最近の嘱目句あれこれ50 2026年 (高澤良一)
最近の嘱目句あれこれ50 2026年 (高澤良一)
◼️春
涅槃図の中にに入ったり其処出たり
空気掻き立てるさま放香性チューリップ
身支度をそそくさとして桜見に
雛納め着せ替え人形の要領で
うすらひが出来た確かめたくなり中指
小気味よき韮のザザ切りなほ続け
ニザダイの大群火山の頂き越え(海底火山)
ふくらます息小綺麗に紙風船
ぶらんこの真下の土の踏み応え
逃げ水と緑の男の相違点
親子の縞柄別々タテジマキンチャクダイ
句作にも好不調の波万愚節
図書館よりメール「俳句三月号」到着(横浜市図書館サービス)
ガーゴーと湯沸かすポット目借時
ガーゴーと湯沸かすポット花の昼
わらわらと崩れる椿の花瓣かな
空け渡す小会議室鳥雲に
何処かこそばゆきバレンタインの日
桃の節句明日に控え春灯
ロボットの配膳春節中華店
命令調であれこれ指図の新学期
掴み損ねの馬刀貝ばかり見ておれず
進学の娘(こ)の届け物今朝のママチャリ
春荒れの海猫の強き目追って来る
新鮮なもののひとつに落椿
幾度も裏返し掃く落椿
上げ潮の曖昧模糊たり春の海
明らかに十年は経つ巣箱かな
落椿あんなに高きところより
早梅の綻びかけに手を遣れり
丸顔のほゝと笑むやう大内雛
箸置きの雛横並べ義母の雛壇
四月馬鹿漢字の如しは女に口
雨弾くはくれむの珠(たま)かんぜおん
薄氷の段差ある処見つけたり
根こそぎに物流れ来る雪解水
芹洗ふ泥水煙りサッと消え
古巣たること歴然顔に書いてある
芹洗ふ小流れ一寸だけ汚し
考えごとロダンに如かず目借時
観梅の写真に己が影も入れ
文字通り立春大吉暦の事触れ
抜けさうで抜けぬ鼻風邪三月朔日
花筏とぐろ巻きつゝ川下る
びたびたにしてもよきもの甘茶仏
称名寺裏手ひらけて窪地の蝌蚪
はこべらを摘み摘み通りすがりの道
多羅の芽は眼の上蕗の葉は眼下
蕗の薹土擡ぐこと土竜並み
なし崩しに齢とるなと亀鳴けり
春一番蝦蛄で生計立てる漁夫
春一番昭和に海に感謝の碑(横浜市金沢区柴漁業組合)
手に余る春ものキャベツのだぶだぶ着
彼の桜染井吉野は巣鴨より
吊り鉢のビオラ貪る雀共
礼拝堂へ行く道 青みどろの水槽
河川敷に遊んで土産の桜貝
ちまちまと三味線草の三角撥
満面の笑顔の万作似合ひのヒゲ面
ぬと現れた大きな干潟油壺
哀歓の歓を尽くせるコヒガンザクラ
足許を過ぎる時鳴る芹の水
羽子板にすっと収まる大谷正平
羽子板にことし収まる大谷正平
球根の容はごついアマリリス
忘れ潮覗けば其処に雨虎
入れ歯又入れずに食す四月馬鹿
お花畑盛りと聞いて来しが否
文庫(ふみくら)の跡地若草生え放題(金澤文庫 称名寺)
スニーカー脱いで若草歩む男の子
染井吉野のザンギリ頭は病む姿(てぐす病が原因)
後ろ手に花後の文庫(ふみくら)後にせり
花堪能しては敷き茣蓙折り畳み
花見つゝアイスモナカをかりかりと
ポカポカと春の太陽頭が痒し
昭和の日のモーニングサービスアイスティー
春雨にだんまり鴉の濡れ羽色
DOUTORの「O」の字踊る雛祭
鳥雲に老の長道辿りけり
船上でディナーは白ワイン蒸し浅蜊
春なれや雲はゆっくり月はのんびり
割引き値札鮮魚コーナーで蜆の死
見渡して何処から芽吹く雑木山
木五倍子垂る昔此処から坊主山
走り込む水音野芹の平原に
茅花野に見惚れてたてば夕月が
卒業は記憶に薄しどうした訳か
磯海苔をお土産五能線
さんざんの苦心の跡や蜷の道
新しき道辿るべく思案の蜷
養花天はやばや出走見送れり
