人気ブログランキング | 話題のタグを見る

最近の嘱目句あれこれ47 2026年 (高澤良一)

最近の嘱目句あれこれ47 2026年 (高澤良一)

誰かの眼に触れることを願って作り続けています

◼️春
何となく春めく空を図書館にて
田楽に塗りつけるたれ夕焼けいろ
春場所の相撲観戦みぞれ玉(飴玉)
如月を平仮名に変え句を推敲
元彼の消息霞みゆくばかり
藁舟に男の子女の子の流し雛
あふ向けに深空と対す流し雛
養花天峡の青空あそこだけ
桜何処へ行っても満開見頃とよ
ありとあらゆる影の物云ふ昭和の日
土筆叩いて飛び散りしもの精霊
現はれて遠浅の海汐干狩
薄氷指の触覚失ふまで
遠浅の海の陸為す汐干狩
踏青の磯長の國の海岸線
行く舟の余波をかぶりて角ぐむ蘆
風光る時分や自転車駐輪場
クローバーの葉伝ひ雨水まろび落つ
雛壇を前に溜息女どち
抜く芹の泥土濯ぐ脚ふんばり
抜く芹の泥土濯ぐ小川の瀬
鳴戸の渦ぐるぐる巻きに養花天
掃除機と土筆の埃のいずちが微
そよ風の助っ人牡丹の莟解く
じゃがいもの植え付け日和賜はりぬ
花ミモザ寝惚け眼で庭に出れば
たんぽぽの絮の危うし通り雨
まくれなゐ岩根絞りと云う椿
朝夕がドラマチックな朝焼夕焼
本心は云はずに置かう紫木蓮
花馬醉木高殿よりの鈴祓
途中まで数えてやめた落椿
雀よりよく通るこゑ春あけぼの
人はたっぷり生きて死ぬだけ紫木蓮
ちらほらと蚊を見るやうな陽気となり
鰊配すたかが弁当されど弁当
蜷の道何処へ向かふか見当つかん
蜷の道幾つあるのか一寸ややこし
ガタガタと風は夜通し四月馬鹿
春の蚊の何処目指すのかあやふやや
鈍色の湖面伝ひに諏訪の春
しじみ蝶の飛翔の破線草っ原
春の蚊はぷうんと漫画チックに翔び
御柱でんと置く森靄包み
連勝期待桜ほころぶ春の神奈川(高校野球)
白海老の掻き揚げやめず止まらない
守一の夕暮れの太陽春の足音(晩年の作風)
芽吹ける樹ザンギリ頭のお宮の樹
観葉植物小物ばかりを春日に並べ
淡雪に朝日ふっくら己が影
うすらひを壊さぬやうに二歩三歩
気がついて河津桜の咲く時分
観葉植物小物ばかりを並べ浅春
そっと吹き放ち歪な石鹸玉
汐干潟プツプツ音がそこいらじゅう
尖端は水のやうなり薄氷
頭頂を序々に擡げし風信子(水栽培)
髭面や窓のコップの風信子
ヒヤシンス根白なる日々コップの中
台所水栽培のヒヤシンス
今年もや水栽培のヒヤシンス
春闌けて磯の気息を聴く佐島
田舎銀座の朧懐かしラーメン屋
春蔭の仁王は阿吽の呼吸して
海苔掬い東京湾の端に住む
逝く春の造花は赤し霧笛樓
これ以上齢を加へず古刹の柏槙
仏手柑春の下田のハリス邸
三島にて山葵に痺れ華丸大吉
昔からあってよい味山葵味
どこか見たようで没にした椿の句
たんぽぽの絮飛ばさんと尖らす唇(くち)
たどたどしい飛び方狹庭をしじみ蝶
内祝の気分満喫ミモザの下
眼張煮てをれば睡気や昼たけなは
めくるめく雀桜を出入りす
夕風にうねり遍し糸櫻
無人駅対す桜はもの静か
桜樹の根ぐらぐら病ひでも負うか
ゆで卵ぱかっと割れて黄身の春
二枚貝馬刀貝(まて)黒々と死んでゐる
春筍や春の訪れ目で味はふ
観梅は此処でおしまい元気出せ
朝から剪定桜切る馬鹿梅切らぬ馬鹿
削がれゆく如く小島の落椿
象頭山山頂近き紅椿
琴平やひたすら登る椿山
