2018年 10月 10日 ( 9 )

菊の傍題 の俳句

菊の傍題 の俳句
【白菊】【黄菊】【黄菊白菊】【小菊】【菊畑】【菊の香】【菊日和】【菊師】
【白菊】
【黄菊】
【黄菊白菊】
【小菊】
【菊畑】
【菊の香】
【菊日和】
【菊師】

by 575fudemakase | 2018-10-10 16:41 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)

【黄菊白菊】

【黄菊白菊】

黄菊白菊お六の像は厨子の中 山口青邨
黄菊白菊そのほかの名はなくもがな 服部 嵐雪
黄菊白菊その外の名はなくもがな 嵐雪 其袋
黄菊白菊その外はなくもがな 服部嵐雪
黄菊白菊てんぷら揚がる市場の中 穴井太 土語
黄菊白菊一もとは赤もあらまほし 正岡子規 菊
黄菊白菊皆枯草の姿かな 正岡子規 枯菊
黄菊白菊柿赤くして澁し 正岡子規 柿
黄菊白菊菊作者いま白に触れ 橋本多佳子
黄菊白菊稽古の果ては供華とせり 中嶋秀子
黄菊白菊雑然と咲き我が家なる 金子麒麟草
黄菊白菊自前の呼吸すぐあへぐ 石田波郷
黄菊白菊酒中の天地貧ならず 夏目漱石 明治二十八年
黄菊白菊相倚るごとき墓二つ 小澤碧童 碧童句集
黄菊白菊其の外の名はなくもがな 服部嵐雪
黄菊白菊其外の名はなくもがな 嵐 雪
黄菊白菊其外の名は無くもがな 嵐雪
黄菊白菊茶室は声を裹みたり 鍵和田[ゆう]子 浮標
黄菊白菊通夜の盃をんなにも 寒食 星野麥丘人
黄菊白菊俳諧仏となり給ふ 中川宋淵
黄菊白菊鞐もうすき女足袋 石川桂郎 含羞
我庵や黄菊白菊それもなし 正岡子規 菊
絵に書くは黄菊白菊に限りけり 正岡子規
垣の根の黄菊白菊ちびけたる 寺田寅彦
忌ふたつ黄菊白菊手向くべし 福田蓼汀 山火
近海を黄菊白菊遠ざかる 宇多喜代子
月もあり黄菊白菊暮るゝ秋 暮の秋 正岡子規
山寺や黄菊白菊皆膾 野村喜舟
数へ日の黄菊白菊布団柄 森澄雄
生け捕りの黄菊白菊あたかかし 大西泰世
喪の花の黄菊白菊闌けてあはれ 日野草城
髪に挿す黄菊白菊にほへども狂はねば告げ得ざらむこころ 藤井常世
父の忌の黄菊白菊朝日充ち 伊東宏晃
面白う黄菊白菊咲きやたな 正岡子規 菊
嵐雪が黄菊白菊庵貧し 正岡子規 菊
嵐雪の黄菊白菊庵貧し 正岡子規 菊
繪に書くは黄菊白菊に限りけり 正岡子規 菊

by 575fudemakase | 2018-10-10 16:30 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)

【小菊】

【小菊】

お十夜の小菊嗅がれて買はれけり 高澤良一 ねずみのこまくら
ぎつしりと小菊つつみし新聞紙 京極杞陽 くくたち上巻
きらきらと山羊に小菊がこゑかけて 飯田龍太
くれといへはしたゝかくれし小菊哉 正岡子規 菊
これが一茶の土蔵か既に雪おく枯れ小菊 橋本夢道 無類の妻
さりげなき小菊の白や十三夜 野村喜舟 小石川
しぐるゝや地を這ひ咲ける小菊の黄 大場白水郎 散木集
たむけばや霜の小菊のひたしもの 梢風尼
どの路地も小菊咲かせて不景気ね 菖蒲あや
なほ残る小菊さし替へ一葉忌 立花豊子
はら~と気の楽さうな小菊哉 雪芝
ひえびえと海に色ある小菊かな 藺草慶子
ひとさをは河東にぬめる小菊かな 加藤郁乎 江戸桜
ほどほどに生きて小菊に囲まるる 松本進
もののうれし小菊の莟鳥の声 正岡子規
ものゝうれし小菊の莟鳥の聲 正岡子規 菊
ゆふべ来てわれらささぐる玉小菊 山口青邨
わざくれに小菊買けり霄薬師 几董
暗澹と小菊むらがる夕日かな 草間時彦
伊師浜の鵜捕切戸の磯小菊 石原八束
一鉢にしてこぞり立つ小菊かな 藺草慶子
一分も酸素外さず夏小菊 石田波郷
一葉忌小菊に庭をゆだねけり 鈴木真砂女 夏帯
雨に伏す小菊曼陀羅の中のわれ 山口青邨
浦山に砂のかよひ路霜小菊 上田五千石『風景』補遺
下谷黒門町地鶏屋の小菊かな 大木孝子
家妻に小菊咲きたり常(とこ)めずら 松本たかし
家妻のあはれつましき小菊咲く 松本たかし
家毎に咲いて明るし小菊むら 杉田久女
花時計六時の小菊濡れてをり 早川志津子
垣朽ちて小菊枯れたり妹が家 正岡子規 枯菊
刈上や小菊上げたる仏さま 高野素十
寒紅や小菊にぬぐふくすり指 星野麦人
旗汚れ垣は頽れて小菊かな 正岡子規 菊
去る人と知らず小菊に文を書く 長谷川かな女 雨 月
玉あられ小菊の綿がこぼれける 土芳
近松をまつりし小菊のこりけり 水原秋桜子
金色の小菊入りぬ枯葎 耕衣
君は今小菊のもとにくるみ焼き 阿部みどり女
月待や外の小菊のわかれまで 怒風
糠のごと小菊が咲きて灸寺 宮津昭彦
菜に混ぜて小菊商ふ嵯峨の口 飴山實
作り~作らぬ誇る小菊かな 幸田露伴 拾遺
三錢と札の付いたる小菊哉 正岡子規 菊
山下りて黄小菊に夕はつきりす 細見綾子
姉だけに小菊の中に残るかや 娘-いち 俳諧撰集玉藻集
師の庭も小菊乱れて気易けれ 殿村莵絲子 花 季
死者の家昨日の小菊に昨日の虻 林翔 和紙
試歩疲れ小菊のつぼみ金色に 鍵和田[ゆう]子 浮標
蒔絵師に冬の小菊を誰か挿す 黒田杏子 水の扉
蛇笏忌や振つて小菊のしづく切り 飯田龍太
手向ばや霜の小菊のしたしみの 梢風尼
春寒やきざみ鋭き小菊の芽 杉田久女
春寒や刻み鋭き小菊の芽 杉田久女
書きゐつつ白き小菊とともにあり 篠原梵 年々去来の花 皿
小菊いま芳紀のいろの花ざかり 飯田龍太
小菊にも埋もれがちの遺影なる 山田弘子 こぶし坂
小菊黄に桑名十里の道しるべ 角川源義
小菊咲く母の小さな庭なりし 星野 椿
小菊畑つい後手になりゐたる 飯島晴子
小菊剪る直なるはなき短かさよ 遠藤 はつ
松を伐てうれし小菊に旭のあたる 正岡子規 菊
照葉して小菊の気品定まれり 及川貞
剰し挿すコップの小菊身に親し 篠田悌二郎 風雪前
心すぐに妻子にもどる霜小菊 能村登四郎
心愉し菊のなかなる小菊買ふ 福永耕二
心愉し傷のなかなる小菊買ふ 耕二
新酒賣る家は小菊の莟かな 正岡子規 新酒
身ひとつの海女の家路に夏小菊 下田稔
水洟や小菊清らに押しもあて 野村喜舟
水洟をかむたくさんの小菊紙かな 日野草城
瀬波より白き小菊や鵜の供養 辻恵美子
生きのこる小菊も吾も何恃む 杉山岳陽 晩婚
霜いたみ少しも見せず黄の小菊 右城暮石 句集外 昭和十年
霜の小菊に鶏鳴はあとかたもなし 飯田龍太
大菊に吾は小菊を愛すかな 正岡子規 菊
男なり小菊ながらも白を咲く 正岡子規 菊
仲見世に小菊の塵や菊供養 桑原志朗
猪口才や忍者の小菊宙に咲き 秋元不死男
朝市の花屋の小菊よく売れる 岡本眸
朝霧や奈良阪下る小菊賣 正岡子規 菊
天長節小菊結びて轅かな 村上鬼城
土砂積みの車輛が唸る小菊垣 佐藤鬼房
冬枯の中に小菊の赤さかな 冬枯 正岡子規
冬小菊黄菊植松豆腐店 星野麥丘人
冬小菊海照らふ日の海人の家 篠田悌二郎
冬小菊祝ぎの百花の手に重し 石田あき子
湯の山の村村おなじ小菊かな 泉鏡花
道ばたに伏して小菊の情あり 風生
日あたりて冬をさかりの小菊かな 渡辺 光子
日でりどし伏水の小菊もらひけり 蕪村 秋之部 ■ 十三夜の月を賞することは、我日のもとの風流也けり
富士の雲散つて裾野の小菊かな 幸田露伴 拾遺
父の忌や掴み挿したる冬小菊 山田みづえ 忘
仏前や婆が小菊のくそつかみ 尾崎紅葉
母が活けし菊に小菊を挿しそへぬ 三橋鷹女
母捨てしごとく死なしめ夏小菊 八田木枯
墨東や萩も小菊も箱づくり 角川照子
妹が垣伏見の小菊根分けり 村上鬼城
門川の橋に小菊の鉢おいて 山口青邨
野分して葎の中の小菊哉 正岡子規 菊
露団々小菊を跨ぎ過たず 林原耒井 蜩
藁屋根の雫に痩する小菊哉 正岡子規 菊
犇き咲く小菊よ妻は癒えしなり 草間時彦 中年
簇れ伏して露いつぱいの小菊かな 杉田久女

by 575fudemakase | 2018-10-10 16:29 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)