挨拶もしゃっちょこばって新社員
胃をすっきりさせんと春暁の太田胃酸
残る歯は三つ食べるはほうれん草
ほうれん草食して歯悪の老後
間違いない魚をとるよ潮目の海
お彼岸の雲に覗かれゐる湯舟
呑み鉄本線ようこそ花のこんぴらへ(琴平駅)
願うのは雀の天國春の庭
湘南の早咲き梅が見頃とよ
日に数本走る電車や花は五分
螢烏賊の素干し越中土産とし
◼️夏
此処のところ時間たっぷりとって蝉脱
箱庭のやうな家々着陸寸前
モネの晩年たどりつくもの庭の睡蓮
奇抜平凡奇抜平凡ジギタリス
海亀がひらひらふらふら泳ぎ去る
海酸漿柱状節理の絶壁に
海底の崖のほとりに青ウミガメ
蟹汁を一口二口賞味せり
流燈のすかさず曲がる巖の角
あめんぼう堰を渡りて横一線
夏草の貰ひ哭きする死の行軍(シネマ)
スコールに姿勢正しぬ丸木舟
その容姿ザンギリ頭のやうなドリアン
尊徳の松の緑にあやかれる(二宮尊徳)
母の日にひと言宿題済ませたか
片陰に終日潜む狙撃兵
造花にも好みの彩や夏の食卓
ハーゲンダッツ一寸高めで止めておく
落ち梅を集めて梅干し作りかな
夏座敷ベッド二つを入れ夫婦(めおと)
江之島で橋桁の許泳ぎけり
みんな行く方に私も車前草の道
見返り美人の眼差しをもて風花見る
はたと出会ふや巾着湾の森の赤蟹
小川にて出会える蟹の横睨み
プール今出て来たばかりソーダ水
クレマチスの開花言挙げするように
水底に姿を晒す錦鯉
憑かれたように蝉詠む俳諧糞坊主
われを忘れ地べたに這ひつくばり蟻を(守一さん)
蟻が丹精して開けた穴踏むまいぞ
結社には親元があり銭葵
蟻は道外れて何やら物色中
蟻同士納得したか一件落着
卯の花腐し時代も流れ結社も流れ
蝦蛄の次穴子で生計立てる漁夫(小柴漁港)
蟻の巣の戸口に立って怪訝顔
働き方蟻は蟻で人は人
蟻右往左往せりさて何事
旧切手あれこれ張って夏見舞
目白等入れ替り来る朝なさな
篠の子だらけ人幅程の崎の道
篠の子で囲ふ小島の蚕豆畑
がま口より小銭を抜いて銭洗ふ(銭洗弁天)
ミッションスクールのバッチオリーブ模したもの(関東学院六浦高等学校)
夕焼け長々日産撤退追浜工場
泥煙りどぜうが沼底擦ったか
象亀が踏んづけゆける浜の灼け砂
陽炎へる海原一望ゼラニューム
海から上がり裸のまんま歩いて帰宅
貝殻道を歩いて帰宅海水浴
八景島を眼前真昼の海水浴
風鈴を吊るして伺ふ第一打
蜘蛛の糸伝ひ走りの日の光
小笠原背丈揃えて夏の波
節料理あわび象る食器に盛る
吟行地の小坪の地蛸を衝動買
云ひ過ぎてはならぬ俳諧油蝉
横須賀に来たなら昼飯海軍カレー
ちまちまとカリブラコワの花殻摘む
抜き打ちの氷雨に打たれアマリリス
楷の木のたしかな芽吹き振り仰ぎ
苺狩キリンの舌を想ふべし
この辺で聞くのは初めて十一か
父の日のDOUTORがらんと客少なめ
三脚のテーブル中央ガーベラ置き
夏の宿題三日坊主でケセラセラ
夏の宿題放ったらかしやゲーム漬け
風鈴の撒き散らす音心地良し
十薬がこんな処にそんな気節か
キリンビール晴れ風自信作とあり(Kirin広報)
お通しに茹でそら豆と豆腐半丁
新種多々期待のサフィニア買ひに来て
金魚の里あづま錦と云う金魚(日本縦断こころ旅)
蓴菜と比内地鳥の鍋物食品
森岳は蓴菜の宝庫これを売らねば
地方再生ねらいは秋田の蓴菜栽培
ピッケルで雪突く登山氷河ゆく
山小屋は富士より高き頂きに
山小屋と雪と料理と絶景と
シャモニーを基点にスイスの山遊び
絶好の登山日和で混むケーブル
