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2019年 04月 04日 ( 8 )

上手

上手

*ほうぼうの上手に泣いてくれたるよ 糸 大八
あきらめ上手の農婦浴衣から黒き手足 細谷源二
あこよ来よ転ぶも上手夕涼 一茶 ■文化十三年丙子(五十四歳)
いちじくや忘れ上手となりにける 岡井省二 鯛の鯛
いんげん豆成らせ上手の母なりし 上野さち子
うぐひすの夜飼上手や俳諧師 水原秋櫻子 殉教
うち懸る浪を上手に千鳥かな 諷竹
えのころの上手に枯れを見せにけり 岸田稚魚
おくれても上手は久し相撲取 三宅嘯山
オムレツが上手に焼けて落葉かな 草間時彦
お座りの上手に出来て水遊び 佐藤弘子
お手玉の殊に上手や梅椿 中村汀女
かくれんぼ隠れ上手に日脚伸ぶ 丸野 紀子
かなぶんは夜の道化師死に上手 細美ゆくえ
くわりんの實甘え上手な匂せり 中原道夫
こでまりをひらがなに活け病み上手 横山みづほ
この頃のだまされ上手衣被 赤池周子
こぼれ餌を上手に拾ふ梅雨雀 芝 由紀
ころげ落ちては瓜蝿の逃げ上手 小林波留「天上」
さかもりの猜拳(なんこ)が上手十夜僧 河野静雲 閻魔
しぐるゝや上手の撞ける球の音 増田龍雨 龍雨句集
しやぼん玉上手に吹いて売れてゆく 島田みつ子
せりなづな手ぬき上手となりたるよ 小倉豊子
たましひの遊び上手や揚雲雀 河口仁志
とび消ゆる上手の草矢雲は秋 皆吉爽雨 泉声
なまはげにおびえ上手な子もありし 池田 崇
にこにこと断り上手着膨れて 川村紫陽
ぬきん出て踊り上手や島育ち 荻田千鶴子
ハーモニカ上手な軍曹シネマ夏 高澤良一 暮津
はしら木を上手に振や木下闇 卓池
はぜ釣や角前髪の上手がほ 支考
はるのゝは上手の打た碁なりけり 寥松 八朶園句纂
ビールのむ時間上手に使ひし日 嶋田摩耶子
ひじき煮ることの上手や浪花人 武原はん
ビルの街曲り上手に初つばめ 斉藤恵鼓
ペチュニアの風のままなる咲き上手 荒谷 京
ぽつくりと死が上手な仏哉 一茶 ■文政九年丙戌(六十四歳)
ほほえみの吹かれ上手な父になれ 鎌倉佐弓
ほほかむり上手に出来て農継ぐ子 西形佐太郎 『てんご』
ほめ上手に妬みもすこし竃猫 斎藤千代子 『朱盃』
ぼろぼろの羽子を上手につく子かな 富安風生
まゆはきの針を上手にてふが飛 舎羅
むら雲と遊び上手の月まどか 山田みづえ まるめろ
ラムネ玉上手にあやし飲みにけり 北村斗石
一病を上手に守り熨斗鮑 梶山手鶴子
芋虫のころりと落ちて逃げ上手 川村正子
羽抜鶏遊び上手な次男坊 酒井英子
浦千鳥古句は上手にうそをつく 加藤郁乎
雲の峰上手に死んでやらうかな 栗林千津
雲雀鳴く朝や寐上手起嫌ひ 露川
泳ぎ上手のひいばばに似たるらし 松澤雅世「萌芽」
園児等に鼻振り上手日永象 高澤良一 ねずみのこまくら
鴬の上手をつくるあさ日哉 桃妖
鴬の上手をやりて檜かな りん女
何をしても上手にならず木の葉髪 下村梅子
歌かるた老いても母は読上手 白澤よし子
歌留多よむことの上手な割烹着 石田郷子
火の上を上手にとぶはうかれ猫 一茶 ■文化九年壬甲(五十歳)
花石榴忘れ上手になりにけり 清水ふさ子
花八ツ手日輪盗むこと上手 中原道夫 巴芹
貝雛の合せ上手に作られて 後藤夜半 底紅
葛湯溶く上手手を貸す下手のもの 中原道夫
瓦師や物の上手な葡萄だな 三宅嘯山
乾燥芋焙り上手よ婆ちゃん子 高澤良一 宿好
起き上り上手を選び福達磨 腰川瑛子
教へ子のみな上手なる手毬哉 阿部みどり女 笹鳴
玉葱や嘘も上手につけなくて 鈴木由里子
芹に花上手に死んであげません 鳥居真里子
喰ふ事は上手で誰を火焼鳥 凉菟
栗剥くは上手所帯は崩しても 小沢信男
傾城のうそも上手にさよしくれ 時雨 正岡子規
敬礼の上手と下手は生れつきだ 藤後左右
月花の世帯上手や大根主 去来
軒口を上手にとぶやみそさゞい 風国
遣羽子の風に上手を盡しけり 遣羽根 正岡子規
鍵つ子の綾取上手影法師 浜田みずき 『石蕗の花』
古君の化粧上手や夏の月 高井几董
胡桃掌に忘れ上手が身につきし 高橋利子
五平餅平らげ上手山椒味噌 百合山羽公 寒雁
御次男は馬が上手で雪見かな 炭 太祇 太祇句選
今ゆくが上手そう也厄はらひ 四睡
座について加留多上手のさりげ無く 大谷繞石
祭笛上手は風となりにけり 武田和郎
菜刻みの上手を握る蕨かな 其角
菜虫採りそれが上手で老いにけり 山田みづえ
菜飯上手ほかにとりえのなき妻の 上村占魚
桜の木雪の上手につもりたる 池田澄子
三味線が上手な島の夜のとしより 尾崎放哉 小豆島時代
傘を手に鬼灯市の買上手 水原秋櫻子 晩華
山の神と云はれ白菜漬上手 渡辺恭子
山笑ふ転び上手の怪我もせず 鈴木真砂女 紫木蓮
山茶花や木登り上手今は主婦 堀部映子
枝豆に手のよく伸びて聞き上手 小泉旅風
寺の子の遊び上手や蟻地獄 橋本榮治
自然薯を見つけ上手の山育ち 和田昌子
辞儀させて上手なおじぎ草を買ふ 山田 無吾
七草やあとは上手に菜をきざむ 大江丸
室咲や上手に病めと諭さるる 岡本眸
煮上手は盛付上手青柚添ヘ 及川貞
車椅子上手に使ひ窓五月 田畑美穂女
若僧の世辞の上手や牡丹寺 早坂貞三
手毬唄上手につけぬ子が歌ふ 松田美子
春の土兎も吾子も跳ね上手 市ヶ谷洋子
小さき子が殊に上手で阿波踊 高濱年尾 年尾句集
小てまりや上手に咲いて垣の上 嵐弓
小骨切る父の上手や鱧料理 魚洞
松葉蟹の殻の始末も食べ上手 浅井青二
焦螟や欠伸上手の新生児 小川文子(玄鳥)
上手とはいへぬ厚物咲遺す 川崎展宏
上手の上の二月の風のまともかな 藤田静水
上手ほど罪おそろしき鵜縄哉 多少
上手ほど名も優美也すまひ取 其角
上手言ふ耳語のひとひら蚯蚓鳴く 中原道夫
植木屋の値切られ上手みどりの日 鈴木三四郎
色恋の話も上手十夜僧 堤 魄黎
寝上手の鴨に白鳥すかされて 平畑静塔
新茶汲み上手に老いしことを褒め 赤尾恵以
甚平着て忘れ上手となりにけり 疋田秋思
水飲んで忘れ上手や梨花の風 鳥居美智子
水羊羹風生夫人聴き上手 松本澄江
世渡りの下手も上手も破魔矢受く 鈴木真砂女 紫木蓮
生き上手はなし上手や菊の酒 台迪子
青葉木莵聞き上手の友いまは喪に 平井さち子 紅き栞
石女の福引上手憎げなる 午心
赤べこをくるみ上手や春著の子 高澤良一 さざなみやつこ
雪沓をはいて上手に羽子をつく 原田青児
相撲とり老て上手にころびけり 寥松
草の葉も動かぬ雉子の上手哉 除風
草笛の上手な兄の後を追う 大頭美代子
草笛を上手に吹くは淋しけれ 金田きみ子「草笛」
凧上げの下手も上手も先づ走る 高澤良一 寒暑
誰からも泳ぎ上手と見られゐて 豊田いし子
短日のお茶が上手にはいりけり 後藤比奈夫
短日をけふは上手に使ひけり 後藤比奈夫
男梅雨くどき上手も才のうち 森 敏子
着こなしの上手に夏を痩せにけり 鈴木真砂女
着ぶくれて捨て上手にはなれませぬ 鈴木華女
朝顔の青がもつとも聞き上手 山根延子
鳥寄せの上手な翁猿子鳥 茨木和生 往馬
追羽子のいづれも上手姉妹
爪琴の下手を上手にしぐれけり 時雨 正岡子規
東海の弓取り上手大岩山 高澤良一 宿好
縄飛びの上手に飛ぶ子と下手な児と 松村多代子
二日灸和尚は灸の上手なり 正岡子規 二日灸
日本語がとつても上手冷奴 梅本初子
熱燗の追加重ねて聞き上手 遠井雨耕
年を積む忘れ上手の返り花 岩本文子
年行くや生き上手とも死に下手とも 河合未光
波の間を上手に揺れて昆布舟 今井杏太郎
婆々さまの話上手なこたつ哉 正岡子規 炬燵
馬刀突きの子の上手なりたかりける 高浜虚子
馬刀突の子の上手なりたかり見る 高浜虚子
梅雨のバス教師はねむり上手にて 能村登四郎
梅見月 西尾華子の死に上手 伊丹三樹彦
鉢扣まはりあはせや上手づれ 浪化
髪洗ふ生き下手にして病み上手 古賀まり子
晩年は甘え上手に昼顔咲く 吉川みつ子
悲しきは上手なるべしさよぎぬた 加藤曉台
髭黒の上手又出よくらべ馬 高井几董
膝掛や眠り上手が旅上手 山田弘子
瓢の実を上手に吹けば笑はるる 上野 章子
父好きな諸子上手に煮し母よ 赤木日出子
福笑上手に出来てつまらなく 小西ふじ穂
聞き上手なりし母なり白地着て 梶田矩子
聞き上手に酔ふも仕事よ冷奴 加藤亮 『山幾重』
頬白の鳴き真似上手の兄だった 髪谷雅道
頬被り上手な斜里の女かな 千葉 仁
盆芝居口説き上手の助役かな 脇坂啓子
末つ子の水撒き上手水打てり 高澤良一 ねずみのこまくら
末の子のよろこび上手草の花 つじ加代子
明眸の草鉄砲の上手なり 大石悦子
木菟や上手に眠る竿の先 一茶
夜興引の上手とはかり愚直哉 尾崎紅葉
野烏の上手にとまるばせをかな 一茶
踊さへ上手に勝つや角力さへ 尾崎紅葉
羅を着こなし上手水海月 高澤良一 随笑
落款を捺したき鶴の舞ひ上手 吉川明子
涼しくて薪かかへる手が上手 金田咲子 全身 以後
涼しくて薪を抱へる手が上手 金田咲子
涼台咄上手をまつの月 尾崎紅葉
輪踊の上手ひとりに崩れけり 国井 美代
鈴虫の終の一つは鳴き上手 大阿久雅子
話上手頷き上手着ぶくれて 崎浜光子
脇役の笑はせ上手大向日葵 水口楠子 『泉汲む』
腕ほそくして鴨鍋の炊上手 堀口星眠 樹の雫
杣の子の木のぼり上手山ざくら 山口青邨
梟声上手に真似る顔さびし 能村登四郎
涅槃会に絵解上手の嘗てなし 平畑静塔
矮鶏が木に上手に登り三鬼の忌 高澤良一 ねずみのこまくら
翔ぶよりは死に真似上手天道虫 中村保典
蜆汁 話上手の妻が居て 八木實
蟇夜を上手に使ひけり 高澤良一 暮津
雉笛の上手は雉の声となる 猪俣千代子
鮟鱇鍋話し上手が一人ゐて 鈴木真砂女 紫木蓮
鯊かかる下手も上手もなき日和 後藤比奈夫
鱧の骨上手に切れて祭膳 後藤夜半
鳰の子の遊び上手となりしかな 片山由美子 風待月

