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かこさとしの世界 平凡社 2019年6月13日

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かこさとし の偉業に敬意を表して関連俳句を挙げて置く。


童女 .赤ん坊 .稚児 .嬰児等類語関連語

【赤子 赤ん坊】の俳句
ここをクリック↓

【小児】

ガーベラや夫婦で開く小児歯科 八幡より子
階下よりしやぼん玉揚ぐ小児病棟 長田等
蛍籠小児病棟消灯す 中沢三省
除夜の鐘小児病棟異常なし 水原春郎
小児病棟前にほつそり雪だるま 須磨佳雪
雛の日の小児病棟覗きにゆく 細川加賀
早々と小児病棟聖夜の灯 松岡巨籟

【児童】

いなご取る過疎の児童の五六人 蕪木啓子
厚朴咲くや児童遊園の砂照りつ 原田種茅 径
山車を曳く童児童女に秋の風 伊藤いと子
死人もゐて紙の雪降る児童劇 星野昌彦
城跡に児童館ありチユーリツプ 吉屋信子
蓮華摘む劉生童児童女かも 石塚友二

【わらべ】

かげろひて通る信濃のわらべ唄 長谷川双魚 風形
かまくらや今日は嬶座のわらべたち 堤 京子
きりもなく椿落つるよわらべ唄 櫛原希伊子
くさめくさめ平氏をはやす京わらべ 筑紫磐井 野干
けんぽ梨狸をさそふわらべ唄 加藤知世子 花 季
この路地の柿鈴なりにわらべ歌 古賀まり子 緑の野
たんぽゝや紅腿引の里わらべ 久米正雄 返り花
ふるさとは風に吹かるるわらべ唄 伊藤信吉
ままごとのわらべのしたる懐手 飴山實 『花浴び』
よく聞こゆ芋煮あそびのわらべ唄 下田稔
わらべうた路地よりきこえ宵天神 宮下翠舟
わらべらに寝ねどき過ぎぬクリスマス 山口誓子
わらべらに天かがやきて花祭 飯田蛇笏
わらべらに天かゞやきて花祭 飯田蛇笏
わらべらに天かがやきて花祭 飯田蛇笏 雪峡
わらべらに堂塔高き甘茶かな 五十崎古郷句集
わらべらの花野にわれも入りゆけり 岸田稚魚
わらべらも添へて門火の麦藁火 木津柳芽 白鷺抄
わらべ唄かなで精霊流しかな 佐川広治
わらべ唄地蔵にひびき明けの春 堤 久子
わらべ七人山椒魚の水あふれ 若森京子
わらべ水蜜桃をすするうなじを伸べ 梅林句屑 喜谷六花
わらべ達皮は味ないぞ真桑瓜 上島鬼貫
磯わらべ青海苔きざみ遊ぶなり 岡本松浜
炎天につよく生まれて甲斐わらべ 筑紫磐井 未定稿Σ
花吹雪駈けゆくわらべ立つわらべ 及川貞
丸顔の祇園囃子の京わらべ 長谷川浪々子
岩室涼し石を重ねてわらべ墓 河野南畦 湖の森
気の長きわらべが祭牛を御す 沢村越石
京わらべ三尺帯に扇子かな 『定本石橋秀野句文集』
傾城のわらべがましき手鞠かな 万容
月十四日今宵三十九の童部(わらべ) 松尾芭蕉
虎杖さげしわらべ早し木がくれす 梅林句屑 喜谷六花
紅梅の散るやわらべの帋つゝみ 炭 太祇 太祇句選
三日月は星のわらべのすべり台 山崎ふじ子
紙砧子守わらべの立つ戸より 及川貞
七夕や昔むかしのわらべ歌 野村 きく
春待つや厨の妻のわらべ唄 今泉貞鳳
女わらべのことに執念もぐら打 岡入万寿子
新月に牧笛をふくわらべかな 飯田蛇笏 山廬集
新月に牧笛を吹くわらべかな 飯田蛇笏 霊芝
千燈明をともすわらべの露の秋 銀漢 吉岡禅寺洞
霜きびし山のわらべの喇叭鳴る 飯田蛇笏 春蘭
茸狩りのわらべこだまに憑かれけり 西島麦南
張子の御影女わらべや御忌に逢ふ 昌夏 選集「板東太郎」
冬の靄口を離れぬわらべ唄 山田一男
日照草爆死わらべの碑のほとり 下村ひろし 西陲集
年玉を宿のわらべに老遍路 壺井久子
梅寒の瀬音を奪ふわらべ声 河野南畦 湖の森
菱採りのわらべ手掻きの盥舟 下村ひろし
北国の正月を待つわらべ唄 今村青魚
無花果やわらべ心に剥かぬまま 乗本真澄
林檎咲く野しろいしろいわらべ唄 豊田都峰
露の玉つまんで見たるわらべ哉 一茶 ■文政二年己卯(五十七歳)

