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●カメラ●ネガ●写真家●記念写真●記念撮影●写真●フォト●顔写真●ブロマイド●青写真●遺影●近影●現像 の俳句



●カメラ 
そつぽ向く鹿とカメラに収まりぬ 三村純也
カメラマンの恋のまま夫梅雨の蝶 石田あき子 見舞籠
カメラ向けて秋瀑の幅近きに過ぐ 林原耒井 蜩
カメラ構えて彼は菫を踏んでいる 池田澄子
カメラ百箇床に撒き盆かくて過ぐ 竹中宏 句集未収録
カメラ載せ蜜柑畑の藁沈む 横山房子
使ひ捨てカメラ万緑あふれしむ 北見さとる
公園に防犯カメラありて冬 市川博久
吾子を追ふカメラの駈ける運動会 加藤一智
子鹿一号囲むカメラに戸惑へり 緒方みどり
寺寒し監視カメラのそこここに 相河美智子
料峭や夫の胃カメラ事の無げ 前畑典子
波の一打を確かめ休息のカメラ 金子兜太
満開の桜胃カメラ飲みに行く 小西 昭夫
火祭や炎切り取るカメラの目 野田ゆたか
瑠璃鳥や覗くカメラの中に鳴く 阿部竹子
短日のカメラつめたく人を捉ふ 石原舟月 山鵲
破魔矢得てカメラにポーズ媼かな 渋沢美代子
糸菊やカメラを真上から構へ 橋本冬生
胃カメラがするりと通る菊日和 吉沢野露
胃カメラに突き当たりけり夏の果て 国 しげ彦
胃カメラのするりと入り万愚節 守屋房子
胃カメラを抜かれ秋天肩に落つ 秋元不死男
葛の花カメラにひとり間に合わず 渡邊禎子
誰よりも日焼随行カメラマン 山田弘子 こぶし坂
赤富士に砲列のごとカメラ据ゑ 柴垣千風
道山荘カメラを下げて牡丹園 椎橋清翠
遠雷や胃カメラ咽喉を通り過ぐ 高橋恭子
防犯カメラのわたくしと冬の蝿 西野文代
防犯カメラ春昼だけが写つてゐる 仲 寒蝉
隠しカメラ巣箱をのぞく修司の忌 武田和郎
雪田を越ゆカメラマンの腕時計 桜井博道 海上
霰降る胃カメラ呑みに行く道に 村本畔秀
頬白のカメラに入りぬ真向にて 林原耒井 蜩
●ネガ 
秋風や腸壁のネガ蒼く透く 石 寒太
ネガいつぱい我が胃列島梅雨びたり 中島斌雄
●写真家 
鳥がゐて写真家がゐる桜の木 高澤良一 寒暑
サラサヤンマに目の色変えてフォトグラファー 高澤良一 寒暑
●記念写真 
瓦礫踏む記念写真が見つからない 新井富江
磯菜摘記念写真に遅れたり 能村研三 鷹の木 以後
記念写真をよこぎつてゆく羽抜鶏 大石雄鬼
●記念撮影 
記念撮影ばさばさとおうむと聖 阿部完市 春日朝歌
●写真 
あたたかや旅の写真を整理して 森本啓太
あつまつて写真撮り寒く別れた シヤツと雑草 栗林一石路
あはれわが白髪や皺や初写真 還暦前後 浅井意外
あららぎに日のなごみゐる初写真 木村蕪城 寒泉
いわし雲亡き子の写真古びゆく 横山 房子
かさねての写真簾の下に撮る 京極杞陽 くくたち下巻
きようだいの吾子の写真をおき十等飯食う 橋本夢道 無礼なる妻
ぎこちなく成人式の写真館 佐 喜 春
しぐれ今晴れしと並び初写真 佐々木民子
