人気ブログランキング | 話題のタグを見る

洪水  の俳句

洪水  の俳句

洪水  の俳句_b0223579_02253409.jpeg
●洪水
やもめ暮しの厨は洪水後のごとし 土居漠秋
わが庭のノアの洪水梅雨出水 大中祥生
十字架祭洪水の空夜となりぬ 飯田蛇笏 霊芝
只壮観というべき洪水の屋根に這いだす 橋本夢道 無礼なる妻
囀りの洪水となる午前四時 井原愛子
天災不可抗力かも知れず洪水に日が照り出す 橋本夢道
思ふこと洪水の後の野菊かな 橋本薫
朝寒む耳紅い箱の兎洪水をのがれてあり 安斎櫻[カイ]子
柿喰ふて洪水の詩を草しけり 柿 正岡子規
梅紅く干せば洪水は遥かより 齋藤愼爾
洪水あとの泥にしたゝか木の実かな 増田龍雨 龍雨句集
洪水あとの石白く灼け鳥渡る 臼田亞浪 定本亜浪句集
洪水にけむりのような女の手 須藤徹
洪水によごれし棉を摘みにけり 古久根蔦堂
洪水に痩せて野菊の花細き 野菊 正岡子規
洪水に身を現わせる魚がある 安井浩司 汝と我
洪水に遭うて戦禍と大地震も 赤尾恵以
洪水のあとに取るべき綿もなし 正岡子規
洪水のあとに色なき茄子かな 夏目漱石(1867-1916)
洪水のことしは鮎も居らずなりぬ 鮎 正岡子規
洪水のさはるものなき青田哉 青田 正岡子規
洪水のレールをひたす芒かな 会津八一
洪水の上家鴨家鴨を追ひあそぶ 川島彷徨子 榛の木
洪水の以前も以後も世界には末来がありぬいたしかたなく 香川ヒサ
洪水の來んとして蛇穴に入る 蛇穴に入る 正岡子規
洪水の光に生れぬ蠅の王 高野ムツオ
洪水の勢ひや空は星月夜 星月夜 正岡子規
洪水の尺とる門よ秋の風 一茶 ■享和二年壬戌(四十歳)
洪水の明るさを行く家族を連れ 森田緑郎
洪水の林の星斗秋に入る 飯田蛇笏 霊芝
洪水の襤褸数あるかぎり干す 橋本鶏二
洪水の跡をながるる冬川あり 篠原梵 雨
洪水の野末に尊き酒屋旗 安井浩司
洪水の風浪村を囚獄とす 橋本鶏二
洪水はわが水桃に至らむと 糸大八
洪水はわが白桃に至らむと 糸大八
洪水ひきし高原川に梅雨の滝 前田普羅 飛騨紬
洪水やかはほり下る渡し綱 一茶 ■文政八年乙酉(六十三歳)
洪水や下駄も真桑もほかほかと 甜瓜 正岡子規
洪水や嬰児の声が遥かにあり 薺 次郎
洪水や梁にはえゐるひそかな毛 河原枇杷男 流灌頂
洪水や泥に突っ立つ蝙蝠傘 尾崎椰子雨
洪水や青田を流れ海に落つ 青田 正岡子規
洪水をたのしむ堤鈴が鳴る 和田悟朗
洪水名残り照らす垣根の螢かな 金尾梅の門 古志の歌
洪水多き年を二夜の月晴れたり 正岡子規
洪水晴や瀬上に消ゆく鶸の群 金尾梅の門 古志の歌
洪水疫病払ふ幣見つ草蜻蛉 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
洪水見人に家のはざまの南瓜畑 楠目橙黄子 橙圃
洪水見櫓にまた炬火見えて虫の声 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
火星にも洪水の痕梅雨明ける 渡辺重昭
生きのこる舟虫ノアの洪水以後 檜紀代
立葵洪水はわが死後に来よ 斎藤慎爾
箱枕して洪水に出合ひける 柿本多映
簗守や洪水出ねば雨やまじとふ 臼田亜浪 旅人
薔薇洪水井筒花店喪が明けて 塚本邦雄 甘露
●大水
大水が置き去りし岩稲の花 大峯あきら
大水に夏の夜を寝ぬ二階かな 夏の夜 正岡子規