海上に夏富士推参御用邸
御用邸裏の砂浜歩く蟹
氷河歩きパラグライダーを遠に見て
放射線測定個所が山小屋に
バリバリと炒めキャベツの八宝菜
山小屋でジグゾーパズル夜の更ける
山小屋の醍醐味朝焼け夕焼け見て
ロバに荷をくくりつけ麓より山小屋へ
驢馬追い上げ視界広がる高原へ
ロンゴン小屋トレッキングコースのその途中
山小屋の自家製チーズ味わいふかし
山小屋の今晩の献立ズッキーニのスープ
山小屋の天窓星の為にある
山小屋の近くの谷や山スキー
山の生活一歩づゝ山を登るやう
天井の極楽山小屋と云う空間
SNSで有名な親父の居る山小屋
山小屋は氷河のあの上歩き始めて小一時間(プンタ・ペニア小屋)
山小屋のこのおじさんSNSで大受け
夏みかん顧みられぬまゝ庭隅
雨来る気配悄然として蛍消ゆ
ひと花咲かせるタイプゼラニューム
傘立てに顧みられぬ捕虫網
オノマトペの典型虹のたちつてと
立ねぶた七年ぶりの五所川原
一人占めマイナスイオンの湖を
唯見ゆは岩噛む波濤千畳敷
深浦の大岩砕け散る波濤
電線を地下に潜らせ立侫武多
原色の見事なハリボテ立侫武多
テトラポット白濤砕く五能線
ソイ、ヒラメ、イカ出てあら汁つく定食
行くべきは噴水公園濡れて来ぬ
ほら見ろと馬券ちぎって立ち去れり
百姓は雨が降らねば競馬に来れず
梅雨晴れ間あれ雲が行く海の方
銅像となりて名をはすオグリキャップ
笠松競馬朝からそわそわスティルアイライズ
字の配り彼の人らしく夏見舞
案じをりしが元気な便り夾竹桃
旱年のっぺらぼうの無縁墓
なめくじのやうにしなやか宇良の戦法
蕗の葉にしるき蝸牛の這ひずり痕
密林に青梅雨樹齢千年の樟
長生きをするならおーいお茶の日本(新茶)
サーファーあこがれの波の宝庫よ浜通り
焼肉をほおばり飯が加速する
先輩にオリンピック選手もゐて馬術部
高校の馬術部野馬追にも参加
手なずけし背黄青鸚哥の例のこゑ
鴉飛び交ふ大樟のふところ瀬戸神社
氷片をしゃらしゃらDOUTORアイスティ
高知と云へばにんにくかつをはそれで行かう
塩振ってウツボの天ぷら召し上がれ
噴水の伸縮急がし御免駅(土讃線)
寿司たべに金沢芸妓三、四人
大将曰く烏賊は甘みが勝負也
寿司ネタは地元のものを気取らず飾らず
寿司の金沢握りは輪島沖のアラ
寿司ネタは油の乗った剣先イカ
散発はカットいつもの遣り方で
街薄暑妻の付き添ひ根岸まで
川に手が届きそうなる露天風呂
河鹿の湯夜はゆったり湯につかり
源泉は川の向うに天城の湯
水旨き天城七滝湯巡りす
クレヨンで描いてみたき絵夏休み
魁の魁逗子の海開き
人の本然沼の本然蟾蜍の平然
◼️秋
楷樹愛でし若き日の吾二昔(一昔は十年)
加賀染めのがま口お腹にひやひや硬貨
ウメイロモドキ珊瑚礁の潮当りよきところ
月形の眉間の傷や鎌の月(月形龍之介)
新米や手を尽くしても物価高
かさこそと至近距離飛ぶ鬼やんま
霧つん裂き搬送途上の救急車
真葛ヶ原何時しか道の尽きてをり
べいごまの縄もて縛る床(とこ)作り
べいごまの床(とこ)と云ふもの撫ぜたくなる
大方は雀に食べられ実南天
坊主山手品の如く月を上げ
運動会決行すったもんだありましたが
猪の解体何やらつぶやいて
秋晴や脚がるんるん弾む土手
行くやうに行かせてことしの敬老日
他人事のやうに過ごして敬老日
これと云うことも無く過ぎ敬老日
昼の虫バス停傍の草っ原
運動会結束固き漁師の父兄
玉入れの大空目がけ赤と白
殿様バッタ面と向ひてあっぷっぷ
とんぼの俳句推敲してゐて乗り過ごす
