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最近の嘱目句あれこれ51 2026年 (高澤良一)

最近の嘱目句あれこれ51 2026年 (高澤良一)

◼️春
ずん抜けて洋種山牛蒡と云う奴は
春暁や熱きほうじ茶啜り飲み
青空へ飛び出す豆の双葉かな
山茱萸の夢見ごこちのその色合い
コスモスの幼き双葉三日月形
道産のアスパラ貰ふバタ函付き
登校の一人石蹴り路地から路地
アスパラは立てゝ保存と注意書
グリーンアスパラぽりぽり齧る鼠のやう
観音の横顔掠めつばくらめ
さゑずりを目つむり聞ける南風の中
養花天星らしき星数へるほど
空模様怪しくなる日柿挿木
木五倍子垂る道を登りてキャンパー達
春じよをん関東平野に雲飛ばす
霾る日堂々巡りの小会議
うすらひを踏む思ひして老年へ
黒板に死亡者の数五連休
茅花茅花走り初めたる夕茅花
桜蘂降らす桜のひと区切り
桜蘂降らす桜のひと段落
桜蘂降らす桜となり九段
花下見俳句手帖に雨ポツと
春暁や熱きほうじ茶啜り飲み
青空へ飛び出す豆の双葉かな
山茱萸の夢見心地のその色合い
コスモスの幼き双葉三日月形
登校の一人石蹴り路地から路地
アスパラは立てゝ保存と注意書
グリーンアスパラぽりぽり齧る鼠のやう
観音の横顔掠めつばくらめ
さゑずりを目つむり聞ける南風の中
養花天星らしき星数へるほど
空模様怪しくなる日柿挿木
木五倍子垂る道を登りてキャンパー達
春じよをん関東平野に雲飛ばす
霾る日堂々巡りの小会議
うすらひを踏む思ひして老年へ
黒板に死亡者の数五連休
茅花茅花走り初めたる夕茅花

◼️夏
ずん抜けて洋種山牛蒡と云う奴は
葉桜の鮮度が見ゆる通勤路
サフィニアを摘心(ピンチ)姿勢を正さんと
サフィニアをウッドデッキに幾鉢も
サフィニアを摘心(ピンチ)ここだく殖やさんと
濡れ縁は私の公園夏はじめ
サフィニアをウッドデッキに殖やさんと
横浜市歌学校で教へて今でも歌えて
烏の子餅開港記念日記念菓子
葉桜を継ぎ足し継ぎ足し街並木
庭先にどこか健気な花かたばみ
かたばみは体力温存葉を垂れて
かたばみにまつはるエッセー読み初めに
干からびし紐に繋がれ柏餅
椎若葉ピシリと返答返しけり
味噌餡の柏餅ならご遠慮申す
粒餡の柏餅腹もちよささうな
同様に腹持ちのよき鶯、柏もち
初夏の風三日月形の双葉かな(作業歌春山節)
枇杷パチンと弾けさうなる大玉に
自家製の大玉の枇杷食卓に
お尻から剥けば綺麗にむける枇杷
さくらんぼその色の乗り悪くなし
ことしの枇杷かなり間引いて袋掛
きらきら降る雨に寄り添ふくちなしの花
巵子咲く一方的に降る雨に
大使館だらけのスロープ椎若葉
雨強くくちなしの花天気雨
雨強くくちなしの花きつね雨
銭湯の煙突梅雨空つん抜けて
走り根に後楽園の蛇の衣
小石川大名庭園今若葉
透き通る卯波に脚を掬はる蟹
夏休み疑問質問受ける放送(大リーグ)
額の花見下ろしに厠窓
しろがねの葉を持つ庭木五月来ぬ
鼻筋へも重ね塗りする日焼け止め
掌にローションなじますやうに日焼け止め
左見て右見て炎暑の車入れ
夏燕胸張って飛ぶ線路沿ひ
冷蔵庫の死活問題半ドア対策
冷蔵庫の死活問題扉の管理
冷蔵庫の閉ざし忘れは致命傷
冷蔵庫は七割収納もちのロン
遠浅を二、三越えゆき泳ぎけり