大水のあとに取るべき綿もなし 棉摘 正岡子規
大水のあとや莟の杜若 正岡子規
大水のあとを蟹行く野菊かな 野菊 正岡子規
大水の余り流るゝ夏木立 夏木立 正岡子規
大水の刈田は海の如くなり 刈田 正岡子規
大水の女は舟に晩稻刈る 晩稲 正岡子規
大水の引くや早苗に風わたる 早苗 正岡子規
大水の引て雨なし秋の空 秋の空 正岡子規
大水や大昼皃のけろり咲 一茶 ■文化十三年丙子(五十四歳)
大水や屋根に粟干す野の小家 粟 正岡子規
大水を踏みこたえたるかゞし哉 案山子 正岡子規
晴れたとて此大水の天の川 天の川 正岡子規
発電の大水声に秋の鮎 百合山羽公 寒雁
白木槿大水引いて家孤なり 木槿 正岡子規
●鉄砲水
ふるさとの鉄砲水を信夫山 仁平勝 東京物語
月見草鉄砲水を忘れけり 文挟夫佐恵 雨 月
河童忌や鉄砲水の行き処 安達逸子
盆の百合鉄砲水を免かれて 百合山羽公
花わさび鉄砲水の受難の碑 小山今朝泉
鉄砲水跡一戸建つ山女宿 田村恵子
●出水
あはれなる出水話のをかしさに 京極杞陽 くくたち上巻
うつくしき腕見えてゐる出水かな 岸本尚毅 鶏頭
かりがねと関の旅人や秋出水 飯田蛇笏 山廬集
くちなはも流れ着くなり秋出水 中村苑子
こいさんの恋の愚かに梅雨出水 赤尾恵以
しらしらとあけてくる夜や秋出水 久保田万太郎 流寓抄以後
しろじろと越後くにはら夜の出水 斉藤美規
つゆ草や出水がなせる江のほとり 水原秋櫻子
づぶ濡れの棹一本の出水舟 百合山羽公 寒雁
ながれゆくものの迅さや秋出水 久保田万太郎 流寓抄以後
なにもせずゐしかば引けり秋出水 金谷信夫
ひっそりとして寺町の秋出水 久保田万太郎 流寓抄以後
ひとかたまりの人が戸口に秋出水 廣江八重櫻
ひらひらと真菰悲しき出水中 高野素十
ふところの親の位牌や秋出水 三宅応人
ふなべりにわかるゝ水葱や秋出水 銀漢 吉岡禅寺洞
ふるさとの木槿の垣や秋出水 飯田蛇笏 山廬集
ぽつてりと没日ありたる出水村 山尾玉藻
まぎれなき出水の上の鴉の巣 宮岡計次
またしてもふりくる雨や秋出水 久保田万太郎 流寓抄以後
また出水をおそるゝ雨となりにけり 久保田万太郎 流寓抄以後
みみしひの鶺鴒春の出水川 松村蒼石 雁
ゆらゆらと出水の中へ秋の道 小宅容義
わが庭のノアの洪水梅雨出水 大中祥生
シグナルは常の如くに街出水 左右木韋城
メキシコヘ流れし死體春出水 保田白帆子
ラムプ見え出水の宿と略分り 阿波野青畝
レコードが干してあるなり出水跡 京極杞陽
ローソクの灯に一夜あけ秋出水 巻野南風
一夜さに出水一湾濁したり 千田一路(風港)
一昼夜流れて目減り出水川 高澤良一 寒暑
一村の墓流したる出水かな 加藤斐子
一歩づつ出水を鳴らし夜の往診 川上季石
一燈のもと音もなき秋出水 村上 冬燕
二日月ひくく出水の人叫ぶ 小宅容義
二階より犬も貌出す秋出水 伊東白楊
人の顔へおち窪みたる秋出水 萩原麦草 麦嵐
人呑みし川に出水のもの洗ふ 藤浦昭代
人形の足の扁平秋出水 小堀紀子
今年亦出水に住むべき蚊遣哉 増田龍雨 龍雨句集
今日晴れて布ひるがへす出水跡 林翔 和紙
仏壇のうらがはに鳴り秋出水 座光寺亭人
仮橋でバス折り返す秋出水 高橋悦男
仲々に引かぬ出水の上を蝶 秋畑まきこ
位牌先づ二階に移し出水急 小林魚石
傘の柄で水位を計る梅雨出水 堺邦子(圓)
