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疲労 類語関連語(例句)

疲労 類語関連語(例句)

●疲労●疲れ●花疲れ●疲れる●草臥(くたび)れる●ばてる●心労●倦怠●過労●徒労●慢性疲労●気疲れ●旅疲れ●湯疲れ●へたばる●へばる●へこたれる●休息●安息●息抜き●一息


●疲労 
つばくろの疲労の川の幾すぢも 齋藤玄 『無畔』
冬の暮何の疲労ぞ鮒を飼ひ 永田耕衣 吹毛集
出産終え安堵と疲労の麦茶かな 渡辺優香
勤続疲労腰にじんじん三月尽 須貝一青
徐々に疲労旅の耳輪が日を反す 木村妙子
慟哭の疲労の祖国霊歌なし 高屋窓秋
旱天に星みえ疲労冴えてくる 金子兜太
星たちよ灯の高熱にわれは疲労 伊藤泉子
涙ぐむ田螺のごとく疲労せり 柄沢あいこ
疲労が掟・舌は匙の形 阿部完市 証
疲労困ぱいのぱいの字を引く秋の暮 小沢昭一
疲労愛我に牡丹の巨いさよ 永田耕衣 葱室
船塗り合ふ疲労差夕焼さめて星 友岡子郷 遠方
●疲れ 
*まくなぎの消ゆるあたりへ疲れけり 萩原麦草 麦嵐
「疲れたり故に我在り」と思ふ瞬間(とき) 篠原鳳作 海の旅
あさがほの花びらの縁疲れ来ぬ 篠原梵 雨
あとの疲れなかれとねがふ秋高し 木村蕪城 一位
あめんぼのおとなしくなる跳び疲れ 高澤良一 寒暑
あるき疲れ通草の下でうちとける 穴井太 土語
いい人に少し疲れて蜆汁 幸村睦子
いさゝかの疲れ草市見て戻る 萩原麦草 麦嵐
いちにちの微笑疲れや親鸞忌 井上雪
いつまでの微笑疲れや綿虫来 山田みづえ 忘
いつまでも見て噴水に疲れをり 深川正一郎
いつまでも足疲れゐし布団かな 楠目橙黄子 橙圃
いつも旅雪に疲れし野兔の耳 対馬康子 吾亦紅
いづこかに夏の疲れが残りし身 高木晴子 花 季
うちつゞく田疲れに月まどかなり 金尾梅の門 古志の歌
うぶすなの藁がちの香よ疲れ勃つ 三橋敏雄
お彼岸の見られ疲れの幼長子 池田澄子
お遍路の疲れを見せず桐の花 大木あまり 火のいろに
かをかをと疲れ鵜鵜綱ひきずつて 橋本多佳子
きのふけふ何に疲れし竹の秋 近藤一鴻
くた~に疲れて戻り吸入器 大塚千々二
けだるさは蕗の広葉の疲れより 赤澤新子
げんげ褥の香もなつかしや疲れ臥し 高田蝶衣
こころよく歩き疲れて秋夕焼 山田弘子 螢川
こでまりにさす日まぶしみ夕疲れ 長谷川双魚 風形
ことごとく照らしだされて鵜の疲れ 鈴木伊都子(狩)
この疲れただごとでなし秋団扇 稲垣きくの
こほろぎの疲れもみせず明けにけり 梅山香子
こめかみに残る疲れや霜の華 岸田稚魚 筍流し
さくら湯や言葉選びて疲れけり 肥田埜恵子
しばらくは渦見疲れといふべかり 佐伯啓子
しやべりしやべりて疲れけり日短き 久保田万太郎 流寓抄以後
しゞま中あさがほの張り疲れたる 林原耒井 蜩
ぜんざいに夏永かりしわが疲れ 下村槐太 天涯
ぜんまいは長けぬ四月は疲れの月 有働亨 汐路
たましひの疲れを解くシャワー室 雨宮抱星
ちぎれ雲見ている問うことに疲れ 大西泰世
とぢまけて春眠の眼の疲れけり 飯田蛇笏 霊芝
どんたくの疲れもありし朝寝かな 高濱年尾 年尾句集
なほ壁に外套疲れし姿なす 岸田稚魚
ならはしの朝寝に疲れ花の露路 石塚友二
なゐの夜のよなべ疲れを寝ず読める 森川暁水 淀
にんげんに少し疲れて泳ぐかな 木内怜子
にんげんは人に疲れて夏逝けり 津沢マサ子 風のトルソー
ねぶた果て疲れし大路現はるる 岸田稚魚
ばらばらに手足疲れし夏の月 清水 白郎
ひたすらに菊に対ひて疲れけり 中尾白雨 中尾白雨句集
ひたむき疲れ暖炉燠色やや暗み 香西照雄 対話
ひと疲れもの言はず鴉のど赤し 片山桃史 北方兵團
ひねもすの牡丹の客に疲れけり 大橋櫻坡子 雨月
ひややかな水こそ甘し疲れては 野澤節子 黄 炎
ほのぐらく茶漬の音す雛疲れ 渋谷道
まつはるる子等に疲れて門涼み 松村蒼石 寒鶯抄
まとひつく子等に疲れて門涼み 松村蒼石 露
まばたきてはかる疲れや鳥曇 中戸川朝人 残心
みちのくや疲れ田つつむ衾雪 平井さち子
みづぎはの疲れてゐたり菱の花 大石悦子 群萌
みとり疲れし母朝顔に水やれる 中尾白雨 中尾白雨句集
めはじきや疲れ寝の子の袂より 中尾東愁子
もう眠らう泳ぎ疲れた子のやうに 櫂未知子 貴族
やはらかき光や柱立ち疲れ 橋本輝久
やゝ疲れおぼえて一人ソーダ水 百生栄子
よもぎ餅疲れてゐたる手が二本 伊藤浩子
わが声に疲れ始める梅雨蛙 小泉八重子
わが顔や黄に疲れゐし花蘇鉄 小池文子 巴里蕭条
わづかづつつもる疲れや宵蛍 橋本榮治 越在
われ農や年始疲れは靴からくる 大熊輝一 土の香
ゐずなりし蚕飼疲れを知る人も 茨木和生 往馬
クローバの頬に触る噛む疲れたり 中島斌男
コスモスの風下にいて疲れけり 小森清次
コーク飲んでも渇く疲れよ ユッカの女 伊丹公子 メキシコ貝
ジヤスミンの花の疲れの我を超ゆ 林原耒井 蜩
スケートの疲れを足に下萌ゆる 高木晴子 晴居
スケートの疲れ旋階降りるとき 岸風三楼 往来
ダリア見る頭はいたく疲れをり 楠目橙黄子 橙圃
ハドソンも炎昼くらむ疲れ濃し 稲垣きくの 黄 瀬
ビニール製団扇手首の疲れるよ 高澤良一 寒暑
ビヤホールに入りて明るき疲れかな 五十嵐播水 播水句集
ファミコンに疲れし子等に木の実独楽 初川トミ子
ベゴニヤに香はなき夜の疲れかな 林原耒井 蜩
マスクして隠さふべしや身の疲れ 林翔 和紙
ミサベール田植疲れをつつみたる 高橋沢子(若葉)
ライラック紫うすく漕ぎ疲れ 若森京子
一ト日の疲れ合歓の花見ゆ端山かな 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
一山のすすき陽に泛く疲れかな 鍵和田[ゆう]子 飛鳥
一揆遠し青葉疲れの羅漢仏 河野南畦 湖の森
一日の疲れハンカチーフにあり 山崎房子
一日の疲れ直しの梅酒かな 真鍋蕗径
一日の遍路疲れの杖洗ふ 佐藤灯光
一日を善意に疲れ千日紅 川村昭子
一生の疲れのどつと籐椅子に 富安風生(1885-1979)
三日はや双手を垂れて疲れけり 石田あき子 見舞籠
世に疲れ来てうぐひすの谷渡り 鍵和田[ゆう]子 武蔵野
九十九里の白き疲れや夏惜しむ 飯田虹坡
二の腕の木の芽摘みたる疲れかな 加藤タイ子
五加木宿旅重ね来し頭の疲れ 佐藤十雲
五月闇疲れては声大きくす 古賀まり子 緑の野
井戸枠に疲れし蜂の三四かな 三好達治 路上百句
人の世に疲れし夜や秋簾 鷲谷七菜子 黄 炎
人の家に花の夕を疲れをり 清水基吉 寒蕭々
人の目に疲れて秋の扇かな 澤村昭代
仏壇に朝日が当り夏疲れ 桑原三郎 晝夜
仏跡を巡り疲れてハンモック 広田祝世
仕事疲れの夜の顔を金魚鉢にうつす 人間を彫る 大橋裸木
他家の忌を修しし疲れなめこ汁 北野民夫
代掻くや水につまづくまで疲れ 成嶋瓢雨
仮眠には疲れの消えぬ梅雨の旅 片岡我当
伊賀の花に疲れて伊勢の湯に疲れ 猿橋統流子
伸びすぎて胡瓜疲れぬ地に近く 小澤實
佇つことにとうに疲れてゐる案山子 田山元雄
体業のひそかにつらし狩疲れ 飯田蛇笏 山廬集
何で癒やす疲れ啄木忌の曇天 佐藤鬼房
佳き壷を運びし疲れ朝寝せり 朝倉和江
俯きて木槿にもある日の疲れ 織野 健一
傾きし案山子に疲れ見えにけり 山下美典
働いて疲れた一日をドアで仕切る 古家榧子
元旦の浮雲もなく疲れゐる 宮武寒々 朱卓
入賞の菊に疲れの見え初めし 箕輪ミサヲ
八月や海月疲れし船溜り 有働 亨
八月や野菜畑の疲れけり 清水静子
兵疲れ夢を灯しつゝ歩む 片山桃史 北方兵團
再会のあとの秒針疲れてる 中村浩美
冬の夜や音の疲れし古時計 土屋保夫
冬の果蒲団にしづむ夜の疲れ 飯田蛇笏 椿花集
冬灯うるむと見しは身の疲れ 稲垣きくの 牡 丹
冬蝶のただ美しき疲れかな 阿部完市 無帽
冬衣疲れ果てたる葱畑 山田哲男
冬靄に人なつかしき疲れかな 萩原幸子
冬鴉一羽遅れて疲れ見ゆ 阿部みどり女
冷房に疲れし肩を叩くなり 星野立子
凍蝶にかゞみ疲れて立上る 星野立子
刈田帰る手振れば疲れ癒ゆる如し 米田一穂
削り編む残暑殊にも筆疲れ 石塚友二 方寸虚実
労られすぎて疲れし敬老日 福山英子
十一やふつと疲れて岩の上 細川加賀 生身魂
十三夜旅に仰ぎし疲れかな 杉本寛
十二月ひとに疲れを量らるる 野澤節子 遠い橋
十二月洲に白鷺の嘴疲れ 松村蒼石 雪
十年とんで/母の/人魂/母疲れ 高柳重信
十年とんで母の人魂母疲れ 高柳重信
半日小集竹植ゑし疲れあり 露月句集 石井露月
卓の百合あまり香つよし疲れたり 杉田久女
卯の花腐しは天の疲れか寝て了ふ 山田みづえ
原爆症診て疲れ濃き秋の暮 ひろし
古語説きし疲れや野に散る梨の花 鍵和田[ゆう]子 未来図
