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最近の嘱目句あれこれ48 2026年 (高澤良一)

最近の嘱目句あれこれ48 2026年 (高澤良一)

◼️春
涅槃図の中に入ったり其処出たり
空気掻き立てるさま放香性チューリップ
身支度をそそくさとして桜見に
雛納めは着せ替え人形の要領で
うすらひの出来を確かめたくなり中指
ニザダイの大群 火山の頂き越え(海底火山)
ふくらます息こまぎれに紙風船
ぶらんこの真下の土の踏み応え
逃げ水と緑の男の相違点
親子の縞柄別々タテジマキンチャクダイ
句作にも好不調の波万愚節
図書館よりメール「俳句三月号」到着(横浜市図書館サービス)
ガーゴーと湯沸かすポット花の昼
わらわらと崩るゝ椿の花瓣かな
明け渡す小会議室鳥雲に
何処かこそばゆきバレンタインてふ日
桃の節句明日に控え春灯
ロボットの配膳春節中華店
命令調であれこれ指図の新学期
掴み損ねの馬刀貝ばかり見て居れず
進学の娘(こ)の届けもの今朝のママチャリ
小気味よき韮のザゞ切りなほ続け
逃げ水と緑の男の相違点
考えごとロダンに如かず目借時
芹洗ふ小流れちょつとだけ汚し
古巣たること歴然顔に書いてある
芹洗ふ泥水煙りサッと消え
根こそぎに物流れ来る雪解水
薄氷の段差ある処見つけたり
雨弾くはくれむの珠かんぜおん
四月馬鹿漢字の如しは女に口
称名寺裏手ひらけて窪地の蝌蚪
びたびたにしてもよきもの甘茶佛
花筏とぐろ巻きつゝ川降る
抜けさうで抜けぬ鼻風邪三月朔日
文字通り立春大吉暦事触れ
観梅の写真に己が影も入れ
なし崩しに齢とるなと亀鳴けり
蕗の薹土擡ぐこと土竜並み
多羅の芽は眼の上蕗の薹は眼の下
はこべらを摘み摘み通りすがりの道
手に余る春ものキャベツのだぶだぶ着
春一番昭和の海に感謝の碑(横浜市金沢区柴漁業組合)
春一番蝦蛄で生計たてる漁師
吊り鉢のヴィオラ貪る雀共
彼の桜染井吉野は巣鴨より
河川敷に遊んで土産の桜貝
礼拝堂へ行く道 青みどろの水槽
哀歓の歓を尽くせるコヒガンザクラ
ぬと現れた大きな干潟油壺
満面の笑顔の万作似合ひのヒゲ面
ちまちまと三味線草の三角撥
球根の容はごついアマリリス
羽子板にすっと納まる大谷正平
足許を過ぎる時鳴る芹の水
お花畑盛りと聞いて来しものが
入れ歯又入れずに食す四月馬鹿
忘れ潮覗けば其処に雨虎
スニーカー脱いで若草踏む男の子
文庫(ふみくら)の跡地若草生え放題(金澤文庫)
花冷えのフロント硝子を打つ小雨
DOUTOR の「O」の字踊る雛祭
春雨にだんまり鴉の濡れ羽色
昭和の日のモーニングサービスアイスティー
ぽかぽかと春の太陽頭が痒し
花見つゝアイスモナカをかりかりと
花堪能しては敷き茣蓙折り畳み
後ろ手に花後の文庫(ふみくら)後にせり(金澤文庫)
染井吉野のザンギリ頭は病む姿(てぐす病が原因)
鳥雲に老いの長道辿りをり
さくら坂陽光桜の明るさに
お伊勢さんの参道 ぶっかけ饂飩かな
秋(とき)は今旅立ち、進学、はなむけ歌
おぼろ月「逢いたいなー あの人」島倉に(島倉千代子)
泣きながら卒業式に誓いの言葉
旅立ちの名曲、『さくら』『道』『遥か』『乾杯』