【菊畑】

【菊畑】

あきつ羽の光りつめたし菊畠 内藤吐天
あさましき桃の落葉よ菊畠 蕪村 秋之部 ■ 菊に古笠を覆たる畫に
うづくまる女ばかりよ菊畑 宮坂静生 雹
おばさんを先生にして菊作り 高澤良一 石鏡
おもひ出て菊作りけりことしより 露印
かかるのは手間のみ「如何菊作り」 高澤良一 燕音
かの世でも菊作りして過ごされよ 大井戸辿
きのふけふ鴨湧く空や菊作り 菊地一雄
きよらかな井のふか~と菊畠 日野草城
けふに成て草臥(くたびれ)おかし菊作り 千代尼
けふに成て草臥おかし菊作り 千代尼
この暗き坂の途中の菊作り 永末恵子
したたかに生きて母似の菊づくり つじ加代子
すてた餌に鶏もとる菊畠 正岡子規 菊
そろそろと菊畑らしきいろのかず 鷲谷七菜子 天鼓
ためらはず歩は向いてをり菊畑 菅家瑞正
つと入は節供にも有菊畠 中川乙由
どの家も多少多少や菊畑 是木 二楽
まいた餌に鶏もどる菊畠 正岡子規 菊
みな持てる詩人の首よ菊畠 斎藤玄 狩眼
みほとけに菊畑のこす年用意 山田孝子
よべの虫生きて明るし菊畑 碧雲居句集 大谷碧雲居
ろくろ師の木屑掃き出す菊畠 冨田みのる
異人館通りに老いて菊作り 山田弘子 懐
一月の菊畑つづく当麻みち 南部憲吉
雨ながらさすがあかるし菊畠 土芳
浦風や砂ふきかくる菊畠 万子
雲間より降り注ぐ日は菊畠に 杉田久女
雲渉り老いの匂いの菊畑 寺井谷子
炎帝の下に盾並め菊作り 齋藤玄 飛雪
黄昏のうつすらとのる菊畑 蓬田紀枝子
我としを花にたしけり菊作り 小西来山
芥焼く朝のけむりや菊畠 河野静雲 閻魔
丸太木を池に残菊畠かな 右城暮石 句集外 昭和九年
岩木山菊畑より聳えけり 増田手古奈
顔痩せて花肥やしたり菊作り 李由 九 月 月別句集「韻塞」
顔痩て花肥したり菊作り 李由
菊作りひとりたのしむ胸の内 高澤良一 宿好
菊作り一途に生きて美しく 田辺粧洋
菊作り菊に倦みふとみまかりぬ 林原耒井 蜩
菊作り教室の菊人集め 高澤良一 燕音
菊作り仕へ老いたる僕かな 小原菁々子
菊作り子に叮嚀におしへけり 三宅嘯山
菊作り答えがでると勧めをり 高澤良一 燕音
菊作り読本仕立てに難易度付し 高澤良一 石鏡
菊作り汝ハ菊の奴かな 蕪村 秋之部 ■ 菊に古笠を覆たる畫に
菊作り門札見れば左京かな 夏目漱石 明治四十三年
菊作り顏に疱瘡のある男なり 正岡子規 菊
菊畑おくある霧のくもり哉 杉風
菊畑にたゝづみをれば銃の音 大橋櫻坡子 雨月
菊畑にのこる星あり後の月 横井也有 蘿葉集
菊畑に影と聳ちたる大江山 鷲谷七菜子 天鼓
菊畑に何の響や山の寺 長谷川零余子
菊畑に菊剪る姥や浄妙寺 松本たかし
菊畑に手鞠はひりぬ菊にほふ 山口青邨
菊畑に水引き入るる鬼貫忌 岡井省二 鹿野
菊畑に欅の落葉はじまりぬ 清崎敏郎
菊畑のラジオが報ず正午かな 鈴木鷹夫 春の門
菊畑の人に近づくその妻か 鈴木鷹夫 風の祭
菊畑の大きく傾ぎたるに住む 岡井省二 有時
菊畑の日輪霜をはなれけり 飯田龍太
菊畑の夜霧にも言ひそびれける 日野草城
菊畑へ物申とゞく節供かな 中川乙由
菊畑も暮れぬ雲より寒さくだる 千代田葛彦 旅人木
菊畑やけふ目に見ゆる足の跡 千代尼
菊畑や床に久しき具足櫃 杉風
菊畑や大空菊の気騰る 飯田蛇笏
菊畑や竹田の里の生薬屋 窪田桂堂
菊畑や暮れのこる白のところ~ 森鴎外
菊畑や夢に彳(たたず)むむ八日の夜 千代尼
菊畑や夢に彳む八日の夜 千代尼
菊畑や隣りは紅の摘残り 千代女
菊畑をかたづけてゐる烟かな 岡井省二 山色
菊畑見かけ奥羽路北上す 星野立子
菊畑笑ひて人の誠かな 岡井省二 鹿野
菊畑先へ進むは亭主かな 正秀
菊畠にわつと薄暮の嵩の殖ゆ 藤村克明
菊畠に干竿躍りおちにけり 杉田久女
菊畠に式の子散りぬ明治節 阿部みどり女
菊畠に髪置の子を歩かせし 長谷川かな女
菊畠や大空へ菊の気騰る 飯田蛇笏 山廬集
菊畠奥ある霧の曇りかな 杉風
菊畠晴れて夜の山裾ひきぬ 石原舟月 山鵲
菊畠南の山は上野なり 正岡子規 菊
泣きしあとの心すが~し菊畠 杉田久女
去ん候これは名もなき菊作り 夏目漱石 明治二十八年
月代に霧ながれをり菊畠 石原舟月
見通しに菊作りけりな問れがほ 炭太祇
紅ミうらや今七寸の菊作り 野坡
荒星を風が磨くよ菊づくり 大木あまり 火のいろに
今様の花形を説や菊づくり 三宅嘯山
咲分の根も一つ也菊畑 荷兮
傘添へにゆく暮れ方の菊畑 加藤 耕子
山の日が一尺とびぬ菊畑 萩原麦草 麦嵐
山々や友なりはひの菊畑に 及川貞 榧の實
山入りも数ふるほどに菊作り 宇佐美魚目 天地存問
姉が目の敵に菊畑の斑雪 塚本邦雄 甘露
寺近く住みなりはひの菊作り 村上喜代子
柴の戸や暖簾にあまる菊畠 素行
手向には何をかれたる菊畠 魚日
小菊畑つい後手になりゐたる 飯島晴子
鐘ひとつ撞いてきたりし菊畑 関戸靖子
千仏も一仏よりぞ菊づくり 秋之坊
霜月や日ごとにうとき菊畑 高浜虚子
太古の粥のあるじや菊作り 野坡
大家に住やこゝろの菊づくり 露川
単線のホームに駅長菊作り 内海節代
通らせてもらふ小春の菊畠 上田五千石 琥珀
摘み移る日かげあまねし菊畠 杉田久女
田の色の平群に多き菊畠 森澄雄
灯移りを妻子に見せつ菊畠 三宅嘯山
徳利のかけも有べし菊畑 荷兮
日の柱立ちて動かぬ菊畑 斎藤玄 玄
廃れたる海苔粗朶裏の菊作り 能村登四郎
背の高き菊作りけり松の露 田川鳳朗
八十の翁なりけり菊作り 正岡子規 菊
斑鳩や菊焚いてゐる菊畑 角川春樹
晩晴をけふの奢りに菊畑 鷹羽狩行
浮気なる一年好きや菊畑 許六
褒めあうて競ひ合ひをり菊づくり 市川敏雄
万蕾のことごとく露菊畑 岡本眸
霧見えて暮るゝはやさよ菊畑 汀女
霧見えて暮るる早さよ菊畑 中村汀女
名に持て月もはいるや菊畠 土芳
夜長びと濤のごとくに菊づくり 宇佐美魚目 天地存問
夕づつやわけても艶に菊畑 手塚美佐
夕影のいつ濃くなりし菊畑 中村苑子
夕凪や菊畑の人ものをいふ 有風
落し文菊畑照るに出でにけり 岡井省二 鹿野
老医師の菊作りして休診日 添野光子
颱風のあとの菊畑匂ひ立つ 日野草城

by 575fudemakase | 2018-10-10 16:28 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)