オノマトペ使って峯雲囃したし
ドカドンと峯雲立つなり上総沖
一寸トマト失敬海の見ゆ畑
なまくらの包丁のテストトマト切り(包丁 関孫六)
本尊へ畳じとじと梅雨の寺
あっけなく終わってしまった金魚の糶
くづ金魚函に収めて待つ夜宮
ぎゃあぎゃあと海猫を引き連れ船遊び
矢も盾もたまらずむしゃぶりつく肉旱
昼下り昼顔咲いて館山海岸
老たりや素手で片せる食べこぼし
福龍丸怨念の海忘れまじ
(第五福龍丸、ビキニ環礁で水爆実験に合う。久保山さん死亡)
「猫の昼顔」塗り絵のやうな守一画
猫の昼寝のポーズが独特守一画
モリカズ様式の徹底猫昼寝の絵
蟻の観察地面に頬杖つきながら
蟻の観察守一さんと根比べ
艶々の木製の卓ビヤホール
卓、椅子の鉛色涼しビヤガーデン
整然と木製の卓ビアガーデン
ジョッキ傾け乾杯の第一声
牛蒡洗ひじゃがいも茹でてサマーキャンプ
横須賀も近場の山林サマーキャンプ
夏キャンプ虫除け、長袖、長ズボン
虫除け等こまめに準備サマーキャンプ
誰も皆一役果たすキャンプかな
足許のこころもとなき姫じよをん
ハンカチや推敲進めて汗のごひ
臼杵石佛夜はひそひそ話して
新味無き水中花ことしもや
螺子巻いて玩具の天牛歩ませぬ
空蝉を常設狹庭の博物館
一筆書きで描かれ蛸は頭足類
モーリタニアに蛸の捕り方教えた男(海外漁業協力財団 中村正明氏)
梅サワーならなんとか下戸への直球
ジョッキ置き先づ空腹に対して集中
デカジョッキぶん回しては移転の話
先づビールで乾杯梅雨入り始めの喜遊館
杖預け湯屋喜遊館梅雨入り日
モロッコ料理胸に草原ミントティー
心飛んで平和条約締結日(サンフランシスコ平和条約発行記念日)
立ちはだかる先師の佳句風五月(林火の「子の髪の風に流るる五月来ぬ」)
夜遊びの夏の花火の今たけなは
夏が逝く鮪の大間の夏がゆく
水性ペンで直ぐ消ゆ伝言夜の秋
夏空の下で一戦ベイスターズ
ベイスターズ優勝おだ上げに中華街
しゃっちょこだち股の間より峯雲見て
雷鳴は忘れし頃にところてん
夕焼けの焼け尽くす空見事なり
中途半端な夕焼け仕方なく見てをり
ウナギに似た地アナゴ食わす柴漁港
鯉幟地べたに降ろす刻来り
島夕焼け蠅取りリボンも黄昏れて
尋ね人の時間黙して聞く白昼
石畳をダダ打ち東京ゲリラ雨
客引にサイダー寝かし置く店先
隣家の灯強く小さく網戸越
蠅取りリボンはくるくる廻る回り舞台
噴水の掛け合ひ議論沸騰す
ラムネ飲み終えて空瓶返しにゆく
NOカバーに徹す真夏の文庫本
生きて食ふには冷蔵庫漁る日々
東京の何処をモデルの箱庭ぞ
白靴の戛戛突堤渡りきる
マンゴーの話に熱中プリン好き
一押しのマンゴープリンを奨められ
一色の熱砂あちちと裸足ゆく(葉山一色海岸)
上潮の速さ水母を上流へ
庭の木の葉先の光沢五月来ぬ
舟虫やあれから何年来ぬ渚
励めども己が見えぬ羽抜鳥
念力は何処まで続く梅雨鯰
推し量る祭の金魚の命かな
蛇の衣脱ぎ捨て白む水平線
初蝉は四の五の云うてうるさかり
熊蝉より想像するもの熊坂長範
会場は混乱極め蝉時雨
古雨戸後生大事に蠅虎
のうぜん花海は淋しくなるばかり
紫陽花は半月咲いて後へたる
長雨に膨張の花濃あぢさゐ
空蝉に溜まる雨水ほんの少し
てのひらにひゃっこき缶の烏龍茶
老ゆと云う言葉は禁句さくらんぼ
十薬は貧家の行燈夕闇に
普段着の洗濯けふも子供の日