椿愛づ小径金澤文庫裏
春霞して紫雲出山(しうでやま)象頭山(ぞうずさん)
椿落つ嗚呼と金比羅大権現
麓より石段続きの椿山(琴平)
苗木より植えし椿の樹を愛す
江之島の富士見亭にて白子丼
お相撲のうっちゃりに似て落ち椿
めいめいの努力の賜物吊し雛
受けて立つもののひとつに春一番
春一番抗ふものは飛ばさるゝ
天気図の見方云々春日向
柏槙は千年の日に晒されて
落ち止まぬ椿烈々卵塔背後
若冲の寝釈迦は大根ふて寝して
硝子戸越し首覗かせて君子蘭
あざとさがかへって魅力紫木蓮
さへずりに一息入れて寺巡り
峡空を渡りきったる花吹雪
中空を風の彷徨ふ花吹雪
よれよれの風の一筋飛花を乗せ
半島の空を掻い撫で初つばめ
パンジーの吊り鉢目白が毟りに来る
万作の黄色い髭花ダンディーよ
ふつふつと泡を残して春の潮
禍も福も一蓮托生人形流し
潮吹貝何だこれはと捨てられぬ
古草のへばりつきたる道路の縁
万歩計携え相模の青き踏む
均されし大根台地の端に佇つ三月
忘れ潮骸晒して虚蟹(みなしがに)
花烏賊捌く手付きも申し分なき女将
雪柳冷たい雨が夜明けより
スプーンでわしわし食べるはロールキャベツ丼
滑る姿自然体なりあめんぼう
はたかれて跳んだ躰はかへる状
まいまいのおまわりおまわりぬくむ田に
礼文利尻と海明けの島渡り来て
潮時と子等に声掛け汐干狩
花時の到来なれど予定なし
ガーデニングポピー須臾の間花盛り
手作りのてるてる坊主ぶらんと軒下
ホ句らしく踊り字使ひ春便り
ブンガワンソロ唄ひたくなる春其処に
啓蟄や地上へ地下へサブウェイ
啓蟄や都心の底行くサブウェイ
曳綱に藤壺シラスアカモク漁
庭木戸のかんぬき這へるかたつむり
申し分なき晴天で天皇誕生日
雨音の庭木を渡る昭和の日
よっこらと犬が寝転ぶ春の地べた
千鳥ヶ淵何処もかしこも花盛り
掘り当てゝ蹄のやうな蕗の薹
我が肩で一休みして飛花渓谷へ
桜貝拾ふ写真に納まるふたり
桜貝江之島辺りの海岸で
遠浅の海より拾ふ桜貝
桜貝埃まみれに抽き出しの奥
簡単に忘らるゝもの桜貝
桜貝先へ先へと干潟生れ
桜貝自慢のいちまいついと見せ
干し梅の酸っぱさ堪能昭和の日
海苔炙る祖母の手付きの今も見ゆ
修二会なり火の粉もんどり打つ走法
ちぐはぐに植えある苑のクロッカス
田の央にぷかりと浮上雨がへる
曲になる鱚は天麩羅の王道よ
しゃぼん玉等吹く奴居ぬ界隈で
川風の強弱つけて花吹雪
ドローンが人殺める戦争四月馬鹿
岩槻の店それぞれの手製雛
てらてらと朝日清浄濡れ若布
海岸のひととこ石蓴の濡れ光る
打ち上げらる石蓴に透ける朝日かな
大試験徒競走にも似てよーいどん
答案用紙に暗記せしもの先づ書く試験
目線は根っこへ水栽培のヒヤシンス
春の蚊が早々庭からベッドへと
放置され淋しがり屋の風船よ
風船に向かって云へる寂しいか
陶の鉢立派に見える万年青の実
この先は岐れ道なし鳥曇
処々仙台しだれ解けそむ
風船に意志ある如きその昇り方
風船い行く唯々だだっぴろい大空
うんうんと近寄り来るもの春蚊なり
酒蔵巡り朧に消ゆる近鉄線(呑み鉄本線)
チューリップドローンで撮ってYou Tube
ひいふっと花片飛び散るチューリップ
一列黄 一列真紅 チューリップ
一列が最も似合ふチューリップ
親日國土耳古の花よチューリップ
父親が吾が子背負って花疲れ

