島1 の俳句
島1 の俳句
●荒岬
白扇に怒濤ひきよせ荒岬 甲斐すず江
白波と春日漂ふ荒岬 桂 信子
白百合の折れていよいよ荒岬 庄中健吉
老鶯の声の切れとぶ荒岬 上田五千石
萩枯れて波も幾重や荒岬 鈴木真砂女
鰤起し東尋坊の荒岬 仁科歌子
●荒磯崎
●荒磯島
●幾島
●磯つ鼻
早春の空摶つ潮や磯の鼻 石塚友二
●岩鼻
岩鼻に佛刻まん夏の海 会津八一
岩鼻に城下見下す若葉哉 若葉 正岡子規
岩鼻に舟あそばせて栄螺突 手島靖一
岩鼻に蝶の吹かるゝ極暑かな 河野南畦 『花と流氷』
岩鼻に見上げ見下す紅葉哉 紅葉 正岡子規
岩鼻の鷲吹はなつ野分かな 大島蓼太 (りょうた)(1718-1787)
岩鼻まで江の島あるき栄螺焼く 和知喜八
岩鼻やここにも一人月の客 去 来
岩鼻や千鳥を上げて冬の浪 島村元句集
岩鼻や寒烏賊釣の置篝 吉田冬葉
岩鼻や月夜に光る狐の尾 高橋今朝男
岩鼻や眞向に細き鹿の尻 鹿 正岡子規
岩鼻や葡萄終りし地の傾斜 徳弘純 麦のほとり 以後
岩鼻や靡きとほしの萩芒 松藤夏山 夏山句集
岩鼻を雨撲つて来て野分止む 萩原麦草 麦嵐
猪の岩鼻はしるしくれ哉 時雨 正岡子規
●浮島
かへりみる遠さに春の浮島は 宮坂静生 春の鹿
初霞して浮島の八ヶ岳 長田群青
我こそは浮島守よからすうり 夏石番矢
桜どき天に浮島あるごとし 柿本多映
浮島がまづ枯れ沼辺枯れんとす 岡田日郎
浮島にみごとな松や雛人形 梶山千鶴子
浮島に夏花黄なる気後れがち 成田千空 地霊
浮島のごとく村ある植田かな 横溝昭子
浮島の下り立つ鴫に小揺らぐも 長屋せい子
浮島の伽におはぐろとんぼかな 赤塚五行
浮島の枯れの明るし尉鶲 宮坂静生
浮島へあつまる風や草雲雀 芦沢すみ
浮島も小さき花野なしゐたり 渡部みづえ
浮島や鴫を二日の景として 佐藤鬼房
浮島を鳥翔つ春の浅きかな 辻桃子
石神井の浮巣浮島憂きは老ィ 文挟夫佐恵
●沖の島
*はまなすやすぐ見失ふ沖の島 泉とし子
かかり凧暮光が閉ざす沖の島 角川源義
日ならべて花濃かりけり沖の島 佐野まもる 海郷
日覆舟乗りすてゝあり沖の島 軽部烏帽子 [しどみ]の花
沖の島夏霞して晴れにけり 日野草城
湖の秋や竹嶋沖の島 立花北枝
爽秋の波に漂ひ沖の島 石塚友二
雪雲や波にもまれて沖の島 鈴木真砂女 夕螢
●風岬
*はまなすは人待つ花よ風岬 渡辺恭子「涼しさだけを」
十月の波あきらかに風岬 山田桂三
頬刺しの千連乾く風岬 小池夏子
風岬くらし夕焼の日本海 角川源義 『冬の虹』
●群島
●岬端
ものみな藍の岬端にして干大根 中村草田男
サーフィンや岬端を夜が離れつつ 内山泉子
大南風岬端はもの思ふところ 小野恵美子
岬端にただよふ夕日漁夫帰る 山内遊糸(蘇鉄)
岬端に座礁して蟹ひしめきぬ 脇本星浪
岬端の入日踏まへて大根引 白井新一
岬端の卯浪に狎れて牧場牛 下村ひろし 西陲集
岬端の岩落ちさうに法師蝉 右城暮石
岬端の礁泡だつ雁渡し 伊藤ふみ
岬端の笹鳴死にそこねては 齋藤愼爾
岬端は太初の青ぞキャンプの火 岩瀬 木蘭
岬端は潮曇りして秋深し 佐藤美恵子
岬端へなだるる蘇鉄大南風 野上 水穂
岬端やふりむきざまに冬の虹 岸田稚魚 筍流し
岬端や尾振り颯々寒立馬 池上樵人
岬端や島のあかりの見えて雪 中村祐子
岬端を指呼して雁の別れかな 西村和子 夏帽子
逝く年や松根が支ふ岬端 鍵和田[ゆう]子 未来図
野分撲つ岬端にわれ紙のごとし 林翔 和紙
●小島
いもうととふらんすの小島はとおし 阿部完市 春日朝歌
さざなみを発す囀り満つる小島 香西照雄 素心
しらぬひの筑紫小島の野火けむり 麦南