【菊の香】

【菊の香】

この人に充ち白菊の香に発す 加藤秋邨
どこもかも菊の香オリンピアドとて 石塚友二 曠日
ともすれば菊の香寒し病上り 松窓乙二
みほとけの白菊にほの立たせける 伊丹三樹彦
闇にただよふ菊の香三十路近づきくる 中嶋秀子
雨風や菊の香うちへ皆はいる 桜井梅室
運ばれて百菊の香の駅となる 山田弘子 こぶし坂
影待や菊の香のする豆腐串 松尾芭蕉
火のはしるより枯菊の香に立てる 大橋敦子
花に月に雪にわけては菊の香に 正岡子規 菊
寒むけれど菊匂ふ壷を前うしろ 臼田亞浪 定本亜浪句集
寒菊の香を守り来て二十年 水原秋櫻子 殉教
帰来て菊の香に在るしばし哉(帰庵) 石井露月
起こさずば残菊匂はずにすみし 加倉井秋を 『真名井』
起さずば残菊匂はずにすみし 加倉井秋を
菊どきは菊の香ばかり仏の間 角川 照子
菊の香とふるし表具の一文字 露川
菊の香にあらためてしや月夜ざし 鈴木道彦
菊の香にありしんしんと夜の深さ 岸風三楼 往来
菊の香にあるだけの椅子並べ置く 田島星景子
菊の香にある吉凶の記憶かな 右城暮石 散歩圏
菊の香にうもれて瞼伏せにけり 松村蒼石 寒鶯抄
菊の香にえびは一、二度反りあがる 松本恭子 二つのレモン 以後
菊の香にくもりくも九日かな 除風
菊の香にくらがり登る節句かな 松尾芭蕉
菊の香にこゝろかよわくひとを呼ぶ 中尾白雨 中尾白雨句集
菊の香にさすが山路の雪踏哉 嵐雪
菊の香にしたしみの眸つぶやける 石原舟月 山鵲
菊の香になくや山家の古上戸 北枝 俳諧撰集「有磯海」
菊の香にもまれてねばや浜庇 向井去来
菊の香にやすんずるまもなきまくら 飯田蛇笏 家郷の霧
菊の香に一坐しばらく黙りけり 桜井梅室
菊の香に羽織の紐をむすびけり 田中冬二 麦ほこり
菊の香に寄りてかたむく鼻やさし 日野草城
菊の香に今朝あらはるゝ下戸の当 怒風
菊の香に山路は嬉し病あがり 支考
菊の香に始終を細目菊売りは 能村登四郎
菊の香に鳩も硯の水添へり 仙化
菊の香に夫を想ひて昼しづけき 桂信子 月光抄
菊の香に風炉すさまじき数寄屋哉 浪化
菊の香に鳰も硯の水添ん 嵐雪
菊の香のくらき仏に灯を献ず 杉田久女
菊の香のくらき佛に灯を献ず 杉田久女
菊の香のしづめ課せし埃り哉 田川鳳朗
菊の香のそゞろなる間へ通さるゝ 日野草城
菊の香のにがく晴れたり一茶の忌 鳥居おさむ
菊の香のはやみ仏の吾子拝む 田淵ひで 『木椅子』
菊の香のひとつを残すにほひかな 上島鬼貫
菊の香のまださめやらで月の庭 芦角
菊の香のまつすぐ立てり北斗立つ 加藤秋邨
菊の香のわけて身に入む嵐雪忌 服部嵐翠
菊の香の闇ふかければ眠るなり きくの
菊の香の闇や秘仏の曲線見ゆ 加藤知世子 花寂び
菊の香の身におのづからそひ来なる 久保田万太郎 流寓抄以後
菊の香の身に移されし芸すこし 松本たかし
菊の香の大顔見世となりにけり 水原秋櫻子 餘生
菊の香の朝や節供のあら莚 素覧
菊の香の堂の金色われをつつむ 加藤知世子
菊の香の匂ひのぼるや椴の末 卓袋
菊の香の夜の扉に合掌す 高野素十
菊の香の髯に薫する翁かな 尾崎紅葉
菊の香も市のへだてや下地窓 松岡青蘿
菊の香やあたたかきもの參らせてむ 日夏耿之介 婆羅門俳諧
菊の香やぎくりと懸かる河童図 石田波郷
菊の香やたぶさよごれぬ箙さし 其角
菊の香やつれなくだまる障子骨 野紅
菊の香やならには古き仏達 松尾芭蕉
菊の香やひとつ葉をかく手先にも 炭太祇
菊の香やふるき難波の呑手共 千川
菊の香やみほとけをまのあたりにて 伊丹三樹彦
菊の香やめがねはづして睡るとき 渡邊白泉
菊の香ややれ誰やらがうしろ影 唯次妻 俳諧撰集玉藻集
菊の香や一間したゝか唐めかす 尾崎紅葉
菊の香や一葉世代の母なりき 横山康子
菊の香や雲井に近き朝朗 正岡子規 菊
菊の香や何かにうつる小盃 桃妖
菊の香や何も映らず夜の鏡 中村汀女
菊の香や加賀の鶴来の板庇 栗田やすし
菊の香や花屋が灯むせぶ程 炭太祇
菊の香や花売が身の袂にも 黒柳召波 春泥句集
菊の香や垣の裾にも貴船菊 水原秋桜子
菊の香や観音経は誰も誦し 野村喜舟 小石川
菊の香や幾鉢置いて南縁 夏目漱石 明治四十三年
菊の香や亀の卵も見たあたり寥松
菊の香や鶏の声張る平群谷 中御門あや
菊の香や月夜ながらに冬に入る 正岡子規 立冬
菊の香や見ればゆかりの袖と袖 りん女
菊の香や古人のごとく山を観る 徳永山冬子
菊の香や故郷遠き国ながら 夏目漱石 明治二十八年
菊の香や吾子の瞳に菊うつり 杉山岳陽 晩婚
菊の香や御器も其の僅宵の鍋 支考 俳諧撰集「藤の実」
菊の香や御器も其儘宵の鍋 支考
菊の香や紅裏見ゆる繩簾 吾仲
菊の香や座の定て糸仕事 朱拙
菊の香や妻と子と孫と碑のまえに 浅原六朗 紅鱒群
菊の香や桜は文で申べし 風国
菊の香や山路の旅籠奇麗也 炭太祇
菊の香や思ひにからむセレナード 日野草城
菊の香や指しなやかに伎芸天 西脇妙子
菊の香や慈悲の手ながき観世音 島田万紀子
菊の香や持古したる杖の色 木導
菊の香や酒に薬の呑ごゝろ 舎羅
菊の香や十日の朝のめしの前 黒柳召波 春泥句集
菊の香や初心を以て貴しと 桂信子 花影
菊の香や食にも茶にも井戸一つ 許六
菊の香や親子三人が亨けし氏 米沢吾亦紅 童顔
菊の香や厨子をひらきて鬼子母神 百合山羽公 春園
菊の香や水音もする垣の白 桜井梅室
菊の香や静かに暮るる能舞台 中村智子
菊の香や騒人常に苦味の中 中村草田男
菊の香や太古のままに朝日影 飯田蛇笏 山廬集
菊の香や只三人に夜の更くる 正岡子規 菊
菊の香や茶に押し合ふもこの日より 千代尼
菊の香や茶に押合ふも此日より 千代尼
菊の香や鶴はしづかに相よれる 水原秋櫻子 新樹
菊の香や庭にきれたる沓の底 ばせを 芭蕉庵小文庫
菊の香や庭に切れたる靴の底 松尾芭蕉
菊の香や灯めぐる竹のおく 井上士朗
菊の香や灯もるる観世音 高野素十
菊の香や灯もるゝ観世音 高野素十
菊の香や踏切小屋の赫きに 野村喜舟 小石川
菊の香や奈良には古き仏たち 松尾芭蕉
菊の香や奈良は幾世の男ぶり 松尾芭蕉
菊の香や日待ち明け行く橡の先 ぜぜ-探芝 俳諧撰集「藤の実」
菊の香や日待明行椽の先 探志
菊の香や芭蕉の襤褸(つづれ)金色に 川端茅舎
菊の香や芭蕉をまつる燭ひとつ 水原秋櫻子 晩華
菊の香や盃なりに大江山 りん女
菊の香や白粉の香や酒五合 尾崎紅葉
菊の香や鼻からぬけて露時雨 吾仲
菊の香や瓶より余る水に迄 其角
菊の香や父の屍へささやく母 草間時彦 中年
菊の香や風漸々に窓の破 路健
菊の香や鮒の魚拓のまだ濡れて 水原秋櫻子 霜林
菊の香や母をたたへし書の重み 稲垣光子 『絵付筆』
菊の香や民生れ増しつしかも彦 石塚友二 方寸虚実
菊の香や命惜しみしまでにして 石田波郷
菊の香や木隠れ墓の捨聖 角川源義
菊の香や裏をつけたるひとへもの 日野草城
菊の香や旅の姿を乾する 凉菟
菊の香や旅籠の主帯刀を 山口青邨
菊の香や陵王の舞強く軽く 林翔
菊の香や淋しき奥に銭の音 嵐青
菊の香や礼のかへしを小短冊 舎羅
菊の香や連舞の手の良く合ひて 足立靖子 『梨花』
菊の香や露と雫は替りけり 芙雀
菊の香や麓の里のそここゝに 尾崎迷堂 孤輪
菊の香や鬚ある人の思はるゝ 正岡子規 菊
菊の香よ露のひかりよ文化の日 久保田万太郎
菊の香をかゝえて残る九月哉 李由
菊の香をまとひて男児生まれけり 今泉貞鳳
菊の香をもてしづめたる硯哉 夏目成美
菊の香をやや遠ざけて消燈す 石田波郷
菊の香を扇に汲むで山路かな 支考
菊の鉢提げて菊の香のぼりくる 蓬田紀枝子
菊衣替へ菊の香も著せ替ふる 恩地れい子
菊匂う深きより水湧くごとく 橋閒石 微光
菊匂ひ或は秋刀魚輝けり 相生垣瓜人 明治草
菊匂ひ石鹸匂ひ洗面所 波多野爽波 鋪道の花
菊匂ふ深きより水湧くごとく 橋間石
菊匂ふ大往生といふ今宵 赤尾恵以
菊匂ふ白鮫着せの飾太刀 中戸川朝人 尋声
菊匂ふ夜の静けさを病臥せり 青山緑葉
菊畑に手鞠はひりぬ菊にほふ 山口青邨
枯れてなほ焚けば菊の香たしかなる 千原 叡子
枯菊の香を愛しともむなしとも 西島麦南
講堂に菊の香満ちて君が代や 寺田寅彦
今生の白菊にほふ別れかな 佐藤国夫
山里を行きつゝ菊の香に触れぬ 石橋辰之助 山暦
小雨して小袖に菊の香をしたむ 正岡子規 菊
埴輪観る画廊は菊の香に満てり 西島麦南 人音
新米に菊の香もあれ小六月 正岡子規 小六月
身うごけば菊の香のして忌に籠る 下田実花
人隔て菊の香隔てられぬ垣 一宮十鳩
生て世に菜汁菊の香目に月夜 支考
谷ふかく残菊匂ふ在所かな 幽軒
乳児の力ぐいぐい闇に菊の香あり 加藤知世子
猫の瞳の奥より菊の香のすなり 後藤眞吉
白菊にほのと黄のさす日和かな 鷹羽狩行
白菊の香りを高く逝かれけり 川崎展宏 冬
髪に挿す黄菊白菊にほへども狂はねば告げ得ざらむこころ 藤井常世
筆擱けば真夜の白菊匂ひけり 日野草城
百菊の香をあつめてや後の月 洒堂
仏壇の十日の菊の香かな 蝶夢
暮るるまで菊活け菊の香に眠る 古賀まり子 降誕歌
末弟子菊の香およぶ果にあり 能村登四郎
霧の香のなかの菊の香一葉忌 飯田龍太
夜に入れば白菊の香の虚空より 飯田龍太
俤は菊の香深き墨絵かな 除風
檜の香は白菊の香よ木倉冷ゆ 松崎鉄之介
鼈甲の帆船すすむ菊の香に 山口青邨