叱られて又疲れ鵜の入りにけり 一茶「七番日記」
同じ汗掻いて吾子にはなき疲れ 浅利恵子
向日葵の裏を覗きて疲れゐる 広瀬元幸
咲き満ちて薔薇の百態疲れけり 高橋桂子
喜び易く疲れ易くてさくらどき つじ加代子
喜劇観て軽き疲れや冬銀河 白川保子
喧雀に日永の家居疲れたり 金尾梅の門 古志の歌
喪天に疲れし夕日松に没る 阿部みどり女
喪疲れの若人の瞳や去年今年 殿村莵絲子 雨 月
喫泉飲む疲れて黒き鳥となり 西東三鬼
噴水に抽象画展の疲れとる 高澤良一 随笑
四つ溝柿溝くつきりと湯の疲れ 中戸川朝人 星辰
四方山の紅葉疲れを昭和びと 三橋敏雄 *シャコ
四葩咲き夕べ疲れし掌 菖蒲あや あ や
園の日がにごりて獣疲れゐる 横山房子
土手につく花見疲れの片手かな 久保より江
土用芽や天にもありし雨疲れ 大牧 広
城壁にもたれて花見疲れかな 高浜虚子
堺では夕日疲れの花かぼちや 藤田あけ烏 赤松
壁に吊るコートも疲れたる姿 三村純也
夏の宵うすき疲れのさざ波に 平井照敏
夏の川ここまで流れ疲れたり 岩崎又一
夏帯や働き疲れ気の疲れ 鈴木真砂女 生簀籠
夏服を吊れば疲れてゐる形 広川康子
夏疲れ駱駝が膝を折るやうに 茨木和生 遠つ川
夏蜜柑へ頬もたれゐて疲れかな 中山純子 茜
夏風邪や老の疲れといふ病 松根東洋城
夕日にもひと日の疲れ籾筵 友岡子郷
夕疲れ手なる芒をひらめかし 林原耒井 蜩
夕疲れ泥鰌の鉢の据ゑられて 太田鴻村 穂国
夕蝉にやうやう見ゆる鳴き疲れ 高澤良一 燕音
夕顔にかろき疲れを見せはする 林原耒井 蜩
外套も疲れ釦穴瞑らず 田川飛旅子 『外套』
夜のみとり灯蛾の疲れに読む書あり 中尾白雨 中尾白雨句集
夜も出づる蟻よ疲れは妻も負ふ 大野林火
夜勤から疲れてきて子に蛍が死んでゐた 新井夜雨
夜神楽終う神も大蛇も疲れけり 谷計冶
夢疲れして紅梅を見にゆかず 鳥居美智子
大きな影法師と座つて看とり疲れてゐる 人間を彫る 大橋裸木
大仰にほめて疲れて菊花展 永野ヤヨイ
大山蓮花おのれ恃みて疲れけり つじ加代子
大年の故郷への汽車に疲れゐる 楠目橙黄子 橙圃
大拳下げし疲れや夕薄暑 小出秋光
大旱の疲れ農婦の寝てにほふ 石橋辰之助
大木の揉まれ疲れし野分かな 松本たかし
大木を伐りし疲れや蚊遣たく 西山泊雲 泊雲句集
大試験疲れといふを母もまた 山田弘子 螢川
夾竹桃河は疲れを溜めて流れ 有働亨 汐路
夾竹桃疲れを隠しきれぬ街 坂本まりこ
女教師の矜持に疲れ夏あざみ 鍵和田[ゆう]子「未来図」
如月も尽きたる富士の疲れかな 中村苑子(1913-2001)
妻の疲れ蝸牛はみな葉の裏に 沢木欣一
妻の胸匂ふ秋夜は疲れけり 小林康治 四季貧窮
妻疲れをり天使魚の鰓づかひ 佐野鬼人
嬰児さへ重し水禍の腕疲れ 鈴木斐佐代
子にまかす母の日なにもせぬ疲れ 島村比佐子
子の寝ざまみな疲れをりなく蛙 金尾梅の門 古志の歌
子を叱ることにも疲れ夏休み 成嶋いはほ
子供の如く眠るも獄、思い疲れて百にあまる 橋本夢道 無禮なる妻抄
学び疲れし子に樟脳舟浮かす 樋笠文
学校医疲れて戻る夕さくら 相馬遷子 山国
宴果てぬ猩々木の緋に疲れ 文挾夫佐恵
家に疲れて家を出て揚雲雀 遠藤若狭男
寂けさに疲れもぞする枇杷の花 相生垣瓜人 微茫集
寒き日の手足より息疲れをり 宍戸富美子
寒さより来る疲れもある如し 相生垣瓜人 微茫集
寒さ疲れ線香煙らしてながめけり 渡辺水巴 白日
寒明けの腰に溜れる趺坐疲れ 川澄祐勝
寒林や憩へば意の外疲れをり 平井さち子 鷹日和
寒林や疲れ忘るる斧響き 河野南畦 湖の森
寒紅に疲れを隠し看取妻 飯田波津恵
寝呉座して都会疲れの吾が子かな 佐竹たか
寝疲れる銅長の馬冬十勝 鈴木八駛郎
寺多き町に疲れし旅始め 森田公司
射ち疲れキニーネなりわかち嚥む 鈴木六林男 荒天
少し疲れ夕日に入る人と馬 松本勇二
尺蠖の尺とり疲れ吹かれをり 朝鍋住江女(冬野)
尺蠖や測り疲れて一文字 吉田水乱
山の日の照り疲れして*ごりの汁 鳥居おさむ
山の蛾を入れたる夜の疲れけり 殿村菟絲子 『路傍』
山椒の一葉の味も山疲れ 米沢吾亦紅 童顔
岸であることに疲れて彼岸過ぎ 鳴戸奈菜
川風に牡丹疲れの男かな 岸本尚毅 選集「氷」
工場の疲れ市電に充ちてシャボン臭 林田紀音夫
左義長の火疲れといふ面持ちす 高澤良一 寒暑
師走の肩摩疲れ深きが弾かれて 香西照雄 素心
帯解けば疲れなだるる夕薄暑 古賀まり子 緑の野
帰り来て旅の疲れの暑気中 河合甲南
干浴衣吹かれ疲れて休みをり 上野泰 春潮
年の暮疲れなき声テープより 森田智子
底紅や朝みづうみの疲れ波 高橋睦郎
弾き疲れの子と春月と何ささやく 林翔 和紙
往診の疲れ直しと梅酒とる 半谷銜山
徂く春の卒塔婆小町を観し疲れ 松本たかし
待ち疲れそぶりも見せず春日傘 木村紀美子
御仏にもらふ疲れや花芙蓉 大木あまり 火球
心地よき疲れを縁に春風に 高木晴子 晴居
快き疲れにありて花戻り 高橋淡路女 梶の葉
快き疲れを覚ゆ虚子忌終ヘ 阿部みどり女 月下美人
怠たりそ疲れそ苺なども食べ 中村草田男「来し方行方」
恋せむには疲れてゐたり夕蜩 草間時彦 櫻山
悪食の亀に麩をやる疲れおり 八村 宏
憎むことにも疲れはて久女の忌 檜紀代
憎むことほとほと疲れ根深汁 木田千女
懐手すぐぬくもるや疲れたり 野澤節子 黄 瀬
成人の日の一日を著疲れて 市橋山斗
戻りゆく踊疲れの三味抱いて 高濱年尾 年尾句集
戻るより夏足袋をぬぐ疲れかな 日野草城
手で顔揉み夜業疲れを癒すなり 茂里正治
手袋や人を見まじとする疲れ 高橋馬相 秋山越
手袋を銜へ脱ぎたる喪の疲れ 岡田 貞峰
押し寄する不眠の疲れ朝ざくら 朝倉和江
掌中に近江をのせて疲れけり 中北綾子
探しもの又して疲れ蜜柑むく 星野立子
摘みきたる土筆の程の疲れあり 藤原たかを
教師みな疲れ易くて鳥曇 行方克己 知音
数珠玉や足の疲れが声に出て 御木正禅
新しき靴は疲れて墓詣 青葉三角草
新巻と戦い疲れ日暮れ来る 島あじさい
新綿を見てゐて疲れ濃くなりぬ 加藤楸邨
旅の疲れの夕ぐれ貫く嬰兒の聲 鈴木六林男
旅の疲れ三日はとれず萩の雨 鈴木真砂女 夕螢
日の斑避暑地に疲れ出づる頃 小林 貴子
日傭の疲れ眼と会ふ夕薄暑 阿部みどり女
日向ぼこ睡魔とあそび疲れけり 茂一郎
日当つて祭疲れの土ならむ 石田勝彦 秋興
日永さや庭におりたつ縫疲れ 龍胆 長谷川かな女
早乙女の手足忘るるまで疲れ 津田清子(天狼)
旱る夜の疲れ憤りの凍てかへる 石原八束 空の渚
旱星祈られ疲れの主は一人 池田澄子
春の夜の夢に疲れてしまひけり 若林かをる
春の夜の子を踏むまじく疲れけり 石田波郷
春の夜の椅子やはらかく疲れをり 渡邊千枝子
春の夢つづき煌たり疲れたり 中村草田男
春の夢夜つづき煌たり疲れたり 中村草田男
春の山越えて日高き疲れ哉 春の山 正岡子規
春の月疲れたる黄をかかげけり 木下夕爾
春の灯に白足袋をぬぐ疲れかな 久米正雄 返り花
春の野や遊び疲れし影法師 市ヶ谷洋子
春の闇身の闇わけもなく疲れ 手塚美佐 昔の香
春の風邪気まま我がまゝ云ひ疲れ 上村占魚 鮎
春の馬水平線は疲れている 本田ひとみ
春尽の何もせざれど疲れにし 蝶衣句稿青垣山 高田蝶衣
春愁やサラリーマンとして疲れ 成瀬正とし 星月夜
春昼の頭さっくり疲れたり 鳴戸奈菜
春服疲れし訥々の弁黒瞳澄み 赤城さかえ
春潮に船傾くとみし疲れ 稲垣きくの 黄 瀬
春盡の何もせざれど疲れにし 高田蝶衣
春蔭や採卵すみし鱒の疲れ 内藤吐天
春雪に黒き足跡夢疲れ 小檜山繁子
昼は疲れ夜は孤独な田掻牛 中山純子「茜」
昼寝ともつかず打ち伏す疲れかな 阿部みどり女 笹鳴
昼深き日射に薔薇の疲れ見ゆ 細江大寒
昼蛙声に疲れのありにけり 小林草吾
時差疲れ癒ゆ土用芽のくれなゐに 吉田 明
智恵詣嵯峨へまはりて疲れけり 日野草城
更けてゆく火にとつついて疲れてる 人間を彫る 大橋裸木
書き疲れつつ書きつづけ黄水仙 町春草
月光に疲れし朴の散りにけり 橋本榮治 麦生
月光の矢に疲れけり致命祭 古賀まり子
月夜疲れて石鹸の泡生む手 林田紀音夫
月明の肩がもつとも疲れをり 飴山實 少長集
朝からの筆に疲れぬなく雲雀 金尾梅の門 古志の歌
朝顔に旅の疲れをもちこさず 豊田いし子
朝顔に水やれば疲れ失すと言ひつ 中尾白雨 中尾白雨句集
木の芽時疲れを溜めて水輪見る 田川飛旅子
木の芽茶屋まだ草疲れぬ人ばかり 上野泰 春潮
木犀の銀疲れたり遺跡遺居 平井さち子 鷹日和
東京残暑船尾の日の丸疲れたり 村山さとし
松すぎのをんなの疲れ海苔あぶる 渡辺桂子
松の内らしき疲れの残りをり 後藤比奈夫
松過ぎや人疲れなる迷ひ箸 池田栄子
