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ゆかいな いろいろどうぶつ

ゆかいな いろいろどうぶつ
   こうだてつひろ 主婦の友社 2006・3・20

赤、青、緑、黄色、オレンジ、茶、紫、ピンク、そして、黒と白、
全部で10色のカラフルな色別に、
たくさんのどうぶつたちが登場して、
愉快に、にぎやかに遊びまわります。
どうぶつの名前を織り込んだ、ことばあそびの文章と、
ページを繰るごとにあっと驚く展開になる穴あけのしかけ。
親子で楽しめること、うけあいです。

みどり
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だいだいいろ
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あか


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あお

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むらさき
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ちゃいろ
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きいろ
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くろ
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ももいろ
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しろ

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以上
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色 の俳句


カラー 色調 色彩 色合い 色艶 無色 原色 中間色 パステルカラー 暖色 寒色
天然色 玉虫色 淡彩 カラフル 多彩 発色 彩色 隈取り 配色 グラデーション
モノトーン ツートンカラー 桜色 鴇色 サーモンピンク ピンク 丹色 猩々緋 深紅 唐紅 韓紅
燕脂 レッド 肌色 カーキ色 鼈甲色 琥珀色 小麦色 ベージュ アイボリー 象牙色 亜麻色
代赭色 ベンガラ色 薄茶 ブラウン 赤銅色 土色 土気色 セピア色 鳶色 狐色 イエロー
黄金色 山吹色 グリーン モスグリーン 浅緑 薄緑 黄緑 深緑 ブルー コバルトブルー 納戸色 縹色
ネービーブルー バイオレット 藤色 江戸紫 どどめ色 ワインレッド ホワイト 乳白色
銀鼠 グレー 利休鼠 鉛色 鈍色 墨色 ブラック 白黒 モノクロ 真っ白 皚々
真っ黒 浅黒 どす黒 朱色




一色

紅蓮

茶色

金色

黄色

萌黄

群青

漆黒

雪白

黒々

朱色



カラー

カラーの糊きき過ぎてをり桜草 村沢夏風
カラー挿し舳倉通ひの操舵室 辻口静夫
この丘の麦のツートンカラーかな 高澤良一 燕音
むきあへばカラーが眩し寒林に 桂信子 月光抄
鰻喰ふカラーの固さもてあます 皆川盤水
鰻食うカラーの固さもてあます 皆川盤水
鰻食ふカラーの固さもてあます 皆川盤水
咳き込めば白き牧師のカラー揺る 今泉貞鳳
継目なき神父のカラー復活祭 加藤かけい
枯れまぶし固きカラーに首嵌めて 高井北杜
鋼塊の谷によろめきカラー白し 広岡善
春の朝カラーなめらかに喉に添ひ 日野草城
春愁やパステルカラー着てみても 川口咲子
天高し蟷螂晴のカラー嵌む 山口青邨
日々の凍てカラー汚れしままに換へず 大野林火 早桃 太白集
入学のカラーの白きいくさの世 加倉井秋を 『胡桃』
入學のカラーの白きいくさの世 加倉井秋を
白シャツのカラーの固き反抗期 下山宏子
晩婚のカラー冷たく祓受く 北野民夫
夕薄暮カラーま白き耳反らし 加藤耕子

色調 色彩 色合い

学童の色彩なだれ落つ朝の坂 藤木清子
葛黄葉遠慮がちなる色合ひに 高澤良一 鳩信
褐雨晴の色調こそはどぎつけれ 相生垣瓜人 負暄
鶏頭の色合ひを見定めしのち 岡井省二 有時
枯葭の黒穂は鴨に色合はず 山口誓子
桜もみぢどっちつかずの色合にて 高澤良一 燕音
実むらさき僧の衣と色合はす 牧野春駒
春雪いくたび切腹で終る色彩映画 三橋鷹女
色合ひのおとなし過ぎる花大根 高澤良一 ぱらりとせ
色合ひも野暮な櫟の芽吹きかな 高澤良一 ぱらりとせ
色合ひをつべこべ云ふな虹は虹 高澤良一 ぱらりとせ
淡路島と色彩学とはるかなり 阿部完市
墨一色彩百色の夏の山 滝青佳
夕桜すっと色調落しけり 高澤良一 宿好

無色

艶に無色や田打ちつづけて解くる帯 草田男
画展出ていつもの無色梅雨の街 八牧美喜子
眼を病んで無色の扉あやすなり 野路斗志子
殺到する汐の青さに水母無色 内藤吐天 鳴海抄
紫陽花となるまでのただ無色かな 平井照敏
紫陽花となるまではただ無色かな 平井照敏 天上大風
春ともし重ねし蹉跌もう無色 下山田禮子
飾りして無色無人のランドリー 郡山やゑ子
冬の草誕生石の無色なれば 長谷川かな女 牡 丹
瞳の中の砂粒無色特車隊 阿部完市 証
髪洗うあとは無色になりたくて 平田亜希
氷岳の見える病院 コップの無色 伊丹公子 アーギライト
片栗の群落にゐて妻無色 清水逍径
無色の過去白梅に日は沁むばかり 鷲谷七菜子 黄炎
霧氷林無色無音の時の中 川崎俊子
熔接の火花無色となる炎暑 横溝やす子