by 575fudemakase | 2018-10-10 16:27 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)

【菊日和】

【菊日和】

いつしかに入り来し墓地の菊日和 森田峠
かざしみる眼鏡に汚れ菊日和 高澤良一 素抱
かち渡る杣のしぶきや菊日和 大峯あきら 鳥道
ざわめける廻転寿しや菊日和 長田美智子
その母の裲襠(うちかけ)似会ふ菊日和 水原秋櫻子 緑雲
つぎつぎに風が木を出て菊日和 飯田龍太 遅速
つくばひをうつ鶺鴒や菊日和 水原秋櫻子 磐梯
なかなかにもちこたへゐし菊日和 後藤比奈夫
まなじりのやさしき皺や菊日和 松永美重子
まゝごとの姉妹の静か菊日和 石井とし夫
みどり子の覚めては眠る菊日和 大峯あきら 宇宙塵
ものの蔭に貧苦ひそめり菊日和 成瀬桜桃子
よき便り立ち読む庭や菊日和 伊東麦秀
レーダーに応ふる船や菊日和 中村汀女
ロートレツク見し目を解きて菊日和 稲畑汀子 春光
わが為の菊日和とも思はるゝ 高浜年尾
阿波木偶の錦繍纏ふ菊日和 堀北久子
安達太良の応えつづける菊日和 山本貫志
胃カメラがするりと通る菊日和 吉沢野露
医王山朝日下り来て菊日和 水原秋櫻子 玄魚
一戸も日当らぬはなく菊日和 鷹羽狩行
一村は南部曲り屋菊日和 三船魯帆
一姫二太郎菊日和なる蝶もふたつ 花田春兆
一本を活けて厠も菊日和 鷹羽狩行
一万円借りて返すや菊日和 星野麥丘人 2002年
蔭あれば蔭に入りたし菊日和 品川鈴子
浦安の俄出水や菊日和 水原秋櫻子 晩華
浦安の鯊もしまひの菊日和 清崎敏郎
嬰児を抱かせてもらふ菊日和 滝 志げ子
園丁の仰臥を許す菊日和 品川鈴子
縁の日のふたたび嬉し菊日和 杉田久女
遠きゆゑ会釈を深く菊日和 鷹羽狩行
奥の間のはや暮れかかり菊日和 大峯あきら 宇宙塵
音白く聖書をめくり菊日和 上田五千石 風景
下駄にのる踵小さし菊日和 鈴木真砂女
下駄に乗る踵小さし菊日和 鈴木真砂女
花はみな四方に贈りて菊日和 宮沢賢治
花嫁が来しと駈けだす菊日和 永方裕子
我に又別の世ひらけ菊日和 深川正一郎
我のみの菊日和とはゆめ思はじ 高浜虚子
海見ゆる簷の炊煙菊日和 石原舟月 山鵲
海道を一碧として菊日和 百合山羽公 故園
廓外に楽市楽座菊日和 多々良敬子
鰍沢も市川大門も菊日和 田中冬二 麦ほこり
割れし石いつまで尖る菊日和 中村草田男
干すものに知らるる貧富菊日和 成瀬桜桃子 風色
棺の中物音もなし菊日和 原裕
顔みせに初孫の来る菊日和 詫摩まつ子 『卒寿』
菊の蜂部屋をめぐりて菊日和 阿部みどり女
菊守のごとくたたずみ菊日和 鷹羽狩行
菊日和 欠伸の涙のごわずに 伊丹三樹彦
菊日和いづこにゆくも子が重荷 福永耕二
菊日和いねて寝不足をとりかへす 水原秋櫻子 霜林
菊日和いろのさめたる小風呂敷 長谷川櫂 古志
菊日和かくあるべしと今日を待ち 高濱年尾 年尾句集
菊日和かさねてさらに菊月夜 水原秋櫻子 餘生
菊日和がらんと昆虫標本館 右城暮石 一芸
菊日和くづれさうなる虻となる 後藤比奈夫
菊日和この朝明の老のこと 中村汀女
菊日和ゴルフに夫を捕られまじ 水野由美子
菊日和さらに蜂鳥日和かな 加藤耕子
菊日和シヤベルは砂利を掻鳴す 川端茅舎
菊日和たまたま箒売も来て 安住敦
菊日和なくて菊咲月の過ぐ 鷹羽狩行
菊日和また稲架日和じりじりと 石塚友二
菊日和もぐらの道は直ならず 鷹羽狩行
菊日和らくだの瘤に亡娘をのせむ 角川源義
菊日和虻の饗宴蜂の饗宴 高浜虚子
菊日和虻連れ立ちて来たるかな 高田風人子
菊日和羽織をぬいで縁に腰 大橋櫻坡子 雨月
菊日和縁に百姓野に百姓 橋本鶏二 年輪
菊日和嫁ぐ子の髪結ひじまい 花田みすず
菊日和菊人形は燈をもらひ 八染藍子
菊日和空に小旗のあるやうな 柿本多映
菊日和靴下の穴見えたかな 永末恵子 留守
菊日和獄出しひとの言葉しづか 伊丹三樹彦
菊日和師のてのひらの日をおもふ 千手 和子
菊日和死ね死ぬ死なぬ女なり 高澤晶子 純愛
菊日和出戻り患者にまた逢へり 角川源義
菊日和書塾の子らの行儀よく 山口青邨
菊日和浄明寺さま話好き 松本たかし
菊日和身にまく帯の長きかな 鈴木真砂女
菊日和人生百か二十五か 攝津幸彦 鹿々集
菊日和生くるとは残さるること 渡邊千枝子
菊日和祖師の門前煎餅買ふ 山口青邨
菊日和大なめくぢのまかり出づ 和田耕三郎
菊日和天皇(すめろぎ)幸く在せ民と 日野草城
菊日和塗抹無菌と告げにくる 角川源義
菊日和働きて杼に艶加ふ 加倉井秋を
菊日和道を放射に環状に 川端茅舎
菊日和奈良の最中を貰ひたる 高澤良一 石鏡
菊日和猫がわづかなものを吐く 鈴木鷹夫 春の門
菊日和馬は直ちに汗に濡れ 中村汀女
菊日和拍手の中に男ゐる 菅原鬨也
菊日和美しき人にばかり逢ふ 松原地蔵尊
菊日和美しき日を鏤めぬ 星野立子
菊日和暮れてすなはち菊月夜 福田蓼汀
菊日和夜はまどかなる月照りぬ 水原秋櫻子 古鏡
菊日和夜は満月をかかげけり 富安風生
菊日和夕さむくして鶴鳴けり 水原秋櫻子 新樹
菊日和羅漢福耳もてあます 河野南畦 湖の森
吉日をえらむ弘めや菊日和 永井荷風
牛市へ出す牛磨く菊日和 阪上史琅
