玩具の俳句
絵本 かこさとし
玩具の俳句
●玩具
あしたより玩具買ひゆく弥生かな 石橋秀野
あの頃はブリキの玩具くつわ虫 細野恵久
ころがつてゆきし玩具の秋の翳 行方克巳
でで虫が紙食ひちらす玩具箱 石河義介(圓)
どびろくに呆けたか玩具に蹴つまづく 成田千空 地霊
どんぐりを玩具にまぜて旅鞄 阿部みどり女
ひとり子に七個の池の玩具舟 高橋淡路女 梶の葉
ひまはりの昏れて玩具の駅がある 鷹女
ぶり~や紐の喰み出し玩具箱 雑草 長谷川零餘子
わが俳句玩具にあらず啄木忌 西本一都
わが手筥の玩具にどゝと春の雷 長谷川かな女 雨 月
クリスマスツリー家中が玩具箱 三苫知夫
タイムマシン売り切れ聖夜の玩具店 河野薫
ナホトカの玩具初秋のストール纒ひ 長谷川かな女 花寂び
ポストから玩具出さうな夜の雪 渡邊水巴
マント着の荷をつつぱらし玩具選る 高島筍雄
レールゆがみ玩具の汽車に傾く冬 斉藤夏風
一列に玩具のようにヨットゆく 曽根かずこ
三ケ日孫の玩具につまづきぬ 青木よしを
京の玩具の山猿が来て寒ゆるむ 長谷川かな女 花寂び
人形や玩具や冴えてゆく齢 市原光子
兜虫はかなしき玩具たたかへり 吉田未灰
冬ぬくし子規の遺筆の玩具帖 有馬朗人 天為
冬の阿蘇玩具のやうなバス登る 柴田かほる
冬海に誰が捨て去りし子の玩具 原コウ子
凍ゆるむ燈にほしいまま玩具の色 宮津昭彦
初笑ひ玩具の犬に描きし髯 沢木欣一 塩田
初蝶や家内くらく玩具鳴る 大井雅人 龍岡村
北風に玩具の馬が急ぐかな 大和田栄治
古玩具のばたばた日永の土産屋に 高澤良一 寒暑
吊し売る玩具が鳴つて日は永し 藺草慶子
吊るされて玩具めきたる鷭の脚 宮坂静生 雹
天上の玩具鳴りゐる油照り 石原八束 空の渚
天瓜粉玩具のごとく嬰置かる 佐野鬼人「脇役」
孫帰り玩具そのまま冬座敷 矢野邦子
家中に玩具踏み場もなき炎昼 高澤良一 素抱
寒き地に落ちて鳴りだす玩具かな 恒藤滋生
尻振りて玩具めく鴨近寄り来 高澤良一 燕音
店の玩具のひるごろの埃はらつてゐる シヤツと雑草 栗林一石路
店の玩具占めしよ母の日傘影 香西照雄 素心
文月の音色さまざま玩具がふえ 中村明子
新しき墓に玩具と花切籠 林 和子
日脚伸ぶ玩具どれもが疵もてり 大輪昌
昇降機降り玩具のピアノ鳴らす梅雨 宮武寒々 朱卓
春がすみ玩具のごとく電車くる 橘 澪子
春一番玩具の猿が鼓打つ 影島智子
春立つや玩具に赤きいろ多き 長田群青
春陰や玩具の鳥のよく啼ける 中西徳太郎
時の日の叩きて動く玩具の眼 姉崎蕗子
曾々孫の玩具の占める夏座敷 高石芳乃
棒引けば舌出す玩具組閣成る 工藤博司
極彩のブリキの玩具原爆忌 白石司子
極月の玩具の如き店並ぶ 阿部みどり女
炎昼の玩具転がしある一間 高澤良一 素抱
炭つげばべこの玩具が首を振る 大久保白村
燃えかけの玩具の形して海市 櫂未知子 貴族
獺の祭嬰へ並べし玩具かな 浅井節子
玩具と野菜畳に置くよ春待つよ 磯貝碧蹄館 握手
玩具にされたようなその値に父の形相が澤庵石を投げて庭が凹んでいる 橋本夢道
玩具の熊の瞳予科練で友が死んだ 阿部完市 証
玩具の音の簾を洩れつ宵浅き 富田木歩
玩具より玩具らしくて天道虫 和田耕三郎
玩具屋に賭けし生涯鳥渡る 恩田秀子
玩具屋の物みな動き初商 朱月英
玩具屋へゆく父親の麦の秋 高澤晶子 純愛
玩具籠抱き早春の銀座より 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
玩具鳴り母の着物に雪の冷え 小島千架子
産室に玩具づくしの屏風かな 松尾 静子
田螺鳴く溝を流るゝ玩具かな 雑草 長谷川零餘子
秋しぐれみやげの玩具ぬらしけり 新保且子
秋晴れのこわれゆく玩具なるかな 冬の土宮林菫哉
笛鳴らす玩具の汽車に枯木の情 長谷川かな女 牡 丹
網戸より見えてあふるる玩具箱 布川武男
羞明の雪みて玩具鳴らしをり 石原八束 『雪稜線』
義士祭の太鼓玩具として打たる 岸風三樓
腕時計吊られ月明の玩具店 対馬康子 愛国
臼杵の玩具土産や初日護摩 高木蒼梧
花茣蓙に子の友溢れ玩具溢れ 奈良文夫
蘭というきれいな玩具たまわりぬ 柴田美代子