【わらは】

わらはべのまかげせりけりくらべ馬 後藤夜半 翠黛
春立つとわらはも知るやかざり縄 松尾芭蕉
小わらはの物は買ひよきわかなかな 召波
竹馬のわらはに蹤くは女のわらは 青篁
童(わらはべ)の声しるべなり神送り 含粘 俳諧撰集「藤の実」
瘧病(わらはやみ)童病(わらはやみ)とぞ滴れり 佐々木六戈 百韻反故 吾亦紅

【小わつぱ】

バス囃す小わつぱどもや独活の花 富安風生
小わつぱのちさき争ひ空つ風 上村占魚 鮎
小わつぱの舟に棹さす浮巣かな 富安風生

【洟垂れ】

洟たれ児立てり綿入盲縞 西村公鳳
洟垂れの子が売れ残る寒さ哉

【愛児】

ひかりと鳥ガチガチぶつかり愛児泣く 谷 佳紀
霧に立ち敢へて愛児を抱かざりし 瀧春一 菜園

【坊や】

坊やもおいでと出た梅若葉の寺 北原白秋

【女児】

医師招く苺の花のような女児 対馬康子 吾亦紅
山桜女児出生をみそなわす 宇多喜代子
枝垂桃揺らしつつ女児欲しといへり 伊藤いと子
女児すでに肩肘まろく初泣す 橋詰沙尋
女児の指話芙蓉は翅をたたみけり 栗林千津
女児生れて鹿子絞りに鰯雲 辻田克巳
女児誕生クレソンに水ゆきわたり 山口都茂女
女児得たりしづかなしづかな鰯雲 椎橋清翠
生れてすぐ雷鳴にあう女児にして 鈴木六林男
日雇女児といく 鋪道の きいろな日暮れ 吉岡禅寺洞
白人の女児はなやげる十夜講 岸田潮二
百日紅ひらひらと女児うまれけり 平井照敏 天上大風
福寿草妻まる顔に女児生むか 柴崎左田男

