2014年 01月 14日 ( 1 )

正月 睦月

正月 睦月

例句を挙げる。

●正月
あかつきの水仙の香の喪正月 野沢節子
あたゝかき正月なれば麦踏まん 北里 信子
いそしめる正月髪の選炭婦 石橋梅園
いただくや大和正月三笠山 上島鬼貫
いつも一本柿の木をみて正月来 清水径子
おねしよしておのれ叱るやお正月 野村喜舟
おらんだ正月珍*だの酒はあまかつし 角川源義 『西行の日』
お正月の鴉かあかあ 種田山頭火 草木塔
ぎこちない金と銀とのお正月 加藤ミチル
くらがりの峠とぶ風狂もいて正月 大西健司
げんげ田がすこし青みてお正月 廣江八重櫻
こめかみに焚火の音す正月空 中拓夫 愛鷹
ちんぽ皆ぶらさげ正月の朝湯も去年の顔触れ 橋本夢道 無礼なる妻
としより昔の歌をうたひ正月を酔ひ 七戸黙徒
ぬかづいて曰く正月二日なり 夏目漱石 明治三十二年
ひとり来て仏の正月崖荒し 源 鬼彦
ふるさとや正月を啼く川原鶸 木下夕爾
まんざいや正月にならばぼつぼつと 佐藤春夫 能火野人十七音詩抄
みな猟夫正月餅を搗かぬ村 羽部洞然
むささびと棲み正月の詩書くか 大峯あきら 鳥道
もてなしに正月舞ひの擦りささら 高澤良一 随笑
やっかいな正月の富士詠み初めに 高澤良一 ぱらりとせ
シベリアも正月ならむ父恋し 寺山修司 未刊行初期作品
七文半の吾子の白い足袋にあした正月がくる 橋本夢道 無禮なる妻抄
万両の白たいせつに喪正月 嶋田麻紀
人よむに如かず正月諷詠詩 飯田蛇笏 椿花集
人並に正月を待つ灯影かな 一茶 ■寛政十二年庚申(三十八歳)
人並の正月もせぬしだら哉 一茶 ■文化十年癸酉(五十一歳)
以て祝ふ正月中や開豆 安藤十歩老
傾城に正月はなし花かるた 蘇山人俳句集 羅蘇山人
円満な正月顔の看護婦よ 石塚友二
写経して仏正月早や日暮 井沢正江
刈株の鎌跡ななめ正月休み 西東三鬼
北国の正月を待つわらべ唄 今村青魚
北国や家に雪なきお正月 一茶 ■文政三年庚辰(五十八歳)
口開けて正月休みの登り窯 竹中碧水史
和服着て正月の畦やはらかし 池田秀水
喪正月水の音のみ耳につき 宇咲冬男
喪正月申し訳なく肥りけり 飯田 直
四五人を診て正月の和服醫師 下村ひろし 西陲集
墓原に正月の顔揃へけり 原裕 葦牙
大根のしづかさ正月のコックたち 北原志満子
大津絵の筆のはじめは何仏 芭蕉 (三日口を閉て、題正月四日)
大粒の雨正月の闇うがつ 角川源義
大雪となりて今日よりお正月 前田普羅 新訂普羅句集
嫁ぎのこる正月街中の旗はためく 寺田京子 日の鷹
子ら帰り正月すんでしまひたる 石井とし夫
子を持ちて姪美しきお正月 福田紀伊
寺うちも正月なれば鯛に塩 中山純子 沙 羅以後
山路来て正月青き芒かな 渡邊水巴
岳麓や正月菓子の色ぞ濃き 北野民夫
島に住めば柑子沢山な正月日和 河東碧梧桐
座敷まで正月の陽差兵の写真 川崎展宏
庵とは正月の日のあるところ 斉藤夏風
弟子寄りて仏正月賑かに 倉垣和子
待ちかぬる子に「お正月」飛んで来よ 中村明子
春王の正月あとは何と書く 森鴎外
時鳥正月は梅の花咲けり 松尾芭蕉
普段着に潮の匂ひ喪正月 花尻 万博
松少し栽ゑて濱庭正月す 松瀬青々
松籟や正月つひに雨を見ず 佐野青陽人 天の川