原色

クレヨン画原色花火描きなぐり 高澤良一 寒暑
チューリップ原色はみな孤独なる 中村正幸
わが秋嶺基地原色の油槽と澄み 赤城さかえ
夏はじまる原色べたと病者の画 西東三鬼
画布の上に原色厚し五月の野 福永耕二
岩あれば濡れて原色の男女あり 西東三鬼
原色にだん~近く夏に入る 稲畑汀子
原色にだんだん近く夏に入る 稲畑汀子
原色のシャツに横文字終戦日 西尾照子
原色のボディスーツに梅雨ダイバー 高澤良一 素抱
原色の花から糶られ十二月 塩崎翠羊
原色の絵の具買い足すパリー祭 前田和江
原色の水菓子あまた夏の風邪 奥村童舎
原色の赤の暑さと思ひ行く 石塚友二
原色の舌を見せ合ひ掻き氷 中島たけ子
原色の土産物屋の夏祭 桂信子 「草影」以後
原色の毛布積まれてかなかな蝉(泉大津市に鈴木六林男氏を訪ふ) 細見綾子
原色の琉球ガラス買ふ五月 野上 水穂
原色を着て洞窟を抜け出す冬 渋谷道
原色被布は 女の翼 バザール縫い 伊丹三樹彦
枯基地に跳ねる少女の多原色 伊丹三樹彦
鯉うごくたびの原色さみだるる 高井北杜
祭壇に亡き人の眼はほほゑみぬ原色に咲く花にうもれて 松坂広
残像の少女の原色いつ失う 林田紀音夫
次男より借り原色の海水着 高澤良一 寒暑
錠剤はどれも原色春かなし 復本鬼ケ城
水中花原色をとこらの夢と 三橋鷹女
聖玻璃の原色燻ゆる海夕焼 下村ひろし 西陲集
雪の日のルオーの原色チンドン屋 加藤知世子 花 季
登山着原色ホームの燕翔けどほし 宮坂静生 青胡桃
道頓忌原色ネオン映す堀 檜 紀代
突堤に原色五人西東忌 鷹羽狩行
虹の下 原色のひとびとうごく 富澤赤黄男
蜜柑狩して原色を溢れしむ 右城暮石 天水
稔り田は三原色の黄色なり 山口誓子
翅や種や原色ささえる産湯の中 籾山和子

中間色

つやつやの中間色の柿剥けり 高澤良一 さざなみやつこ

パステルカラー

春愁やパステルカラー着てみても 川口咲子

暖色

むしろ暖色 冬晴の海と 異人館 伊丹公子 山珊瑚
枯原の暖色を信じまいとする 津田清子
枯山の暖色に馴れ狎れし愛 松本進
新涼や新校ペンキ暖色に 平井さち子 完流

寒色

石蕗が黄を寒色にしたがりぬ 後藤比奈夫
男物裁つ寒色の過去ひろがり 寺田京子 日の鷹

天然色

天然色映画の雪が実に白し 内藤吐天 鳴海抄
天然色映畫の雲が実に白し 内藤吐天
霧さらにうすれ天然色となる 石井とし夫

玉虫色

たましいの玉虫色に春暮れたり 間石
玉虫の玉虫色の生き難し 津嶋 和
香水に玉虫色の目となんぬ 三谷昭 獣身
雪降る淵玉虫色に紬織る 加藤知世子 花寂び
葉ぼたんの玉虫色の中の闇 早乙女文子
憮然たり玉虫の腹玉虫色 飯島晴子

淡彩

紅葉は淡彩、谷は墨色かげりゆく 荻原井泉水
淡彩の聖観世音曼珠沙華 阿波野青畝
淡彩の団扇の風を貰ひけり 猪原榮子
毬栗の淡彩愛づる草の上 高澤良一 石鏡
蝸牛踏み潰す淡彩の人 永田耕衣

カラフル

カラフルな服装となり街薄暑 安立咲子
カラフルにのけぞつてをり捨案山子 河本遊子
春雨や傘カラフルに女学生 中川ふみ子

多彩

うらがれを余所目に弁財天多彩 上村占魚
オーロラのみ多彩個々物無機の白 中村草田男
暗き絵が若き証しの夏多彩 文挟夫佐恵 黄 瀬
炎天に襞多彩なる火口壁 能村登四郎
戸々紫陽花「多彩な不幸」てふ語なし 香西照雄 素心
行く春の南京町は灯も多彩 福田蓼汀 秋風挽歌
星座多彩わが十代の果てんとす 伊藤 敬子
雪の野を多彩のコンテナ貨車走る 山口誓子
多彩仏春塵仏と拝みける 赤松[けい]子 白毫
熱い耳潜る プールの底は 多彩 伊丹公子
熱い耳潜るプールの底は多彩 伊丹公子
末枯や配線多彩な捨てテレビ 奈良文夫
夕雲の多彩をはらむ春隣 向田貴子
洋酒瓶多彩終幕よよと哭く 三谷昭 獣身
羞ひのトマト薬飼と多彩なり 皆吉爽雨