楷樹愛でし若き日の我二昔(一昔は十年)
実時像見渡す視野に孔子木(北条実時)
熊本の旅又坂だこんちくしょう
猿飛石と鉄橋眺め栗おにぎり
運河を塒渡り鳥フラミンゴ
クルーズ二日めぶどう畑を横目にし
ニワトコの実の赤いっぽん雪中に
犬もいんで主もいんでそろそろ盆
木を叩く鳥ゐて吾も樹を叩く
背表紙の金のふすぼる獺祭忌
べいごまをべいごまで摶つガッチャと云ふ
ドドドと馬場出走の音爽やかに
ゑのころのナイーブ芽笹の質実剛健
此処に我在りと黄落大銀杏
広前に黄落浄土現出す
紅葉が一気に進む十一月
古民家村晩秋ピアノコンサート
宴の弁当に秋鯵の粕漬
おひたしのほうれん草へ良夜の箸
十一月ある日ある夜のいかつき星
飯店のフィナーレ出たり紹興酒
荒けずりいわき名物じゃんがら踊り
踊り子志望がひっこみ思案で人見知り
オリーブ大国カルパッチョの似合ふ日本海
酒の好み問はることあらば濁酒
雲飛んで飛んで芒の仙石原
小鳥来る水飲みに来て虫も漁る
川澄みに澄みてニゴイの泳ぐが見え(鯉科の魚)
眼鏡とりて良夜のまなこ休ませぬ
筆跡が彼の人に似て読後さわやか
◼️冬
追い剥ぎの如く剥ぎ取れ日光湯葉
障子の開け閉めなってをらんと仰せあり
着ぶくれし身を安寧の車輌の隅(身障者席)
枯れに枯る柏槙安置建長寺
嗚呼汚なと埃払って煤払ひ
カーリングに精出す常呂の善男善女
シーグラス並みにぼやけて時化の海
寒鯉の一煽りして波一線
松越しに一目で判る避寒宿
激浪に掬はれさうな避寒宿
笹鳴きの声は藪陰建長寺
突堤にぶつかる波音春を待つ
寒卵の器気になる紙製品
だるま市丹沢の空冴え返る
賃餅を体重かけて切りし思ひ出
加湿器がぷすぷす風邪気味の寒暁
剣玉やコキンと骨の折れる音
じれったしと群れを離るゝ鴨三羽
鷹揚に春を待つなり布袋尊
目をつむる程の酸味やポンジュース
夏みかん絞りて祖母のポンジュース
厨妻「火元は消した」と自信ありげ(都市ガス)
寒雀ぶるっと発って天空へ
寒雀餌漁る雨垂れ音のなか
寒雀地ベた漁るは虫採りか
見返り美人の眼差しをもて風花を見る
時に俳諧狂気も必要歳末詠
手の内を読まるゝやうに澄める水
立ち姿高悟帰俗の鶴婦人
枯野行心象風景としてなら判る
福助の両手は平(ひら)に平(ひら)にの構へ
脂玉ぷんと走るや鴨雑炊
臘梅の枯れざる枝と枯れし枝
すき焼を所望せんとて買う深谷葱(ふかや)
煮込みが絶品昭和の匂ひのするお店
百獣の王の欠伸や逝く年の
熱つ熱つのもつ鍋の底物色す
何処より箸付けようか香箱蟹
むせっぽき大藪越しに笹子聴く
有り体に近況述べる桜鍋
人間も一歩譲って熊との共存
耳鼻科にて私の鼻の煤払
耳鼻科医が私の耳糞見す師走(年に一回 耳掃除)
正面にパイプオルガンクリスマス
師走にでんと礼拝堂のパイプオルガン
煤払 とんづら近くの銭湯へ
ちゃんこ鍋試しにと食べ元気貰えた
ちゃんこ鍋判らねば聞くおすすめを
熱ければふうふう連発ちゃんこ鍋
ちゃんこ鍋〆はうどんで雑炊に
練炭の灰鉄壁を為し色灰白
大一番どんどん行かうちゃんこ鍋
今朝の気温静岡弁で寒いづら
ごっつあんのひと言ちゃんこ平らげぬ
ベースゲート脇の二月の錆錨(横須賀米軍基地)
切れ悪き包丁使ひ十二月
除夜の鐘とりどり寺の多い町
見渡して一筋の雲十二月
うんすんもなく通過せる十二月
遣り残した事、物だらけの年逝けり
着ぶくれて唄ひたきもの「枯すすき」
着ぶくれて残りの余生少なかり
着ぶくれて何じゃらほいの余生なり
羽子板にすっと収まる大谷正平