賀客去り忘れ玩具が歩き出す 中村明子
遠い記憶に迫る 玩具の電車に乗ろうか 田中はるよ
野菊晴玩具のような犬を曳き 三枝きぬ子
雁や昼は玩具の中に栖み 恩田秀子
雲の峰城に玩具の鯛車 廣川昂臣
電池減つて蠢く玩具文化の日 今田 述
露草に祭の玩具落しけり 龍胆 長谷川かな女
風花や玩具の如くわれころび 阿部完市 無帽
鬼の子の玩具の鬼灯鳴らしけり 高澤良一 素抱
鳥の玩具通れば鳴けり黄雀風 中戸川朝人 尋声
●おもちゃ
おもちゃ屋のお猿ブンチャカクリスマス 高澤良一 宿好
おもちゃ屋の聖樹ちゃかぴか景気付け 高澤良一 宿好
おもちやのラッパ雨に鳴らして苗木市 高井北杜
おもちや屋も出来学園都市草は実に 田上さき子
おもちや箱寄せれば鈴の音涼し 高濱年尾 年尾句集
お供へのおもちやが目牽く冷え色に 林原耒井 蜩
きちきちや空におもちやの音たてて 三嶋 隆英
一人子のおもちやで遊ぶ冬日向 山根きぬえ
夜寒さや静まりかへるおもちや箱 野村喜舟 小石川
木と紙のおもちやの家や降誕祭 前原早智子
極月のちょろちょろ動くおもちゃかな 高澤良一 燕音
気に入りのおもちや召し寄せ風邪の床 西村和子 夏帽子
海*紅豆ポルトガル砲はおもちやめく 八木林之介 青霞集
生きし子におもちや殖えたる冬晴るゝ 林原耒井 蜩
短日をごとりと仕舞うおもちゃ箱 武田香津子
繭玉のおもちやづくしや揺れて居り 下田実花
青蔦やおもちゃのやうに古りし窓 吉原文音
●オルゴール
ねぢ巻いて雛の歌もオルゴール 今泉貞鳳
ひり辛き夏大根とオルゴール 小島千架子「糸車」
むしかりの白花白花オルゴール 金子皆子
オルゴールさびたる後白河院の喉 渋谷道
オルゴールのやうに滴りをりにけり 本井英
オルゴールの円盤の穴蝉時雨 高澤良一 宿好
オルゴール一音欠けて暖かし 籌子
オルゴール切れて人形悴みぬ 吉原文音
オルゴール廻る速さに芽吹き山 多賀啓子
オルゴール手廻しの音の暖かし 水原春郎
オルゴール短きうたを永病みに 小田武雄
ラ・パロマ汗し手動のオルゴール 高澤良一 宿好
三伏や音の狂ひしオルゴール 石川みさを
元日のつぶやき寒しオルゴール 久保田万太郎 流寓抄以後
元朝のオルゴール「信濃の国」のうた 木村蕪城 寒泉
北窓を開きねぢ巻くオルゴール 浦川聡子
噴水の虹鉄神のオルゴール 八木三日女 落葉期
婚期 婚期 オルゴールが鳴りやみぬ 松本恭子 檸檬の街で
強霜や一音欠けてオルゴール 長岐靖朗
日脚伸ぶ埃払ひしオルゴール 小林綾子
春愁や緩みて眠きオルゴール 都筑智子
春昼のすぐに鳴りやむオルゴール 木下夕爾(1914-65)
時計塔より春昼のオルゴール 高橋一東
暑くてねぢ巻いただけ鳴るオルゴール 品川鈴子
月の光が部屋いっぱいにオルゴール 平松星童
月明の病棟もるるオルゴール 松尾隆信
木の実降る辻の手廻しオルゴール 堤 京子
木洩れ日はぎこちなく止むオルゴール 吉川真実
枝豆や手毬の中にオルゴール 藤岡筑邨
案山子みな風に泳がせオルゴール 鈴木蚊都夫
梨の木に生死がまわるオルゴール 松本恭子 二つのレモン 以後
涼奏でオルゴール函シンフォニオン 高澤良一 宿好
淡雪やうたふガラスのオルゴール 仙田洋子 雲は王冠
眠らんと除夜の子が捲くオルゴール 石田 波郷
花野ただよふ音は遺品のオルゴール 仙田洋子 雲は王冠
貝殻一つ一つ濃霧のオルゴール 高野ムツオ 鳥柱
鉄線花歌錆びし亡母のオルゴール 榎本愛子
開くまで秋思の無音オルゴール 鈴木まゆ
魚は氷に上り鳴り出すオルゴール 吉田鴻司
●おしゃぶり
赤ん坊の欠伸おしゃぶりママ昼寝 高澤良一 素抱
●積木
くづすことも積木の遊び春の雪 土井ゆう子
ひやひやと積木が上に海見ゆる 碧梧桐
コンテナは積木のようにクリスマス 石島うさぎ
亡骸の父となり子に積木足す 林田紀音夫
叱られて 春宵古い積木を積む 沙羅冬笛
姉絵本弟積み木日向ぼこ 上野泰 佐介
宿の子の寝そべる秋の積木かな 田中裕明 花間一壺
寒凪や積木のごとき山の墓 岡本高明
崩されしままの積木や夏の果 清島富紗子
彼岸会や積木のごとく無縁墓 戸井一洲