新録の中いそいそとピアノの運搬
麦一粒聖書の訓話忘れまじ
カボチャの花大きく咲かせ灯台官舎
道北に来てじゃがいもの花盛り
篠の生ゆこの辺一帯県花の百合
自覚しているか魚の中の浮き袋
口中に広がる藁の香初鰹
大昭和の子供の遊び亀すくひ
軽鳧の子の引っ越し農道トコトコと
赤い口開けて餌を待つ烏の子
尺蠖の尺とる足腰見せつけるか
尺蠖の一足歩行美事なり
妻寝ても覚めても数独夏百百
南瓜蔓一直線を競ひ合い
突端の岩棚を這ふ老舟虫
くちなはの渡りゆく沼横たはる
虹のやうなアーチ大谷のホームラン
工務店で障子紙買ふやけに蒸す日
のけ反つて蛸蛸壺を出るところ
粘土冷っこき歯科の型取り聖五月
甘酒のどんよりしたのを胃袋へ
るんるんの目玉見張りて鯉幟
捩花の捩れ見事と云ふ他なし
道に迷ふ頓珍漢な蟻を見て
一寸激辛な辛子に目つむるところてん
ハライソへ召されるやうにハンモック
冷やし中華と云へばしゃっきり紅生姜
蛸に合ふ胡瓜の酢の物晩酌中
薑が喉に痺れて冷やし中華
祭笛の手際どんぐりの背比べ(稽古)
洗ひ干すズックのしづくいつまでも
噴水はしゃっちょこ立ちして直ぐ崩れ
噴水はドレミをなぞるやうにして
ティーバッグの上げ下げ味の濃淡決む
ソフトクリーム溶け出しあはてゝ口寄せぬ
物の見方くちなは進むか水進むか
草笛のはじめの音色好ましく
こう暑くては飛び込みのサーティワン
向日葵の一本道を引き返す
今度の虹は前よりずっと綺麗だね
大騒ぎしているうちに黄に変はる(虹)
河川敷抜けゆく川音涼しげに
蝉殻集め朝っぱらから弟と
梅雨の喫茶煙草どうにかならないか
噴水の高さ違へてアットランダム
気になってゐるお隣の袋掛
着実に一つ年取る七月
ういういしき胡瓜の花に手をさしのべ
一発でエンジンかかる最上川
一挙同点ドジャーズ追い抜かれて困る
黄信号点滅ドジャーズ勝ち逸す
泰山木ぎんぎんぎらぎら昇る日に
げんなりとしたるポーズでビール干す
ほうたるの息継ぎ思ったより長し
近頃は電気蚊取で蚊を退治
顎の花疲れた色や滝口寺
蚊から執念き引いた結果は零と云う
ピーマンの緑男のごつき顔
淋しがり屋ののうぜんたらたら花零す
泣きっ面に蜂の豪雨に立ち往生
昔ジャカルタで倒れて暑さには精通
音だけは一人前の昼花火
蝉の穴抜き差ししても蝉の穴
止まり方がへたな蝉ゐて神社の木
人は皆萎れて帰る終戦日
小判草光らなければ偽小判
あけすけに咲いて昼顔館山民宿
けふも蒸す昼を挟んで鋸の音
市民プールめいめい泳ぐ余地があり(根岸)
西瓜冷やすに井戸を使わずもったいなし
海上の夕立ずどんと鉛色(赤道祭)
はんざきの顔を平たく真清水に
金魚の命名聞いてないのに話したがる
水枕どこか安心して就寝
水馬瀬に乗り上げてエヘヘのへ
噴水の曲芸甲乙つけ難く
毛虫焼く新聞紙を脇抱え
投げ釣の孤をかく要領まだ不得
すててこで海見てをれば脛吹かれ
銭湯には背高く大き扇風機
噴水に乾く間もなく都心の空
花火大会の終盤おまけに顔花火
噴水のまわり掠めて訪問客
チャリ借りて避暑地の湖半周す
浮かび出てぶるっと河鵜の水飛沫
蔓バラを剪れば刺されてほうほうの体
アメリカハナノキ若葉の五角
新緑のアメリカハナノキのっぽが自慢
薄埃葉っぱに浮かべゼラニューム
その匂ひ指を離れぬゼラニューム
降る雨に茫然自失しゼラニューム