その家系も首級片手の古写真 江里昭彦 ラディカル・マザー・コンプレックス
たれかれの写真の下に冬籠 比叡 野村泊月
どの写真も端にゐて友戦死せり 樋口喬
なまはげと旅の記念の写真とる 安斉君子
ひげ褪せし手配の写真野分中 下仲里美
びつしりと青蔦おほふ写真館 佐久間俊子 『むさし野』
まだ咲かぬ黄薔薇見本の写真付け 北川孝二
むしあつき庭を写真屋出て行きし 京極杞陽 くくたち下巻
りんご煮てお写真を立て青邨忌 黒田杏子 花下草上
オホーツク海を背に負ひ初写真 櫂未知子
カウベルを鳴らして入る写真館 中山美樹
キヤンピング写真彼撮り彼女撮り 成瀬正とし 星月夜
シクラメン父で終りし写真館 倉田弘子
スキー場写真木造リフトの世 高澤良一 宿好
セピアの写真泛く 鮭上る日の珈琲店 伊丹公子 アーギライト
ドイツより写真の吾子のサングラス 奈良文夫
ヒマラヤの写真どさりと風邪見舞 星野双葉
ボジョレ・ヌーヴォー写真うつりのよき女 内田美紗 魚眼石 以降
ミュンヘンの木の芽の頃の雨の写真 京極杞陽 くくたち下巻
モンローの写真を壁に黴の家 里見信子
一家族ゆたかに二列初写真 岩永千恵子
一族の年々増えて初写真 下間ノリ
一月二日写真館出て逐電す 的野 雄
五ミリにもみたぬ胎児よ初写真 河内協子
亡き人の話を少し初写真 山西雅子
人並といふに安んじ初写真 西村和子 窓
仏壇の妻の写真も日短か 森澄雄
伊勢海老や写真の祖父の父を抱く 藤村克明
入学写真いつも誰かがよそ見して 樋笠文
六月の体内無事の写真かな 斉藤夏風
写し手の飛び込んで来る初写真 田中佐和子
写真うつしたきりで夕風にわかれてしまつた 尾崎放哉
写真とるだけに夏帽かぶり出て 大橋櫻坡子
写真とる羽織の吹かれどほしなる 波多野爽波 鋪道の花
写真の中四五間奥に薔薇と乙女 中村草田男
写真の子が乳房吸いだす広島忌 古田 海
写真ほど白鳥真白にはあらず 宇多喜代子
写真また鬼籍へひとり笹粽 中島斌雄
写真も蘆花はひたもに春待つ眼 中村草田男
写真取る桜がもとの小女郎哉 桜 正岡子規
写真屋に来る大正の金縛り 仁平勝 東京物語
写真屋に鳩来る憲法記念の日 守屋典子
写真屋の写真早々七五三 高澤良一 随笑
写真屋の塔をなす屋根雲の峰 京極杞陽 くくたち上巻
写真師のたつきひそかに花八ツ手 飯田蛇笏
写真師の指先焦けて日永かな 久米正雄 返り花
写真師の生活ひそかに花八つ手 飯田蛇笏
写真師の髪パンパスの穂と孰れ 石塚友二 方寸虚実
写真撮る人後じさり蒲公英踏む 田川飛旅子 花文字
写真機を据え春風の渡月橋 高濱年尾 年尾句集
写真術開祖の咲かす濃あぢさゐ 高澤良一 ももすずめ
写真見る昔ふとりしきぬかつぎ 高浜虚子
写真集ひらく 銃口が向いている 成島魚狗
写真館の家族写真や啄木忌 内田美紗 誕生日
写真館裏で 明治の日暮に遇う 室生幸太郎
冬の日や写真の隅をいつも占む 八牧美喜子
冬支度ヌードの写真寒さうな 前田野生子
冬田へ透かし診る百姓の骨の写真 木村三男
分校の子ども九人の初写真 樋笠文