すゝしさの大島よりも小島哉 涼し 正岡子規
すゝしさや大島小島右左 涼し 正岡子規
はせを忌の小春小島へ目を流す 岸田稚魚
ふるさとの小島の春やおぼすらん 佐藤春夫 能火野人十七音詩抄
万緑をつまみ配せしごと小島 山田弘子 こぶし坂
列島の離れ小島の蝌蚪暴れ 脇本星浪
初島は沖の小島よ実朝忌 遠藤韮城
初汐に松四五本の小島かな 子規句集 虚子・碧梧桐選
初汐の上に灯ともす小島かな 初潮 正岡子規
夏灼けし小島を頼み徒人海女 桂樟蹊子
大島も小島も細し雲の峯 雲の峯 正岡子規
大田螺蛭ヶ小島に角伸ばす 藤原千代子
寒凪の沖の小島ゆ雲に伏す 田中水桜
小島から岡へ五町の渡り鳥 渡り鳥 正岡子規
小島たちが渡つてきた 山てらしの実の赤さだ 吉岡禅寺洞
小島にも裏側ありて磯菜摘む 大向 稔
屋根替の声とぶ蛭ヶ小島かな 鈴木千恵子
峠涼し沖の小島の三年酒 山口素堂
峠涼し沖の小島の見ゆ泊り 素堂「六百番発句合」
新雪やことに小島の一つ松 鍵和田[ゆう]子 武蔵野
春雨に暮れ行く沖の小島哉 春の雨 正岡子規
時雨るゝや隠岐の小島の松黒み 竹冷句鈔 角田竹冷
月の舟や月の小島をとゞめ去り 徳永山冬子
東海の小島の磯の白砂に/われ泣きぬれて/蟹とたはむる 石川啄木
枯れせめぐ蛭ヶ小島の葱の畝 宮津昭彦
汽船過ぎて波よる秋の小島かな 秋 正岡子規
沖の小島を鳶は見てゐる若布刈 中拓夫
潮退きて徒で小島へ初詣 森田 峠
瀬戸の海春の小島を浮かしけり 岩田清司
爆竹や蛭が小島の畑の中 竹冷句鈔 角田竹冷
牛のせて畑打ちに行く小島舟哉 畑打 正岡子規
猫の子のもらはれて来し小島かな 山本洋子
百千鳥伊勢の小島のすべて見ゆ 大峯あきら
眞帆片帆小島小島の紅葉哉 紅葉 正岡子規
祠ある小島かくれし土用波 高橋二三子
笹鳴くや雪駄は小島政二郎 芥川龍之介
縄も居ぬ離れ小島の暑哉 暑 正岡子規
羽をほすや小島の松に離れ鴛 斗文
船つきの小島を控へ鯡小屋 岡野知十
葉柳と南瓜ばかりの小島かな 野村泊月
蛭ケ小島手にとるばかり草萌ゆる 佐野青陽人 天の川
親鸞忌小島は雲を集めたり 鍵和田[ゆう]子 飛鳥
退職近し沖の小島の冬霞 鍵和田[ゆう]子 浮標
連翹や蛭ケ小島は石ばかり 林 徹
霞みけり大島小島真帆片帆 霞 正岡子規
●孤島
かすみ網孤島きらきらきらきらす 永末恵子
したたりの孤島を舟は離れゆく 佐川広治
ひつそりと八丈孤島師走かな 新 文子
まくなぎのぱちぱちあたる孤島かな 永末恵子 発色
むらさきに白夜の孤島火を焚けり 石原八束 白夜の旅人
カーマスートラ探す孤島の貝殻山 八木三日女
全員に傘ゆきわたる孤島かな 永末恵子
冬耕の墓を孤島にしてしまふ 天野みゆき
刈りのこる麦は孤島に似てさびし 福田甲子雄
咲き燃えて灰の渦輪の孤島の薔薇 高柳重信
四月の火を ともして透かす 孤島の海苔 伊丹公子 メキシコ貝
夏潮にふぐりを摶たす孤島かな 秋元不死男「万座」
孤島なる玉石甌穴(ポットホール)の空に鷹 石原八束
孤島にて/不眠の鴉/白くなる 高柳重信
孤島にて浪の呪ひの孤閨の公主 高柳重信
孤島明けて新任教師魚と来る 坪内稔典
守宮鳴く孤島の闇を深めつつ 木下ふみ子
屋上去る孤島を日永にのこすごとく 宮津昭彦
旅の孤島に撃たれた鴨のごと眠る 浜 芳女
来て見れば孤島春待つ入らあり 金箱戈止夫
果樹園がシャツ一枚の俺の孤島 金子兜太 金子兜太句集
校庭の孤島蘇鉄に花咲くも 二村典子
殉教の孤島夜目にも紅桜 原裕 葦牙
白南風や指呼の孤島も流人島 池上樵人
短夜や地図には小さき血の孤島 渡邊水巴 富士
絶海の孤島に浮力つばめ来る 桑原三郎
