人気ブログランキング | 話題のタグを見る

空気 類語関連語(例句)

空気 類語関連語(例句)

●空気●大気●エア●冷気●熱気●外気●夜気●山気●雪気●霜気●爽気●寒気●雨気

●空気 
ありがたき空気や水や小鳥来る 三橋敏雄
いよようすき空気大事にななかまど 鷲谷七菜子
うぐひすや空気ゆたかに裾濃なる 三橋敏雄
うっすらと空気をふくみ種袋 津川絵理子
おもしおもしと空気をかつぐゲリラたち 穴井太 天籟雑唱
おんなが帰ったあとの空気へ座っていた 中林一洋
お会式の空気一心不乱かな 遠藤睦子
その場てふ空気が大事桃の花 高澤良一 燕音
なんということなき部屋に春の空気 宇多喜代子 象
はまなすに空気小流れつくりけり 高澤良一 燕音
はりつめた冬の空気をひとがたに裁ちてふたりの空間を得よ 荻原裕幸
ひつそりと空気を踏んで寒雀 鷲谷七菜子
ひやひやと空気を噛めば朝の月 内田美紗 誕生日
ひややけき空気に秋日さしゐるも 山口誓子
ひるすぎの空気あやうし薄氷 津沢マサ子
ぼんやりと鴫いて空気重たくて 伊藤淳子
よく滑る空気枕と瓜の花 永末恵子 発色
スノードロップ山湖の空気透明にて 有働亨 汐路
タイヤに空気停電告示の作業場 山本弥生
ネクタイ吊るタンスの中も秋の空気 高橋信之
ヒアシンス空気遠近法黎明期 竹中宏 句集未収録
ヒマラヤ杉の空気吸ふこと歩くこと 浅井一邦
ロシヤから空気辛夷は凛とある 星野一郎
一日一善氷の下の空気出す 小林 貴子
上空に使はぬ空気浮寝鳥 正木ゆう子 静かな水
下萌える空気を映し魔法瓶 前川弘明
乳色の空気の中の月見草 高浜虚子「句日記」
光なき空気の底に愛し合ふ 大西淳二
冷房の空気を昼の蛾横切る 菅裸馬
出代りて店の空気の変りをり 白石峰子
初桜空気つめたくなりにけり 桂信子 花影
古草や空気のごとき君とゐる 田口一男
台風のあとの空気を食べにけり 五島高資
呉竹のなかの空気を量りけり 五島高資
地下鉄の押し来る空気花疲 小川軽舟
地球の空気が少し抜けてる小正月 永井徹寒
壜より壜へ空気を移しつづける遊び 高柳重信
壺を出て蛸は大暑の空気吸ふ 高見道代
夕暮の暑き空気に惜しむべきことわりもなく葛の花の香 板宮清治
夕菅の花の奥まで空気澄む 木暮勉
大綿の空気に乗りて高みゆく 佐々木六戈 百韻反故 吾亦紅
大雨が洗ひし空気赤とんぼ 青葉三角草
寒天晒す実家の空気が薄くなる 高遠朱音
小鳥来る甲斐の空気をまつすぐに 前川弘明
山の村空気ぶらぶら通草ぶらぶら 奥山甲子男
山上の空気に冷えしビール飲む 右城暮石
山梔子の香を籠め濡れてゐる空気 井上花鳥子
山百合や真昼の空気日に光る 中島斌雄
川越えて空気すがしき柿の宙 中戸川朝人 残心
巡礼の鈴に桃畠空気揺れ 沢木欣一 遍歴
布団干し空気のような母で居たい 小林照代
廃屋の春は恋しき空気かな 柿本多映
掃除機で空気吸ひつつ春を待つ 皆吉司
敏雄亡く朱夏の空気が海の上 池田澄子 たましいの話
教室の四角な空気春休み 伊東辰之亟
散っている花は葛なる良い空気 池田澄子 たましいの話
散り際の牡丹と同じ空気吸う 櫻井ゆか
明日は雪雷鳥のゐる空気かな 加藤浩子
春の蝿空気の缶詰売りにくる 堀之内長一
春シヨール何時しか空気ほぐれゐて 片平よし江
春遅々と毛布の中の空気さへ 辻桃子