羽子板にことし収まる大谷正平
寒鯉の尾ぢから余す所なし
大根積み大根台地を軽トラゆく
どうせ女なら大きく老いたし鯨並み
クリスマス小田和正の誕生地(神奈川県横浜市金沢文庫 すずらん通り)
むつみ合ふ鯨二頭の背ナの艶
海鼠捌く時の一挙手一投足
瘡蓋のやうな寝しなの紙懐炉
雪だるま昨夜の雨にベソかいて
避寒宿かゆい処に手の届く
雪像の力作と聞く問題作
ややこしい持病の薬と風邪薬
乳草(ちちくさ)や昔兎を飼ひしこと
一つめの宿木生れ初む古欅
ホットケーキあはてゝ食べて目をパチクリ(熱いの何のって)
マルセーユ離れ船旅牡蠣棚越し
クルーズ降り農園探訪トリュフ採
焼藷屋突っ立ってゐる二階堂(鎌倉)
万年青の実先づ目を遣るはその姿勢
北前船で移住の祖先の醸造場
六角曰く「米の苦味が好きな吟醸酒」
母艦遊び止めよと母が呼びに来て
空っ風真正面から男坂
焼藷の断面に載す黄金バター
人の本然岳の本然鷹の悠然
干物にし食べよ幻の白甘鯛
お目当てはマグロの中落ち
石蹴って登校途中近所の子
病院の高階灯が入り寒の入
関東に居座る寒気二、三日
豚丼のキムチは食の伴奏者
大胆にボロを使ったジャケットで
柿は実だけ葉っぱは落ちてすっぽんぽん
新潟の長岡は雪長い長い冬
春近き日の水飴系飴玉(駄菓子)
彼岸までの寒さ身に沁む薬風呂
セキレイの地べたをとんとん北風の中
虎刈の子のゐた昔花八手
鼻風邪に木偶の棒影くっきりと
裘(けごろも)を脱いで劇場生あたたか
暖冬と云へる日授かる月半ば
宿木の五つばかりが木のてっぺん
大方は病院で降り小春のバス停
初雪は満更でも無し久しぶり
よく見れば鴉風除け椨の茂み
屯して突きん棒漁師日向ぼこ
対馬海峡カジキの突きん棒漁廃れず
佐島の地魚地産地消の潤目鰯等
一寸した丘目の前のみかん山
関東南部雪がちらつくこともありそと(天気予報)
ボトムラン星を目指してスノーボード
スノーボード譬わば武術太極拳
山茶花に霜降り投宿三泊目
◼️️新年
初夢に千のマンタやこれ至福
鉛筆を栞替りに読み始め
薹の立つ色白葉牡丹日を溜めて
向日性抜群の花福寿草
どんど焼まだ倒れずに踏ん張る松
教の子の弾力加ふにポリポリ感
雑煮餅きつね色して茶碗の央
橙一つ乗せたり鏡餅の上
年頭の己れに何か申したく
朝一番に差し込む光四方の春
意気込まれ雑(ぞう)こそ愛でたし初句会
もう一本裏道があり初社
山妻の読経徹る大旦
山妻の読経よどみなく元朝
土壌黒々大根台地の初景色
無頓着に年取って来た初昔
初雀図々しくも未だ漁る
日産社員も初湯したろう近場の銭湯
薬湯に首漬け新たな年迎ふ
うやうやしく屠蘇注ぐ一族郎党に
これこそ正月 田作りの噛み応え
皆苦労して田作りの食し方
めでたくも神奈川一円初霞
柏槙いっぽん片してありぬ初社
朝っぱらから餌を漁りに初雀
正月の潮の香漂う瀬戸神社
昆布茶のコク溜まりゆくわが胃袋
何処までも罅割れのして鏡餅
繰返し報ず震度や大旦
そそくさとわが顔洗ふお正月
海よりすさねさし相模の初日の出
出処が起重機の隙初日の出
餅花のほうほうこれはの枝垂れ方
カーテンをそろそろと引くお元日
節料理古女が残る毎度のこと
年の火や八幡神社に穴掘って
知り合いは大方鬼籍へ去年今年
御降りの染み跡ぽつぽつボンネット
小学校以来の友を亡くす去年
背水の陣の歌留多が五、六枚
長逗留ゴール間近き双六に
足止め食ふゴール間近き双六ぞ
春節のシャッターがらがら駅中店
取り札をまなこに納め披講待つ