ガーベラに談論風発して散会
くどくどした花の色ゼラニューム
初夏のおいしい牛乳ごくりごくり
ストーブを片し扇風機を配置
さっきから遠くでゴロゴロ日雷
本降りの東京ゲリラ雨の中
蝉穴に指突っ込んで悪たれが
透明なセロハン剥がし食すメロン
ずん抜けて洋種山牛蒡と云う奴は
葉桜の鮮度が見ゆる通勤路
サフィニアを摘心(ピンチ)姿勢を正さんと
サフィニアを摘心(ピンチ)殖やさんと
サフィニアをウッドデッキに幾鉢も
濡れ縁は私の公園夏はじめ
葉桜うぃ継ぎ足し継ぎ足し街並木
庭先にどこか健気な花かたばみ
かたばみは体力温存葉を垂れて
かたばみにまつはるエッセー読み初めに
干からびし紐に繋がれ柏餅
椎若葉ピシリと返答返しけり
味噌餡の柏餅ならご遠慮申す
粒餡の柏餅腹もちよささうな
同様に腹持ちのよき鶯、柏もち
初夏の風三日月形の双葉かな(作業歌 春山節)
枇杷パチンと弾けさうなる大玉に
自家製の大玉の枇杷食卓に
お尻から剥けば綺麗に剥ける枇杷
さくらんぼその色の乗り悪くなし
ことしの枇杷かなり間引いて袋掛
きらきら降る雨に寄り添ふくちなしの花
梔子咲く一方的に降る雨に
梔子の花の恬淡(てんたん)侘住い
大使館だらけのスロープ椎若葉
雨弾くくちなしの花きつね雨
銭湯の煙突梅雨空つん抜けて
走り根に後楽園の蛇の衣
小石川大名庭園今若葉
透き通る卯波に脚を掬はる蟹
夏休み疑問質問受ける放送(大リーグ)
顎の花見下ろしに厠窓
しろがねの葉を持つ庭木五月来ぬ
鼻筋へも重ね塗りする日焼け止め
掌にローションなじますやうに日焼け止め
左見て右見て炎暑の車入れ
夏燕胸張って飛ぶ線路沿ひ
冷蔵庫の死活問題半ドア対策
冷蔵庫ゆめゆめ忘るな扉の管理
冷蔵庫の閉ざし忘れは致命傷
冷蔵庫は七割収納もちのろん
遠浅を二、三越えゆき泳ぎけり
オノマトペ使って峯雲囃したし
ドカドンと峯雲立つなり上総沖(館山)
一寸トマト失敬海の見ゆ畑
なまくらの包丁のテストトマト切り(包丁研ぎ器 関孫六)
本尊へ畳じとじと梅雨の寺
あっけなく終わってしまった金魚の糶
くづ金魚函に収めて待つ夜宮
ぎゃあぎゃあと海猫引き連れ船遊び
矢も盾もたまらずむしゃぶりつく肉旱
昼下り昼顔咲いて館山海岸
老たりや素手で片せる食べこぼし
福龍丸怨念の海忘れまじ(第五福龍丸、ビキニ環礁で水爆実験に会ふ 久保山さん死亡)
「猫の昼寐」塗り絵のやうな守一画
猫の昼寐のポーズが独特守一画
モリカズ様式の徹底猫昼寝の絵
蟻の観察地面に頬杖つきながら
蟻の観察守一さんと根くらべ
艶々の木製の卓ビヤホール
卓、椅子の飴色涼しビアガーデン
整然と木製の卓ビアガーデン
ジョッキ傾け乾杯の第一声
牛蒡洗ひじゃがいも茹でてサマーキャンプ
横須賀も近場の山林サマーキャンプ
夏キャンプ虫除け、長袖、長ズボン
虫除け等こまめに準備サマーキャンプ
誰も皆一役果すキャンプかな
足許のこころもとなき姫じよをん
ハンカチや推敲進めて汗のごひ
臼杵石佛夜はひそひそ話して
新味無き水中花ことしもや
螺子巻いて玩具の天牛歩ませぬ
空蝉を常設狹庭の博物館
一筆書きで描かれ蛸は頭足類
モーリタニアに蛸の捕り方教えた男(海外漁業協力財団 中村正明氏)
梅サワーならなんとか下戸への直球
ジョッキ置き先づ空腹に対して集中
デカジョッキぶん廻しては移転の話
