこ舌のおくるる箸や小豆粥 及川貞
はうたうが箸をすべりぬ遠鶯 鈴木鷹夫 大津絵
はつ冬やふたつ子に箸とらせ見る 暁台
はや夏の海老をむしりて折りし箸 久保田万太郎 流寓抄
ひとり酔ふ岩魚の箸を落としたり 石川桂郎
ひと箸のあまごの腹子たふとかり 石川桂郎 高蘆
ひらひらと箸を使へり洗ひ鯉 伊藤トキノ
ふぐちりや長く真青の竹の箸 草間時彦
ふたつに割るとそばをいただく箸になる 近木圭之介
ほろ~と箸よりこぼれ花菜漬 中西利一
ぼたん畑小草に箸を下す也 高井几董
まさぐれば熱き火箸や初話 増田龍雨
また秋やまた落丁や箸二本 沼尻巳津子
まつさらの火箸納めの寒詣 松村節子
まづ煮立つふぐのしらこを箸にせよ(真理ふぐを喰べたしと云ひしに、与ふことなければ) 角川源義 『冬の虹』
まづ箸は楪に盛る柿なます 及川貞
まみどりの芹の一箸づつの味 大工原朝代
まんさくややうやくペンが箸が持て 奥谷郁代
みちのくのわらび真青に箸に沁む 島みえ
みな集ひ箸通りよき蒸し藷 伊藤京子
めでたしで終る炉話火箸刺す 元吉竹瓶子 『甲子』
もしかして芽吹くか箸も端々も 中尾寿美子
もち古りし夫婦の箸や冷奴 道芝 久保田万太郎
やはらかに箸おしかへす粟の餅 高田正子
やや寒く箸のせてある置手紙 友岡子郷
ゆく春やながい糸ひく箸の蕗 那須辰造 天窓
わが箸の白の歳月水溢れる 寺田京子 日の鷹
わりなくも箸にかからぬ海雲哉 正岡子規
アメリカが終の栖家で鮭茶漬けの箸 高木敏子
クリスマスわが箸まじる箸家族 磯貝碧蹄館 握手
ホキと音麻木の箸は作られけり 尾崎迷堂 孤輪
一一つ律義の箸に挾まれて蓬の餅 安斎櫻[カイ]子
一匹の蝿に五人の箸止まる 岡田圭子
一対の太さ揃はぬ苧殻箸 清水佳津子
一箸に満ちたまひけり生身魂 細川加賀 生身魂
一箸の柿膾さへよろこばれ 若林三紗子
一箸の海鼠腸友の絶句せり 小柳俊治
七草の箸を落して泣きにけり 川崎展宏
七草粥形見の箸を揃へけり 角川照子
万歳や窪田箸尾の鼓振り 富浪夏風
三日月の光りそめつ鮎に箸つけぬ 渡邊水巴 富士
三輪山の箸にいただく柚釜かな 八木林之助
下萌に杉の箸干す吉野かな 岩切貞子
久女忌の飲食すみし箸を折る 下田稔
九月来箸をつかんでまた生きる 橋本多佳子
亀鳴いて弁当の箸あらひけり 鹿志村余迷
二の箸の句にあそぶらし菊膾 赤松[けい]子 白毫
五器箸に離れて出るや一季者 李由 三 月 月別句集「韻塞」
亡夫の名書けば滲める祝箸 轡田幸子
仏飯の箸をいぶかる烏の子 長谷川双魚 風形
仏飯をつらぬく箸や日の盛り 狩行
会津五月子へ買ふ百回塗りの箸 奈良文夫
伽羅蕗に箸はづませて茶わん酒 加藤武夫
伽羅蕗をつまむ箸もて「例のほら」 高澤良一 鳩信
兜煮のまなこに箸や桜どき 中村祐子
八十路なる母のおん名を祝箸 角川照子
冬の雨火箸ともして遊びけり 一茶
冬深みかも菜箸を湯にさせば 正木ゆう子 静かな水
冬瓜汁すすまぬ箸を奨められ 高澤良一 素抱
冷え~と箸とる盆の酒肴かな 飯田蛇笏 霊芝
冷奴のつめたさや箸にかゝりけり 尾崎迷堂 孤輪
冷奴もつれ話を箸で割り 佐々木賞山
冷奴箸おもむろに何処欠かん 高澤良一 寒暑
冷奴馬鹿塗りといふ箸のあり 市村楳香
冷飯に鳴らして寒し銀の箸 龍胆 長谷川かな女
冷麥の三箸がほどの涼しさよ 久保田万太郎 流寓抄以後
冷麦の箸をすべりてとゞまらず 篠原温亭
冷麦の箸を歯で割く泳ぎきて 中拓夫 愛鷹
出汁昆布の箸をつるりと浮寝鳥 山口昭男
初春や帯封かたき孕み箸 岩本あき子
初薬師祖母に買ひたる一位箸 安田建司
初蚊遣けふ箸初の浩宮 石田あき子 見舞籠
刺しとほす細みの箸やかぶら蒸し 阿波野青畝
割炭や柚が名残の鉄火箸 若風 選集「板東太郎」
加茂茄子の田楽とぞ箸あやまつな 大石悦子 群萌
匙箸とかたみになづな粥の子は 皆吉爽雨
十三夜なり少年の長き箸 遠山 陽子
十三夜待つつげの箸つげの櫛 古館曹人