時計がみなこわれてしまつたわが家のまひるの空気に木犀にほふ 安田章生
晩年や空気で冷える夏の海 永田耕衣(1900-97)
暁の空気泰山木咲けり 星野立子
暖き冬日あり甘き空気あり 高浜虚子
曼珠沙華周りの空気いつも透く 桂信子 草影
朝の空気静かに流れ寒椿 桂信子 黄 瀬
朝の鵙空気震はせもう来たか 高澤良一 ももすずめ
木の股の猫のむこうの空気かな 橋間石
木下闇抜けて空気の軽くなり 植松ふみ
枕のあたりの軽い空気の彩を塗る 村田治男
林間学校空気ばかりを描きたがる 権藤義隆
果しなき空気めでたし山毛欅若葉 矢島渚男 延年
枯れてゆく岸に空気のきれいな流れ 高橋信之
柔らかくみずみずしく解剖台下の空気 上月章
桜前線にさはられてゐる空気かな 内田美紗 魚眼石
楝の木や冬の空気や遊君やさし 阿部完市 鶏論
歯を磨く青い空気がゆれてくる 富澤赤黄男
歳月は空気となりし冬青空 津沢マサ子
水のおも空気のおもて相隔て相*あぎとへりいろくづとわれ 高橋睦郎 飲食
水仙に空気動いてゐる書院 鈴木鷹夫 風の祭
沸騰した空気ぽぽぽぽ折れたまま 猪原丸申
油照逃げ場なきこと空気にも 宮津昭彦「遠樹」
波だちし刹那の空気唐辛子 斎藤玄 雁道
深呼吸するや晩夏の空気入 内田美紗 魚眼石
深山蝶飛ぶは空気の燃ゆるなり 長谷川櫂(1954-)
炉ほとりの空気いと澄む別れかな 原月舟
炎昼の空気をぬすむ一角獣 柿本多映
烏瓜空気減り来し色となる 滝川ふみ子
燈を消せば蚊帳を空気の流れそむ 篠原梵 雨
父の忌の空気で冷える梅の花 齋藤愼爾
爽やかな空気の端を吸ひしのみ 桂信子 「草影」以後
猪が来て空気を食べる春の峠 金子兜太 遊牧集
猫の呼気まじりの空気春の暮 池田澄子
田鋤牛にぶき空気にぶつかりぬ 宮坂静生 春の鹿
病む顔に空気集まる稲の花 松本文子
目高泳げり俳句する人空気吸えよ 豊山千蔭
真うしろや山の空気を昇る月 新谷ひろし
短日の空気弾ませ入りて来し 右城暮石
祇園祭 シュッと注射の空気抜く 松本恭子
秋の暮空気の骨のうごくかな 河原枇杷男 定本烏宙論
秋の蜂樹間でくらう空気投げ 安西篤
秋刀魚しっかり食器の空気も食べられる 加川憲一
秋天航く堅き空気につまづきつ 宮津昭彦
秋晴の空気を写生せよと言ふ 沢木欣一 二上挽歌
空き缶の凍てたる空気蹴られたる 森田智子
空気からとびおりて咲くかきつばた 田邊香代子
空気となつて球追ふ子等よ春の野に 林翔 和紙
空気なき雪のアンデス越えんとす 坊城としあつ
空気にも絶壁がありなめくじり 高野ムツオ「蟲の王」
空気のみ容れたる壺を飾りおく 阿部青鞋
空気まず濡れてきたるや厄日前 能村研三 鷹の木 以後
空気まで持ち去りしごと卒業す 江川由紀子
空気まで色つきさうな緑の日 大谷 栄子
空気より淋しき蝶の咀嚼音 柿木 多映
空気佇ちして生者たり木賊蔭 永田耕衣 自人
空気引きしぼりて独楽の廻り澄む 嶋田一歩
空気澄み切つて焚く火がよぢれ合ふ 右城暮石 声と声
空気甘し土筆のこぼす青胞子 伊藤博子
空気疲れの地球可愛や初嵐 三橋敏雄
空気重しあまりに咲きし桃の上に 細見綾子 花寂び
空蝉に入らむと待てる空気哉 永田耕衣(1900-97)
空蝉の中の空気を大切に 谷口愼也
竹の子の重さや空気冷える町 早瀬恵子
