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2019年 04月 19日 ( 17 )

ありあり

ありあり

あけ方の夢ありありと水中花 田中みち代
ありありて捨て巣の卵凭りあへる 木村嘉男
ありありとひらく崑崙黒つばき 星野麥丘人
ありありと何に覚むるや朝雉子は 細見綾子
ありありと見ゆる砂漠に動くものなくて無数の襞はしづまる 佐藤佐太郎
ありありと狐逃げゆく枯野かな 渋川玄耳 渋川玄耳句集
ありありと妻の雀斑菜も咲くよ 福永耕二
ありありと秋幻が城に棲めり 阿部完市 無帽
ありありと十字路濡れて渡御済めり 鈴木良戈
ありありと春愁の眉阿修羅像 倉橋羊村
ありありと針孔なほ撓む雪の藪 宇佐美魚目 秋収冬蔵
ありありと水に日のくれ迎盆 鷲谷七菜子 一盞
ありありと戦車幾台日覆かけ 能村登四郎
ありありと吐き白むべき息あはれ 相生垣瓜人 明治草
ありありと童子山水初暦 斉藤夏風
ありありと縄焼きし灰諸葛菜 能村登四郎
ありありと反古の読まるる紙子かな 高田蝶衣
ありありと必死の姿秋夜変 福田蓼汀 秋風挽歌
ありありと不動いませり夕焚火 山田昌子
ありありと福耳冴えて遺影なり 渡邊千枝子
ありありと別の世があり落椿 青柳志解樹
ありありと没日の沼の泡立草 尾林朝太
ありありと夜の山ありぬ秋初め 森泉悠子
ありありと裸子なりし女の子 綾部仁喜 樸簡
ぎんりよう草そこはかとまたありありと 岸田稚魚 『萩供養』
そこはかとまたありありと夏げしき 加藤三七子
ともしびにありあり飛べる春蚊かな 日野草城
ふところ手してありありと咳窶れ 能村登四郎
ライターのありあり燃ゆる毛皮かな 中村汀女
ロダンの「掌」意志ありありと秋の冷え 中尾杏子
阿蘇五岳ありあり涅槃したまへり 鷲谷七菜子
杏の実ありあり見えて月のぼる 川崎展宏
瓜食めば昼ありありと天の川 宇佐美魚目 秋収冬蔵
雲の中に月ありありと西行忌 山田みづえ まるめろ
遠き岬ありあり見ゆる冬日かな 鈴木真砂女
遠目にも疑心ありあり羽抜鳥 加藤房子
牡丹に ありあり遊ぶ 家祖の霊 伊丹三樹彦
夏果や眼にありありとわが臥す日 大野林火
夏痩せやきかぬ気眉にありありと 鈴木真砂女
夏夕ベ鹿の首のありありと 宇多喜代子
花かへで汝の額のありありと 岡井省二 五劫集
海の日のありありしづむ冬至かな 久保田万太郎
開きつつ桜の大志ありありと 脇本星浪
寒の水ありありと身体髪膚かな 山田みづえ
眼の玉のあとありありと蛇の衣 足立幸信
眼鏡なき顔に湯ざめのありありと 能村登四郎
蟻地獄ありありわが足にも踏まれ 山口誓子
旧山河ありあり沈む蜷の杭 百合山羽公
強霜のありあり地獄の釜の蓋 高澤良一 石鏡
胸筋のありありと浮く夏の崖 正木ゆう子 悠
桐の実鳴るありありと火の原爆図 野中久美子
継ぎ足せし泥ありありと燕の巣 右城暮石 句集外 昭和四十五年
月白に月の使者の灯ありありと 上田日差子
月朧窓ありありと影法師 正岡子規 朧月
枯木立千々ありありと夕日去る 松村蒼石 雁
黒竹のありあり時雨びかりかな 鷲谷七菜子 游影
砂川やありあり見ゆる落鰻 籾山梓月