どんど火は三連風は横殴り
湯気空に抜け元日のジャグジー
元旦の初湯を出でていい日和
聞こえ来る春の足音川崎大師
壇蜜の「乗ってはのんで」つまみに初旅
◼️相撲
お相撲さん勝負は能う限りの手
丸顔が母性くすぐる熱海富士
肩で息熱戦終えて豪ノ山
とり直しアクロバット相撲の宇良、翔猿
土俵際押し合ひ両者憤怒の相
なめくじのやうにしなやか宇良の戦法
考えて調子すまふを阿炎のとる
皆いちくせお相撲さんは爬虫類
◼️雑
妻老いて雑巾絞ったやうな腕
海底よりあぶくふらふら浮上して
飛行機が着陸寸前見し風景
水の地球探し求めて宇宙の果て
晩年にモネが見たもの光と空気
自問自答繰り返しつゝ身支度す
火山の養分求めて硫黄島の魚
釣り銭出すがま口の底薄汚れ
ワーファリン飲みの手傷に血止め薬(心臓 僧帽弁閉鎖不全症)
鉄腕アトムの快挙を一気に技術の日本(女性総理の意気込み)
地熱使って花を咲かせよ資源の日本(同 スローガン)
図書館に航空写真昭和の追浜(横須賀海軍航空廠跡地)
我が持病につき医師より医師へ所信
一年を通じ日脚は伸び縮み
誰よりも句を多く作ることに専念(我がモットー)
我が記憶はぼうっとシーグラス並み
縁側は戦没の父佇つ処
表現は会話のやうに高濱虚子さん
平仮名のやうに優しくなる手紙
バタバタと倒れて菓子舗コロナの頃
小・中・高と芋づる竹馬の友
えっさっさ搬送途上の救急車
行儀よくとんぼ鉛筆筆箱に
ダンディな遺影に鷹夫ご満悦(晩年の鈴木鷹夫)
詰め込み俳句悪さ加減はそのリズム
呑み鉄本線電車大方二輌編成(六角精児)
もの忘れは年寄の常深追すな
心がけて身軽にホ句も人生も
橘寺へ道は一筋田んぼ道
車窓には挿絵めく海外房線
術(オペ)前の明けの太陽真っ向に
いざと云う時の助っ人漢方薬
若冲の贋作見抜く些細な個処(若冲絵画の鑑定家)
蜂蜜より甘い顔して俊太郎(谷川俊太郎)
紆余曲折ありて松山夜明けのブルース(松山・二番町 レーモンド松屋)
忘れがちに平和な日本 ウクライナ
コロッケのもの真似天地ひっくり返し
坂勝ちに東京の狸穴長崎の狸穴
DOUTORの喫煙コーナー透け透けよ
自転車旅雨でなき日の長崎行
母の小言聞いちゃいないよ鳩ぽっぽ
駅中店シャッターづるづる店開き
救急車奈辺か気になる夜半の搬送
一風呂浴び来て手にするコーヒー牛乳
泡風呂の泡に当てがふわが総身
緑川と猿飛び石と鉄橋の眺め
熊本のチャリ旅遠の豆グライダー
船上でシャンソン披露リバークルーズ
鮮度抜群マイクロ豚の内臓(内蔵ホルモン)
袋袋袋雑多な生ゴミ匂ふゴミの日
教会の長椅子明るくニスの照り
操舵輪胸の高さに運河の旅
岡に寄り本屋へ直行リバークルーズ
AB型人の意見は聞かぬほう
不精して便りも出さず花鳥諷詠
為す術なし時はだんだん減ってゆく
嘴太鴉(はしぶと)の鵜の目鷹の目今朝のゴミ
ゴミ漁るものの筆頭街鴉
鳩サブレ土産の鎌倉歩きかな
湖西線十一面さんの寺巡り
擬態語を駆使して愉快な句を得たり
オノマトペの多用で読者煙に巻く
一言で云へぬこと云うオノマトペ
手の混んだルビの付け方万太郎(久保田万太郎)
オノマトペの肝(きも)を云うならスピード感
オノマトペの方程式を如何に解く
ペンペコと三味線ライブは二十分
リゾートしらかみ津軽三味線掻き鳴らし
驫木てふ変な駅ありて五能線
風圧に耐へて云年驫木駅
六角バンド全開向うは鯵ヶ沢
モットーは器用に生きてみようの精神
玉子掛けご飯一膳めざすは東京
日に一度朝来て鴉の勘太郎