光つつ仏壇沈む秋出水 東條素香
入日の斑出水たひらのけぶるかな 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
八方に殖やす出水の恩と黴 近藤一鴻
六甲の山肌さらに出水跡 鈴鹿野風呂 浜木綿
再びの秋の出水の仏かな 大峯あきら 鳥道
出水あとなまなましきに門火焚く 宮下翠舟
出水あと屋根よりおりて居ずなりぬ 鈴木六林男
出水あと男女ら扶余の道つくり 阿波野青畝
出水あと草深きより雀立つ 中戸川朝人 残心
出水して地雷も流れゆきしとか 明隅礼子
出水して墓地沼底や時鳥 雑草 長谷川零餘子
出水して森の奥なる月明り 中川宋淵
出水して鹿火屋を仮の家とせり 本宮鼎三
出水に咲く野蒜の水輪昏れきりぬ 大熊輝一 土の香
出水のうはさよそに花火のあがりけり 久保田万太郎 流寓抄
出水の加茂に橋なし夏祓へ 蕪村「蕪村句集」
出水の賀茂に橋なし夏祓 蕪村 夏之部 ■ 宮島
出水の量見る提灯や月草に 雉子郎句集 石島雉子郎
出水や牛引き出づる真暗闇 村上鬼城
出水を名残り弱々し浮く魚 梅林句屑 喜谷六花
出水修羅駆け去り堤曼珠沙華 近藤一鴻
出水去り身ぬちも家も秋日沁む 松村蒼石 露
出水川しばらく海を押し進み 岸原清行
出水川とゞろく雲の絶間かな 飯田蛇笏 霊芝
出水川徒渉り来て朝の彌撒 下村ひろし 西陲集
出水川橋洗ふ音夜もひびく 鈴木勇之助
出水川犬の屍流れけり 松本草戊
出水引きし跡広き野や秋晴るゝ 雉子郎句集 石島雉子郎
出水引き蛇垂る桃樹月さしぬ 宮武寒々 朱卓
出水引き馬焼く煙磧より 亀井糸游
出水引く中州の草の先見えて 大塚とめ子
出水引く中洲に塵の山残す さとう哲也(遠矢)
出水後の備前の土のにほひける 矢島渚男
出水後の松透きて見ゆ天泉陵 大石悦子 群萌
出水後の蘆色もどる泳ぎかな 中村汀女「汀女句集」
出水拡がる鉄格子にすがる女越し 金子兜太
出水晴れヘリコプターが飛んでをり 横山三征
出水禍に道絶え滝を秘する峡 吉村ひさ志
出水禍の十一月も畳なし 近藤一鴻
出水禍の流木を積み通行止 西本一都 景色
出水禍の石段のこす階十三 福田蓼汀 秋風挽歌
出水禍をおして来られし人と知る 稲畑汀子
出水見に行きてなか~戻り来ず 下村非文
出水跡畝なしに菜種振り蒔けり 高田蝶衣
出水踏み関草食みをり放牧馬 林翔 和紙
出水退きし泥草に秋の蝶白き 金尾梅の門 古志の歌
出水退くや青天日がな風鳴れる 金尾梅の門 古志の歌
出水野に一軒ポツと朝灯 阿部みどり女 笹鳴
出水野は鶴呼び交はし暮れ残る 伊牟田未春
出水野や雲より湧きて鶴来る 東 妙子
刻なしに寺の鐘鳴る秋出水 成嶋瓢雨
加茂川の長き普請にまた出水 井上洛山人
十六夜のわが影出水渉り 松村蒼石 露
千曲の瀬なべて消されし秋出水 瀬在苹果
半蔀によりかゝり見る出水かな 銀漢 吉岡禅寺洞
卯の花のさながら腐つ山出水 石川桂郎 含羞
只独出水の湯女の迎傘 阿波野青畝
各戸一炉出水に映る灯もありて 堀 葦男
向けし灯に雨降り止まぬ出水かな 藤原風驚子
土手の上に人立ちつくす秋出水 浅倉里水
地下街の禽鋪ことなく秋出水 宮武寒々 朱卓
壁の影出水の上に長く引く 雑草 長谷川零餘子
夏出水ピカソがそつと泣くことも 鷲田 環
夕鷺のこゑ落しゆく秋出水 綿谷ただ志
夜といふ不安の中に出水守る 河野扶美