林檎の香こぼす馬橇の疲れをり 堀口星眠 営巣期
枯菊へ疲れたる目のゆくならひ 軽部烏帽子 [しどみ]の花
案山子みな男なりけり疲れをり 波多野清
桑摘みて針持てぬほど指疲れ 吉持鶴城
梅雨を病むひとへに旅の疲れかな 久保田万太郎 流寓抄
梔子の香に噎せ心疲れをり 宮本恭子(かびれ)
梨花白し歎かば消えむ疲れかも 林翔 和紙
棕櫚の花海に夕べの疲れあり 福永耕二「鳥語」
椅子深く疲れをり若楓顔を染む 原田種茅 径
楓の芽艶なきはわが疲れかも 新井英子
橙の花の下ゆき疲れたり 寺田木公
橡咲けり人等疲れて笑ひやすく 八木絵馬
歩き疲れてはまなすは風の奥 木村敏男
歩き疲れて歩く人見る松落葉 小野周水
歳晩の疲れをほぐす他人の手 高澤晶子 純愛
残り福疲れし声をあげて売る 大戸貞子
母の日や大方の母けふも疲れ 及川貞 夕焼
毛穴より疲れ抜けゆく柚子湯かな 森山暁湖
毛糸編む人のうなじの疲れたる 波多野爽波 鋪道の花
水すまし水の上なる疲れかな 小笠原照美「暖鳥句集」
水となり疲れて眠る河骨よ 高澤晶子 復活
水中花水が疲れてゐたりけり 黛まどか
水中花水に疲れの見ゆる午後 山田良穂(南風)
水中花眠り過ぎたる身の疲れ 岡部名保子
水仙を活けたる指の疲れをり 朝倉和江
水母の夜ルンバ・タンゴに疲れおり たまきみのる
水疲れしてはや首夏の美少年 三橋敏雄「眞神」
水辺なる暮春の茶屋に疲れけり 五十嵐播水 播水句集
汽車疲れ食後の梨を措きて臥す 石塚友二 方寸虚実
法師蝉働かざりし疲れあり 鈴木鷹夫 渚通り
法師蝉声に疲れの際立てり 関森勝夫
法師蝉茂り疲れし老柳 百合山羽公 寒雁
波のりの深き疲れに睡も白く 篠原鳳作
波のりの白き疲れによこたはる 篠原鳳作
泳ぎたる疲れは遠き島のいろ 友岡子郷 春隣
泳ぎ疲れて岬に憩ういさきかな 堀之内長一
泳ぎ疲れのうつゝに生るゝ松の星 林原耒井 蜩
洗濯屋白に疲れぬ白壁冴え 香西照雄
流行の靴に疲れぬ秋の風 朝倉和江
浪のりの深き疲れに睡も白く 篠原鳳作 海の旅
浪のりの白き疲れによこたはる 篠原鳳作 海の旅
海に佇ち会陽疲れの人等かな 三木朱城
海に日が落つるや藷を掘り疲れ 田村吾亀等
海蝕の岸壁暗し喪の疲れ 赤城さかえ句集
深き井戸ひびく疲れし早乙女に 津田清子 礼 拝
深梅雨や農の疲れのわがカルテ 影島智子
渋濯屋白に疲れぬ白壁冴え 香西照雄 素心
渡鳥棹の乱れに見ゆ疲れ 山下孝子
温泉疲れといふ気だるさに蜜柑むく 藤浦昭代
温泉疲れの二タ日四葩を眺め草 雉子郎句集 石島雉子郎
温泉疲れや老の分けあふ夏蜜柑 合田丁字路
湖ひかる花野疲れの蝶入れて 宮坂静生 雹
湖疲れあきつはものの尖きにとまる 菊田千石
滝懸かる比喩に疲れた男らに 徳弘純 非望
滝音を聴き疲れたり滝を去る 太田昌子
潮浴びに疲れし児揺り天城越え 我妻草豊
濃娘等の疲れ欠伸や絵座日永 岸川鼓虫子
火燵熱き初卯詣の疲れかな 佐久間法師
灯の下の*いとどとあそぶ読み疲れ 加藤楸邨
炉火赤し旅の疲れもおはさずや 福田蓼汀 山火
炉辺ねむしあたり疲れて横になり 島田みつ子
炎天に影の疲れし風車かな 鈴木一郎
烏賊漁夫や夜焚き疲れもなく弥撒に 小原菁々子
無花果を押し潰しみる薄疲れ 横光利一
無錫から来た 絹刺少女の疲れた指 伊丹公子 機内楽
煙霞追へば煙霞の疲れ薄暑かな 松根東洋城
牡丹の百の色見て疲れけり 武政照子
牡丹やや疲れしさまに夕づきぬ 相馬遷子 山河
牡丹三千めぐり疲れて水の音 古賀まり子 緑の野以後
犬疲れて駐車場に立つ精神 山本奈良夫
猟犬の瞼を撫でて疲れ癒す 狩行
猪鍋を食ひ青天に疲れたり 中井満子
瓜の馬立ち疲れ武蔵国分寺 平井さち子 鷹日和
生き疲れてただ寝る犬や夏の月 飯田蛇笏 山廬集
生徒居ねば疲れあらはに夕焼けをり 林翔 和紙
田を鋤きて疲れし牛をひき繋ぐ河辺あかるき榛若葉かも 結城哀草果
田扱き疲れうと~と雨ふり出でし 金尾梅の門 古志の歌
田疲れ癒ゆ新じやが口に甘く溶け 大熊輝一 土の香
画き終へて昼寝も出来ぬ疲れかな 正岡子規
畑打つていたく疲れし病後哉 畑打 正岡子規
畑打つて酔へるがごとき疲れかな 竹下しづの女(1887-1951)
疲れきるまで描きし小鳥とスーパーマン 八木三日女 赤い地図
疲れざるほどに働き夏もよし 藤田つや子
疲れしかみどりの佐渡の深睡り 永田耕一郎 海絣
疲れしと思ふ心に鰯雲 高濱年尾 年尾句集
疲れしと思ふ昼寐に時過ごし 高濱年尾 年尾句集
疲れし身横たふ薄き坊布団 高木晴子 花 季
疲れたるペーパーナイフ春の雷 ふけとしこ 鎌の刃
疲れたる日光に蟻の来て動く 石塚友二 光塵
疲れたる時代祭の禿かな 松村花舟
疲れたる瞳に青空の綾もゆる 篠原鳳作 海の旅
疲れたる空病葉を降らせけり 岩岡中正
疲れたる紙幣を共同募金とす 日野草城
疲れたる臓腑をかかえ十二月 柿本英二
疲れたる足につくつくぼふしかな 五十嵐播水 埠頭
疲れたる風船虫と見えにけり 八木沢高原
疲れたる髪を梳れば火の音す 北原志満子
疲れたる髪膚に寒波来りけり 徳永山冬子
疲れた声流されている鮭こぬ川 鈴木八駛郎
疲れた農夫秋の深さの瞳で語る 穴井太 鶏と鳩と夕焼と
疲れつぽく忘れつぽく年逝かす 小出秋光
疲れて、みちのひとしげし 大越吾亦紅
疲れてはあぢさゐのごと崩れたき 稲垣きくの 牡 丹
疲れてはならず花野の逢魔どき 稲垣きくの 牡 丹
疲れてはほとほと蒼き夕霙 能村登四郎
疲れては夢に夫来ず葛ざくら 関戸靖子
疲れては妻子も憂しや*まくなぎ立つ 小林康治 四季貧窮
疲れては性なく転び穂草中 石塚友二 方寸虚実
疲れては瓢の花を賞むるかな 鈴木鷹夫 春の門
疲れては膝に這はするいぼむしり 加藤楸邨
疲れては薄翅蜉蝣など思う 北原志満子
疲れては風邪ながびかせ二兎を追ふ 佐野美智
疲れてもこの寒き坂のぼるかな 岸田稚魚
疲れても持する童顔返り花 香西照雄 素心
疲れて親し夜のどくだみに旅の酒 金子兜太「旅次抄録」
疲れどつと夕日のなかの葱坊主 南部憲吉
疲れなどどこにもなくて熟柿吸ふ 和田耕三郎
疲れなば戻らむ病後野菊道 大竹きみ江
疲れましたパソコンのあおい火花 遠藤秀子
疲れもどる田舎教師に秋日濃し 柴田白葉女 遠い橋
疲れるな鯨のハムをパンにはさむ 古沢太穂 古沢太穂句集
疲れゐて沈丁の香をすぐまとふ 加倉井秋を 午後の窓
疲れゐて雨の紅茸傘で刺す 加藤秋邨 吹越
疲れゐるわれの加はり無月かな 中戸川朝人 星辰
疲れゝば友背負ひくれ汐干狩 国弘賢治
疲れ且つ戦い仏桑花を愛す 金子兜太 少年/生長
疲れ寝すこし漓江の春の水になる 金子皆子
疲れ寝のこぼれ泪も燭に冴え(拙編『定本三好達治全詩集』発刊) 石原八束 『空の渚』
疲れ寝のてのひらを抜け旱星 桜井博道 海上
疲れ寝の口腔かわく隙間雪 石原八束 空の渚
疲れ寝の母子や月のいわし雲 倉橋羊村
疲れ寝の泪見らるる寒さかな 石原八束 空の渚
疲れ寝を窓ゆ見らるる夏は来ぬ 林翔 和紙
疲れ来てうすき膝なり夏の宵 長谷川かな女 雨 月
疲れ来てすがる晩夏の仏かな 加藤楸邨「沙漠の鶴」
疲れ来てみんな無口に雪流し 江本如山
疲れ来て田舟にすがる深田刈 吉良蘇月
疲れ涙婆が見せたる祭酒 河野南畦 湖の森
疲れ溜まれば穂絮を見たし旅したし 鈴木鷹夫 渚通り
疲れ眼に優曇華白きもの点ず 中村菊一郎
疲れ眼に目薬しみる夕雲雀 小松崎爽青
疲れ眼に稿百日の夏終る 角川源義
疲れ眼に蚊の粉っぽく灯に浮ける 高澤良一 素抱
疲れ脱ぐオーバー釦飛ばしけり 大串 章
疲れ鵜に川が束ねてありしかな 関戸靖子
疲れ鵜に念仏とどく放生会 澤田正子
疲れ鵜に水面の篝奈落なる 奥抜良人
疲れ鵜に水面を均らす夜空かな 渋谷道
疲れ鵜に火の衰へず鵜飼舟 永井芙美「願の糸」
疲れ鵜に闇を落ちゆく水のこゑ 岬木綿子
疲れ鵜に鵜匠のこゑの怖ろしき 鈴木鷹夫 大津絵
疲れ鵜のあやまたず乗る己が籠 下田稔
疲れ鵜のいつまで仰ぐ天の闇 関戸靖子
疲れ鵜のせうことなしの羽ひろげ 鷹羽狩行 七草
疲れ鵜のなほ碧眼を失なはず 佐藤直子
疲れ鵜のなほ船ばたに気を配り 今泉貞鳳
疲れ鵜のひたひた歩く足音かな 中村明子
疲れ鵜のまたふなべりを踏みはづし 杉原史耕
疲れ鵜のまなこに残る火色かな 堀 仁
疲れ鵜の互に嘴をかみ合はす 伊藤敬子
疲れ鵜の啼けば口中火の如し 八染藍子
疲れ鵜の嘴こじあけて餌を与ふ 棚山波朗
疲れ鵜の川見てゐしが振り向きぬ 関戸靖子
疲れ鵜の引上ざまに羽ばたける 鈴鹿野風呂 浜木綿
疲れ鵜の投げ餌を落とす舳先かな 後藤ひさし
疲れ鵜の水面眺めてゐたりけり 小島和江
疲れ鵜の漆黒を大抱へにし 細見綾子 黄 炎
疲れ鵜の瑠璃の泪目なせりけり 石川桂郎 高蘆