【小僧】

ひそくさと小僧小春の障子外 西山泊雲 泊雲
むら時雨山から小僧ないて来ぬ 一茶 ■文化八年辛未(四十九歳)
もがり笛一つ目小僧呼んでをり 上村占魚 『自門』
羽目板のひとつ目小僧春永し 柿本多映
暇なき小僧の起ちゐや御命講 蝶衣句稿青垣山 高田蝶衣
芥子は実に小便小僧立ち通し 大和田としを
乾鮭に喝を与ふる小僧かな 高浜虚子
寒燈明滅小僧すよすよと眠りけり
魚屋の小僧薬屋の小僧に蝉とらせ 上野泰 春潮
金魚も小便小僧も冬眠に 阿部みどり女
冴え返る小便小僧の反り身かな 塩田俊子
私と小僧川の町ゆき川底にいたる 阿部完市 春日朝歌
自転車に籠冬の朝日へ小僧さんたち 古沢太穂 古沢太穂句集
秋寒の比叡の小僧や吾を待つ 高木晴子 花 季
初雪やひじり小僧の笈の色 ばせを 芭蕉庵小文庫
初雪や聖小僧が笈の色 松尾芭蕉
小僧ゆく小雲ゆくなり県境 阿部完市 春日朝歌
小僧等に法問させて年忘れ 蕪村
小僧来たり上野は谷中の初桜 山口素堂
水に泛き苺小僧の右往左往 手代木唖々子
生意気になりし炭屋の小僧かな 榊原鼓天
生意気小僧忘れてゆきし破魔矢かな 八木林之介 青霞集
奪ひ合うて花にまぶるる小僧かな ぜぜ少年-杏雨 俳諧撰集「藤の実」
棚経の小僧十二三なるが来る 原紫川
鶴を見る洟垂小僧馬車の上 野見山朱鳥
土筆小僧馬が通ると声をだす 磯貝碧蹄館
冬ざくら小僧が運ぶ経机 梶山千鶴子
冬座敷一つ目小僧のお面かな 八木林之介 青霞集
冬支度山から小僧降りてきて 菊池ふじ子
農小僧経て来し月日花いばら 皆川白陀
箱いつぱい青梅小僧母より来 有働 亨
普請場の小僧が虹を見つけけり 永井龍男
母に戻す火の玉小僧半夏生 文挟夫佐恵
北風吹くや一つ目小僧蹤(つ)いてくる 角川春樹(1942-)
門前の小便小僧苗代寒 原裕 青垣
裸木のうしろ暮れゆく風小僧 小川恭生
洟かんでしまふ小僧の夏書かな 阿波野青畝
藪入の小僧丁稚ら今いづこ 石塚友二
鮟鱇や鼠小僧を泊めし家 長谷川かな女


【幼児】

れんげ野の幼児漂うたいらな昼 増田まさみ
椅子あたたか幼児の足の地にとどかず 皆吉司
花椎の風かげり幼児の欠伸さそふ 原田種茅 径
海の底でぼくらは眠るつぶつぶと幼児のやうな夢を吐き出し 森本平
菊花展幼児花に指ふれし 百合山羽公 寒雁
啓蟄や幼児のごとく足ならし みどり女
轟々と白昼の砂ひとりの幼児 林田紀音夫
混血幼児みな昼寝して照紅葉 及川貞
枝豆をつまむ幼児と晩酌す 矢島渚男
耳痛き幼児の記憶朝の蜘蛛 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
若き主婦の毛橇に幼児湖の眼で 細谷源二
秋の日の仁王は高き幼児なり 和田悟朗
初写真紅き幼児を膝に載す 佐久間かよ
蒼空の切り傷となる幼児の頸 増田まさみ
足許のたそがれ幼児ごと掬う 林田紀音夫
鳥もトト魚もトト白粉の花に座る幼児 長谷川かな女 花 季
底冷えや幼児別れに仰ぐのみ 香西照雄
乳臭き幼児もまへに西瓜割る 百合山羽公 故園
梅雨の花幼児の声草のごとし 飯田龍太
白襖幼児笑へば亡母来る 飯田龍太
鉢金魚幼児キンギョとなつてしまう 長谷川かな女 花 季
薮柑子幼児に母に道けはし 阿部みどり女
幼児きて部屋を野となす黒ぶどう 寺田京子
幼児に労はられをり菖蒲葺き 小松崎爽青
幼児のごと赤富士のごと冬来たる 橋石 和栲
幼児の持つておもたき桐一葉 川崎展宏
幼児の丈で奇岩をくゞる秋のくらさ 八木三日女 赤い地図
幼児の知恵づく日々や鳳仙花 高嶋富子
幼児はいたく笑ひね夜の淵にありて白桃食べをへしとき 佐藤通雅
幼児も富士見おぼえる若菜摘み 岩淵喜代子
幼児席ある大寺の鬼やらひ 中里泰子
幼児脱ぎ緋の濃き下着スィートピイ 香西照雄 素心
裸見せぬ秋暑毛深の幼児ら 林翔
雷雨やむ鼻のつめたき幼児抱く 松村蒼石 春霰
涅槃図を見て幼児が象を指す 浜端順子
蜩や幼児は好きな救急車 長谷川かな女 花 季