土蔵改造し会津の蝋燭屋
徹子曰く「八十代はどうてことなかった」(NHK徹子の部屋)
八十、九十は一つの区切りタップダンスは止めようかと(中尾ミエ)
「かわいいベービー」五十代発展してるって感じ(中尾ミエ)
食文化低温物流極めねば
程を越すサービスとれたての海の幸(小じか島観光)
元気で長生きが勝ち(人生とは)
尾藤イサオとミエのデュエット歌ひ踊り
此処見ねば津波がここまで来た碑
中古船で漁を再開大船渡
仕込まれとる浜の魚は常磐物
薄っぺら若者言葉いけるっしょ
爺のサポート孫の為にもあと五年
豚丼のこの店ひょっとするとひょっとする
試飲求めて予讃線土讃線(呑み鉄本線日本旅)
余生とはもってまはった生のこと
頭がのっと緑の男の真下より(映画館内)
鼻風邪に木偶の棒影くっきりと
これからの緑の男三連休
国道に隣る一本道が家路
駅中店開店五分前のアナウンス
車中にて居眠り大歩危小歩危かな
呑み鉄旅こたびは高知の土讃線
いかすじゃないか西銀座駅前(フランク永井のABC)
近海魚潤目鰯は近江市場で
天城山中湯ヶ島温泉一泊旅
瞬き一つする間繰り出す武の神ワザ
ありのまゝが一番天城の立ち湯かな
以上
by 575fudemakase
| 2026-05-28 01:59
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俳句の四方山話 季語の例句 句集評など
by 575fudemakase
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次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。
尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。
《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)
例1 残暑 の例句を調べる
検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語
例2 盆唄 の例句を調べる
検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語
以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。
《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。
尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。
《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)
例1 残暑 の例句を調べる
検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語
例2 盆唄 の例句を調べる
検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語
以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。
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