十人目の孫の名「千種」祝箸 櫛田と志子 『繭玉』
十夜粥箸のまはりの灯影かな 桂信子
友くるや夜食の箸をおろすとき 銀漢 吉岡禅寺洞
取りおとす参籠の箸や悴みて 原 柯城
取箸やちよろぎを添へて末の子も 大日向洋
召されませ軽ろき苧殻の箸とりて 佐田 かずえ
台風の過ぎたる素き箸を割る 千代田葛彦 旅人木
各の朱ヶの箸さへ花見かな 尾崎迷堂 孤輪
合掌して箸を納むる大根焚 嶋津亜希
吉兆の箸蓬莱の竹とせむ 角川照子
吉野箸指にやさしき初桜 平崎千恵
吊れば鳴る明珍火箸餘寒なほ 飯田蛇笏
向き合ひて箸使ふ幸茗荷の子 金田一てる子
吸物の松露は箸にまろかりぬ 太田鴻村 穂国
咳呆けぬ柚味噌の箸をもちながら 石田波郷
喰積にときどき動く老の箸 高浜虚子
喰積みに花塗の箸揃へらる 小林道子
喰積や夫のいちばん箸待ちて 中村堯子
嘴のかたさの箸や年の酒 大木あまり 火球
四月尽朱の箸流れくることも 飯田龍太
国栖人の柊挿して箸削る 浜崎晃子
土工地下を出て箸を突込む日の照るめし 橋本夢道 良妻愚母
土筆添へて夕餉の箸のはじまりぬ 貞
地蔵盆よりあたらしき子らの箸 能村登四郎
埋みたる栗をうしなふ火箸かな 橋本鶏二 年輪
塗り箸を渡してゆるきわらび餅 金久美智子
壺焼に呟かれゐて箸休む 福永耕二
夏の闇ひとりは箸を揃へをる 柿木 多映
夏籠の箸がそろへてありにけり 井上弘美「あをぞら」
夕冷えに妻が箸執る患者食 下村ひろし 西陲集
夕潮の音白鱚に箸執らむ 瀧春一
夕焼はじまる涼しき位置に夫の箸 神尾久美子「桐の木」
夕空見てから夜食の箸とる 尾崎放哉
夕立の切れ味を見つ竹の箸 正木ゆう子 静かな水
夕風や箸のはじめの酸橘の香 服部嵐翠
夜寒はや箸割る音に来てゐたり 野中 亮介
夜神楽舞う少年の祖母 箸つかう 伊丹公子 沿海
夜食する箸白々と狎妓かな 久米正雄 返り花
大年や栗ぜんざいの箸短か 鈴木真砂女 夕螢
大箸をいたゞいて置く内儀かな 卯七
天が下に春いくたびを洗ふ箸 沼尻巳津子
太刀魚に箸をつけたる夕焼かな 岩田由美
太刀魚の銀の移りし箸を置く 石丸ただし
女より男わびしく芹に箸 野澤節子 花 季
女流きららと落ちて弾みし祝箸 鈴木鷹夫 大津絵
妹が箸に持ちなやみけり芋頭 風馬
婆の箸お粥すゞしくまゐるかな 阿波野青畝
嫁がせて一膳余る祝箸 関口美子
子の箸は子の座におかれ雑煮餅 吉田北舟子
子芋孫芋幼子の箸使ひ 長谷川久々子
定斎屋海のながめに箸つかふ 佐野まもる「海郷」
宿よろし先づ蓴菜に箸運ぶ 滝沢鶯衣
寂寞と煮凝箸にかかりけり 萩原麦草
寄鍋に差し出す箸の順を待つ 森岡水居郎
富士山を箸にのせてや藥喰 藥喰 正岡子規
寒の箸がほとぼる骨をはさみあふ 小林康治 四季貧窮
寒中の蕗掘られ来て箸洗ひ 石塚友二 光塵
寒卵かゝらじとする輪島箸 前田普羅 能登蒼し
寒灯は待つためのもの赤い箸 対馬康子 純情
寒鯛の煮凍り箸に挾みけり 原石鼎
寒鰈箸こまやかに食うべけり 草間時彦 櫻山
対の箸まあたらしくて生身魂 若井新一
小豆粥祝ひ納めて箸白し 渡辺水巴
小雪の箸ひとひらの千枚漬 長谷川かな女
小鳥くる火箸の丈をいとしめば 大木あまり 火球
居すごして箸とる家の柳かな 飯田蛇笏 山廬集
山陰の白鱚に割る檜箸 揚石八重子
岩魚あり酒なき膳の箸を割る 本田一杉
岩魚よし白檜の箸よし温泉の宿り 田中冬二 俳句拾遺
峰入の道をせばめて箸を干す 森田峠 避暑散歩
川越えてきて水鱧の箸を割く 津根元潮
帰国して箸の軽さの夏料理 川中千寿子
帰朝子につづく箸やり桜鯛 皆吉爽雨
平服の僧が箸とる目刺かな 鈴木鷹夫 春の門
年寄りの箸を逃げたる海鼠かな 中村祐子
年明ける川辺に箸を洗ふ音 福田甲子雄
年玉をいただいてより迷い箸 田辺花
座に侍る妓等も箸とるふぐと汁 翁長日ねもす
庭草にほはしき夕べの色となり病人箸とる 人間を彫る 大橋裸木
弔いの後の蓴菜箸を逃げ 森田智子「掌景」