以上

by 575fudemakase | 2019-04-04 03:37 | 無季 | Trackback | Comments(0)

人物評(プラス) の俳句

人物評(プラス) の俳句

甲乙 出来不出来 日本一 一等 一番 ベスト 無敵 錚々たる 抜群 出色 無比 無双 無類 別格 金字塔 上出来 見事 結構 素敵 天晴れ 神業 得手 得意 上手 達者 十八番 眼力 利口 利発 気働き 素直 おっとり マイペース 闊達 太っ腹 まあまあ そこそこ 荘厳 一人前


一番
見事
上手
達者
荘厳
素直
そこそこ

甲乙

あたため酒十便十宜甲乙なし 中村草田男
さくらんぼ甲乙丙の丙の味 高澤良一 随笑
浦の子の日焼甲乙つけ難く 山田弘子 こぶし坂
浦山に甲乙なくて鳶の秋 上田五千石 琥珀
海女小屋に甲乙丙の稲穂かな 攝津幸彦
割ってみて知れりお藷の甲乙丙 高澤良一 寒暑
間引菜に甲乙丙のなかりけり 加藤冬人
虎杖甲乙活けて甲のみ崩折れつ 永田耕衣
甲乙の露まとまりて落ちにけり 正岡子規 露
甲乙丙丁戊戊は侏儒無言焚火かな 東洋城千句
七夕の飴頒つなり甲乙なく 石川桂郎
雪嶺に甲乙のある端山かな 阿波野青畝
朝顔の種仕分けして甲乙丙 高澤良一 暮津
氈(かも)瓜の甲乙なんぞいふなかれ 燕雀 星野麥丘人
氈瓜の甲乙なんぞいふなかれ 星野麥丘人
簑虫の甲乙なくて丙の出来 鷹羽狩行
黴匂ふ甲乙丙の通信簿 藤尾艶子

出来不出来

出来不出来なく揃ひたる貝割菜 長戸ふじ子
出来不出来は西瓜の胴を叩き聞け 高澤良一 寒暑
審査員何處見て菊の出来不出来 高澤良一 燕音

日本一

此山の黍の雜煮や日本一 雑煮 正岡子規
赤のまま海へ日本一の川 菅原多つを
台風にこれから日本一騒動 高澤良一 暮津
男踊り日本一の尻ばしょり 高澤良一 寒暑
日本一ほめる鯨のをはり哉 鯨 正岡子規
日本一高き駅なり松飾 橋本美代子
日本一低い山なり鰻食ふ 佐藤鬼房
密林の黄落雨量日本一 右城暮石
蜻蛉や日本一の大眼玉 正岡子規 蜻蛉

一等

一等の児を旗が追ふ運動会 福中洋子
一等は万歳三唱運動会 高澤良一 暮津
海苔拾ひこれは一等海苔なるや 高澤良一 素抱
勲一等と言うて草の実付け来たり 古川京子
佐渡昏れて 一等 二等 三等星 伊丹三樹彦
雪の墓陸軍一等以下埋れ 森澄雄
鈍行に一等車あり唐黍を食ふ 山口青邨
梅雨あけの一等三角点に出づ 中戸川朝人 尋声
片陰を歩く一等船室の 茨木和生 倭
万緑を統べて一等三角点 栗原稜歩
霧の車窓すれちがふ白き一等車 松崎鉄之介

ベスト

シンプルがベスト皐月の装身具 高澤良一 暮津
軽装がベスト炎天あるく旅 高澤良一 随笑
多喜二忌やベストの釦掛け違ふ 二宮一知
茶のベスト着込み鴨見と洒落込まむ 高澤良一 随笑