笹鳴や空気緻密に林ある 徳永山冬子
紅梅や筥を出て行く空気の珠 永田耕衣 闌位
綿虫にありし空気の出入口 江川虹村
羽抜鶏抜けて空気が淋しがる 谷口愼也
羽根蒲団空気の如く身に掛くる 安田 晃子
腐りゆく空気のごとしわが畢り 和田悟朗 法隆寺伝承
自転車に空気を入るる石蕗日和 高澤良一 ねずみのこまくら
芍薬や朝の空気を掌につつむ 中西順子
芒野の空気まとめて持ち帰る 長浜 勤
花くわりん空気の透けて来たるかな 松崎鉄之介
花楓空気のような夫婦にて 小林鱒一
花茨遠山消して空気熟れ 宮津昭彦
若水にはじける空気吸ひにけり 新谷ひろし
草刈りの青き空気の中にゐる 山岸玲子
菖蒲園 空気を喰べに来た男 伊丹三樹彦 花恋句集二部作 花仙人
蒸タオル越しの空気の夜の秋 中戸川朝人 残心
蓑虫とわれとの間の空気澄む 大野林火
蕗の薹喰べる空気を汚さずに 細見綾子 黄 炎
薄氷へ歩きはじめの空気かな 攝津幸彦
虚子の日の空気と遊びゐる仔猫 長谷川櫂 古志
蚯蚓鳴く空気うすしと思ふとき 橋本榮治 越在
蛸壺の中とまはりの空気かな 攝津幸彦 鹿々集
蜘蛛の挨拶朝の空気盛り上がる 中北綾子
蜻蛉 空気の闇に生まれくる透明な羽たたせたまま 高橋みずほ
蟇鳴いて沼の空気を重たくす 長谷川綾子
行々子の切った空気が すこし揺れる 伊丹公子 山珊瑚
見えず在る空気素敵や寒スバル 池田澄子 たましいの話
貯炭場に出て療園の空気澄む 右城暮石 上下
走馬燈売るや雨空気にかけて 樋笠文
辛夷こぶし空気うすれるほど咲けよ 渋谷道
酔ひざめの空気に混ざる胞子かな 西口昌伸
酸強き空気をひらく女の窓 金子 晉
野分後太極拳が空気割り 須藤徹
金庫凍つやこもりゐし空気顔へ来る 原田種茅 径
銀行の青い空気を吸うて みんなロボット 津田露色
障子開け墓苑の空気満たしけり 阿部みどり女 月下美人
雛壇のかたづけられし空気かな 菅原鬨也
雪止んで静かに空気緊りゆく 矢島渚男 延年
雲雀鳴く砂丘空気のびつしりと 岸田稚魚 筍流し
露寒や空気の抜けし車椅子 森総彦
露草のきれいな空気歩きだす 伊関葉子
青鬼灯くびのあたりの空気かな 清水 伶
風船の内の空気と外の風 内田美紗 魚眼石
風船の内部の健康な空気 辻 美奈子
風邪寝の掌年新しき空気載る 野澤節子 遠い橋
餅を焼く空気固まりつつありぬ 柿本多映
馬鹿馬鹿と言うと口あき春の空気 池田澄子
鮒鮓やたずねて空気濃き入江 澁谷道
鳶の乗る空気重たき二月尽 正木浩一
鶏頭花空気違へば彩違ふ 高澤良一 寒暑
鶯に蹴られし空気うすみどり 澁谷道
鶯餅空気のやうな粉食うべ 新谷ひろし
麦が穂となりゆく頃の空気かな 成瀬正とし 星月夜
黄水仙遂に空気の生まれけり 橋本輝久
鼻通る空気のうまき昼寝かな 京極杞陽
●大気 
ため息を大気へかへす未草 正木ゆう子 悠
コレラ流行る都の大気秋の如し 碧雲居句集 大谷碧雲居
五個空洞雷後の大気残響す 斎藤空華 空華句集
冬ざくら咲きて大気の透きとほる 小松世史子
夏痩へ榕樹が垂らす大気根 北野民夫
夕立のあとの大気や石拾ふ 渡辺水巴 白日
大気まで古代のものとなる立夏 高橋比呂子
天の原月出づる大気ながれけり 渡邊水巴
小寒の雨に大気のゆるみけり 稲畑汀子
山紅葉顔紅葉大気紅葉かな 平井照敏 天上大風
春耕の大気弾ます土師の裔 館野ハツ子