御正忌の座よりあふれて箸つかふ 米村禾風
心太みじかき箸を使ひけり 古館曹人
心萎えしとき箸逃ぐる海鼠かな 石田波郷
患者食済みし春昼箸洗ふ 高澤良一 鳩信
悲しさやをがらの箸も大人なみ 惟然
惜春や人の数だけ箸すすぎ 櫛原希伊子
我箸も苧殻に数へ紛れけり 乙二
戸の隙に青麦光り昼の箸 桂信子 黄 瀬
手にもてば箸も山河や青葉騒 中尾寿美子
手のふるゝいつもの火箸の焼け 小澤碧童 碧童句集
手送りの箸の回るや走り蕎麦 榎本好宏
押へたる火箸に蜈蚣火の如し 辻田克巳
持ち古りし夫婦の箸や冷奴 久保田万太郎
持山のぬるでの箸や小豆粥 宮津昭彦
指よりも太き箸もつ童かな 梅珠
指箸に鰹生肝ほいと喰ふ 後藤綾子
掻揚げの芹よ蕗よと逆さ箸 鈴木鷹夫 風の祭
数の子を二箸三著祝ひけり 広江八重桜
新蕎麦や口で箸割る秩父駅 深田雅敏
新豆腐くずす吉野の杉の箸 花谷和子
旅人の箸にかかりし海雲かな 桑原三郎 晝夜 以後
日月は冬至へ進み箸茶碗 藤田湘子 てんてん
日焼子のねむくて箸をとり落す 田中英子
日雀鳴く庭に干されて吉野箸 小倉桂子
日鼻書き箸さして柚味噌嬲らるる 会津八一
旧姓に執す飴湯に箸いつぽん 大石悦子 百花
早咲の梅に與けて白木箸 高橋睦郎 金澤百句
早春の雪バレリーナ箸使う 岩淵稲花
春の川媼来りて箸洗ふ 柿本多映
春の雪貝を研ぎ出す若狭箸 田中英子
春昼や生きては箸をうごかして 櫛原希伊子
春蝉や朝餉の箸を揃へ置く 稲田眸子
春霜に素木の箸を位牌とす 友岡子郷 翌
春風に箸を掴で寝る子哉 一茶 ■文化四年丁卯(四十五歳)
晩年のはや箸捌き菊膾 高澤良一 随笑
月の出を雪しろ岩魚箸の尖 佐野美智
月明の箸を逃げたる甘煮藷 斎藤玄 雁道
朝よりの大暑の箸をそろへおく 長谷川素逝「素逝句集」
朝より酒生じゆんさいの箸に逃げ 石川桂郎
朝寒くなりぬ箸とる汁の澄み 臼田亞浪 定本亜浪句集
朝粥の膳に一ト箸花山椒 高岡智照
木がらしや小溝にけぶる竹火箸 一茶 ■文化元年甲子(四十二歳)
木枯や燃え減らしたる竹火箸 冬葉第一句集 吉田冬葉
木犀散る箸を買ひたるはるけさに 鍵和田[ゆう]子 飛鳥
来ぬ人の名もしたためむ祝箸 永方裕子
松の葉を箸でとり捨つ乾飯かな 高田蝶衣
松島の景に箸取る秋の朝 林二三子
松過ぎや人疲れなる迷ひ箸 池田栄子
枯柴の箸にたつ香や大師粥 松川藤邨
柚子匂ふのみの設けや麻木箸 渡辺水巴 白日
柿は花濡らしもてなす利休箸 長谷川櫂 古志
栗飯や木曽の小石を箸枕 山崎竹堂
梅咲いて草太郎忌の箸使ふ 原裕 青垣
梟や火箸を深く灰に挿し 江頭信子
正月の箸にきんとん応へある 久米正雄 返り花
歯固や短かく朱きをんな箸 中村堯子
歳晩の傾斜俄に箸に脚に 加藤 耕子
歳末やビーフステーキ箸で食ふ 藤岡筑邨
死後の春先づ長箸がゆき交ひて 中村苑子
母の名は草仮名で書く祝箸 平松美知子
母の箸まだ確かなり新豆腐 古賀まり子 緑の野以後
母恋ふや箸の穴あるふかし藷 湯下量園
水洟やお茶碗ひとつ箸一ぜん 後藤綾子
水虫痒しわれならば焼火箸あてむ 加藤かけい
水貝にぬり箸といふにげ易く 坊城としあつ
水貝に一箸つけし病余かな 百合山羽公
水貝の皿は最後に箸をつけ 稲畑広太郎
水飯の箸を忙しく使ひけり 工藤節朗
水飯の箸音かるき伊万里かな あかぎ倦鳥
水飴の箸折れ鷹の鳩と化す 菅原鬨也
水飴の練り箸を折る寒さかな 渡井一峰
水餅の水を上りてすべる箸 重永幽林
水餅の箸を逃げたる壺暗し 田畑比古
水鶏鳴くこゑを待ちゐて利久箸 伊藤敬子
汗ばんでくるかなしみの箸二本 栗林千津
沖膾箸の雫や淡路島 言水「江戸蛇之鮓」
沙羅咲くと茶粥の箸を置きて見る 上野さち子
河豚刺しの枝の一枚壊す箸 逢 ひさ乃
河豚刺や箸すれ違ふ皿の上 小平寿子
河豚鍋の世話ばかりして箸附けず 佐藤うた子
法要の箸とる僧や雪起し 飯田蛇笏 春蘭
波郷忌や風呂吹に箸あそばせて 小林康治
