最近の嘱目句あれこれ29 2025年 (高澤良一)
最近の嘱目句あれこれ29 2025年 (高澤良一)
◼️春
水鮮烈畳石敷山葵田なり
山葵擦る紫檀に鮫皮おろしかな
天然の日影榛の木作る山葵田(静岡県中伊豆筏場)
蜘蛛の巣を放置山葵の虫退治
ここ山葵田覚めない夢をみてゐるやう
山葵田は伊豆の山奥水湧く処
わさび農家富士を臨める朝夕に
金策も目鼻つきけり暮の春
晩春の最晩年の湯治宿
麗日の髪の分け方七三に
長閑なり河馬のあくびが移りけり
春暁(あかつき)パジャマの紐が解けゐて
たっぷりと湯舟の湯を張り春の夕
春日遅々不安な一日暮かねる
春は曙 夏は黄昏 佳(よ)か気分
春昼の鉄塔ぶーんと音立てゝ
杜子春が楼門で待つ春の暮
採取日を記して春の河原石
主留守のやどかりばかり油壺(三浦半島)
花時の動物園の人気者
目つむりて一日了る目借時
桜前線更に北上道南へ
日一日薄着となりて弥生尽
清明や聖書と礼拝欠かさぬ日(関東学院六浦中学・高校時代)
目借時日がな一日禽の声
黙々と歩く黒蟻ゐて穀雨
いつものこと穀雨疾っくに過ぎてをり
自転車旅能登の田螺に佇みて(正ちゃん蔵出し輪行)
スリッパを揃えて置けと春めく日
和幸にて汁のお替り鳥曇
曇天も云ひやう洒落て養花天
春雷の二つ続けて後続かず
七三に髪形分けて遠足子
ゴールデンウィーク旅先日本の歩き方(書名)
黄金週間旅先大方国内よ
黄金週間湯屋と床屋に行ったきり
春の蠅歩いてばかり玻璃の上
八百潮の一線為して百千鳥
臍の緒を箪笥に戻す木の芽冷え
木付子咲く山にユースホステルあり
ものの芽の名前当てっこして端山
楤の芽に触発されて出す料理
手にすれば手に慎ましく柳の芽
萱草のお浸しお酒やってをり
薔薇の芽のもっこり雨後の日を浴びて
むくつけき野心晒して接骨木は
沈丁の白私めの好みにて
トロ摘む指のしなやか桜時
花時の寿司が食いたくなる時分
三椏と云へば鎌倉光則寺
此処よりは三々五々の花筏
野蒜引く根っこが残り困り果て
蒲公英の野原に地割れ陥没あり
烈震に地獄の釜の蓋がずれ
げんげ田に大の字に寝てひやつく背
伸びきりし杉菜林立南京墓地(横濱)
定番の山菜としてミズ、コゴミ
山菜の代表としてタラ、ゼンマイ
太公望のおももち少し鯛釣草
二輪草少し深みのある蒼(あお)で
それ其処は除けて通りな蝮草
座禅草観察谷戸の奥深く
雪柳あらかた散って仕舞ひけり
水溜まり縁取るものに小米花
海棠や足を運んで海蔵寺(鎌倉)
藤棚や椅子あり其処に小半時
神奈川に多摩川梨あり梨の花
りんごの花サイクロードはその畑沿ひ
姿、色、形佳(よ)しとすヒヤシンス
色競ふ千本ばかりチューリップ
プリムラの半分くらい花疲れ
女の子と給食当番ひじきの日
海の碧さ 石蓴の青さこころ旅(NHK BS こころ旅)
掃除当番学校給食鹿尾菜の日
駅前のマックでコーヒー養花天
柳に雨地下鉄地上に出て見れば
◼️夏
陸奥、三笠、レーガン盛夏の横須賀に
風死す中空母レーガン横付けに
日めくりにでんと日の丸けふ立夏
夏兆す横須賀マックに黒人兵
前輪を追ふ後輪や今日立夏
ハンケチのよれよれ出して顔を拭く
六月の米兵三笠通りゆく
ママチャリの掠めてゆきし道薄暑
田を植うる息整へて又植うる
水皺を見てゐるだけで田植寒
上下左右反転梅雨入の洗濯機
入梅と云う口許を見てゐたり
止まり木に止まる気分や本日夏至
渡良瀬川を渡る轟音麦の秋
サンドイッチどれにしようか半夏生
コンビニにておむすび買ひ足す小暑かな
万国旗掲ぐ軍港独立祭
夏暁(あかつき)短きものに遠(をち)の蝉
ドンキホーテで香水買ふとは鈍臭き
糊の利き悪き切手や秋隣
鈍色にうるし光りや曲げわっぱ
これ真実夏は股間が痒くなる
バタバタと石庭打って夏の雨
温室の住人飯匙倩(ハブ)の深眠り
走水揚げ舟叩く走梅雨(観音崎)
鉄棒に数珠繋がりの露兆、京