発色

異時発色の春星満ちぬ教へ子よ 香西照雄 素心
春星発色一戸に一人の母あるべし 磯貝碧蹄館
石の発色する雨いまや春なり 荻原井泉水
千曲川雪入れて紺発色す 矢島昭子
男女白く焦げては夜の蛸の発色 赤尾兜子 虚像
兢々の発色や花濡れはじめ 岩城 久治

彩色

うすものを着て彩色の水ごよみ 長谷川双魚
みほとけの彩色あはく冴え返る 伊丹三樹彦
花鳥の彩色のこす案山子かな 蕪村遺稿 秋
空間彩色に 懺悔し 告白し 伊丹三樹彦
彩色の観音雪を待ち給ふ 阿波野青畝
彩色の岩屋三尊菌生れ 阿波野青畝
彩色の淡きを好む老の春 阿波野青畝
彩色の中の住居や紅葉山 露川
彩色は女の仕事葭障子 新山 武子
彩色は神の体温二重虹 窪田せつこ
彩色も九月半や東山 除風
秋風や彩色さむる塔の裏 東洋城千句
中華風彩色花火あがりけり 高澤良一 ぱらりとせ
朝顏の彩色薄き燈籠かな 正岡子規 朝顔
土佐がゑの彩色はげし須磨の秋 山口素堂
土用東風吹くや彩色道祖神 太田まさ哉
父を待つわたしのイコン夢彩色 下山田禮子
油画の彩色多きあつさ哉 暑 正岡子規
繪襖の彩色兀ぬ冬籠 正岡子規 冬籠
繪馬堂の彩色はげて初しくれ 時雨 正岡子規
繪馬堂や彩色兀て初しくれ 時雨 正岡子規

隈取

インコ汝隈取の貌梅雨よごれ 山口青邨
顔見世の隈取寒き素顔哉 中川四明
隈取の朝比奈現るゝ寒桜 高澤良一 素抱

配色

コスモスに配色といふ一語あり 高澤良一 暮津
頬白や配色となる古毛糸 加藤知世子

グラデーシヨン

山滴るグラデーシヨンの色見本 木下あきら
蓮弁のグラデーションを愉しめり 高澤良一 鳩信

ツートンカラー

この丘の麦のツートンカラーかな 高澤良一 燕音

桜色

河につけし指桜色行々子 阿部みどり女
御忌桜色浅浅と咲きにけり 石井桐陰
桜色に闇ほぐれ来る御万燈 渋谷亮子
桜色失せずに焼けしうぐひかな 竹本袴山
桜満ちる十日 障子の桜色 伊丹公子
枝垂桜色を秘めたる時は過ぐ(埼玉県高麗村二句) 細見綾子
糸桜色をあつめて吹きしぼり 上林白草居
秋の蛾の桜色して石舞台 佐藤鬼房
春の雪桜色して降りにけん 高橋睦郎
遅桜色よき返事待ちにけり 吉田政江
朝日いま浴びたる鶴の桜色 増田原子
踏み通る落花に桜色ありし 右城暮石 一芸
蓬莱におきし小貝の桜色 細見綾子
榾煙桜を焚けば桜色 吉年虹二

鴇色

早春の地階の蔬菜鴇色まじゆ 宮武寒々 朱卓
鴇色の半襟に変へ初句会 三井美恵子
鴇色の暮光を曳きて鶴帰る 金森教子
鴇色の夕雲放つ植田かな 小島健
氷上の錐揉乙女鴇色に 赤尾兜子

ピンク

クーラーにピンクのリボン モンロー忌 沙羅冬笛
コスモスのピンクが与党他は野党 林 直入
サンタみな揃ひのピンク新世紀 後藤比奈夫
芥子坊主阿片のピンク液を秘む 粟津松彩子
子の踵ピンクに染めて初稽古 上窪則子
時の日や砂をピンクに砂時計 鈴木栄子
春立つやピンクの象のビスケット 須川洋子
錠剤の一つはピンク秋深む 矢村三生
灯を寄せしカーネーションのピンクかな 中村汀女
梅雨傘がピンクその他は男の子後藤比奈夫
片想い今はピンクの椿が好き 大高翔
毛皮欲しピンク兎の貯金箱 塩貝朱千
老夫人のピンクのパジャマ鰯雲 桂信子 草影