卒業式定番ソング『3年B組金八先生』
温かくも切ない『3年B組金八先生』
粛々と山籟 桜に逢はん為
待望の春紛れなく舗道鏡
とろとろと芹が縁どる小川かな
楊梅の懐 春陰深めつゝ
チューリップ風に削がれし態晒し
農協の花壇 パンジー花盛り
開けっぴろげは粗野か優美か花つつじ
はこべらのひょろひょろ立ちを愛しとも
山茱萸の花飛んでゆけ空の央
電線の膨張係数 日永の日
浜に出て水洟垂らし海苔拾ひ
焼き炒める音のバリバリチンゲン菜
競艇の川面叩きてエンジン音
春節の爆竹のごと釜飯の味
サザンカ、水仙、ロウバイ、ウメと花咲く順番
進級寿ぐオンザロックに江戸切子
かすみ草サッと仕立てて仏華とす
荏柄天神かって私も受験生
朝寝せし顔をぷるんと洗ひ立て
横須賀の山の上なる梅林に
噎ぶよな萌黄にもふもふミモザかな
花粉吸うたらいかんぜ もふもふなるミモザ
訳ありの大中小の苺粒
嘘の日を大枚はたき懇親会
伊豆一の河津の花見一人旅
先端の莟弾ける鹿児島紅梅
紅梅は今発火点寸前
尖端に梅花咲けるは錯覚か
鹿児島紅梅(かごしま)は産地直送お取り寄せ(苗木)
既視感を恐れず海市詠んで見よ
立春には立春の句を嘱目す
春浅き物故者欄に彼の御仁(俳人協会新聞)
起き上がり小法師つついて春炬燵

◼️夏
奇抜平凡奇抜平凡ジギタリス
モネの晩年たどりついたり庭の睡蓮
箱庭のやうな家々着陸寸前
此処のところ時間たっぷりとって蝉脱
流燈のすかさず曲る巖の角
蟹汁を一口二口賞味せり
夏草の貰ひ哭きする死の行軍(シネマ)
あめんぼう堰を渡りて横一線
母の日に一言宿題済ませたか
尊徳の松の緑にあやかれる(二宮尊徳)
その容姿ザンギリ頭のやうなドリアン
スコールに姿勢正しぬ丸木舟
江之島で橋桁の許泳ぎけり
夏座敷ベッド二つを入れ夫婦(めおと)
落ち梅を集めて梅干し作りかな
ハーゲンダッツ一寸高めで止めておく
造花にも好みの彩や夏の食卓
片陰に終日潜む狙撃兵
蟻が丹精してあけた穴踏むまいぞ
われを忘れ地べたに這ひつくばり蟻を(守一さん)
憑かれたやうに蝉詠む俳諧糞坊主
水底に姿を晒し錦鯉
クレマチスの開花言挙げするやうに
プール今出て来たばかりソーダ水
小川にて出合へる蟹の横睨み
はたと出合う巾着湾の森の赤蟹
みんな行く方に私も車前草の道
旧切手あれこれ貼って夏見舞
蟻右往左往せりさて何事
働き方蟻は蟻で人は人で
蟻の巣の戸口に佇って怪訝顔
蝦蛄の次穴子で生計たてる小柴(漁港)
卯の花腐し時代も流れ結社も流れ
蟻同士納得したか一件落着
結社には親元があり銭葵
蟻は道外れて何やら物色中
ミッションスクールのバッチオリーブ模したもの(関東学院六浦高等学校)
がま口より小銭を抜いて銭洗ひ(銭洗弁天)
篠の子で囲ふ小島の蚕豆畑
篠の子だらけ人幅程の崎の道
泥煙りどぜうが田の底擦ったのか
夕焼長々 日産撤退追浜工場
八景島を眼前真昼の海水浴
貝殻道を歩いて帰宅海水浴
海から上がり裸のまんま歩いて帰宅
陽炎へる海原一望ゼラニューム
象亀が踏んづけゆける浜の灼け砂
節料理あわび象る食器に盛る
小笠原背丈揃へて夏の波
蜘蛛の糸伝ひ走りの日の光
風鈴を吊るして伺ふ第一打
吟行地の小坪の地蛸を衝動買
抜き打ちの氷雨に打たれアマリリス