在天の友らありあり萬緑忌 平井さち子 紅き栞
冴え返るある日の恥をありありと 野澤節子 『駿河蘭』
錆鮎の朱のありありと焼かれけり 高橋悦男
三羽翔びありあり海鵜ぐもりなり 岡井省二 有時
山笑ふこゑありありとけらつつき 矢島渚男 延年
山上の城ありありと十二月 飯田龍太
山茶花や死顔の又ありありと 岸本尚毅 舜
山中をありありとゆく父の拳 奥山甲子男
枝々に雨意ありありと芽吹時 能村登四郎
縞木賊縞ありありと五月来る 青木重行
春雪やありあり深き幹の傷 鷲谷七菜子
春嵐杖ありありと道選び 高橋富里
初比叡水のながれのありありと 潮見朋子
色つきの夢ありありと夢はじめ 鷹羽狩行
心身脱落いまありありと天の川 関口比良男
新樹の日厚朴の葉脈ありありと 瀧春一 菜園
水のコップに死がありありと沈丁花 桜井博道 海上
水貝や酸鼻のあとのありありと 中原道夫
青すいとすがりありあり遊女の名 加藤秋邨
雪のうへに雪降るありありと青し 辻美奈子
蝉しぐれ胸の創口ありありと 高澤良一 素抱
草笛吹く夫にありあり幼な顔 三浦妃代 『花野に佇つ』
送り火や眼鏡の縁のありありと 角川春樹 夢殿
蔵王をありありと見て蛙きく 阿部みどり女
炭斗や国の傾きありありと 田中裕明
遅月やありあり見ゆる稲の露 西島麦南 人音
遅速ありありて賑はふ菖蒲の芽 松本進
筑波嶺の襞ありありと冬立てり 満田春日
長瀞の渦ありありと初紅葉 小島花枝
鳥の巣のありありと妻痩せにけり 田中裕明 先生から手紙
鳥の巣のありありみゆる榎かな 一茶
追分や冬立つ風のありあり見え 河合照子
田を植ゑし夜はありありと畳の目 大関靖博
怒りゐることがありありマスクの目 遠山みよ志
冬の夜や頭にありありと深海魚 大野林火 早桃 太白集
冬凪や地にありありと俵痕 能村登四郎
灯を消してよりありありと初昔 鷲谷七菜子
二日灸ばゞ様の顔ありありと 正岡子規 二日灸
農の皺手にありありと花会式 右城暮石 虻峠
梅散るやありあり遠き戦死報 馬場移公子
膝におく扇に気宇のありありと 杉浦湖畔
父と見し鴨川踊ありありと 錦織 鞠
風神の道 ありありと 芒山 伊丹三樹彦
仏足のありありと暁の冬耕土 能村登四郎
仏足のありあり見ゆる春の昼 伊丹三樹彦
母老いし夏の見舞にありありと 菊池 輝行
蜂の縞ありありと海しづかなる 桂信子 月光抄
名月の都府楼址ありありとかな 石塚友二
名月の都府樓趾ありありとかな 石塚友二 磊[カイ]集
木賊刈る手が濡れ残夢ありありと 宇佐美魚目 秋収冬蔵
木葉髪ありありと恋ひゐたりけり 藤田湘子 途上
柚子釜の香をありありと病臥かな 石川桂郎
瑠璃のこゑ厚朴の葉脈ありありと 瀧 春一
露消えし鏡に時世ありありと 中村草田男
老いしことありありと着る白絣 大野林火 月魄集 昭和五十四年
壺焼に大本山のありありぬ 松澤昭 宅居
夭折のかほありありと草茂り 中田剛 竟日
拗ねる癖吻にありありフエヤッコ 高澤良一 ぱらりとせ
楸邨の柿攻む顔がありありと 高澤良一 宿好
蜩や墓碑にありあり旧山河 上田五千石『風景』補遺
螻蛄鳴くと目鼻ありあり風化仏 加藤知世子