曖昧な大気にギィーと朴の花 稲田豊子
木の芽起しの夜となる大気琴の楽 河野多希女 両手は湖
椎匂ふ未生以前の大気かな 正木ゆう子
油蝉朝の大気を揺さぶりぬ 川又春桃子
烏瓜ぴりっと肌を刺す大気 高澤良一 ぱらりとせ
熟れ桃や左右の大気の息づかひ 草田男
石楠花や朝の大気は高嶺より 渡邊水巴 富士
紅粉(べに)つけた人は大気や白牡丹 立花北枝
緊張を大気に伝へ初桜 山田弘子 こぶし坂
肩に来る大気の重み春なかば 桑原三郎 晝夜
野寒布の大気まさぐる雲丹の棘 小口たかし
釣り上げし鱸にうごく大気かな 渡辺水巴 白日
門松や日の出の大気富士に凝り 佐野青陽人 天の川
雷夕立関東大気不安定 高澤良一 素抱
霜旦の大気緊めゐる鶏の声 河野南畦 湖の森
風はらみ芽柳大気青くせり 小峰宮子
●エア 
鶏頭燃ゆ孔子の地よりエア・メール 小檜山繁子
●冷気 
かづら橋渡れば秋気否冷気 橋本榮治 逆旅
シャツ通す冷気朝霧湧き止まず 高澤良一 素抱
冷気にも気迷ひのありさざんか垣 高澤良一 素抱
冷気連れ込む雨の額剪つて 殿村莵絲子 花寂び 以後
十六夜や冷気おぼゆる糸瓜影 木歩句集 富田木歩
屠所の花卉冷気にみだれわたり鳥 飯田蛇笏 春蘭
山葵咲き巌息づける冷気かな 橋本鶏二
洞よりの冷気は霊気氷室口 前原よし「群青」
熱帯夜天使のやうな冷気来し 小関桂子
甲冑に深夜の冷気底知れず 加藤知世子
瞠いて滝の冷気に立ち向ふ 池田泰子
磐座の杉降りきたる冷気かな 岩月通子
禊する湧玉池の冷気かな 渡辺志な
空蝉の背中に冷気残りをる 窪田英治
車椅子道の冷気をひろひ行く 木崎ひろみ
金魚玉方尺の冷気くれなゐに 内藤吐天 鳴海抄
長城へ眉研ぐ冷気驢馬眠り 小倉緑村
頬に来る冷気よ櫨の実が黒い 伊藤淳子
駅に佇つ山の冷気のうしろより 桂 信子
●熱気 
しづかな熱気寒行後の僧にほふ 能村登四郎
まなじりに百八燈の熱気かな 四條敦郎
ストーブの熱気に動く栞の尾 田川飛旅子 『使徒の眼』
七日堂熱気沈めの雪つぶて 田崎鶏童
向日葵の熱気夜も充ち人老けさす 西村公鳳
寒稽古小窓に洩るる熱気かな 市東 晶
扇燈籠(おぎどろ)の熱気にゆらぐ立見客 高澤良一 寒暑
換気口熱気の出づる木槿かな 辻桃子
揺れぬ樹を真夜とり囲む熱気かな 桂信子 草影
朝寒の日や湯地獄の熱気踏む 内藤吐天 鳴海抄
泳ぎ子の熱気詰め込めり江の電は 殿村菟絲子 『樹下』
泳ぎ来し人の熱気とすれ違ふ 能村登四郎
火の山の熱気払へり葛嵐 下村ひろし 西陲集
炎天の熱気持ち込む市営バス 高澤良一 寒暑
炎帝の熱気容れざる鏡の間 櫛原希伊子
熱気満つ会場に出す秋扇 稲畑汀子
茄子を焼く熱気厨に籠りたる 高澤良一 素抱
野馬追の熱気にいつか馴れてをり 稲畑汀子
鈴と熱気跳人振りまくラツセラー 瀬野美和子 『毛馬堤』
雪の匂ひと熱気たづさへ北より友 能村登四郎 枯野の沖
青ほほづき山の熱気の袋染めん 阿部みどり女
鶏頭の熱気に老うや酔はやし 伊藤京子
●外気 
かまつかや寝台朽ちし外気小屋 小島千架子
クロッカス外気窺ひつつひらく 西村和子 夏帽子
外気吸へば意識戻りぬ滝の汗 徳武和美 『梅の香をり』
松隆とたつ月明の外気小屋 角川源義 『西行の日』
蚊帳吊って外気の冷えにまどろめり 臼田亞浪 定本亜浪句集