◼️夏
何となく不安半夏のPASMOのチャージ
内海の波のとろりと夕端居
楊梅の四散嘆ずる街の雨
明け透けに咲く棕櫚眺めて入る正門
蛍袋の中はそもそもだうなってるの
Good luckと燕挨拶大船駅
ランドセル次々駆け抜け夕立中
かたばみてふ名前貰いてありがたし
牡丹の横行ったり来たり来訪者
朝夕がドラマチックな朝焼夕焼
本心は云はずに置かう紫木蓮
ホ句添へてみみず文字もて夏見舞
シネマでも紹介一畑電車の涼(四十九歳で電車の運転手になった男の物語 中井貴一主演)
天麩羅のめうがは渋いチョイ味で
エビ、カニ、イカ入り餃子よか味で
鰻松の弁当味濃くご飯がすすむ
行きつけの床屋で蠅に遭う或る日
水無月の雲を見てると頭が空っぽ
決勝を明日に控えしボートレース
いち早く出場決め込む競艇部
食文化北は小麦を南は米を
マリリン・モンローのはだけた写真漕艇部
一気に掻っ込む富山の海鮮エキサイティング
猛然と腹減り炎暑のスープカレー
飯店の大蒜(にんにく)スープめちゃうまし
七草の岐阜提灯や杣の家
都会の子盆の帰省や椎葉村
三千院は苔の絨毯寺宝にして
三千院は苔の天國なんまいだ
代掻や雨とめどなく水輪生み
蝉時雨一雨ありて物静か
八幡様までみんみんの声聞きに
通り雨コンクリ濡らす涼しさよ
風鈴の音けたたまし睡気直撃
料亭の玄関打ち水打ってある
見れば黒蟻走り根伝ひ降りるところ
元町のプール外人墓地下りて
横浜市根岸の市民プールを車窓
夕方から蝦蛄の皮むきアルバイト
胸に手を当てゝ死にをる渡り蟹
分け呉れし星の匂ひのこんぺいとう
机に蠅おだやかな日を頭上にす
金蛇の散策誰も来ぬ禅林
群れ為して合鴨棚田の空をゆく
雨を吸ひ重る棚田の小判草
どや顔や合鴨放ち米作り
蟻地獄探しの次は蝉の穴
一徹の合鴨農法攻奏す
藤沢の遊女投げ込み寺の夏
遊び女の襟首の白花巵子
ヒメシャラの花しろしろと几帳面
山帽子の白正門を統ぶ涼気
清姫が蛇に豹変日高川
鼈甲飴は何遍見てもべつかうあめ
はかなげな己が影見てプールを上がる
子かまきり相手にすればきりなくて
水道水走るホースののたうつ炎天
道の駅筍・山女・地場野菜
指させる先にはや蟻急ぎ足
風光る波間に鯨の親子連れ
蝸牛掬い上げしを何処に置こ
くらやみに息を呑みたるアレ螢
胸に手を当てゝ死にをる渡り蟹
喫泉や辺り夏めく小公園
蟻食のめそめそしてゐるズーラシア
鉄線の莟ぼつんと空目掛け
老鶯の朝から来てゐるきのふけふ
松重が腹が減ったと仰ぐ夏空(孤独のグルメ)
墓洗ふばしゃりとバケツの水あびせ
水澄まし一廻り二廻り
水澄まし何が嬉しくさうはしゃぐ
啼聲も従容として夏うぐひす
更衣の季節ゆつたり落ちついて
今日の事今日して梅雨の老いの日々
もの食んできのふあしたと梅雨の日々
梅雨明けを宣う蛙分別顔
白っぽい風が吹くなり明日立夏
鶏を遊ばせてゐるワヤン・クリット
地野菜の彩こき混ぜて冷やし中華
田水湧くほとりに拙句推敲す
火遊びは危ない 花火も戦争も
潜り込む土竜の國へ太みみず
口上宜しく紙に切らるゝ金魚かな
風通す背広にしるきたたみ皺
好晴や蛇は穴出てウォーキング
梅雨深しツンと鼻つく防腐剤
深梅雨や夫婦の会話夜っぴいて
頂点を極め噴水へこたれぬ
日経の土曜版買ふ梅雨入のコンビニ
トマト切れねば取り出す簡易包丁研ぎ
花茣蓙に上ミ下モありて靴を脱ぐ
のたうちて管巻く蛇にはなりたくなし
螢袋午を灯して何とする
そそくさと発ってあめんぼ柿田湧水
五月晴れ老躯鞭打ち洗濯機
鯖味噌朝食甘辛味がいい塩梅
鵜呑みにすアイスクリーム はバニラ味
庭作り苔には地鏝パタパタと
張り始む苔庭作り地鏝もて
夕立は一気呵成に玻璃叩く
お通じと云へばキウイや試し見よ
簡単に転ぶ気分屋のかなぶん
気分屋のかなぶん昼から飛んでゐる
素足になりたき時分到来七里ヶ浜
君知るやうまきキウイは長男坊
八十五も過ぎて放埒蛸坊主
底抜けに明るい会話ナイター見つゝ
くちなはにさざめく声の一しきり
絹莢の朝の収穫おみおつけ
絹莢の筋取り簡単かうやって
絹莢の今日の収穫こんな所
絹莢を四、五ヶ摘み来てほらと見す
ゑんどうを始めて植えてみて一と月
園芸家土耳古桔梗のよしみある
全日本ホンチの如く組み合うて(柔道選手権)
んんと白玉頂く甘味処
手がけるは生涯かけて蜘蛛の家の絵