金婚の鯛の骨抜く菊日和 藤田トヨ
吟味して刃物買ひけり菊日和 鈴木真砂女
銀翼に鵯の谺や菊日和 川端茅舎
銀翼の光飛び末ぬ菊日和 川端茅舎
軍鶏の貌朱に爛れたり菊日和 水原秋櫻子 残鐘
鶏鳴のしはがれてゐる菊日和 山本洋子
見事なるはたはた下りぬ菊日和 水原秋櫻子 蘆雁以後
古書店に父の書披く菊日和 水原春郎
古利根も見ゆ門の菊日和かな 古郷
枯れたるをとりあへず焚き菊日和 鷹羽狩行
五島より杜氏の来たる菊日和 岡村武子
御机といふ山里や菊日和 阿波野青畝
御空より発止と鵙や菊日和 川端茅舎
御空より発矢と鵙や菊日和 川端茅舎
工夫らの藥鑵の大き菊日和 原田青児
校倉の壁に日の差す菊日和 井上けい子
国原や到るところの菊日和 日野草城
彩廟の南庭にして菊日和 千代田葛彦 旅人木
歳時記の師の句友の句菊日和 藤谷十三子
雑菊に足るべき我の菊日和 相生垣瓜人 負暄
山に開く土蔵の小窓菊日和 福田蓼汀 山火
山国の残菊日和惜みつつ 福田蓼汀 山火
残菊に残菊日和贈られし 相生垣瓜人 負暄
残菊の刻のゆくまま菊日和 斎藤玄 雁道
四五日の旅行く妻に菊日和 石塚友二
師若く弟子ら老いたり菊日和 相馬遷子 雪嶺
紙を干す山家のわざも菊日和 水原秋櫻子 霜林
時計巻く音の庫裡より菊日和 田中英子
自分史の海にすとんと菊日和 岩田柳堂
手のひらのわづかな日さへ菊日和 水原秋櫻子 蘆雁以後
珠と受く医師のひと言菊日和 島村久枝 『矢作古川』
種子島雲と伏しゐる菊日和 米谷静二
祝ぎごとの大皿を出す菊日和 朝倉和江
少し離れて歩み共にす菊日和 嶋田麻紀
乗鞍はもつとも近し菊日和 山口青邨
杖の老爺 五六歩止まり 菊日和 伊丹三樹彦
真珠採る沖島かけて菊日和 水原秋櫻子 玄魚
真綿ひく祖母に手を貸す菊日和 古賀まり子 降誕歌
正しくは黄菊日和と云ふらしも 相生垣瓜人 負暄
正装は妻を寡黙に菊日和 廣井國治
石垣の家のいづこも菊日和 鷹羽狩行
赤子地に降せば歩む菊日和 伊丹さち子
洗濯にふやけし指や菊日和 鈴木真砂女 生簀籠
船つくる音のなかなる菊日和 飯田龍太
船頭に犬ついてくる菊日和 足立香織
全旗して舳をそろへ祝ぐ菊日和 五十嵐播水 埠頭
息吸うて息吐くひまの菊日和 橋閒石 荒栲
足袋踏まれたりし憂ひや菊日和 鈴木真砂女 夏帯
村山源氏寂聴源氏菊日和 山田弘子 こぶし坂
帯合せ一度で決まる菊日和 北原智香
大鯉は影を重ねず菊日和 鷹羽狩行
大門は開け放ちある菊日和 千原叡子
第二芸術や吾が句集成る菊日和 橋本夢道 『無類の妻』以後
長寿者の訃報つぎ~菊日和 河野静雲
長身の喪の家族なり菊日和 赤松[けい]子 白毫
辻が花一度は着たし菊日和 鈴木真砂女 都鳥
鶴鳴いて郵便局も菊日和 杉田久女
庭に出て主の欠伸菊日和 高澤良一 石鏡
提げ歩く供華に虻来る菊日和 大橋敦子 手 鞠
梯子段とんとん降りる菊日和 藤岡筑邨
天棚を捲きあげしより菊日和 遠藤梧逸
電卓に指の弾みて菊日和 藤原照子
湯の沸きのいささか早き菊日和 鷹羽狩行
働きて日曜のあり菊日和 久保ともを
縄跳びの下手な子混り菊日和 奈田菜摘子
南縁の焦げんばかりの菊日和 松本たかし
南椽の敷居の浅き菊日和(福沢諭吉旧居二句) 鷹羽狩行
汝が肩にわが手のありぬ菊日和 田中冬二 冬霞
二面石いづれも善に菊日和 渡辺恭子
日に酔うてひとまどろみも菊日和 福田蓼汀 山火
日は空の奥へしりぞき菊日和 鷹羽狩行
妊るを娘に知らさるる菊日和 安野良子 『篝火草』
熱気をも孕みたりける菊日和 相生垣瓜人 負暄
白絹に待針を打つ菊日和 佐藤 緑
鉢の菊門より見えて菊日和 水原秋櫻子 餘生
斑猫も此處にありたる菊日和 相生垣瓜人 明治草
晩年のこの街が好き菊日和 林 友次郎
膝の上に日溜りつくる菊日和 水原秋櫻子 蘆雁以後
百々御所を曲りて路地の菊日和 古賀まり子
貧しさの差なき十戸の菊日和 鷹羽狩行
風呂の火を焚きつけてあり菊日和 大峯あきら 鳥道
仏壇の菊冷え庭の菊日和 鷹羽狩行
噴く水の田毎に白し菊日和 石川桂郎 含羞
母と似し人と乗り合う菊日和 林 恵子
蜂たかく脚そろへゆく菊日和 篠田悌二郎
北国の菊日和蝶よそ~し 高野素十
木型から干菓子うちだす菊日和 長谷川櫂 蓬莱
門内の空の深さや菊日和 西山泊雲
夜を咳けば昼はねむりつ菊日和 水原秋櫻子 霜林
夜半の咳おのれは知らず菊日和 水原秋櫻子 餘生
野菊の碑訪ねし今日の菊日和 鈴木鷹夫 千年
野良猫に名をつけてよぶ菊日和 加藤 修
薬師寺へ仏納めに菊日和 深田三玉
柚子倉をほそめに開き菊日和 古賀まり子 緑の野以後
窯一つ師弟の守りて菊日和 瀧春一 菜園
理髪所や十時過なる菊日和 尾崎紅葉
裏山を百舌鳥宰領す菊日和 大峯あきら 宇宙塵
立てぬ日は這うて部屋掃く菊日和 国弘賢治
和服の胸張りていそいそ菊日和 高澤良一 随笑
巫女(かんなぎ)のひとりは八重歯菊日和 飯田龍太
掟の火いまに絶やさず菊日和 角川源義
蜻蛉の翅音のひゞく菊日和 片山桃史 北方兵團
鶺鴒の歩き出て来る菊日和 松本たかし

by 575fudemakase | 2018-10-10 16:26 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)