以上

by 575fudemakase | 2019-04-19 17:33 | 無季 | Trackback | Comments(0)

まざまざ

まざまざ

かりがねや貧まざまざと娘を嫁かす 小林康治 玄霜
まざまざといますがごとしたままつり 季吟
まざまざといますが如し魂祭 季吟
まざまざとさしてくる日や暮の秋 久保田万太郎 流寓抄
まざまざとわが血の匂ひ蚊を打つて 能村登四郎
まざまざと影富士見るや富士詣 松永鬼子房
まざまざと寡婦朧夜を鍋提げて 田中菅子 『紅梅町』
まざまざと在スかことし魂まつり 季吟 選集古今句集
まざまざと思ひ居ること虹の中 中村汀女
まざまざと水禍の町の秋祭 木下夕爾
まざまざと水噴げて夏ひるまずや 大井恒行
まざまざと彼の英霊菰筵 小原菁々子
まざまざと仏は壺に燈籠かな 吉武月二郎句集
まざまざと夢の逃げゆく若葉かな 寺田寅彦
まざまざと迷ひのあとを蛞蝓 清水衣子
まざまざと鈴鹿野風呂の夕焼けかな 平井照敏 猫町
まざまざと藁家ありけり夕牡丹 廣瀬直人
一と群の死活まざまざ 彼岸花 伊丹三樹彦
炎天に秋気まざまざ都府楼趾 能村登四郎
火を焚いてまざまざ春の荒田なり 能村登四郎
火葬塚眼にまざまざと夜の蛙 角川源義
花火張る港まざまざ八十路へ師 諸角せつ子
街路樹の深手 まざまざ 寒月光 伊丹三樹彦
牛小屋に出水の跡のまざまざと 棚山波朗「料峭」
月の椰子倦めばまざまざ人の鼻 殿村莵絲子 花寂び 以後
行人に寒燈まざまざと把手(ノブ)をのみ 中村草田男
今更の初鏡なれどまざまざと 能村登四郎
酸素吸ふ夫まざまざと稲光 石田あき子 見舞籠
残照の海流まざまざと生きて遠し 金子兜太
春暁に醒めてまざまざ生身なる 能村登四郎
親指がまざまざありて枇杷すする 高澤良一 暮津
西日の中女らまざまざ通りすぐ 岸田稚魚 負け犬
西日中女らまざまざ通りすぐ 岸田稚魚 雁渡し
太古の火まざまざとある寒詣 永野孫柳
朝寝してまざまざと老残りけり 能村登四郎
冬木立まざまざとあり父のなし 山口方眼子
頭覚めよ崖にまざまざ冬木の根 西東三鬼
波打つて陰まざまざと巌冴ゆる 鷲谷七菜子 銃身
夕野分わがしだり尾のまざまざと 鈴木紀子
流燈のまざまざありし朝洲かな 芝不器男
流燈のまざまざ浪にくつがへる 塚原麦生
蝗熬る炉火まざまざと燃えつきぬ 西島麦南 人音
颱風禍まざまざチャンネル切り替えても 高澤良一 石鏡

以上

by 575fudemakase | 2019-04-19 17:32 | 無季 | Trackback | Comments(0)

めっきり

めっきり

めつきりと師走に成ぬ松ざくら 凉菟
めつきりと二月になりぬ梅のいろ 完来
めつきり寒うなりました蕪を下さつた 種田山頭火 自画像 落穂集
めつきり秋めいた風が法衣のほころび 種田山頭火 自画像 落穂集
めっきり秋らしくなる日をピザ焼く香 高澤良一 石鏡
めつきり少なくなりし松露を掻きにけり 安住敦
めつきり朝がつめたいお堂の戸をあける 尾崎放哉 須磨寺時代
めつきり萩の枝のたけだけし台風近づく 荻原井泉水
押売りのめつきり減りて一茶の忌 八幡より子
鴨めつきり減りし蜆を掻いてをり 安住敦
好きな人めつきり減りし賀状書く 上田五千石『琥珀』補遺
高きに見てめつきり秋の夜景なり 能村登四郎
実をもいでめつきり枇杷の衰へぬ 篠田悌二郎
上野山めっきり春のベンチかな 高澤良一 寒暑
朝の灯のめつきり秋のこぬか雨 岡本眸
朝戸繰る音もめっきり秋らしく 高澤良一 暮津
朝夕のめつきり冷えて源義忌 草間時彦
日もめっきり春めき並木の木偶ノ坊 高澤良一 素抱
白味噌搗く田がめつきりと寒くなり 中拓夫 愛鷹
母と子にめつきりふえし春の星 西海由美子
夜は車めつきり減リて冬の月 高田風人子

以上

by 575fudemakase | 2019-04-19 17:31 | 無季 | Trackback | Comments(0)

