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小沢信男 俳句世がたり 岩波新書 を読んで (高澤良一)

小沢信男 俳句世がたり 岩波新書 を読んで (高澤良一)
    (株)岩波書店 2016年12月20日  第一刷発行
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入学の子の顔頓に大人びし 虚子
一を知ってニを知らぬなり卒業す 虚子
神田川祭の中をながれけり 久保田万太郎
草笛をふいて神田の生れかな 久保田万太郎
梅雨寒し鬼の焦げたる鬼瓦 加藤秋邨
夕映えて紫陽花かげの子の臍よ 加藤秋邨
生身魂生涯言はぬこと一つ 鈴木真砂女
死なうかと囁かれしは蛍の夜 鈴木真砂女
千人が手を欄干や橋すゞみ 其角
いざいなん江戸は涼みもむつかしき 一茶
負まじき角力を寝ものがたり哉 蕪村
脱すてゝ角力になりぬ草の上 炭太祇
猿を聞人捨子に秋の風いかに 芭蕉
しにもせぬ旅寝の果よ秋の暮 芭蕉
満月や大人になってもついてくる 辻征夫
落葉降る天に木立はなけれども 辻征夫
女房も同じ氏子や除夜詣 初代中村吉右衛門
雪の日や雪のせりふをくちずさむ 初代中村吉右衛門
初暦知らぬ月日は美しく 吉屋信子
書き初めは恋の場面となりにけり 吉屋信子
梅でのむ茶屋もあるべし死出の山 大高源吾(子葉)
うぐひすに此の芥子酢はなみだ哉 其角
先見た物の帰る引汐 武玉川
津浪の町の揃ふ命日 武玉川
大関によるとしなみや五月場所 久保田万太郎
夏場所やもとよりわざのすくひなげ 久保田万太郎
半夏の雨塩竈夜景母のごと 佐藤鬼房
夏草に糞放(ま)るここに家たてんか 佐藤鬼房
あじさゐの毬より朱儒よ駆けて出よ 篠原鳳作
しんしんと肺碧きまで海のたび 篠原鳳作
てんと虫一兵われの死なざりし 安住敦
晩年やセルの袂に一私信 安住敦
震災忌置く箸の音匙の音 三橋敏雄
戦亡の友いまあがりくるよ夏の浜 三橋敏雄
梯子あり颱風の目の青空へ 西東三鬼
みずすまし遊ばせ秋の水へこむ 西東三鬼
板前は教へ子なりし一の酉 能村登四郎
簪が兇器なりしと霜の夜話 能村登四郎
漱石が来て虚子が来て大三十日 正岡子規
霧黄なる市に動くや影法師 夏目漱石
お降りや竹ふかぶかと町の空 芥川龍之介
癆痎の頰美しや冬帽子 芥川龍之介
三月やモナリザを売る石畳 秋元不死男
明日ありやあり外套のボロちぎる 秋元不死男
初蝶やわが三十の袖袂 石田波郷
あんぱんの葡萄の臍や春惜しむ 三好達治
老残のこと伝はらず業平忌 能村登四郎
春ひとり槍投げて槍に歩み寄る 能村登四郎
祭笛吹くとき男佳かりける 橋本多佳子
乳母車夏の怒濤によこむきに 橋本多佳子
燭の灯を煙草火としつチェホフ忌 中村草田男
世界病むを語りつ、林檎裸となる 中村草田男
風船爆弾放流地跡苦蓬 池田澄子
敗戦日またも亡父を内輪褒め 池田澄子
窓の外にゐる山彦や夜学校 芝 不器男
かの窓のかの夜長星ひかりいづ 芝 不器男
高原の秋運転手ギター弾く 木村蕪城
受験児の横たへおける松葉杖 木村蕪城
ゆく年や坂一つなき中央区 鈴木真砂女
初夢の大波に音なかりけり 鈴木真砂女
焼跡に遺る三和土や手毬つく 中村草田男
万緑の中や吾子の歯生え初むる 中村草田男
落第や吹かせておけよハーモニカ 小沢昭一
春昼の焼場の煙まっすぐに 小沢昭一(変哲)
危うくも吾れ祭られず招魂祭 小沢昭一(変哲)
着せたがる戦死の父の白絣 小沢昭一(変哲)
ルンペンの寝に噴水の奏でけり 篠原鳳作
蟻よバラを登りつめても陽が遠い 篠原鳳作
お遍路が一列に行く虹の中 渥美清(風天)
朝寝して寝返りうてば昼寝かな 渥美清(風天)
ざん壕で読む妹を売る手紙 鶴彬
暁をいだいて闇にゐる蕾 鶴彬
人に言はずひぐらしきけばながらへし 森澄雄
白地着て白のしづけさ原爆忌 森澄雄
卒塔婆にもたれ背高泡立草 大野朱香
春燈を点せば嗚呼と二十人 大野朱香
これはもう裸といへる水着かな 大野朱香
裏口に誰そとぞとへば曼珠沙華 大野朱香
ゲバラ忌や小声で歌ふ革命歌 大道寺将司
秋の水百年の忌を修しけり 大道寺将司
その年の遊び納めや三の酉 永井荷風
かたいものこれから書きます年の暮 永井荷風
行く年やわれにもひとり女弟子 富田木歩
夢に見れば死もなつかしや冬木風 富田木歩
初刷の刷りあやまりし表紙かな 久保田万太郎
初場所の土俵はやくも荒るゝかな 久保田万太郎
いつせいに柱の燃ゆる都かな 三橋敏雄
坐して待つ次なる大震火災此処 三橋敏雄
国境になるとは知らぬ河の水 鶴彬
高く積み危く揺るる資本主義かな 鶴彬
鞦韆は漕ぐべし愛は奪ふべし 三橋鷹女
天が下に風船売となりにけり 三橋鷹女
好きなものは玻璃薔薇雨駅指春雷 鈴木しづ子
傲然と雪堕ちるケリーとなら死ねる 鈴木しづ子
夏みかん酸っぱしいまさら純潔など 鈴木しづ子
虹の下神田生れの早やことば 鈴木しづ子
橋落て人岸にあり夏の月 炭太祇
いなづまや舟幽霊の呼(よば)ふ声 炭太祇
厠にて敗戦の日とおもひけり 能村登四郎
身を裂いて咲く朝顔のありにけり 能村登四郎
焼けて直ぐ芽ぐむちからや棕櫚の露 東京市長永田秀次郎(青嵐)