先づビールで乾杯梅雨入りの亀遊館
杖あずけ梅雨入り始めの亀遊館
モロッコ料理胸に草原ミントティー
心飛んで平和条約締結日(サンフランシスコ平和条約)
立ちはだかる先師の佳句風五月
夜遊びの今たけなはの夏花火
夏が逝く鮪の大間の夏が逝く
水性ペンで直ぐ消ゆ伝言夜の秋
夏空の下で一戦ベイスターズ
ベイスターズ優勝おだ上げに中華街
しゃっちょこ立ち股の間より峯雲見て
雷鳴は忘れた頃にところてん
中途半端な夕焼け仕方なく見てをり
ウナギに似た地穴子食はす柴漁港
鯉幟地べたに下ろす刻来たり
島の夕焼け蠅取りリボンも黄昏れて
尋ね人の時間黙して聞く白昼
石畳をダダ打ち東京ゲリラ雨
飯の豆一つ二つと摘み食ぶ
客引きにサイダー寝かし置く店先
隣家の灯強く小さく網戸越し
蠅捕りリボンはくるくる廻る廻り舞台
噴水の掛け合い議論沸騰す
ラムネ飲み了へて空瓶返しにゆく
NOカバーに徹す真夏の文庫本
生きて食ふには冷蔵庫漁る日々
東京の何処をモデルの箱庭ぞ
白靴の戛戛突堤渡りきる
マンゴーの話に熱中プリン好き
一押しのマンゴープリン奨められ
一色の熱砂あちちと裸足ゆく(葉山 一色海岸)
庭の木の葉先の光沢五月来ぬ
上げ潮の速さ水母を上流へ
舟虫やあれから何年来ぬ渚
励めども己れが見えぬ羽抜鶏
念力は何処まで続く梅雨鯰
推し量る祭の金魚の命かな
蛇の衣脱ぎ捨て白む水平線
初蝉は四の五の云うてうるさかり
会場は混乱極め蝉時雨
熊蝉より想像するもの熊坂長範
古雨戸後生大事に蠅虎
のうぜん花海は淋しくなるばかり
紫陽花は半月咲いて後ヘタる
長雨に膨張の花濃あぢさゐ
空蝉に溜まる雨水ほんの少し
てのひらにひゃっこき缶の烏龍茶
老ゆと云ふ言葉は禁句さくらんぼ
十薬は貧家の行燈夕闇に
普段着の洗濯けふも子供の日
新緑の中いそいそとピアノの運搬
麦一粒聖書の訓話忘れまじ
南瓜の花大きく咲かせ燈台官舎
道北に来てじゃがいもの花盛り
篠の生ゆこの辺一帯県花の百合
自覚しているか魚の中の浮き袋
口中に広がる藁の香初鰹
大昭和の子供の遊び亀掬ひ
軽鳧の子の引っ越し農道トコトコと
赤い口開けて餌待つ鴉の子

◼️秋
ぼんやりと東京湾に上る月
ジンジャーリリー甘く咲けるや楽寿園
鳳凰蝶然とし咲ける花ジンジャー
おほはるしゃぎく大孤描いて吹かるゝ図
日比谷公園サフラン の花放ったら咲き
手造りの豆腐掌に乗せ注文とる
新豆腐と三角揚を三つばかり
秋の蚊の耳許に来て刺すと云ふ
強烈な夕日に爛れ葉鶏頭
歌にある此処は八丈島椿の実
藤の実の名乗り受けたり肥後守
沢庵の染料買って山梔子
溺愛す梔子の実のその色味
庭園に役石もみぢの後楽園
文化の日腰据えて読む徒然草
手入れされご機嫌後楽園の松
卓袱台の脚亀虫の脚に似て
海岸に打ち上げられし盆の物
つくねんと野草長物昼の月
穭田に薄き日矢射す夕間暮れ
稚魚と云へば南無秋の彼岸の入日の稚魚思へ(鶴同人)
夜なべ仕事も終わり胃袋エンピィティランプ点滅
鉄棒の冷気が思ひ起こせしもの
水道管何処か洩れゐる竹の春
ずんだ餅雨もずんだと降る仙台
鮭缶を開ける楽しみ缶の蓋
カナカナを聞き流しをり推敲中
洋種山牛蒡は不埒な花ぞ引っこ抜け
栞跡くっきり新刊本匂ふ
脊柱管狭窄つらしつくつくし
いい加減歩いて秋の五色沼
お月見を誘いに客が来る玄関
雲一つ無き海原に丸木舟