【男児】

かくまでに父似の男児夏怒濤 宇多喜代子 象
まつすぐに人見る男児五月雛 中村草田男
菊の香をまとひて男児生まれけり 今泉貞鳳
桜ちる南八男児死せんのみ 夏目漱石 明治二十八年
山間に男児ありけり五月鯉 今泉貞鳳
指吸ひつつ仮眠男児や夏一途 原裕 葦牙
湿衣の男児なお擁きしめ春はゆく 赤尾兜子
春暁や男児得たることまこと 大石悦子
初弥撒や快男児太郎無口なり 小原洋一
唐辛子男児の傷結ひて放つ 中村草田男

【幼童】

花御堂幼童の釈迦甘露受く 松井利彦
幼童の接吻街裏東風が占め 北野民夫

【乳児】

だく乳児の手をもにぎりて春炬燵 飯田蛇笏 雪峡
ねんねこに母より大きな乳児の顔 相馬遷子 山河
牡丹の芽に跼み無性に乳児みまほし 長谷川かな女 花 季
泣く乳児や三角に立つ切り西瓜 所 山花
砂丘冬妻にひとりの乳児匂ふ 原裕 葦牙
座り込む莚はみ出て合歓に乳児 沢木欣一 塩田
菜の花や海石一つが乳児の墓 中拓夫
春雪や乳児の全身笑ひにて 加藤知世子 黄 炎
小熊座に毛糸づくめの乳児抱き出づ 加藤知世子
水槽のうすくらがりに乳児透く 林田紀音夫
星一つづつ凍り乳児がぽつりと「パパ」 八木三日女 紅 茸
雪に雪降り積む白さ乳児眠る 長田等
雪空垂れて兵士のように乳児立つ 林田紀音夫
桃に来て昼湯は母と乳児ばかり 小池文子
乳児の瞳に形なすものさくら草 加藤知世子
乳児の力ぐいぐい闇に菊の香あり 加藤知世子
乳児泣きつつ金柑握り匂はしむ 加藤楸邨
乳児寝たり歩く形に足袋ぬいで 加藤知世子
乳児抱かれプールの中にあくびせる 山口波津女
乳児目覚めをり風鈴の音の中 長田等
背負はれゆく乳児のにほひ蚕掃く 石原舟月
麦秋や乳児に噛まれし乳の創 橋本多佳子
麦秋や乳児に噛まれて乳の創 橋本多佳子
夫病む部屋の乳児が伸びする雪明り 加藤知世子 黄 炎
風花や乳児が指さすニュースカー 加藤知世子 黄 炎
風薫る四肢の先まで乳児の意志 林翔 和紙
木洩日が南風ちりばめて乳児そだつ 赤城さかえ
蟋蟀や乳児が寝返り打つて力む 澄雄