◼️秋
木賊植う場所は赤錆門の脇
彼岸花首覗かせて城崎温泉
旅先の秋の夕空煙出し
西瓜の断片喰ひ散らかしてハシブトガラス
硝子器で橙絞りポンジュース
保田駅前白鶺鴒の来てゐたり
老人のたのしみ 剥くや栗の鬼皮
お隣へヘルパー出入り濃霧の朝
畝二列高く作りて小松菜蒔く
缶コーヒーひやひや感が格別や
かほること一晩三晩金木犀
ゆすり蚊のパシリの一生もう終末
寝返りをベッドに打てる妻秋暑
焼畑の蕎麦蔓引いて収穫時
蕎麦撒いて今年は「のさった」焼畑農
飯山の仏壇通り黄落時
自転車旅芒になぶられ伯耆の國(火野正平)
豊年のめん玉鬼太郎列車から過ぐ
もみぢに「透かし」と云ふ業施し黄落時
おんぶバッタのべっぴんさんや伯耆の國
子の覗く蝉穴尽きぬ好奇心
覆水盆に返らぬものに風倒田
風倒田大穴空きし思ひかな
農民に残されしもの風倒田
これと云う林檎得るまで掌に取りて
柊に雨ひやひやと古刹門前
水涸れて大井流域蜻蛉の國
精霊バッタの後姿や物静か
和菓子に施す老舗の凄技鋏菊
長き夜の絵本へたうまの蛸坊主
手に冷と卸したてなる竹箒
コスモスの弱腰終日追い風吹く
露地にほほづき下町情緒ふんぷんと
迫る夕暮れ椋鳥大挙して旋回す
ひつじ田にその影落とし熱気球
秋雨の降る夜や睫毛はたと閉じ
秋服のふくいくとして吊るし干し
眼力は云うまでもなく鬼やんま
やさぐれのやけ酒飲んで恨む月
ひねもすの青空運動会より戻る
雁字搦めの屋台 台風前にして
赤い羽根横一列に並ばれて
はやばやと無月の雨戸引き始む
秋の波時折一つ高きが寄せ
困り者の奈良公園の鹿千四百
単純の一語に尽きぬ木賊叢
二段目はとろろか箸でずるずる蕎麦
つゆかけはのの字に三段重ね蕎麦
つゆ啜って釜揚げ蕎麦はそば湯で食ぶ
もう一軒出雲蕎麦では足らぬ夕飯
米どころ出雲で米粉(こめこ)の焼ビーフン
影を濃くやんま蓮田の水の上
虫集くそこまで家の灯届かざり
田んぼアート案山子並べて盛り上げぬ
反骨の擦り切れ蜻蛉痩せにけり
池上の葛餅どーれと駅前店
くに言葉丸出し爺ちゃん林檎売る
槍投げが雄叫び上げてその一投
目覚めても目覚め無くても秋の蝉
アピリティフ飛騨のどぶろく真先に
うまかった鯊の天ぷらそれは祭だ
傍観に徹して聴くやひろしま忌
直接のどうこう無けれどながさき忌
ドローンが人殺める戦争四月馬鹿
限り無く寒く秋鮭干されをり
陶の鉢立派に見える万年青の実
早々とカーテン降ろし夜寒の家
この辺り水が豊富で純米醸造
大潟村鷹が繁殖田は豊作
美への一歩例へば鮭のあばら骨(高橋由一)