蟇鳴いて孤島のやうな大藁屋 成田千空「白光」
長い雨季青年だれも孤島もつ 酒井 弘司
雪山の風樹孤島の濤と聴き 福田蓼汀 秋風挽歌
青なつめ母の孤島に降る落日 下向良子
青芝の母の孤島へ這ひ着ける 野中亮介
風すさぶ夜は孤島と目を醒むる 富澤赤黄男
鷹舞って下に孤島となりし村 野末たく二
●岬空
汗の手に奈落のしづむ岬空 松澤昭 神立
清教徒着きし岬の空つ風 仙田洋子 雲は王冠
荒海の岬の空の雲雀かな 野村喜舟 小石川
霜照りの手ぶり贅とす岬空 松澤昭 安曇
●岬鼻
三月の鳶岬鼻を司る 高澤良一 素抱
岬鼻に夕日つかの間寒波来ぬ 伊藤京子
岬鼻に瞽女の道あり冬桜 館岡沙緻
岬鼻に馬の匂へる青嵐 舘岡沙緻
岬鼻ばかり三陸鳥渡る 大畑善昭
岬鼻を目指す女の夏帽子 館岡沙緻
岬鼻を黒潮洗ふ椿かな 深見けん二 日月
春潮満つ暾は岬鼻を廻り込み 日比孝子
潮曇る岬鼻の枇杷熟るる日は 松尾崎明美
初蝶に潮風つよし岬の鼻 福本天心
白ばえて岬の鼻に風もなし 内田百間
蒲公英や岬の鼻飛ぶ男鹿の舟 小林黒石礁
道をしへ岬の鼻に出てゐたり 塩川雄三
麦の芽や西日染まらぬ岬の鼻 河野南畦 湖の森
●岬日和
どこまでも花菜日和の岬日和 本田妙子
●岬宮
岬宮の舞殿閑か寒雀 倉持とし子
岬宮や天草絡む願ひ石 下松 正子
岬宮を遠拝みして沖膾 大橋宵火
岬の宮の落花の下の輪島蜑 高濱年尾 年尾句集
足伸ばし岬の宮へ初詣 小島 雅夫
汐荒の厳し岬の留守の宮 山下美典
●岬山
国果つるここの岬山粧ふに 田元北史
岬山に月沁む寒さ土竜みち 石田阿畏子
岬山に現れて五月の一馬身 野澤節子
岬山のなぞへそのまま葡萄園 下村ひろし 西陲集
岬山の没日より現る鴨の群 関森勝夫
岬山の緑竹にとぶちどりかな 飯田蛇笏 山廬集
岬山の蝶の恋ひたる妹が汗 大屋 達治
岬山の雨に模糊たる花茨 遠藤梧逸
岬山の雨のけむれる桜鯛 石田阿畏子
岬山は萱山にして春の山 清崎敏郎
渾身の蝉音に岬山浮き立てり 関森勝夫
漁火や岬の山は冬を待つ 小鳥幸男
●島浦
くにうみの島の浦凪ぎ漁始 村上唯志
●島隠れ
漁舟つひに初島隠れや磯びらき 及川貞 夕焼
遊船のつゞき曲りて島がくれ 比叡 野村泊月
●島影
しかと見ん秋島影を父祖の地を 高木晴子 花 季
寒泉や島影に鯉とゞまらず 渡邊水巴 富士
島影のよぎりて揺らぎ浮氷 檜紀代
島影の常世に眠り照りかすむ 臼田亞浪 定本亜浪句集
島影の空はつめたし山桜 原田種茅
島影の芙蓉の色に夜が明けし 稲垣みのる
島影の轡並べ来瀬戸の秋 西村和子 かりそめならず
島影は太古に似たり夏霞 佐藤春夫 能火野人十七音詩抄
島影や遠き明治の冬館 角川源義
歯舞の島影仰ぎ昆布干す 平松公代
秋夕凪島影黒く昏れ急ぐ 小川濤美子
若布干す隠岐の島影重ね合ひ 新井悠二
鴫鳴くは島影ならし後の月 水原秋桜子
島の影岩の影秋深みかも 行方克己 知音
暖房がことりと切れて島の影 永末恵子 発色
残雪やつぶての如く島の影 相馬遷子
満月の中島消えて島の影 岸田稚魚 筍流し
●島住まい
島住みになれて鯊釣たのしめり 芹沢江村
島住みのいまも童眸日焼顔 福永耕二
島住みの惨めなる季蓮を掘る 佐野まもる 海郷
島住みの柚子湯に変るレモン風呂 秋光道女
島住みの色を派手なる武者幟 有馬籌子
島住みや長く短かく青瓢 辻桃子
島住や十字架のほとり大根引く 一瀬 昭子
島住居苺の雨がしづかなり 佐野まもる 海郷
●島伝い
青北風や鷹の渡りの島づたひ 辻恵美子
島づたひなどとも思ふ雁の道 八木林之介 青霞集
●島抜け
島抜けし遊女の噺桜貝 柴田南海子