夢の淵どよもしゐたる梅雨出水 藤本安騎生「夢の淵」
大井川梅雨の出水を汽車で越す 品川鈴子
大出水引きたる水に水馬 右城暮石 上下
大台の水あつまりし秋出水 藤本安騎生
大渦をなしたる国栖の秋出水 山中弘通
大演習出水の稲を踏渡り 増田龍雨 龍雨句集
大阪へ出る途中はや出水して 高濱年尾 年尾句集
天竜の出水汚れの乱れ萩 小田実希次
子の臀や秋の出水をないがしろ 野村喜舟 小石川
子を抱きて出水の家をのがれけり 森口時夫
学校へ舟でかよふや秋出水 加藤覚範
室生寺のまつくらがりの秋出水 大峯あきら 鳥道
宮川町田臭き朝の出水跡 角川源義
富士川も木曽川も秋出水あと 児島倫子
寝返りの闇に出水の闇ありぬ 城取信平
小波をたてて出水田夜となる 今瀬剛一
屋根裏へ木枯かよふ出水以後 近藤一鴻
山々がまさをに囲む出水川 相馬遷子 山河
山なみの低くかしづく出水村 伊藤康江(萌)
山の秀の山にしづもる出水後 宮坂静生 春の鹿
山川の出水一縷の葛ひたし 山口青邨
山川は出水してをり葛の花 高濱年尾 年尾句集
山川は卯の花腐しさへ出水 加藤其峰
山径の礫あたらしき出水あと 田原央子
山門の夕かたまけて秋出水 大峯あきら 宇宙塵
岩に乗り上げて曲がれり秋出水 茨木和生 往馬
岩の上に出水名残の岩乗れり 森田峠 避暑散歩
峡の家夜すがら灯す出水かな 芝不器男
峡の田を沢蟹はしる出水あと 太田 蓁樹
干大根出水のものは干しをへて 林翔 和紙
庭先に出水禍のもの並べ干し 北川草魚
庭先に現れし出水の助け舟 安原葉
引きはじむ秋の出水へ真水打つ 神蔵 器
引き上げてある庭祠秋出水 吉田大江
往診のこゝより行けず梅雨出水 瓦玉山
御陀佛の鯉や鯰や秋出水 鈴木鷹夫 千年
戻り路の出水の不安あるままに 山田弘子 こぶし坂
指定券の裏はくろくて秋出水 隈元拓夫
掴まりて覗く水位や秋出水 岡本緑也
提灯の火の鈴生りや秋出水 久保田万太郎 流寓抄以後
提灯をかざしてくらき出水かな 橋本鶏二 年輪
撫子や出水にさわぐ土手の人 撫子 正岡子規
放心の妻の手をとり出水中 増富草平
放心の鶏歩く秋出水 古河ともこ
放牛の流るる那須の秋出水 斎藤一郎
日さびし葭切鳴いて出水川 水原秋桜子
日のさして力みなぎる出水川 石井健作
星出でてまたたきも無き出水かな 岸本尚毅
春出水中洲の柳ひたりたる 高浜虚子
春日載す出水へ仔牛声落す 秋元不死男
昨日は死にき明日は出水の泥昼顔 高柳重信
暮れてゆく秋の出水の戸口まで 臼田亞浪 定本亜浪句集
曼珠沙華この世の出水絶ゆるなき 松村蒼石 寒鶯抄
曼珠沙華出水の上にうつりけり 池内たけし
月照るや一途に濁る出水川 松村蒼石 寒鶯抄
朝げむり立ちにぎはへり出水村 大橋櫻坡子 雨月
朝顔の出水を渡る鼠かな 河東碧梧桐
木の奥を立ち上りくる出水かな 山本洋子
木曽川の出水見んとて著たる蓑 松本たかし
木曾川の出水を苗木城趾より 松本たかし
木槿垣出水の跡を殘しけり 木槿 正岡子規
杞柳田の漂渺として秋出水 西本一都 景色
杭といふ杭に芥や出水引く 下村梅子
柄短かに出水汚れの稲刈れる 小田実希次
柵の上に腰かけ居るや秋出水 高浜虚子
栗の木や出水しづかに狂ひそむ 清水基吉 寒蕭々
桑原に登校舟つく出水かな 芝不器男
梁に手かけてのぞく出水かな 橋本鶏二 年輪
梅雨出水あばれ遭難碑を倒す 岡田日郎
梅雨出水やはらかきもの足にせり 米沢吾亦紅 童顔