初写真いつも横向く誰かゐて 辻あき子
初写真おもひきり師に寄り添ひぬ 小川原嘘帥
初写真かゞめば芝の温みをり 佐藤輝城
初写真もつとも高き塔入れて 山口青邨
初写真われより母の美しく 片山由美子 風待月
初写真ベツドの母をとり囲み 宮谷昌代
初写真一家七人横並び 今瀬剛一
初写真五十路となりし三姉妹 島津きぬ代
初写真卒寿の母は笑み給う 磯 直道
初写真妻が前髪歪みゐる 杉田以山
初写真妻子をつつむさまに立つ 久保田博
初写真山河翼を広ぐごと 中嶋秀子
初写真産み月の子も加はれり 上原瑞子 『燈台草』
初写真白き巨船の一部容れ 池田秀水
初写真紅き幼児を膝に載す 佐久間かよ
初写真素直に笑顔生れけり 小川原嘘帥
初写真老いと幼なを芯に据ゑ 平塚まさ子
初写真腹切矢倉背景に 山口青邨
初写真遠まなざしのまま撮られ 塩崎緑
初写真長幼序あり一家庭 伊藤松宇
初写真高き鳩より眼を戻す 磯貝碧蹄館
初冬やまぶしき顔の古写真 鹿野佳子
前列は女流ばかりや初写真 荻原芳堂
卒業のひとり横向く写真かな 大橋櫻坡子 雨月
卒業やモンペの並ぶ古写真 大塚とめ子
南窓に写真を焼くや赤蜻蛉 夏目漱石 明治三十二年
古い写真シロカビのように友は笑み 成田輝子
古写真出してもてなし盆の客 前島節子
古写真出して笑ひぬ夜は長し 高木晴子 晴居
古写真右肩下がり七五三 安木文雄
古写真股引の父若きかな 瀧澤伊代次
団子屋に写真飾られ漱石忌 國田 幸
土佐なれや闘犬入れて初写真 佐藤恵美子
埋み火や古き写真の反りに反り 渡辺純枝
夏の婚の 一族写真 誰もはなびら 伊丹公子 アーギライト
夏影や写真機据ゑし庭の中 増田龍雨 龍雨句集
夕燕湖畔の町の写真館 星野麥丘人
大仏を写真に取るや春の山 河東碧梧桐
大御所と呼ばれて座る初写真 島田澄江
太宰忌や三分写真にポーズして 下山宏子
太鼓橋われらが占拠初写真 山口青邨
妻あらぬ今年のわが家初写真 後藤比奈夫 めんない千鳥
婢の顔のすこしのぞける初写真 色部みつぎ
子と並びゐて逃られし初写真 深谷雄大
子規鳴雪の若き写真に炭をつぐ 長谷川かな女 雨 月
宮様をお迎へしての初写真 星野椿
家々に古りたる写真稲の花 石田郷子
家族とすらも頒ちがたかり帰り来てひとりの旅の写真を蔵う 永田和宏
少年走る秋晴れの日の古き写真 津沢マサ子 楕円の昼
山吹や写真羽織の白樺派 古沢太穂
山聳つや日覆ふかく写真館 桂 信子
師の大き肩と並びて初写真 鈴木貞雄
帯解の二人が待てり写真館 井ヶ田杞夏
座布団の滑りやすくて初写真 工藤弘子
座敷まで正月の陽差兵の写真 川崎展宏
彦根城入れて家族の初写真 安居 幸
復活祭部屋ごとに立て母子写真 上田日差子
成長の写真見てをり端午の日 川村甚七
手配書の写真が貼られ狩の宿 高須のぶを
抽出しの写真つめたし年の家 宮坂静生 春の鹿
故人のみ昃る写真芦は青し 中戸川朝人 残心
新居まだ片づかぬ間の初写真 上田日差子
新年号若き誓子の写真なり 辻田克巳
新樹ならびなさい写真撮りますよ 藤後左右