霜の外気舎の群に朝日とベートーベン 古沢太穂 古沢太穂句集
風邪抜けの目鼻外気に心地よし 高澤良一 燕音
●夜気 
おのづから夜気醸しけり黒葡萄 辻美奈子
かぶと虫夜気をふくみて角光らす 村越化石 山國抄
ひたひたと夜気満ちてきし沖膾 澁江ノリ子
リラの花匂ひて夜気の重くなり 野田禎男
伽藍閉ぢて夜気になりゆく若葉かな 渡辺水巴 白日
佞武多その灯の大拳夜気掴む 奈良文夫
元日の夜気しん~と樹海より 佐野青陽人 天の川
初竃一灯の夜気はなれゐし 吉安師竹
卯の花や戸さゝれぬまの夜気に寝ん 渡辺水巴 白日
咳そゝる夜気に窓さす落葉かな 木歩句集 富田木歩
啓蟄の夜気を感ずる小提灯 飯田蛇笏 春蘭
夜気こはきまでに静かや枯木立つ 成瀬正とし 星月夜
夜気のせてすでに枯色まんじゆさげ 伊藤京子
夜気ふかみ仏法僧のこだまかな 藤田雅子
夜気募り疳つのり仏法僧を聴く 長谷川かな女 雨 月
夜気帯びてはくれん百羽発たんとす 高澤良一 随笑
夜気沈んで腰冷えおぼゆ看護かな 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
夜気深く吸へば穀雨の匂ひけり 乾真紀子
夜気重しうすばかげろふさすらふか 藤田湘子 てんてん
夜気重し人等海草のごと静か 坂本三鐸
天の川白し夜気凝る潟の上 臼田亜浪 旅人
御鏡の夜気に曇りし神楽かな 雉子郎句集 石島雉子郎
手に触るる夜気満山の芽ぐみたり 千代田葛彦
新茶くむ対座のひまを夜気ながれ 皆吉爽雨 泉声
早苗饗の夜気ゆるやかに紺を張る 奥村 愛
春星のあたりの夜気の鮮しき 飯田蛇笏 椿花集
暖冬の水めく夜気を帰りけり 鍵和田[ゆう]子 武蔵野
書見器に寒夜気流る彩なして 石川桂郎 含羞
月見草夜気ともなひて少女佇つ 松本青石
服に夜気ぶどうの包やわらかし 古沢太穂 古沢太穂句集
木兎鳴くや窓押せば水の如き夜気 青峰集 島田青峰
本犀のにほひ濃き夜気咽喉とほる 篠原梵 雨
桃むけば夜気なめらかに流れそむ 正江
樹下行けば夜気触るる春逝くらむか 原田種茅 径
毛蚕は食ふ夜気に微熱を漂よはせ 金子千侍
水の辺の夜気ふくよかに踊りけり 伊藤京子
水蜜桃や夜気にじみあふ葉を重ね 渡辺水巴 白日
沈丁の夜気に漂ふ別れかな 伊藤栄子
泡の言葉のみどりご鉄の夜気びつしり 林田紀音夫
湯のうへに夜気の濃くなる葛の花 長谷川櫂 古志
灯のかうかうと夜気深し簾解く 富田木歩
灯を消して海の夜気くる網戸かな 田辺城司
烏瓜咲きゐる夜気に包まるる 山田弘子 こぶし坂
病む妹に夜気忌みて鎖す花あやめ 富田木歩
種まきし上にこまかな夜気が乗る 静塔
立秋の夜気好もしく出かけけり 高濱年尾 年尾句集
縁に出て夜気吸うて見ん虫の秋 木歩句集 富田木歩
羽子板を買ひ来て絹のごとき夜気 中村明子
花篝夜気は流れてをりにけり 清水教子
蕭々と夜気くしけづる枯芒 山田弘子 懐
薪能笛一管が夜気呼べり 佐藤まさ子
蛙聞く微熱の髪膚夜気に触れ 茅舎
貼り替へし障子に凜と夜気のあり 岡田 和子
通るとき夜気といふもの牡丹にも 阿部慧月
連山の夜気の冷せし桃を食ぶ 関森勝夫
邯鄲やすべるごとくに夜気ながれ 上田五千石
露けさの夜気を揺るがす平家琵琶 津野美都江 『ひなげし』
青麦の放てる夜気と覚えけり 高澤良一 ぱらりとせ
