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山藤

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写真 Yamaki Takasaki




例句を挙げる。

いち行書き白藤ろうそく立て白藤 阿部完市 春日朝歌
かへりみてなど藤棚のあるべしや 中村汀女
かや吊り草葛城山は黒き山 藤田あけ烏 赤松
けものの眼ぴかぴかと夜も笑ふ山 藤本草四郎
さそり座の尾の刺さりたる芒山 藤田あけ烏 赤松
ほぐれんとする藤房の下にをり 直人
むらさきに隣る白藤見えわたる 下村槐太 光背
やはらかき藤房の尖額に来る 橋本多佳子
ビ口ードの虻ビ口ードの白藤に 星野立子
一つ長き夜の藤房をまのあたり 高濱年尾 年尾句集
余花の淵山藤の瀬と舟をやる 高濱年尾 年尾句集
先細りして藤房をなせりけり 明石洋子
円居から抜けてそれぞれ白藤ヘ 中田剛 珠樹以後
夕ごゝろ藤浪は風立てりけり 清水基吉 寒蕭々
存問の雨の藤房したたれり 青木重行
実をはじかんと藤棚が時を待つ 廣瀬直人
客船のゆつくりよぎる枯木山 藤井寿江子
寒雁のこゑの触れたる畝傍山 藤田あけ烏 赤松
山葵田へ山藤花を垂れにけり 伊東宏晃
山藤が山藤を吐きつづけおり 五島高資
山藤が散つたと肉親のように 末永有紀
山藤とおぼしきが垂れ向ひ山 高澤良一 素抱
山藤と思ふ車窓の吉野まで 坊城中子
山藤に木々がそよげる日なりけり 高木晴子 花 季
山藤に着ききし虫を飼ひにけり 阿部みどり女 『陽炎』
山藤に虹の念仏の途切れなし 橋本美代子
山藤のうすむらさきにじゃれる虻 高澤良一 素抱
山藤のおどろに懸りたるところ 高濱年尾 年尾句集
山藤のけむりのごとく咲き古ぶ 宮津昭彦
山藤のこぼるる畦を塗りをへて 橋本鶏二 年輪
山藤のむらさき散り込む魚道あり 高澤良一 素抱
山藤のもとのゆがみを机かな 向井去来
山藤の一と房を手に淡しと思ふ 高濱年尾 年尾句集
山藤の夕藤となり奥の院 奈良文夫
山藤の房の短かき奥信濃 細見綾子 黄 瀬
山藤の短き房を活けにけり 楠目橙黄子 橙圃
山藤の蔓はね上がる冬日かな 岸本尚毅 選集「氷」
山藤の雲がかりしてさきにけり 飯田蛇笏 春蘭
山藤の風すこし吹くさかりかな 飯田蛇笏 山廬集
山藤の香や香水は十円と 岡田史乃
山藤は山藤を吐きつづけおり 五島高資
山藤も借景寺苑に水の音 望月紫晃
山藤や佐渡に水替無宿人 徳生玲子
山藤や短き房の花ざかり 正岡子規
山藤をくぐりて方位やや狂ふ 橋本美代子
山藤を指しては山に深く入る 成海 静
峰の藤房大ゆれは濃し陣痛くる 加藤知世子 花寂び
峰入りの法螺聞えけり秋の山 藤田あけ烏 赤松
庭荒れて白藤棚にあふれたり 松本たかし
手の届く低き藤棚存しあり 後藤夜半 底紅
手をかざす我に藤房揺れ応へ 高濱年尾 年尾句集
散りつくしたる藤棚の高々と 渡辺柔子
新盆や切子藤浪興丘衛作 久保田万太郎 流寓抄
時鳥御山白藤玉や垂る 久米正雄 返り花
晩涼や藤棚広き立場茶屋 田中冬二 俳句拾遺
松に垂るる白藤が白鬚の明神の松 荻原井泉水
枯菊やつむりふたつの二上山 藤田あけ烏 赤松
梅雨に入り藤棚の下人もなく 田中裕明 山信
正座して白藤の冷えおよびけり きくちつねこ
死者たちの時間藤房揺るるのみ 奥坂まや
池にある藤棚低く花の宿 高木晴子 晴居
波返し打つ間拍子を藤浪す 内田百間 新輯百鬼園俳句帖
浅き夜の白藤濡らし雨通ふ 神尾久美子 掌