梅雨出水人群れ頭上大鴉 細見綾子
梅雨出水太宰忌もはや過ぎにけり 石川桂郎 含羞
梅雨出水暗きところに橋かかる 秋篠光広
梅雨出水流るゝものに蛇からみ 松浦真青
梅雨出水烏飼はれて遊びをり 石川桂郎
梅雨出水簗の緊張つづくかな 大橋敦子
梅雨出水蘆が簾のごとく揺れ 松村蒼石 雪
梅雨出水鴉飼はれて遊びをり 石川桂郎
森の中に出水押し行く秋の雲 河東碧梧桐
橋止めは出水のあとのままにして 波多野爽波 鋪道の花
橋脚にかかれるものも出水跡 西村和子 窓
橋脚に来て裏返る秋出水 山田弘子 こぶし坂
橋脚に水引つ掛かる出水川 山口誓子
母家より起きよと電話秋出水 杉森干柿
水ぎはを松火焦がしゆく出水かな 原石鼎
水位計つけし護岸や秋出水 小泉八千代
水平らかに夕映えの秋出水 及川キエ子
決潰は空にはあらず秋出水 品川寛子
汽車を見て立つや出水の稲を刈る 高浜虚子
沢出水老鴬の昼闌けにけり 石川桂郎 含羞
沢瀉に出水の池の日数かな 長谷川零余子
河骨の驚きもせぬ出水かな 河骨 正岡子規
泥の荷の上に教科書秋出水 加藤義明
流れくる水葱(なぎ)をすくひぬ秋出水 銀漢 吉岡禅寺洞
流れよる枕わびしや秋出水 武原はん女
流れ行くものみな光る秋出水 江口ひろし
流木が梢にかかり出水晴 福田蓼汀 秋風挽歌
流木のくつがへりをり出水あと 大橋櫻坡子 雨月
流木の骨狼藉の出水跡 福田蓼汀
流木を上げんと待てり秋出水 松本たかし
海をなす出水に障子洗ひけり 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
淋しさや出水の岡の蕎麦の花 高浜虚子
溝そばに出水汚れの残りをり 五十嵐播水
灯り居る岩湯に夏の出水して 長谷川かな女 雨 月
灯を返すものを中洲に秋出水 中戸川朝人 星辰
煙か煙ならず出水後の山崩れ 福田蓼汀 秋風挽歌
熊の棚らしきが流る出水かな 茨木和生 倭
燕去つて柝もうたざる出水かな 飯田蛇笏 山廬集
牛小屋に出水の跡のまざまざと 棚山波朗「料峭」
牛小屋の小戸を外しぬ出水急 三星山彦
犬が居て虫鳴く村の出水あと 猿橋統流子
犬耳を立てて走れり簗出水 橋本鶏二 年輪
玉垣を借りて出水の畳干す 森田峠 避暑散歩
玉葱の流れて来るや出水川 岸本尚毅 舜
球磨昏れて見えねど出水瀬音かな 上村占魚 球磨
生徒率ゐ尼も出水の土嚢積む 保田白帆子
田の上を小舟行くなり梅雨出水 青木月斗
田の神を祀る出水市田鶴のこゑ 西田たかこ
病んで夢む天の川より出水かな 夏目漱石(1867-1916)
白日に出水の泥の亀裂かな 沢木欣一
百花園もとより浸り秋出水 久保田万太郎 草の丈
皆案じくれし出水禍越えて来し 谷口まち子(ホトトギス)
盃を手に眺めゐる庭出水 岡本松浜 白菊
着流しの男見に来し出水川 松村幸代
短夜の闇を動かす出水かな 短夜 正岡子規
石叩たたく石なき秋出水 下村梅子
石垣の目から噴きをり秋出水 浅見さよ
石垣より吹き出すちから秋出水 五味靖
石女(うまずめ)の舌熱ければ秋出水 仁平勝 東京物語
磨崖碑の裳裾ひたせる出水かな 舘野翔鶴
秋出水、牛、馬、死んでながれけり 久保田万太郎 流寓抄以後
秋出水「カルメン故郷に帰る」頃 攝津幸彦 鹿々集
秋出水あらがふ岩を組み伏せて 高澤良一 寒暑
秋出水いきなり鳴りし時計かな 小原芳子
秋出水おびゆる犬を抱き佇つ 西本一都 景色