はっきり

はっきり

かたみの眼鏡が合うてきてはつきりと秋 成田夜雨
きれいなはちまきしめてはつきり夕月天下 阿部完市 春日朝歌
さくら散るときはつきりと幹と枝 波止影夫
しづかさや梅はつきりと冬ざしき 陽和
セーターを着るとき垂れ目はつきりと 小島健
とどこおる処はっきり春の水 高澤良一 寒暑
なまこ獲り墓がはっきり見えてくる 八木原祐計
はっきりせぬ虹の七彩折衷案 高澤良一 暮津
はつきりとなき人かなし青葉山 北枝
はつきりとべつたら市の麹粒 松村幸一
はつきりと霞の中に鳶黒し 霞 正岡子規
はつきりと垣根に近し秋の山 秋の山 正岡子規
はつきりと砧の声の榛と松 岡井省二 有時
はつきりと月を出しては呉れぬ雲 重冨匆子
はつきりと月見えてゐる枯木かな 星野立子
はつきりと月現れぬ寺の上 月 正岡子規
はつきりと見る夜もなしにの月 蚊帳 正岡子規
はつきりと枯れしもの枯れそめしもの 石井とし夫
はつきりと行先遠し秋の山 秋の山 正岡子規
はつきりと咲いてゐしかば霞草 後藤比奈夫
はつきりと桜の中の柳かな 桜 正岡子規
はつきりと手が見えて蝌蚪すくはれし 今瀬剛一
はつきりと秋の潮目の壇の浦 後藤比奈夫
はつきりと秋風が吹き病よし 森田 愛子
はつきりと鉦叩又蟲時雨 星野立子
はっきりと蝉鳴きそむは今日のこと 高澤良一 暮津
はつきりと草萌えてゐる遺跡かな 鷲谷七菜子
はつきりと昼は乾ける甑沓 後藤比奈夫
はつきりと椎の落葉の音一つ 富安風生
はつきりと冬木の末や晝の月 正岡子規 冬木
はつきりと富士の見えたる寒さ哉 寒さ 正岡子規
はつきりと亡き人かなし青葉山 北枝「しるしの竿」
はつきりと柳の中の桜かな 正岡子規 柳
はつきりと有明残る桜かな 荷兮
はつきりと翡翠色にとびにけり 中村草田男
はつきりと翡翆色にとびにけり 草田男
はつきりと鵆の数のめでたさよ 阿波野青畝
ヘルパーの挨拶はっきりゆすらうめ 高澤良一 暮津
マスクしてすこしはつきりせぬ自分 後藤比奈夫
むらさきのはつきり都忘かな 後藤比奈夫
わが口ごもることを炭斗はつきりとあり 中川一碧樓
磯にくるやはつきりと東風となりて吹く 川島彷徨子 榛の木
鰯雲はつきり峡を抜けし空 稲畑汀子
雨音のはつきり枯れしもの叩く 後藤比奈夫
雲水の打てるはつきり寒の水 後藤比奈夫
影もはつきりと若葉 種田山頭火 草木塔
燕にて燕尾はつきりさばき飛ぶ 山口誓子
遠い山はつきり見えて氷魚汲む 北村幸子
遠きものはつきり遠し星月夜 広瀬ひろし
遠き声それとはつきり時鳥 右城暮石 句集外 平成二年
遠く斑ら牛はつきり見えるそれだけの景色冬日の村 安斎櫻[カイ]子
牡丹雪とははつきりと地にとどく 後藤比奈夫
牡蠣舟の灯よはつきりと浪華の灯 後藤比奈夫
火渡りを待つはつきりと雪催ひ 竹中弘明
花咲きしときゝてはつきり眼あけゐし 細見綾子 桃は八重
花咲きしときゝてはっきり眼あけゐし(病臥) 細見綾子
階上にまで十薬のはつきりと 山口誓子
鰹見てはつきりとする寐覚哉 望月宋屋
鴨の陣はつきり雪の山ぼうと 波多野爽波 鋪道の花
乾すといふ仕事はつきり五月来し 後藤比奈夫
寒き髪包みはつきり目鼻立 後藤夜半 底紅
寄生木の影もはつきり冬木影 篠原鳳作