海霧が来てあらぬ白藤滂沱たり 文挟夫佐恵 雨 月
湖一様の波となる咲き浸る藤房 安斎櫻[カイ]子
激流に短か藤房花終る 山口誓子 青銅
濡れ通しの崖に白藤父逝けり 鍵和田釉子
熊ん蜂狂い藤房明日は果つ 西東三鬼
白藤には白きひかりの夕日射 飯田龍太
白藤に一*ちゅうの香をたてまつる 西島麦南 人音
白藤に夕水ふかき藍のいろ 白葉女
白藤に相信じゐて言寡な 柴田白葉女 遠い橋
白藤に立ち訝しく見られゐる 『定本石橋秀野句文集』
白藤に雨すこし池澄みにけり 室生犀星 魚眠洞發句集
白藤のあるじゆゝしや庭あるき 尾崎紅葉
白藤のせつなきまでに重き房かかる力に人恋へといふ 米川千嘉子
白藤のほとりと落ちし泉かな 柴田白葉女
白藤のゆるゝ中なり母の顔 瀧澤伊代次
白藤のよよと零れて行きどまり 西村和子 かりそめならず
白藤の垣間明りに朝鏡 石原舟月
白藤の小さな駅におりにけり 頓所 八重子
白藤の白に嫁ぐ日決まりけり 市村季子
白藤の眩しき雨となりにけり 中田剛 珠樹以後
白藤の蕾はうすき~緑 佐野青陽人 天の川
白藤は水田のひかり得て咲けり 佐川広治
白藤やいく世音を断つ琵琶一つ 桂樟蹊子
白藤や下駄箱の蓋しまりきらず 加倉井秋を 午後の窓
白藤や代々の女の伏瞼 香西照雄 対話
白藤や城落ちし跡何もなし 北野民雄
白藤や小瀧の橋の朱欄干 泉鏡花
白藤や揺りやみしかばうすみどり 芝不器男(1903-30)
白藤や淋しからねど唯あるく 『定本石橋秀野句文集』
白藤や火の粉はげしき杣の風呂 大峯あきら 鳥道
白藤や猶さかのぼる淵の鮎 高井几董
白藤や雫に鯉の浮世がほ 中村史邦
白藤や頬ばれひかぬ奈良二日 横光利一
白藤や風に吹かるる天の川 巴人
白藤や黒き漆の蜂一つ 後藤夜半 底紅
白藤真盛りただただ遠国は石原 阿部完市 春日朝歌
相対死あるや藤房あふれしめ 宮野三八子
秋深き影藤棚の下広く 高浜年尾
秋風や藤棚の下ひろびろと 辻桃子
稲淵の梟よ日の柞(ははそ)山 藤田あけ烏 赤松
老鶯や白藤垂るる御扉 橋本鶏二 年輪
脳天に白藤そよぐわかれかな 塚本邦雄 甘露
花了へし藤棚に風狂ひたり 西村和子 かりそめならず
葉ばかりの藤棚暗し寺の縁 吉屋信子
薪馬や藤房つけて岨の道 鈴鹿野風呂 浜木綿
藁屋根に藤房が臥て犬も留守 香西照雄 素心
藤房にふれさせて行く肩車 大野花子
藤房に水の円光絶えまなし 島田みつ子
藤房のくるめくかげり胸を染む 石原八束 空の渚
藤房のせつなき丈となりしかな 片山由美子 水精 以後
藤房のはじめはけぶりゐたりけり 大木あまり 雲の塔
藤房のゆれて硝子の音立てぬ 中嶋秀子
藤房の中に門灯点りけり 深見けん二
藤房の定型雨をしたたらす 今瀬剛一
藤房の幼きは反り衣川 鬼房
藤房の揺れが止まればまた独り 三好潤子
藤房の揺れる長さの違ふ風 稲畑汀子
藤房の末より含む曙の色 久米正雄 返り花
藤房の白光放ちつつこぼる 河本好恵
藤房の盛り上がらむとしては垂れ 鷹羽狩行
藤房の等間隔といふしじま 山田諒子
藤房の蕾はいまだ風のなか 都筑智子
藤房の途中がピクと動きたり 永田耕衣 吹毛集
藤房の重さ等しく垂れにけり 佐野たけ子
藤房は力尽きたる祭かな 石田勝彦 秋興
藤房やもゆる嫩葉もなよやかに 西山泊雲 泊雲句集
藤房や傘さして安住敦来る 館岡沙緻
藤房をくぐる姿勢に前もつて 加倉井秋を 午後の窓
藤房をゆらしてゆるき時流る 大屋達治 龍宮
藤房を妻の手に載す平かに 石川桂郎 含羞
藤房を長く垂らして零落す 木村蕪城