ちまちまとカリブワコワの花殻摘む
横須賀に来たなら昼飯海軍カレー
云ひ過ぎてはならぬ俳諧油蝉
夏の宿題放ったらかしやゲーム漬け
夏の宿題三日坊主でケセラセラ
三脚のテーブル中央ガーベラ置き
父の日のDOUTORがらんと客少なめ
この辺で聴くのは始めて十一か
楷の木のたしかな芽吹き振り仰ぎ
風鈴の撒き散らす音心地よし
鯵の当りはやはらか ゆっくり引いてリールまけ
ビールジョッキの瀬戸内ブルーは庵治石よ(香川県庵治半島)
挿絵(イラスト)の神奈川県花は野性の百合
県民の選びし山百合磯山に(神奈川県花)
ぽかぽか陽気で牡丹の世話も半日がかり
葯乱舞して山百合の断ち切らる
柱頭のぬるぬる百合は秘すものかかえ(山百合)
指先でポンポとトマトに塩を振る
へたくそ裸婦のセザンヌの意図水浴図
セザンヌの築き上げたる水浴図
ゴッホ讃ふはプルシャンブルーの晴夜の大空
大岡絶讚「トカゲと裸婦とタヒチの女」
翡翠のまなざし 泡の浮き来る池面
日傘差し花の買物道の駅
炎天の男 錨の匂いして
営々と蠅を捕りをり蠅取器
手に乗せてこれは京都のかたつむり
なめくじも我も夏痩せひとつ家に
ちょこと行くちょこちょこと行く蜥蜴まで
これは何ちゅう鳥かジヒシンとか鳴いて
銭湯の高天井の滴れり
見立てから入り虹の句最終形
オノマトペで一句仕上げぬゲリラ雨
砂の城突き崩しさて一泳ぎ
サイダーに喉がすらりと軽井沢
ICU出で夏ヴァージョンの東京タワー(慈恵医大 集中治療室)
思ひの他の蠅の勢い身をかわす
アボガドのこの使い方夏料理
散財の如く散れるよ夏落葉
晩夏なるプールに散れり黄の木の葉
夏果てのプールにポプラ影落とす
夏果てのプールに静止ポプラの木
相似たるトマトの髭とダリの髭
屋上にてビールで乾杯夜風のなか
屋上にてビールで乾杯よか夜風
此処に又昭和の色味のビーチパラソル
漫画など見ながら待てる冷やし中華
飲み余すビールコップに三口程
食べ残しは前列に置く冷蔵庫
ひょろひょろの芽立ちを去年の朝顔種
和の装い決め手は切子の帯留よ
極めつけの帯留切子仕立てなる
万華鏡さながら切子の阿弥陀光
東京のゲリラ雨などまっぴら御免
あめんぼう勢い余ってしまひけり
深淵の色解き滝水壺を出づ
朝夕がドラマチックな朝焼夕焼
夏の海ガスって鯖江のパーキングエリア
油ヶ淵モーターボートの練習場
新商品電気も使はず蚊が落ちる

◼️秋
月形の眉間の傷や鎌の月(月形龍之介)
加賀染のがま口お腹にひやひや硬貨
新米や手を尽くしても物価高
真葛ヶ原何時しか道の尽きてをり
霧つん裂き搬送途上の救急車
かさこそと至近距離飛ぶ鬼やんま
大方は雀に食べられ実南天
べいごまの床(とこ)と云ふもの撫ぜたくなる
べいごまの縄もてしばる床作り
運動会決行すったもんだありましたが
他人事のやうに過ごして敬老日
行くやうに行かせてことしの敬老日
秋晴や脚がるんるん弾む土手
猪の解体何やら呟きて
実朝像見渡す視野に孔子木(金澤文庫境内)
楷樹愛でし若き日の我二昔(一昔は十年)
とんぼの俳句推敲してゐて乗り過ごす
殿様バッタ面と向ひてあっぷっぷ
玉入れの大空目がけ赤と白
運動会結束固き漁師の父兄
昼の虫バス停傍の草っ原
これと云うこともなく過ぎ敬老の日