【産児】

産児室泣けば吾子かや夜半の夏 野田きみ代
並び寝の新産児にも豆撒けり 下村ひろし 西陲集

【嬰児】

ジードの書嬰児の湯婆替えてまた 三谷昭 獣身
にのうでの嬰児のうぶ毛暑を兆す 長谷川双魚 風形
ひる蛭と嬰児に還り行く我は 永田耕衣 物質
みな晝寝嬰児が噴水のごとさめて 細谷源二
ゆきずりの嬰児あやして冬田道 中込誠子
りんどうに集まり消える嬰児たち 高野ムツオ 蟲の王
ゐざりゐる凍雲嬰児火と泣けり 川口重美
雨蛙のまぶた金色嬰児も不思議 金子皆子
渦潮に入りゆく嬰児抱きつづけ 長田等
嬰児が来て家が湧きたつさくらんぼ 柴田白葉女
嬰児さへ重し水禍の腕疲れ 鈴木斐佐代
嬰児だいてさきはひはずむ初月夜 飯田蛇笏
嬰児だいて邯鄲きかな花圃の中 飯田蛇笏 春蘭
嬰児どこも絹の感触さくら咲く 猪俣千代子 堆 朱
嬰児には見えず涅槃の通り雨 徳弘純 非望
嬰児にもあるためいきや花エリカ 岡田史乃
嬰児の一髪なびき二月尽 和田悟朗
嬰児の確かな血筋瓜の花 佐倉あさ子
嬰児の甘き香りや冬の蝿 川元安子
嬰児の重みずつしり銀河奔るなり 上野さち子
嬰児の頭の淋しく赭し花の中 中村 和弘
嬰児ひとり寝せられ風のねこじやらし 林翔
嬰児まつげを長くしねむる流氷来 岸田稚魚
嬰児を抱いて五月の海になる ほんだゆき
嬰児眼を空へ見開く誰にも花 斉藤夏風
嬰児泣き松の八月強靭に 林田紀音夫
嬰児診るや昼寝起こされし口むすび 相馬遷子 山国
嬰児昼寝絵馬の金時犬張子 福田蓼汀 秋風挽歌
嬰児湯を濁さずぽぽと花杏 長谷川双魚
嬰児薄眼苗一列はその睫毛 高野ムツオ 陽炎の家
嬰児抱き母の苦しさをさしあげる 高屋窓秋
嬰児眠る桃の雫の泪溜め 上野さち子
嬰児籠に寝息うかがふ蚕飼季 池元道雄
嬰児翅生みゆりかごの父を責める 林田紀音夫
炎天の田の母を呼ぶ嬰児の目 福田甲子雄
夏空があつまつてこの嬰児の瞳 平井照敏
花杏嬰児の欠伸つづけざま 西村公鳳
花合歓も見えぬものみて嬰児の目 和知喜八 同齢
壊死の地表樹の手足萌え声の嬰児 八木三日女
柿若葉嬰児明るき方のみ見る 鎌田容克
顎引いて睡り空母を消す嬰児 五十嵐研三
寒明けや嬰児のふぐりいさぎよき 渡辺立男
岩ぶよぶよ嬰児ぶよぶよ地球抱く 野ざらし延男
金雀枝や嬰児は漬物石と同じ重さ 柴田白葉女
月明へ手の指こぞり群れの嬰児 林田紀音夫
乞食の嬰児貌薔薇色や初詣 正雄
洪水や嬰児の声が遥かにあり 薺 次郎
豪雨の壁に涙の嬰児拳出す 林田紀音夫
混み合う銭湯に嬰児と職工の俺は若い 橋本夢道
妻よ一職工も抱けば嬰児がやわらかい 橋本夢道
雑草の夏や嬰児の墓如何に 鈴木六林男 谷間の旗
指吸う嬰児の軒近くきた霊柩車 林田紀音夫
若竹の風を見て居る嬰児の瞳 長谷川かな女 牡 丹
首夏の濤嬰児ぴんぴん喜ぶよ 辻田克巳
秋の涯で手渡している白き嬰児 細谷源二
秋もはや日輪すずし嬰児を抱く 飯田蛇笏 春蘭
秋燕や嬰児籠に泣く赤ん坊 村上しゅら
淑気満つ源氏嬰児いだく絵も 堀口星眠 青葉木菟
春は嬰児をみがきあげては抱き歩む 柴田白葉女
春昼の盥に満ちて嬰児の四肢 山崎ひさを
初泣きの嬰児そのまゝ初笑ひ 大久保九山人
初蝶は嬰児の聲に飛びにけり 池内友次郎
初電車嬰児誰れにも手を伸べて 河野南畦
女郎花寺に嬰児の声すなり 高野一荷
神のごとく嬰児金魚に畏れけり 下村槐太 天涯
辛夷咲く空へ嬰児の掌を開く 有馬朗人 母国
睡りつつ他界を覗く嬰児かな 藤原月彦
青き踏む嬰児嬰児の重さにて 塩川雄三
青梅が闇にびつしり泣く嬰児 三鬼
青葉月嬰児泣くバスが疾走す 松村蒼石 雪
切株に嬰児拓地のうろこ雲 津田清子 礼 拝
雪の香に炉辺の嬰児を抱きて出ぬ 飯田蛇笏
雪衣(ヤッケ)着し夫婦夫は嬰児抱く 滝 春一
雪掻の嬰児籠育ちの人ばかり 斉藤夏風
戦どこかに深夜水のむ嬰児立つ 赤尾兜子
銭湯で嬰児よまた資本主義社会に育ちゆけ 橋本夢道
銭湯に嬰児を抱え俺の手がでかすぎる 橋本夢道
地下道の嬰児の声にわれ汗す 原田種茅 径
吊り革を握つて十三夜の嬰児 細井啓司
天高き四方へ嬰児の睫向く 池内友次郎
冬の霧舟に嬰児のこゑおこる 加藤楸邨
湯浴する嬰児のこぶし室の花 渡辺白峰
二タ月の嬰児賀客として迎ふ 伊藤いと子
乳足りて嬰児の小ごゑ実南天 橋本郁子
梅の陽と北風に嬰児のもの晒す 鈴木六林男 第三突堤
梅雨さむく嬰児哭けるはいつしんに 岸風三楼 往来
白木槿嬰児も空を見ることあり 綾子 (太郎生る)
髪黒と嬰児まどろむひつじ草 文挟夫佐恵 遠い橋
髭武者が嬰児(やや)抱く桃の如きとや 筑紫磐井 婆伽梵
風車嬰児の笑ひくるしくなる 原田種茅 径
母子寮に足汚れたる嬰児の死 三谷昭 獣身
砲弾の風靡に嬰児泣いてゐる 齋藤玄 『舎木』『飛雪』
蜜柑すゝる嬰児を抱き母も飢ゆ 岸風三楼 往来
眠る嬰児水あげてゐる薔薇のごとし 飯田龍太
霧氷林嬰児が泣きて華やげり 大類孝子
野分に瞳あげそのまま嬰児睡り落つ 上野さち子
友禅のをんなのごとき小袖着て嬰児は瓶の底にしづみぬ 木下利玄
幼子が嬰児を見てゐる夜の秋 水浜青大
乱の夜の嬰児しずかに星を統ぶ 須藤 徹
冷麦すゝるよ嬰児の日を経し子の蹠 磯貝碧蹄館 握手
連翹や嬰児はじめて雲に会ふ 神尾季羊
蓼の紅火のつくごとく嬰児泣く 阿部みどり女
蝌蚪が尾をふれあふ嬰児背にねむり 斉藤夏風
鐵臭いわが掌の嬰児かかる社会を知らず 橋本夢道
鴉の咳ごとに嬰児の首洗う 赤尾兜子