無敵

春浅し無敵のどうぶつビスケット 河原珠美
濡れし身は無敵荒布を抱き運ぶ 津田清子
無敵艦隊(アルマダ)の話を閉ぢて白魚鍋 櫂未知子 蒙古斑

錚々

夏桑に錚々と雨甲斐に入る 井沢正江

抜群

抜群の雪嶺生涯たどたどし 古舘曹人 能登の蛙

出色

寺々の中でも出色この紫薇は 高澤良一 暮津
出色の百日紅に汗退けり 高澤良一 ももすずめ
日の色を出色の雉子製餡所 磯貝碧蹄館

無比

あぢさゐが咲いて清潔無比の園 高澤良一 鳩信
橡の実の無比の堅牢玩ぶ 上田五千石『天路』補遺

無双

うすらひのとけゆく無双銀屏風 加藤耕子
花にほふ梅は無双の梢かな 宗祇
柿の木の無双の瘤や寒日和 大石悦子 百花
早春の無双の砂丘越えて海 山田みづえ 手甲
熱燗のさつま無双を飲みつぎて激しかりにし年を逝かしむ 長澤一作
舞初や扇子無双の槍として 田保与一
薺打つ無双の母となりにけり 斎藤玄

無類

「無類の妻」上木を手に涙妻 橋本夢道 『無類の妻』以後
或ときは母の如く姉のごと大馬鹿ものよと無類の妻 橋本夢道 無類の妻
炎天を来て無類の妻の目の涼しさ 橋本夢道 無類の妻
元日や山容無類不老富士 橋本夢道 無類の妻
土蜘蛛の撫でやる腹の珍無類 高澤良一 ねずみのこまくら
冬逝く夜無類に月の明かりき 相生垣瓜人 負暄
唐辛子干して無類の笑顔かな 奥名春江
白鳥はねむり無類の天を讃む 古館曹人
隼人瓜姿無類の冬に入る 高澤良一 燕音
無類の石組み夏朝の大阪城に古妻と 橋本夢道 無類の妻

別格

境内のこれは別格百日紅 高澤良一 ぱらりとせ
升(のぼ)さんは別格柿の味も亦 高澤良一 随笑
真言律宗別格本山小鳥来る 橋本榮治 越在
木彫の鼠別格嫁ケ君 阿波野青畝

金字塔

風溜めしヨットは湖の金字塔 佐藤美恵子

上出来

みみず棲むことが上出来腐葉土と 高澤良一 暮津
索麺のつゆの上出来津軽晴 鈴木鷹夫 千年
西瓜の出来上出来で無しスカでも無し 高澤良一 暮津

結構

かたつむり結構づくめの一日や 増山美島
一日は結構永く綿虫とぶ 桑原三郎 晝夜 以後
結構なお山日和や山神楽 大須賀乙字
結構なミモザと云ひて仰ぎをり 高澤良一 石鏡
結構な天気つゞきや艸の霜 高井几董
結構な日は何処に居て斤*みそさゞゐ 成田蒼虬
結構な日を定てや初しぐれ 舎羅
結構な日を啼くらす蛙かな 中川乙由
咲きつぎて朝顔百花もう結構 甲斐すず江
堆書また春結構をなすごとし 岡井省二 前後
優曇華の結構たのしさうに咲く 後藤比奈夫
俤に城の結構松の花 富安風生
蕣や隣の人も結構な 路青

素敵

見えず在る空気素敵や寒スバル 池田澄子 たましいの話

天晴れ

あっぱれなりんごの花の八分咲き 高澤良一 燕音
あっぱれの阿蘭陀万才秋天下 高澤良一 燕音
極寒の天晴れて咲く柊かな 飯田蛇笏
倶利迦羅紋紋天晴れ祭男なり 黒田櫻の園
犬吠の一天晴れし寒さかな 阿波野青畝
松を隅に一天晴れたりけふの月 今日の月 正岡子規
天晴れな再婚したり近松忌 滝沢伊代次
陋巷の箱庭九天晴れにけり 中村草田男

神業

神業の初日の山へ牛の跪坐 平井さち子 鷹日和
神業の晴れずの霧や山の湖 河東碧梧桐
神業の柱状節理崖紅葉 高澤良一 燕音

得手

いたち罠得手の漢が落盤で 高橋やすお
お風入れ丸山応挙は虎が得手 高澤良一 随笑
かち山の得手にかけてや相撲取 凉菟
パンジーの独り育ちの得手勝手 澁谷霞舟
ぶらさがり咲きが得手なり花ダチュラ 高澤良一 宿好
一政の龍三郎の得手の薔薇 高澤良一 宿好
雨風を得手にまかする柳かな 蘆本
絵が得手の人の手になる萩便り 高澤良一 暮津
関取も得手は有けり左さし 望月宋屋
焼さんま得手のものなる箸捌き 高澤良一 暮津
新酒利くことの得手なる漢かな 高浜年尾
早咲の得手を桜の紅葉かな 丈草
得手に帆をあげて夜鷹の月夜哉 支考
得手札を膝元に置くかるたかな 高橋将夫
苗代や坐頭は得手し畦伝ひ 其角
毛衣の悪女俳句を得手とせり 小松道子

得意

つばくらや得意を廻る油売 許六
口切や京銀借りの得意寄 朱拙
算数は苦手草笛得意なり 石塚春美
松風を得意で売るや納涼茶屋 正岡子規 納涼
壬生狂言長者得意の口赤し 右城暮石 句集外 昭和四十八年
大声で得意の九九や進級す 山根千恵子
竹馬に得意な顔の歩みをり 小川翠畝
得意なる曲ばかりひく一輪草 武田尚子
梅の花狂いて斧を得意とす 和田悟朗
炉開や数代得意の畳さし 三宅嘯山
籏ことの得意の単衣藤大胆 殿村莵絲子 牡 丹

十八番

しし踊り十八番(おはこ)の柱懸りかな 高澤良一 寒暑
亡き人の十八番を唄ふ年忘(下田稔兄) 高澤良一 石鏡

眼力

花ちるや病後の眼力なく 松本たかし
眼力が武者人形の窩(あな)にあり 平畑静塔
眼力にあがる怒濤や暮の秋 齋藤玄 飛雪
眼力のある春の牛飼となれり 飯島晴子
眼力の昼蘇り初牡丹 中戸川朝人
眼力も程あるものよ五月やみ 三宅嘯山
眼力をゆるめてはちす漂はす 上田五千石 森林
穴まどひ眼力すでにおとろへし 成瀬桜桃子
古稀過ぎし眼力木瓜を開かしむ 守田椰子夫
秋山に眼力不動古りにけり 山田弘子
翡翆の眼力疑ひなかりけり 高澤良一 燕音
閻王の眼力の黴び給ひけり 竹下陶子

利口

おたまじゃくしの利口そうなる頭かな 池田澄子 たましいの話
けさの春智恵も利口も棚へ上う 壺中
小利口な世にダボと言う鯊を釣る 高尾秀四郎
世紀末からすは利口になるばかり 土居漠秋
綿薄き綿虫利口かもしれず 飯島晴子
利口者猪にまたやられけり 高澤良一 燕音

利発

鶏頭の利発の種を蒔きこぼす 上田五千石
自転車の利発なる音冬に入る 中村和弘
冬すみれむかし利発な子と呼ばれ 中嶋秀子
拝観の順路利発な茶の莟 高澤良一 素抱
利発ものも花待つ頃のつらをみよ 一鉄 選集「板東太郎」
利発出して二里損じたる花見哉 朱拙

気働き

気働き目に出て少女山葡萄 岡本 眸
啓蟄の蟻のいちにち気働き 鷹羽狩行

おっとり

おっとりと過ごしてゐては羽抜鳥 高澤良一 素抱
おっとりと大柄にして冬の蠅 高澤良一 宿好
はつ花におつとり出る田植かな 寥松
みつまたの莟おつとり日の射せる 高澤良一 ももすずめ
錦木をおつとりまきぬ草の花 松窓乙二
古里へおつとりがたな走り星 木村真魚奈
子供らのおつとりゐたり*まるめろに 小池文子 巴里蕭条
春の雲おっとりと日をこぼしをり 谷 静枝
清水の小雪おっとり店構 高澤良一 燕音
虫の音におっとりとまた性急と 高澤良一 寒暑
葉柳や影おつとりと殿の倉 下村ひろし 西陲集