流し索麺箸をのがれて落ち行けり 平松荻雨
流燈に箸のせあるもありにけり 京極杞陽
海の日の箸が足りない昼ごはん 高原信子
海女の焼きくるゝ栄螺に箸をとり 森田峠 避暑散歩
海鼠腸に昵懇の箸汚しけり 内田美紗 魚眼石 以降
海鼠腸の一箸の香貞徳忌 宮川貴子
海鼠腸を箸にすべらせ無神論 小高桂子
消炭の軽さをはさむ火箸かな 吉田三角
淋しさと向かいあう今日の箸とる 住宅顕信 未完成
淑気満つ春蘭の香を箸の尖き 安田鶴女
淡雪の箸ざはりなり薺粥 素丸
湖のしぐれてきたる祝箸 福島 勲
湯気もまた箸に引くなり粥柱 井沢正江
湯豆腐に箸さだまらず酔ひにけり 片山鶏頭子
湯豆腐に箸の親しき夕灯 柴田白葉女 花寂び 以後
湯豆腐のまづ箸にして葱甘し 石川桂郎 高蘆
湯豆腐の浮沈を縫うて朱の箸 日野草城
湯豆腐や箸は市原平兵衛と 梶山千鶴子
湯豆腐を箸あらけなく食ひにけり 綾部仁喜 寒木
潔斎の箸をちよろぎの二三個に 花谷和子
火に痩せし火箸まつ赤に猟解禁 つじ加代子
火箸たててけしきととのふ火鉢かな 耳動子
火箸の頭まるくあたたか祖母恋し 大串章
火箸もて三十棒の眞似を炉に 高野素十
火箸もて障子に蝿を追窮す 蝿 正岡子規
灰に拾ふ火箸使ひや餘寒顔 安斎櫻[カイ]子
灰ふかく立てし火箸の夜長かな 道芝 久保田万太郎
炉に深く火箸つきさし風を言ふ 佐野美智
炉火箸に掌を置き空を過ぐるもの 中戸川朝人 星辰
炉火箸の長きに香を埋めけり 後藤夜半 底紅
炉火箸へのばしたる手に数珠たれて 入江月凉子
炉話の火箸樹となり銃となり 元吉竹瓶子 『甲子』
炉開いて重き火箸を愛しけり 後藤夜半
炉開きや火箸握る手皺刻む 野沢馥睡
炉開や火箸にかかる鬼の豆 許六
炬燵膳夫も子恋の箸を措く 村上 光子
炭取に侘びしき箸の火ばしかな 黒柳召波 春泥句集
炭斗に嘴のごとくに火箸あり 橋本鶏二 年輪
炭斗の炭を火箸の選り好み 後藤夜半
炭竃の奥の闇掻く火箸かな あべふみ江
焼芋の固きをつつく火箸かな 室生犀星 魚眠洞發句集
煌めきて箸にかかりし白魚かな 今泉貞鳳
煮えふるふものに箸のべ薬喰 皆吉爽雨
煮ふくめし大根に箸の穴二つ 山本美紗
煮凍へともに箸さす女夫哉 召波
煮凍りへともに箸さす女夫かな 召波
煮凝にまづート箸を下しけり 久保田万太郎 流寓抄
煮凝に箸かけて聴く怒濤音 小川原嘘帥
煮凝に箸しろ~と立てにけり 松村蒼石
煮凝の箸ぼんやりとしてをれず 山本英子
煮凝や赤きうるしの妻の箸 森川暁水 黴
煮凝りを箸にはさみて日本人 山口波津女
煮凝を箸に上ぐるや山動く 松根東洋城
煮氷やもろく折たる萩の箸 高井几董
熊鍋に進まぬ箸の気弱かな 櫻井秋子
熊鍋の叢雲に箸入れにけり 綾部仁喜 樸簡
爐開いて重き火箸を愛しけり 後藤夜半
父の箸すこし剥げをり花菜漬 小澤克己
父の箸で秋刀魚の骨を寄せるなり 瀬間 陽子
父の箸母の箸よと苧殻折る 大森扶起子
父の箸母の箸芋の煮ころがし 川崎展宏
父を語り了へて箸とる菊膾 中村若沙
牛鍋に箸ふれ合ひてより親し 石黒澄江子
狩たのし光琳笹を箸に折り 米沢吾亦紅 童顔
猫舌のおくるゝ箸や小豆粥 及川貞 夕焼
猫舌のやうやく箸をかぶら蒸 及川貞
甘き冬空右手に母が箸持たす 磯貝碧蹄館
甘酒の箸は一本もがり笛 阿波野青畝
甘酒は箸が一本あたゝかし 大橋敦子 母子草
生盆や縞黒檀の対の箸 吉田紫乃
生身魂すずしく箸を使ひけり 秋山幹生
生酔いの箸運びけり柿膾 高澤良一 燕音
生飯台に一箸の飯白き秋 西村公鳳
田作や箸に触れ合ふ海の色 柴田清風居
田作を剥がす力の箸の反り 服部青駕
田楽の火を弄る娘の木の枝箸 鈴鹿野風呂 浜木綿
異邦人箸を短く寿司を食む 和田郁子
病妻の箸を進めしごまめかな 松本巨草
白砂光り早箸さばき白子干す 丹羽卓
白箸に色かぐはしき薺かな 秋皎
白箸に飲食清め道元忌 本多静江
白箸や瀬々の網代木氷鮒 花流 選集「板東太郎」
白粥に春のかたみの箸つかふ 三田きえ子