朝鮮人あまた殺され
その血百里の間に連なれり
われ怒りて視る、何の惨虐ぞ 萩原朔太郎

満月や水兵永く立泳 三橋敏雄
戦前の一本道が現るる 三橋敏雄
あやまちはくりかへします秋の暮 三橋敏雄
空狭き都に住むや神無月 夏目漱石

もう英国も厭になり候
吾妹子を夢みる春の夜となりぬ 夏目漱石

下京や雪つむ上の夜の雨 野沢凡兆
呼びかへす鮒売見えぬ霰かな 野沢凡兆
正月が四十を越せば飛んで来 武玉川
様々な人が通って日が暮れる 武玉川
鎌倉を驚かしたる余寒あり 高浜虚子
亀鳴くや皆愚なる村のもの 高浜虚子
亀鳴くや事と違ひし志 安住敦
井戸を掘る櫓組みある桜かな 安住敦
うつす手に光る蛍や指のまた 炭太祇
光洩るその手の蛍貰ひけり 中村汀女
六月を綺麗な風の吹くことよ 正岡子規
痰一斗糸瓜の水も間にあはず 正岡子規
鬼灯市に遭ひしひとの名うかび来ず 石田波郷
朝顔の紺のかなたの月日かな 石田波郷
カチカチと義足の歩幅八・一五 秋元不死男
終戦日妻子入れむと風呂洗ふ 秋元不死男
しんかんとしたりやな蚤のはねる音 和田久太郎
死に別れ生き別れつゝ飛ぶ雁か 和田久太郎
仰のけに落て鳴けり秋のセミ 一茶
青空に指で字をかく秋の暮 一茶
百花園もとより浸かり秋出水 久保田万太郎
ながれゆくものゝ迅さや秋出水 久保田万太郎
あちらからどつと来ました渡り鳥 土肥あき子
地球儀のなかは空洞冬うらら 土肥あき子
双六作らむアレキサンダー遠征など モーレンカンプふゆこ
寒灯下曲がってしまった曲り角 モーレンカンプふゆこ
どこらへん問ふ線量や春の泥 佐山哲郎
墓石みな倒れつらつら椿咲く 佐山哲郎
春泥やまさかの人が向うから 池田澄子
夕桜あやうくハイと言いそうに 池田澄子
葉桜やふとももはみな桜色 辻征夫
おぼろめく月よ兵らに妻子あり 長谷川素逝
盆が来る俺は実家で仏様 藤太
見てしまう故郷行きの高速バス 健草
流れ星いまもどこかを脱走兵 暮尾淳
唐牛のことなど話す白髪かな 暮尾淳
秋風やひたひたと来るものの影 川崎彰彦
地震ふるや見晴台の蟻地獄 川崎彰彦
天狗住んで斧入らしめず木の茂り 正岡子規
柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺 正岡子規
よみじへもまた落伍して除夜の鐘 小沢信男

以上


by 575fudemakase | 2024-10-08 07:58 | ブログ | Trackback


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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