春の灯へ積木の塔がつみあがる 川口重美
春雨の積木豪華な家作り 上野泰 春潮
暖房や積木あそびの家が立ち 船越 和香
汗の児に崩れむとして立つ積み木 瀧川照子
海市立つ積木の家を積みあげて 志摩知子
消防車が突き抜けてゆく 積木遊び 内山草子
積木ほどのゆめあつて 子と積んでいる 関戸美智子
薫風や積み木組むごと家建ちて 山下ゆき代
足袋ぬいで耳より眠むる積木の城 浜 芳女
雪に柩積木のごとく重ねおく 宇多喜代子 象
●トランプ
つまみたる夏蝶トランプの厚さ 高柳克弘(俳句研究)
トランプす帷天鵞絨に冬の星 宮武寒々 朱卓
トランプに或る夜はむつぶ春めけり 臼田亞浪 定本亜浪句集
トランプのなだれてありぬ春炬燵 松尾 静子
トランプのジャックの顔のいなごかな 石田郷子
トランプのジャック振向く夜の秋 高澤良一 ぱらりとせ
トランプのババ抜き子等と対等に 嶋田摩耶子
トランプの占ひが吉雪が降る 成瀬正とし 星月夜
トランプの孫も一員初笑 鈴木美那
トランプの散らばる旅寝明易し 岩崎照子
トランプの独り占ひ稲光 星野立子
トランプの王の顔して草を刈る 尾池和夫「大地」
トランプの王の齢にはまだ遠し 京極杞陽
トランプの王家悲しげ四月馬鹿 原子公平
トランプもして結氷を待つばかり 比叡 野村泊月
トランプをして待つ都踊かな 五十嵐播水 播水句集
トランプを投げしごと壺の薔薇くづれ 渡邊水巴
ナーヴァスな日のトランプは置かれたまま 南絵莉
プラスのトランプマイナスになり極月や 平井さち子 完流
一と勝負つきしトランプ蜜柑むく 大橋櫻坡子 雨月
七草の雨夜トランプ睡くなる 鬼房
乱れ籠にトランプ二三夜寒あり 阿部みどり女
余命幾日夫とトランプする炬燵 永橋久子
夏服を着よトランプのジヤツク達 有馬朗人 母国
思ひ出のトランプひとつ半夏生 石寒太 翔
母と子のトランプ狐啼く夜なり 橋本多佳子(1899-1963)
牡丹咲きトランプの絵も水滸伝 大島民郎
端まで冬 トランプのキング 砂浜に 伊丹公子 山珊瑚
華人正月 円卓走る トランプたち 伊丹公子 機内楽
雪焼の顔はゞからずトランプに 森田峠 避暑散歩
●ミニカー
ミニカーの並ぶ出窓や夏館 山縣輝夫
●紙飛行機
おびただしきは雨に打たれし紙飛行機 穴井太 天籟雑唱
一月許可のほとけをのせて紙飛行機 攝津幸彦
冬麗や紙飛行機が翼張り 大橋敦子 勾 玉以後
夏草に紙飛行機をすべらせる 秋田牧女
春光や紙飛行機に滑走路 倉本 岬
春愁を紙飛行機にしてしまう 片山淳子
春泥に紙飛行機のゆるび行く 佐竹美保子
枯芝に紙飛行機の落ちて来し 佐々木美乎
熊笹から紙飛行機をひろひけり 寺田澄史
父と子の紙飛行機や若草に 加藤芳子
秋思やがて紙飛行機となりて翔ぶ 工藤克巳
紙飛行機 飛べ 傷付いた僕の代わり 伊丹三樹彦 写俳集
紙飛行機と共にかけ出し夕日なし 古沢太穂 古沢太穂句集
紙飛行機ひらきしうへで桃を剥く 大石雄鬼
紙飛行機ふはりと止まり松の芯 桜井眞子
紙飛行機木犀の香によく飛べり 高澤良一 ねずみのこまくら
紙飛行機遠くまで飛び夏に入る 河野玲子
紙飛行機飛ばしてシナリオ書き換える 伊神舞子
雨音の紙飛行機の病気かな 小川双々子
青簾紙飛行機が触れて墜つ 齋藤朗笛
飛びたがらぬ紙飛行機を折りにけり 高橋 龍
山茶花に紙ヒコーキの飛んで来し 加藤 和子
紙ヒコーキ神父に當る小春苑 下村ひろし 西陲集
紙ヒコーキ飛ばして一人妻の反乱 岸本マチ子
行水に飛び込む隣の紙ヒコーキ 大木石子
●竹とんぼ
たかだかと春光とらふ竹とんぼ うまきいつこ
冬ぬくしすぐ失速の竹とんぼ 徳永知葉
地蔵会の笊にあふるる竹とんぼ 石鍋みさ代
悴みて飛ばなくなりし竹とんぼ 宮下秀昌
春祭まだ飛び立たぬ竹とんぼ 大串章 朝の舟
柿たわわ削り終へたる竹とんぼ 杉山としさだ
盆東風やふるさとに買ふ竹とんぼ 浅場英彦
竹とんぼ千振引としたしくて 宮坂静生 山開
竹とんぼ幼き日のやうに飛ばぬかな 佐々木石々
竹とんぼ睦月の空を錐揉みに 市ヶ谷洋子
竹とんぼ返してくれず天高し 八染藍子
竹とんぼ遠くへ飛んで広島忌 北村菜々子
竹とんぼ飛ばす空あり終戦忌 うだつ麗子