空母レーガン消えて失くなる一驟雨
喜雨叩く軍港軍艦横向きに
自画像に面と向ふやブロッケン
信濃川夏野流れて長い川
お花畑どちらへ行けば迷ふ道
お花畑歩きながらのダベリかな
沈下橋抜けて夏川まっしぐら
衣更うホームにいっぱい女の子
麻服の皺くちゃだらけハンガーに
全島エイサー祭芭蕉布着て踊る
捺印押しにすててこで出で引っ込みぬ
蠅帳にふてぶてしくも集(たか)る蠅
古色蒼然べっかう色の蠅取りリボン
縁側のある家常備の藤寝椅子
廃屋に幾年凭れ古葭簀
日覆の色褪め横須賀シャッター街
あっち向いてホイこっち向いてホイの扇風機
ポンコツの冷蔵庫ある暮らし向き
インチキ臭さうなギヤマン置き商売
花氷ずでんと遣ってしまひけり
風鈴と同じ軒下釣忍
箱庭の歴然石川町界隈
打水に蜥蜴脱兎の勢い見せ
噴水の疲れ知らずや上野山
虫干の函に大小乾物屋
勉強部屋母親が来て風通す
井戸替のありしは昔散歩道
ペンキ剥げゐる山荘の案内図
垣間見る母校の校庭夏休
犬掻きてふせこい泳ぎをして懸命
帰省せる駅のホームに帰宅の人
鉄棒に高(たか)低(ひく)ありて夏休
天國(ハライソ)をゆく如ピーチパラソル群
波乗りの人の芥子粒七里ヶ浜
舟遊山大山参りの挿絵見て
漕ぎ出だすオールぎこぎこ舟遊び
競ふかに槌音二軒海の家
お買物プール帰りの元町で
廻るプール全景を見す根岸線(山手)
機材等これから運ぶ海の家
百貨店に出掛けて買い物浮袋(往事)
夏芝居宇野重吉のぼそぼそ声
一匹は金魚貰へる金魚釣
曲るとき大魚に変身蘭鋳は
走り根に足をとられし夜宮かな
泡一つ抱いて離さぬ水中花
水鉄砲打って惨憺たる光景
水遊びブリキの金魚浮かばせて
丁々発止と扇子操り水からくり
所在なき手振り手花火了えたれば
樟脳舟今も脳裡の海を航(ゆ)く
向き向きに座席を作り舟料理
落命も斯くの如しと手花火す
ナイターの球場浮上大歓声
水道の真水に裸足の砂落とす
草笛のぐいと曲りて音立ち消え
コンビニで納付して来て昼寝中
めいめいの部屋に引き取り昼寝かな
手花火の火玉炸裂して落下
行水の捨て水まてよそっちじゃない
歯の治療あればと妻の髪洗ふ
海からの夕風にして夕端居
湯上りの爪切る妻の夕端居
寝冷かな次男のまなざしとろんとして
水中りに心もとなき水薬
自覚症状これっぽっちも日射病(過日のジャカルタ)
洗濯機朝から轟々子供の日
父の日や味噌っカス的存在の
矢車にこころ晴れゆく空の下
手繰り寄す佳(よ)き匂ひせる菖蒲の根
柏餅愚妻に一つ私に一つ
柏餅食うべし後の葉折ってみぬ
五月場所手持ち無沙汰を解消す
巾着に限るがま口夏祭
きゃっきゃっと声の洩れ来る夜宮かな
逗子駅の前で落ち合う海開
逗子駅から繰り出す人人海開
この路で大丈夫かしら川開
ダービーの今か今かと乗り出す貌
添え書きはすらりと述べよ傘雨の忌
お手つきばかりしてゐてごめん蝉丸忌
ホの次にホを継ぎ足して夏うぐひす
紅白梅の配置に言及光琳忌
露伴忌の一句詠うてみたくなり
断腸亭主人の書物愛読す(谷崎忌)
浦舟の辺りうろつき谷崎忌
鱚、細魚体形も斯くありたきよ
穴子鮨食はせる店であり続け
赤鱏が岸壁沿ひに泳ぎゆく
常節のこぢあけ上手宿の婆
缶からに赤ベラ釣果こんな処
小干潟に少女の捨てたる海酸漿
夕映の小柴蝦蛄焚くドラム缶(金澤八景)
絶壁てふ渾名持つ子とざり蟹捕り(髪形 後頭部)
船蟲見て身じろぎ一つ出来ぬ羽目
舟虫にじはりじはりと近づく御仁
海鞘料る素早き手つき妻四十
旬のもの食べたしいなだ、かんぱち等
韋駄天の茶毛虫、百挙手百投足
尺蠖虫蕗の広葉の大海を
エイヤッと出すモモスズメてふ句集(モモスズメは蛾の幼虫)
かなぶんの壁に激突脳振盪
夏の夜の幻想巨大、大兜虫(おおかぶと)
斑猫の何か知らんが如何(いかがは)し
まひまひややっと離れることが出来
こんなにも気付いてみれば蝉の穴