白魚に箸つけあぐむ夕霧忌 下谷行人
百日紅三度三度の箸茶碗 兒玉南草
皮鯨箸の片方落としけり 正木ゆう子 静かな水
盆の箸つくる麻種蒔きにけり 茨木和生 往馬
真四角の信玄箸や走り蕎麦 塩畑たき子
真炭刻る火箸を斧の幽か也 榎本其角
眼はすでに牡蠣鍋にあり箸を割る 鈴木鷹夫 春の門
短日や箸の在り処も知らぬ夫 中村明子
砂糖水くる~廻し尼の箸 阿波野青畝「紅葉の賀」
硝子器に箸の当りて夏の音 高澤良一 鳩信
磨き盆銅壷鉄瓶火箸をも 相模ひろし
祝箸みどり児の名も加はれり 津川武子
祭膳春慶塗の箸かろし(飛弾高山にて二句) 上村占魚 『橡の木』
祭鱧箸を使へば風湧きぬ 伊藤 敬子
秋の風箸おきて妻何を泣くや 安住敦
秋を見て箸にうるかの黒きかな 松瀬青々
秋冷の家族にわかつ箸のかず 飯田龍太
秋初風粒の小芋の箸を逃ぐ 長谷川かな女 花寂び
秋燕やひようと長くて支那の箸 岸本尚毅 鶏頭
秋立つや屋久杉の箸かるがると 芝 哲雄
秋雨や夕餉の箸の手くらがり 荷風
秋風や箸にかからぬ炒り豆腐 稲垣きくの 黄 瀬
秋鰺によごれてをみなごの箸も 川崎展宏
立春の卵に尖る箸ならぶ 百合山羽公 寒雁
竹に雨ひやむぎに箸なじめるよ 村沢夏風
筏士の箸にからまる螢哉 一茶 ■文政三年庚辰(五十八歳)
箔移す箸へとびきし寒夕陽 井上雪
箸あてんとす煮凝りの琥珀色 神田宏子
箸おいて居睡る癖や秋の風 内田百間
箸おいて春暁くらき訃報かな 岩田昌寿 地の塩
箸かけし飯に眼落とす秋の風 月舟俳句集 原月舟
箸が置くもどり鰹を舌の上 川崎展宏 冬
箸こけるものに草石蚕のまつたき紅 富田敏子
箸さき重く今にも降りそうな雨 住宅顕信 未完成
箸すこし長目を使ふ夏休 宮坂静生 山開
箸すてゝ毛見を迎へに走るなり 松瀬青々
箸すべりやすき癩の手秋の暮 村越化石
箸すべる海髪や霧笛の遠吠ゆる 三村太虚洞
箸するどくおかれてありし良夜かな 中田剛 竟日
箸たてて碧梧桐先生葱を焼く(三朝宿を憶ふ) 廣江八重櫻
箸つかふ冬木伐つたる明るさに 飴山實 少長集
箸つかふ月の光を浴びながら 長谷川櫂 虚空
箸つくる音のさらさら桜散る 内田美紗 浦島草
箸つけて雑煮ヶ浦の煤け餅 高澤良一 ぱらりとせ
箸つたふ湯気も法悦十夜粥 七里はる江
箸で喰ふタータービーフ桂郎忌 斎藤玄 雁道
箸で追ふ海鼠死しても逃ぐるなり 深谷雄大
箸といふ文化が不思議建国日 林翔
箸とって鴬ひびく山家蕎麦 百合山羽公 寒雁
箸となる杉輪飾をして匂ふ 小澤満佐子
箸とめてああ蜩が鳴いてゐる 鈴木鷹夫 春の門
箸とめてひとも一つ葉見て在るか 宇佐美魚目 秋収冬蔵
箸とめて藤は盛りを過ぎにけり 大井戸辿
箸とるときはたとひとりや雪ふり来る 橋本多佳子
箸とるも夫婦序のある袷かな 森川暁水 黴
箸とれど極暑の膳の興もなや 水原秋桜子
箸とれば梅が香もして蒸鰈 岡野知十
箸と膳ひぐらしの山暮れてゆく 原田喬
箸どれよりつけてもひとり地虫鳴く 茂里正治
箸ながす川上は在り徂く丹塗矢 高柳重信
箸にうつす桑の中より蝸牛 霞夫
箸にかかりにくき麦飯皹いたむ 大熊輝一 土の香
箸にかけて山葵匂はし雪の暮 渡邊水巴
箸にかけて年越蕎麦の長短か 水内鬼灯
箸にかけて月光荒きところてん 加藤知世子
箸にかゝるその白魚も二の替 月舟俳句集 原月舟
箸にとる細きも匂ひ新牛蒡 宮地清子
箸に吊る蕎麦の長短年終る 横山哲夫
箸に寄すおでんの種のがんもどき 石川桂郎 四温
箸の木や伐り倒されて横たはる 三橋敏雄 眞神
箸の束ほどいてつけし清水かな 金子せん女
箸の水切って乾かす魂祭 高澤良一 寒暑
箸は二本骨揚げも栗飯も 鈴木鷹夫 千年
箸ぶくろ風にさらはれ川床料理 檜紀代
箸ほどの地虫の穴に冥さあり 前山松花
箸やすめして春宵をうべなへり 松本可南
箸よりも箸屑匂ふ余花の雨 亀山恒子
箸を置く姿勢正しき漂泊者 曾根毅
箸を置けば横になる身でひるも虫なく 海藤抱壺