竹とんぼ飛び交ふ庭や夏来る 飯泉善一郎
鉄くさい原風景に竹とんぼ 小林夏冬
●ビー玉
ビー玉と椎の実は孫の宝物 安野良子 『篝火草』
ビー玉に篭る気泡や虎ヶ雨 曽根嬉久江
ビー玉に閉じ込めておく秋の虹 林のりゆき
ビー玉のめりこんでゐる春の土 下田静子
ビー玉の中の落城麦の秋 越谷双葉
ビー玉の歳月もぐらが押し上げる 時田久子
ビー玉の赤き流紋雪しんしん 加川則雄
ビー玉の輝きに似し福袋 西村弘子
ビー玉の速力夏の走り出す 蓬田紀枝子
ビー玉をばらまく四万六千日 田辺 花
ビー玉を沈め余魚をよろこばす 那須淳男
ビー玉を落葉の中にひろひけり 皆吉司
乳色のビー玉包む冬帽子 二村典子
枯野より戻りビー玉で遊ぶ 細見綾子 黄 炎
水盤に色ビー玉の沈みけり 比佐待子(篠)
花あしびビー玉めきし獣の目 吉原文音
靴底にビー玉ごりと冴え返る 長谷川裕
●めんこ
赤貝をめんこのやうに打ちつける 小口たかし
稲妻にめんこの相の泣笑ひ 加藤知世子 黄 炎
藪入の包かたへに面子打つ 野中ちよこ
負け知らずメンコの東千代之介 仁平勝 東京物語
●おてだま
おてだまを抛りあぐごと白木蓮 高澤良一 さざなみやつこ
たましいのおてだま続く夜の蛙 片岡秀樹
お手玉にあづきの音や春隣 二階堂文子
お手玉にきれいな数珠の実を入れし 今井 陽
お手玉のおひとつお攫ひ雪女 津幡龍峰
お手玉のごとくにあそぶ初雀 下村梅子
お手玉のごとをちこちに鰡飛べる 小路智壽子
お手玉のやうに馬刀貝もてあそぶ 望月一美
お手玉のトコトンはずみ夏つばめ 黒川治子
お手玉の一つ高みに春の雲 長谷川久々子
お手玉の宙にとどまる雨月かな 秦夕美
お手玉の置かれしやうに浮寝鴨 永野絢子
お手玉は母の縮緬小鳥来る 府中谷幸枝
お手玉も屋根より高く路地の柿 香西照雄 対話
ぶらんこに肉饅熱きをお手玉す 森下賢一
ほうたるをお手玉にして麻耶夫人 熊谷愛子
数珠玉をお手玉にしてひいふうみ 有馬 芳子
空間に遊ぶお手玉曼珠沙華 磯貝碧蹄館
●玩具
あしたより玩具買ひゆく弥生かな 石橋秀野
あの頃はブリキの玩具くつわ虫 細野恵久
ころがつてゆきし玩具の秋の翳 行方克巳
でで虫が紙食ひちらす玩具箱 石河義介(圓)
どびろくに呆けたか玩具に蹴つまづく 成田千空 地霊
どんぐりを玩具にまぜて旅鞄 阿部みどり女
ひとり子に七個の池の玩具舟 高橋淡路女 梶の葉
ひまはりの昏れて玩具の駅がある 鷹女
ぶり~や紐の喰み出し玩具箱 雑草 長谷川零餘子
わが俳句玩具にあらず啄木忌 西本一都
わが手筥の玩具にどゝと春の雷 長谷川かな女 雨 月
クリスマスツリー家中が玩具箱 三苫知夫
タイムマシン売り切れ聖夜の玩具店 河野薫
ナホトカの玩具初秋のストール纒ひ 長谷川かな女 花寂び
ポストから玩具出さうな夜の雪 渡邊水巴
マント着の荷をつつぱらし玩具選る 高島筍雄
レールゆがみ玩具の汽車に傾く冬 斉藤夏風
一列に玩具のようにヨットゆく 曽根かずこ
三ケ日孫の玩具につまづきぬ 青木よしを
京の玩具の山猿が来て寒ゆるむ 長谷川かな女 花寂び
人形や玩具や冴えてゆく齢 市原光子
兜虫はかなしき玩具たたかへり 吉田未灰
冬ぬくし子規の遺筆の玩具帖 有馬朗人 天為
冬の阿蘇玩具のやうなバス登る 柴田かほる
冬海に誰が捨て去りし子の玩具 原コウ子
凍ゆるむ燈にほしいまま玩具の色 宮津昭彦
初笑ひ玩具の犬に描きし髯 沢木欣一 塩田
初蝶や家内くらく玩具鳴る 大井雅人 龍岡村
北風に玩具の馬が急ぐかな 大和田栄治
古玩具のばたばた日永の土産屋に 高澤良一 寒暑
吊し売る玩具が鳴つて日は永し 藺草慶子
吊るされて玩具めきたる鷭の脚 宮坂静生 雹
天上の玩具鳴りゐる油照り 石原八束 空の渚
天瓜粉玩具のごとく嬰置かる 佐野鬼人「脇役」
孫帰り玩具そのまま冬座敷 矢野邦子
家中に玩具踏み場もなき炎昼 高澤良一 素抱
寒き地に落ちて鳴りだす玩具かな 恒藤滋生
尻振りて玩具めく鴨近寄り来 高澤良一 燕音
店の玩具のひるごろの埃はらつてゐる シヤツと雑草 栗林一石路
店の玩具占めしよ母の日傘影 香西照雄 素心
文月の音色さまざま玩具がふえ 中村明子