青々でちんちくりんで子螳螂(こかまきり)
蠅を見て箪笥預金と云ふ言葉
用水に棲むもの孑孒、布袋草
夕風の起つ頃経を読める鳥(老鶯)
羽蟻舞ふ夜となり読書はここ迄よ
でで虫の柔軟体操全うす
蠅虎出でて板戸に見得切る段
物故者欄に知り合ひの名やなめくじり
緑蔭を貫く光鳥威し
蚯蚓程元気になって戻りたし(退院)
無理難題立ちはだかるごと夏木立
貴公子の如く君臨ホルトの木
見えてゐて次の緑蔭までの距離
青すじ揚羽うって出でたる木下闇
ずぶずぶと脚の踏み込む夏落葉
万緑の森前にして深呼吸
大甕に黒酢作りの桜島
裏山の篠の子にして荒削り
竹皮に包めるおにぎり大きかり
竹皮脱ぐ竹林脇を急ぎ足
桜島大根黒酢をもて料る
筍のことし貧相桜島
圧力鍋待ってましたと端山の蕗
今旬の筍を見て竹幹見て
迂闊にも迷ひ込んだりこの茂み
たうたうと瀧しんしんの深空より
一寸法師竹の落葉を舟にして
竹落葉踏みゆく跫(あしおと)かさこそと
六月の雨に叩かれ雨の中
はふり了えうち過ぐものに黒穂の田
期待して行末を見ん西瓜の花
渾身のクラーク・ゲーブル棉の花
じゃがらたらの花境遇を嘆くまじ
水底より上り来る泡野あやめに
手ぬぐひで素顔をふける森五月
頼まれしさつきのめんだうこなす日々
通り雨疲れの見ゆる黄あやめに
仙台箪笥の話しに及ぶ欅の花
突拍子もない色の花付け質屋の棕櫚(嘗て隣家は質屋であった)
花水木とはニッポンの花水木
泰山木ふん反りかえって見る男
落ちゐしを拾えば菱形柿の花
えごの花ずぶ濡れ覚悟でゆく銀座
花山梔子雨にべたりと打ち伏す様
荒梅雨の地下鉄出口案内板
青梅雨の最寄駅出て新聞社
茫洋と梅雨の毎日新聞社
貧乏臭き花の筆頭射于は
追浜航空隊跡地紫蘭咲く(金澤八景 野島)
じり貧の寺の経済著莪に花
鈴蘭は銀 室蘭は鉄 大切に
宰相宅跡地鈴蘭跋扈して
改築のお布施の知らせ黐に花
睡蓮に眠りこけてはモネの夢
沢瀉とイントネーションいと気高し
蜘蛛、蜘と長く詠んだり短く詠んだり
掬はれて梅花藻の脚柿田川
短絡の名に値する文字は蜘(くも)
ぬなは舟撤収手許が暗くなり
この辺で止めとく婆のぬなは採り
松崎の鏝絵は粋を尽しけり(西伊豆)
松崎は西伊豆の雄マーガレット
霜降りぬ松崎在住マーガレット
夏旺んコテ絵の松崎なまこ壁
押せ押せの萍大きな甕の縁
青みどろ抜きとる作業だらだらと
カーネーションの一族にして石竹族
ガーベラの一輪挿しやアフリカ展
とりどりの色をこき混ぜグラジオラス
ジギタリス二重人格演ず役者(キネマ)
牡丹の姉 芍薬の妹好演中
ぶつかれる雨を弾くやジギタリス
芍薬のほとばしる蕾日は南中
八頭身並みの美貌よ月下美人
その上より覆い被さり鷺草見る
鉄線花の鋼光りの硬き蔓
ほうと云ひてつせん見あぐ男共
一日ではローマはならずクレマチス
たまには変わったあぢさゐ見たく七変化
十薬を抜いても抜いても日が暮れぬ
浦島草咲いてる時分と来てみしが
とんかつのツマのキャベツも物価高
絹莢に摘み季(どき)てふものありにけり
称名寺裏山秘密の破れ傘(金澤文庫)
老鶯のけふは上手と山妻褒め
口中に辣韭転がしけふカレー
耄碌してしもうた蕃茄の字が書けない
疣々の辺りげっそり痩せ胡瓜
手遊びに茄子(なすび)をきゅあと泣かせけり
ふんだんに砂糖をまぶし初真桑瓜(はつまくわ)
真桑瓜砂糖が貴重でありし日々
夏大根下方が辛し頭に来る
夏葱をふんだんに乗すラーメンあり
買ふ玉葱掴み具合をもってして
紫蘇の香のぷーんと昼の風に乗り
苺味のヨーグルトあり大好きよ
ぶら下げてくるくる回すさくらんぼ
さくらんぼの缶詰ありと聞き探す
夏蜜柑選ぶや目方のある奴を
青林檎掠めて小布施の自転車道
マスクメロンの味を売物この氷菓
北海道行く先々に独活の花
労しや其処此処打ち身のバナナかな
むっとした雨後の道ゆき竹煮草
バタバタと敵薙ぎ倒す蚊帳吊草