菅原のタンゴ、シャンソンらららの秋(菅原洋一)
サウナ浴び自宅の風呂には入らずじまい
若冲画蝶とかまきり相対す
観山の猫が窺ふ唐茄子図(下村観山)
客寄せに米、酒、灯油、米穀店
藪からしの黒ずむうなじ曇日の
立ち上がる蛇の素っ首藪からし
猪がほじくり出さぬやうにしたばかり
異能の人山形のりんご農家で落語家で
懐手してご対面 孔子木
紙の新聞疾うに消失文化の日(米国は)
文化の日万事スマホで事足りぬ
日記の類い書いたことなし文化の日
瑕瑾無き句などあらざり鶏頭花
穭田に屈んで一句拾はんと
太陽が助っ人弘前のリンゴ作り
北浦の雀啄む葭の絮
穴惑一筋縄ではゆかぬホ句
市田柿うまくてほっぺた落っこちさう
又一つ流星ブンガワンソロの気分で
私めと同じ背高泡立草
噎ぶよな萌黄に背高泡立草
クラスでの席順中高泡立草(身長一七三センチメートル)
はすかひに都心を横断いわし雲
逃がる術無き台風の通り路
訳ありの柿の落ち度を探せば此の箇所
Amazonの宅配ならむ秋の音
罠に猪鼻息荒きところ見せ
わざおぎの食レポ番組冬隣(松重豊 俳優 孤独のグルメ)
鷹の爪並みのスパチキ中止とよ(どうしてマック?)
流れ星又又湯屋の帰り路
いちめんの穭田 への字に筑波山
里人の柿持ってけと畑の辻
次郎柿の畑しかない柿の里
南下した真鰯の漁獲3万トン
駅前商店 こはしせんべいの音の秋

◼️冬
障子の開け閉めなってをらんとおおせあり
追い剥ぎの如く剥ぎ取れ日光湯葉
嗚呼汚なと埃払って煤払ひ
枯れに枯る柏槙安置建長寺
着ぶくれし身を安寧の車両の隅(身体障害者席)
突堤にぶつかる波音春を待つ
笹鳴の声は藪陰 建長寺
激浪に掬はれさうな避寒宿
松越しに一目で判る避寒宿
寒鯉の一煽りして波一線
シーグラス並みにぼやけて時化の海
カーリングに精だす常呂(ところ)の善男善女
賃餅を体重かけて切りし思い出
だるま市丹沢の空冴返る
寒卵の器 気になる紙製品
寒雀餌漁る雨垂れ音のなか
寒雀ぶるっと発って天空へ
厨妻「火元は消した」と自信ありげ(都市ガス使用)
夏みかん絞りて祖母のポンジュース
目をつむる程の酸味やポンジュース
抜けさうで抜けぬ鼻風邪三月朔日
鷹揚に春を待つなり布袋尊
じれったしと群れを離るゝ鴨三羽
拳玉やコキンと骨の折れる音
加湿器がぷすぷす風邪気味の寒暁
枯野行 お心象風景なら判る
立ち姿高悟帰俗の鶴夫人
手の内を読まるゝやうに澄める水
時に俳諧狂気も必要歳末詠
見返り美人の眼差しをもて風花見る
寒雀地べた漁るは虫採りか
煮込みが絶品昭和の匂ひのするお店
すき焼を所望せんとて買う深谷葱(ふかや)
蝋梅の枯れざる枝と枯れし枝
脂玉ぷんと走るや鴨雑炊
福助の両手は平(ひら)に平(ひら)にの構へ
耳鼻科にて私の鼻の煤払
人間も一歩ゆずって熊との共存
有り体に近況述べる桜鍋
何処より箸付けようか香箱蟹
熱つ熱つのもつ鍋の底物色す
百獣の王の欠伸や逝く年の
ちゃんこ鍋〆はうどんの雑炊よ
熱ければふうふう連発ちゃんこ鍋
ちゃんこ鍋判らねば聞くお勧めを
ちゃんこ鍋試しにと食べ元気貰えた
煤払 とんづら近くの銭湯へ
師走にでんと礼拝堂のパイプオルガン
正面にパイプオルガンクリスマス