新樹並びなさい写真撮りますよ 藤後左右(1908-91)
新顔の犬真ん中や初写真 武山節子
日光写真の少年なりし日向ぼこ 原子公平
日光写真片頬ぬくきおもひごと 糸 大八
日光写真笑ふと寒き母ならむ 磯貝碧蹄館
日本髪の母の写真に鶴が来る 田中櫻子
春愁の吾を写真に撮るといふ 波多野爽波 鋪道の花
春水をへだてゝうつす写真かな 比叡 野村泊月
春深し百の写真に百の貌 中馬道子
暈けて映る写真眺めて冬籠 高澤良一 随笑
更新の運転免許初写真 中村久美子
月光写真まずたましいの感光せり 折笠美秋 虎嘯記
朝の顔して涼やかに写真撮る 高木晴子
木犀の風吹いてくる写真館 佐伯栄信
枯葦の風をうしろに初写真 山尾玉藻
桃の如く肥えて可愛や目口鼻 子規 (千里女子写真)
桃割れの母の写真や手毬唄 田中勝子
横向の子規の写真を祀りけり 遠藤小鹿
樫青し写真の父は木銃捧げ 友岡子郷
歯朶飾る客足稀の写真館 松本幹雄
死顔の写真いでゝ紙魚かくれたり 渡邊水巴 富士
母の日の写真ぎらいの母を撮る 室生幸太郎
水仙に写真のライト年忘れ 百合山羽公 寒雁
水害写真月余経てなほ貼られあり 宮津昭彦
水温む写真の隅に母見えて 藤田あけ烏 赤松
永き日のはさみで切れる写真かな 五島高資
泊雲の大きな写真忌日かな 京極紀陽
流氷の写真沖までささくれて 田川飛旅子 『使徒の眼』
涅槃像写真なき世こそたふとけれ 涅槃像 正岡子規
炎天を背骨の写真もち歩む 竹貫示虹
爆心地のモノクロ写真月渡る 木佐幸枝
父の写真子の愛遠きゆゑ厚着 香西照雄 素心
父の日や書斎の沙漠写真集 塩見 恵介
父母の写真の下の春炬燵 清水たず子
片蔭の町に古りゆく写真館 稲村
片隅に老犬もゐる初写真 水谷静眉
牛車揺れる写真うつせばうつらぬ空 阿部完市 絵本の空
犬なだめせかれしポーズ初写真 本西慶子
白黒の写真を伸ばす鳥曇り 岡田カヨ子
百年後は浦島太郎となる写真 柳谷 昌
皺くちやな写真をのばす盆の月 小浜六茶
真つ白な産着が真中初写真 金森教子
着ぶくれて見る難民の写真展 仲島 四郎
石鼎の髯の写真や別れ霜 茨木和生 倭
秋湿り写真在中の便り手に 青木つね子
秋風の写ってをりし写真かな 田宮 良子
等身ヌード写真栗売が背に 石川桂郎 高蘆
粒子粗き裸族の写真寒波来る 岡崎光魚
絵のやうな写真のやうな豊の秋 水見壽男
綿入いくつも重ねてをる母の写真ができた 梅林句屑 喜谷六花
緑蔭の写真くらくてわれに似ず 相馬遷子 山国
聖五月見合い写真に眼鏡なく 広瀬敦子
聖樹にも誤爆写真の子供の眼 松浦敬親
胆石の写つてゐたる初写真 土井田晩聖
膝に重く冷たし昭和史写真集 池田澄子
花の歌添へし吉野の写真哉 花 正岡子規
花桐や若き母ゐる写真帖 木附沢麦青
若き日の妻の写真や秋海棠 大谷恵教
若芝に袖ひき垂れし写真かな 龍胆 長谷川かな女
藤村の写真を前にコート脱ぐ 伊藤敬子
虚子の忌の写真の虚子の薄笑ひ 大野朱香
行く春の時間を戻す写真展 鈴木楽庵
