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最近の嘱目句あれこれ11  2024年 (高澤良一)

最近の嘱目句あれこれ11  2024年 (高澤良一)

◼️春
中華街空見て歩けば竜天に
階(きざはし)をほろっと城の落葉飛ぶ
進学祝ふ会あり辯天恵比寿顔

◼️夏
浮き草は浮かんでばかり世の理(ことはり)
希望は人の第二の魂虹立つ沖 🌈
土砂降りはあっと云ふ間に山を呑み(驟雨)
独逸語でグーテンモルゲン寝坊助に
いつものこと少し余せる缶ビール 🍺
湧く雲見て洗濯物を丸抱え
コンビニにてばら銭集め買ふ氷菓
蟻のやうに働くものは皆汗臭さ  💦
水浴びるやうに浴びたし缶ビール
吾に課す氷作りと云ふ仕事
君知るやバナナの旨さは腐る旨さ
露多(だ)くは吉野屋 汗だくは山妻
バイ菌は何處にもくっつき悪さする
橋涼み両国・蔵前・駒形と
最後までねずみ花火は突っ走り
映画ではないが花火の揚がる街
横殴り雨は棒なす日本橋 ☂️
変てこなペコちゃん花火も揚がりけり
これと云ふ花火でなけれど壁掛けに
江戸花火清洲・両国・蔵前と
見上げたもの真っ直ぐ上がる花火哉
陸続と人続々と磯花火
灯台に人 浜木綿に人 松輪にサバ
真剣な眼もて線香花火の娘(こ)
はしたなき私はねずみの花火です 🐀
軽々花火たまには重る花火哉
消ゆ花火はたまた月を追ふ花火
灯籠まで明りの届く庭花火
連發の發の残れる磯花火
虎の大胆鼠の臆病花火哉
煙り見る人のつくづく花火かな
満面に花火受け止む翁かな
真夏日やカルキの匂ふ水道水
何かのはづみで開かずじまいの花火もあらむ
五、六本線香花火は音聞くのみ
酔客のあちみこちみの川花火
硝煙の真っ只中に裂け花火
大花火四彩五彩としゃらく彩
駄々こねて居るのはねずみ花火かな  🐀
原色のありあり花火を子等持ちて
手にしたる線香花火は音聞くのみ
満月が上がっていたよ今夜の花火
足投げ出す地べたは砂地大花火
花火見る頭だらけの浜辺かな
コーラ持ち花火見物今最中

記しある終電時間大曲り
ひょうコレよオープニング花火の視野の巾(はば)
不死鳥のよみがへるやう湖(うみ)花火
客集め高崎名物せっかち花火
終の花火炭火のやうなサビの赤
たとふるに夜間飛行の蛍なり
山法師こんな高所に寺一つ
紅蜀葵花は縮まりポンと落つ
一八の花しろしろと伝心寺
一八に花皚々と伝心寺
割れ物にアレンジ加へ変り玉
💤(ずずずず)と花火の夜を睡りこけ
来年が来るまで暗中模索して花火
大曲り揚がる花火のクオリティ
花火師の初手の花火はリラックス
ずるずると引き込む花火に我忘れ
スターマインひそむ草むら大曲り
星がけ・玉詰め・玉貼り花火作りは分業よ
所雨(ところあめ)ウエザーニュースは何っつてんの
水上に半円描き消ゆ花火
しんがりにはジャンボスターマイン炸裂
おい出やすと余興花火は空いっぱい
科白付きシンクロ花火しんがりに
渾身の花火が揚がる大曲り
三陸花火打ち上げ一万五千発
孫太郎虫真実一つ無き世に生れ
風鈴を或る夜の烈風かっさらひ
風鈴をもぎ取る飛んだ台風にて 🌀
やぶ蚊は悪党でなし唯かゆし
寝坊してギンギラギンの真っ昼間
暑さ凌ぎに漢字に強くなる本どーぞ
蜥蜴に似て引っ込み思案の花火かな

母親の言に依れば
膀胱の小さきを悔やむ夏休み
茄子焼いてじはっとしみる昭和のむらさき

大人気レモンSACREといふ氷菓
お茶を引くお吉偲べと梅雨入りあめ(安直楼)
祭の喧嘩(けんくわ)上等 やってやろうじゃないか
蓮の杖と書いて蓮杖下田の人(下岡蓮杖)
パセリ乗せ・挟みぱくりと昭和のトースト

置いてゆかれわが家に独り小夕立
足組んで庭木打つ雨見てゐたり
コーヒー一杯でねばるドトールにわか雨
夏草の茂り放題分離帯
モノレール発進峯雲湧く海へ(金沢八景駅)
鶴瓶来て云々(うんぬん)草取りぼうぼう寺(NHK家族に乾杯)
カフェラテにあらあら蠅が飛んで来て
空席の目立つ図書館夏の果
私にして許せる暑さ東京行き
貧すれば鈍するものに御器かぶり
合歓の葉影網戸に著るき日なりけり