耳鼻科医が私の耳糞見す師走(年に一回 耳掃除)
切れ悪き包丁使ひ十二月
ベースゲート脇の二月の錆錨(横須賀米軍基地)
今朝の気温静岡弁では寒いづら
大一番どんどん行かうちゃんこ鍋
ごっつあんの一言ちゃんこ平らげぬ
練炭の灰 鉄壁を為し色灰白
クリスマス小田和正の誕生地(神奈川県横浜市金沢区金澤文庫すずらん通り)
どうせなら大きく老いたし鯨並み
大根積み大根台地を軽トラゆく
寒鯉の尾ぢから余す所なし
羽子板にすっと納まる大谷正平
羽子板にことし納まる大谷正平
着ぶくれて何じゃらほいの余生なり
着ぶくれて残りの余生少なからず
着ぶくれて唄ひたきもの「枯れすすき」
遣り残した事、物だらけの年逝けり
うんすんもなく通過せる十二月
見渡して一筋の雲十二月
除夜の鐘とりどり寺の多い町
避寒宿かゆい所に手の届く
雪だるま昨夜の雨にベソかいて
瘡蓋のやうな寝しなの紙懐炉
海鼠捌く時の一挙手一投足
むつみ合ふ鯨二頭の背ナの艶
乳草(ちちくさ)の昔兎を飼ひしこと
ややこしき持病の薬と風邪薬
雪像の力作と聞く問題作
ホットケーキあはてゝ食べて目をパチクリ(熱いの何のって)
一つめの宿木生まれ初む欅
小雪の他 花粉の飛散注意報
しなしなよ油炒めのチンゲン菜
べっとうに国旗県旗の吹かれざま
大根擦れと もとより辛味大根なり(妻の云へる)
人面(じんめん)の嵌め物大根の断面に
臼状のおでん 大根の芯まで沁み
この煮込み庶民!居酒屋とは違ふ(松重の孤独のグルメ)
鮪のメンチ ソースに味はこう来たか(松重の孤独のグルメ)
大根の沁みほれぼれと鰤大根
鯛焼の尻尾のあんこに得した気分
鯛焼を頭からいや腹から食ふ
鯛焼の茶は天龍茶昭和っぽい店
白っちゃけし銀杏 二月の八幡宮
宿木のもろに永き日浴び終日
宿木五ヶ転げ落ちんばかりの欅
羚羊見に心が弾む動物園
ローンなど組んだことなし渋沢忌
女を見 連れの男を見て師走
冬の夜の燗も人肌ぬくといやつ
其処で聞くが 寒けと悪寒とはどう違う
討ち入りの日や通勤の寄り道して
野良猫の横に飼猫日向ぼこ
日向ぼこ居眠り舟を漕ぐやうに
数へ日の一万円札を温存す
新巻鮭吊るす店先往き来して
ぶらんこに並んで小春日分かち合ひ
ゴミの日にゴミの句詠むや寒鴉
駅前の凍て突き破る号外紙
高輪の煙だらけなる泉岳寺
闇雲に線香焚くや義士の日の
引っ掴み海鼠然たる海鼠かな
サイフォンの泡連れ立ちてクリスマス
忘年会も終盤 一息ついてをり
夜半尿(しと)に目覚む夫婦やもがり笛
悪さする鹿に手をやく奈良小春
今季最長東京寒波でホワイトアウト
日本中豆撒きに湧き終れる日(節分)
鬼は外 昔赤児は背負うもの
雪降る中気さくな挨拶交すこゑ
ありゃまあ何と河津桜に粉雪が
宙に舞ふ場末の落葉として一団(新橋)
北海道道南道央みな吹雪と
大雪予報「不用不急の外出禁ず」と
東京は一気に冷えて大寒過ぎ
熊本の裸祭や大寒裡
断捨離の荷を出すけふは極寒裡
大寒をきのふにけふの雪催
雑詠に徹して巷の年の瀬詠む
軽けるが徒して困る掛布団
毛衣を吊るすに針金製ハンガー
北浦の田んぼ二番穂啄む鴨
蓮田に鴨・大鷭漁るは水草
尾長鴨おこぼれちょうだい本格的な冬
アイスホッケーパラリンピックの風切り裂き
藪睨み罠に掛かりし猪の面