藤房重し子生まぬ式部のめくら跳び 仁平勝 花盗人
藤棚に入りたる日傘もてあそぶ 高濱年尾 年尾句集
藤棚に凌げぬ雨となりにけり 平木谷水
藤棚に斜面屋根裏の病臥いかに 香西照雄 素心
藤棚に暗き鏡や髪むすぶ 龍胆 長谷川かな女
藤棚に月よく動く初嵐 立子
藤棚に藤波なして返り咲き 竹下しづの女 [はやて]
藤棚に風きりたてのうなゐ髪 大石悦子
藤棚に風海からも山からも 永田蘇水
藤棚のうへからぬける落ばかな 炭 太祇 太祇句選後篇
藤棚のくづれかゝりぬ春の雹 龍胆 長谷川かな女
藤棚の上をするどき風通る 大屋達治 龍宮
藤棚の下で死んでもいいと言う 大西泰世 世紀末の小町
藤棚の下に商ひをりしかな 高島 みどり
藤棚の下に安らぎ秋惜しむ 鈴木真砂女
藤棚の下に来てゐる汀かな 山本京童
藤棚の下の浄土のこみ合へり 横山白虹
藤棚の下は濡れざるほどの雨 小坂蛍泉
藤棚の下白藤の影みちぬ 中田剛 珠樹以後
藤棚の日のおとろへや冬隣 升本行洋
藤棚の暗部雫を零しけり 高澤良一 鳩信
藤棚の柱は御影石をもて 高濱年尾 年尾句集
藤棚の箒目のある潦 西本一都 景色
藤棚の花のこぼるゝ子供の日 今井杏太郎
藤棚の花の了りはなつかしき 黒田杏子 木の椅子
藤棚の藤がひらひら咲きにけり 今井杏太郎
藤棚の蜂逸れ来る二階かな 会津八一
藤棚の遠き賑い眠り欲し 徳弘純 非望
藤棚の青葉の厚くなりにけり 青葉三角草
藤棚の風は紫にて候 山下しげ人
藤棚も枯山吹も剪みあり 高野素十
藤棚も渡して庭の池の橋 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
藤棚やうつけて数ふ泥亀を 『定本石橋秀野句文集』
藤棚やはやをととしのこと話す 中山純子 沙羅
藤棚や佐渡を隠して凪ぎわたる(越後柏崎天京荘泊) 上村占魚 『石の犬』
藤棚や池の小すみの杜若 美魚 四 月 月別句集「韻塞」
藤棚や洩れ日ゆらめきそよぐ花 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
藤棚や雨に紫末濃なる 鏡花
藤棚をあふるる蔓や地蔵盆 藺草慶子
藤棚をはづれて雲や後の月 長谷川かな女
藤棚を透かす微光の奥も藤 長谷川かな女 花 季
藤浪に雨かぜの夜の匂ひけり 普羅
藤浪に鶚は得たりいらご崎 服部嵐雪
藤浪の呪詛(しゅそ)に苦しむ御寵愛 筑紫磐井 婆伽梵
藤浪の夕づく翳り置きにけり 伊東宏晃
藤浪はたてひざで泳ぐ祖母の遺言 仁平勝 花盗人
藤浪は粗く細かく光跳ね 高澤良一 随笑
藤浪や其下草の客の数 尾崎紅葉
藤浪や女棹す袖長し 尾崎紅葉
藤浪や嫁して項の見ゆる髪 鳥居美智子
藤浪や虻の群りすさまじく 野村喜舟 小石川
藤浪や街道に亡き影うごく 小池文子 巴里蕭条
裏縁にすぐ藤浪のかかる山 松本たかし
走りきし霧藤房の吐息となる 渋谷道
野の萩や安達太良にある乳首山 藤田あけ烏 赤松
鏘々と藤房鳴りて蜂迷ふ 津田清子 礼 拝
頬近く藤房垂るゝ雨宿り 高濱年尾 年尾句集
高き樹を纒く藤房の素性知れず 津田清子 二人称
魁けて山藤黄葉雷雨急 阿部みどり女
黄落の藤棚からも散りにけり 古舘曹人 樹下石上
藤咲て田中の松も見られけり 高井几董
藤白し祭それゆく町の川 原裕
藤垂れて病室まぎれなくにほふ 飯田龍太
藤垂れて紙漉くひとりふたり見ゆ 相生垣瓜人
人に遠く藤咲きこぼれ二月堂 岡本松濱
藤咲いて碓氷の水の冷たさよ 臼田亜浪
藤垂れて春蚕はねむりさめにけり 加藤楸邨