疲れ鵜の眼のある時は媚に似て 永井龍男
疲れ鵜の石にのりたり石となり 遠藤信子
疲れ鵜の石も濡らさず籠に入る 中村明子
疲れ鵜の籠しつとりと地を濡らす 加藤三七子
疲れ鵜の羽ばたきひとつ鳥屋の口 棚橋洋子
疲れ鵜の舷打つて上げらるる 細川加賀 生身魂
疲れ鵜の顔をあげては流さるる 江口千樹
疲れ鵜の餌に加へたり肝油粒 藤田真木子(天佰)
疲れ鵜の首はもつべき長さかな 今瀬剛一
疲れ鵜の鵜匠の蓑を噛みてをり 尾池和夫「大地」
疲れ鵜の鵜縄たるむをゆるさざる 岸田稚魚 『萩供養』
疲れ鵜の鵜縄ゆるめば啼きにけり 鷲谷七菜子 天鼓
疲れ鵜は籠に一声吐きにけり 佐藤美恵子
疲れ鵜や御料場の闇やはらかし 宮坂静生 春の鹿
疲れ鵜や瞼縫はれしかに閉ぢて 森田峠
疲れ鵜を労はる己が指噛ませ 栗田やすし
疲れ鵜を労る己が指噛ませ 栗田やすし「伊吹嶺」
疲れ鵜を据ゑて春潮ゆきかへり 西村公鳳
疲れ鵜を篭にいたわり烏帽子脱ぐ 井立咲子
疲れ鵜を見分け聴きわけ綱さばき 加倉井秋を 『真名井』
病み疲れた心に蠅が吸盤をあてる 人間を彫る 大橋裸木
白き手に外套托し軽き疲れ 田中冬二 麦ほこり
白といふ色に疲れて棉を摘む 宮木砂丘
白島守白鳥疲れの雪目かな 加藤知世子 花 季
白足袋の汚れのほどの人疲れ 向田貴子
白靴の汚れが見ゆる疲れかな 青木月斗
白鳥の猛猛しさに疲れけり 堀井より子
白鳥引き朝あけの湖疲れけり 松村蒼石 雁
百の目に見られて牡丹疲れけり 浜島由太郎
百合ひらき数ふゆるほど妻疲れむ 杉山岳陽 晩婚
百年を思い疲れや棗の実 鳴戸奈菜
百日の疲れの見えし百日紅 山口超心鬼
百日紅疲れを知らぬ紅として 大槻秋女
盆馬の腰に疲れの見え初むる 高橋陽代
目を張りて寒木瓜と逢う夢疲れ 加藤楸邨
目疲れのはこべらの色やわらかに 増田萌子
相逢うて飯食う疲れ遠花火 池田澄子
看とり女の疲れてをりし秋団扇 石川星水女
看とり疲れの夜をいぶる炭ぼうと火になる 人間を彫る 大橋裸木
看とり疲れを火に倚る陽があたつてゐる 人間を彫る 大橋裸木
看護婦の一と日の疲れ髪洗ふ 水無瀬白風
眠り鵜のよべの疲れを残しける 冨田みのる
眠る山親しも人に疲れ来て 小松崎爽青
眼つむれば暑さ遠のく疲れかな 阿部みどり女
眼の疲れ芥子粒ほどの春あられ 阿部みどり女
着る物のほとほと疲れ地虫出づ 林翔 和紙
睡るほどに疲れ深まる萩の夜 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
短夜に孤り疲れてねむるかな 京極杞陽 くくたち下巻
石たたき尾の疲れれば飛立てり 有本玲子
石竹や疲れ顔して刻遣りつ 岸田稚魚 筍流し
石菖や疲れし足をさます水 高田蝶衣
石蕗咲くや疲れが爪の色に出て 中村秋晴
祭見の立ちんぼ疲れ馬車道に 高澤良一 随笑
秋の灯に疲れ見ゆるや頬のあたり 大橋櫻坡子 雨月
秋の蝉疲れをさそふごと睡る 古賀まり子 緑の野
秋の鯰と夢の継ぎ目に疲れけり 栗林千津
秋日はや起き伏す山に照り疲れ 瀧春一 菜園
秋暑しピカソ展出て目の疲れ 伊藤京子
秋草に疲れきし鵜の身を寄せぬ 加藤楸邨
秋風や柱に凭れば疲れ出で 西村和子 かりそめならず
秋風や祝ぎの疲れのただならず 山田弘子 こぶし坂以後
秋風や追撃兵は疲れたり 片山桃史
秋風や黙し疲れて空を見る 石原八束 空の渚
秋風よ追撃兵は疲れたり 片山桃史 北方兵團
稗蒔や疲れたる眼にみどりなり 富安風生
稲刈の疲れによろけまだ五十 大熊輝一 土の香
稲扱を見ている休み疲れかな 熊田ひとし
空の傷へわが機銃向けている疲れ 阿部完市 絵本の空
空梅雨の川の夕日が疲れたり 柴田白葉女 牡 丹
空気銃もてる少年があらわれて疲れて沈む夕日を狙う 岡部桂一郎
空蝉が散つて疲れてならぬなり 齋藤玄 『雁道』
空飛びし夢の疲れや菊根分 山口睦子
立ち変る客に疲れし夕牡丹 中井余花朗
立冬や疲れをふやす夜の風呂 高木喬一
端居してほとほと主柱たりし疲れ 後藤綾子
笑ひこけ田打疲れの屁もれたり 大熊輝一 土の香
符箋あまた疲れし賀状返り来る 鈴木鶉衣
筆疲れ見えつつ賀状書きやまず 亀井糸游
筆竜胆疲れてまろぶ鼻さきに 鈴木 元
箱眼鏡のぞき疲れて山を見る 中村甚一(青嶺)
篝火に鵜の疲れくるわが晩年 國定義明
紅い木の実食べむか激し目の疲れ 金子皆子
紅葉くぐりぬけし静かな疲れ出づ 五木田告水
紅葉の二三本見て疲れきる 原裕 青垣
紋章のごと父母疲れ夕焼ける 阿部完市「絵本の空」
納涼船纜疲れゐたりけり 飯島晴子
紙雛をほめる男の疲れかな 鍵和田[ゆう]子 飛鳥
紫陽花にけおされてゐる身の疲れ 稲垣きくの 牡 丹
組まれた長い疲れた脚ら国歌わく 鈴木六林男 桜島
絆にも似たる疲れや遠き蝉 岡本眸
絽を剌せし疲れ目に見る牡丹かな 龍胆 長谷川かな女
綱引の綱の疲れて横たはる 柴野みちゑ
縫ひ疲れ冬菜の色に慰む目 杉田久女
繭出荷して疲れたる家の闇 大岳水一路
繭白し蚕飼疲れの母午睡 瀧澤伊代次
老紙幣疲れうらぶれくづほるゝ 日野草城
老鶯や温泉疲れの贅重ねつつ 小田尚輝
考へて泣いて疲れて秋の暮 森田愛子
耕し疲れマラソン疲れかさなりし 今坂柳二
聖果作り疲れて神も仏もなし 楠節子
聞香の後の小疲れ鱧甘し 宮下初子(翔臨)
聡くゐるこころに疲れ冬籠 浅井青陽子
肌寒し旅に疲れてゐることも 佐藤冨士夫
肩狐夫人閑暇に疲れけり 林原耒井 蜩
背伸びして疲れ顔なる花野蒜 つじ加代子
膝抱きて旅の疲れや白あやめ 横光利一
舗装路を歩き疲れし登山者よ 右城暮石 上下
舷を叩き疲れ鵜はげましぬ 松影美鈴
船旅の疲れなかりし菊の花 五十嵐播水 埠頭
色つきの夢の疲れや真白き蛾 有馬英子
芋の花見せて廻って疲れけり 古川迷水
芒野を吹かれ疲れてふつと消ゆ 今瀬剛一
芝居見て疲れて戻る五月闇 田中王城
芥子も人も疲れ夕月色となる 阿部みどり女
花づかれ老疲れとも言ふべしや 黒田櫻の園
花ひらく蔭ゆき野ゆき疲れむと 石橋辰之助 山暦
花みづき川は疲れて芥溜む 角川源義
花よりも水の疲れし水中花 平野 静
花を持つものより疲れ森を出づ 長谷川双魚 風形
花ダリヤ三面鏡に人疲れ 潮原みつる
花人として二時間の疲れかな 坊城中子
花曇人にもまれて疲れけり 西島麦南 人音
花桐に漸く旅の疲れあり 阿部みどり女
花茗荷村の疲れの父の咳 安井昌子
花茣蓙に一と日の疲れ乗せてをり 稲畑汀子
花見茣蓙華やぎ何か疲れゐて 塩川雄三
若草野風に押されて疲れない 高桑婦美子
若葉してこのむなしさも疲れゆゑか 鈴木真砂女 夕螢
若葉俄にこぞるにさへや疲れ易し 野澤節子 黄 瀬
若葉守虫に疲れて眠りけり 林原耒井 蜩
茄子を焼く妻にたつきの疲れ見ゆ 冨田みのる
草の香に日のたゆたへば疲れたり 林原耒井 蜩
草摘みし疲れいささか仏の日 木村蕪城 一位
草木の土用に人は疲れたり 長谷川かな女 雨 月
菜園の土の疲れや萵苣の花 大野雑草子
華曇熱に疲れて情しづか 殿村莵絲子
萎えにけり月下美人の名に疲れ 大橋敦子
萩暮れぬ湯浴み疲れにい溶けゐぬ 石塚友二 光塵
葉ざくらを抜け右肩に疲れ出づ 川波 流
葉の目立ちきたる残花にある疲れ 山下美典
葉鶏頭歩き疲れて逝きにけり 好村文子
蒲団薄し薪水の疲れ寝入りけり 尾崎迷堂 孤輪
蓴菜の舟去りて水疲れたり 内野浅茅
薫風を捌き疲れて夕欅 高澤良一 ももすずめ
薫風裡善良な瞳に看られゐる疲れ 内藤吐天 鳴海抄
藤を見に行きしきのふの疲れ哉 藤 正岡子規
蘭の束と疲れて共にやわらかに 池田澄子
虎落笛明日へ疲れを負ひ眠る 新明紫明
虎鶫夏行疲れの尼も寝て 山田孝子
虫嗄れし夜々の浅寝に疲れたり 臼田亞浪 定本亜浪句集
蚊がかほにあたる家路を疲れつつ 森川暁水 黴
蚕疲れや睡魔に放るボールペン 五十嵐春男
蚕飼女の疲れきつたる小唄かな 楠目橙黄子 橙圃
蚯蚓鳴く疲れて怒ることもなし 石田波郷
蛇苺こころ疲れし午後の時 角川春樹
蜩や水の匂ひに疲れをり 小島健 木の実
蝉のこゑ疲れつかれてゆふ灼けぬ 中尾白雨 中尾白雨句集
蝶の昼妻は疲れて眠りをり 長谷川櫂 蓬莱
蝶も夏あの世この世と飛び疲れ 河原枇杷男 蝶座
蟇竦み疲れて目をつぶる 阿部みどり女
蟻を見るこころ疲れてゐる日かな 新明紫明
蟻を見る何と云ふことなく疲れ 菖蒲あや あ や
蟻踏まず帰りて足の疲れあり 宍戸富美子
襟元に花の疲れや菊人形 石原狂歩
西鶴忌人に疲れて帰り来る 石川桂郎 含羞
見る側としてのどんたく疲れてふ 水田信子
角帯の芯の疲れや西鶴忌 野村親二
診疲れに加ふ花冷きのふけふ 新明紫明
試歩疲れ小菊のつぼみ金色に 鍵和田[ゆう]子 浮標
調べより疲れて重たく帰る真夜怒りのごとく生理はじまる 道浦母都子