こぼれ萩何と云っても宝戒寺
矢印をたどりてゆけば秋厠
寝釈迦のうへ流れ流れていわし雲(タイ アユタヤ)
朝霧は涙はらはら零すやう
朝霧は涙はらはら落とすやう
ずんずんと進む蜻蛉に追ひつけず
触らせて貰ふ虫の腹ふっくら
おっとりと球投げする子幼稚園
運動会来賓席に通されて
案山子を過ぎずず玉を過ぎ小川の音
きちきちのきちきち云うて大跳びす
これが道とは思へぬが葛の道
ひとしきり蜩鳴けば明日が来る
フェリーは蜻蛉乗せてぎんぎら佐渡航路
底紅を覗くは蟻か母の霊
私有地のカンナ林立黄を主張
名月や袋小路を引き返す
月あかりの海上叢雲通過中
左沢線(あてらざわせん)の或る駅降りて芋煮会
きのこ飯うんとあるから召し上がれ
コッペパン縦て切りにしてピーナツ詰め
颱風に稲薙ぎ倒されて日の当り
野辺ゆけばことさら深し秋の空
発表すボジョレヌーボーの出荷数
草の実の飛ぶや帰りもこの道を
郁子の実の口を噤んで濡れそぼり
省みることすら忘れ草の絮
ぶだう捥げ一粒の艶失へり
ぶだう一房黒々としてそのボリューム感
ぶだうには一房と云うくくり方
一粒の萎びしぶだう房端に
ぶだう洗ふに蛇口全開男の子
充実の重さぶだうを手にしたり
一粒の捥げしぶだうを掻き集め
手に重るぶだう一房洗はんと
水道水弾くぶだうの小気味良さ
風の盆男踊りに釘付けに
東海道縦断コスモス日和かな
滑り易き八幡様の濡れ紅葉
玄関に客来たやうや秋黴雨
くたくたの吾によたよたの大犬蓼
地続きの朝の虫の音お隣りより
独楽にもいろいろ私の独楽はベイゴマ
体育祭万国国旗はためかせ
湯ざめして草津黄葉の濡れ階段

◼️冬
声小さと妻に云はれて鬼は外
大根擦り夕餉の支度手伝う私
寄せ鍋のどれが煮えたか鍋奉行
金沢にてきんきの煮付けやさしい色味
昭和レトロ言葉飛び交う忘年会
桃子さんの蕪の絵省略利いてゐて(辻桃子)
ビル街をかすめ飛ぶもの寒鴉
バス待てば寒風鼻梁を越えて来る
厚着して埴輪のやうな出で立ちで
空っ風赤信号など何のその
ゴミの日のゴミを真下に寒鴉の群れ
鮫の目の深淵 館の昼の闇
ゆめに出て零下の第五福龍丸
南部坂雪の別れを春日井梅鶯
バーガーに鴨肉挟みがぶりとやる
名に恥じず鴨葱サンド素敵なり
生玉子で鳥のすき焼きぶっかけ飯
木枯らしつつつとコンビナートの裏街道
大昭和の長男生まれにして豆撒き
一息に食ぶ鯛焼の尾を余さずに
焼藷の匂ひにつられて衝動買
竹馬の乗りこなす迄未だゆかず
初夢に例のポーズの五郎丸
ダントツのラガーよ云へば五郎丸
餅少しふくらむ六畳の網の上
タッパーの弁当の人参赤きこと
ずっと雪ずっと読む本家静か
先づもって悴む掌をば火に当てぬ
どんよりと鮫の目赤道過ぎる船
除夜の船笛ぼーと一声東京湾
極月の脳裡に刻む第九かな
長生きの相歴然と枯れ蟷螂
緞帳が上り無人の炉端の景
熱々の滑子汁吸ひ胃が焼けさう
雑炊や人参大好き人間で
結氷をバリと割りゆくサラリーマン
どことなく視野が狭まり風邪心地
寒さうなメロディ流しシネマ「道」(ジェルソミーナ役はジュリエッタマシーナ)
酢牡蠣と云へば鳥肌たって食わぬ人
白鳥等翼揃へて舞ひ降りぬ
男ぶり上がったやうやと師走の散髪
熊出たと通報その場を再現し
花八手駆逐水雷いつ果てる
若いうちに旅はしておけ寒つばき
市営なる路線バス待つピラカンサ