【みどりご】

すみに澄む旱の海上にみどりご 八木原祐計
みどりごに貝ほどの舌山笑ふ 辻美奈子
みどりごに大き産着や淑気満つ 辻美奈子
みどりごに名のつくまへの白障子 青木文恵
みどりごに毛糸編む幸もらひけり 平野 伸子
みどりごに腕つかまるる冷房車 佐々木元嗣
みどりごのあやつり歩き貝割菜 文挟夫佐恵
みどりごのいまだ見ぬ雪降るを待つ 佐野美智
みどりごのかろさぬくとさきちきちとぶ 伊藤いと子
みどりごのこぶしのなかも花ぐもる 齋藤玄 『舎木』『飛雪』
みどりごのこぶしもねむるかたつむり 三嶋 隆英
みどりごのてのひらさくらじめりかな 野中 亮介
みどりごの寒き山茶花掃くべかり 斎藤玄
みどりごの顔いつぱいのくさめかな 佐々木良子
みどりごの顔そこにある昼寝覚 山下 広
みどりごの指萌えてゐる涅槃雪 斎藤玄
みどりごの目に小鳥来し別れかな 相馬遷子 山河
みどりごは泣きつつ目ざむひえびえと北半球にあさがほひらき 高野公彦
みどりごは焼野にめつむり羽毛を降らす 夏石番矢
みどりごも七草爪といふことを 西村和子
みどりごをイエスの前に昼寝さす 有馬朗人 知命
みどりごをつつみにくるよかげろふは 斎藤玄
みどりごをつつみに来るよかげろふは 斎藤玄
みどりごを花弁包みにクリスマス 中戸川朝人
わがみどりご声たしかなり蛙の夜 林翔 和紙
花下の母「さくらさくら」をみどりごに 林翔
鼓動ごとみどりごを抱き明易し 仙田洋子
色なき風命名まへのみどりごに 辻美奈子
窓にさすつきかげに寒さつのりつつ泣くみどりごに妻はいらだつ 大河原惇行
霜夜みどりご主に似姿の熟睡や 大高弘達
地の果ての光の網よみどりごよ 夏石番矢
湯あがりのみどりご重し夕木槿 羽部佐代子
日と薔薇とみどりご神も在すごとし 佐野美智
白絹につつむみどりご夕桜 加倉井秋を
百年は生きよみどりご春の月 仙田 洋子
父の梢に涙のみどりごがそよぐ 林田紀音夫
泡の言葉のみどりご鉄の夜気びつしり 林田紀音夫
涼しさやみどりごの振る鈴の音 上田圭子
涼風にみどりごの息つまるばかり 山本歩禅
連翹やみどりごは尿高くあげ 朝倉 和江
翅たたみ眠るみどりご流れ星 遠山陽子