貞叔な妻に疲れて牡丹植う 石田よし宏
貧しくても疲れたゴム紐のように家に帰る 橋本夢道 無礼なる妻
貧乏桜よ疲れ果てまじ明るい時は微笑む時 橋本夢道 無禮なる妻抄
買初や買ひ疲れたるをんなの眼 柴田白葉女 『冬椿』『遠い橋』『岬の日』
賞与月疲れざる顔夕映えよ 香西照雄 対話
赤飯を炊くたび疲れやすくなる 池田澄子
足ほてる田植疲れに寝つかれず 奥野きよし
足袋こはぜ一つはづして疲れ癒え 斎藤夏子
路の疲れの袂の胡桃をつかみ居 梅林句屑 喜谷六花
身ごころの疲れてゐたりあけび甘く 中山純子 沙羅
身に沁むや職に縋りて疲れをり 小林康治 四季貧窮
身の疲れありて茴香匂ふかな 中島みちこ
身の疲れかがめば蟇に似てしまふ 鎌倉佐弓 潤
身も衣も疲れたるはや春の日に 石塚友二 光塵
軽快な雲去り疲れた屋根こみあう 穴井太 鶏と鳩と夕焼と
辞書黴びて手沢(しゅたく)のくもる夜の疲れ 石原八束 秋風琴
辯へたと牡丹に疲れ見えにけり 高澤良一 随笑
迷ひ子の泣き疲れたる諸葛菜 小川笹舟
透析の疲れはげしや遠雷も 朝倉和江
透析の疲れ引きずり茸狩 朝倉和江
通し鵜と十二鵜縄と疲れけり 石川桂郎 高蘆
逢いに行けば多分疲れる片しぐれ 池田澄子 たましいの話
遅日漸く熱怠りし疲れかな 青峰集 島田青峰
遊び疲れの亡者もおりぬ著莪の花 山縣愁平
過ぎり来し枯野の如く疲れたり 有働亨 汐路
道に寝る石取太鼓打ち疲れ 長田白日夢
遠火事や喪中のはがき書き疲れ 鈴木鷹夫 渚通り
遠蛙一日の疲れ足裏に 古賀まり子 緑の野
遠蛙疲れすぎても眠られず 鈴木真砂女 夕螢
遠足の疲れは列の乱れにも 牧田登志子
野疲れの耳にうとうと遠蛙 田阪千恵子
野良疲れ五月闇より深眠る 影島智子
金借るべう汗しまわりし身の疲れ 石塚友二 方寸虚実
金堂ぬくし神将力み疲れしか 宮坂静生 雹
金木犀訪はれ疲れをまろびをり 石田 波郷
釣堀の四角の水の疲れたる 波多野爽波 『骰子』
釣堀の四隅の水の疲れたる 波多野爽波
鉄漿蜻蛉(おはぐろ)に羽摶ち疲れといふはなし 高澤良一 鳩信
鉄筋に疲れのたまる茗荷汁 桑原三郎 晝夜 以後
鎌倉の余白で遊び疲れたり 遠藤 煌
鎌倉へ来て田疲れの貼り薬 中島畦雨
鎧着て疲れためさん土用干し 去来「続虚栗」
鏡中の疲れし真顔夜の青田 加藤楸邨
長旅の疲れごころの展墓かな 楠目橙黄子 橙圃
長旅の疲れ癒せり青林檎 後藤郁子
降り出して花野あかるむ疲れかな 鍵和田[ゆう]子 武蔵野
限りなく疲れたる眼にながめけり我がつまさきのなでしこの花 片山廣子
陶片の中や疲れていぼむしり 杉本志か代
陽炎にどうとたふれて疲れけり 中島斌男
雀らと同じ疲れの粟畑 栗林千津
雉子鳴けりほとほと疲れ飯食ふに 加藤楸邨
雛すぎの書架に疲れし花愛し 阿部みどり女
雨ぬくし五臓疲れてゐる目醒め 片山桃史 北方兵團
雨の螢疲れし荷馬引き戻る 石島雉子郎
雨暗し田植疲れといふまこと 松村蒼石
雨疲れして島じゅうの額の花 嶋田麻紀
雪つけてまだ疲れなき雪囲 中戸川朝人
雪の旦の足跡たどり疲れたり 原田種茅 径
雪の白さに疲れやはらかさに疲れ 津田清子 礼 拝
雪女近づき過ぎて疲れけり えいもとかん
雪山と寝起共にし疲れけり 阿部みどり女
雪山をへだてて見ゆる炭山疲れ 齋藤玄 『無畔』
雪明り疲れやすきはランプの炎 桜井博道 海上
雪渓の波につまづき疲れはて 中島斌男
雪靴の疲れ雪にて拭ひけり 北川英子
霧さむく思ふことにも疲れけり 鈴木しづ子
青く疲れて明るい魚をひたすら食う 金子兜太
青く疲れ冷たい水を掌に満たす 穴井太 鶏と鳩と夕焼と
青ふくべ遊び疲れし顔のあり 小菅防風
青芒直なる人に疲れけり 宇留野ひとみ
青葉木莵疲れしときはねむれとよ 影島智子
青鬼灯地を這ふまでに疲れけり 石田あき子 見舞籠
青麦の穂には疲れといふことなし 波止影夫
音楽を疲れて聞くや五月盡 細見綾子
額白う女疲れぬ桜餅 島村元句集
願化(がんけ)見る腰の疲れも何のその 高澤良一 素抱
風かはすことに疲れて破れ蓮 有吉桜雲
風が散らした星屑疲れたバケツに汲みあげる 尾山二郎子
風となれ遊び疲れた文明は 春海教子
風に疲れし歩みの桜葉の若く 林原耒井 蜩
風止みて疲れみえたる萩若葉 橋本武子
風車まはり疲れて売れ残る 新明紫明
風邪の疲れ夜の昏さにかくまへり 野澤節子 黄 瀬
飛ぶ事に疲れて今は鷺草です 岸本マチ子
飲んで食べて笑って疲れポインセチア 蓮田双川
首筋に集る疲れ夜なべ終ふ 森口時夫
香煙より百合の香勁し忌の疲れ 北野民夫
馴れぬ竿振り疲れけり実梅打ち 伊藤紀秋
骨もまた疲れて眠る龍の玉 川崎展宏(1927-)
骨太の螽?など一茶疲れしや 宮坂静生 山開
骨正月てふ日にありし疲れかな 潮崎俊子
髪洗ひ髪の重さに疲れたり 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
鬼灯市の青き匂に疲れたり 原 コウ子
鯛網を見ての戻りの舟に疲れ 高濱年尾 年尾句集
鳥達の踊り疲れて砂の街 対馬康子 吾亦紅
鳧の子の一つは泳ぎ疲れたる 稲垣富子
鳴き疲れたる鈴虫と共に寝む 樋笠 文
鳴き疲れらしき囮の籠下ろす 中川秋太
鳴疲れたる鈴虫と共に寝む 樋笠文
鴎の白少し疲れし晩夏かな 石川文子
鴨帰る噴火に人は疲れゐむ 金箱戈止夫
鵙の声耳にのこりて疲れをり 和田実生
鵙の天碧し朝から疲れゐる 内藤吐天 鳴海抄
鶏頭の赤に負けゐし疲れかな 田中昭子
鶴のように空で疲れるオートバイ 阿部完市 絵本の空
鷹迅し鋭く旅の疲れでて 飯田龍太
鹿島香取も殺し疲れし眼もあはれ 高柳重信
麦の入日面向けがたく疲れけり 千代田葛彦 旅人木
麦秋の眼を閉ぢてゐる生き疲れ 小出秋光
黄の紙幣よみ疲れ極月の灯を昼も 片山桃史 北方兵團
黄牡丹一会にほぐる農疲れ 影島智子
黄金週間テレビニュースも疲れたり 五島誓太郎
黒牛の疲れ癒えざる新春野 殿村莵絲子 牡 丹
黙読の喉の疲れや冬の暮 岡本眸
鼻尖の日焼けも旅の疲れかな 仁平勝 東京物語
●花疲れ 
いつもより電車が揺れる花疲れ 中山洋子
うとましき顔みられけり花疲れ 石橋秀野
おのがじし道をひろへる花疲れ 後藤夜半 翠黛
おひおひに別れてよりの花疲れ 万太郎せん 吉屋信子
さよならを交し一気に花疲れ 村山 映
つつましき欠伸してゐる花疲れ 川端豊子
ひとまはりして来しばかり花疲れ 高濱年尾 年尾句集
まつしろな空の下なる花疲れ 石田郷子
みどり児に見つめられゐて花疲れ 森田峠 避暑散歩
一服の茶の香にいやす花疲れ 後閑マキ子
一泊の部屋を点して花疲れ 一枝伸
万歩計一万歩越す花疲れ 須山重信
中指の絵の裸婦はみな花疲れ 皆吉司
丸髷のかつら重たし花疲れ 万太郎せん 吉屋信子
光にも揉まれしごとし花疲れ 香西照雄
前の人きらびやかなる花疲れ 後藤夜半 翠黛
命杖に握り艶出て花疲れ 鳥居おさむ
坐りたるまゝ帯とくや花疲れ 鈴木真砂女 生簀籠
大いなる空の下なる花疲れ 大坂黎子
大仏の背の絶壁や花疲れ 殿村莵絲子 雨 月
大仏を割愛したる花疲れ 高澤良一 随笑
天気予報のずれ半日や花疲れ 細谷喨々
女体には芯のありしか花疲れ 服部くらら
女湯の更けし桶音花疲れ 堤俳一佳
寺の戸の木目のしるき花疲れ 岩淵喜代子 朝の椅子
岩惣の塗脇息に花疲れ 鈴鹿野風呂 浜木綿
川を見て坐れる母や花疲れ 北澤瑞史
帯ときし渦の中なる花疲れ 新明セツ子
帯とくや花疲れより人疲れ 鈴木真砂女
帯解きし渦の中なる花疲れ 鈴木世記
庖丁の重さや花疲れとも違ふ 中村明子
椎の花疲れて何も考へぬ 行方克巳
欄干に皆もたれゐる花疲れ 高木晴子 晴子句集
母いますまどゐに遠く花疲れ 馬場移公子
流れゆく水を見てゐて花疲れ 福田蓼汀
温みある足袋を重ねて花疲れ 三好潤子
片減りの印つよく挿す花疲れ 小島花枝
牛立つて黒い帆となる花疲れ 田川飛旅子
町騒の甦へるより花疲れ 山田弘子 螢川
白松が最中をまへに花疲れ 川崎展宏
眼裏の模様細かし花疲れ 都筑智子
空いてゐし床几にかけぬ花疲れ 後藤夜半 翠黛
筆立にいろいろのペン花疲れ 矢村三生
結び癖のこるネクタイ花疲れ 土田日露支
耳飾り外してよりの花疲れ 高橋満子
脱ぎ捨ての帯のはし踏む花疲れ 湯浅康右
花の句に疲れてやがて花疲れ 鈴木鷹夫 渚通り
花疲れいつもうしろに誰かゐて つじ加代子
花疲れおいてきぼりにされにけり 久保田万太郎 流寓抄以後
花疲れおなんど色に昏れてゆき 斉藤冨美子
花疲れかくしもならぬ起居かな 高濱年尾 年尾句集
花疲れかもガラス器で割るたまご 辻美奈子
花疲れからすの灸に泣く児ゐて 平井さち子 完流
花疲れこの世に疲れたるごとし 大串 章