◼️冬
雨の中喰ひ散らかして寒鴉
おでん食ひつゝ話しもざっくばらんなり
折れ易き鉄線の枯れ蔓懺悔に似て
立ち食いの焼鳥佇ち方にもいろいろ(横須賀中央)
喬木に洞穴いつまでも雪しづり
おしゃべりの尽きることなく寒芹摘み
むちむちの三浦大根の胴廻り
青ぞらをさまよふ木の葉高遠城
焼鳥の串の掛け算して代金
額縁の中に燻んで麦蒔く人(ジャン フランソワ・ミレー)
八十には八十の彩 カーディガン
じっと待つ犬のいばりや霜の朝
年の瀬のザラ紙めける町の空
鉄線の枯れ蔓門扉攀じ登り
楚々として雨を浴びをり花柊
今年一番の寒さ 首振り電熱器
花八つ手朝はとりわけ冷えてをり
好みとすセーターの色 少し地味だが
かそけき雨八つ手の白き花を打ち
私にも年寄りなりの年用意
年用意はいい加減なり我が家もまた
背後に廻り鶴のスケッチ見せてもらふ
手作りの鶴登場の児童劇
側溝に落葉の睡り深かりき
昆布締めの素揚げ富山を賞味する
快音をたのしむおでんのすす竹に(根曲り竹)
サスと云ふ富山で一番安くて旨い魚(とと)(カジキマグロ)
カニ面等のおでんの懐石 at Toyama (松重豊の孤独のグルメ)
アザーンのさざめき冴ゆる拡声器
隠れもなき新雪の野の続きをり
初陣の祈願の神社花八手
ここにも又人住まぬ家ピラカンサス
駄菓子屋でおみくじひけば当りの小春
小春日の婆守る駄菓子屋神社裏
大寒など何のこったと駱駝の股引き
倍暖のインナー着込み煤払ひ
青木の実蒼きと云おうか赫きと云おうか
豚汁の厚切り大根に箸の伸ぶ
丹頂のあびせ倒せるこゑ聴けり
丹頂の求愛の所作ほほ笑まし
カーリング愚直なスウィープ続けるスイス
裸木に近づく長影法師の私
おしどりの古民家生活雪化粧(カールさんの家)
大雪に道路見極め難くなり
吹きつける雪に運転難渋す
着ぶくれて市場通りを折り返し(横浜 中華街)
竹馬の一歩大きく踏み外し
句作りの水雪の中おぼつかなし
単冠湾に密かに蝟集開戦日
あっちの手締めこっちの手締めを誘発す(酉の市)
猪狩の獲物は山の神次第
朴落葉覆す風降り出す雨
猪撃ちは血気に逸る犬さまさま
おほかたは飛んで行ってしまふ堡塁の落葉
つぐら活躍赤ん坊入れたり猫入れたり
山の神はたて髪供へ猪狩
藁細工つぐらに費やす農の冬
野沢菜はスキーブームで全国一円
一望の蓮田の中を初電車
一望の蓮田越え来る電車音
飯山の風垣作り縄が売れ
柿をとる人間の為熊の為
飯山の町を托鉢僧の白息
三千院の杉の枝打ち朝日差し
庭を掃く苔を褥の落葉かな
皆生の冬あの時行った日本海
日本海側積雪平年上回り
凍て玻璃戸二分かれして雨の筋
宙に舞ふ場末の落葉として微塵
新橋も場末の落葉として飛行
厠の窓越しに薄すら雪明り
雪は一旦止んではっきり鳥の声
雨戸開ければ何と積雪ビックリだ
朝刊持ちかへる手ちぎれさう
織物の紋様ぼうっと春隣
愛着の庭木芽を吹く春隣
とある日の小春日和の霧笛楼
覆水盆に返らず寒椿
鉢植えの万年青巻貝足許に
ひもじさの程度は同じ寒雀
埃くさきセーターにわが胴体を入れぬ
おんじきの夜を妖艶に紅蝋燭
掌に乗せて矯めつ眇めつ竜の玉
羽織たるもの黴臭き懐手
彼岸までじっとしてをれ寒雀
テングザル鼻風邪ひいたかズーラシア
こりゃあ正解口解けよろしきサーロイン
花八手駆逐水雷暮れるまで
水飲みに枝から枝へ寒雀
こま切れの時間集めて編むセーター
燗酒に雲散霧消して懸念
例年の小振りの門松買ひ来たり
黒鮪の疲労困憊待つ漁師(大間沖)
いつとなく石蕗絮飛ばす逗子小坪
三寒四温港付近を唯歩くだけ
国旗の端ちぎれんばかりべっとうに
白鳥の遅れて到着今日は二羽
凍裂やだんまり決め込む湖の木々
十一月抽き出し奥に肥後守
忘年会に行くか行かぬか決めかねて
白っぽくういういしいもの花八つ手
木守の飛んでゆくなりバスの窓越し
胸張って云へる凩一号と
鴛鴦のよそゆきの沓いゆく淵
鴨着水武骨もあれば器用もあり
寒ければ服を叩きて活気づけ
宿木の傍で一服するトンビ
宿木の五球寒暮の日を浴びて
裸木と枯木混在八幡宮
セルフ食堂寒玉子割り朝ご飯
朝っぱらから散蓮華もて肉豆腐
寒卵ご飯 行儀よくない食べ方で
出雲餃子酢、胡椒、ラー油で攻め
超久々この淡い塩味焼ビーフン
出雲大社のご利益餃子道堪能
大当たり出雲ならでは紫蘇餃子
雪蒼む氷上滑走田舎の子
裸木の態何処となく突っ慳貪
聖果大事に運ぶ足どりまだ続く
早梅の先ぶれとして荏柄天神
サイレンの鳴るなか出動近火らし
ようやくに出動わが町消防団
居心地よし今更炬燵抜けられず
電気毛布の配線透けてわらび紋様
運河下る十一月の汚穢船
シュプールやその描き方人それぞれ
駅前の飲み屋であつあつ肉豆腐
肉豆腐アルミの皿に浮く脂
新紙幣温存師走のがま口に
野の無辺山の無辺に新(さら)の雪