新しき墓に玩具と花切籠 林 和子
日脚伸ぶ玩具どれもが疵もてり 大輪昌
昇降機降り玩具のピアノ鳴らす梅雨 宮武寒々 朱卓
春がすみ玩具のごとく電車くる 橘 澪子
春一番玩具の猿が鼓打つ 影島智子
春立つや玩具に赤きいろ多き 長田群青
春陰や玩具の鳥のよく啼ける 中西徳太郎
時の日の叩きて動く玩具の眼 姉崎蕗子
曾々孫の玩具の占める夏座敷 高石芳乃
棒引けば舌出す玩具組閣成る 工藤博司
極彩のブリキの玩具原爆忌 白石司子
極月の玩具の如き店並ぶ 阿部みどり女
炎昼の玩具転がしある一間 高澤良一 素抱
炭つげばべこの玩具が首を振る 大久保白村
燃えかけの玩具の形して海市 櫂未知子 貴族
獺の祭嬰へ並べし玩具かな 浅井節子
玩具と野菜畳に置くよ春待つよ 磯貝碧蹄館 握手
玩具にされたようなその値に父の形相が澤庵石を投げて庭が凹んでいる 橋本夢道
玩具の熊の瞳予科練で友が死んだ 阿部完市 証
玩具の音の簾を洩れつ宵浅き 富田木歩
玩具より玩具らしくて天道虫 和田耕三郎
玩具屋に賭けし生涯鳥渡る 恩田秀子
玩具屋の物みな動き初商 朱月英
玩具屋へゆく父親の麦の秋 高澤晶子 純愛
玩具籠抱き早春の銀座より 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
玩具鳴り母の着物に雪の冷え 小島千架子
産室に玩具づくしの屏風かな 松尾 静子
田螺鳴く溝を流るゝ玩具かな 雑草 長谷川零餘子
秋しぐれみやげの玩具ぬらしけり 新保且子
秋晴れのこわれゆく玩具なるかな 冬の土宮林菫哉
笛鳴らす玩具の汽車に枯木の情 長谷川かな女 牡 丹
網戸より見えてあふるる玩具箱 布川武男
羞明の雪みて玩具鳴らしをり 石原八束 『雪稜線』
義士祭の太鼓玩具として打たる 岸風三樓
腕時計吊られ月明の玩具店 対馬康子 愛国
臼杵の玩具土産や初日護摩 高木蒼梧
花茣蓙に子の友溢れ玩具溢れ 奈良文夫
蘭というきれいな玩具たまわりぬ 柴田美代子
賀客去り忘れ玩具が歩き出す 中村明子
遠い記憶に迫る 玩具の電車に乗ろうか 田中はるよ
野菊晴玩具のような犬を曳き 三枝きぬ子
雁や昼は玩具の中に栖み 恩田秀子
雲の峰城に玩具の鯛車 廣川昂臣
電池減つて蠢く玩具文化の日 今田 述
露草に祭の玩具落しけり 龍胆 長谷川かな女
風花や玩具の如くわれころび 阿部完市 無帽
鬼の子の玩具の鬼灯鳴らしけり 高澤良一 素抱
鳥の玩具通れば鳴けり黄雀風 中戸川朝人 尋声
●おもちゃ
おもちゃ屋のお猿ブンチャカクリスマス 高澤良一 宿好
おもちゃ屋の聖樹ちゃかぴか景気付け 高澤良一 宿好
おもちやのラッパ雨に鳴らして苗木市 高井北杜
おもちや屋も出来学園都市草は実に 田上さき子
おもちや箱寄せれば鈴の音涼し 高濱年尾 年尾句集
お供へのおもちやが目牽く冷え色に 林原耒井 蜩
きちきちや空におもちやの音たてて 三嶋 隆英
一人子のおもちやで遊ぶ冬日向 山根きぬえ
夜寒さや静まりかへるおもちや箱 野村喜舟 小石川
木と紙のおもちやの家や降誕祭 前原早智子
極月のちょろちょろ動くおもちゃかな 高澤良一 燕音
気に入りのおもちや召し寄せ風邪の床 西村和子 夏帽子
海*紅豆ポルトガル砲はおもちやめく 八木林之介 青霞集
生きし子におもちや殖えたる冬晴るゝ 林原耒井 蜩
短日をごとりと仕舞うおもちゃ箱 武田香津子
繭玉のおもちやづくしや揺れて居り 下田実花
青蔦やおもちゃのやうに古りし窓 吉原文音
●オルゴール
ねぢ巻いて雛の歌もオルゴール 今泉貞鳳
ひり辛き夏大根とオルゴール 小島千架子「糸車」
むしかりの白花白花オルゴール 金子皆子
オルゴールさびたる後白河院の喉 渋谷道
オルゴールのやうに滴りをりにけり 本井英
オルゴールの円盤の穴蝉時雨 高澤良一 宿好
オルゴール一音欠けて暖かし 籌子
オルゴール切れて人形悴みぬ 吉原文音
オルゴール廻る速さに芽吹き山 多賀啓子
オルゴール手廻しの音の暖かし 水原春郎
オルゴール短きうたを永病みに 小田武雄
ラ・パロマ汗し手動のオルゴール 高澤良一 宿好
三伏や音の狂ひしオルゴール 石川みさを