花疲れして観音の前にゐる 佐藤尚子
花疲れすでに洗濯機を廻る 柴田奈美
花疲れとは酔ひざめに似たるかな 今瀬剛一
花疲ればかりでもなし嫁がせて 石川文子
花疲れまどろみてなほ花の中 桜井筑蛙
花疲れ一つ床几に女同志 阿部みどり女 笹鳴
花疲れ五枚鞐を外しては 都筑智子
花疲れ先づひもとくは五元集 加藤郁乎 江戸桜
花疲れ卓に肱投げて料理註文 阿部みどり女 笹鳴
花疲れ吊革分かつ知らぬ人 吉屋信子
花疲れ夢の中にもありにけり 平尾みさを
花疲れ帯なが~とときしまゝ 足立文女
花疲れ愚陀佛宜しく湯を浴みて 高澤良一 寒暑
花疲れ流れについてゆくとなく 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
花疲れ湯疲れの身を船室に 高頭芳櫻子
花疲れ灯にちらばつて足袋と足 今瀬剛一
花疲れ烏賊を刺身にさせて買ふ 北野民夫
花疲れ眠る子抱いて眠りけり 高橋うめ子
花疲れ眠れる人に凭り眠る 高浜虚子
花疲れ瞑想のごと眼をつむる 冨岡梧桐
花疲れ糸の切れたる如く座す 宇都木水晶花
花疲れ縁談づかれかもしれず 車谷弘
花疲れ膝にこぼせる五色豆 斎藤朗笛
花疲れ芦辺踊の椅子に在り 伊東祐翠
花疲れ蝸牛われをなぞるなり 攝津幸彦
花疲れ重ねつつ旅終りけり 成瀬正とし 星月夜
花疲れ静かに静かに失速し 渡辺誠一郎
花疲れ靴の埃に夕ごころ 吉屋信子
解く帯の渦の中なる花疲れ 白川節子
誰彼にひきあはされて花疲れ 安部悌子
足袋を脱ぐ足のほてりや花疲れ 鈴木真砂女 生簀籠
足袋脱いで素足となりぬ花疲れ 田中冬二 俳句拾遺
身のうちにのこる谿音花疲れ 立石萌木
鉄瓶の白湯の甘さよ花疲れ 杉 良介
雨だれの誘ふまどろみ花疲れ 大竹きみ江
首傾ぐ弥勒菩薩や花疲れ 殿村莵絲子 牡 丹
黄昏をしみじみ背負う花疲れ 浦野幸水
●疲れる 
寝疲れる銅長の馬冬十勝 鈴木八駛郎
鶴のように空で疲れるオートバイ 阿部完市 絵本の空
逢いに行けば多分疲れる片しぐれ 池田澄子 たましいの話
もう眠らう泳ぎ疲れた子のやうに 櫂未知子 貴族
働いて疲れた一日をドアで仕切る 古家榧子
滝懸かる比喩に疲れた男らに 徳弘純 非望
無錫から来た 絹刺少女の疲れた指 伊丹公子 機内楽
疲れた声流されている鮭こぬ川 鈴木八駛郎
疲れた農夫秋の深さの瞳で語る 穴井太 鶏と鳩と夕焼と
病み疲れた心に蠅が吸盤をあてる 人間を彫る 大橋裸木
組まれた長い疲れた脚ら国歌わく 鈴木六林男 桜島
貧しくても疲れたゴム紐のように家に帰る 橋本夢道 無礼なる妻
軽快な雲去り疲れた屋根こみあう 穴井太 鶏と鳩と夕焼と
風が散らした星屑疲れたバケツに汲みあげる 尾山二郎子
風となれ遊び疲れた文明は 春海教子
いつも旅雪に疲れし野兔の耳 対馬康子 吾亦紅
きのふけふ何に疲れし竹の秋 近藤一鴻
なほ壁に外套疲れし姿なす 岸田稚魚
ねぶた果て疲れし大路現はるる 岸田稚魚
ばらばらに手足疲れし夏の月 清水 白郎
みとり疲れし母朝顔に水やれる 中尾白雨 中尾白雨句集
ファミコンに疲れし子等に木の実独楽 初川トミ子
井戸枠に疲れし蜂の三四かな 三好達治 路上百句
人の世に疲れし夜や秋簾 鷲谷七菜子 黄 炎
八月や海月疲れし船溜り 有働 亨
冬の夜や音の疲れし古時計 土屋保夫
冷房に疲れし肩を叩くなり 星野立子
労られすぎて疲れし敬老日 福山英子
喪天に疲れし夕日松に没る 阿部みどり女
四葩咲き夕べ疲れし掌 菖蒲あや あ や
夢疲れして紅梅を見にゆかず 鳥居美智子
大木の揉まれ疲れし野分かな 松本たかし
学び疲れし子に樟脳舟浮かす 樋笠文
寺多き町に疲れし旅始め 森田公司
山の日の照り疲れして*ごりの汁 鳥居おさむ
春の野や遊び疲れし影法師 市ヶ谷洋子
春服疲れし訥々の弁黒瞳澄み 赤城さかえ
月光に疲れし朴の散りにけり 橋本榮治 麦生
残り福疲れし声をあげて売る 大戸貞子
水疲れしてはや首夏の美少年 三橋敏雄「眞神」
法師蝉茂り疲れし老柳 百合山羽公 寒雁
深き井戸ひびく疲れし早乙女に 津田清子 礼 拝
湯田中に湯疲れしたり旧端午 伊藤敬子
潮浴びに疲れし児揺り天城越え 我妻草豊
炎天に影の疲れし風車かな 鈴木一郎
牡丹やや疲れしさまに夕づきぬ 相馬遷子 山河
田を鋤きて疲れし牛をひき繋ぐ河辺あかるき榛若葉かも 結城哀草果
畑打つていたく疲れし病後哉 畑打 正岡子規
疲れしかみどりの佐渡の深睡り 永田耕一郎 海絣
疲れしと思ふ心に鰯雲 高濱年尾 年尾句集
疲れしと思ふ昼寐に時過ごし 高濱年尾 年尾句集
疲れし身横たふ薄き坊布団 高木晴子 花 季
石菖や疲れし足をさます水 高田蝶衣
立ち変る客に疲れし夕牡丹 中井余花朗
符箋あまた疲れし賀状返り来る 鈴木鶉衣
舗装路を歩き疲れし登山者よ 右城暮石 上下
花よりも水の疲れし水中花 平野 静
花疲れして観音の前にゐる 佐藤尚子
蛇苺こころ疲れし午後の時 角川春樹
金堂ぬくし神将力み疲れしか 宮坂静生 雹
鏡中の疲れし真顔夜の青田 加藤楸邨
雛すぎの書架に疲れし花愛し 阿部みどり女
雨の螢疲れし荷馬引き戻る 石島雉子郎
雨疲れして島じゅうの額の花 嶋田麻紀
青ふくべ遊び疲れし顔のあり 小菅防風
青葉木莵疲れしときはねむれとよ 影島智子
風に疲れし歩みの桜葉の若く 林原耒井 蜩
骨太の螽?など一茶疲れしや 宮坂静生 山開
鴎の白少し疲れし晩夏かな 石川文子
鹿島香取も殺し疲れし眼もあはれ 高柳重信
伸びすぎて胡瓜疲れぬ地に近く 小澤實
木の芽茶屋まだ草疲れぬ人ばかり 上野泰 春潮
洗濯屋白に疲れぬ白壁冴え 香西照雄
流行の靴に疲れぬ秋の風 朝倉和江
渋濯屋白に疲れぬ白壁冴え 香西照雄 素心
額白う女疲れぬ桜餅 島村元句集
いい人に少し疲れて蜆汁 幸村睦子
くた~に疲れて戻り吸入器 大塚千々二
こころよく歩き疲れて秋夕焼 山田弘子 螢川
にんげんに少し疲れて泳ぐかな 木内怜子
にんげんは人に疲れて夏逝けり 津沢マサ子 風のトルソー
ひややかな水こそ甘し疲れては 野澤節子 黄 炎
まつはるる子等に疲れて門涼み 松村蒼石 寒鶯抄
まとひつく子等に疲れて門涼み 松村蒼石 露
みづぎはの疲れてゐたり菱の花 大石悦子 群萌
よもぎ餅疲れてゐたる手が二本 伊藤浩子
五月闇疲れては声大きくす 古賀まり子 緑の野
人の目に疲れて秋の扇かな 澤村昭代
仏跡を巡り疲れてハンモック 広田祝世
伊賀の花に疲れて伊勢の湯に疲れ 猿橋統流子
佇つことにとうに疲れてゐる案山子 田山元雄
再会のあとの秒針疲れてる 中村浩美
凍蝶にかゞみ疲れて立上る 星野立子
十一やふつと疲れて岩の上 細川加賀 生身魂
喫泉飲む疲れて黒き鳥となり 西東三鬼
夏服を吊れば疲れてゐる形 広川康子
夜勤から疲れてきて子に蛍が死んでゐた 新井夜雨
大きな影法師と座つて看とり疲れてゐる 人間を彫る 大橋裸木
大仰にほめて疲れて菊花展 永野ヤヨイ
子供の如く眠るも獄、思い疲れて百にあまる 橋本夢道 無禮なる妻抄
学校医疲れて戻る夕さくら 相馬遷子 山国
家に疲れて家を出て揚雲雀 遠藤若狭男
尺蠖や測り疲れて一文字 吉田水乱
岸であることに疲れて彼岸過ぎ 鳴戸奈菜
干浴衣吹かれ疲れて休みをり 上野泰 春潮
恋せむには疲れてゐたり夕蜩 草間時彦 櫻山
成人の日の一日を著疲れて 市橋山斗
新しき靴は疲れて墓詣 青葉三角草
春の夜の夢に疲れてしまひけり 若林かをる
春の馬水平線は疲れている 本田ひとみ
更けてゆく火にとつついて疲れてる 人間を彫る 大橋裸木
月夜疲れて石鹸の泡生む手 林田紀音夫
椎の花疲れて何も考へぬ 行方克巳
橡咲けり人等疲れて笑ひやすく 八木絵馬
歩き疲れてはまなすは風の奥 木村敏男
歩き疲れて歩く人見る松落葉 小野周水
水となり疲れて眠る河骨よ 高澤晶子 復活
水中花水が疲れてゐたりけり 黛まどか
泳ぎ疲れて岬に憩ういさきかな 堀之内長一
炉辺ねむしあたり疲れて横になり 島田みつ子
牡丹三千めぐり疲れて水の音 古賀まり子 緑の野以後
犬疲れて駐車場に立つ精神 山本奈良夫
生き疲れてただ寝る犬や夏の月 飯田蛇笏 山廬集
畑打つていたく疲れし病後哉 畑打 正岡子規
疲れて、みちのひとしげし 大越吾亦紅
疲れてはあぢさゐのごと崩れたき 稲垣きくの 牡 丹
疲れてはならず花野の逢魔どき 稲垣きくの 牡 丹
疲れてはほとほと蒼き夕霙 能村登四郎
疲れては夢に夫来ず葛ざくら 関戸靖子
疲れては妻子も憂しや*まくなぎ立つ 小林康治 四季貧窮
疲れては性なく転び穂草中 石塚友二 方寸虚実
疲れては瓢の花を賞むるかな 鈴木鷹夫 春の門
疲れては膝に這はするいぼむしり 加藤楸邨
疲れては薄翅蜉蝣など思う 北原志満子
疲れては風邪ながびかせ二兎を追ふ 佐野美智