マイペース

マイペース崩さずにゆく皮ブーツ 高澤良一 石鏡

闊達

波止に出て闊達の歩の羽抜鶏 福永耕二
悲しくて闊達冬の未亡人(石田波郷師三回忌) 殿村菟絲子 『樹下』
闊達にギリシャの壺や西日朱に 小池文子 巴里蕭条
闊達や摩天の枝に寒雀 中村草田男

太っ腹

海星に海星かさねて桶の太っ腹 星野紗一
葱坊主立身安堵の太つ腹 香西照雄

まあまあ

まあまあとゐなされてゐて初寝覚 高澤良一 燕音
人生はまあまあ美しく葡萄 櫂未知子 蒙古斑以後

一人前

きつねのかみそり一人前と思ふなよ 飯島晴子
一人前鴬団子唯三つぶ 川端茅舎
介病も一人前する火燵哉 向井去来
介病も一人前の火燵哉 去来
酒をかむ木の芽田楽一人前 根津洋子
秋刀魚喰ぶ末子一人前となり 上野泰
女郎花女ながらも一人前 正岡子規
買得たり鴬団子一人前 川端茅舎
爐開きや猫の居所も一人前 正岡子規 炉開

以上




by 575fudemakase | 2019-04-04 03:21 | 無季 | Trackback | Comments(0)

素直

素直

あなたには素直になれる星月夜 柿内芳子
いまひとつ素直になれぬ薬喰 金堂豊子
かんじきを穿けば素直な雪となる 後藤比奈夫
きさらぎの素直に燃えぬものばかり 梅田津 銀化
このあたり人素直也麻の畑 正岡子規 麻
この島に素直に老いて二日灸 米倉沙羅女
これで終りの大根として素直に抜け 能村登四郎
さからふも素直も私冬耕す 影島智子
どの子も素直葱汁に頬染めにけり 脇本千鶴子 『てんと花』
どんたくの素直な列をみておりぬ 広瀬砂子
なぜか素直に鏡開の夜の子ら 堀口星眠
ねこじやらし日射素直になりにけり 鷲谷七菜子 天鼓
悪童も素直にまじり木の実独楽 関根東鳳
稲びかり素直に旅の途上なり 岸本マチ子
因業に素直に蟇の鳴くことよ 飯島晴子
引けば大根どれも焦土に素直ならず 石橋辰之助
飲み水の味が素直や栗の花 茨木和生 野迫川
雨のやうに素直に蜜柑剥いてをり 櫂未知子 蒙古斑以後
泳ぎ来し身の素直なり白タオル 櫛原希伊子
黄金虫も素直に人の辺に眠る 殿村莵絲子
嫁くと決め素直に柿をむいてをり 市川紫苑
果して雪こころ素直になりゆけり 林翔 和紙
花桃のみんな素直な枝束ね 高澤良一 素抱
花八ツ手素直なかほに会ひたると 中田剛 竟日
茄子胡瓜よりも素直に女達 遠藤梧逸
梶の葉に素直なる句ののりにけり 後藤比奈夫
割箸の素直に割れて春愁ひ 鷹羽狩行
寒紅や素直に通す人の意地 松本青羊
寒卵素直に割れし朝讃ふ 朝倉和江
寒林の影の素直に伸びて午後 鷹羽狩行
喜寿の賀を素直にうけて老の春 富安風生
気張らずに素直に生きて根深汁 神坂光生
季梅雨に入れば素直に梅雨籠 富安風生
客乗せて素直になりし登山馬 三甲野一魂
金鳳華夕風人を素直にす 阿部みどり女
句碑除幕御饌の長芋素直かな 阿波野青畝
空の凧いま素直なり妹が手に 下村ひろし 西陲集
桑の実や男素直になる歯並み 椎塚つね子
形代に名を書く心素直なり 西川 五郎
茎の石母あつかへば素直なり 谷迪子
鶏頭の素直に立てり夫の死後 平田 子
迎火の素直に燃えて余すなし 堀 たかし
犬ふぐり素直な心誰も持つ 阿部みどり女
枯葦は素直に伏して地吹雪す 草間時彦 中年
妻二世なれど素直よ茄子漬くる 菊池純二
桜まじ素直に長き巫女の髪 鈴木真砂女
算盤に指素直なり文化の日 宍戸富美子
残暑の候男素直にくたびれる 牧岡亘子
紙よりも素直に吹かれ虞美人草 山川能舞
紫苑咲く子は素直に寝ねられず 田中裕明 花間一壺
自然薯のいやに素直や栽培物 高澤良一 寒暑
七夕や母に素直な中学生 波多野爽波
若き杉ことに素直にしぐれけり 古賀まり子
手の届くところ素直に青木の実 久行保徳
手繰る藤素直に寄り来藤ちぎる 橋本多佳子
秋立つや櫛に素直な今朝の髪 山田弘子
春雨のえにしだの素直なる青さ 臼田亜浪 旅人
春鹿の振向きし眼の素直なる 今泉貞鳳
春燈下素直に聞きて諾はず 稲岡長
春闘の解けて素直なバスの尻 松倉ゆずる
初写真素直に笑顔生れけり 小川原嘘帥
諸葛菜素直がよしと思ひけり 人見亜紀
小雨降る道昼顔の素直なる 松村蒼石 雪
小雨降る道晝顔の素直なる 松村蒼石 雪
賞めことば素直に受けて石蕗の花 石川文子
身辺のいま素直なる木の芽かな 草間時彦
人の世に素直に向ふ屠蘇機嫌 岡本まち子
人も世に素直に向ふ屠蘇機嫌 岡本まち子
人乗せて素直や山の馬肥ゆる 新 信子
人生は素直に墓所の雪をふむ 飯田蛇笏 家郷の霧
水の面抜け若蘆風に素直なり 高浜年尾
水引の花の素直にかたくなに 後藤夜半 底紅
雛の灯に髪照らされて夜は素直 柴田白葉女
世紀末という言葉帰化植物素直に咲き 小林仁子
青なつめ汽笛は人を素直にす 遠藤正子
雪なき越の国原の素直さよ 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
雪虫や女素直に帰れども 飯田龍太
素直さを見せて少年冬木立 田代玲子
素直とはあるひは弱気秋袷 岡本眸
素直には喜べぬ長寿日向ぼっこ 桑田秋冬
巣があれば素直に蜂を通はせる 橋本多佳子
走らない川へ素直なものみな凍て 楠本憲吉 孤客
待春や鉄の素直に削られて 岸田稚魚 雁渡し
大根の干され一夜にして素直 西澤カズ子
大根の素直に抜けて太かりし 高橋春灯
男女たることに素直にクローバー 細見綾子
智恵詣風にそよげる髪素直 山敷英以子
着ぶくれて素直にものの見えはじむ 戸田寿美女
朝起きし心は素直金魚玉 遠藤梧逸
沈丁の香をのせて風素直なる 嶋田一歩
蔦かづら素直に枯れてしまひけり 阿波野青畝
天の川素直になれば見えてきし 大串 章
添寝の児素直に寝つく鉦叩 内海節子
田園のくらし素直に水澄めり 飯田蛇笏 家郷の霧
屠蘇酌んで素直にいのち惜しみけり 多田納君城
冬の雨素直になるもの育みぬ 宇川啓子
冬めくやこゝろ素直に朝梳毛 『定本石橋秀野句文集』
冬藪の遠さよ心素直になる 岡井省二 明野
塔ぞひに幹素直なる山桜 羽部洞然
桃の雨素直に留まる胸釦 上尾ヤス子
盗み引くことにも水の素直なる 辻口静夫
湯豆腐に素直な言葉かくしけり 米沢恵子
童曳く牛の素直に加茂祭 西片幸子「大柚子」
日比谷あたりの夜霧微かに素直なる 中村草田男
熱の子の今朝を素直にクロッカス 大豆生田伴子
萩咲いて素直な妻を見出でたり 林原耒井 蜩
白髪に櫛の素直や初昔 今野福子
薄の素直なるその二三本を画にする 荻原井泉水
被爆忌のいのち素直に髪洗ふ 中尾杏子
病妻の素直がかなし戻り梅雨 舞原余史「鶴俳句選集」
布袋草とは水嵩に素直なる 細川子生
敷かれたるハンカチ心素直に坐す 橋本多佳子
浮いてくる素直がさびしういてこい 能村 研三
風よりも素直に抜かれ春の草 朝田魚生
蕗の筋よくとれたれば素直になる 細見 綾子
福寿草加齢素直にいただきし 能村登四郎
片栗の花の素直に身を反らし 白井風人
返事だけ素直に返し松の内 添野光子
崩れ簗渦を素直に生みつづけ 大川幸子 『小春日和』
妙に素直に蜂のあくせく夢の中 阿部完市 証
銘は藁家というほかはなき石の素直さよ 荻原井泉水
木苺の素直なる花と牛とさびし 下村槐太 光背
夕山の水をへだてて素直なる 飯田蛇笏
露草に心素直になりゐたり 小野 茂川
露草も人の心も朝素直 後藤比奈夫
壜の*いもり切に素直に尾をふれる 原田喬
捩花のねじれねじれて素直なり 青木規子
捩花はねぢれて咲いて素直なり 青柳志解樹「松は松」
鶫まだ人に素直に飛びにけり 右城暮石 声と声