獅子頭のやうな形して実南天
ブルーシート屋根に掛けたり熊に掛けたり
手袋の左右よく間違えて
氷上を歩くに「あっと」も「おっとも」も無し
朴落葉見ての通りのご乱行
蒸かし藷ふかし過ぎゐて結晶状
仙石原今空風の運動場
おっと滑る手許が滑る牡蠣剥きや

◼️️新年
遠くから音のして来る初大師
裏白の小綺麗駅へと向う道
気忙しく打ち水しをり初商
セロテープちぎって貼り付け初荷便
大いなる目玉見張りて福だるま
新年は斜め向うからお正月
隣りには隣りの賀客お元日

◼️相撲
低く低くさすがに宇良も差し負けぬ(義ノ富士戦)
当り負け土俵を落ちて砂かぶり
勝ち相撲エイと吊り上げ放り投げ
役力士やすんでばかり今場所は
役相撲のかなう矢添えて表彰さる
表彰式きみがはように引ずられ
総理大臣杯にその名を刻し表彰す
優勝は子供に約束した通り(若隆景あつし)
めきめきと太るも童顔熱海富士

◼️雑
皿洗ひつダイナ・ショアのバズテンボー
野球にも山勘打法決まりけり
どうした訳か鉄分不足で足攣るよ
ゴジラマイナスワン不要不急と云う言葉
口当り抜群クリームパンのクリーム
懐かしき昭和の給食ジャムパンジャミパン
花好きでも家庭菜園等はやらぬ
息上り卓球のラリー続かずよ
ひょったことで崩るゝ調子の波
大リーグ選手にもある調子の波
将棋とは道楽者の夢芝居
投手には球数少なく投げる技
面白をかしく鉄斎の耳掻き図(富岡鉄斎)
投手戦投手崩れてブルワーズ(ドジャーズ戦)
紫紅の絵のん気か否か君知るや
目の上のたん瘤の句をそっちへ遣り
包丁の研ぎ方結果は目から鱗
魚好きは骨取上手祖父譲り
放蕩と云う語生きをる大昭和
白濁の研ぎ水流すすと流る
モロッコ料理〆の一品野菜のクスクス
ラム肉にうひゃーの一声ハンバーグ
描く時守一赤の輪郭線
専攻はチューリングマシーンで応用は自販機
目の上のたん瘤の句を引き合いに
今鳴るは同窓薬師寺さんの鐘
虎造の森の石松銭湯出て
浪曲は至高の話術立ち枯れさせるな
歯切れよく啖呵飛ばせる二代目虎造
背凭れの柱背にして虎造節
パン生地にクロワッサンのしっとり感
胃袋よほら肉だ女性特有の別腹パン
腹減っては立板に水の注文
ハムカツポン酢でこのソース味ドバドバいけ
島の道上下し落書きピカソ風(ギリシャ アテネ)
日蓮の波題目碑天つん抜け
藤七湯へ日本手拭肩に掛け
夜泣子の引きつけにも似て給湯器
バスはもう走らぬ図書館母子出入り
文明人は堕落の一途ゴミ捨ても
われも又海の子育ちは横濱で
腎臓は一つ造影剤にはご用心(水腎症)
永遠に終わらぬものに大昭和
近所の子砂場に砂城こしらえて
鳥は何故赤き食べること好む
木道を模して近頃コンクリの路
金網を上手に抜けて球拾ひ
金網の何処か破れて運動場
珈琲はブラックなんて胃を毀すぞ
日の丸がはたとひらめき止める時
ていねいに教へてもらふ弁慶庵
本降りとなりワイパーの糞忙し
将棋とは道楽者の夢芝居


以上


by 575fudemakase | 2026-06-05 22:48 | ブログ | Trackback


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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