行秋や芒痩せたる影法師 寅彦 (漱石師に送る写真の裏ヘ)
褪せはてし写真の祖母や蛍籠 楸邨
西洋伝方写真処とあり神無月 吉田鴻司
角帽の写真大切ソーダ水 内田美紗 魚眼石
誘はれて老の顔置く初写真 川畑火川
贈り来し写真見てをる炬燵かな 高浜虚子
身に余る人形抱きて初写真 龍神悠紀子
軍艦も父も写真や花火の夜 脇本星浪
軍装の父の写真や霾れり 石嶌岳
返り花乙女らの写真色うつらず 中島斌男
遅れ来て真中の席初写真 橋場きよ
道泳の写真なつかしがりて老ゆ 後藤比奈夫 めんない千鳥
野菊道笑ひおくれし写真です 清水径子
門の内掛稲ありて写真撮る 高浜虚子
防空頭巾の家族写真*ざりがに食みし ひらきたはじむ
陽炎へるものの類ひの写真館 正木ゆう子 悠
雁渡し写真在中なる封書 西田安子
雪に立ち治安維持会員と写真撮る 長谷川素逝 砲車
雷雨去り少女スターの写真見る 坪内稔典
露西亜帽頂く写真四迷の忌 大橋越央子
頭を寄せて子の写真みる良夜かな 笠井みつ子
額写真は みな礼装の 華僑邸 伊丹公子 ドリアンの棘
駅暮雪エロ写真売にささやかる 有働亨 汐路
魂棚の大きな写真新しき 渡辺 いえ子
魚津よりとゞく写真の蜃気楼 瀧澤伊代次
鳥がゐて写真家がゐる桜の木 高澤良一 寒暑
鳥雲に仰ぎ透かして癌写真 秋光泉児
●フォト 
六歳の真顔春社のフォトパネル 松田ひろむ
●顔写真 
春愁のまま撮られたる顔写真 能村研三 鷹の木
●ブロマイド 
ぼろ市の嵐寛のブロマイドかな 飯島晴子
暑き壁より落ちたるは古ブロマイド 桑原三郎 龍集
●青写真 
いささかの雪の日向の青写真 和地清
おやつもうたべてしまひぬ青写真 加藤三七子
一ひらの雲あなどれず青写真 河本和
一人子の一人遊びの青写真 林 龍坊
一人子の独り遊びや青写真 林 龍坊
他愛なき記憶くつきり青写真 片山由美子 天弓
固定する太陽の位置青写真 岡田順子
子供らによめぬ字のあり青写真 石井双刀
弱き故いつも一人や青写真 小原牧水
影法師しづかに到る青写真 深川正一郎
忘られて日かげつてをり青写真 角杏子
揚ひばり町に未来の青写真 木内信子
日を追うて路地にはだかり青写真 松尾緑富
日月の埋もれてゆくや青写真 福島勲
棟上の済みてしづかや青写真 岸本尚毅 選集「氷」
海を見て何時も独りの青写真 三原春風
深川に富士がよく見え青写真 梅沢総人
狛犬の爪に立てかけ青写真 武田無涯子
現れて邪魔をせぬ雲青写真 依田秋葭
竹皮を脱ぐ晩年の青写真 石川美佐子
縄とびをしては見にくる青写真 竹末春野人
青写真そこらまたゆく寺男 波多野爽波 『湯呑』
青写真ながく待ちゐし日の眩しさ 秋田史朗
青写真は映りをり水はこぼれをり 高浜虚子
青写真ひろびろとした方へ向く 波多野爽波 『一筆』以後
青写真わが子女の児なれども 下村槐太 光背
青写真兄のかしこくありし日ぞ 大石悦子 聞香
青写真咥え煙草のイブ・モンタン 安田循子
青写真天使一群冷えている 四ツ谷龍
青写真少年の夢育ちをり 山田聴雨