以上

by 575fudemakase | 2019-04-04 02:48 | 無季 | Trackback | Comments(0)

そこそこ

そこそこ

そこそこに京見過しぬ田にし売り 蕪村
そこそこに山吹黄葉したりけり 高澤良一 さざなみやつこ
そこそこに死馬埋め去る枯野かな 渋川玄耳 渋川玄耳句集
そこそこに暑さそこ退け水打たん 高澤良一 随笑
そこそこに食べているらし寒雀 藤本享史
そこそこに鬱金作りの畑仕事 高澤良一 燕音
そこそこの句が出来秋のたんぼ道 高澤良一 暮津
そこそこの梅咲き天神下といふ 行方克己 知音
そこそこの明日それなりの桜餅 櫂未知子 蒙古斑
そこそこの梨買うて来て褒めらるる 高澤良一 鳩信
そこそこも残すな花の山続き 広瀬惟然
そこそこ採れむかご飯には一寸足らず 高澤良一 暮津
ゑのころ草風がそこそこ出で来たる 高澤良一 寒暑
稲植ゑて三日そこそこ一の関 能村登四郎
雨ながら人出そこそこ花の寺 今井風狂子
雨急に鵜飼そこそこに終りけり 京極杞陽 くくたち下巻
花の名をそこそこ覚え田村草 高澤良一 ももすずめ
湖畔亭紅葉そこそこ客そこそこ(檜原湖) 高澤良一 石鏡
春寒やそこそこにして銀閣寺 尾崎放哉 大学時代
女手のそこそこ揃ひ灌仏会 大石悦子 百花
雪囲そこそこにして旅にあり 宮木 きわ子
草の名はそこそこ虫の名はぜんぜん 高澤良一 素抱
草蛍そこそこそこと指さすさき 高澤良一 素抱
鉄舟寺雨そこそこに残花かな 杓谷多見夫
盗み歩きする蟹そこそこに面白し 高澤良一 随笑
燃えさしに山火の火力そこそこや 高澤良一 ぱらりとせ
梅雨入の八百屋そこそこ品揃え 高澤良一 寒暑
白木槿そこそこ零る朝の土 高澤良一 素抱
謡初そこそこ昼の酒となる 斉藤和雄
旅の刻惜しゝ朝寝もそこそこに 高槻青柚子
浪乗に昼餉そこそこ行きし子よ 水原秋桜子
籠枕そこそこの身のよこたわり 原裕 『王城句帖』

以上

by 575fudemakase | 2019-04-04 02:47 | 無季 | Trackback | Comments(0)

荘厳

荘厳

けふの日のしまひに雪嶺荘厳す 上田五千石 田園
この庵の大荘厳や葉鶏頭 野村喜舟 小石川
ふるさとの家を柿もみぢ荘厳す 藤森成吉
みほとけの荘厳さやの月ちりばむ 伊丹三樹彦
一片雲もて秋富士を荘厳す 富安風生
雲海荘厳ふはりと我の終りかな 中村苑子
寒ざれの入日荘厳けぶり茸 加藤秋邨
関帝を荘厳するに霞草 後藤比奈夫
金欲るに荘厳つくす寒夕焼 伊丹三樹彦
銀河曼陀羅かけ荘厳す聖岳 福田蓼汀
月荘厳しかばねむすぶ霜あらむ 太田鴻村 穂国
古寺を荘厳せむと牡丹の芽 阿波野青畝
珊瑚樹の花炎えミサを荘厳す 下村ひろし 西陲集
残暑光我は舎利もて荘厳す 斎藤空華 空華句集
十方仏大荘厳の汐干かな 野村喜舟 小石川
色蔦や陽は篁を荘厳す 北原白秋
新月や鵜舟は川を荘厳す 飴山實
雀群れて椎を荘厳す盆の家 村山古郷
逝く年の森の荘厳火を祭る 古舘曹人 能登の蛙
荘厳に閻浮檀金の夜の闇花散りどきの阿修羅彷彿 筑紫磐井 未定稿Σ
荘厳のさやに鳴りけむ南風吹くと 伊丹三樹彦
荘厳の陸にいどむと磯嘆き 竹中宏 句集未収録
荘厳をはばかり顔や芭蕉の忌 阿波野青畝
霜の塔荘厳なりし倒れ消ゆ 松本たかし
鷹の目に荘厳の黄や奥熊野 宇多喜代子
暖炉燃えロダンの鼻欠荘厳なり 水原秋桜子
暖炉燃えロダンの鼻缺荘厳なり 水原秋櫻子 蘆刈
朝の蝉老幼の弥撒を荘厳す 小林康治 玄霜
朝茜鳰の浮巣を荘厳す 鈴木公二
朝日荘厳桐の葉枯れて木にとどまる 田川飛旅子 花文字
冬鴎虹の荘厳に触れて落つ 岸田稚魚 負け犬
唐門に荘厳したる紅葉かな 阿波野青畝
陶匠の庭荘厳に*かりんの実 田川飛旅子
日盛のシヤワー痩躯を荘厳す 石田波郷
日盛りのシャワー痩躯を荘厳す 石田波郷
馬車馬を春の驟雨が荘厳す 石田波郷
梅雨の雷沖かけて埠頭荘厳す 小林康治 玄霜
櫨紅葉鬼女洞窟を荘厳す 町田しげき
墓標一基雪と月もて荘厳す 福田蓼汀 秋風挽歌
満山の露荘厳す蛇笏の死 石塚友二
霧の夜の荘厳嬰児泣かしめつ 岸田稚魚 負け犬
夕焼荘厳僧院に肉煮えて 上田五千石『田園』補遺
雷轟き新人賞を荘厳に 山口青邨
露けき灯働けば妻荘厳す 小林康治 玄霜
露をもて日を荘厳す蜘蛛の国 千代田葛彦
六月晴れた陽が荘厳すわが孤身 楠本憲吉 方壺集

以上

by 575fudemakase | 2019-04-04 02:46 | 無季 | Trackback | Comments(0)