島抜けの磯やとどろく春怒濤 田中俊尾
島抜けの秘史ほろほろと雉の声 宮本よしえ
船室を飛ぶ島抜けの草の絮 八染藍子
草いきれ島抜けのごと小舟あり 近藤ひかる
●島の灯
うそ寒の島の灯や島々の灯や 石塚友二
国生みの島の灯遠く無月かな 川島登志子
夕東風や一つともりし端島の灯 牛島清治
島の灯に船の灯寄りてくる朧 出口孤城
島の灯のいよいよ遠き夜焚舟 藤井昌治(朝)
島の灯の一つは釣瓶落としかな 村上悦子
島の灯の中に母の家帰省かな 武田孝子
島の灯の大きく跳ねて穴子舟 大嶽青児
島の灯の遠くに春の愁かな 植本恵美
島の灯は島の家数年暮るる 西浦一滴
島の灯をかぞえてする戦歌 相原左義長
神島の灯の消え初むや鷹渡る 細井光男
船着いて島の灯となる良夜かな 柿村新樹
行く雁や笠島の灯の朧なる 井上井月
闇涼し漁火島の灯より混み 石井とし夫
●島の人
いつまでも手を振る島の人長閑 椎野 房子
北海の梅雨なき島の人ほがら(禮文島にて) 上村占魚 『方眼』
春めくや畑に立ちたる島の人 大串 章
松島の人住む島の冬がすみ 山口青邨
タロ芋のとてつもなきを掘る島人 高澤良一 随笑
信堅き島人の枇杷熟れそむる 有働 亨
修女また一島人や松露掻く 西田浩洋
健脚の島人に蹤く八重桜 新井みちを
十戒を守る島人麦こがし 宮丸千恵子(春月)
島人が幼ナ遊ばす帰り花 阿知波裕子
島人が来ては昼寝や崖の寺 長谷川櫂 虚空
島人にその日待たるゝ針供養 稲畑汀子
島人に旧教多しクリスマス 香月梅邨
島人に漁火あかき夜の秋 荒川あつし
島人に蘇鉄かがよふお講凪 田中七草
島人に路地神灯る暮春かな 橋本鶏二
島人に陸の汽車ゆく初景色 秋元不死男
島人のうらみの雨や除虫菊 横関俊雄
島人のまなこをひらき海胆を裂く 斎田鳳子
島人のまばらに坐り施餓鬼堂 清崎敏郎
島人のみな荷を負ふや早苗月 山崎冨美子
島人の一会ねんごろ風炉名残 吉羽石外
島人の呉れし浅蜊の呟けり 大串 章
島人の墓やすすきのなだれ入る 太田鴻村 穂国
島人の手に~鎌や墓参 井上兎径子
島人の永久に掬むべき泉かな 上野泰(春潮)
島人の海に向ひて麦を踏む 合原泉
島人の濡れ歩きをり春驟雨 上野泰
島人の盆の晴著は簡単著 清崎敏郎
島人の素通りの陵初詣 上崎暮潮
島人の老いて鍬打つ俊寛忌 松園真沙子
島人の血はかくも濃し仏桑花 青柳志解樹
島人の足腰を責め田水張る 原裕 新治
島人の雨の鄙歌*かすべ干す 深谷雄大
島人の飼へる金魚として浮かぶ 上野泰
島人や盆のテレビに顎つき出し 篠崎圭介
島人や重箱さげて墓参り 篠原鳳作
島人よこの杉伐るな魂祭 大峯あきら 鳥道
島人より雪の墓群われに親し 岸田稚魚 『負け犬』
島人ら夜を楽しむ墓参り 森田峠 避暑散歩
島人を渡しが運ぶ七五三 冨田みのる
施餓鬼棚組む島人の高梯子 渡辺幸恵
浜おもと島人はただおもととも 高野素十
甘藷植ゑて島人灼くる雲にめげず 大野林火「海門」
石蕗咲いて密航の島人住まず 高橋悦男
神の井を島人頼む旱かな 雉子郎句集 石島雉子郎
秋の暮島人船を収めけり 尾崎迷堂 孤輪
豊年を甘世と呼べり島人は 沢木欣一 沖縄吟遊集
避暑客の去り島人の歩みをり 上野泰 春潮
酔へばすぐ踊る島人仏桑花 蓮井いく子(天塚)
雁風呂に島人呼ぶや磯馴声 菅原師竹句集
鳥雲に殉教の島人を見ず 石井清泉
鷹澄みて島人は黄を尊べり 鳥居美智子
麦刈れり生死をこゝに島人や 石塚友二 光塵
●島の道
そら豆の莢突き出せる島の道 高澤良一 ねずみのこまくら
十薬の匂ひに慣れて島の道 稲畑汀子
大綿や足音吸はる島の道 松崎鉄之介