藤垂れて今宵の船も波なけん 高浜虚子
藤垂れて筏流しの難所こゝ 日置草崖
藤白し祭それゆく町の川 原 裕
藤垂れてむらさきに淵よみがへる 原裕 『青垣』
千歳藤咲けど歳々人去りぬ 石原八束 『藍微塵』
藤垂れて化膿する鉤裂きの肩 仁平勝 花盗人
古池や藤咲きたれてゐもり浮く 松本たかし
藤垂れて立夏の急雨到りけり 臼田亜浪
藤垂れて水神の空むらさきに 原 裕
その先はけむる如くに藤咲けり 平手むつ子
引力に諾々として藤垂るる 伊藤瓔子
女の心触れあうてゐて藤垂るる 桂 信子
寧楽山は藤咲けるなりくもれども 水原秋櫻子
藤咲くや瀬がしらはしるあめの魚 水原秋櫻子
藤咲いて身に添ふ風も藤いろに 渡邊千枝子
来て見れば人に売る家の藤咲けり 及川 貞
藤咲くや遡りつめたる谿の鮠 内山 亜川
藤垂れて紙漉くひとりふたり見ゆ 相生垣瓜人
藤垂れて病室まぎれなくにほふ 飯田龍太
藤咲いて碓氷の水の冷たさよ 臼田亜浪
寧楽山は藤咲けるなりくもれども 水原秋桜子
藤垂れてわが誕生日むらさきに 山口青邨
藤垂れて水神の空むらさきに 裕
藤垂れて病室まぎれなくにほふ 龍太
藤垂れて紙漉くひとりふたり見ゆ 瓜人
藤垂れて貴船路の春逡巡と 風生
藤咲いて碓氷の水の冷たさよ 亜浪
藤垂れて深夜崖なす白襖 栗生純夫
抱卵の白鳥に藤垂るるなり 中込誠子
藤咲いて子守の帯は重からむ 桑原三郎 春亂
藤垂れてこの世のものの老婆佇つ 三橋鷹女
藤垂れて春蚕はねむりさめにけり 加藤楸邨
こちらむけ海老売女藤白し 自笑
藤垂れてこの世のものの老婆佇つ 三橋鷹女
旬日に地を擦るならめ藤垂るる 岩崎照子
闇のなか闇をただして藤垂るる 宮津昭彦
住み古りていまも軍港藤咲けり 下田稔
藤咲くとゐもり流れて遊びをり 上野さち子
恩寵の如し藤咲き満ちたるは 石塚友二
藤垂れそむ不安を芯として生き抜く 千代田葛彦
瀬を見ても酔ふ人の旅に藤垂れて 久米正雄 返り花
ふかき谿夏藤垂れて甲斐境 及川貞 夕焼
来て見ればひとに売る家の藤咲けり 及川貞 夕焼
夫婦とも片親そだち藤咲けり 成瀬桜桃子 風色
藤垂れて傘下一切水の音 古舘曹人 能登の蛙
藤垂れそむ不安を芯として生き抜く 千代田葛彦 旅人木
闇に藤咲けり腕をだして睡る 千代田葛彦 旅人木
藤垂れて紙漉くひとりふたり見ゆ 相生垣瓜人 微茫集
ほつ~と藤咲きそめて雨を呼び 大場白水郎 散木集
妻なげくのちの眼あぐる藤咲けり 清水基吉 寒蕭々
誘はるる藤咲くと聞き奈良と聞き 稲畑汀子 春光
瀬を見ても酔ふ人の旅に藤垂れて 久米正雄 返り花
藤咲ける襞も夜明くる浅間山 前田普羅 春寒浅間山
藤咲きぬ日曜の子等起き出でず 佐野青陽人 天の川
人に遠く藤咲きこぼれ二月堂 岡本松浜 白菊
藤咲けり杖に縋りてもよろめくか 小林康治 四季貧窮
藤咲きて海も日毎に紺まさる 山口波津女 良人
藤垂れて印旛沼舟をひとつ置けり 岸風三楼 往来
藤垂れて太幹壁のごときかな 橋本鶏二 年輪
檻の天より藤垂れ獅子を懐柔す 津田清子
藤咲くや母に仕へし日の浅く 神尾久美子 掌
檻の天より藤垂れ獅子を懐柔す 津田清子 礼 拝
藤咲くや暮れてもふかき飛騨の空 古賀まり子 緑の野
藤垂れてたぎらす欝は気づかれず 稲垣きくの 牡 丹
藤垂れてチャペル小暗く人いのる 柴田白葉女 遠い橋
藤咲くや妻なき人の紺絣 柴田白葉女 遠い橋
女の心触れあうてゐて藤垂るる 桂信子 黄 瀬
藤垂れて水神の空むらさきに 原裕 青垣
藤垂れてむらさきに淵よみがへる 原裕 青垣