見事

見事

あじさゐの毬に見事に乗りし色 高澤良一 鳩信
いかのぼり見事にあがるあほうかな 林紅
お見事と云ふべき自然生届きけり 高澤良一 石鏡
くぐる斑の見事の猫やをみなめし 原石鼎 花影以後
これほどに見事に死ねば仏哉 井上士朗
しら粥の見事に炊けて文化の日 深草不二雄
しら雪や見事まろめしをとこの子 寥松
すまひ取扇遺ひの見事かな 樗良
スリツパの数見事なり忘年会 右城暮石 一芸
だらつかふ此の穂のうへの見事さぞ 広瀬惟然
だらつかふ此穂のうへの見事さぞ 惟然
ちる時の見事也けり芥子の花 芥子の花 正岡子規
ちる霰立小便の見事さよ 一茶
ハジカレたが菊の見事さよ 種田山頭火 自画像 落穂集
ピカソより見事に置かれ福笑 永田豊美
ヒブダイの佳人とりわけ歯が見事 高澤良一 燕音
ベゴニヤの葉も見事なる賜りし 鈴木 貞
もつれッゝ見事や雨の糸柳 樗良
ゆづり葉の見事にたれて霰かな 原石鼎
伊勢海老の鬚の見事や生きて着く 宮下翠舟
右腎見事に摘出されて春は行く 金子兜太
羽抜鶏見事に鬨をつくりけり 大木あきら
王城や見事に出来て花御堂 花御堂 正岡子規
下帯は見事なれども京相撲 許六
下帯は見事なれ共京相撲 許六
化粧塩打つたる鰭や鮎見事 水原秋櫻子
何処からも見事に真中鳰浮巣 鈴木鷹夫 春の門
蚊柱の見事立ちけり池の上 蚊柱 正岡子規
駕かきの仏見事や玉まつり 風国
外れなきことの見事さ柿の花 永田 市平
学校のさくら一番見事なり 福井隆子
菊はなしけふは見事や唐がらし 子珊
菊見事死ぬときは出来るだけ楽に 日野草城
空蝉やいのち見事に抜けゐたり 片山由美子
見事さに蛤ひとつ焼れけり 尾崎紅葉
見事なり一羽残らず鴨引くは 鈴木栄子
見事なり全髪雪と白変し 相馬遷子 山河
見事なり白玉椿花一輪 正岡子規 椿
見事なり薄雲はしる后の月 樗良
見事なるはたはた下りぬ菊日和 水原秋櫻子 蘆雁以後
見事なる牛の背中や草の花 北魚 新類題発句集
見事なる人の独りや花の下 傘下
見事なる生椎茸に岩魚添ヘ
見事なる藤を背負ひて杣下山 高野素十
見事なる蚤の跳躍わが家にあり 西東三鬼
見事なる腹が頭上を鴨返す 市村究一郎
見事なる旅の相手や花に鳥 桃隣
見事な一房垂る出荷後の葡萄棚 藤岡筑邨
見事にも命すてけり初松魚 初鰹 正岡子規
見事やと誰も五体をゆりの花 貞徳「犬子集」
行く春や皮肉見事に衰へて 相馬遷子 山河
黒手袋を見事に落し気がつかず 田川飛旅子 『山法師』
嵯峨までは見事あゆみぬ花盛 荷兮
皿に岩魚の見事なる秋青き楓の葉をおく 荻原井泉水
三月や見事なる牡丹雪降り良妻愚母 橋本夢道 良妻愚母
山臥の見事に出立師走哉 服部嵐雪
山桜見事な脇のさびしさよ 攝津幸彦
山伏の見事に出立つ師走かな 服部嵐雪
山伏の見事に出立師走哉 嵐雪
山路来て見事に歩行若葉哉 建部巣兆
散さくらつらくもまさる見事哉 樗良
算用をしらでも見事歳取りぬ 北条団水
紫しぼりの春着見事に着て薄幸 楠本憲吉 方壺集
手づかみに見事くれたる菜漬哉 寥松
就中御吹流し見事なり 高浜虚子
秋草の中や見事に甕割れて 波多野爽波
舟曳や五人見事に梅を嗅 建部巣兆
初鏡縮緬皺の見事なる 相良知子
初雪の見事に降れり萬年青の実 村上鬼城
初雪の見事や馬の鼻ばしら 利牛
松茸の傘が見事と裏返す 京極杞陽
須磨の月たゝやつうづの見事さか 荷兮
水祝見事にぬれし男かな 如瀾 新類題発句集
雪ちらり~見事な月夜哉 一茶 ■文政六年癸未(六十一歳)
雪に来し見事な鳥のだまり居る 原石鼎
雪に来て見事な鳥のだまり居る 原石鼎
雪車曳の見事に並ぶ夜明かな 内藤鳴雪
草の戸の見事や今朝を露の秋 松岡青蘿
草履売る隙(ひま)に見事や菊の花 立花北枝
憎まれ桐見事緑蔭つくりけり 村山古郷
大菊の見事に枯れし花壇かな 内藤鳴雪
大空の見事に暮るる暑さかな 一茶
大空の見事に暮る暑哉 一茶 ■文化七年庚午(四十八歳)
中門の額見事なる芭蕉かな 内藤鳴雪
柱状の節理見事や梅固し 阿波野青畝
猪の見事になりて茂りかな 路健
冬紅葉見事や大樹なればなほ 高浜年尾
藤見事見事とぞこゑ車中より 高澤良一 素抱
肉さしに見事つきさす蠣の腹 牡蠣 正岡子規
梅見事禅林入りし者は出す 平畑静塔
白露を見事にこぼす旭哉 正岡子規 露
片手綱馬上に扇見事なり 白雄
庖丁が見事にちびて沖膾 茨木和生
無雑作に並べし雛の見事なる 右城暮石 句集外 昭和十一年
葉牡丹畑散歩圏内に見事なり 水原秋櫻子 蘆雁
落ち熟柿ものの見事につぶれたる 右城暮石 散歩圏
裏切者それは見事に日焼けして 鈴木六林男
烈風の老木の桜見事なり 阿波野青畝
藁塚まで畦曲りゆく見事さよ 秋櫻子
已むなくば見事にはらへ剣の露
祗園会や女ざかりの汗見事 日野草城
籠かきの仏見事や玉まつり 京-風国 俳諧撰集「有磯海」

以上

by 575fudemakase | 2019-04-04 02:45 | 無季 | Trackback | Comments(0)

達者

達者

かへり見て母の達者や茸山 皆吉爽雨
どこの冬田ぞ「達者で暮らせ」と画面ゆ声 中村草田男
羽抜鳥みてくれよりは達者なり 高澤良一 寒暑
花すすき達者にありけ十文字 伊賀-車来 俳諧撰集「有磯海」
蚊のすねも達者に見ゆる夏のうち 杉風
我訪へば彼も達者や夏衣 松本たかし
海山の達者や雛の餅と酒 朱拙
句達者の中の鈍才黄葉明り 関森勝夫
桑笑(そうしょう)や名とりの老女嫁達者 服部嵐雪
桑笑や名とりの老女娵達者 嵐雪
月涼しといへる老爺が達者哉 尾崎紅葉
元日のみんな達者馬も達者 尾崎放哉 小豆島時代
古里の大炉を守りて母達者 後藤鬼橋
口ばつかり達者になりしごまめかな 橋場もとき
紅葉鮒のこと書いてあり父達者 中阪賢秀
山中に達者なりけり大桜 高澤良一 随笑
四月馬鹿達者と云へる褒め言葉 高澤良一 鳩信
始めて鳴く蝉と思へず達者なもん 高澤良一 寒暑
七十の海女達者かや夏の海 阿波野青畝
斜九良狩女の足の達者也 芦角
秋茄子や邪魔にされつつ婆達者 皆川白陀
春へ越達者見せばやとしの坂 中川乙由
宵戎英語達者の露天商 藤原正己
生身玉其又親も達者なり 正岡子規 生見玉
生身魂七十と申し達者なり
生身魂達者なものよ卵焼く 高澤良一 暮津
西馬音内夜更けて踊り達者が出 高澤良一 素抱
草刈の達者を過ぎて北狄 佐々木六戈 百韻反故 わたくし雨
達者なる足腰秋のあめんぼう 高澤良一 随笑
蝶々や今に達者で蕎麦の花 三宅嘯山
燈籠の主が達者で居られたら 正岡子規 燈籠
年の宿踊達者の妓に会へる 滝井孝作 浮寝鳥
年酒酌む表情筋のなお達者 敷地あきら
風邪のひげをのばして達者で君がお墓の前 荻原井泉水
旅人の達者で居たる卯月かな 卯月 正岡子規
緑平雀の句いつも平凡にして達者らし 荻原井泉水
冷酒や老いて達者に嘘もつき 赤尾恵以

