人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「詳細」秋の行事の例句 in 角川俳句大歳事記 秋

「詳細」秋の行事の例句 in 角川俳句大歳事記 秋
「詳細」秋の行事の例句 in 角川俳句大歳事記 秋_b0223579_17501143.jpeg
立琴や弾かば恨の数添はん

町医者や屋敷がたより駒迎
駒牽きやけふ切り立ての白ふどし
一袋蕎麦も添へけり駒迎

重陽の夕焼に逢ふ幾たりか
重陽のわらんべすまふとりにけり
重陽の日は三輪山の上にあり

高きに登る日月星辰皆西へ
行く道のままに高きに登りけり
抱瓶を腰に高きに登りけり
灘見ゆと聞けば逸りて登高す
登高や浪ゆたかなる瀬戸晴れて

敗戦忌みづといふ水なまぬるし
堪ふる事いまは暑のみや終戦日
終戦日妻子入れむと風呂洗ふ
枕木を歩いて町へ終戦日
いつまでもいつも八月十五日

江東にまた帰り住み震災忌
万巻の書のひそかなり震災忌
東京にくらしたてをり震災忌
わが知れる阿鼻叫喚や震災忌

顔つゝむ敬老の日の蒸タオル
雀来て敬老の日の雨あがり
年寄の日と関はらずわが昼寝
いやおうもなくとしよりの日がくるぞ
七人の敵今はなし敬老日

山かがし秋分の日の草に浮く

体育の日を耳立てて兎たち

カレーの香ただよふ雨の文化の日
叙勲の名一眺めして文化の日
文化の日幹は画鋲をあまた刺す
薪で炊く飯ふつくらと文化の日
文化の日床屋に椅子を回されて

日の入りて空の匂ひや乞巧奠
乞巧奠願ひの糸の絹の艶

家元の菊の立花は幕のうち

梶鞠や竹の叢葉に触りぬる
老足の梶鞠を蹴てあやまたず

おくんちのことし川船麴屋町
空も酔ふ笛の一節くんち来る

石段のはじめは地べた秋祭
ばらばらに賑はってをり秋祭
バス停の位置をずらして秋祭

愛宕火の火伏せの火種持ち帰る

濡れて湧く深川八幡祭かな

戸隠祭太鼓と笙とまちまちに

宵宮の箱根越え来し泊りかな

玉取祭櫓に宝珠高く吊り

火祭や山水闇にほとばしり
火祭の戸毎ぞ荒らぶ火に仕ふ

松上げの千の火揃ふ暗さかな

芒さへ花と見られて穂屋祭
草の香のつよき暾が出て穂屋祭

北野まつりまことのみちに家内かな

だらだらとだらだらまつり秋淋し
花街の昼湯が開いて生姜市
積んで売り吊って売るなり生姜市
植込の中に人ゐて生姜市

浪黒き鰻十荷や放生会
放生の泥鰌こぼるる草の上

たうとさに皆をしあひぬ御遷宮
御師配る遷宮ちらし十万枚

羽織着て逆髪詣もう寒く

芋茎神輿街に野の香をもたらして
掃き寄せし芋茎祭の野菜屑

馬に乗る衣かづきあり金比羅会
金比羅の祭の面のまま歩む

電車徐行大津祭の山車の脇

けふの夜の秋思を吹ける笛一ツ

橋わたす鉾さしはやせ粟田口

川越えて佐原囃子の笛と鉦

もし降らば千株投げませ祭の日

馬で来る神嘗祭の勅使かな

升の市塩屋長次が月見かな
升市や月も寄せくる松の上

神国は五器を洗ふも祭りかな

火祭や焔の中に鉾進む
火祭やほのあけそめし鞍馬山
火祭のゐさらひ美しき漢かな

時代祭華か毛槍投ぐるとき
茶道具の一荷も時代祭かな
縦に見て時代祭は面白し
替への牛牽かるゝ時代祭かな

峯入は皆柿道人とや申す

大文字を待ちつつ歩く加茂堤
燃えさかり筆太となる大文字
ところどころ渇筆雨の大文字
大文字の火勢の大の真中より
はじめなかをはり一切大文字
浮き上る煙の下の大文字