丹色

冴返る丹色剥げたる太柱 西村和子 かりそめならず

猩々緋

首洗ひ池の猩々緋鯉かな 鷹羽狩行
春はもとより能の衣の猩々緋 岡井省二 猩々
女菩薩の猩々緋服青馬の騎手 飯田蛇笏 家郷の霧

深紅

がまずみの深紅にはかや盲ひ前 佐藤鬼房
シクラメン蕾を伏せし深紅かな 村田 脩
みづからの深紅にふるへ寒牡丹 山上樹実雄
やまももの宿の楊梅酒深紅 皆吉爽雨
わけありを話せぬ吾亦紅の深紅 伊東道子
暗幕の裡は深紅の父の冬 正木ゆう子 悠
渦のんで深紅燃え尽く昼の薔薇 雨宮抱星
花嫁のしるくミルクの深紅かな 攝津幸彦
黒岳の稚児百合の実ぞ深紅なる 西本一都 景色
子を抱かぬ腕に深紅の薔薇を抱く 谷口桂子
初夢に深紅を見たり妣ならん 高橋睦郎
深紅にて椿は暗しフラメンコ 文挟夫佐恵 雨 月
冬の薔薇深紅なるジヨン・レノンの忌 坂口緑志
冬薔薇のあはれ深紅の花しぼむ 日野草城
巴旦杏食うべのこせしもの深紅 村田脩
白き鼻隆し深紅の唇の上に 日野草城
悲報来暁闇深紅雪椿 黒田杏子 花下草上
負け鶏のとさかの深紅さめやすし 平畑静塔
夢に見し深紅の鷹や冬籠 支考
無花果の暗き深紅を煮つむべし 黒田杏子
雷神の深紅の破風や梅花御供 奥田可児
梟の視界は深紅かもしれぬ 杉良介

唐紅

りゆくさつく唐紅や小六月 相生垣瓜人
わが友に唐紅の熟柿あり 相生垣瓜人 負暄
咲きにけり唐紅の大牡丹 牡丹 正岡子規
秋風や唐紅の咽喉仏 夏目漱石
秋風や唐紅の咽喉仏(のどぼとけ) 夏目漱石(1867-1916)
瀧壺に唐紅の蟹走る 川端茅舎
忠義とは唐紅に散る紅葉 菖蒲あや
浮くや金魚唐紅の薄氷 正岡子規
夕やけや唐紅の初氷 一茶
揉み出だす唐紅の梅酢かな 内藤鳴雪

韓紅

ピーマンの韓紅や恐るべし 相生垣瓜人 明治草
粟の穂に韓紅の葉先かな 川端茅舎
粟の穂の韓紅の葉先かな 川端茅舎
伊達の娘は韓紅の春袋もちにけり 飯田蛇笏 山響集
河竹の身に韓紅の肩蒲団 飯田蛇笏 山響集
多羅葉の韓紅の実や社家の雪 飯田蛇笏 旅ゆく諷詠
晩秋や通訳ひとり韓紅 金子兜太

肌色

くつしたの穴の肌色涅槃西風 如月真菜
夏経たる肌色異に温泉の友ら 伊丹三樹彦
山ざくら素焼の肌色人誘ふ 鍵和田[ゆう]子 未来図
桃源の土は肌色歩を拒まず 中村草田男
馬の仔の肌色淡く風青し 滝 春一
肌色のクレヨン探す父との夏 河野 薫
肌色のクレヨン探す亡父との夏 河野 薫
肌色の雲つぎつぎに松納 広瀬直人
肌色の靴下蕨山に来て 右城暮石 句集外 昭和四十七年
肌色の鮭なまめいて裁ち切らる 荒井恵美子
肌色の土筆まとうは袴のみ 二村典子
盲導犬のどこも肌色どこも雪 平井さち子 紅き栞
裸木を肌色に染め朝日さす 林翔

鼈甲色

鵙の日ぐれ鼈甲色の墓地の土 大野林火 冬青集 海門以後
鼈甲色のこほろぎ登場松奏で 香西照雄
鼈甲色の昼月 母訪う溝蓋踏む 伊丹三樹彦

琥珀色

からすみの琥珀色透く雪催 築城百々平
久米島の古酒をたまはる琥珀色 阿部すず枝
煮凝の皿にとけ込む琥珀色 星野立子
焼けてゆく芝火時には琥珀色 星野立子
寝酒掲ぐシーツに琥珀色の影 櫂未知子
箸あてんとす煮凝りの琥珀色 神田宏子
鰭酒も春待つ月も琥珀色 水原秋櫻子