箸一ぜん買ひに出でたる深雪かな 龍岡晋
箸休めして鶯のよきしじま 藤村克明
箸作る木屑にひびく河鹿笛 田中英子 『浪花津』
箸使ふひとりの音の終戦日 野見山ひふみ
箸入れてこぼるる鮎の化粧塩 仲加代子
箸割つてわが冷麦の季来る 星野麥丘人
箸割るや夕暮れて花白き崖 長谷川櫂 天球
箸割れば杉の匂ひや夏料理 福原紫朗
箸割れば響く障子や納豆汁 石塚友二
箸取りていちいち蝿を追へるひと 高澤良一 ぱらりとせ
箸拳てふ土佐の遊びの夜長かな 大石悦子 聞香
箸持ちて鵜籠を覗く宵月夜 朱廸 五 月 月別句集「韻塞」
箸挟む鱈子に纒ふ恥いかに 石塚友二 方寸虚実
箸措きぬ初雁鳴くといふからに 瀧春一 菜園
箸楽ししよっつる鍋の貝ふらふら 阿波野青畝
箸涼しなまぐさぬきのきうりもみ 久保田万太郎 流寓抄
箸深くさすふかし藷震災忌 石飛如翠
箸添へてまづ名月に供ふべし 加藤覚範
箸白く割るうぐいすに釜めしに 山田岳星
箸箱に箸ごせとかやお正月(安見子五歳出雲言葉に染みて) 『定本石橋秀野句文集』
箸箱に箸二並び笹子鳴く 赤松[けい]子 白毫
箸箱の黴におどろく夫婦かな 森川暁水 黴
箸細くはこぶ行厨秋へんろ 皆吉爽雨
箸逃ぐる明石の鯛の洗ひかな 清水基吉
箸逃ぐる此奴新芋煮ころがし 石塚友二
箸運びゐるか紅葉を賞でゐるか 山田弘子 こぶし坂以後
粒選りの銀舎利箸に万座屋忌 上田五千石
糸ひいて箸よりすべる千枚漬 安斉君子
紅ちよろぎ箸にはさめば君美し 山口青邨
紅梅の*しもとを箸や宮大工 飴山實 『次の花』
納豆が風邪寝の箸を逃げたがる 稲垣きくの 牡 丹
細る炉火火箸もて父の業習ふ 石橋林石 『石工日日』
老の箸しづかに薺粥啜る 久保田万太郎
腹芸の本家/捨身のまどい箸 仁平勝 東京物語
色なき風箸に崩るる骨拾ふ 鈴木芳子
芋に箸刺して激痛はしるなり 鈴木鷹夫 大津絵
芋の子の箸にかからぬおもひ出や 加藤楸邨
芋の子を箸で追はえる膳の上 芋 正岡子規
芋羊羹西太后の箸休め 伊藤敬子
芍薬や乾きてかろき吉野箸 黒木野雨
芦のほに箸うつかたや客の膳 向井去来
花に箸替えよ吉野の二日酢 浜田酒堂
花人の箸にはさめる飯白し 後藤夜半 底紅
花冷えの箸まなかつをむしりけり 久保田万太郎 流寓抄以後
花冷のその身を硬く箸枕 源鬼彦
花冷や箸も茶碗もひとりぶん 稲垣きくの
花菜漬遠忌の箸にあはあはし 大野林火
花菜漬酔ひて夜の箸あやまつも 小林康治 玄霜
苦瓜料理出され箸つけみしものの 高澤良一 素抱
苧殻焚く苧殻の箸も火となりぬ 安川掴雲
苧殻箸ころがる風に帰郷せり 本川晴代
苧殻箸こんにやくを取り落したる 関戸靖子
苧殻箸剪る花鋏新しく 大場美夜子
苧殻箸子に供ふるは短うす 伊藤糸織
苧殻箸食べにくさうな太さにて 佐保田乃布
茶粥して箸は木の音法師蝉 今村俊三
草餅や吉野の果の杉の箸 小笠原和男
荒(さび)鮎に箸つけてより渓のこゑ 春一
荒鮎に箸つけてより渓のこゑ 瀧春一 菜園
菜箸にあやつられゐて日の短か 片山由美子 風待月
菜箸の油にぬれし夏至の月 如月真菜
菜箸の焦げのあらはに年詰る 小松崎爽青
菜箸の糸切れてゐたり日脚伸ぶ 大熊一枝
菜飯食ふ吉野は杉の箸豪華 浦野芳南
菠薐草妻奨めればそろと箸 高澤良一 随笑
菰豆腐ほぐすに月の芦の箸 吉田紫乃
落鮎に落ちくる塗の箸四本 小檜山繁子
落鮎のぶあつき皮を箸で行(や)る 川崎展宏
落鮎や旅の出会ひの一位箸 錫木千恵子
葛切に硝子の箸のみゆるかな 長谷川櫂 天球
葛切の箸にかかりし愉悦かな 石嶌岳
葛水をかきまぜる箸を置きにけり 尾崎迷堂 孤輪
葵祭こどもの箸を並べけり 長谷川櫂 天球
蒟蒻に箸がよくゆく居待月 加藤燕雨
蓮飯に母の削りし蓬箸 横田 和
蓮飯の箸のはこびの葉を破る 皆吉爽雨 泉声
蓴菜の箸より喉へすべりけり 佐之瀬木実
蔵町の味噌田楽を箸にせり 角川春樹
蕎麦掻くと男の箸を探し出す 上野さち子