元日のつぶやき寒しオルゴール 久保田万太郎 流寓抄以後
元朝のオルゴール「信濃の国」のうた 木村蕪城 寒泉
北窓を開きねぢ巻くオルゴール 浦川聡子
噴水の虹鉄神のオルゴール 八木三日女 落葉期
婚期 婚期 オルゴールが鳴りやみぬ 松本恭子 檸檬の街で
強霜や一音欠けてオルゴール 長岐靖朗
日脚伸ぶ埃払ひしオルゴール 小林綾子
春愁や緩みて眠きオルゴール 都筑智子
春昼のすぐに鳴りやむオルゴール 木下夕爾(1914-65)
時計塔より春昼のオルゴール 高橋一東
暑くてねぢ巻いただけ鳴るオルゴール 品川鈴子
月の光が部屋いっぱいにオルゴール 平松星童
月明の病棟もるるオルゴール 松尾隆信
木の実降る辻の手廻しオルゴール 堤 京子
木洩れ日はぎこちなく止むオルゴール 吉川真実
枝豆や手毬の中にオルゴール 藤岡筑邨
案山子みな風に泳がせオルゴール 鈴木蚊都夫
梨の木に生死がまわるオルゴール 松本恭子 二つのレモン 以後
涼奏でオルゴール函シンフォニオン 高澤良一 宿好
淡雪やうたふガラスのオルゴール 仙田洋子 雲は王冠
眠らんと除夜の子が捲くオルゴール 石田 波郷
花野ただよふ音は遺品のオルゴール 仙田洋子 雲は王冠
貝殻一つ一つ濃霧のオルゴール 高野ムツオ 鳥柱
鉄線花歌錆びし亡母のオルゴール 榎本愛子
開くまで秋思の無音オルゴール 鈴木まゆ
魚は氷に上り鳴り出すオルゴール 吉田鴻司
●おしゃぶり
赤ん坊の欠伸おしゃぶりママ昼寝 高澤良一 素抱
●積木
くづすことも積木の遊び春の雪 土井ゆう子
ひやひやと積木が上に海見ゆる 碧梧桐
コンテナは積木のようにクリスマス 石島うさぎ
亡骸の父となり子に積木足す 林田紀音夫
叱られて 春宵古い積木を積む 沙羅冬笛
姉絵本弟積み木日向ぼこ 上野泰 佐介
宿の子の寝そべる秋の積木かな 田中裕明 花間一壺
寒凪や積木のごとき山の墓 岡本高明
崩されしままの積木や夏の果 清島富紗子
彼岸会や積木のごとく無縁墓 戸井一洲
春の灯へ積木の塔がつみあがる 川口重美
春雨の積木豪華な家作り 上野泰 春潮
暖房や積木あそびの家が立ち 船越 和香
汗の児に崩れむとして立つ積み木 瀧川照子
海市立つ積木の家を積みあげて 志摩知子
消防車が突き抜けてゆく 積木遊び 内山草子
積木ほどのゆめあつて 子と積んでいる 関戸美智子
薫風や積み木組むごと家建ちて 山下ゆき代
足袋ぬいで耳より眠むる積木の城 浜 芳女
雪に柩積木のごとく重ねおく 宇多喜代子 象
●トランプ
つまみたる夏蝶トランプの厚さ 高柳克弘(俳句研究)
トランプす帷天鵞絨に冬の星 宮武寒々 朱卓
トランプに或る夜はむつぶ春めけり 臼田亞浪 定本亜浪句集
トランプのなだれてありぬ春炬燵 松尾 静子
トランプのジャックの顔のいなごかな 石田郷子
トランプのジャック振向く夜の秋 高澤良一 ぱらりとせ
トランプのババ抜き子等と対等に 嶋田摩耶子
トランプの占ひが吉雪が降る 成瀬正とし 星月夜
トランプの孫も一員初笑 鈴木美那
トランプの散らばる旅寝明易し 岩崎照子
トランプの独り占ひ稲光 星野立子
トランプの王の顔して草を刈る 尾池和夫「大地」
トランプの王の齢にはまだ遠し 京極杞陽
トランプの王家悲しげ四月馬鹿 原子公平
トランプもして結氷を待つばかり 比叡 野村泊月
トランプをして待つ都踊かな 五十嵐播水 播水句集
トランプを投げしごと壺の薔薇くづれ 渡邊水巴
ナーヴァスな日のトランプは置かれたまま 南絵莉
プラスのトランプマイナスになり極月や 平井さち子 完流
一と勝負つきしトランプ蜜柑むく 大橋櫻坡子 雨月
七草の雨夜トランプ睡くなる 鬼房
乱れ籠にトランプ二三夜寒あり 阿部みどり女
余命幾日夫とトランプする炬燵 永橋久子
夏服を着よトランプのジヤツク達 有馬朗人 母国
思ひ出のトランプひとつ半夏生 石寒太 翔
母と子のトランプ狐啼く夜なり 橋本多佳子(1899-1963)
牡丹咲きトランプの絵も水滸伝 大島民郎
端まで冬 トランプのキング 砂浜に 伊丹公子 山珊瑚
華人正月 円卓走る トランプたち 伊丹公子 機内楽
雪焼の顔はゞからずトランプに 森田峠 避暑散歩
●ミニカー