豆撒くとどのチャンネルも報じゐる
スチューベン冬のぶどうと嗜まれ
スチューベンてふ葡萄紛ひのぶだう是レ
凍て水に服用カプセルワーファリン(心臓僧帽弁閉鎖不全症)
救急車寒夜を疾走根岸まで(脳卒中脊椎センター病院へ妻 老人性てんかん)
越冬地北浦鴨来るスワン来る
焼藷の外套の部位剥ぎて食ぶ
カーディガン好きで何でも着こなす我
乱暴に耳削ぎに来るべっとうや
山の上の鉄塔吼えり寒風に
ご近所で一番乗りの松飾り
蜜柑剥いてそれから白き筋取って
ゴミ出しをどじってご不満悴む妻
江戸切子の皿に平目の薄造り
熊汁試食南無喝囉怛那哆囉夜耶(なむからたんのとらやや)
毛布に深く潜行底冷えする一夜
お相撲さんの豆撒きニュースはここに尽きる
カーディガン纏って見上ぐ昼の月
雪降れりしんしんならずぱら程度
凍れる日上眼遣ひの髪カット
一日中のんべんだらりと粉雪が
降る雪の一年振りやたんと降れ
冬筑波山(つくば)の足許列車はのんびりゆく
山眠る姿パチリと撮る旅鉄
甘藷干す脇を抜けゆくローカル線
のど黒が呼んでる北陸新幹線
鼻風邪をこじらせ けぽっと出す黄痰
へしこのおにぎり、九頭竜舞茸蕎麦賞味
迸る雪中四友わが狹庭
薬湯に沈んで銭湯小雪の日
案の定薄っすら積もり始めしもの
帰宅途中三橋の星屑の町口ついて(ラジオ深夜便 三橋美智也)
銀鱈の西京焼のいたれりつくせり

◼️️新年
鉛筆を栞替りに読み始め
初夢に千のマンタやこれ至福
日の当る庭の葉牡丹日を溜めて
薹の立つ色白葉牡丹眼下にす
小・中・高と芋蔓 竹馬の友
数の子の弾力 加ふにぽりぽり感
どんど焼まだ倒れずに踏ん張る松
向日性抜群の花福寿草
雑煮餅きつね色して茶碗の央(おう)
橙一つ乗せたり鏡餅の上
朝一番に差し込む光四方の春
年頭の己れに何か申したく
初雀図々しくも未だ漁る
無頓着に年取って来た初昔
土壌黒々大根台地の初景色
山妻の読経徹る大旦
山妻の読経よどみなく元朝
もう一本裏道があり初社
意気込まれ雑(ぞう)こそ愛でたし初句会
昆布茶のコク溜まりゆくわが胃袋
正月の潮の香漂ふ瀬戸神社
朝っぱらから餌を漁りに初雀
柏槙いっぽん片してありぬ初社
めでたくも神奈川一円初霞
皆苦労して手作りの食し方
これこそ正月 田作りの噛み応え
うやうやしく屠蘇を注ぎ遣り 一族郎党
薬湯に首浸け新たな年迎ふ
日産社員も初湯したろう近場の銭湯
そそくさとわが顔洗ふお正月
繰返し報ず震度や大旦
何処までも罅割れのして鏡餅
節料理古女が残る毎度のこと
カーテンをそろそろと引くお元日
餅花のほうほうこれはの枝垂れ方
出処が起重機の隙(ひま)初日の出
海よりす さねさしさがみの初日の出
長逗留ゴール間近き双六に
足止め喰うゴール間近き双六ぞ
背水の陣の歌留多が五、六枚
小学校以来の友を亡くす去年
御降りの染み跡ぽつぽつボンネット
知り合ひは大方鬼籍へ去年今年
年の火や八幡神社に穴掘って
春節のシャッターがらがら駅中店
早起きをして埠頭まで l初日の出
切株の断面初日差し込みて
起重機のお辞儀してゐる初埠頭
太平洋面と向いてお元日
わが余生他人の余生お元日
賓頭盧の此処を撫で撫でわが患部
子と歌留多犬も歩けば棒に当る
起き上がり小法師一気に起き上がれ