小麦色

小麦色に日焼をしても中年か 樋笠文
茱萸熟れてちぶさが二つ小麦色 三橋鷹女

ベージュ

ポケットの深きベージュのコート着て 高橋和子

象牙色

唐突に届きて薔薇の象牙色 ふけとしこ 鎌の刃

亜麻色

あゝ 亜麻色の初花のともぐひ 加藤郁乎
亜麻色のわが髪老いぬ秋日差 上野さち子
舟虫を吹きたる息の亜麻色に 和田悟朗
麦を刈るみな亜麻色の髪を持ち 小林榮子

薄茶

トラ鱚の薄茶の縞の涼しさう 高澤良一 鳩信
ばせを忌に薄茶手向る寒さ哉 樗良
一服の薄茶をかこむ初昔 伊藤敬子
花の夜の青蓮院の薄茶かな 結城容子
蚊の気配薄茶静かに置かれけり 友水 清
松の内薄茶もてなす庫裡の出居 詫摩まつ子 『卒寿』
照葉添ふ志野の花筒薄茶点つ 伊東よし子
緑陰に並びて薄茶給はりぬ 武原はん

赤銅色

船とぶ船の子赤銅色の冬陽も跳ぶ 磯貝碧蹄館 握手
梅は実に赤銅色の鰹塚 澤柳たか子

土色

まひる野や土色草色のバツタ跳ね 中拓夫 愛鷹
むらさき茸夜は土色となつてをり 石脇みはる
黄落の水際の寸土色つくす 長谷川双魚 『ひとつとや』以後
秋蝶の土をはなれて土色に 古館曹人
地に落ちて土色となる毛虫かな 右城暮石 句集外 昭和六十年
土の色土色ばつたゐるときの 山口誓子
土色に光る横顔別れ霜 早乙女未知
土色に肥え太りたる根切虫 右城暮石 句集外 昭和三十八年
土色の 黄昏色の 頭ののこれる 富澤赤黄男
土色のかまきり萩の散るあたり 細見綾子
土色のまゝに野分の海暮れつ 山口誓子
土色の冬ひしひしと野にきびし 長谷川素逝 砲車
土色の蜥蜴流人の墓ひとつ 宮坂静生 雹
凍て土のその土色の獄衣を 山口誓子
日かげれば麦蒔消えぬ土色に 鈴木花蓑
萌ゆる色をたがやして行く土色に 及川 貞
萌ゆる色を耕してゆく土色に 及川貞 夕焼

セピア色

わが声のセピア色かも暑気中り 西村梛子
魂のセピア色なる終戦日 菱川イツ子
春はあけぼの復刊本もセピア色 渡邊かづ子
水温む長堤いまだセピア色 長谷川昌子
惜春の少年の子規セピア色 岩田佳世子

鳶色

寒地農頬鳶色の秋日和 久米正雄 返り花
剣鳶色花の皮膚もつアンドロメダ 河野多希女 納め髪
受験日の鳶色の眼を発たせけり 都筑智子
初日いつもの鳶色の日輪となる 菅裸馬
冬の鳶色の夕暮 かけぬけたのは 霊柩車だつた 吉岡禅寺洞
鳶色を富士見西行に着せむ 渋谷道

狐色

ラグビーの野辺も稲城も狐色 山口誓子
山芝や枯れにぞ枯れし狐色 楠目橙黄子 橙圃
蚕屋障子狐色にぞともりける 田村了咲
枝豆の毛の狐色峰をかし 原石鼎
田鳧来る田のひこばえの狐色 沖島たづ
土筆かなし摘み残されて狐色 星野立子
鈍(おぞま)しや片肘匍匐狐色 佐藤鬼房
梅咲くや大方狐色の中 石塚友二
母郷たしかむ焚火の芯の狐色 原裕 葦牙
茂吉忌の豆飯狐色に焼け 富田直治
茂吉忌の豆餅狐色に焼け 富田直治
木洩日に狐色なす小判草 堀口星眠 樹の雫
優曇華や狐色なる障子紙 斎藤俳小星
夕冷えの狐色なすおもひごと 飯田龍太
涅槃なり狐色して山並び 村越化石

イエロー

更衣イエローを自画像へ着せ 市川博久

黄金色

黄金色の正午からんと椰子殻干す 伊丹公子 ドリアンの棘
木苺の黄金色淡甘きかな 金子皆子「花恋」

山吹色

山吹の山吹色す永平寺 右城暮石 句集外 昭和四十一年

グリーン

ベレーの窪みくぼみに冬日 グリーン・ベンチ 伊丹三樹彦
接待のグリーン茶賜ふ秋遍路 小林定子
茱萸の木より蛾のモスグリーンはたはたと 高澤良一 ぱらりとせ

モスグリーン

茱萸の木より蛾のモスグリーンはたはたと 高澤良一 ぱらりとせ

浅緑

看護婦に裸拭かるる浅緑 斎藤玄 狩眼
五欲しづかにあぢさゐの浅緑 ほんだゆき
紫陽花や紫尽きて浅緑 紫陽花 正岡子規
春風や浅田の小波浅緑 暁台
早苗束濃緑植田浅緑 高野素十
白百合や萼の露の浅緑 寺田寅彦