【菊師】

【菊師】

おもてだつことはなかりし菊師かな 小林沙丘子
おもむろに菊師全国行脚談 高澤良一 石鏡
おん齢に始まり菊師の腕自慢 高澤良一 石鏡
その応(いら)え少し訛りて老菊師 高澤良一 石鏡
ひょいひょいと菊師着せ替え話の間 高澤良一 石鏡
みかどに仕へ菊に仕へて菊師老ゆ 伊藤いと子
引きつけて離さぬ菊師の話っぷり 高澤良一 石鏡
家康の首をふりふり菊師来る えいもとかん
家苞は菊師の雑談与太咄 高澤良一 石鏡
気に入らぬ箇所をとことん老菊師 高澤良一 石鏡
菊をもて富獄を築く菊師らが 平畑静塔
菊衣姫は菊師の為すままに 河野南畦 『湖の森』
菊師いま八重垣姫にかかりきり 松岡美代子
菊師の談「ここに居付きて五十年」 高澤良一 石鏡
菊師の辺話弾めば去り難し 高澤良一 石鏡
菊師の目そつぽ向いてるお七の目 三富みきえ
菊師皆小柄人形にかしづきて 高澤良一 石鏡
菊師来て静御前の胸直す 宇野直治
菊師立つ平家亡びし浪のなか 鷹羽狩行
菊車著きぬ菊師も著きにけり 橋本鶏二
菊人形咳きしと見れば菊師をり 衣川 砂生
菊人形裏に菊師のまだをりて 能村登四郎
吉良殿の諸肌脱がす菊師かな 川岡佳世子
金賞をめざす菊師の指太し 永田英子
見たきもの先づは菊師の仕事ぶり 高澤良一 石鏡
出来栄えを褒められ菊師口綻ぶ 高澤良一 石鏡
賞賛を片隅に聞く菊師かな 山田美知子
人形の胸にさし込む菊師の手 梶山千鶴子
人形の世界と別にゐて菊師 山下美典
人形の裏側にある菊師の目 石神秋羅
側室の前に諸膝つき菊師 鷹羽狩行
着せながら菊師の一ト生手短に 高澤良一 石鏡
着せ替への菊師女の目となりて 壺井 久子
殿中を菊師地下足袋ばきのまゝ 佐々木トミ
冬の菊師恩かさなるばかりなり 石田あき子 見舞籠
二タ月で生計たつる菊師とぞ(自ら云へる) 高澤良一 石鏡
日当りて着せ替え中の菊師の背 高澤良一 石鏡
濡れごとの中へ割りこみ老菊師 檜 紀代
濃姫の着くずれ直す菊師老ゆ 大東二三枝
姫の胸抱いて水注す菊師かな 小村武子
撫で肩の出来を気にする菊師かな 石河義介
腹当の紺のゆゆしき菊師かな 野見山朱鳥
老菊師遠流の帝にかしづけり 津野美都江 『ひなげし』
老菊師具足震ひの腰鋏 磯崎兼久 『孤雲』
老菊師枯身の姫を抱き去る 河野南畦 湖の森
老菊師修行時代を一くさり 高澤良一 石鏡
老菊師少し生活(たつき)のことにも触れ 高澤良一 石鏡
茣蓙いちまい引き延べ菊師一仕事 高澤良一 石鏡
茣蓙いちまい丸め着せ替え了ふ菊師 高澤良一 石鏡
茣蓙一枚持ちて菊師の現はるる 佐草しげを
蹲り菊師むしろに根仕事 高澤良一 石鏡

by 575fudemakase | 2018-10-10 16:23 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)

【黄菊】

【黄菊】

かゝへゆく笊の黄菊のふは~と 高野素十
ぎつしり車に黄菊積んで咲かせてきた シヤツと雑草 栗林一石路
しら菊に明けて黄菊の日和かな 卓池
しら菊に明て黄菊の日和かな 卓池
しら菊や黄菊赤菊人だまし 朱拙
はなひとり黄菊神妙にみゆる哉 曉台
ひとり世に痩せたる夏の黄菊哉 正岡子規 夏菊
ぼうとして夜の迫りたる黄菊かな 松藤夏山 夏山句集
ますらをの心しづかに黄菊かな 河野静雲
みちのくの黄菊ばかりの菊枕 瀧 春一
ゆかしさはさしみのつまの黄菊哉 正岡子規 菊
リヤカーに積みて白菊黄菊かな 大村 孝
わが業にいしくも咲ける黄菊かな 日野草城
阿房宮とは食べにくき黄菊の名 後藤比奈夫 めんない千鳥
黄かつ黄菊の花食す夜ひとつ 岡井省二 大日
黄菊しらぎくその外の名はなくもがな 嵐雪
黄菊とは蕊に籠れる黄なりけり 久米正雄 返り花
黄菊ぬれ白菊うるむ朝となんぬ 渡邊水巴 白日
黄菊も白菊も枯れてしまひけり 安住敦
黄菊垣つねの笑まひのころころと 佐藤鬼房
黄菊咲く花菱アチャコの笑顔して 高澤良一 石鏡
黄菊赤菊ござでかたげて霜の町 松瀬青々
黄菊先づ車窓馳すなり町近し 汀女
黄菊摘む囀りも黄泉も輝き 金子皆子
恩給に事足る老の黄菊かな 夏目漱石 明治四十年
花の中の黄菊 白菊 それだけをあがなう 荻原井泉水
萱黄菊かれ野は末になりにけり 完来
義経の袖より黄菊こぼれ落ち 森 幸子
菊活けて黄菊一枝殘りけり 正岡子規 菊
京に帰る日も近付いて黄菊哉 夏目漱石 明治四十三年
近ごろはあぶらを怖ぢて浜黄菊 小野元夫
九日にあはゞ黄菊の寺泊 松窓乙二
君が家も黄菊ばかりを植ゑたりな 福田把栗
月夜ふけ黄菊はまるく浮びたる 高屋窓秋
戸あくれば紙燭のとゞく黄菊哉 正岡子規 菊
耕耘機畦の黄菊を孤独にす 津村青岬 『南紀』
今日の日を開ききつたる黄菊かな 渡辺寿子
根分せん我は黄菊を白菊を 摘草 正岡子規
妻生きて黄菊の時を盗むなり 齋藤玄 『玄』
菜畑に黄菊一とうね上越線 細見綾子
燦たるも黄菊食用にも黄菊 右城暮石 句集外 昭和三十八年
次の世のしづけさにある黄菊かな 浅井一志
手燭して色失へる黄菊かな 蕪村
渚辺に若きらの尻みな黄菊 金子兜太
小家つゞき垣根~の黄菊哉 牧童
小橋かけて黄菊鷄頭なと見えぬ 正岡子規 菊
食卓に黄菊皇礼砲ひゞけり 片山桃史 北方兵團
人がらも古風になりて黄菊哉 史邦
人形の咲満ちたりし黄菊かな 阿波野青畝
凄じく女でありぬ黄菊残菊 鳴戸奈菜
正しくは黄菊日和と云ふらしも 相生垣瓜人 負暄
赤菊の蕾黄菊の蕾哉 正岡子規 菊
雪掻いて黄菊の花のあらはるゝ 高野素十
千年後の空を見上げる黄菊かな 鈴木光彦
争ひは白菊わかつ黄菊かな 河東碧梧桐
窓もとに咲きひろごりし黄菊哉 会津八一
草庵の落葉の中の黄菊かな 山口青邨
霜枯れし黄菊こぞりて日をかへし 茂呂緑二
霜枯れし黄菊の弁に朱を見たり 高浜虚子
其中に莟の多き黄菊かな 正岡子規 菊
太郎黄菊多江子白菊ふくよかに 川崎展宏 冬
大方の菊枯れ盡きて黄菊哉 正岡子規 枯菊
大輪の十六瓣の黄菊かな 野村喜舟 小石川
虫声惻々雨月の黄菊我も嗅がむ 北原白秋
槌の子が黄菊を食べにくるといふ 岩淵喜代子 硝子の仲間
土竜妹が黄菊は荒にけり 黒柳召波
土竜妹が黄菊は荒れにけり 黒柳召波 春泥句集
冬小菊黄菊植松豆腐店 星野麥丘人
白ぎくと黄菊のまさり劣りかな 久保田万太郎 流寓抄
白菊ぞ黄菊ぞふるき年重ね 山口青邨
白菊と黄菊と咲いて日本かな 夏目漱石 明治四十三年
白菊と黄菊観音勢至かな 尾崎迷堂 孤輪
白菊と別の眩しさ黄菊にも 岸善志
白菊の黄菊の何の彼の枯れぬ 正岡子規 枯菊
白菊の月輪黄菊の日輪と 高澤良一 寒暑
白菊の中に黄菊の倒れたる 岸本尚毅 選集「氷」
白菊の朝臣黄菊の臣・連 高澤良一 ぱらりとせ
白菊も黄菊も蒼き影曳きて 竹村まさる
父母に供へて黄菊映えにけり 今泉貞鳳
母恋ふ夜黄菊しびるるほど濃ゆし 小檜山繁子
豊の日に酔へるさまなる黄菊かな 日野草城
椋落葉黄菊すがれとなりにけり 飯田蛇笏 霊芝
命得し吾に黄菊のよく匂ふ 安野良子 『篝火草』
目覚めては黄菊に風に瞳の澄むや 右城暮石 句集外 昭和十八年
夕市や手もと明るく黄菊買ふ 館岡沙緻
陽をそこに呼び込んで咲く黄菊あり 高澤良一 石鏡
嵐雪忌残る白菊黄菊かな 魚里
立子にも同じく供華の寒黄菊 高澤良一 宿好
旅語り黄菊もありて時移る 横光利一
漏桶やすぐに黄菊を一つかみ 井上士朗
老が身の皺手に手折る黄菊かな 村上鬼城

by 575fudemakase | 2018-10-10 16:22 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)