蕗のたうほろほろすがし利休箸 伊丹 丈蘭
蕗味噌になじみて三日輪島箸 中西舗土
蕗味噌にまづ箸をつけ親しみぬ 勝又一透
蕗味噌や先焦がしたる竹の箸 松岡一郎
薄切の背越をはがす竹の箸 柴原保佳
薬喰隣の亭主箸持参 與謝蕪村
薺粥箸にかゝらぬ緑かな 高田蝶衣
藥喰隣の亭主箸持參 蕪村 冬之部 ■ 几董判句合
虎杖の箸を涼しくまゐらせり 松山足羽
蛍火や箸さらさらと女の刻 龍太
蜆より蜆へ箸のうつろふも 佐々木六戈 百韻反故 初學
螢とび疑ひぶかき親の箸 飯島晴子
角箸の灯をあつめたる夜寒かな 上村占魚 鮎
訣れきて烈火を挟む火箸かな 神生彩史
詩あれば死後をおそれず梅雨の箸 河野多希女 納め髪
語り部の火箸叩いて締めくくる 高澤良一 宿好
誰もが箸使ひはじめて葭雀 中嶋秀子
豆腐ありなにより風邪の箸すすむ 石川桂郎 高蘆
豆飯や児はねむたさの箸落す 塩谷はつ枝
貝割菜ややに辛きを箸ばさむ 畠山譲二
貴人(あてびと)のごとく箸付け蒸鰈 高澤良一 随笑
赤い箸つかふ夏痩はじまれり 望月百代
路味噌にまづ箸をつけ親しみぬ 勝又一透
迷ひ箸考へ箸となる夜食 鷹羽狩行
送り火の箸折りくべてけぶりかな 原田種茅 径
逃げたがる箸の慈姑や木雨して 石川桂郎 高蘆
逞く子の字はみ出す祝箸 羽田岳水
道明寺箸と糒賜りぬ 鈴木なか
選り惑ふ箸にぶつかるおでん種 高澤良一 宿好
邪気払ふ洗朱の箸草の餅 長谷川櫂 虚空
邯鄲や箸を逃るる笹豆腐 藤原たかを
酢海鼠となり果てし身を箸に懸け 高澤良一 素抱
野遊びや赤子の口に箸入れて 安部元気
金火箸焼きし父亡し胼薬 森 淑子
釣宿に箸割れば年詰りけり 細川加賀
鉄火箸炉に立てゝあり燕くる 瀧澤伊代次
鉄火箸霜気深まる松の奥 龍太
鋤焼や和気藹藹の喧嘩箸 浜 明史
鍋囲み秋興の箸割って待つ 角田双柿
長箸の炎振り消し秋刀魚焼く 亀井糸游
間引菜に昼酒の箸上げ下ろし 高澤良一 寒暑
闇汁にふるるは誰の箸ならむ 川口未来
闇汁に入れたる箸を掴むがあり 柴田佐知子
闇汁に箸をゆっくり使ひゐる 塩川雄三
闇汁の妙に甘さののこる箸 松下宏民
闇汁の箸が大きなものつかむ 長浜 勤
闇汁の箸今何をつかみゐる 森田純一郎
闇汁や箸に絡まる蛸の足 福原紫朗
闇汁や箸逃げしもの音大き 岡部六弥太
除夜の箸交叉し 華人一族と 伊丹公子 機内楽
陽炎やそば屋が前の箸の山 一茶 ■文政六年癸未(六十一歳)
隅占めてうどんの箸を割損ず 林田紀音夫
雑念の箸にかからぬ心太 岩永涼風
雑炊や箸蕗味噌に度かさね 及川貞
雑煮から右に成りけり和子の箸 其道
雑煮粥生死二本の箸で足る 三浦勲 『生きる』
雑茸に箸をもつぱら薬喰 中村将晴
雪の比良軒に迫れり祝箸 板谷芳浄
雪暗や箸よりかろき骨拾ふ 蓬田紀枝子
雷雨すぎ正座の客に杉の箸 桂信子 黄 瀬
震災忌置く箸の音匙の音 三橋敏雄 畳の上
霧の操車場機関車の灯に箸使へり 中島斌男
露けさの仏にとどく箸の音 植村通草
露の世のアジアに箸を使ふなる 依光陽子
青いちぢく掌にもみて箸洗う音 古沢太穂 古沢太穂句集
青饅や亡き師語ると箸措きて 肥田埜勝美
青饅や介添取れし母の箸 古賀まり子 緑の野以後
頼りなき苧殻の箸をそろへけり 佐藤信子
風呂吹に機嫌の箸ののびにけり 石田波郷
風呂吹に箸入れて湯気もつれけり 瀬木清子
風呂吹をさくとふたつに利休箸 鈴木豊子
風花や市に箸売る能登乙女 山田春生
風邪籠り留守居のごとし箸茶碗 石川桂郎 高蘆
颱風の白浪近く箸をとる 山口波津女 良人
食堂の箸うごくみんな緑の肺 志摩一平
食積にあいその箸やすぐに置く 細川加賀
食積の一日箸をつけざりし 安藤橡面坊
食箸のつひには杖となりゆかむ 竹本健司
飯食ひし箸折り捨てて猪猟師 茨木和生 遠つ川
飲食の箸も流して流灯会 中川康多
飲食の箸流れくる鵜飼川 長田等
餅焼いて神木の箸こがしけり 鈴木ヤエコ
餅焼けて蕪酢づけは箸やすめ 及川貞