薄緑

いとまなき世や苗しろの薄緑 加舎白雄
燕麦の滞りなき薄緑 京極杞陽 くくたち下巻
夏蜜柑の種子あつむれば薄緑 川島彷徨子
海苔*ひびの薄緑にもひろがれり 八木林之介 青霞集
間引菜の薄緑なる秋の風 右城暮石 句集外 大正十五年
玉うどのうつくし苣の早苗の薄緑 杉風
笹鳴や新藁かわく薄緑 碧雲居句集 大谷碧雲居
山繭の薄緑の時間なのだから 金子皆子
山繭の萌黄とも薄緑とも 稲畑汀子
薄緑お行の松は霞みけり 霞 正岡子規
夕顔や星が抱える薄緑 金子皆子

黄緑

山に小綬鶏朝大皿の黄緑の豆 金子皆子
利尻近む黄緑なせる花漆 菅野イチ子 『花漆』

深緑

バード・ウィーク湖の際まで深緑 鷹羽狩行
バード・ウヰーク湖の際まで深緑 鷹羽狩行
雨あびしシャツがちぢむや深緑に 古沢太穂 古沢太穂句集
炎天の色やあく迄深緑 炎天 正岡子規
刻々に陵の深緑ほととぎす 百合山羽公 樂土
春の海や暮れなんとする深緑 前田普羅
春暁のからたち垣や深緑 原石鼎 花影
深緑の湖たつぷりと失語症 伊藤敬子
深緑の山が吐き出す荒神輿 後藤軒太郎
深緑は暗緑 錆噴く磔像容れ 伊丹三樹彦
深緑や卯の花見えて苔の花 渡邊白泉
深緑や開かぬかぎりは我の口 加藤秋邨
深緑蔭の巌男来る女来る 西東三鬼
水浅く一語一音深緑 原裕 青垣
醒めて業苦池は深緑に抱かれをり 岩田昌寿 地の塩
竹伐りて深緑毫も損なはず 村上冬燕
竹伐りて深緑毫も損はず 村上冬燕
著莪の花崖の天日深緑 川端茅舎
天龍は濁り茶山は深緑 阿波野青畝
鮒釣の子供の去りし深緑 山本洋子
蜜柑喰ふその深緑の葉を無視し 平畑静塔
葉畳となり十薬の深緑 飯村周子
蓮の実のその深緑物語り 金子皆子
論多き菠薐草の深緑 相生垣瓜人 明治草

ブルー

サマルカンド・ブルーはなみだ勿忘草 佐々木とみ子
プールより門をブルーに塗りたくる 平畑静塔
絞り出す絵具はブルー草城忌 松倉ゆずる
魂が呼ぶ海軍紺(ネービーブルー)の盆の凪 平井さち子 紅き栞
新涼や吉永小百合ブルー・ジーン 中村哮夫
青春前期マフラーの色ブルー 上田日差子
涼しさやデュフィにブルー・モツァルト 文挟夫佐恵 遠い橋

納戸色

ぼろ市のお納戸色に夕の路地 中山フジ江 『富士南』
鳥渡る納戸色なる湖の町 小田 亨
納戸色秋風母の羽織より 川崎展宏
母の日の山が暮れゆく納戸色 中村明子
綿虫や納戸色なる妹背山 矢部白茅

縹色

ルソオ読む少年に空縹色 楠本憲吉 孤客
花鳥風月何処の道も縹色 攝津幸彦 鹿々集
花蓼や縹色もめん晒す川 野村喜舟
五月逝く江戸手拭の縹色 綾部仁喜 寒木
校塔に昏れなずむ空 縹色 楠本憲吉 方壺集
三伏の葛西や鯉の縹色 宮坂静生
初がすみうしろは灘の縹色 赤尾兜子
色名に縹色ありダムの秋 富安風生
薄縹色に空明け僕の忌めく 楠本憲吉 孤客
百日白近江の空こそ縹色 増田十王
竜の玉宵月の辺は縹色 中村草田男

ネービーブルー

魂が呼ぶ海軍紺(ネービーブルー)の盆の凪 平井さち子 紅き栞

藤色

見かへれば藤は藤色木にかかる 山口青邨
世の中や大根の花も藤色に 桃隣
笛に湧く夜霧藤色踊りに入る 加藤知世子 花寂び
藤色といふ花房の影日向 永井龍男
藤色といふ憂色は好もしき 富安風生
藤色の揃ひ座布団雛の前 阿部みどり女 笹鳴
藤色を貴び春日おん祭 塚田青女

江戸紫

あまのりは江戸紫の匂ひかな 松岡青蘿
かきつばた莟きりりと江戸紫 高澤良一 寒暑
これやこの江戸紫の若なすび 宗因
花菖蒲江戸紫は濡れてゐし 竹下陶子
懐しき江戸紫や鉄線花 武原はん
寒禽や江戸紫を染めし水 大和忠義
京種を江戸紫やかきつばた 不白 不白翁句集
咲けば江戸紫桐もいまは冬木 山口青邨
野牡丹の江戸紫を散らしけり 阿波野青畝
撥ぶくろ江戸紫や寒稽古 竹田小時