以上

by 575fudemakase | 2019-04-04 02:44 | 無季 | Trackback | Comments(0)

一番

一番

*えいが一番鮫が二番と涼しかな 松山足羽
あたたかや一番星に女神の名 山口 速
いなか屋という店霧の一番鶏 植山恂子
いの一番母の里から配り餅 田北 みつこ
うら町の一番鶏や夜のゆき 諷竹
お四国へ一番発ちの白浄衣 つじ加代子
お薬師へ一番出しの氷室雪 田村愛子
カチユーシヤも一番星も端居かな 西本一都
コーラン湧く村に一燈 一番星 伊丹三樹彦
この会へ鴨一番ひ手土産に 高野素十
コモリン岬の残照 新月 一番星 伊丹三樹彦
これやこの一番星の犬ふぐり 三村純也
さかやきの一番首や年男 程已
さへづりは夜明け一番四十雀 関正夫
しほざゐの一番街を夏帽子 鈴木鷹夫 大津絵
たぐりよす一番青海苔の長さかな 秋畑 やすえ
チューリツプ一番若い保母の声 永井余沙
つぼやきやいの一番の隅の客 石田波郷
ドイツがやはり一番親し鰯雲 奈良文夫
どれもみな一番花や花苺 大山 清治朗
バルコニー一番星は風が呼ぶ 田口一男
ひたものか一番草をならへども 広瀬惟然
ひたもの歟一番草をならへども 惟然
ふくらみて一番花の桔梗大 野呂 ふさ江
ほら吹きになりたや春の一番に 佐藤鬼房
まひるまが一番静か柿の家 佐々木六戈 百韻反故 初學
みづいろの春の夕ぞら一番星よ 高屋窓秋
よく聴ゆ汽笛西瓜は一番花 高澤良一 ねずみのこまくら
阿蘇谷の霧より一番鶏の声 長田等
旭の金ンの一番芦を刈り倒す つじ加代子
芦刈や一番星を追ひ上げて 上田五千石『田園』補遺
磯開き一番鎌をふる女 鈴木真砂女 都鳥
一番と言はず一号木枯吹く 右城暮石
一番にかゞしをこかす野分かな 許六
一番にはつ鮭来り馳走砂 一茶
一番に愛称を得て屑金魚 土生重次
一番に案山子をこかす野分かな 許六
一番に乙鳥(つばめ)のくゞるちのわ哉 小林一茶 (1763-1827)
一番に乙鳥のくゞるちのわ哉 一茶 ■文化十一年甲戊(五十二歳)
一番に仔馬が駆けて牧開き 瀬川としひで
一番に耳より年ぞ酉の声 望一
一番に上りてさみし絵双六 内田美紗 浦島草
一番に植えし田の色濃かりけり 宮沢しきぶ
一番に雪の雫や酒はやし 呉竺
一番に投句すませし初句会 長安悦子
一番の鮭やそれから五ばん迄 凉菟
一番の勝を佐久間が吹流し 其角
一番の電車がら空き冬休み 小川 真砂二
一番の渡り漁師や雪解風 河東碧梧桐
一番の藍より出づる夕べの木 松澤雅世
一番の冷え込みありぬ蔦紅葉 高澤良一 燕音
一番バス受験子と乗り合せたる 鈴木しげを
一番は逃げて跡なし鯨突 太祇
一番は迯げて跡なし鯨突 太祗
一番は迯て跡なし鯨突 炭 太祇 太祇句選後篇
一番花泰山木の秀枝より 阿波野青畝
一番機翼の下に冬茜 秋元波末子
一番汽車鳥渡る空に音あげし 碧雲居句集 大谷碧雲居
一番鮭遡るや早瀬又荒瀬 水原秋櫻子
一番札所仕立ての白も秋へんろ 百合山羽公 樂土以後
一番札所訪ふ昂りに冬の汗 奈良文夫
一番子二番子雀巣立ちあひ 原石鼎 花影以後
一番寺の鐘乱打成人の日の老人 原子公平
一番寺甍かがやく種下し 西野よし枝
一番星二番星海苔はげみ漉く 有働 亨
一番星二番星海苔漉きいそぐ 有働 亨
一番星枇杷の実よりも近くなる 千代田葛彦
一番星鶲はいつか来てゐたり 原田喬
一番草岩の貌して田をあがる 佐藤鬼房
一番草畦に片減り見えしかな 能村研三
一番草湯といふ重きもの提げて 鳥居美智子
一番蔵二番蔵あり夏木立 大峯あきら 宇宙塵
一番炭朝の佛間に匂ふなり 熊田鹿石
一番茶すみし日焼の女衆 沢木欣一
一番茶すんで燕の子が孵へる(静岡、日本平) 細見綾子
一番茶のあと暈をして眠る月 西村公鳳
一番茶桶狭間へと送りけり 前原早智子
一番茶含み老いゆく微動あり 殿村菟絲子 『菟絲』
一番茶終り日焼けの女衆 沢木欣一 二上挽歌
一番茶終り日焼の女衆 沢木欣一
一番茶摘みて畑小屋水もなし 石川桂郎
一番茶摘み終へし夜は父も酔ひ 岡野よしを
一番茶摘むみささぎの地のつづき 吉田紫乃
一番茶二番茶既につみにけり 正岡子規 茶摘
芋の露まろび一番電車かな 遠田澄子
羽子板市一番星にずばり買ふ 渡辺 恭子
押鮓や一番神輿門を過ぐ 本多ちづ子
俺が一番叱られた父の墓へまいる 内田南草
下手の碁の一番すぐる時雨哉 夕道
下谷一番の顔してころもがへ 一茶 七番日記
下谷一番の皃してころもがへ 一茶 ■文化十年癸酉(五十一歳)
夏祭り馬が一番耀けり 歌津紘子
夏蚕眠る明神岳の一番星 中拓夫 愛鷹
嫁菜飯けふ一番の至福なり 大下佳恵子
花はこべ一番低い風に会う 山崎禎子
花茄子の一番花のこちらむき 山下 尭
花木槿北岩倉の一番戸 船山
茄子植ゑて一番花を心待ち 上田 幸子
霞みけり山一番の大檜 霞 正岡子規
我が家が一番気楽青簾 泉千代
海に映る一番星や浜涼し 正岡子規 涼し
海光を指先に摘む一番茶 増田富子
学校のさくら一番見事なり 福井隆子
葛城の秋澄む一番太鼓かな 石田玄祥
蒲公英の一番花の茎短か 瀬戸 十字
鴨笛の一番星も誘ひけり 百合山羽公
鴨浮けて千代田区千代田一番地 稲垣きくの 牡 丹
鴨啼いて一番星の出てゐたる 石井とし夫
萱草の一番花の大いなる 江本 如山
寒冷紗端折り摘まるる一番茶 柴田鈴子
汗の人札所一番鐘をつく 坊城 中子
甘露忌の一番星を湖の上 長田等
関門や一番糶の河豚揚ぐる 中山蘭水
丸見えの浮巣に無事の一番子 手塚美佐「昔の香」
顔見せや一番太鼓二番鶏 湖十 反古ふすま
気に懸る一番鑓のなすびかな 木導
菊苗を庭一番の日向に置き 高澤良一 寒暑
休み田を翔んで燕の一番子 森澄雄
京へ発つ一番列車春シヨール 秋山雅子
強霜の飛騨の一番電車かな 木川夕鳥
金環蝕ぼうぼうほろぶ一番鶏 佃悦夫
屈みたる場所が一番蓬摘 橋爪きひえ
靴を穿く今が一番寒い時 京極杞陽
熊手売ここ一番のゑびす顔 高澤良一 燕音
桑摘女のせて一番渡舟出づ 江口竹亭
群ら雀一番星に翔ちさわぐ 金子兜太
恵方とて一番札所詣でけり 松村節子
畦塗りが畦に塗りこむ一番星 栗生純夫 科野路
故郷遠く一番星は蜘蛛の囲に 今瀬剛一
湖荒れて一番鴨の陣なさず 山田弘子 こぶし坂
碁一番二日になりぬ春の雨 尚白
紅花摘みのうしろ一番列車過ぐ 佐藤俊子 『雪の本丸』
香のごと享け掌の一番茶 荒井正隆
高稲架に一番星の生まれけり 土谷和子