秋出水かくてすたれる俚謡かな 月舟俳句集 原月舟
秋出水さゝやき合うてひきにけり 銀漢 吉岡禅寺洞
秋出水して比良裾の湖西線 野呂 ふさ江
秋出水つばさ重たき鴉かな 永方裕子
秋出水まつすぐ我に向かつて来 久保田孝子
秋出水乾かんとして花赤し 普羅句集 前田普羅
秋出水二手になりて流れけり 洲崎英子
秋出水交番所妻が独り守る 石川桂郎
秋出水人のうしろへ殖えて来し 萩原麦草 麦嵐
秋出水仁王面して山の石 鈴木ミエ子
秋出水女の乳房しづみけり 萩原麦草 麦嵐
秋出水家を榎につなぎけり 西山泊雲 泊雲句集
秋出水少年のごと靴提げて 奈良文夫
秋出水少年頻りなる尿意 進藤幹弘
秋出水引きゆく中を吃りをり 萩原麦草 麦嵐
秋出水引綱の先犬歩く 勝野俊子
秋出水恐るる杭を打ち並べ 井上 史葉
秋出水提灯つけて家高し 清原枴童 枴童句集
秋出水散歩の芝も泥の中 国久黄実
秋出水早鐘つひに撞かれけり 久保田万太郎 流寓抄以後
秋出水昔々の着物出て 佐々木六戈 百韻反故 わたくし雨
秋出水案山子胸まで水漬ける 八牧美喜子
秋出水流れゆくもの横向きに 斎藤夏風
秋出水渡れぬ橋の架りいる 長谷川かな女 牡 丹
秋出水火鉢かこみて娼婦達 宮武寒々 朱卓
秋出水牛をあづかる小半日 上村占魚 球磨
秋出水牛流されてゆきにけり 西浦一滴
秋出水真ん中のみが空映す 岡村天錦章
秋出水石鼎の下駄没したり 萩原麦草 麦嵐
秋出水稲の穂首をとらへたり 鈴木玉[きう]
秋出水竈の石を女持つ 萩原麦草 麦嵐
秋出水篠を浸してゆれゐたり 高橋馬相 秋山越
秋出水草の茎みな赤きまゝ 石橋秀野
秋出水菊塢が庭を思ふかな 野村喜舟 小石川
秋出水蛇居て去らぬ竃口 萩原麦草 麦嵐
秋出水言問團子休みけり 久保田万太郎 草の丈
秋出水輪中滅法空青き 近藤一鴻
秋出水高く残りし鏡かな 前田普羅 新訂普羅句集
秋出水髻を解く武者のごと 三森鉄沿
秋出水鶏舎柿の木を襲ひけり 小杉余子 余子句選
秋毎の出水に村の痩せにけり 頬子
秋水のほとりに住みぬ出水見て 石川桂郎 四温
秋潮に押入りて赭し出水河 林翔 和紙
秋芽立つ出水の杭にひつかかり 中戸川朝人 尋声
種麻につく群雀や出水原 金尾梅の門 古志の歌
穴まどひ穴を出水に奪られしや 西本一都 景色
空襲以後の避難警報秋出水 山口保人
立臼の浮いて倒れし出水かな 比叡 野村泊月
童はや出水の筏漕ぎ慣れぬ 林翔 和紙
笛吹川のくだつ出水に朗人立つ 小林宗一
羊蹄花や出水の泥にまみれ咲く 佐々赤竹
羚羊の足跡出水の荒磧 福田蓼汀 秋風挽歌
胡瓜棚傾きうつる出水かな 比叡 野村泊月
脚下黒部前後を断ちし秋出水 福田蓼汀 秋風挽歌
自転車を停めて見てゐる秋出水 田原央子
臼一つ救ひあげけり秋出水 籾山梓月
舟で送る鶏の餌や秋出水 碧雲居句集 大谷碧雲居
草のさき出でて吹かるる梅雨出水 山上樹実雄
草の花出水しりぞきはじめけり 小宅容義
草花にあはれ日のさす出水かな 原石鼎
藪の穂の日ざせば秋の出水あと 宇佐美魚目 秋収冬蔵
蘆枯るゝ出水汚れをせしまゝに 石井とし夫
蚊も居らず出水のあとの淋しさよ 蚊 正岡子規
蛇の衣出水に流されてをらず 茨木和生 倭
蝗とびつきて出水の渡舟着く 森田峠 避暑散歩
蝙蝠や出水明りに書く手紙 久米三汀
街路樹にくくれるポスト出水跡 五十嵐播水 埠頭
谷々や出水滝なす草の秋 飯田蛇笏 霊芝