ホワイト

ホワイト・メロンそれより白き月出でぬ 林原耒井 蜩
ホワイト・メロン月に転げて止りて白し 林原耒井 蜩
牡丹描く絵具惜まずホワイトも 山口青邨

乳白色

山と山つなぐ乳白色の霧 右城暮石 句集外 昭和四十二年
蝉交む乳白色の部分かな 永田耕衣
苺潰す乳白色の皿のうへ 高澤良一 暮津

銀鼠

ゆふいんの銀鼠ずずこ雨まみれ 高澤良一 鳩信
海胆割つてゐる銀鼠の雨の中 友岡子郷
銀鼠に空の整ひ大旦 高澤良一 寒暑
銀鼠の雨と見て酌む冷酒なり 林翔
猫柳紅さへふくみ銀鼠 山口青邨
猫柳風に光りて銀鼠 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
白銀に又銀鼠に八つ手咲く 相生垣瓜人 負暄

利休鼠

ゆく年の背中に着せる利休鼠 澁谷道
枯岬利休鼠の雲垂れて 錦織瑠璃子

鉛色

春浅し鉛色なる隅田川 檜紀代
石蕗咲くや沖はいちにち鉛色 森田たみ
無頭魚に冬至の空の鉛色 佐藤鬼房

鈍色

セルを着て水の鈍色昼蛙 森澄雄
蒲の穂の鈍色人に知られぬ過去 青木千秋
親不知沖鈍色に海猫帰る 戸塚あらた
雪片となるまではただ鈍色に 猪俣千代子
多喜二忌や鈍色の浪くづれたる 大竹多可志
鷹渡る彼方や鵜川鈍色に 松井利彦
鈍色の沖を見やりて氷頭膾 角田敬恵 『花しづめ』
鈍色の淡海のうみや秋の暮 石塚友二
鈍色の地球に沿つて蚯蚓這ふ 辻村麻乃
鈍色の命婦の袴春寒し 春寒し 正岡子規

ブラック

コーヒーはブラックがよし巴里祭 森 礼意三
コーヒーはブラックにする寅彦忌 森 武司
珈琲(ブラック)や湖へ大きな春の虹 燕雀 星野麥丘人
珈琲はブラック生き過ぎたかも知れぬ 立岩利夫

墨色

さくら咲くうす墨色のゆめの中 津沢マサ子 空の季節
しだれ梅薄墨色の夜空より 大野林火 月魄集 昭和五十六年
幾山河越えてうす墨色の鶴 木田千女
絹本の墨色浅し一蝶忌 黒田桜の園
紅葉は淡彩、谷は墨色かげりゆく 荻原井泉水
山焼の夜は墨色に奈良町屋 広岡仁 『休診医』
寺要日記に滲む墨色彼岸入 殿村莵絲子 牡 丹
春暁やうす墨色の家はたけ 渡邊白泉
大津絵の墨色にじむ梅雨入りかな 宇多喜代子
丹頂に薄墨色の雪降り来 西嶋あさ子
猪鍋や薄墨色に外暮れて 遠藤正年
墨色の金うかべたり日雷 石田波郷
墨色の富士へ短かき男郎花 三枝正子
墨色の夜のむかうの猫の恋 木栓恵美
鯊の宿薄墨色に鷺わたる 高橋馬相 秋山越

白黒

なまり節喉につかえて眼を白黒 高澤良一 素抱
にわとりへ白黒映画の手が伸びる あざ蓉子
ロザリオ冷ゆ珠の白黒は媼のもの 山口青邨
夏の雨白黒映画の画面ぶれ 高澤良一 素抱
貝寄風に白黒白と猫生まれ 柚木紀子
喜雨の夜や白黒テレビ映像濃し 右城暮石 虻峠
記録映画の白黒のチユーリップ 夏井いつき
石蕗黄なり碁は白黒で人遊ぶ 池内友次郎
卒業子鵞鳥白黒も記憶せよ 山口青邨
東京の街白黒に雪ふりて 山口青邨
白黒の映画の続きちちろ鳴く 長谷川陽子
白黒の間の障子やむめと星 基角
白黒の写真を伸ばす鳥曇り 岡田カヨ子
白黒の十一月の映画かな 小原すさ
白黒の八角灯台夏も冷ゆ 山口青邨
白黒をつけかねてゐる春の土 島田牙城
白鳥の白黒鳥の黒と会ふ 蔦三郎
麦の芽や白黒の棒踏切に 山口青邨
母と見し映画白黒浅蜊汁 井上宗雄
麻畠白黒映画とともに伸ぶ 攝津幸彦 鹿々集
霧の白黒の闇夜をうごかせり 松永千鶴子
鶯や白黒の鍵楽を秘む 池内友次郎
鶯や白黒の鍵樂を秘む 池内友次郎