来て見ればひとに売る家の藤咲けり 及川貞 榧の實
下京や藤咲く頃の貸二階 会津八一
藤咲くや海ヘ落込む石清水 会津八一
藤垂れてこの世のものの老婆佇つ 三橋鷹女
素足まだ廊になじまず藤咲けり 馬場移公子
藤咲くや水をゆたかにつかひ馴れ 馬場移公子
来て見ればひとに売る家の藤咲けり 及川貞
藤咲いて死後のわれゐる潦 栗林千津
いづこかに藤咲く日和人厭ふ 朝倉和江
藤咲けり不安を軸のわが命 朝倉和江
藤咲いて海面あるいてゆけさうな 辻桃子
闇のなか闇をただして藤垂るる 宮津昭彦
藤垂れて深夜崖なす白襖 栗生純夫
どこみても病人ばかり藤咲ける 久保田万太郎 流寓抄以後
藤咲いて天のしづけさ垂れにけり 鷲谷七菜子 游影
喪にこもる藤咲きいでしさへ知らず 久保田万太郎 流寓抄
藤垂れて立夏の急雨到りけり 臼田亞浪 定本亜浪句集
藤咲いて碓氷の水の冷たさよ 臼田亞浪 定本亜浪句集
藤咲くや日もうらうらと奈良の町 芥川龍之介
藤咲くや遠山うつす池の水 井上井月
藤咲きぬ林あかるく風あふれ 水原秋櫻子
花ちりて藤咲までは茶屋淋し 井原西鶴
あそびたい心のなりや藤の花 千代尼
いま更に萎えて悔いなし藤の花 弓削正寛
おそろしのよりやもどりて藤の花 千代尼
くたびれて宿かるころや藤の花 芭蕉
しなへよく畳へ置くや藤の花 太祇
すぐ乾く硯を置けり藤の花 楠目橙黄子 橙圃
とびとびの時間の見ゆる藤の花 磯貝碧蹄館
ながからむ妻の祈りや藤の花 齋藤玄 飛雪
ひとりづつ来る抜け道や藤の花 石田郷子
ひと筆に文をむすびて藤の花 佐藤美恵子
へだたるにまかす恋あり藤の花 仙田洋子 雲は王冠
ほととぎす宿借るころの藤の花 松尾芭蕉
やまめ焼く宿忘れめや藤の花 室生犀星 魚眠洞發句集
ゆく春のうしろ姿か藤の花 去来妻-可南 俳諧撰集玉藻集
一頻の春静まつて藤の花 馬南
二階までのびて床屋の藤の花 林 康子
亡き父に風のややうごく藤の花 工藤厚子
亢龍の悔いをさとるか藤の花 水田正秀
仙人のふぐりに触れむ藤の花 三浦北曲
傘さして見えぬところも藤の花 依光陽子
児の死顔端正と見つ藤の花 中塚一碧樓
南無観世音 藤の花はようらく風のふく 荻原井泉水
地にとどく願ひはやすし藤の花 千代尼
城山に風のくぐもる藤の花 吉田 二葉
夕声に犬が犬呼ぶ藤の花 二村典子
大炊の日出たき顔や藤の花 斯波園女
大鯉が立つて跳ねたり藤の花 茨木和生 遠つ川
妻何に痩せて見に立つ藤の花 清水基吉 寒蕭々
山もとに米踏む音や藤の花 蕪村
山口の昏るるに間ある藤の花 松村蒼石 寒鶯抄
巌へ刻りし仏の美目や藤の花 尾崎迷堂 孤輪
更衣草庵藤の花ざかり 岡本松浜 白菊
正装の老婆を襲う藤の花 夏石番矢 楽浪
水かさに車はげしや藤の花 多代女
水暮れて風の重たし藤の花 浅沼艸月
水漬くべし汀の藤の花なれば 下村梅子
海へ雲高く出てゆく藤の花 松林朝蒼
物がたり読さして見る藤の花 加舎白雄
狼のによろりと出るや藤の花 荒雀 俳諧撰集「有磯海」
瓶にさす藤の花ぶさみじかければたゝみの上にとゞかざりけり 正岡子規
磯山の松にのぼれる藤の花 高澤良一 さざなみやっこ
禰宜の子の烏帽子つけたり藤の花 夏目漱石 明治三十一年
立ち去ればまだ日は高し藤の花 蓼太
立去ればまだ日は高し藤の花 蓼太
笹原や何にすがりて藤の花 会津八一
篁や小竹桃ませ藤の花 西山泊雲 泊雲句集
縁なるかなむすばぬ水に藤の花 安昌 選集「板東太郎」
茫と山惚と沼あり藤の花 小川昇一
草臥れて宿かるころや頃や藤の花 松尾芭蕉