白足袋の汚れもあはれ鹿踊り

をしみなく痩せたまひけり解夏の僧
送行の笠脱ぎ杉を仰ぎたる

能なしや女見に行く三井寺へ

六斎の揃うてきたるあしのうら
六斎やかろき草履を値切りもし

建仁寺抜けて六道詣りかな
こんこんとごんごんとこれ迎鐘
金輪際わりこむ婆や迎鐘

万燈の花に縋りし子供かな
万灯は星を仰ぎて待てば来る

かまくらや犬にも一つ御なん餅

角(つの)文字のいざ月もよし牛祭
消し廻る灯に果て行くや牛祭

ひざまづく童女の髪や菊供養
菊抱くはおほよそをみな菊供養

賤の男のかたぎぬ着るや御取越

蘭盆の大団円の紙銭燃ゆ

打つ鐘もちんぷんかんや菩薩祭

鬼剣舞采(ざい)のザンバラ逆立てよ

ハロウィン来る子に持たす袋菓子

ほのぼのと妻のをさなさ聖母祭

鯉こくの食ひたき日なり普羅忌なり

水巴忌や日月我に新しき

林火忌の湖北に萩と吹かれけり

大正もわづかな記憶藤村忌

玉手箱そろそろ開けよう耕衣の忌

底紅の花に傅く忌日かな

木歩忌や三角洲(デルタ)へ通ふ大鴉
木歩忌の顳顬(こめかみ)ひくと動くなり

サルビヤのさかる療舎や迢空忌

綾子の忌壺に高きは吾亦紅

鏡花忌の水にいろさす加賀錦

みどり女忌近きを告ぐる鉦叩

静塔忌指にざらざら吾亦紅

くじ引いて束子を貰ふ乃木祭

鬼城忌や芳墨惜しみなくおろす

砂の上に朱欒ころがり鳳作忌

酒しらぬ我は旅のみ牧水忌

老いて尚君を宗とす子規忌かな
健啖のせつなき子規の忌なりけり

糸瓜忌や俳諧帰するところあり
糸瓜忌や雑詠集の一作者
糸瓜忌の紅茶に消ゆる角砂糖
糸瓜忌や虚子に聞きたる子規のこと
枝豆がしんから青い獺祭忌
鳳眼の子規が自画像獺祭忌
絶筆の気息をたどる獺祭忌
月並の句をな恐れそ獺祭忌

明日たのむ思ひあらたや汀女の忌

賢治忌の枕もとより蝗かな

かな女忌の縹いろなす空の端

南洲忌老の出仕のはやばやと

秀野忌のいとども影を引きにけり

蛇笏忌やどすんと落ちて甲斐の柿
蛇笏忌の空屈強な山ばかり
蛇笏忌の月にあそべる白蛾あり
蛇笏忌の露凝る石のしるべ石
山盧忌の秋は竹伐るこだまより

素十忌の田の色の揺れうごくなり

待つとなく素逝忌がくる数珠玉よ

僧も入りばらばら坐る耕畝の忌

大切な看護日誌や年尾の忌

松ぼくりかぞへて歩く秋燕忌
秋燕忌近し蕪を甘く煮て
この小さき器みたせよ秋燕忌

宮内官致仕と年譜や城雲忌

吉原は菊の盛りや紅葉忌

袖とほす下着ひやりと白秋忌

水底も紅葉を急ぐ桂郎忌

支倉忌ぽるとわいんのふかきいろ

宗祇忌の筆ざんばらに筆立てに

ひたと好む鬼貫の忌を修しけり

世阿弥忌の花なき花瓶置いてある

祖を守り俳諧を守り守武忌

西鶴忌うき世の月のひかりかな
今の世も男と女西鶴忌
西鶴忌きつねうどんに揚げ一まい

太祇ここに住めりとぞいふ忌を修す
夜に入りて太祇忌と知る雨の谷

定家忌や薄に欠けし月一つ

遊行忌のすすき束ねてをられけり

身を委す他力が終の道元忌

十団子を軒に吊して許六の忌

手賀沼に横降りの雨広重忌

千代尼忌や屋根石灼くる街に佇ち

去来忌やその為人拝みけり
去来忌や旦暮に在す嵐山

若冲忌飼ひたきものに白鸚鵡

わが生れ本の神田や保己一忌

白雄忌へ百椀の酒たてまつれ

覚猷忌迦陵頻伽の声きけり

家の奥に咳払ひあり鈴の屋忌

夢想忌や庭拝見の今日も続き


以上

作者名を知りたければ原典を参照されたし
因みに
「新版 角川俳句大歳事記 秋」角川書店 2022・8・31 初版

by 575fudemakase | 2023-04-01 17:52 | ブログ | Trackback


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

カテゴリ

全体
無季
春の季語
夏の季語
秋の季語
冬の季語
新年の季語
句集評など
句評など
自作
その他
ねずみのこまくら句会
ブログ
自作j
自作y
未分類

以前の記事

2023年 09月
2023年 08月
2023年 07月
more...

フォロー中のブログ

ふらんす堂編集日記 By...
魚屋三代目日記
My style

メモ帳

▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

検索

タグ

最新の記事

この頃の嘱目句(2023年9..
at 2023-09-25 21:22
角川「俳句」2023年 八月..
at 2023-09-14 08:18
NHKBSプレミアム「世界里..
at 2023-09-09 08:41
雪童子<主宰 同人欄> 選..
at 2023-09-09 04:13
『俳句的』外山滋比古(みすず..
at 2023-09-08 04:33
おわら風の盆2023スペシャ..
at 2023-09-03 09:47
季寄せを兼ねた俳句手帖202..
at 2023-09-03 05:37
「風の盆」詠 (高澤良一)
at 2023-08-30 23:38
角川「俳句」2023年 五月..
at 2023-08-30 09:58
マチス晩年の到達点 (高澤良一)
at 2023-08-30 04:54
今日の嘱目句(2023/08..
at 2023-08-29 08:17
朝の谷戸(称名寺) 高澤良一
at 2023-08-28 12:01
四季の小文 原裕 より (高..
at 2023-08-28 04:53
産声 高澤良一
at 2023-08-27 16:29
華麗な一夜 高澤良一
at 2023-08-26 21:29
今日の嘱目句(2023/08..
at 2023-08-26 16:36
小原啄葉の俳句 (高澤良一)
at 2023-08-25 05:31
秋は忍び足で・・・
at 2023-08-24 11:19
今日の嘱目句(2023/08..
at 2023-08-24 06:05
言葉の道草 岩波書店辞典編集部編
at 2023-08-24 00:51

外部リンク

記事ランキング