【新生児】

永日や新生児室楽流れ 佐藤美恵子
初秋や名札を足に新生児 斎藤志津子
新生児あまた並びて神還る 辻美奈子
新生児の手首に名札小鳥来る 中川靖子
新生児室に白一色の新春来る 斉藤夏風
新生児室白妙に春立つ日 町田しげき
新生児二十三人ゐて淑気 都筑智子
新生児白一色の夏衣 山田登美子


【キッド】

キッド観てひとり師走の涙かな 岸田稚魚

【小わっぱ】

バス囃す小わっぱどもや独活の花 富安風生
バス囃す小わつぱどもや独活の花 富安風生
小わつぱのちさき争ひ空つ風 上村占魚 鮎
小わつぱの舟に棹さす浮巣かな 富安風生

【小童】

一つとりしえびがにを手にいきみゐる小童よ勁く大きく育てよ 五島美代子
三日はや小童が足袋破れ初む 石塚友二 光塵
小童の高野下りや草の花 角田竹冷
新籾の山になだるる小童 飯田蛇笏 雪峡

【水子】

かなかなや諸仏の中の水子仏 斉藤夏風
さばしりて巌濡らす水子持鯊 山崎柿郷
押しくら饅頭これは湖底の水子たち 高野ムツオ 雲雀の血
虎落笛水子かへせと繰りかへす 保坂敏子
渋谷十二時わたしは顔のない水子 高野ムツオ 蟲の王
春荒に泣くや水子の風ぐるま 千代田葛彦
春風や頭ふれあう水子たち 江里昭彦 ロマンチック・ラブ・イデオ口ギー
春満月水子も夢を見る頃ぞ 保坂敏子
水子の手結んでひらく春の闇 高野ムツオ 雲雀の血
水子らがゆすり搖れるよ赤まんま 坪内稔典
生涯に水子一人や桜桃忌 黒木 胖
雪女郎水子の寺へ立寄れり 高橋克郎
賑はひを外れて水子に除夜詣 山田節子
日向水子にも遣はせ吾もつかふ 岡田万堂
薄氷か紙の水子か紙漉場 百合山羽公 寒雁
漂ひて水子詣りの白日傘 荒井正隆
貧農の水子を喰ひに蛭泳ぐ 角川春樹
簿水子祭の扇かざしけり 後藤夜半 翠黛
埋めたての水子を掘りに雪をんな 木内彰志
綿入れを被てゐる水子地蔵かな 谷口和子
朧夜の猫が水子の声を出す 飯田龍太