正確に云へばその花月見草(実は大待宵草)
巾着は小銭でパンパン金葎
巾着は小銭でふくらむ金葎
その渾名返上したし灸花
神妙な顔して見るもの浜昼顔
その異臭悪名高き灸花
蛍袋に指差し入れて子供達
ぎょぎょぎょと咲く月下美人の育て方
さんさんと注ぐ日差しにユツカ咲く
仙人掌の可憐な花の赤、白、黄
松葉牡丹の挿し芽の授業和気藹々
でれんと咲くダチュラの花の島巡り
三宅島巡りダチュラの咲く岬
エンジェルス・トランペットに手を当てがひ
夕方苗銭湯帰りの土産とす
きっぱりと明ける深谷戸朝つばめ
怪光をメキシコ鮑放つブローチ
大相撲は四時から幕内国技館(五月場所)
老鶯のこゑの高みに吾(あ)も乗れり
立ち読みの一歩ゆずりて開襟シャツ
ベッドの横仕舞ひ忘れし扇風機
こんにゃくの花軟弱な我に咲く
蛍臭さ抜けぬ手のひら又嗅いで
蠅帳の辺りへ小蠅八景食堂
水道水に噎ぶサーファーくるしげに
蕗一束湯掻く爽快天ケ下
箱眼鏡足下に現ず新世界
硬きトマト硬く頂く朝餉なり
軽鳧の親子電車ごっこをしてゐたり
御柱に馬乗り止めぬ人の性(さが)
落とすもの命一つや御柱
御柱 勇者は勇者 死者は死者
御柱壮者の勤めいつ止める
トマトの蔕頭にちらつく黴の色
あめんぼうかしゃかしゃ、川は黙して下る
みんみんの一山動かす底ぢから
薄れゆく蝉音となりて奈良井宿
コスモスのひょっこり根づき未だ双葉
うなぎさっと寸胴捌かれ白日下
消毒薬 撒ける如くに絹莢古り
汗くさき枕カバーを剥ぎ取りぬ
清らけき香の立つ入梅のピース函
くちなしの黄ばみ長引く治療かな
突然に静寂(しじま)破りて老鶯が
老鶯がいきなり破りしもの静寂(静寂(しじま))
建長寺 云(うん)百年の虫払
筍やふて寝どころか反りかへり
蝸牛の脚いやベロ何と申すべく
掌に泉の力当てゝをり
飲みかけのペットボトルやもう晩夏
早読みの経を朝から夏うぐひす
青梅雨来大根大地を洗ひ上げ
世紀末の様相呈し梅雨夕焼
中途半端に歪んででかき蕃茄なり
トマト畑抜けて泳ぎにゆく小径
生ぬるきトマト齧りて海岸まで
掻い掘りの抜き身のごとき鯉なりき
長嶋死す昭和は華やかなりし頃(逝去2025年6月3日)
海月をば水母とも書くおおらかさ
ざりがにが鋏を上げてポリバケツ
ゲリラ雨 東京タワーをかすませて
犬に犬掻き馬に馬掻き出水川
◼️秋
いつの間に魚何処秋刀魚等は
法事、祝宴八月大名大散財
無花果食ふむっつり右門けふも活躍
人の乗り降り八月の潜水艦
芋洗ふやうにもまれて出づ地上
蔕の処隆起三浦の大南瓜
蛇行して秋の河原の石と風
川底を覗きて飽きず秋の風
坂東太郎の瀬を一押しに葭の風
晩秋の富士を攀ず人豆粒大
裏磐梯素通り秋の一人旅
牛蒡の土落す後継ぎなき畑
女満別まで七夕の空滑空す
錆ついては恥かし東京タワーの秋
錆隠し赤々東京タワーの秋
空澄むや 高澤の高 高澤の澤
ゐのこづち払ひ室堂後にせり
火恋し蕪村の夜色楼台図
桃赤きところがあれば其処から食ぶ
躰じゅう点検する子 ゐのこづち
朴落葉放り放題 瑞牆山
◼️冬
着ぶくれを剥ぐ手間難儀試着室
振り飛車に頭悩ます将棋教室
竹柄の巾着購ふボロ市にて
激安のドンキホーテで熊手買ひ
煮凝りの脂の処を吾が血肉
アロエ咲く伊豆半島の岬端(はな)
バーバーリーのマフラー古りても手放せず
鉛筆は全て尖らせ冬籠り
鉛筆は2B描くは冬の象
大三十日やつつけ仕事山積みや
根本中堂骨髄に入る凍のなか
太古より大湖でありぬ比良の雪
野沢菜の古漬色に満州は
氷氷と雪 ラッセル車今深眠り
吹き抜けて隼の空瑕瑾なし
火燵してゴヤの巨人を見る年末
着ぶくれて弾く人小さしベンゼンドルファー
おでん鍋さてさてどれがよかんべか
おでん鍋先づは大根の大臼を
潺潺と冬の泉は脈打つ如
三浦半島にて
年越して忘れ潮あり油壺
融雪剤粉末となり四散せり
白無垢の冬が来るなり花八手