◼️秋
盆帰省人等で混める品川駅
はず押しのはずがかなわず負け戦
未だ未だが続いて行司のしきる秋
両者共にうなずき酒をあたためん
死に体は死に体軍配通りの勝ち
大の里ぐぐいと押して七連勝
波波のたゆたふ水面小望月
雲間より花火見むとてお月様
ついてをり車窓より見るお月さん
車窓よりちらっと見えしお月さん
世は平和潜水艦とお月さん
月の下(もと)潜水艦は繋がれて
底無しの沼から上がる赤とんぼ
妻留守の秋晴れの空家ぬちより
我もまたとんぼ見る子の末裔にて
赤とんぼ上がるよ上がる浜のそら
沖へ沖へ茄子の馬乗せ精霊舟
牛の角(つの)は苧殻でありぬ送り盆
ここ信州山の斜面で魂送り
酔芙蓉ぐらり傾け風一陣
若株にてほんのりほの子の酔芙蓉
けふ旗日の新聞買ひに秋日のなか
窓開けて秋を呼び込む僕の家
窓開けて秋を呼び込む小学校
妻の寝相等見てめっきり秋めく夜
杳(よう)として動かぬ死體密林に(敗戦日)
死ねと云ふ死體を浮かべ海死なず(敗戦日)
拾ひ読む特攻日誌むらむらす(敗戦日)
旧漢字書けば安まる昭和の子
横浜散策秋の日本丸を見に
横濱はハイカラな街いわし雲
昼の虫4コマ漫画で読むことわざ
文化の日ポケットシュウマイ手みやげに
崎陽軒で用たしその後同窓会
そこそこの急坂辺りの彼岸花

フラフープ盛んな頃の運動会
腰強震女神探偵フラフープす
球入れをテレツクテンとやっては駄目

寝待ちとか云ふ日を我れはお留守番
スマホで検索芋名月の出る時刻
待望のけふは十五夜ちょっと過ぎ
あいたゝと酢橘の苗木扱ひかね

住職の言葉ずどんと震災談(能登)
絶望を二度程喰らひここ輪島
屋根瓦齧られたやう津波来て
家族に乾杯!輪島和太鼓小学校(鶴瓶の番組)
かけつけのコーヒー一杯秋暑し
秋曇りコーヒーのんで出る噯(おくび)
お隣りもステッキ秋の茶房にて
ケーキ買ひけふは不二家でほめ曜日

鶴瓶来てどーぞどーぞと震災談(NHK家族に乾杯)
能登その後輪島電気も水も来て
ミルク零す粗相もありて茶房の秋
能登地震箪笥の中味はだいじょぶで
震災譚ほいで仮設に入りしよ(土地人の云へる)
パーマ屋さんまだ健在で輪島町
皆焼けて輪島朝市の跡ありし
地震来て子供公園ぺちゃんこに
日本一周序での介護支援の娘(こ)
コスモスのそこにもここにも杣が家
朝比奈口抜ければ鎌倉鶏頭咲く

満満満月満ちては欠け満ちては欠け
十六夜の虚な心を月に見て
生憎の雨となりたる良夜かな
お月見の自ずからなる艶(あで)ごころ
貴人(あてびと)の五、六人程月見台
十五夜は歳月人を待たずの日(日めくり)

刃(やいば)の波紋国宝三日月宗近の
兜名「天衝(てんつき)」飾る大広間
紐・甲冑皆赤づくめ鉄兜
伊達者には伊達ものの月兜の月(伊達政宗)

焼売(しゅうまい)買ふ釣瓶落しの横濱で
俳句手帖に紐付き鉛筆山の秋
きりぎりす遠(をち)に無音の海控え
A列車で行こう月迄 JAZZの乗り
うさぎ飼う月球ぬつと鼻の先
うさぎ飼う月球覗きゐる深夜
うさぎ飼う月球覗きゐる男女
敬老日生まれしは昭和二十二年頃
年寄りの日が昇格をして敬老日(敬老日を設けるきっかけ)
敬老日の生みの親ゐて九十一

又一人悪態つきし子盆帰省
晴天に真新しくて白木槿
宇宙戦艦ワープし渡る銀河系

頭つけ霧島盤石勝ち相撲
わが神奈川のホープ頑張れ土俵の上(湘南乃海)
豊昇龍の首投げどうだまいったか
気張らずにけふの一番明日の一番
紙屑のやうに投げつけ大関戦
大歓声宇良(うら)出て何をもたらすや
押し上げて金時すまふを力士宇良(うら)
突き出しに身骨砕く美ノ海
この一番突きには突きの熱海富士
唯ひとり天覧相撲の大ノ里
髷を結ひ登るすまふのピラミッド(番付表)
相撲取り胸をはだけて秋うちは
あと一勝館内大いに湧くすまふ
ぶつかって胸が合ふやいなや翔猿
ラストの一番ここは締めたい琴櫻
秋扇ぱたぱたやって無風の日
芋ケンピポリポリやって読書の秋
玉鷲は土俵の達人押し出しぬ(玉鷲一朗)
口裏合わせ一日一番頑張ります
模範解答一日一番頑張ります
決まり手は流れの中で遠藤戦(若隆景)
大ノ里未だ土つかぬすまふとる