疲れてもこの寒き坂のぼるかな 岸田稚魚
疲れても持する童顔返り花 香西照雄 素心
疲れて親し夜のどくだみに旅の酒 金子兜太「旅次抄録」
白といふ色に疲れて棉を摘む 宮木砂丘
看とり女の疲れてをりし秋団扇 石川星水女
短夜に孤り疲れてねむるかな 京極杞陽 くくたち下巻
秋風や黙し疲れて空を見る 石原八束 空の渚
空気銃もてる少年があらわれて疲れて沈む夕日を狙う 岡部桂一郎
空蝉が散つて疲れてならぬなり 齋藤玄 『雁道』
筆竜胆疲れてまろぶ鼻さきに 鈴木 元
箱眼鏡のぞき疲れて山を見る 中村甚一(青嶺)
綱引の綱の疲れて横たはる 柴野みちゑ
考へて泣いて疲れて秋の暮 森田愛子
聖果作り疲れて神も仏もなし 楠節子
肌寒し旅に疲れてゐることも 佐藤冨士夫
芒野を吹かれ疲れてふつと消ゆ 今瀬剛一
芝居見て疲れて戻る五月闇 田中王城
花の句に疲れてやがて花疲れ 鈴木鷹夫 渚通り
花みづき川は疲れて芥溜む 角川源義
若葉守虫に疲れて眠りけり 林原耒井 蜩
華曇熱に疲れて情しづか 殿村莵絲子
葉鶏頭歩き疲れて逝きにけり 好村文子
薫風を捌き疲れて夕欅 高澤良一 ももすずめ
蘭の束と疲れて共にやわらかに 池田澄子
蚯蚓鳴く疲れて怒ることもなし 石田波郷
蝶の昼妻は疲れて眠りをり 長谷川櫂 蓬莱
蟇竦み疲れて目をつぶる 阿部みどり女
蟻を見るこころ疲れてゐる日かな 新明紫明
西鶴忌人に疲れて帰り来る 石川桂郎 含羞
見る側としてのどんたく疲れてふ 水田信子
調べより疲れて重たく帰る真夜怒りのごとく生理はじまる 道浦母都子
貞叔な妻に疲れて牡丹植う 石田よし宏
身ごころの疲れてゐたりあけび甘く 中山純子 沙羅
陶片の中や疲れていぼむしり 杉本志か代
雨ぬくし五臓疲れてゐる目醒め 片山桃史 北方兵團
青く疲れて明るい魚をひたすら食う 金子兜太
音楽を疲れて聞くや五月盡 細見綾子
風かはすことに疲れて破れ蓮 有吉桜雲
風車まはり疲れて売れ残る 新明紫明
飛ぶ事に疲れて今は鷺草です 岸本マチ子
骨もまた疲れて眠る龍の玉 川崎展宏(1927-)
鳥達の踊り疲れて砂の街 対馬康子 吾亦紅
●草臥(くたび)れる 
あさがほや草臥(くたびれ)直る夜は持ず 千代尼
けふに成て草臥(くたびれ)おかし菊作り 千代尼
さびはてゝ鮎草臥つ水の淀 如行
さりなから花の堤も草臥るゝ 尾崎紅葉
寝言いかに花待山の気草臥(きくたびれ) 宗也 選集「板東太郎」
春の夜の旅草臥や道中画 春の夜 正岡子規
湯あみせし旅草臥や蚊帳の中 蚊帳 正岡子規
秋の日や草臥れ足の一葉ふむ 飯田蛇笏 山廬集
草臥(くたぶれ)はどふも涼しい月よなふ 広瀬惟然
草臥てよし足引の山桜 山桜 正岡子規
草臥て宿かる比や藤の花 芭蕉(大和行脚のとき)
草臥て寐し間に春は暮にけり 高井几董
草臥て平たくなりぬ茶摘歌 蓼太
草臥て烏行くなり雪ぐもり 路通
草臥て行手を望む柳哉 柳 正岡子規
草臥の出るやさくらのちる日より 井上井月
草臥の根ぬけや沖の昼すずみ 内藤丈草
草臥はせぬか彼岸の鉦叩き 彼岸 正岡子規
草臥や我足遲き渡り鳥 渡り鳥 正岡子規
草臥や西施のひそむ桜茶屋 尾崎紅葉
草臥る青麦道や病ミ上り 青麦 正岡子規
草臥れし行手に遠し雲の峰 露月句集 石井露月
草臥れた足でわたるや花の川 士喬
草臥れてねにかへる花のあるじかな 蕪村
草臥れて三井に帰るかほととぎす 千那 四 月 月別句集「韻塞」
草臥れて土にとまるや秋の蝶 蓼太
草臥れて地にとりつくや木瓜の花 残香 三 月 月別句集「韻塞」
草臥れて宿かるころや頃や藤の花 松尾芭蕉
草臥れて宿借るころや藤の花 芭蕉
草臥れて瓦礫に座せばベニヒカゲ 高澤良一 宿好
草臥れて背にね入る子や放生会 久保ゐの吉
草臥れて芝に眠たしかんこどり 水田正秀
薔薇の果はみのりてをれど聖ヨハネの祝日ちかく草臥れてをり 斎藤正二
薔薇を見る眼の草臥や病ミ上り 薔薇 正岡子規
蟾蜍老いぬ肩肘張つて草臥れて 田仲了司
行く秋や草臥れのつく鹿の恋 水田正秀
行水や寺を預る気草臥 柑子句集 籾山柑子
長閑さに気の草臥る眼鏡かな 井上井月
麦秋の草臥声や念仏講 高井几董
あさがほや草臥(くたびれ)直る夜は持ず 千代尼
くたびれしものに二日の身を通す 小原禎子
くたびれし僧の鼾や蟲の聲 虫の声 正岡子規
くたびれし足なげ出して船料理 星野立子
くたびれし静かな面テ夏の山 阿部みどり女
くたびれた音や山田の落水 落し水 正岡子規
くたびれて唾の甘さよ姫女苑 小川軽舟
くたびれて坐す江東の氷菓賣 黒田杏子 花下草上
くたびれて外套凡医われに似る 新明紫明
くたびれて宿かるころや藤の花 芭蕉
くたびれて来てたゝみたる春日傘 久保田万太郎 草の丈
くたびれて柳も眠る日和哉 柳 正岡子規
くたびれて歸る野道や螽踏む 蝗 正岡子規
くたびれて素足の指の遠きかな 森賀 まり
くたびれて野分のあとの草木哉 野分 正岡子規
くたびれもせぬか番雁首立てゝ 雁 正岡子規
くたびれや心太くふて茶屋に寝る 心太 正岡子規
くたびれを養ひかぬる署さかな 正岡子規
けふに成て草臥(くたびれ)おかし菊作り 千代尼
まつすぐに道くたびれる芒かな 野村喜舟 小石川
もやしの手で露を食べてくたびれて 八木三日女 落葉期
バスを待ちくたびれてをり花通草 飴山實 少長集
七十年雪嶺あふぎてくたびれたり 齊藤美規
不二こえたくたびれ顔や隅田の雁 雁 正岡子規
五月雨やくたびれ顔の鹿の妻 五月雨 正岡子規
冬籠日のくたびれる明り窓 杉風
初ざくら自愛ほとほとくたびれる 池田澄子
売子老人くたびれたらむ愛の羽根 百合山羽公 寒雁
夕月やしっかりするとくたびれる 池田澄子 たましいの話
天命を待ちくたびれて枯紫苑 塚本邦雄
寝心も花くたびれの夜頃かな 蓼太
寝言いかに花待山の気草臥(きくたびれ) 宗也 選集「板東太郎」
幽霊草くたびれ易きこころの灯 佐怒賀正美
春の野や旅人何にくたびれる 春野 正岡子規
望月や盆くたびれで人は寝る 路通
松島に目のくたびれしすゝみかな 納涼 正岡子規
枝おろしてうらゝかに心くたびれぬ 冬の土宮林菫哉
柿を喰ふくたびれ顔の一人かな 雉子郎句集 石島雉子郎
残暑の候男素直にくたびれる 牧岡亘子
永き日やくたびれもせぬ波の音 日永 正岡子規
沙濱に足くたびれる月見哉 月見 正岡子規
治聾酒の酔にいささかくたびれし 八田木枯
父の靴くたびれており燕の子 三浦ミヨ子
神輿舁く掛声くたびれてはならず 高澤良一 燕音
粟の穗のくたびれもせぬ野分哉 野分 正岡子規
緑蔭に読みくたびれし指栞 辻田克巳
耕した夕くたびれや簟 簟 正岡子規
腰浮かし試筆くたびれ易きかな 阿波野青畝
落蝉とくたびれし時間転がれり 柴田奈美
藁塚の二つくたびれ合うてゐる 藤田湘子 てんてん
蛇を去る旅のくたびれ手にもある 森川暁水 淀
蜻蛉の飛びくたびれて釣の糸 蘇山人俳句集 羅蘇山人
行く春や足くたびれし奈良廻り 行く春 正岡子規
谷向う百合見えてくたびれにけり 佐野良太 樫
釣堀の水くたびれて人多し 岩下吟千
風吹きくたびれて居る青草 尾崎放哉
馬酔木咲く野にくたびれて煙草かな 幸田露伴 谷中集
鳳凰もくたびれてをる干蒲団 櫂未知子 蒙古斑
麦刈にくたびれてゐて月が出し 細見綾子
麦秋のくたびれ声や念仏講 几董
●ばてる
●心労 
心労の膝さし入るる炬燵かな 服部京女
心労や蝶呼ぶ大地束の間に 原裕 葦牙
鈴虫凛々心労豊かと言ひて自慰 香西照雄 素心
●倦怠 
コラールサンドの倦怠 多国籍語の昼 伊丹公子 ガルーダ
倦怠がパチパチ火花するめはじき 及川君江
倦怠のきつかけとなる冬苺 新庄佳以
倦怠の証し尾花の揺れ止まず 高原美代子
倦怠は耳の奥からやぶからし 水口圭子
倦怠は青空を抱く春の沼 丸山 巧
倦怠や戦場に鳴く無慮の蠅 鈴木六林男 荒天
倦怠や暮るる小部屋に菊薫ず 江里昭彦 ラディカル・マザー・コンプレックス
倦怠や茶壷に残る古茶の嵩 宇咲冬男
倦怠や青葉逃れし蠅もよし 八木三日女 紅 茸
倦怠を背負ふ父子の潮干狩 仙田洋子 橋のあなたに
火口鳴る倦怠に咳く身のしびれ 石原八束 空の渚
花八分空の倦怠はじまれり 都筑智子
草いきれ山羊の倦怠思ひ遣る 莵絲子
赤腹は倦怠たまる赤さなり 栗林千津
遠青葉きらめいてゐる倦怠かな 鷲谷七菜子 花寂び
鐵塔の倦怠 きり~す なきたかぶる 吉岡禅寺洞
●過労 
栗咲く香過労の村の夜を圧す 馬場移公子
良妻か過労病み臥す木の芽どき 及川貞
これからの過労代苗かく伸びて 及川貞 夕焼
刈り残す麦の断面過労に鋭し 香西照雄 対話
カレエの香ふんぷんとして過労なり 日野草城
●徒労 
たんぽぽや光明あらば徒労絶えん 香西照雄 素心
徒労とも見ゆる蝿虎の位置 稲畑汀子