【白菊】

【白菊】

うるはしきひとのおもわと白菊と 日野草城
うるはしきひと白菊に添ひにけり 日野草城
かんばせのほかは白菊棺の母 松尾隆信
キヤロンの微笑、水中の白菊塵もなし 荻原井泉水
くくりたるひとむらの菊白かりし 山口青邨
けふの花環白菊にして夕間暮 山口青邨
この人に充ち白菊の香に発す 加藤秋邨
しくるゝや鶏頭黒く菊白し 時雨 正岡子規
しぐるゝや鶏頭黒く菊白し 正岡子規
しくるゝや鶏頭黒く菊白し 正岡子規 時雨
しぐるヽや残菊白き傘の下 尾崎放哉 一高時代
しみじみと思ふ菊白き日本 室生犀星 犀星発句集
チエホフ忌白菊を挿す鉄の壺 飴山實 おりいぶ
なきがらの冷え白菊にまさりけり 小川原嘘帥
プードルのやうな白菊冬館 大木あまり
ふとさめて佇つ白菊に驚けり 中尾白雨 中尾白雨句集
まらうどに礼をつくして菊白し 飯田蛇笏 雪峡
みだれ白菊乳を銜ます母若し 赤尾兜子 歳華集
みほとけの白菊にほの立たせける 伊丹三樹彦
ものいはず客と亭主と白菊と 蓼太
ゆきずりの香の白菊を買ひ昏れぬ 橋閒石 朱明
ヨーグルトに匙 白菊に蝶来る朝 伊丹三樹彦
リヤカーに積みて白菊黄菊かな 大村 孝
ゑぼし子やなど白菊の玉牡丹 濁子
一ト間~白菊いけて草の宿 村上鬼城
黄菊ぬれ白菊うるむ朝となんぬ 渡邊水巴 白日
黄菊も白菊も枯れてしまひけり 安住敦
沖縄の万座毛岬の白菊わが庭に咲けば戦史は閉じん 大内須磨子
花の中の黄菊 白菊 それだけをあがなう 荻原井泉水
花店の朝を白菊薫りけり 日野草城
括り菊白きもの待ちかたむける 宇佐美魚目 秋収冬蔵
寒白菊墨を洗へば手に付く墨 菊岡素子
観音力念じてささぐ菊白し 水原秋櫻子 蘆雁
丸盆に白菊を解く匂かな 几董
机に挿して白菊ややに愁の翳をもつ 荻原井泉水
机辺例の雑多粉々たる中菊白し 荻原井泉水
菊しろし芭蕉も詠みぬ白菊を 水原秋櫻子 秋苑
菊の季節の白菊をもて君を葬る 荻原井泉水
菊白う人神になる夜寒かな 碧雲居句集 大谷碧雲居
菊白き月ある夜々と思ひ馴れ 中村汀女
菊白くとこよの月のこぼれくる 金尾梅の門 古志の歌
菊白くわが手の時計秒を刻む 三橋鷹女
菊白く死の髪豊かなりかなし 橋本多佳子
菊白く死の髪豊かなるかなし 橋本多佳子
菊白く莟は後に書れたり 其角
菊白しうすき紙もて包みても 有働亨 汐路
菊白しつまづき消えし父の脈 草間時彦 中年
菊白しとほき祖先(みおや)の世をおもふ 三橋鷹女
菊白しピアノにうつる我起居 杉田久女
菊白しわが酌む酒も色無かり 瀧春一 菜園
菊白し安らかな死は長寿のみ 飯田龍太
菊白し何に音する夜更けの手 飯田龍太
菊白し棺の遺体の眼鏡まで 福田甲子雄
菊白し祈りの吾子のへに祈る 三橋鷹女
菊白し菊より白きゆめ一つ 三橋鷹女
菊白し死にゆく人に血を送る 相馬遷子 雪嶺
菊白し死に逢ひ得しは神の意志か 岩田昌寿 地の塩
菊白し得たる代償ふところに 鈴木しづ子
菊白し亡き子のことはな問ひそ 上村占魚
吉良さまの白菊ばかり菊人形 島村久枝 『矢作古川』
久に逢ふ順々よ菊白く赤く 臼田亞浪 定本亜浪句集
激流の犀川白菊上下動 山口誓子
月蝕のすすむひと間の菊白子 鳥居美智子
検眼室を真暗がりにす白菊も 田川飛旅子
犬がみて穴のようなる窓に白菊 阿部完市 軽のやまめ
古き香に白菊さける手向哉 正岡子規 菊
古き香に白菊咲いて手向かな 正岡子規 菊
古庭に白菊白し星月夜 正岡子規 星月夜
後の月酒あたらしく菊白し 亀世
口緘ぢて通り過ぎをり菊白し 加藤楸邨
航跡の泡は雪白菊を投ぐ 阿波野青畝
今生の白菊にほふ別れかな 佐藤国夫
今日はまた白菊ばかり干しひろげ 杉田久女
根分せん我は黄菊を白菊を 摘草 正岡子規
山風はしらぬ顔して菊白し 知足
讃美歌は白菊のごとかなしけれ 国弘賢治
思ふことなしたゞ白菊の吹き散るか 赤尾兜子 稚年記
死ににゆく白菊を著て菊人形 細見しゆうこう
秋悲し白菊の色に染む事 几董
終身の喪とす白菊の冷をこそ 山田みづえ 忘
十字架を埋めつくせる菊白し 阿部みどり女
神棚に豆菊白し小鳥焼く 山口青邨
人人手に手に菊をことごとく白菊を 荻原井泉水
水巴忌の白菊白に徹しけり 松田碧霞
雛の日を白菊で埋めつくされし 金子兜太
星冴て寒菊白う成にけり 唄子
争ひは白菊わかつ黄菊かな 河東碧梧桐
草の戸や盃赤く菊白し 正岡子規 菊
其中に白菊に名を問はれけり 月居
太郎黄菊多江子白菊ふくよかに 川崎展宏 冬
大名の如き白菊家にあり 阿部完市 無帽
大輪の白菊の辺がまづ暮れぬ 加藤楸邨
誰が家ぞ白菊ばかり乱るるは 夏目漱石 明治二十八年
壇上、時間を待つ空間の静かなる菊白し 荻原井泉水
朝焼や今日あることに白菊に 中村汀女
蝶来りさびしからずや白菊のみ 山口青邨
登四郎の死後白菊を厭ふなり 鈴木鷹夫 千年
土用白菊弟の嫁を棺に閉じ 相原左義長
冬の日もまだ白菊の明りかな 田川鳳朗
灯かへす供華の白菊椿邸 原裕 葦牙
灯ともせば只白菊の白かりし 内藤鳴雪
燈心の如き白菊咲きにけり 正岡子規 菊
南無満月童子、白菊供えまいらす 荻原井泉水
尼寺の仏少く菊白し 山口青邨
日本は海なり机上菊白し 渡邊水巴 富士
白菊が机にあがる突然死 高澤良一 さざなみやつこ
白菊き菊そのほかに夏菊の紫 泉鏡花
白菊ぞ黄菊ぞふるき年重ね 山口青邨
白菊ぞ歳首の花と挿して祝ぐ 篠田悌二郎 風雪前
白菊といへど暮色をまとひたる 新井ひろし
白菊とわれ月光の底に冴ゆ 桂信子 月光抄
白菊と黄菊と咲いて日本かな 夏目漱石 明治四十三年
白菊と黄菊観音勢至かな 尾崎迷堂 孤輪
白菊と言う天上の埃かな 北見弟花
白菊と思ひし菊の黄を咲ぬ 正岡子規 菊
白菊と別の眩しさ黄菊にも 岸善志
白菊にうはの空なる銀化粧 秋色 俳諧撰集玉藻集
白菊におぼつかなくも落涙(なみだ)して 宇多喜代子
白菊にかゝる藁火の埃かな 比叡 野村泊月
白菊にかなしさありて眸を閉づる 桂信子 月光抄
白菊にしかもこよひは月夜哉 正岡子規 菊
白菊にしたがへる葉のみどりかな 日野草城
白菊にしばし逡巡(ため)らふ鋏かな 夏目漱石 明治三十七年
白菊にしんかんと陽の澄みにけり 小松崎爽青
白菊にハヴァナは蒼くかんばしき 日野草城
白菊にふるるものなく月を前 石原舟月 山鵲
白菊にほのと黄のさす日和かな 鷹羽狩行
白菊に愛しきひとの瞳黒く 日野草城
白菊に謂はん方なき夜明かな 尾崎紅葉
白菊に影の生まるる日ざしかな 小林たけし
白菊に遠い空から雨が来る 飯田龍太
白菊に汚れし妹が櫛笥かな 西山泊雲 泊雲句集
白菊に汚れし妹が櫛筐かな 西山泊雲
白菊に気のさだまらぬ小鳥哉 野紅
白菊に貴きひとの鼻隆く 日野草城
白菊に起ち居しづかな日を重ね 桂信子 月光抄
白菊に起居の塵のおきにけり 富安風生
白菊に蟻はひ上る日和かな 正岡子規 菊
白菊に愚かなひとの唇弛く 日野草城
白菊に月ある夜ルの到るかな 尾崎迷堂 孤輪
白菊に見合へる母の背格好 高澤良一 燕音
白菊に賢きひとの額濶く 日野草城
白菊に紅さしそむる日数かな 村上鬼城
白菊に紅菊すこし菊枕 山口青邨
白菊に降り出す宵の寒さかな 廣江八重櫻
白菊に高き鶏頭おそろしや 杉風
白菊に今宵の酒をそとふくみ 川端茅舎
白菊に紫の憑く日ごろかな 阿波野青畝
白菊に賜わりし言忘れめや 楠本憲吉 方壺集
白菊に鷹据はりたる静かなり 長谷川かな女
白菊に鷹据わりたる静かなり 長谷川かな女 雨 月
白菊に誰やら這入傘の影 りん女
白菊に置得たり露置得たり 嵐山
白菊に朝の素顔をたたくなり 北原志満子
白菊に棟かげ光る月夜かな 杉田久女
白菊に八方澄める遠嶺かな 石 昌子
白菊に髪結ふ事を忘れけり 子珊
白菊に氷を抱いて胃安らか 久米正雄 返り花