高原の夜気鈴蘭の香に澄みて 小島岸郎
鶏頭の襞々へ夜気入りきたる 林 徹
黒潮の夜気迫りくるビールかな 桂信子 草影
●山気 
あけがたの山気すなはち冬の霧 長沼三津夫
うかと穴出でたる蟇の山気かな 小島健 木の実
ぞく~と山気背襲ふうるし掻 蝶衣句稿青垣山 高田蝶衣
てのひらに滲み入る山気一位の実 井沢正江 湖の伝説
むらさきの山気そのまま沢桔梗 渡辺恭子
一の鳥居くぐれば山気登高す 穂坂日出子
反閇にゆらぐ山気や花神楽 白井爽風
夏深く山気歯にしむ小径かな 室生犀星 犀星發句集
夕風の山気かなかなおのづから 大久保橙青
定家かづら山気少しく動きけり 永方裕子
山気やや渓ほとばしるやま桜 長谷川櫂 古志
山気凝りさゆらぎもなき花の夜 稲岡長
山気凝りほたる袋のうなだれし 稲岡長
山気十分吸ひし鶯ききにけり 角光雄
山気吸ふ室生の深き木下闇 稲畑汀子
山気夢を醒せば蟆の座を這へる 乙字俳句集 大須賀乙字
山気当つひろげ通しに鵜の濡れ羽 加藤耕子
山気澄みただよひそめし茸の香 松下信子
山気降り通草に色を紡ぎ足す 加藤耕子
新たなる山気吸ひ入れ謡初 阿部月山子
暁の山気身に沁む夏書かな 佐藤紅緑
梨汁のねばりや山気ただならず 栗生純夫 科野路
椿の朱は 観音の唇 山気満つ 伊丹公子 山珊瑚
水引の紅の一点づつ山気 山田弘子 こぶし坂
汚れなき緑の山気摩耶詣 桑田永子
泥湯温泉山気令法を引き締むる 高澤良一 素抱
湯ざめしてにはかの山気かむりけり 上田五千石
滴りのひとつ一つの山気かな 山口草堂
熊穴に入りたる山気顔洗ふ 加藤彦次郎
白扇を用ひて山気そこなはず 上田五千石 琥珀
神南備のにはかに山気玉霰 斎藤梅子
立ちのぼる春の山気や一位谷 能村登四郎
花芒きらりと山気澄む朝 今井つる女
薄紅葉いま安達太良の山気かな 雨宮きぬよ
蛇笏忌の山気つらぬく鵙の声 小倉英男
走馬燈軒の深きに山気満ち 小林紀代子
達磨忌の山気せまりし結跏趺坐 市堀玉宗
●雪気 
摺鉢の音も師走の雪気かな 智 月
顔擦って川原の雪気野天風呂 高澤良一 寒暑
叡山の雪気柱の朱を剥ぎに 高澤良一 燕音
叡山の雪気太肉締めつけぬ 高澤良一 燕音
●霜気 
鉄火箸霜気深まる松の奥 龍太
山塊の日あたりながら霜気満つ 飯田蛇笏
●爽気 
三番叟の三尺跳ねし爽気かな 佐田栲
峯の火のけむらずもゆる爽気かな 飯田蛇笏 春蘭
棒の手の構えたる間の爽気かな 高橋冬竹
毒蔓の実の瑠璃しるく爽気かな 飯田蛇笏 春蘭
沢蟹の水をはなるる爽気見ゆ 松村蒼石
甘酒に塩のききたる爽気かな 角川照子
百本の筆の穂ならぶ爽気かな 能村研三
翼張つて鳶が舞ひ降る爽気かな 柴田白葉女 花寂び 以後
耳飾りキラリと爽気身ほとりに 柴田白葉女 『冬椿』『遠い橋』『岬の日』
風邪の身を爽気きはだつ谿へ運ぶ 金田咲子 全身 以後
●寒気 
いくつもの山の寒気が村に来る 廣瀬直人
ひとりずつ回転ドアにある寒気 大脇みや
まなじりと遠嶺かかはり合ふ寒気 水谷キミエ
わが恃む寒気日向もその裡に 野澤節子 黄 瀬
をちこちの薄暮寒気に洗はるる 松澤昭
上空に寒気みとせの神の妻 雨宮抱星
乙字の忌孤独地獄といふ寒気 新谷ひろし
元旦や寒気の匂ひ菊の如し 渡邊水巴 富士
分宿の兵ら征く寒気晴れやかなり 渡邊水巴 富士
初雀むさし野の寒気ふりしぼり 渡辺桂子