島の路狭し羽子つき通せんぼ 蓼汀
春潮の満ちて濡らせし島の道 右城暮石
虎杖を噛みつゝ島の道遠し 山田不染
青枇杷や九十九折なす島の道 石川桂郎 含羞
冠りても脱ぎても汗に島の径 杉本寛
島の路狭し羽子つき通せんぼ 蓼汀
木苺が咲きこの辺の島の径 清崎敏郎
聖五月海へ墜ちゆく島の径 松林 慧
●島の宿
夜濯の音いつまでも島の宿 本岡歌子
島々の一つの島の宿涼し 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
島の宿白き目を射る命綱 十亀かずみ
島の宿除夜の汽笛のいっせいに 佐藤梧林
島宿やがちや~ないてまくらがり 鈴鹿野風呂 浜木綿
朝粥に海雲の入りて島の宿 武田光子
水着のまま歩いて戻る島の宿 長町誠司(菜の花)
満月を海よりあげて島の宿 三宅 桂
牛買と泊る島宿十三夜(佐渡島行二句) 上村占魚 『橡の木』
船虫の障子を這ふも島の宿 中井ユキ子
襖絵は古式捕鯨の島の宿 中裕
島宿やがちや~ないてまくらがり 鈴鹿野風呂 浜木綿
牛買と泊る島宿十三夜(佐渡島行二句) 上村占魚 『橡の木』
●島畑
大空へつづく島畑鳥帰る 千手和子
天涯の島畠に人花蜜柑 東幸雄
島畑に交しゐる言露けさよ 八木林之介 青霞集
島畑のかんかん照りや厄日前 岸田稚魚
島畑の藷蔓のみや戻り籠 石丸恭子
島畑の風の中なる金盞花 久保ともを
島畑は藷の葉白し旱星 羽田岳水「空鳥」
甘藷掘に神父手を貸す島畑 松原直庵
石垣に石蕗咲いてゐる島畑 松藤夏山 夏山句集
耕や島畑海へ逆落し 東洋城千句
藷を挿す外はなかりし島畑 花村あつし
降灰の島畑くらき枇杷の花 下村ひろし 西陲集
霞む島畑マリヤ足摺る子を曳きて 原裕 葦牙
麦の芽やパッチワークの島畑 森永一声
墓道は島の畑みち葛咲けり 沼澤石次
夏花摘む火山灰うつすらと島の畑 竹川貢代
捕る子なき島の畑のきり~す 高尾千草
春菊や畝の短き島の畑 鈴木麻璃子
甘藷蔓を捨てゝ肥とす島の畑 森田 峠
荒鵙や海へなだるる島の畑 小野寺濱女
麦踏の出てゐる島の畑かな 高野素十
以上
by 575fudemakase
| 2022-05-22 14:39
| 自作j

俳句の四方山話 季語の例句 句集評など
by 575fudemakase
| S | M | T | W | T | F | S |
| 1 | ||||||
| 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
| 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
| 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
| 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 |
| 30 |
カテゴリ
全体無季
春の季語
夏の季語
秋の季語
冬の季語
新年の季語
句集評など
句評など
自作
その他
ねずみのこまくら句会
ブログ
自作j
自作y
j
未分類
以前の記事
2025年 11月2025年 10月
2025年 09月
more...
フォロー中のブログ
ふらんす堂編集日記 By...魚屋三代目日記
My style
メモ帳
▽ある季語の例句を調べる▽
《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。
尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。