象泳ぐ秋の出水のメコン河 松崎鉄之介
買ひ得たる村の豆腐や秋出水 中村汀女
踏切を流れ退く秋出水 橋本多佳子
輦台の上に乗る母秋出水 磯貝碧蹄館
輪中より舟漕ぎ出すや秋出水 前田 白雨
輪中村囲みて濁る梅雨出水 松井利彦
遠き瀬の音はなれては秋出水 飯田蛇笏 春蘭
遺品あらんかと出水の樹枝くぐり 福田蓼汀 秋風挽歌
野ざらしも波がくれなる秋出水 飯田蛇笏
鉄橋を歩くほかなき出水かな 福井一福
銃剣の州兵屯す出水町 保田白帆子
鏡板に秋の出水のあとありぬ 高濱虚子
長靴の水を出水に還しおく 戸田露生
門燈の低く灯りぬ秋出水 日野草城
降り凪ぎて日あたる巌や出水川 飯田蛇笏 山廬集
雁渡し軒端にしるき出水あと 小島千架子
雑草の花の渦消ゆ秋出水 萩原麦草 麦嵐
雨乞のあげくの果ての出水かな 一 茶
雪残る山そこにあり春出水 高浜虚子
電柱に提灯かかげ秋出水 田中冬二 俳句拾遺
露草や出水がなせる江のほとり 水原秋桜子
頭もちあげれば出水きらきらと 岸本尚毅 鶏頭
馬医者の門まで出水や秋の雨 雉子郎句集 石島雉子郎
馬屋の灯差し出してあり梅雨出水 上村占魚 球磨
鳥籠を二階に移す秋出水 磯崎美枝
鳩川も姥川もまだ出水川 中戸川朝人 星辰
鶏が棒鳴きをして出水して 佐々木六戈 百韻反故 わたくし雨
鶏を縁にあそばせ秋出水 上村占魚 球磨
鶏抱いて来り刻々出水増す 百崎つゆ子
鶏頭の門まで来たり秋出水 富安風生
鶴来る出水と聞けば旅ごころ 稲畑汀子
鷺二匹即かず離れず出水川 田中武彦
●山津波
山津波斧の刃寒うこぼれけり 萩原麦草 麦嵐
山津波響き岩流れランプ揺れ 福田蓼汀 秋風挽歌
●山崩れ
ボロ市の古レコードの山崩れ 行方克己 昆虫記
五月雨や雲の中なる山崩 故郷 吉田冬葉
天竜へ山崩れつつ猟期来ぬ 徳永山冬子
山崩す音や円座の梅雨湿り 鍵和田[ゆう]子 未来図
山崩す音を間近に落し角 脇坂啓子
山崩れせし磧にてキャンプ張る 右城暮石「上下」
山崩れ石あらはに芒處々 寺田寅彦
山崩れ跡消ゆ葎若葉かな 河野美奇
枯原へ押出してをる山崩れ 京極杞陽 くくたち下巻
煙か煙ならず出水後の山崩れ 福田蓼汀 秋風挽歌
百合二本混りてゐたり山崩れ 細沼文雄
落鮎や空山崩えてよどみたり 芝不器男
長靴の先で栄螺の山崩す 行方克己 無言劇
青空市冬シヤツの山崩し選る 奈良文夫
●崖崩れ
そぞろ寒二タ尾に墜つる崖崩の丈 秋元不死男
崖崩えに径落されし菌山 茨木和生 野迫川
崖崩す水の鉾先梅匂ふ 原裕 葦牙
崖崩れなどあり梅雨の旅つゞけ 高濱年尾 年尾句集
崖崩れ櫻もともに下向けり 横光利一
川上に崖崩れあり地蔵盆 山本洋子
星鴉崖崩は地獄の色に灼け 小松崎爽青
梅雨の崖崩れたり日々傍観す 右城暮石 声と声
紅葉は崖崩壊のためにある 対馬康子 吾亦紅
蜩や浦人知らぬ崖崩れ 河東碧梧桐
●地滑り
山国の地震地すべり秋飼屋 百合山羽公 寒雁
地滑りの掌にきなくさし薄の絮 増田まさみ
●落盤
いたち罠得手の漢が落盤で 高橋やすお
落盤葬終えごくごくと泉呑む 鷹島牧二
●地割れ
地割れして胃までは遠き鏡餅 中村幸子
地割れせる中越の海御講凪 水野蓮友
竹林に走る地割れや三汀忌 石塚友二
筍の地割れ互につゞきけり 中島月笠 月笠句集
蚕莚や長き地割れをかくし干す 西本一都 景色
鐘の音もうらゝかに市の地割かな 碧雲居句集 大谷碧雲居