白菊に貧しきひとの眉薄く 日野草城
白菊に北の御園は暮にけり 加舎白雄
白菊に埋もれ天に召されゆきぬ 山口誓子
白菊に癒えざるものを糧とせよ 平井照敏 天上大風
白菊に遊べる月の魍魎 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
白菊に来て立てば髪冷えにけり 加藤秋邨
白菊に咫尺し玉の如き夜を 阿部みどり女
白菊に恍惚と藁かかりけり 金尾梅の門
白菊のあしたゆふべに古色あり 飯田蛇笏 春蘭
白菊のあふれ咲くとき善人泣け 油布五線
白菊のうすむらさきに枯れにけり 笹木 雪子
白菊のさし覗けるに水走る 石塚友二 光塵
白菊のしづくつめたし花鋏 飯田蛇笏 山廬集
白菊のなかのおん眼のひかりかな 佐野美智
白菊のひとつかたむく豊さよ 草堂
白菊のほとりの暮色かりもがり 豊長みのる
白菊のまさしくかをる月夜かな 高橋淡路女
白菊のもはや昏れざるまで昏れぬ 加藤秋邨
白菊の一もとゆかし八重葎 正岡子規 菊
白菊の一もと白し八重葎 正岡子規 菊
白菊の一夜の枯れに今日はじまる 中村汀女
白菊の雲の如くにゆたかなり 橋本鶏二
白菊の黄菊の何の彼の枯れぬ 正岡子規 枯菊
白菊の花でこさばや濁り酒 濁酒 正岡子規
白菊の花やうるみて椀の色 十丈
白菊の鎌倉やすまば扇が谷 嵐雪
白菊の粥かな秋のほの~と 渡邊水巴 富士
白菊の菊人形の尊かな 大橋櫻坡子 雨月
白菊の九つの花みな薫る 日野草城
白菊の月輪黄菊の日輪と 高澤良一 寒暑
白菊の枯るるがままに掃き清む 松本たかし
白菊の枯るゝがまゝに掃き清む 松本たかし
白菊の光り放ちて空しき室 阿部みどり女
白菊の香りを高く逝かれけり 川崎展宏 冬
白菊の今は照りはゆる日光充ち 日野草城
白菊の魂とぶ寒の月明り 飯田龍太
白菊の在所に入れば波の音 山本洋子
白菊の咲や浮世の抜入手 知足
白菊の残り半間や小菜畠 曽良
白菊の残る甲斐あるしぐれかな 成田蒼虬
白菊の少しあからむ時雨哉 正岡子規 時雨
白菊の束帯召せり後醍醐帝 高澤良一 さざなみやつこ
白菊の太平洋を使節船 山口誓子
白菊の大輪天の冷え放つ 小川原嘘帥
白菊の中に黄菊の倒れたる 岸本尚毅 選集「氷」
白菊の中の大輪とけそめし 上村占魚 鮎
白菊の朝臣黄菊の臣・連 高澤良一 ぱらりとせ
白菊の白く匂へる笑顔得し 今瀬剛一
白菊の白さつくして晴れにけり 金尾梅の門 古志の歌
白菊の白の厚みに安んじる 佐藤鬼房
白菊の白妙甕にあふれける 水原秋櫻子 秋苑
白菊の辺や道知らぬ友を待ち 石川桂郎 四温
白菊の墓のつめたさ秋子の忌 大橋芥子
白菊の暮色の前の白さ充つ 能村登四郎
白菊の目にたてて見る塵もなし 松尾芭蕉
白菊の目にたてゝ見る塵もなし 芭蕉
白菊の目に立てて見る塵もなし 松尾芭蕉
白菊の目に立て見る塵もなし 白菊や目に立て見る塵もなし 松尾芭蕉
白菊の夜もかがやくばかりなり 村山古郷
白菊の礼に出る日や朝行水 木因
白菊の老いて赤らむわりなさよ 正岡子規 菊
白菊はそびらの明り紙を漉く 加藤知世子 花 季
白菊はにつぽんの花ここにささぐ 山口青邨
白菊はひとのいぶきにくもりけむ 日野草城
白菊は富士新雪を前に光る 山口青邨
白菊は露の泉とみゆる哉 曉台
白菊も黄菊も蒼き影曳きて 竹村まさる
白菊やあさがほよりは遅う起 杉風
白菊やうすむらさきは窶れのいろ 林原耒井 蜩
白菊やおめずおくせず枯かゝる 田川鳳朗
白菊やしづかに時のうつり行 江涯
白菊やつるぎ研ぐ家のひとところ 室生犀星
白菊やはなにおさまる小夜嵐 寥松
白菊やはれたる空に四十雀 木導
白菊や綾の几帳の朝あらし 左次
白菊や暗闇にても帯むすぶ 加藤知世子
白菊や闇をこぼれて庭の隅 正岡子規 菊
白菊や一誌創刊告ぐるべし 松尾隆信
白菊や一天の光あつめたる 桂信子 月光抄
白菊や影法師のみ老いゆける 小泉八重子
白菊や貝を根に置く蜑が宿 野彼 (筑前黒崎にて)
白菊や貝を根に置蜑が宿 野坡
白菊や看護記録に余白なき 小松和子
白菊や既に夜明の離れぎわ 早野巴人
白菊や菊におろかはなけれども 蝶羽
白菊や玉解くさまに咲きはじめ 鷹羽狩行
白菊や血のにじむまで牡蠣を剥く 小泉八重子
白菊や血の滲むまで牡蠣を剥く 小泉八重子
白菊や呉山の雪を笠の下 蕪村 秋之部 ■ 菊に古笠を覆たる畫に
白菊や垢のぬけたるけふの空 除風
白菊や紅さいた手のおそろしき 千代尼
白菊や珊瑚の簪入るべからず 正岡子規 菊
白菊や子の忌わが生あるかぎり 川村紫陽
白菊や受賞に海の紺緊り 櫛田と志子 『繭玉』
白菊や深海魚族の図がかかり 加藤秋邨
白菊や衰へし人禮正し 横光利一
白菊や静に時の移りゆく 江涯
白菊や祖母の代塩でもの潔めき 中村草田男
白菊や素顔で見むを秋の霜 野水
白菊や蒼き夕靄遠なびき 日野草城
白菊や霜よりしもの花の色 昌叱
白菊や対岸は父亡き故郷 永田耕衣
白菊や大さ月輪の如し 徳田秋声
白菊や茸もある店の灯のもとに 室生犀星 魚眠洞發句集
白菊や誰が名付の菜薗畑 紫貞女
白菊や中年の膝崩すまじ 中村苑子
白菊や弔詞の中に友生くる 松崎鉄之介
白菊や匂にもある影日なた 芥川龍之介
白菊や膝冷え来る縁の先 横光利一
白菊や夫は死後の願ひもて 加藤知世子 黄 炎
白菊や風邪の名残の小しはぶき 日野草城
白菊や風邪気の妹に濃甘酒 日野草城
白菊や母にふえたる忘れごと 杉本寛
白菊や昧爽花屋に客一人 日野草城
白菊や未生以前の渚見ゆ 佐藤鬼房
白菊や有明の月のひっぱなし 牧童
白菊や有明月の消えかゝり 松藤夏山 夏山句集
白菊よ白菊よ恥長髪よ長髪よ 松尾芭蕉
白菊をこゝと定めて移しけり 村上鬼城
白菊をはなれしひとぞうるはしき 日野草城
白菊を珠と活けこよひダンスあり 山口青邨
白菊を瀧につくりし細工哉 正岡子規 菊細工
白菊一輪かいてたまわれという君にかく 荻原井泉水
白鳳仏供華は白菊三日かな 浜津久子
美しき白菊揺れて船すすむ 五十嵐播水 埠頭
筆擱けば真夜の白菊匂ひけり 日野草城
片寄せられ等外の菊白ばかり 高澤良一 ねずみのこまくら
墓の供華白菊おほしいな殆ど 山口誓子
暮れなづむ白菊にある旅ごゝろ 日野草城
亡き父母に告ぐることあり菊白し 松尾隆信
蜜蜂の儲け話や菊白し 野村喜舟 小石川
霧を払ふ風白菊に吹きあたる 日野草城
霧深し白菊は葉も霑れにけり日野草城
霧白し白菊は霧より白き 日野草城
夜に入れば白菊の香の虚空より 飯田龍太
夜の白菊氷かくとき母はげし 桜井博道 海上
野菊白菊 大腿骨を病んでゐる 荻原久美子
乱れじとする白菊の乱れそめにし 荻原井泉水
嵐雪忌残る白菊黄菊かな 魚里
凩や白菊痩せて庭の隅 凩 正岡子規
檜の香は白菊の香よ木倉冷ゆ 松崎鉄之介
煌々と厚物白菊スプーン弁 高澤良一 燕音
甕の菊白妙なれば影生めり 絵馬
眩しみて白菊の辺に撮られたる 桂信子 月光抄
黝し日の白菊の置く影は 日野草城

by 575fudemakase | 2018-10-10 16:21 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)


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by 575fudemakase

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全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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