枯木に鴉が、お正月もすみました 山頭火
樅の木をくぐる正月礼者かな 前田法比古
正座して師は無けれどもお正月 佐々木六戈 百韻反故 冬の皺
正月からとんだ目に遭ふぎっくり腰 高澤良一 寒暑
正月がすぎゆく固き炭を挽く 百合山羽公 故園
正月にするとて星のとぶ夜哉 一茶
正月にちょろくさい事お言やるな 松瀬青々
正月に山雀二つ貝の頬 金子皆子
正月のいたるところに世の出口 鈴木六林男
正月のさてもなんきんたますだれ拡ぐるかなた昭和のけぶる 土井紀枝
正月のふしづけ澄みてゐたりけり 飯田蛇笏 春蘭
正月のもう散らかせる居間跨ぎ 高澤良一 素抱
正月のカイト荒川吹き曝し 松田ひろむ
正月のプランの中のラグビーに 稲畑汀子
正月の下駄の音する飛騨の峡 前田普羅 飛騨紬
正月の人あつまりし落語かな 正岡子規
正月の人来し声のひかる玻璃 升水砂光
正月の俄か訛に泛く田かな 牧野桂一
正月の凧の一つの睥睨す 鷲谷七菜子
正月の凧や子供の手より借り 百合山羽公 寒雁
正月の凧裏窓に漂へり 風間加代
正月の和服つめたき襟合す 百合山羽公 故園
正月の土を上げたる土竜かな 大峯あきら
正月の多摩の枯芦雅やか 細見綾子 天然の風以後
正月の夜を煌々と妻子遊ぶ 辻田克巳
正月の太陽襁褓もて翳る 山口誓子
正月の子供に成て見たき哉 一茶 ■寛政九年丁巳(三十五歳)
正月の子供等が黄色い芝踏みに来てゐる 人間を彫る 大橋裸木
正月の山の指笛童子かな 皆川白陀
正月の山中にして囀れり 岸田稚魚
正月の日まちとふれて来しばかり 長谷川素逝 村
正月の月が明るい手まり歌 綾子
正月の末の寒さや初不動 道芝 久保田万太郎
正月の栄花にほこる爆竹かな 松岡青蘿
正月の海原太鼓の響きもつ 上村占魚 『玄妙』
正月の渡船場寒う渡りけり 柿腸 近藤浩一路
正月の潮の香しばし渚べり 高澤良一 鳩信
正月の玉の日和のいらかかな 飯田蛇笏 山廬集
正月の男といはれ拙に処す 夏目漱石 明治三十一年
正月の白き餅まだ生ける餅 百合山羽公 寒雁
正月の白波を見て老夫婦 桂信子
正月の空の青さに象匂ふ 光田幸代
正月の笑顔となりて故郷へ 稲畑廣太郎
正月の箸にきんとん応へある 久米正雄 返り花
正月の背皮見せをる帳簿かな 久米正雄 返り花
正月の花屑かかる籬かな 吉武月二郎句集
正月の苜蓿青き水田べり 富安風生
正月の茶筅青けれ花過ぎし 碧雲居句集 大谷碧雲居
正月の足袋白うして母在はす 大谷碧雲居
正月の金魚が元気元気かな 皆吉司
正月の雨夜の客につぐ火かな 長谷川春草
正月の雪や一日眉まぶし 細見綾子 存問
正月の雪真清水の中に落つ 廣瀬直人(1929-)
正月の雲のももいろ瑠璃光寺 上野さち子
正月の音なき金鉱山羊歌う 原子公平
正月の風に当りに出で三歩 高澤良一 随笑
正月は嫌いですかと鼻眼鏡 岡田史乃
正月は空白藪のみ騒ぎつづく 香西照雄 対話
正月は黄泉にてと又一人逝く 高澤良一 寒暑
正月もすこし古びし六日かな 三輪一壷
正月ももう七種のなぎさの貝がら(腰越) 荻原井泉水
正月も廿日に成りて雑煮かな 服部嵐雪
正月も身は泥(ひぢりこ)のうなぎかな 服部嵐雪
正月やよき旅をして梅を見る 河東碧梧桐
正月や一歯欠けたる妻の顔 佐野青陽人