会っておけばよかった御仁を去年失ふ
あらたまの空一色に染め上げられ
尾長鴨おこぼれちょうだい本格的な冬
左義長の藁灰降下保安林
おんべ焼の藁灰帰路の先々に
おんべ焼始まる前の凧凧凧
たまに来る鎌倉の道お正月
門松する家の少なくなってゐし
江戸切子の帯留ゆかし新年会

◼️相撲
お相撲さん勝負は能う限りの手
丸顔が母性くすぐる熱海富士
唯々踏み込め相撲は真っ向勝負
顔叩く所作を復活朝乃山

◼️雑
自問自答繰り返しつゝ身支度す
晩年にモネが見たもの光と空気
火山の養分求めて硫黄島の魚(うを)
水の地球探し求めて宇宙の果て
飛行機が着陸寸前見し風景
妻老いて雑巾絞ったやうな腕
海底よりあぶくふらふら浮上して
一年を通じ日脚は伸び縮み
わが持病につき医者より医師へ所信
図書館に航空写真昭和の追浜(おつぱま)(海軍航空廠跡地)
地熱使って花を咲かせる資源の日本(スローガン)
鉄腕アトムの快挙を一気に技術の日本(女性総理のスローガン)
ワーファリン飲みの手傷に血止め薬(僧帽弁閉鎖不全症)
釣銭出すがま口の底薄汚れ
縁側は戦没の父佇つ処(昭和の縁側の一般的イメージ)
わが記憶ぼうっとシーグラス並み
誰よりも句を多く作ることに専念(わがモットー)
小・中・高といもづる竹馬の友
バタバタと倒れて菓子舗コロナの頃
平仮名のやうに優しくなる手紙
表現は会話のやうに高濱虚子さん
えっさっさ搬送途上の救急車
呑み鉄本線電車大方二輌編成(六角精児)
詰め込み俳句悪さ加減はそのリズム
ダンディーな遺影に鷹夫ご満悦(晩年の鈴木鷹夫)
行儀よくとんぼ鉛筆筆箱に
もの忘れは年寄の常深追すな
心がけて身軽にホ句も人生も
車窓には挿絵めく海外房線
橘寺へ道は一筋田んぼ道
術(オペ)前の明けの太陽真向に
いざという時の助っ人漢方薬
紆余曲折ありて松山夜明けのブルース(松山・二番町 レーモンド松山)
蜂蜜より甘い顔して俊太郎(谷川俊太郎)
若冲の贋作見抜く些細な箇所(若冲絵画の鑑定家)
忘れがちに平和な日本 ウクライナ
自転車旅雨でなき日の長崎行
DOUTORの喫煙コーナー透け透けよ
父の日のDOUTORがらんと客少なめ
坂がちに東京の狸穴長崎の狸穴
コロッケのもの真似天地引っくり返し
駅中店シャッターずるずる店開き
母の小言聞いちゃいないよ鳩ぽっぽ
正しいご飯のおかずコロッケ家庭の味
こうゆう店近所に欲しき 定食屋
沿岸は雨 関東天気 下り坂(天気予報)
影法師八幡様の石垣に
飛行音すれどもいずこその機影
寅もさくらも活き活き演じこの映画(男はつらいよフーテンの寅)
結婚話し鳥もつがいでぬくもってやがる(フーテンの寅曰く)
天井の節穴見つめて嫁取り話
桃色の足を合わせて鼠死す
ぎゅうぎゅうと駄目押すやうに啼く鳥知るや
純白へ透けゆく肢体湯治の温泉(ゆ)
三角の三ケの揚げとがんもの球(たま)
食事のあと夫婦で取り出す持病薬
エレキ湯にちんぽこの先痺れけり
世直しの運動起こるを待つばかり
天は二物を 後手を踏むのは俺ばかり
進歩か退歩か最近セルフのレジふえて
老人の肉体観察 ラドン湯にて
ラドン瓦斯放出鉱石亀の湯に
銭湯の空いてる時間見計らひ
銭湯にがらんとするときありにけり