竹瓮裏返せば枯葉と小さき石ころ
◼️新年
巾着のよりどりみどり弘法市
ポッピン吹く娘歌麿大首絵(大発見!婦人人相十躰)
お手つきのごめん連発かるた取
参拝のこゑはばらばら老の春
餅腹に飽きてラーメン所望せり
◼️相撲
◼️雑
いつの間に魚何處地球温暖化
ゲルの使ひ処ソフトコンタクトレンズかな
ブレーク直前!生体内でゲル使ふ(サイエンスZEROより)
ピッチャー千賀お化けフォークで大奮闘
打ち身傷深むらさきに長湯治
こころ旅こころの絶景たのしみに
ちょっとした雑貨屋やってめんぱ売る
忌憚なき批判が大事俳諧道
ホ句の道協会賞とて一里塚
お隣の灯しポと点く軽井沢
青海波柄のがま口愛用す
鉛筆はH日記は圧懸けず
理不尽や暗証番号万能の世
スポンジ用具使えばきれいになる便器
また雑音ぽんこつラジオの頭を殴り
江利チエミのテネシーウォーはノスタルジー
深海魚
漁られ此処は何處かと眼抜け魚
三金古漢字杵もって火の行蛸坊主
水枕していい気分水の音
怪力の鉄人ザンパーノ(イタリア映画「道」でアンソニー・クイン演ずるところの)
西洋のあはれはジエルソミーナの「道」(シネマ)
わが青春重ねてフェデリコ・フェリーニの「道」
ジェルソミーナはジャスミンの裔偲ぶべし
沈下橋連ねて四万十日本晴れ
大道で寝る元気などもうないよ
大欅洞が隠れ処鬼ごっこ(今もこの古欅健在)
米と云ふ人の命の寄り処(米不足問題国会で云々)
洋ちゃんの「かくかくしかじか」もう観(み)たよ(俳優 大泉洋)
こゑ明るく電話や傘の置き忘れ(バス車中での忘れ物)
一つ目のゲゲゲの鬼太郎明治座で
私道あり犬は何でもし放題
以上
(妄言陳謝)
by 575fudemakase
| 2025-06-15 10:40
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俳句の四方山話 季語の例句 句集評など
by 575fudemakase

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《方法1》 残暑 の例句を調べる
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全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。
尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。
《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)
例1 残暑 の例句を調べる
検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語
例2 盆唄 の例句を調べる
検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語
以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。
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《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)
例1 残暑 の例句を調べる
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[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語
例2 盆唄 の例句を調べる
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