ミニカーの並ぶ出窓や夏館 山縣輝夫
●紙飛行機
おびただしきは雨に打たれし紙飛行機 穴井太 天籟雑唱
一月許可のほとけをのせて紙飛行機 攝津幸彦
冬麗や紙飛行機が翼張り 大橋敦子 勾 玉以後
夏草に紙飛行機をすべらせる 秋田牧女
春光や紙飛行機に滑走路 倉本 岬
春愁を紙飛行機にしてしまう 片山淳子
春泥に紙飛行機のゆるび行く 佐竹美保子
枯芝に紙飛行機の落ちて来し 佐々木美乎
熊笹から紙飛行機をひろひけり 寺田澄史
父と子の紙飛行機や若草に 加藤芳子
秋思やがて紙飛行機となりて翔ぶ 工藤克巳
紙飛行機 飛べ 傷付いた僕の代わり 伊丹三樹彦 写俳集
紙飛行機と共にかけ出し夕日なし 古沢太穂 古沢太穂句集
紙飛行機ひらきしうへで桃を剥く 大石雄鬼
紙飛行機ふはりと止まり松の芯 桜井眞子
紙飛行機木犀の香によく飛べり 高澤良一 ねずみのこまくら
紙飛行機遠くまで飛び夏に入る 河野玲子
紙飛行機飛ばしてシナリオ書き換える 伊神舞子
雨音の紙飛行機の病気かな 小川双々子
青簾紙飛行機が触れて墜つ 齋藤朗笛
飛びたがらぬ紙飛行機を折りにけり 高橋 龍
山茶花に紙ヒコーキの飛んで来し 加藤 和子
紙ヒコーキ神父に當る小春苑 下村ひろし 西陲集
紙ヒコーキ飛ばして一人妻の反乱 岸本マチ子
行水に飛び込む隣の紙ヒコーキ 大木石子
●竹とんぼ
たかだかと春光とらふ竹とんぼ うまきいつこ
冬ぬくしすぐ失速の竹とんぼ 徳永知葉
地蔵会の笊にあふるる竹とんぼ 石鍋みさ代
悴みて飛ばなくなりし竹とんぼ 宮下秀昌
春祭まだ飛び立たぬ竹とんぼ 大串章 朝の舟
柿たわわ削り終へたる竹とんぼ 杉山としさだ
盆東風やふるさとに買ふ竹とんぼ 浅場英彦
竹とんぼ千振引としたしくて 宮坂静生 山開
竹とんぼ幼き日のやうに飛ばぬかな 佐々木石々
竹とんぼ睦月の空を錐揉みに 市ヶ谷洋子
竹とんぼ返してくれず天高し 八染藍子
竹とんぼ遠くへ飛んで広島忌 北村菜々子
竹とんぼ飛ばす空あり終戦忌 うだつ麗子
竹とんぼ飛び交ふ庭や夏来る 飯泉善一郎
鉄くさい原風景に竹とんぼ 小林夏冬
●ビー玉
ビー玉と椎の実は孫の宝物 安野良子 『篝火草』
ビー玉に篭る気泡や虎ヶ雨 曽根嬉久江
ビー玉に閉じ込めておく秋の虹 林のりゆき
ビー玉のめりこんでゐる春の土 下田静子
ビー玉の中の落城麦の秋 越谷双葉
ビー玉の歳月もぐらが押し上げる 時田久子
ビー玉の赤き流紋雪しんしん 加川則雄
ビー玉の輝きに似し福袋 西村弘子
ビー玉の速力夏の走り出す 蓬田紀枝子
ビー玉をばらまく四万六千日 田辺 花
ビー玉を沈め余魚をよろこばす 那須淳男
ビー玉を落葉の中にひろひけり 皆吉司
乳色のビー玉包む冬帽子 二村典子
枯野より戻りビー玉で遊ぶ 細見綾子 黄 炎
水盤に色ビー玉の沈みけり 比佐待子(篠)
花あしびビー玉めきし獣の目 吉原文音
靴底にビー玉ごりと冴え返る 長谷川裕
●めんこ
赤貝をめんこのやうに打ちつける 小口たかし
稲妻にめんこの相の泣笑ひ 加藤知世子 黄 炎
藪入の包かたへに面子打つ 野中ちよこ
負け知らずメンコの東千代之介 仁平勝 東京物語
●おてだま
おてだまを抛りあぐごと白木蓮 高澤良一 さざなみやつこ
たましいのおてだま続く夜の蛙 片岡秀樹
お手玉にあづきの音や春隣 二階堂文子
お手玉にきれいな数珠の実を入れし 今井 陽
お手玉のおひとつお攫ひ雪女 津幡龍峰
お手玉のごとくにあそぶ初雀 下村梅子
お手玉のごとをちこちに鰡飛べる 小路智壽子
お手玉のやうに馬刀貝もてあそぶ 望月一美
お手玉のトコトンはずみ夏つばめ 黒川治子
お手玉の一つ高みに春の雲 長谷川久々子
お手玉の宙にとどまる雨月かな 秦夕美
お手玉の置かれしやうに浮寝鴨 永野絢子
お手玉は母の縮緬小鳥来る 府中谷幸枝
お手玉も屋根より高く路地の柿 香西照雄 対話
ぶらんこに肉饅熱きをお手玉す 森下賢一
ほうたるをお手玉にして麻耶夫人 熊谷愛子
数珠玉をお手玉にしてひいふうみ 有馬 芳子
空間に遊ぶお手玉曼珠沙華 磯貝碧蹄館
●奴凧
けふの空助六よりも奴凧 後藤比奈夫 めんない千鳥
そこらから江戸が見えるか奴凧 正岡子規