モノクロ

モノクロに撮られし春の風邪の顔 能村登四郎
モノクロのシネマの春の氷かな 燕雀 星野麥丘人
モノクロの街にコーラの赤い缶 金山桜子
モノクロの昔を今に除夜映画 林翔
炎天の葬儀モノクロ映画のやう 岡崎光魚
山里のモノクロの景花鶏鳴く 野村ぎはく
天地はいまだモノクロ春星忌 藤井彰二
爆心地のモノクロ写真月渡る 木佐幸枝
忘れ霜モノクロ映画に血の騒ぐ 小池 溢

真っ白

かじかんだ手で真っ白の封を切る 大高 翔
まゆみの実真つ白な雨山消して 八木林之助
眼の裡が真つ白になり昼寝覚む 右城暮石 散歩圏
現身を真つ白にする蜃気楼 下山光子
腰痛の一撃脳天真っ白に 高澤良一 寒暑
菜の花売りに来る日の富士よ真つ白な 林原耒井 蜩
真っ白き部屋はゆっくり夏果てぬティッシュの箱をひとつ残して 吉野裕之
真つ白なあの世見たくて芒原 務中正己
真つ白なシーツを敷けば冬の海 和田耕三郎
真つ白なハンカチ使ひそびれたる 藤本悦子
真つ白なブラウス復活祭のミサ 都筑智子
真っ白な花に群がる風一目 高澤良一 宿好
真っ白な花の二つが触れ虚空 鳴戸奈菜
真つ白な花の二つが触れ虚空 鳴戸奈菜
真つ白な犀が来てゐる春の風邪 齋藤愼爾
真つ白な産着が真中初写真 金森教子
真つ白に雨がふるなり除虫菊 楠部九二緒
真っ白に明恵の咲かす茸なり 高澤良一 宿好
雪残る山田一枚真つ白に 右城暮石 句集外 昭和五十九年
誕生を待つ真つ白な毛糸玉 窪田光代
朝の白鳥真つ白の身をかざす 平畑静塔
冬蕪の真つ白な尻積みあげゆく 古沢太穂 古沢太穂句集
冬蕪の真っ白な尻積みあげゆく 古沢太穂 三十代
冬蕪の真つ白な尻積みあげゆく 太穂
梅雨茸の裏は真っ白反抗期 川村智香子
白木蓮過去真つ白にぬりつぶす 津田清子
盆棚に薯蕷(じょうよ)饅頭真つ白な 石嶌岳
盆棚に薯蕷饅頭真つ白な 石嶌岳
野葡萄のまだ真つ白に月を待つ 市村究一郎
梨齧る児に真つ白な永久歯 丸山依子
練馬野の月大胆に真つ白に 川端茅舎
六月や能の亡霊足袋真つ白 北野民夫

皚々

よき庭や岩上馬酔木花皚々 山口青邨
炎天の白皚々の塩湖かな 森田峠 逆瀬川
下曽我の梅皚々の方十里 高澤良一 鳩信
河原石皚々天より下り藤 高澤良一 素抱
海猫の糞皚々宗谷暮れんとす 高澤良一 素抱
月の名をもち皚々と白牡丹 山口青邨
石山の石皚々と冬紅葉 高澤良一 燕音
雪皚々せめて琴の音こなたへ来よ 中村草田男
雪皚々王城の松美なる哉 正岡子規 雪
全貌を見せぬ雪嶺の白皚々 右城暮石 句集外 昭和三十三年
全貌を見せぬ雪嶺白皚々 右城暮石
満洲は皚々の花咲く頃なれば 山口青邨

真っ黒

おでん屋を出て真つ黒な土手がある 岡本眸
りんどうのほとり真っ黒火山弾 高澤良一 ぱらりとせ
稲は穂に嶽真つ黒に星を生み 雨宮抱星
炎天を真つ黒な傘さしてをり 久米正雄 返り花
横這の目の真つ黒や太閤忌 菱科光順
開帳の仏真つ黒みそさざい 菅原鬨也
起きていた鏡ぼく真つ黒に存在して 堀葦男
故国へかへる真つ黒の汽車にゆられかへる 酒井桐男
焼酎に酔えば真つ黒し秋夜空 石橋辰之助
真っ黒い太陽を描く孤児である 九堂夜想
真つ黒な雲に白雲颱風空 右城暮石 句集外 昭和三十六年
真つ黒な牛の顔ある通草かな 岸本尚毅 鶏頭
真つ黒な鳥が物言う文化の日 出口善子
真つ黒な帽子の上の春の月 鈴木鷹夫 千年
真っ黒な閻魔の怒気をふりかぶり 高澤良一 随笑
真つ黒に鳴かん蟋蟀敗戦日 蓬田紀枝子
炭火途中にて真つ黒に消えゐたる 右城暮石 声と声
桃の核(さね)囲める蟻の真っ黒け 高澤良一 暮津
湯元の辺穂の真っ黒な猫じゃらし 高澤良一 素抱
飛んでくる虻真っ黒け二輪草 高澤良一 随笑



以上


by 575fudemakase | 2022-07-01 08:35 | ブログ


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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