青写真水の光をのせてをり 山口昭男
青写真焼けば太陽と帆かけ船 有馬朗人 母国
青写真父の靴音近づきぬ 石倉啓補
青写真目当少年月刊誌 稲畑廣太郎
青写真野武士小六も濃く現れよ 渡辺白泉
風邪ひいてゐたる種紙青写真 茨木和生 三輪崎
飯場の子ばかりの屯青写真 山口滋夫
●遺影 
ありありと福耳冴えて遺影なり 渡邊千枝子
おかつぱの二百の遺影壕滴る 木田千女
かいま見し鴨居の遺影古簾 服部たか子
からしばれ遺影にむざとはたきかけ 昆ふさ子 『冬桜』
さくらんぼ遺影の前につぶらにて 大橋敦子 手 鞠
さくら餅遺影の右手伸びて来よ 石田あき子
ちちははの遺影の下の籠枕 下田稔
ねんごろに遺影と話す盆の客 木村宣子
ははそはの無月の遺影正しけり 大西一冬
はらからの蚊帳の眠りや遺影の間 沢木欣一
ひかり失なふみどりにふれて師の遺影 柴田白葉女 『冬泉』
ふらここの仙客笑めり遺影にて 文挾夫佐恵
ほほゑみて遺影ふくよかなり寒し 耕二(石田あき子氏逝く)
ほほゑめるだけの遺影に盆も過ぎ 後藤比奈夫 めんない千鳥
まつさきに遺影と交はす御慶かな 田村幸江
やや褪せし遺影の眉目白牡丹 文挟夫佐恵 雨 月
われならぬ上等兵の掛遺影 三橋敏雄 長濤
メロンも灯ももう眠りなさい遺影 大貫つるじ
一兵の遺影は二十歳十三夜 鈴木信行
丸刈の父の遺影と螢の夜 浦野芳南
仏桑華遺影三つ編ばかりなり 福田甲子雄「盆地の灯」
位牌より遺影の親し桜草 塩谷はつ枝
何時までも笑顔の遺影夏つばめ 上野仁子
侘助や遺影の笑みはいつまでも 及川希子
修司の遺影かんかん帽を置く老舗 遠井雨耕
元日やしんと遺影のあることも 飯田龍太
兵の遺影鰯に黒き七つ星 村山安子
冬籠る北に窓あり遺影の間 殿村莵絲子 花寂び 以後
冴え返る長子を抱ける兵の遺影 島村久枝
冷かの句帳に挟む師の遺影 木村蕪城 寒泉
冷まじや遺影を借りる役廻り 鈴木鷹夫 春の門
凍てきつて居りし遺影の太まゆげ 山本つぼみ
初灯遺影は年を重ねざる 高本時子
北窓を塞ぎて妻の遺影置く 宮田富昭
卒業即戦死の兄の遺影守る 後藤房枝 『蕗童子』
又語る夫の遺影に鉦叩 稲畑汀子 汀子第二句集
吊りなおしてもすこし傾いで遺影軍服 谷村茂
問ふことの多き遺影に冬日差 横山房子
団扇風もらひ遺影に献笛す 斎藤新一郎
夏菊を母の遺影に誕生日 長野茂子
夜蛙や遺影童顔首かしげ 細川加賀
大年や遺影の夫の額拭ふ 和田知子
娶らざりし遺影の笑みへ羽蟻翔つ(バターンで頭蓋に機関砲弾をうけた従兄Yの遺骨かえる) 飴山實 『おりいぶ』
子規の忌や遺影の父も横向きに 柴田雅子
寄鍋や母の遺影も湯気の中 片山淳子
小菊にも埋もれがちの遺影なる 山田弘子 こぶし坂
師の遺影ほゝ笑たえぬ年酒かな 鈴木頑石
師の遺影横むきの眼を夏菊に 上村占魚
弱にして遺影の妻に扇風機 内山泉子(恵那)
当然乾いた布で遺影のガラス拭く 五十嵐研三
御遺影に捧ぐる御酒も年尾の忌 石川喜美女
御遺影の花にまた来よ鉦叩 田中由子
忘れ霜つねに言ひたき遺影の口 加藤楸邨