《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)
例1 残暑 の例句を調べる
検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語
例2 盆唄 の例句を調べる
検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語
以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。
《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。
尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。
《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)
例1 残暑 の例句を調べる
検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語
例2 盆唄 の例句を調べる
検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語
以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。
検索
タグ
お最新の記事
| 辻桃子句集 水蜜抄を読んで .. |
| at 2025-11-06 07:28 |
| 角川 俳句賞(2025年)を.. |
| at 2025-10-26 07:29 |
| 最近の嘱目句あれこれ43 2.. |
| at 2025-10-24 01:30 |
| 最近の嘱目句あれこれ43 2.. |
| at 2025-10-24 01:11 |
| 樹令 |
| at 2025-10-24 00:17 |
| 最近の嘱目句あれこれ42 2.. |
| at 2025-10-04 11:56 |
| 最近の嘱目句あれこれ41 2.. |
| at 2025-10-02 06:12 |
| 最近の嘱目句あれこれ40 .. |
| at 2025-09-15 00:50 |
| 最近の嘱目句あれこれ39 .. |
| at 2025-09-08 08:51 |
| 最近の嘱目句あれこれ37 2.. |
| at 2025-09-04 19:58 |
| 最近の嘱目句あれこれ38 2.. |
| at 2025-09-04 19:52 |
| 最近の嘱目句あれこれ36 2.. |
| at 2025-08-28 03:10 |
| 最近の嘱目句あれこれ35 2.. |
| at 2025-08-19 21:35 |
| 最近の嘱目句あれこれ34 2.. |
| at 2025-08-17 20:50 |
| 尾山篤二郎 国文学者、歌人 .. |
| at 2025-08-14 16:00 |
| 最近の嘱目句あれこれ33 2.. |
| at 2025-07-28 18:41 |
| 坂口昌弘著 忘れ得ぬ俳人と秀.. |
| at 2025-07-14 04:15 |
| 石田郷子句集 万の枝を読んで.. |
| at 2025-07-11 06:30 |
| 最近の嘱目句あれこれ32 2.. |
| at 2025-07-10 18:25 |
| 最近の嘱目句あれこれ31 2.. |
| at 2025-07-01 04:00 |