古屏風の金泥淑気はた寒気 鈴木鷹夫
吾子見送り錐揉み寒気もどりけり 平井さち子 完流
哨戒機がう~と寒気裂けるなり 渡邊水巴 富士
善き名遺さん寒気に膝をいくどもつき 細谷源二
国会の寒気に堪えて髪鬆立 香西照雄 対話
墨工房寒気はなれぬ煤天井 谿昭哉 『航跡』
外出す机辺の寒気そのまゝに 百合山羽公 寒雁
大絵馬のすき間なき文字寒気しむ 松本ミツ子
妻と其の寒気凛々しきピアノの音 中村草田男
寒気とて邪気や妖気の類あり 相生垣瓜人
寒気に楽ペリカン嘴を腋ばさむ 田川飛旅子 花文字
寧楽盆地寒気の蓋の嵌まりけり 矢島渚男 百済野
屋台ひく寒気渚をなす夜へ 大井雅人 龍岡村
岩壁にむかへば寒気柱なす 上田五千石 田園
幕あきて舞台の寒気初芝居 依田由基人
廻るだけ廻る寝首に寒気くる 石井保
投函の意を削がれたるこの寒気 高澤良一 宿好
拓きゆく寒気や一歩ごとに閉づ 野澤節子 黄 瀬
掃き出して仏間すぐさま寒気満つ 桂信子 黄 瀬
昆布小屋に寒気と父と籠りいし 鈴木青光
晩鐘の鳴り出づ寒気ちりぢりに 野澤節子 遠い橋
朝の市馬も寒気にむせて咳く 寺田京子 日の鷹
朝刊を寒気ひろげるごと開く 神長裕子 『苦楽園』
朝日さす芒の寒気息吐くごと 桜井博道 海上
板の間に居座る寒気踏めば鳴る 安田誠一
樹の上の大きな寒気甲斐の空 直人
漆黒の樟は寒気を放ちけり 有働亨 汐路
潔く創よみがえる寒気の中 赤城さかえ句集
燭かへて寒気勝れぬ義士祭 長谷川かな女 雨 月
独房のごとき寒気ぞ金を借り 沢木欣一
独楽廻る小さき寒気まきちらし 松本美紗子
猟師のあと寒気と殺気ともに過ぐ 澄雄
猟男のあと寒気と殺気ともに過ぐ 森澄雄
猪首してぶるんと寒気振り払ふ 高澤良一 燕音
獅子舞や寒気煽つて耳震ふ 渡辺水巴 白日
生れ日や寒気もどりし幹の艶 鍵和田[ゆう]子 武蔵野
畑なかの墓へ声掛け寒気澄む 河野南畦 『硝子の船』
神の藁造る寒気の男たち 鈴木鷹夫 渚通り
節分や寒気の熊と温気の象 秋元不死男
米買う主婦昼の寒気は電球に 大井雅人 龍岡村
肋木の寒気にひかる辺かな 杉野一博
自縄自縛となる寒気にてもの書けば 小川双々子
薄ガラス二重鍵かけ寒気とまぼろしくる 寺田京子 日の鷹
裏白や寒気の畳躙りける 伊丹さち子
轆轤見の寒気の泪独楽化粧ふ 石川桂郎 高蘆
轆轤離れて寒気に締まる陶土の鉢 加藤知世子 花寂び
鏡餅寒気憑きては離れては 龍太
闇に歌ふや寒気と共にいさぎよし 川口重美
青空に寒気多感の雀ども 飯田龍太
飢えるも自由か駅の階段に寒気さけ 古沢太穂 古沢太穂句集
香水より寒気かぐはし籠る身は 野澤節子 黄 炎
馬の喉深く滌がれ白き寒気 平井さち子 完流
馬駆ける寒気ひろげて無垢の原稿紙 寺田京子 日の鷹
鮭の簀の寒気をほどく初日哉 左柳
●雨気 
とびかひに出てたかんなの雨気孕み 岸田稚魚 筍流し
最上川雨気しんしんと花ゆすら 中原露子
箸先に雨気孕みけり鮎の宿 岸田稚魚
蟇容れて一山の雨気ととのひぬ 鳥居美智子
血を吸つて蚊の重さ雨気闇にあり 飯田龍太「麓の人」
雨乞ひの雨気こはがる借り着かな 丈草「炭俵」
雨気こめて宵闇の蒸すほたる川 飯田蛇笏 春蘭
雨気こめて襟裳はるけき昆布拾ひ 飯田龍太「山の影」
雨気すこし残して鬱金ざくらかな 大嶽青児