徒労ならぬ詩業や冬の汗もゆたか 香西照雄 素心
徒労のみ立枯れ松も霞み立つ 小林康治 四季貧窮
春の雁遠淡し徒労つゞくかな 小林康治 玄霜
来し方に徒労はあらず大冬木 阿部ひろし
美しき徒労の五月果てにけり 椎津虚彦
芽木まぶし徒労の瞳さまよへば 鷲谷七菜子 雨 月
谷の出す雲の徒労や瑠璃鶲 中戸川朝人 尋声
走馬燈廻り逸れど徒労なる 河野南畦 湖の森
道すがらうかぶ木槿や徒労ばかり 石田波郷
陳情の徒労の汗を駅に拭く 相馬遷子 山国
●慢性疲労
●気疲れ 
数へ日や気遣ふといふ気疲れも 橋本榮治 越在
気疲れし夜や枯蔓を活け余す 鍵和田[ゆう]子 未来図
気疲れに朱が忍び込む青木の実 鍵和田[ゆう]子 未来図
気疲れに病む妻か夏終るより 石塚友二 光塵
気疲れの帯解きたたむおぼろかな 鈴木真砂女 夕螢
気疲れや隅闇籠る夕螢 香西照雄 素心
気疲れや風を躱せる朴若葉 鍵和田[ゆう]子 浮標
気遣はれゐて気疲れし松の内 小倉なみ
逝く春や大きな幸に気疲れて 国方きいち
●旅疲れ 
ねぎ坊主厨に伸びて旅疲れ 塚原幾久
やや寒と思ひしときの旅疲れ 稲畑汀子
ブーゲンビリア無口となるも旅疲れ 鈴木真砂女
夜の蟻の畳に殖えて旅疲れ 河野南畦 『空の貌』
旅愁とも旅疲れともリラ冷に 稲畑汀子
旅疲れかくして語る夜長妻 竹下しづの女 [はやて]
旅疲れさらりと捨てん花衣 稲畑汀子 春光
旅疲れついうと~と春火桶 高濱年尾 年尾句集
旅疲れともなく家居きうりもみ 稲畑汀子
旅疲れなしとは言へず薔薇まぶし 阿部みどり女
旅疲れにもあらねどもよき昼寝 高濱年尾 年尾句集
旅疲れ勿忘草の風に癒ゆ 大木さつき
旅疲れ夏川に眼を落としゐて 高澤良一 随笑
旅疲れ夫には言へず葛ざくら 吉川康子
旅疲れ孕雀を草に見る 高濱虚子
旅疲れ癒え春の風邪残りをり 稲畑汀子
旅疲れ癒す鰻と誘はるる 稲畑汀子
旅疲れ納豆汁に酔ひて居り 赤塚喜美枝
旅疲れ脛に秋鯖仕入れたり 鈴木真砂女 夕螢
旅疲れ首までつかる柚子の風呂 後藤澄子
旅疲雪にちらつく絣の目 樋笠文
日がな霾りてどこかに旅疲れ 山田弘子 こぶし坂
日をおいて出る旅疲れ麦の秋 八木澤高原
春の旅疲れ心の三日かな 青峰集 島田青峰
枝豆を真っ青にゆで旅疲れ 降籏幸子
歇むまじき藤の雨なり旅疲れ 久女
残暑とて旅疲れとて消ゆるもの 稲畑汀子 春光
沈丁の香もこそしるき旅疲れ 稲垣きくの 黄 瀬
浪華踊見つつはあれど旅疲れ 富安風生
炎天はまぶし目を伏せ旅疲れ 高濱年尾 年尾句集
白玉や二度寝たのしむ旅疲れ 河野南畦 湖の森
秋風の三面鏡に旅疲れ 星野立子
見るとなくみせばやを見る旅疲 大橋敦子
遊船に居てただ眠く旅疲れ 高濱年尾 年尾句集
鴬のすこしみだらな旅疲れ 岸田稚魚 筍流し
夏帽を抱きて一日の旅づかれ 五十嵐播水 埠頭
旅づかれ木の葉髪にも及びけり 山本久栄
梅が香や慮外ながらも旅づかれ 斯波園女
髪洗ひ頭蓋が小さし旅づかれ 殿村菟絲子 『晩緑』
●湯疲れ 
ななかまど燃えて湯疲れ何のその 高澤良一 寒暑
湯田中に湯疲れしたり旧端午 伊藤敬子
湯疲れうどん涼む売笑の柳腰よ 香西照雄 素心
湯疲れがこんなところで蓼の道 高澤良一 寒暑
湯疲れに生姜酒して湯治かな 溝口 直
湯疲れのごと花満つる中にをり 橋本榮治 逆旅
湯疲れのそこはか溜る新樹雨 高澤良一 素抱
湯疲れの睡き耳うつ岩燕 松村蒼石 雪
湯疲れや長き夜に倦み生あくび 高澤良一 寒暑
湯疲れを湯で宥めゐて残る月 鳥居美智子
湯豆腐の湯疲れをして残りけり 西川文子
花疲れ湯疲れの身を船室に 高頭芳櫻子
湯づかれのからだ横たへ春惜しむ 上村占魚 球磨
温泉疲れや老の分けあふ夏蜜柑 合田丁字路
温泉疲れといふ気だるさに蜜柑むく 藤浦昭代
老鶯や温泉疲れの贅重ねつつ 小田尚輝
温泉疲れの二タ日四葩を眺め草 雉子郎句集 石島雉子郎
●へたばる 
くたくたと獅子がへたばる獅子の宿 前田普羅
へたばらずさあ浮いて来いゴム蛙 後藤綾子
炎昼をへたばりをると誰が云ひし 高澤良一 鳩信
●へばる 
おんながいのちがけで土にへばりつくくらし 田中倍雄
へばりつく冬草の戸や菜雑水 路通
ブリキ屋根にへばり付たる一葉哉 寺田寅彦
松茸や知らぬ木の葉のへばり付く 松尾芭蕉
盆供物腐りて紙にへばりつく 辻田克巳
突堤に秋暑き日のへばりつき 西村和子 かりそめならず
牛蒡掘る黒土鍬にへばりつく 高浜虚子
絶壁に身をへばりつけ岩魚釣 楠目橙黄子 橙圃
●へこたれる 
へこたれてゐし甘薯苗も付きにけり 茨木和生 往馬
へこたれぬ病者哲学落葉焚 脇本星浪
ピザ食うて残暑なんぞにへこたれじ 高澤良一 素抱
叔父たるにへこたれてゐる帰省かな 笠井百合彦
快眠を心がけ夏へこたれず 高澤良一 随笑
熊笹の雪にへこたれゐる姿 高澤良一 素抱
畦々や冬草の座のへこたれず 藤田湘子 てんてん
突風に噴水のすぐへこたれて 高澤良一 さざなみやつこ
雲の峰早やへこたれてをりにけり 高澤良一 寒暑
●休息 
冬芽紅し明日の多忙へ休息す 大岳水一路
報恩に休息なけれど年の朝 大谷句佛 我は我
日曜日休息は終はらない蓮の葉 木村聡雄
枇杷の花休息もまたわがつとめ 古賀まり子 緑の野以後
波の一打を確かめ休息のカメラ 金子兜太
笑わず潜水夫が休息んでいる臨港線の短い草 橋本夢道 無禮なる妻抄
針供養休息多き待針も 稲月元美
●安息 
サングラスの中の自由や安息や 殿村莵絲子
ヨセミテに雲の峰湧く安息日 仙田洋子 雲は王冠
一湾をヨットの占むる安息日 荒井千佐代
冬薔薇アポロも獣も安息時 川口作子
古塀に釘うつ冬の安息日 内藤吐天 鳴海抄
安息のほのかに白し沙羅落花 千代田葛彦
安息の今日も汐干も失せつつあり 宮津昭彦
安息日その一日を山笑う づら 中山愚海
安息日のないふるさとの海と砂 中山美樹
寛かな歩に安息の冬来向ふ 内藤吐天 鳴海抄
星空に始点終点安息日 対馬康子 吾亦紅
柊の花の香とある安息日 広瀬ひろし
死は安息黴厚きもの日に叩き 稲垣きくの 牡 丹
白シャツの子が讃美歌習ふ安息日 下村ひろし 西陲集
菊を見て安息日の講話かな 石井露月
●息抜き
●一息 
いちはつにをんな一息入れにけり 飯島晴子
おじやして一息つける雨の昼 高澤良一 素抱
おわら流し橋で一息入れゆけり 高澤良一 宿好
こけしの瞳いれて一息山笑ふ 大江流
つき当るまで一息に乙鳥 燕 正岡子規
ひるがほに一息つくや米飛脚 蒼[きう]「蒼[きう]翁句集」
サイダーをのんで一息つきしかな 中井ユキ子
一息という刃をつかう蕪真白 宇多喜代子 象
一息にたんぽぽの絮飛びつくさず 山本歩禅
一息に一つの音色瓢の笛 須藤常央
一息に一またたきに雉子の声 沢木欣一
一息に十貫坂上姉の恋 斎藤冬海
一息に唄ひ切らねば風の盆 高澤良一 宿好
一息に巻くや荒渦句は二タ息 橋本夢道 無類の妻
一息に春来ぬまはりくどさかな 高澤良一 素抱
一息に母を訪はめや鴨の声 永田耕衣 奪鈔
一息に磴かけ登り智恵もらひ 石本かなえ
一息に魂を入れ木偶廻し 有馬朗人
一息を余し離るるしやぼん玉 なかのまさこ
冬海の方へ寝かへる一息に 加藤楸邨
凍蝶に致死の一息吹きにけり 大石悦子 聞香
刈草の一息置いて匂ひけり 長田群青「霽日」
初鳴やレモンスカッシュ一息に 大石悦子
初鵙やレモンスカッシュ一息に 大石悦子 群萌
夏の日や一息に飲む酒の味 路通「継尾集」
夜に入りて一息つける土用東風 高澤良一 寒暑
夜霧来てしろき牛乳飲む一息に 湘子
天牛の背を一息に押え込む 高澤良一 随笑
女郎花一息おいて手折りけり 高澤良一 ぱらりとせ
家影に一息入れて金魚売り 武嶋一雄
屋上へあと一息の蔦若葉 中村和子
揚りつぐ花火に一息つけぬ空 前川敏夫
新樹風一息に尾根渡る見ゆ 高澤良一 素抱
春へもう一息の田を登校児 草間時彦
暑の退いてやっと一息つける間来 高澤良一 寒暑
梅雨夜仔猫の諸声ひしめく一息毎 赤城さかえ句集
海蛇の長き一息梅雨に入る リンズィー、ドゥーグル・J
深海を一息で消し走馬燈 檜紀代
炊事了へ一息つけり蜜柑のまへ 高澤良一 随笑
男あり枡で一息新ばしり 大出蕭々子
穴に入る蛇一息に尾を曳けり 棚山波朗
薬草もむ婆が一息初蛙 田中英子
赤とんぼ浜吹く風は一息に 高澤良一 素抱
黒揚羽一息入るゝ大樹の根 高澤良一 随笑

 以上


by 575fudemakase | 2022-06-24 00:44 | ブログ


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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