◼️️新年
車中にて隣客取り出す初鏡
吐息にて曇る我が顔初鏡
真っ直ぐになかなか立てず初鏡
妻呼んで確かむ髪形初鏡
水櫛して髪を撫でつけ初鏡
双六の休み川止め大井川
中学生の手書きの双六天竺が上り
双六や紆余曲折の果ての天竺
缶コーヒー節料理にははや飽きて
めっけものの新銭湯や大旦
てぬぐひは薄手が好み初銭湯
椎葉村子供ら集ひもぐら打ち
紛いもの御鏡飾りテレビの脇
我が家の前声筒抜けの御慶かな
賀状書く字のバランスに留意して
初詣は近場の神社寄る年波
投げられし賽の南無三絵双六
元朝や家族の数の祝箸
数の子の歯音未だ未だ楽しめる
メモ残し初湯は六浦(むつら)の亀遊館
賀状書く人を絞って一息つく
粥啜る邪念があってはならないと(七草粥)

◼️相撲
廻り込むスピード流石 豊昇龍
安青錦煽り上げては義ノ富士
苦戦する阿炎を見てゐる春場所ぞ
琴櫻又も歯がゆい相撲とる
腰の重い高安でんと受けて立つ
大爆笑宇良の勝ち方コミカルよ
隆の勝一山本ののど輪攻め
千秋楽二度も三度も取り直し
まったなしの阿炎(あび)の一番はたき落とし
かへすがえすも残念無念勇み脚
宇良の相撲訳判らんが物にせり