骨拾ふ箸ままならず悴みて 岡安仁義
魚の目を箸でつつくや冴返る 芥川龍之介
鮎の腸 つついて 中年流儺の箸 伊丹三樹彦 覊旅句集三部作 島嶼派
鮎鮓へ黒き箸また朱き箸 長谷川櫂 天球
鮟鱇の肝に箸入れ雪来るか 林 佑子
鮟鱇鍋箸もぐらぐら煮ゆるなり 高浜虚子
鮟鱇鍋腑分けのごとき箸遣ひ 関森勝夫
鳥わたる北京の箸は長く重く 皆吉司
鳥雲に箸すててある厨口 中田剛 竟日
鴫焼の冷めて一人の箸運ぶ 湯川雅
鶯や干されて白き杉の箸 塚本青曜
鶲来て年酒の箸のはなやぎぬ 草間時彦 櫻山
鶴料理るまな箸浄くもちひけり 杉田久女
黒塗りの箸の月日に青嵐 桂信子 黄 瀬
黒豆が箸から逃げる年越す夜 三浦ふみ
黒鯛に箸のばしゐてむせたるよ 村沢夏風
齒朶を買ふついでに箸をねぎりけり 年の市 正岡子規


◆箸置 ◆

加賀獅子の箸置そろへ年酒かな 野澤節子 『駿河蘭』
朝の蝉わく藍つよき箸置も 中田剛 竟日
残りたる者箸置もみやこどり 黒田杏子 花下草上
箸置が先に出てゐる紅葉山 岡本 高明
箸置に桃の枝配す節句かな 柴原保佳
箸置に箸八十八夜にて 川崎展宏
箸置に箸八月十五日 川崎展宏
箸置に箸鶯の幼なごゑ 高澤良一 ねずみのこまくら
箸置に金の折鶴年酒酌む 赤羽 岳王
箸置のワインのコルク星流れ 江頭 信子
箸置の陶はとこしへ百千鳥 堀米秋良
箸置の鮎背を反らす夏料理 境チヱ子
箸置もいづれは一つ豆の飯 嶋名栄子
箸置も橋のかたちに夏料理 北光星
老眼鏡箸置にして寝酒飲む 猿山木魂


◆割箸 ◆

あたたかや割箸ほどの立ち仏 橋 石
あまり暑くて割箸の杢目見る 加倉井秋を 『真名井』
いさぎよく割箸裂きて冷奴 根岸善雄
凩や割箸を持たされしまま 佐々木六戈 百韻反故 初學
割箸が川流れゆく神の旅 有働 亨
割箸でつまむ菜の虫山暮るる 福田甲子雄
割箸にまつはることの菜飯の菜 高浜年尾
割箸に乗せてひとでを世に送る 守屋明俊
割箸に暮れ心地なり芙美子の忌 松山足羽
割箸に水つけてかく蕨かな 白石不舎
割箸に紅生姜あと生身魂 鷹羽狩行
割箸に芋頼りなき夜雨かな 石川桂郎 四温
割箸のうれしきさらしくぢらかな 川崎展宏
割箸の二つに折れて年惜しむ 伊藤 翠
割箸の先にあはれやほたるいか 藤岡筑邨
割箸の割れのささくれ敗戦忌 辻田克巳
割箸の折れてしまへり茸飯 鈴木鷹夫 渚通り
割箸の杉の柾目や夏料理 勝田たつし
割箸の毳(けば)雪国のさびしさよ 友岡子郷 未草
割箸の脚背に出たる茄子の馬 茨木和生 往馬
割箸の裂き揃ひたる春草忌 横光利一
割箸を徐々に焦がして秋刀魚焼く 堀花江
土に刺す毛虫焼きたる割箸を 阿部季見子
奈良坂の割箸しろし蕨餅 田島和生
春の雪割箸問屋皿問屋 斉藤夏風
箸立てに割箸足せば来る師走 相原左義長
肌寒く旅の割箸身につくも 清水基吉 寒蕭々
落鮎に裂く割箸の白さかな 川崎展宏
覚めて新雪割箸折つて火を創る 中島斌雄
酎ハイを割箸で掻き桂郎忌 蟇目良雨

◆柳箸 ◆

くづさずに書きし妻の名柳箸 高崎武義
七人の名の揃ひたる柳箸 森 譲治
愚痴すでに吐きつくしたる柳箸 鈴木真砂女
昔より細うなりけり柳箸 高本時子
柳箸今年は母の亡かりけり 小澤碧童 碧童句集
陰膳に供へて柳箸といふ 保坂リエ

◆長寿箸 ◆

南天の長寿箸買ふ秋彼岸 中橋文子
嘘でもよし松蝉に買ふ長寿箸 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
花の旅父へ求むる長寿箸 仲田志げ子 『埋火』
買初は南天の木の長寿箸 中村和子

以上

by 575fudemakase | 2022-04-27 04:51 | ブログ


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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