以上

by 575fudemakase | 2022-05-22 14:52 | ブログ


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

プロフィールを見る
更新通知を受け取る

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

カテゴリ

全体
無季
春の季語
夏の季語
秋の季語
冬の季語
新年の季語
句集評など
句評など
自作
その他
ねずみのこまくら句会
ブログ
自作j
自作y
未分類

以前の記事

2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
more...

フォロー中のブログ

ふらんす堂編集日記 By...

メモ帳

▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

検索

タグ

最新の記事

今日はなんの日?
at 2022-07-04 06:42
しかけ絵本 飛び出す、ときめ..
at 2022-07-03 11:25
苧殻焚き
at 2022-07-03 08:23
大菜 横須賀店
at 2022-07-03 05:10
日経俳壇より(2020年7月..
at 2022-07-03 03:58
まどから☆おくりもの
at 2022-07-01 09:47
ゆかいな いろいろどうぶつ
at 2022-07-01 08:35
SDGsで見る現代の戦争...
at 2022-07-01 05:43
SDGsで見る現代の戦争
at 2022-07-01 05:15
溝萩
at 2022-07-01 00:52
企業、模倣品判別の「目」を磨く
at 2022-06-26 07:45
真空 類語関連語(例句)
at 2022-06-26 00:49
空気 類語関連語(例句)
at 2022-06-26 00:46
新素材 類語関連語(例句)
at 2022-06-26 00:41
元素 類語関連語(例句)
at 2022-06-26 00:39
元素 類語関連語(例句)
at 2022-06-26 00:39
コンクリート 類語関連語(例句)
at 2022-06-25 22:49
こだま 類語関連語(例句)
at 2022-06-25 22:47
音2 類語関連語(例句)
at 2022-06-25 22:35
音1 類語関連語(例句)
at 2022-06-25 22:06

外部リンク

記事ランキング