正月や三日過ぐれば人古し 高桑闌更 (らんこう)(1726-1798)
正月や塵も落さぬ侘籠 宮部寸七翁
正月や夜の食器は灯の下に 細見綾子
正月や山雀あそぶ松さくら 渡辺水巴 白日
正月や日あたる道のさびしけれ 角川春樹
正月や望みの高き絵馬あふれ 林 民子
正月や木曾には木曾の手まり唄 仁村美津夫
正月や杣の遊びのふところ手 前田普羅 飛騨紬
正月や橙投げる屋敷町 正岡子規
正月や浜の茨の返り咲き 臼田亜浪
正月や牛の母子の畦あそび 細川加賀 生身魂
正月や若狭の日和すぐ崩れ 遠藤若狭男
正月や荒磯の石を耳に当つ 細見綾子 黄 炎
正月や藁の円座に痘の神 森澄雄
正月や袂振りゆく麦畑 金尾梅の門 古志の歌
正月や辻の仏も赤頭巾 一茶 ■文化十一年甲戊(五十二歳)
正月や過ぐれば只の日数のみ 石塚友二
正月や鎌倉山の松の色 岸田劉生
正月をしに戻りたる主かな 比叡 野村泊月
正月を休む医師となりにけり 水原 春郎
正月を出して見せうぞ鏡餅 向井去来
正月を惜しみてかすむ旅人かな 吉武月二郎句集
正月を月下美人のつめたき葉 秋元不死男
正月を馬鹿で暮して二月かな 鳴滝-秋風 選集古今句集
正月日和母にうぶ毛を剃られけり 太田鴻村 穂国
正月晴汽車が見たくて岡に登る 村越化石
正月顔せる皮剥を賞味せり 高澤良一 鳩信
正月駅伝一団抜け出て母校来る 奈良文夫
母亡き正月土管があればそれを覗き 加倉井秋を
水槽に正月顔のマンボウも 高澤良一 燕音
洗ひあげて正月下駄の二足かな 皆川白陀
渓音に乾く産着や花正月 平井さち子
湯の里に遊ぶ正月湯三昧 高澤良一 寒暑
湯を捨てて正月の雪消えぬ谷 中拓夫
満月と正月の山遊びけり 北見弟花
漆黒の髪の子に来しお正月 水野一風子
煮て焼いて正月料理おお忙し 高澤良一 宿好
爆竹や南京町は正月す 鳴雪
祖母恋し正月の海帆掛船 中村草田男
箸箱に箸ごせとかやお正月(安見子五歳出雲言葉に染みて) 『定本石橋秀野句文集』
納豆一本づつ売る正月の言葉のせ 萩原洋灯
老画家とゐて正月の網干場 中拓夫
蔭正月丹波の豆をうす味に 青木まさ子
蜜柑山より真白な雲お正月 川崎展宏
行きずりに犬撫で旅のお正月 福田蓼汀 秋風挽歌
裏白の葉が乾反りつつくもりのまま正月二日寒く暮れにき 松村英一
読むことを専らとせり喪の正月 田川飛旅子 『植樹祭』
貧乏正月でもいつも神代藤平が来て元日なり 橋本夢道 無禮なる妻抄
賀状なき正月強き眸にて迎ふ 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
足くさるまで正月を医師読みたし 平畑静塔
足のべて正月古き畳かな 松岡草羊
軒破れたる正月のざんざ降り 伊丹三樹彦 人中
雀らにパン屑頒つ喪正月 中村明子
雪の寺正月三日の高野豆腐 中山純子 沙羅
霜除に菜の花黄なりお正月 村上鬼城
青空のはりつめてゐるお正月 深見けん二
頬被正月ものの覗突漁(みづきりょう) 高澤良一 鳩信
餅花や正月さむき屋根の雪 飯田蛇笏 山廬集
髪を切ることが粧ひ喪正月 倉垣和子
鮮やかな正月物に目を止めて 高澤良一 さざなみやっこ
龍吐水の音だけ 書野山 正月 伊丹公子
祝月緋綿も見えて綿屋かな 村上鬼城