【幼子】

うらゝかの幼子ころび泣きにけり 高橋淡路女 梶の葉
ほのと幼子ひぐらしの東大寺 原田喬
われ蝌蚪となり幼子の手の中に 松村蒼石 雪
鬼やんま見しこと幼子に話す 原田喬
櫛さして寝し幼子や星祭 佐野青陽人 天の川
枯野ゆく幼子絶えず言葉欲り 馬場移公子
笹鳴や幼子がわが門にゐて 原田喬
春の霜幼子黙す別れかな 相馬遷子 山国
聖夜眠る幼子いとし父サンタ 今泉貞鳳
息白く幼子の智恵まとひつく 松村蒼石 春霰
大花野幼子の背に陽の翼 吉原文音
鳥追のもうひと囃し幼子に 塩原 傅
白桃を睨み幼子ひとり立つ 原田喬
筆始幼子にして大書せり 渡邉秋男
毛帽子の幼子の瞳に青空あり 有働亨 汐路
幼子が嬰児を見てゐる夜の秋 水浜青大
幼子と話す亥の子の赤火鉢 長谷川かな女
幼子に言葉の殖えて小鳥来る 高野 教子
幼子に叱られ詫びて冬ぬくし 岡本眸
幼子のいつか手を曳き夜の秋 飯田龍太
幼子のかたことばなし十三夜 今井千鶴子
幼子のひとりの消えし蝌蚪のくに 坂井三輪
幼子のひとりは背負ひ秋の浜 飯田龍太
幼子のまづ手足よりの昼寝かな 谷口桂子
幼子の遠くは飛ばぬ雪礫 仲佐方二
幼子の絵文をのぞく雪女郎 飯田龍太
幼子の金魚に化けたる夢見たり 谷活東
幼子の靴を増やして三が日 篠原ノリ子
幼子の高さで見つむ蜻蛉かな 谷口桂子
幼子の子犬とまろぶ春の土 藤井寿江子
幼子の死に雲ふかし落葉降る 飯田蛇笏 椿花集
幼子の手の腥き春の空 飯島晴子
幼子の少女となれる花の鬱 百瀬美津
幼子の触れて驚く含羞草 山根きぬえ
幼子の声の大きくばつた飛ぶ 町田一雄
幼子の素足アジアの秋の風 高澤晶子
幼子の墓の水濃き夏蚕村 飯島晴子
幼子の満面つばめ帰りけり 原田喬
幼子の泪すぐ消ゆ春の虹 大串章
幼子はいつも小走り夏座敷 谷口桂子
幼子も雨を見てをり寒桜 原田喬
幼子や花火戻りを背に寐たる 高橋淡路女
幼子や青きを踏みし足の裏 正岡子規
幼子よ地に水氷るこれが冬 肥田埜勝美
幼子を受け止め春の土柔く 稲畑廣太郎
幼子を春の日だまりごと抱く 市川よしか
幼子を預る一ト日冬霞 関口栄子

【幼年】

こゝに眠る幼年の核、日を王水に游がし 加藤郁乎
ひら仮名のかなかな啼かせ幼年のかはたれどきの海彦いづこ 辺見じゅん
遠景はいつも幼年いわし雲 対馬康子 愛国
花種を蒔く幼年の土くれに 対馬康子 吾亦紅
泣癖のわが幼年を背に揺すり激しく尿る若き叔母上 高柳重信
幼年が虹を見ており立ち止り 鈴木六林男 悪霊
幼年のわれに祖父あり鶏合せ 佐藤鬼房
幼年や隠して植えるたばこぐさ 安井浩司 阿父学
幼年時代濃くなつて早稲匂ふかな 栗林千津

【幼女】

スケートに幼女を送る空すこし 林田紀音夫
スケートヘ幼女を送る空すこし 林田紀音夫
暗い昔の砂を幼女の手に移す 林田紀音夫
終日の雨まなうらに鬼形の幼女 林田紀音夫
晴着来て幼女はなやぐ小正月 矢部宮居
草木瓜や幼女の尿またゝく間 殿村莵絲子 雨 月
霜晨や富士見る幼女うちふるへ 渡邊水巴 富士
村を発つ幼女は花のアノラック 成田千空
跳ぶ幼女水かげろふの向岸 佐藤鬼房 鳥食
冬蝶と仮寝してゐる幼女かな 齋藤愼爾
百の幼女ほしがる桃とそして銀 阿部完市 春日朝歌
父の手を離さぬ幼女秋の海 西尾一
風になつた幼女ポプラにまぎれ泣く 林田紀音夫
風の梢にねむる幼女の鈴かかる 林田紀音夫
幼女にも乳当てつきし水着かな 今泉貞鳳
幼女も病むさびしさに遭い今日終る 鈴木六林男
幼女早や内股あるき雪催 秋元不死男



以上

by 575fudemakase | 2022-05-10 08:19 | ブログ


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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