悴めば遺影は横を向きにけり 古舘曹人 砂の音
愁無き笑顔の遺影菊に在り 吉屋信子
掛けて久し父の遺影も秋の晴 深見けん二
斯くてまた冬去る父の若き遺影 徳丸龍女
新涼や遺影はけさも微笑して 斉藤 節
新聞なれば遺影小さく冴えたりき 石田 波郷
旅立つ日くじゃく仙人掌遺影前 塚原幾久
春埃そつと拭いたる子の遺影 吉田きみ
春宵の遺影に話しかけて泣く 上野 章子
春眠醒め夫は遺影に納まれり 山口美瑳代
春障子開きて父の遺影のみ 毛塚静枝
暮石忌や遺影と眼が合ひ照れくさし 勝井良雄
更衣遺影の母はいつも縞 林翔
朝寒や夫の遺影を手囲ひに 布川京なみ
柚子湯出て夫の遺影の前通る 岡本眸
柚子煮詰む父母の遺影を並べ掛け 館岡沙緻
柿四とせ遺影は永久に若き笑み 中島斌男
梅雨を生き何にはげめと遺影の眼 野見山ひふみ
横顔の父の遺影や鮎の腸 吉田紫乃
歴代の遺影をかかげ寒造り きくちつねこ
母の日や母の遺影は手で拭ひ 樋笠文
母の日や遺影はすでに髪下し 近藤一鴻
母の遺影やがて透明な繭なり 瀬戸 密
水仙の花の遺影を丸く切る 二村典子
水仙や母の遺影の庇髪 塩谷はつ枝
水無月の文机に置く遺影かな 山本洋子
沈丁花「来たか上れ」と笑む遺影 森田ていじ
海ほおずき遺影の父は怒っている 松山順子
涼しいねと通夜の遺影のおん眼もと(悼大野林火先生) 殿村菟絲子 『菟絲』
炎昼の砂利ふみて来し遺影かな 原田青児
焼かれいる刻の遺影と目借時 森田智子
熱燗を酌む顔でゐる遺影かな にいざ蚯蚓
父の日の若き遺影を父と呼ぶ 山田孝子
父の遺影ありてくつろぐ若葉の夜 森澄雄
父知らぬ子に見す遺影雪は野に 岸風三楼 往来
白百合が遺影に向きて大きく咲く 柴田白葉女
百合の香や妻の遺影の下に寝る 石倉啓補
盆の客見渡し居らる遺影とも 高澤良一 素抱
盆仏真中の遺影は勝之丞 高澤良一 素抱
盆灯籠遺影は在の産科医たり 高澤良一 素抱
福寿草遺影と交す赤ワイン 泉京子
秋果盛る灯にさだまりて遺影はや 飯田龍太
立春の遺影しづかに起ちくるか 柿本多映
笑む遺影無神論者よ花ミモザ 山本歩禅
終の石榴燦たりや笑う遺影 寺井谷子
羅を脱ぐや遺影に背を向けて 細井寿子「未来図合同句集」
羨望は花の吹雪を行く遺影 原田青児
義太夫を遺影の母と聞く良夜 玉村夜音女 『さんご玉』
胡蝶蘭遺影の夫と眺めをり 前川みや子(橡)
芝ざくら遺影はとはに美しき 角川源義
芝ざくら遺影は若く美しや 角川源義
花の雨勇士の遺影濡れて通る 瀧春一 菜園
花樒父の遺影と遊ぶ日ぞ 田川飛旅子
芳草や遺影百日髯黒し 百合山羽公 寒雁
芽柳や遺影着流しならぬなし 川崎慶子
若水を遺影の妻と分ち合ふ 野原春醪
苦虫の遺影に冬日届きけり 嶋田麻紀
草餅や遺影はいつもほほゑみて 田中量子
菊供ふ過去あるのみの師の遺影 嶋田摩耶子
菊冷えや夢のごとくに遺影あり 森下 都
萩明り遺影となるも師を畏れ 勝亦年男 『枠場』
葡萄青し遺影いつまでモーニング 宇山雁茸
蕗の薹供へ遺影は帯に手を 深川正一郎