落ちかかる石を抱えて藤の花 正岡子規
蓑虫のさがりはじめつ藤の花 去来
藤の花こぼれて池の水動く 小松世史子
藤の花さざ波に川昏れがたし 櫛原希伊子
藤の花さすや茶摘の荷ひ籠 許六 三 月 月別句集「韻塞」
藤の花とほく煙れる地の涯ゆクローン兵士の死者歩み来る 武藤雅治
藤の花ながうて連(つれ)におくれけり 千代尼
藤の花の体臭を置き詩人逝く 文挟夫佐恵 雨 月
藤の花はなやぐ夜の消ゆるとき 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
藤の花ほつりと夫を待つ日暮 信子
藤の花まゆげほどなり垂れそむる 軽部烏頭子
藤の花アンヌマリイはおさげ編む 小池文子 巴里蕭条
藤の花ミシンの上に置かれたる 横山白虹
藤の花姉女が帯の解けそめし 尾崎紅葉
藤の花幹は遠くにありにけり 塩田章子
藤の花散り敷く筏とはならず 佐々木六戈 百韻反故 冬の皺
藤の花春隠れゆく裾見たり 尾崎紅葉
藤の花昼より雲の風を呼ぶ 上村占魚 鮎
藤の花流れの上に納屋作り 大谷句佛 我は我
藤の花温泉どころの灯の見えにけり 室生犀星 魚眠洞發句集
藤の花産後の顔の睡りをり 澄雄
藤の花西施語ればけぶらへり 田中英子
藤の花西日を背に掃く小庭 上村占魚 鮎
藤の花軒端の苔の老いにけり 芥川龍之介 蕩々帖〔その二〕
藤の花這うていみじき樹齢かな 青畝
藤の花長うして雨ふらんとす 正岡子規(1867-1903)
藤の花雨の匂ひの客迎ふ 角川春樹(1942-)
藤の花風にふじいろ移しつつ 菊池志乃
藤の花風呂の熱きをかき混ぜて 岸本尚毅 選集「氷」
藪畔や穂麦にとどく藤の花 荊口 芭蕉庵小文庫
蜆汁煮ゆるや夢に藤の花 松瀬青々
行春の裾をからげよ藤の花 布立
袖ふるは藤の花かや奈良の京 中勘助
連休の中の平日藤の花 星野恒彦
限りなく仏女身や藤の花 川嶋桃子
頬に触れなまぬるかりし藤の花 草間時彦 櫻山
風中に我が立てり藤の花狂ふ 太田鴻村 穂国
鶯の声もさかるや藤の花 千代尼
鷹の巣の断崖藤の花かけて 山口青邨
頭の中に藤の暗がり垂れ込めぬ( 亀戸天神 ) 高澤良一 鳩信
越天樂奏づるごとく下り藤 高澤良一 鳩信
花房を伝ひて微光下り藤 高澤良一 鳩信
亀戸の煎り豆本舗藤の雨 高澤良一 鳩信
河原石皚々天より下り藤 高澤良一 素抱
藤見事見事とぞとこゑ車中より 高澤良一 素抱

以上


by 575fudemakase | 2022-05-18 17:06 | ブログ


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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《方法1》 残暑 の例句を調べる
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次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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樹令
at 2025-10-24 00:17
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尾山篤二郎 国文学者、歌人 ..
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