◼️雑
シネマ観に電車でPASMOのタッチ決済
シネマ観に往復PASMOのタッチ決済
母よりの音信おおかた仮名ばかり
鎌倉に入る七切通しのひとつ(朝夷奈切通し)
床屋の親爺髪形確かむ耳許で
忘らるゝ最たるものに防火用水
いすみ鉄道一部廃止と上総弁
理路整然 大いなるもの見えぬもの
コーヒー好きの人の胃袋どうなってんの
コーヒーを必ず残す胃弱なり
小石蹴り来る小学生の顔馴染み
道の駅で賞味因幡の素ラーメン
湯屋出でてぺたんこの髪撫でつけ行く
サスペンスつかみどころの無いシネマ
長らへて戦争いくつも見る御代ぞ
マイトガイ小林間違いそうで自動車ショー歌
湯帰りのいつものコース自販機へ
胸に詰まった癇癪玉が百五十屯(タフガイ小林明)
今朝はダル重朝の散歩はやめておく
換気扇止まる時ちょと空回り
明けて来る諏訪のみづうみすんなりと
下校途中木を切ったくったり草を蹴ったくったり
紙芝居「黄金バット」に集う貌貌
床屋での会話「いつもの通りで」と
床屋おまけに眉毛も刈って呉れにけり
築二百年の古民家使いピアノ演奏
妻共々仮寝し何でもない時間
さしっぷり知らねど加藤一二三逝く
助けっこ「ゆい」は静岡、「えっこ」は信濃
湯仲間が外湯の掃除野沢の温泉(ゆ)
高校に蕎麦部全国一目指す
帯状疱疹利き腕避けてする注射
天睨み唄ふ中島みゆきの「ファイト」
ジャズの端っこ齧りベイシーの愛聴盤
モノクロのチャップリンシネマ靴煮て食ふ
桜の枝を凸凹してゐる指で撫でる
その島は鳥の名を持ち南の果てに
ワンコインもて銭湯へ下駄履きで
普段着のまゝのチョイ寝で頭がスッキリ
海底に熱水原初の景彷彿
補助輪のいつ取れるやら近所の子
遠浅の海遠くなる上げ潮に
突如出現もぐら太郎の通り路
何だこのうまさ銀座のBarのロールキャベツ
草津温泉外湯巡りのしんがりや
伊根の内海夜毎の波音そら耳に
リホームと云っても板張りされど板張り(フローリング張替え)
昼食はパン食バターたっぷり塗りつけて
天睨み胸張り歌ふはみゆきの「ファイト」(中島みゆき)
ハメネイ師を殺める戦い何處に正義が
飛行音須臾の間置ひてその機影
赤福と云へば新婚旅行の土産
今だ健在二層式洗濯機 錆びるのみ
コロッケに手作りタルタル添え朝餉
子供食堂海老チャーハンに顔ほっこり
これは迷う魚ばかりのセルフ食堂
半熟の黄身と白米ごちゃ混ぜに
ヴェルニー公園いつもの処に護衛艦
言葉選び言葉遊びのその涯に
取り返しつかぬ事して蛸坊主
高圧閃光人の象(かたち)は辛うじて(原爆)
自転車を立ち漕ぎママチャリ大急ぎ
どうしたこと土壇場で出すホアボール
ペレストロイカ黄泉にてゴルバチョフが笑ってゐる
人老いてあの世を目指すズビズバー
呆け具合目指すは左卜全並み
尋めゆけば朝日清浄磯長の國
ベッド生活けふは晴れるやスマホで確認
地下鉄や下へ下へと道作られ
自販機のゴトンと云うて愛想よし
箱の上箱積む習性何時付きし
南鳥島沖でうろちょろ中国船(日本のレアアース埋蔵域)
大谷のお待たせ一号ホームラン(ナショナルズ戦)
素根ちゃんの組み手と云ひて旨さ褒め(女子柔道 素根輝)
九段下 命令形の時代過ぎ
こけしにも流れる月日色褪せて
一フレーズフレーズ九ちゃんの歌ヨーデルよ(上を向いて歩こうの歌)
川崎駅前上を向いて歩こうの碑(指パッチンの坂本九)
新宿の花園神社で歌碑探し(藤圭子の夢は夜ひらく 十五 十六 十七と私の人生暗かった)
銭湯と云へばらららら神田川(かぐや姫)
徳さんと焼きそばの店神保町(tv路線バスの旅 徳光和夫)
徳さんと白玉いただく甘味処
ゾッコンよ美律子の河内おとこ節(鶴瓶のええ歌やなあ Tver)
銭湯で天然エコー河内節(中村美律子 河内おとこ節)
カントリーウエスタン流し精児の呑み鉄本線(六角精児)
大リーグジャパニーズ選手は皆健闘(NHK)
ストリートミュージッシャン「ゆず」はばたいて伊勢佐木町
路上ライブの「ゆず」はばたいて伊勢佐木町
五木節よこはま黄昏れホテルの小部屋(五木ひろし)
港町十三番地ふとよみがえるひばりとの時間(ザキにあるひばりの歌碑)
下町野毛 ひばりの港町十三番地(実際は九番地 音がはまらないので十三番地とした)
口ずさむはオルゴールの曲「花は咲く」
口より洩れ好きです川崎愛の町🎵
輝ける竜の眼とそれ描く画家の眼と
日曜美術館田中一村の奄美の果実
ライオンの尻尾のバランス 眠れる人(アンリールソー画)
日曜美術館待ってましたよ加賀美さん(加賀美幸子アナウンサー)
日曜美術館パンチ喰らひて見る絵画
サハリガイド サーマルドローンで土豚探し(NHK)
「ダーヴィンが来た」見てサハリガイドになる人も
「ダーヴィンが来た」が産み出す生物学者
ドローンカメラの威力 山猫鳥獲る図
高所撮影カメラ、水中音カメラ駆使して「ダーヴィンが来た」
美は地方に「美術は体育会係だ」と云った人(地方土着の美)
長沢蘆雪のふすまいっぱいに虎図
絵の中を探検せよと辻惟雄(曽我蕭白、若冲を推奨)
猛烈は志功のわだばゴッホになる(棟方志功)
木の木目削れば出てくる木の顔が(木工の植えた柿の木)
画家の一生 昨日の続きでつんのめるやう