 
以上


by 575fudemakase | 2022-06-26 00:46 | ブログ


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

プロフィールを見る
更新通知を受け取る

カテゴリ

全体
無季
春の季語
夏の季語
秋の季語
冬の季語
新年の季語
句集評など
句評など
自作
その他
ねずみのこまくら句会
ブログ
自作j
自作y
未分類

以前の記事

2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
more...

フォロー中のブログ

ふらんす堂編集日記 By...
My style

メモ帳

▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

検索

タグ

最新の記事

ねえ、どれが いい? ジョン..
at 2022-08-20 08:14
コートニー ジョン・バーニン..
at 2022-08-20 07:08
ピクニック ジョン・バーニン..
at 2022-08-20 06:36
ガンピーさんのふなあそび ジ..
at 2022-08-19 17:25
まるのおうさま 谷川俊太郎 ..
at 2022-08-19 16:36
うそ 詩 谷川俊太郎 絵 中..
at 2022-08-19 16:09
もこ もこ たにかわしゅんた..
at 2022-08-19 11:44
おじいちゃん ジョン・バーニ..
at 2022-08-19 11:04
ラチとらいおん マレーク・ベ..
at 2022-08-19 09:35
版画 のはらうた I ..
at 2022-08-19 08:41
んぐまーま 大竹伸朗・絵 谷..
at 2022-08-19 06:42
こんな本出てました。
at 2022-08-18 03:09
棚田を歩けば 文・絵 青柳健..
at 2022-08-16 17:42
版画 のはらうた II ..
at 2022-08-15 16:02
版画 のはらうた V 詩..
at 2022-08-15 15:07
版画 のはらうた III ..
at 2022-08-15 14:22
土竜を含む俳句例
at 2022-08-15 13:14
もぐらはすごい アヤ井アキコ..
at 2022-08-15 12:02
ぼく、だんごむし 得田之久 ..
at 2022-08-15 11:52
電柱 電信柱 の俳句
at 2022-08-15 10:36

外部リンク

記事ランキング