◼️冬

◼️新年

◼️雑
風愚図り雨又愚図り日本橋
お経と鉦早々奥の六畳間
人のさが人は病気を話題にす

寺山修司篇
やくざのスラング短銃(ハジキ)悪事(ワリゴト)巻煙草(モヤ)男根(ヨシコ)
さみしい時の口の運動愉しけれ
世の道理ロバと王様皆んな死ぬ
虚仮の世に生まれて八十恙無く
馬鹿こけのこけはこの字と教はりし(虚仮)
死にたくてする戦争か鉄にも黴
「ベッドに吾」「違ふベッドに我レが妻」
点灯す顔が浮き来る闇底より
消灯の声が懸りて紐の音
闇底より声あり厠へゆく妻か
かう老(ふ)けてはターザン見たいな肉体欲し
横濱はハイカラな街「ゆず」の街
未来都市マップの中央日本丸
ここ馬車道明治はさ程遠くなし
らららんらんジャズと自由は手を繋ぎ
バタバタと帆船の風横なぐり
はためくものはためきうみの日のよこはま
トライして何とか生きてわが生活(たつき)
つらつら思ふに沖から崩れて来る天気
鳥声に目覚めたところ五時五分
くよくよの其処から何か生まれるか
絶望を希望に転ずは男の夢
少年は大志をいだけ悪言吐け
手当りしだいTシャツみたいに言葉を着やう(寺山修司さん)
ひとは皆女に生まれず女になる(映画女優ちゅうは)
手軽さのポケットシュウマイ旅の帰途
最寄駅でポケットシュウマイ妻連れて

阿呆陀羅経 ツルハセンネン カメハマンネン
銭湯絵に欲しき一品鶴林図
お歳暮には鶴寿の羊羹コレがよし
物忘れ多しが故の漢字カフェ
がびうすと云ふ名の岩ころ凝る天
紅茶今もおいしい喫茶「思ひつき」
オリンピック・神武景気の時代過ぎ(昭和29年)
横濱の元町喫茶「さくらんぼ」
十二周年新ワザも出てフラフープ
漢字カフェ面白ければ入り浸り
仏蘭西語のケセラセラとは「何とかなるさ」
イチジク浣腸使い上手よ昭和の子
カメラ好きならカメラを持ってお吉蓮杖の町を撮れ
源氏物語「もののあはれ」と喝破せり(本居宣長「あはれ」の文学)
源氏物語で「あはれ」の使用は千回程度
怨霊秘めれば鬼女の形相に(能)

蓮杖の撮りまくる物ケセラセラ
鼻むずには森下仁丹カプセル利く
人形劇も終局一ノ谷の段(屋島逆落しの段)
カメラ持ってふらつけ蓮杖ゆかりの地

アメリカンコーヒー一丁とオーダーす
茶房にてカフェラテMにぬくもれり
理髪師曰く「笑ってゐなきぁーしやうがない」
ここは能登仕事ぽちぽち散髪屋
ドトールにてベルト締めたり緩めたり
茶房にてベルト締めたり緩めたり
能登今も黒猫やまとに吼える犬
人さし指持ってスマホに対す我れ
再会や身振り手振りも忙しく
ガンシロップ数多使ひて一息入れ
ドトールで充電彼の人長っ尻
貧すれば鈍するそれを教訓に
認知症の疑いかわすに丸暗記

空飛ぶ車空に仮想の道作り
札幌で生まれて世界へ味噌ラーメン
俳諧もおかしきことこそ目出たけれ
我れ棲むは空飛ぶ車の試作の世

養老の滝の逸話は嘘っぱちか
しゅうまいを漢字で書けばかうなると(焼売)
ままごとのやうな焼売(しゅうまい)朝餉とす
馬鹿云ってる私がそろそろ八十四
この話しこまんたれぶー・めるしいふらんす語で(山妻曰く)
ししふんじんこの字が書けて未だ未だよ(獅子奮迅)
ゴミの日の山妻朝から獅子奮迅

妻の実家での話 父親新城新七は朝起きると四人の娘と握手を交わしつつこう言った。
グッバイ・カマゲン・ミンタゲン・ソーロン・バイバイ
(Good bye Come again Meet again So long bye - bye)

国家観
ちりあくた嗅(しう)菌(きん)屁(ペ)衝(え)もぷう珍(ちん)も
バイ菌は何處にもくっつき悪さする
馬鹿こけのこけはこの字と教はりし(虚仮)

半島の野比の辺りを断裂線
「アメリカはアメリカ」変な銃社会
ふるさと納税地元贔屓のスケボー場

以上
(妄言陳謝)



by 575fudemakase | 2024-09-19 06:32 | ブログ | Trackback


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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