ひとつだけ下りては来ない奴凧 堂本ヒロ子
みささぎの空ゆるされし奴凧 太田 昌子
上昇の揺れを大きく奴凧 池田秀水
冬晴や鳶がちかづく奴凧 稲葉房枝
奴凧まづは頭突きを覚えけり 松浦敬親
奴凧よき川風の眼鏡橋 山野邊としを
奴凧肩怒らせて一人占め 川崎春浪
尾をつけて一番高し奴凧 前田普羅
父の手に息吹き返す奴凧 葛野良子
砂浜に落ちて砂噛む奴凧 高澤良一 寒暑
雪山の端が輝き奴凧 阿部みどり女
飛行機来て顔のかなしき奴凧 加藤知世子 花寂び
日曜のパパは大好きやっこ凧 山口きみ子
やつこ凧も枯原の青空にゐる シヤツと雑草 栗林一石路
●ヨーヨー
ヨーヨーが手に飛びつくよ春休 鈴木 榮子
ヨーヨーの炬燵の上に抛うりある 高木晴子 晴居
新緑の闇よりヨーヨー引き戻す 浦川聡子「水の宅急便」
青水無月ヨーヨーが手に逃げてくる 大石雄鬼
●プラモデル
冬北斗プラモデルの城建ちあがる 小島とよ子
プラモデル戦車の後は個人主義 田中信克
●模型
あじさいの宇宙模型の吐息かな 折笠美秋 虎嘯記
カルテの横秋の心臓模型かな 高澤良一 さざなみやつこ
一葉家の模型つつぬけ遠風鈴 平井さち子 鷹日和
噴水や模型の骨のまだ足らず 杉野一博
掌につつむ心臓模型四月馬鹿 山田みづえ 草譜以後
時の日や順風の帆の模型船 鷹羽狩行
榾照らすメイフラワーの模型船 佐藤時子
模型飛行機ならひにうすきはねふるふ 津崎茘子
模型飛行機孫の肉感野に移し 金内 茜
歯の模型並べて春の過ぎにけり ふけとしこ 鎌の刃
犬交る街へ向けたり眼の模型 田川飛旅子(1914-99)
甲虫の模型大きく避暑の家 堀口星眠 営巣期
石炭紀の模型蜻蛉に秋が来て 高澤良一 ももすずめ
軍艦の模型に死せり大蜻蛉 坂本久子
霰打つ模型の鮨をめがけては 秋元不死男
骸骨の模型がきしみ春の雷 大槻和木
以上
by 575fudemakase
| 2022-05-08 14:41
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俳句の四方山話 季語の例句 句集評など
by 575fudemakase
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▽ある季語の例句を調べる▽
《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。
尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。
《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)
例1 残暑 の例句を調べる
検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語
例2 盆唄 の例句を調べる
検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語
以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。
《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。
尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。
《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)
例1 残暑 の例句を調べる
検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語
例2 盆唄 の例句を調べる
検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語
以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。
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