根気よき竹馬一番星奏づ 禰寝瓶史
祭足袋ここ一番の男かな 空野昭枝
菜の花に懸る一番低い雲 折笠美秋 死出の衣は
菜種揉みにも一番揉み二番揉み 高野素十
鮭漁へ暁一番の勢子の声 石田章子 『雪舞』
山雀の一番鳴きや夏の暁 長谷川かな女
私書箱開扉一番にクリスマスカード 鈴木栄子
若竹の皮脱ぎをはる一番寺 中川克子
主曰く村一番の日向ぼこ 遠入 たつみ
狩の宿一番鶏の鳴きにけり 松藤夏山
種蒔く列の一番早きは神に會うや 細谷源二
宗祇忌や一番鶏の箱根宿 柚口 満
修二会待つ堂の真上の一番星 広瀬千鶴
秋つばめ盆地に港町一番地 穴井太 原郷樹林
秋水に漱ぎて札所一番寺 能村登四郎
秋風の一番星が眉の上 千代田葛彦
秋簾かけもし一番南蔵院 岸田稚魚 『花盗人』
十六夜や一番藍の育つ蔵 橘美寿穂
春暁の一番船が砂降ろす 中戸川朝人 星辰
春暁の一番列車いつも貨車 松本えいじ
春暁の一番列車紙のよう 小暮洗葦
春暁やいの一番の美しき鳥 津曲つた子
春二番一番よりも激しかり 牧野寥々
初ざくらこゑあり今が一番と 高澤良一 鳩信
初鶏のいの一番は御師の家 木内彰志
初嵐一番星を攫ひけり 中村代詩子
小庭にて一番の日向鳳仙花 滝井孝作
松蝉や一番の地に農の墓 上田かつみ
松虫の声一番の高音なる 右城暮石 散歩圏
焼跡を一番電車通りそむ 清崎敏郎
尻はたきここ一番の大相撲 高澤良一 宿好
新涼の一番星は吾子ならむ 佐伯節子
辛酒や村一番の蓮が咲き 平畑静塔
数知れず 離水の一番鴨追うは 伊丹三樹彦
数方庭祭一番太鼓へ浄め塩 堀青研子
摺り減りし一番櫂や寒造 西本一都
寸又峡まだ摘まれざる一番茶 金子翠雨
正座して川床の一番客であり 山尾玉藻
青葉西風一番風呂に男の子 八牧美喜子
青葉風一番風呂の日曜日 渡辺君子
石手寺の一番鶏や秋遍路 久重サヨ子
雪ぐにや一番星は棘をもつ 成田千空
雪の蝦夷富士一番星をかかげたる 篠崎圭介
千代田区一番地月曜っぽい空と 早瀬恵子
戦ひの身が夏の夜の碁一番 乙訓
撰り分くるこのわた一番二番あり 杉原竹女
走りくる孫一番の賀客なり 菅原静風子
霜月やみそ一番の甲羅酒 太田蓁樹
霜光りして翔び立ちぬ一番機 西岡正保
卒業の一番二番女の子 高野素十
孫と入る一番風呂や梅雨に入る 上村シマ
孫と末子や一番星と新月と 中村草田男
村一番のっぽはチャペル麦の秋 嶋田摩耶子
村中が動き出しけり一番茶 松本つね
打ちわくる水や一番二番町 正岡子規 打ち水
大関の仕舞一番名古屋場所 井上行夫
大江山いの一番に笑ひけり 萩原すみ
大根が一番うまし牡丹鍋 右城暮石
大風の夜が明け雀一番子 藤田湘子 神楽
滝野川一ノ六一番地何ごともなく梅雨晴るる 岸田稚魚
探梅の出発梅田一番地 辻田克巳
短夜や一番汽車に乗りおくれ 正岡子規 短夜
短夜をまた逢までや碁一番 乙訓
団扇風いただき一番札所寺 高澤良一 宿好
知覧茶の一番茶出て武家屋敷 掘越鈴子
朝の市いの一番の焚火かな 内山三杖
朝顔よ一番馬の鈴の音 北空
朝霧をつんざく一番列車哉 寺田寅彦
朝涼の一番電車花の荷と 茂里正治
潮風を切るつばくらの一番子 大木あまり 火球
町いまが一番きれい若葉風 黒川悦子(円虹)
鳥威一番効果あるはどれ 右城暮石 散歩圏
鳥雲に一番網は雑魚ばかり 鈴木真砂女 夏帯
佃一番地朝顔裏まで見通し 長谷川かな女 花 季
蔦の芽の一番駈けを児に持たす 高松香地子
壷焼やいの一番の隅の客 石田波郷
摘む籠の息づくごとし一番茶 鷹羽狩行
鉄骨のおぼろを一番電車来る 茂木さ近
怒気の早さで飯食う一番鶏の土間 金子兜太
冬至なり一番星に喜色あり 相生垣瓜人 負暄
冬立つや一番バスの顔揃ふ 谷口智鏡
東まだ一番山笠に明けてこず 佐藤裸人
棟梁が一番小柄三尺寝 黒澤正行
日に飛んで蜂が一番秋らしき 藤田湘子 神楽
入学の組一番の背なりけり 細川加賀 生身魂
年男胡坐して謡一番す 大野洒竹
芭蕉葉の風に一番囃子かな 環 順子
梅が香や先一番に焼見舞 牧童
梅雨明けのいの一番の朝雀 清水基吉
煤掃の一番竈燃えにけり 大橋櫻坡子 雨月
萩咲けば萩が一番谷戸の雨 二松斐子
白魚網一番星の閃めきに 阿波野青畝
白南風や一番パンが焼きあがる 矢島三榮代
尾をつけて一番高し奴凧 前田普羅
尾根辿りの運び女の列 一番鶏 伊丹三樹彦
風が澄む谿の一番星の赤子 関田誓炎
風光る一番のりの滑り台 矢島渚男 船のやうに
復活祭一番鶏は野に出でて 古野洋子
遍路杖秩父一番と烙印す 山口青邨
歩哨死す 一番星が出た真下 星永文夫
母の忌や字一番のさくら咲き 仁尾正文
宝恵駕の一番駕の鯛は大 堀 みのる
忘年会一番といふ靴の札 皆川盤水
北大の一番鶏やななかまど 御子柴光子
盆休み一番藍を湛へたる 清崎敏郎
末枯や一番遅れ歩きをり 松本たかし
冥土一番の顔して御慶申しけん・・・一茶の研究者たりし束松露香逝く
明日植う一番藍の束ねられ 尾上 萩男
籾干して谷戸一番の大藁屋 高木晴子
夜の明けて来し一番の鶴のこゑ 太田 嗟
野陣から一番鑓ぞうめのはな 三宅嘯山
野分あと一番星の置きみやげ 大西比呂
油日岳はまだ雪あるに一番茶 森澄雄
柚子*もいで一番星の位置たしか 片山由美子
夕鴨の一番橋は高かりし 三好達治 俳句拾遺
夕焼や一番星は子にゆづり 三嶋隆英
裏木戸に一番釣りの鮎届く 秋山とみ江
離陸機を仰ぎ一番茶を刈れる 古賀まり子
緑陰の一番古い地蔵尊 光宗柚木子
冷奴いの一番の客であり 角川春樹
暦売一番星を見上げゐし 渡辺恭子
蕨採り一番バスに乗り込みぬ 佐藤仲子
壺焼やいの一番の隅の客 石田波郷
椰子涼し一番星はどこに出る 岩崎照子
芒野や一番星が帽子掛 磯貝碧蹄館
葭切や一番星の低く出て 永久甲三
蛞蝓や明け一番に退治する 田中巳
蟲の聲一番鷄の鳴きにけり 正岡子規 虫の声
裘一番星と呟けり 飯島晴子
鵙啼くや一番高い木のさきに 正岡子規 鵙

以上

by 575fudemakase | 2019-04-04 02:43 | 無季 | Trackback | Comments(0)


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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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