以上


by 575fudemakase | 2026-04-12 04:06 | ブログ | Trackback


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

カテゴリ

全体
無季
春の季語
夏の季語
秋の季語
冬の季語
新年の季語
句集評など
句評など
自作
その他
ねずみのこまくら句会
ブログ
自作j
自作y
j
未分類

以前の記事

2026年 07月
2026年 06月
2026年 05月
more...

フォロー中のブログ

ふらんす堂編集日記 By...
魚屋三代目日記
My style

メモ帳

▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

検索

タグ

最新の記事

最近の嘱目句あれこれ55 2..
at 2026-07-11 04:27
最近の嘱目句あれこれ54 2..
at 2026-06-29 05:32
最近の嘱目句あれこれ53 2..
at 2026-06-18 11:03
最近の嘱目句あれこれ52 2..
at 2026-06-12 15:14
無題      毎夜憚介  ..
at 2026-06-06 07:32
最近の嘱目句あれこれ51 ..
at 2026-06-05 22:48
俳句の水脈を探る 平成令和に..
at 2026-06-05 12:13
最近の嘱目句あれこれ50 2..
at 2026-05-28 01:59
拙句「山梔子の花の恬淡侘住ま..
at 2026-05-22 07:04
鮫の目の深淵館の昼の闇 (高..
at 2026-05-21 04:51
最近の嘱目句あれこれ49 2..
at 2026-05-17 15:17
最近の嘱目句あれこれ48 2..
at 2026-04-23 06:35
2025年 俳誌「俳句界」の..
at 2026-04-17 03:11
最近の嘱目句あれこれ47 2..
at 2026-04-12 04:06
季語別鈴木しげを句集を読んで..
at 2026-04-10 13:21
俳句年鑑2026年版を読んで..
at 2026-01-17 22:31
最近の嘱目句あれこれ46 2..
at 2026-01-03 05:49
最近の嘱目句あれこれ45 2..
at 2025-12-16 16:16
最近の嘱目句あれこれ44 2..
at 2025-11-17 10:38
辻桃子句集 水蜜抄を読んで ..
at 2025-11-06 07:28

外部リンク

記事ランキング