●睦月
つれ~の人美しき睦月かな 長谷川かな女 雨 月
なつかしき睦月のちりやすずり筥 飯田蛇笏 山廬集
またの年の睦月もいはへ千代の江戸 江戸-季吟 元禄百人一句
むつみ月拾いたくないものに櫛 木村正光
一族をつつむひかりも睦月かな 保坂敏子
信念の重み睦月の一家集 高澤良一 燕音
六日はや睦月は古りぬ雨と風 内藤鳴雪
初孫の睦月の空のめでたけれ 瀧村 水峯
国頭や睦月素足の藍絞り ながさく清江
地鳴鳥遊べる山の睦月かな 鈴木しげを
山国の年端月なる竃火かな 飯田蛇笏 霊芝
山国の魚を釣りゐる睦月かな 橋本榮治 逆旅
山深く睦月の佛送りけり 西島麥南
島を出て海女も睦月の髪を結ふ 小池白苑
崎のみち睦月の花菜ちりばめぬ 柴田白葉女 遠い橋
嶽の耳雲のくすぐる睦月かな 西本一都 景色
引潮や睦月の貝の肌光る 小坂順子
悼みごと重ねて睦月如月と 高澤良一 随笑
手も足もしまはれ赤子の睦月かな 蓬田紀枝子
拓村のなりはひむつむ睦月かな 飯田蛇笏 椿花集
掛け替へし杉玉の香や睦月尽 根岸 善雄
松とれて後の睦月のかけ足に 草村素子
沈丁の蕾の青き睦月かな 中上 三川子
浜名湖の夕潮はやき睦月かな 皆川盤水
渓聲に鷹ひるがへる睦月かな 飯田蛇笏
湖東三山みな雲抱ける睦月かな 三輪田育夫
火を焚いて浦畠人の睦月かな 飯田蛇笏 山廬集
犬曳きて睦月六日の夕ごころ 今野福子
生死の戸まだ閉ざされて睦月かな 石田由美子
留学の子の旅立ちて睦月尽 大野雑草子
睦月 名を流す岸を遠くに冬の町 宇多喜代子
睦月から螺旋踏段はづさるる 川村六菖
睦月とふ馴染めぬ月も過ぎゆけり 藤原たかを
睦月に逝き世の寸法に合はぬ人 高澤良一 随笑
睦月まだ球體を切る術いぶかし 竹中宏 句集未収録
睦月富士翼のごとき雲もてり 山吉空果
睦月月夜並びゆくひと吾子は得て 田中英子
神々に抱かれてゐる睦月かな 中村正幸
神の磴睦月の蝶を遊ばしむ 富安風生
竹とんぼ睦月の空を錐揉みに 市ヶ谷洋子
筑紫野ははこべ花咲く睦月かな 杉田久女
紙干して睦月明るし比企郡 遠藤節子
蛸突きや睦月の潮にひとり楫 松村蒼石 寒鶯抄
読みきれぬ本を抱きて睦月過ぐ 立岩利夫
越中の日和続かぬ睦月かな 藤井寿江子
身延山雲靆く町の睦月かな 飯田蛇笏 春蘭
酒ほがひ倦みつかれたる睦月かな 飯田蛇笏 山廬集
野も山も神の灯ともる睦月かな 新海非風



以上
by 575fudemakase | 2014-01-14 10:37 | 新年の季語 | Trackback | Comments(0)


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《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
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グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
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[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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