銭湯絵富士見ぬも又一興と
薬湯に先ずはざぶんと我が五體
きな臭い海峡機雷敷設して
日を追うてタンカー溜まるペルシャ湾(イラン・米國紛争)
鳥島の沖で試掘の鍔迫り合ひ (レア・アース)
食進むきんきの煮付け 煮付けの王者
興味ひく魚屋がやる定食屋
鳶寄って集って建設東京タワー
あーでもなしこうでもなしの末に落日
なんとかなる句姿写生に徹すれば
作句これ 身も蓋も無き常套を拾ふこと
同道の氏の又欠けりホ句の道
口遊む三山ひろしの望郷列車
口遊む三橋美智也の哀愁列車
平凡な里山相手にひとり吟行
鼠殺める丸薬桃色小盛りにして 
オーダーの画面新書を繰るやうに
美味しさに国境は無し小籠包
北京ダックを筆頭中華の底力
ずんちゃかちゃ牧歌調子の「たっしゃでなぁ」(多重録音)

◼️人生、歌がある
浜っ子には五木の「よこはま たそがれ」ブルース(五木ひろし)
フランクの男の気まぐれ なじる歌(角川博)
五木と前川唄ふは「暖簾」 朗々コラボ
鼻濁音利かせ 熱唱 霧子のタンゴ(鳥羽の弟)
美川とコロッケのデュエット 有楽町で会いましょう
「お前に」歌うは米軍キャンプ所属歌手(フランク永井)
島倉の「人生いろいろ」を八代の浮かれ節(八代亜紀)
「恋しているもん」島倉千代子は忘られず(田川寿美)
痩せっぽちクミコ躰ふるわせ 愛の唄
桃色吐息 人生処々に歌がある
暮れなずむ『贈る言葉』を神妙に(武田鉄矢)
人生息に感じては海援隊の『贈る言葉』(武田鉄矢)
人生の節目を熱込めレミオロメン(三月九日)
『栄光の架橋』ゆずはザキで熱唱
未来への不安 いきものがかりの『YELL』
人生の節目に乾杯剛の唄(長渕剛)
前向きに山口百恵の『いい日旅立ち』
EXZILEの『道』はみんなで歌う曲(二十代が支持するバラード)

◼️ニューオリンズ
この街の名物ベニエ加うにガンボ(カフェ・デュモンド店 菓子)
住めば都のニューオリンズ CAB の運転手は移民
市内観光CABの運転手の家にも寄り
公園に突っ立つブロンズ ルイの立像(ルイ・アームストロング)
船体をゆるがす汽笛ミシシッピー
サンセット今ミシシッピーの川岸近く
葬儀で踊れば笑って天國へ行けさう
葬儀にはバンドが付きもの皆で行進
倖せとは何ですか eat chicken!
喋ることが大好き cabの走る街
奥さんもドライバー 走って何ぼの一家なり(地球タクシー NHK)
音楽はパッション ゆったり構えてのんびりゆこう
ニューオリンズ空が広くてきもちいい(ニューオリンズの今を走る)
二百年近く市内を走るよ路面電車
流れ来るリズムに同調 ニューオリンズっ子

◼️絵画
ゴーギャンの黄色いキリスト伸び伸びと
セザンヌ画を模写して始めて判ること
耳を切るゴッホ描くは正直な色
孤高なる鉄斎の富士 薄墨に


以上
(妄言陳謝)

by 575fudemakase | 2026-04-23 06:35 | ブログ | Trackback


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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