藁の匂いの 遺影は見上げるところに置く 中山喜四郎
虫干のこの紬着て遺影夫 塩谷はつ枝
虫干や遺影の兄は椰子に凭り 轡田進
蝶くれば蝶を見てをり遺影の目 玉城一香
豆飯と遺影と私と夕月と 森本芳枝
軍服の若き遺影や笹粽 久保正俊
辛酸を語らぬ遺影枇杷の花 吉岡桂六
近影の即ち遺影鳥雲に 森田智子
達治忌の遺影年ごと若くなる 高久清美
遺影あり軍装あつくなほ解かず 妹尾健
遺影となる白髪貴し葉櫻に 古舘曹人 砂の音
遺影とは微笑むものか笹子鳴く 千代田葛彦
遺影とは硯に映る柳かな 長谷川櫂 古志
遺影とも話しほととぎすとも話し 高木 晴子
遺影には遺影の月日金魚玉 秦夕美「孤舟」
遺影にもある日月や山椿 秦夕美
遺影にもある煩悩や夏の月 谷口桂子
遺影に柵おそらくは露深き柵 加倉井秋を
遺影の前身をさかしまに足袋をはく 平井さち子 完流
遺影の前食べつつ氷菓尖りくる 友岡子郷 遠方
遺影の目やさしたんぽぽ吹きさうな 玉城一香
遺影の辺おぼろこぼるる花のあり 石原舟月
遺影ひとつ加へし邸の年暮るる 山田弘子 懐
遺影ふと励ましの目を涼しき灯 高木晴子
遺影まで届く朝の日笹子鳴く 縣信彰
遺影みな淋しい微笑浜木綿咲く 浜田 妙
遺影下の遺愛ピアノに輪かざりす 及川貞 榧の實
遺影多き家に水乞ふ夏つばめ 鈴木鷹夫 渚通り
遺影妻春や雲公してくるよ 永田耕衣 人生
遺影持つ妻に粉雪しんしんと 堀口美鈴
遺影探す夏帽どれもうしろ向き 福田蓼汀 秋風挽歌
遺影涼し林中を牛の斑が移り 子郷
遺影温顔梅に佇みをるごとし 鈴木しげを
遺影秋深し自刃供へまつり 佐野青陽人 天の川
遺影笑むかぎり夜なべの止められず 後藤比奈夫 めんない千鳥
遺影笑む秋燈の陰ありながら 森田峠
野菊活け遺影を旅にあるごとく 宮津昭彦
長き夜や遺影の眼鏡こちらむく 照子
闇に目を瞠る遺影よ去年今年 昆ふさ子 『冬桜』
雪の遺影父のいちばんやさしい顔 金田咲子 全身 以後
雪嶺に手を振る遺影ふり返り 福田蓼汀 秋風挽歌
震災忌遺影ふらりと歩きだす 江川千代八
露けさの遺影に語ること多き 館岡沙緻
露の世の約束反故に遺影笑む 山崎千枝子
青露や遺影茅舎は善童子 福田蓼汀 秋風挽歌
餅花や命となりし遺影なる 阿部みどり女 月下美人
黒椿まざと遺影となりにけり 石田あき子 見舞籠
黴の家磨く遺影にうしろ見せ 殿村莵絲子 雨 月
齢とらぬ父母の遺影に栗おこは 上沖文男
●近影 
近影の即ち遺影鳥雲に 森田智子
雪柳著者近影の古りゐたり 新関幸至
●スナップ
●現像 
吾亦紅撮りつつ現像する話 高澤良一 随笑
甘き香の現像室より旱星 片山由美子 風待月

以上

by 575fudemakase | 2022-04-29 06:09


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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