岐阜提灯闇が沈めばはつきりと 日野草城
鬼は外はっきり言おうはっきりと 高澤良一 随笑
牛の鼻紋はっきり寒ゆるむ 伊藤季四夫
空あひのはつきり暮れて三日の月 三日月 正岡子規
熊笹がはつきり梅の花ぱつと 京極杞陽 くくたち上巻
迎火や母の呼ぶ名のはつきりと 五十嵐播水
撃たれたる猪の猪首のはつきりす 坪井洋司
月の出の山がはつきりしてきたる 永田耕一郎 雪明
月や朧窓やはつきり影法師 正岡子規 朧月
幻の狐の耳のはつきりと 橋本鶏二
枯蔓となりてはつきりまとひをり 後藤比奈夫
枯蓮はつきりと実をつけたるよ 佐野良太 樫
紅梅にはつきりと雨あがりたる 星野立子
紅梅にはつきりと雨上りたり 星野立子
行先のはつきり遠し秋の山 秋の山 正岡子規
三光鳥はっきりと啼く沙羅の木に 加藤三七子
三日月の座ははつきりと梅花 浪化
三門を敲くはつきり芋嵐 後藤比奈夫
山下りて黄小菊に夕はつきりす 細見綾子
山腹の伽藍はつきり夏の鴨 岡井省二 山色
耳うごくときはつきりと狩の犬 後藤比奈夫
自分がはつきりとして蓼の葉を十枚もぐに 中川一碧樓
写真にもはつきり堂の霧いたみ 後藤比奈夫
蛇の長さはつきりと見ぬいなびかり 大野林火 青水輪 昭和二十三年
秋燕や澪はっきりと戸田の船 及川貞 夕焼
秋曇とてはつきりと塔は見ゆ 後藤比奈夫
春の星はつきりしたりうるんだり 上野 章子
春の夜の闇を背に佇つはつきりと 成瀬正とし 星月夜
春渚笑顔はつきり見えてきし 中田尚子
初刷の吾名はつきり読まれけり 椎橋清翠
小さくなりはつきりとなり月高し 上野 章子
小さなる鷹とはつきり今は見ゆ 後藤夜半
松の蕊はつきりと吾が影ある地 細見綾子
人妻の黒眼はつきり海を出る 鷹羽狩行
水平線はつきり見えてゐて寒し 池田秀水
石階をはつきりのぼり松の花 細見綾子
雪嶺へ向きはつきりと肯定語 藤田湘子 神楽
戦争がはっきり見える潦 森田智子
草むらにはつきりとさく野菊哉 正岡子規 野菊
苔の蚊の縞はつきりと見せてゐる 右城暮石 句集外 昭和十三年
単衣きて樹がはつきりしてはつきり苦境 中川一碧樓
地に下りる時はつきりと鶴の脚 柴田のり子
地震ありき寒の畳は目にはつきり 加藤秋邨
竹の幹はつきり映る雪の水 右城暮石 句集外 昭和五十九年
著莪畳には陰日向はつきりと 上崎暮潮
著莪畳には影日向はつきりと 上崎暮潮
朝寒空「けふははっきりしませんね」 高澤良一 寒暑
電柱のはっきり黒し月の町 伊丹三樹彦
塗りたての畦はつきりと星が出る 鷹羽狩行
冬空へ出てはつきりと蚊のかたち 岸本尚毅
冬日来て芝生はつきり傾がしむ 後藤比奈夫
橡の実拾ふ持つこゝろはつきりお墓に詣る 安斎櫻[カイ]子
奈良寒し鼻孔はっきり鬼瓦 森田智子
虹たちて消えてはつきり我が未来 田畑美穂女
日傘開く音はつきりと別れ哉 松浦為王
芭蕉葉にはつきり一つ蝸牛 京極杞陽 くくたち下巻
枇杷の花はつきりしないのが勝か 飯島晴子
枇杷の木に近づけば花はつきりと 大串章
紐はなれはつきり喧嘩独楽となる 後藤比奈夫
撫子の挿芽つきしははつきりと 右城暮石 句集外 昭和十三年
風たつや街はつきりと日向だく 川島彷徨子 榛の木
風蘭を見てあれば脈のはつきりす 加藤秋邨
仏法僧声はつきりと繰りかへし 河野静雲
聞きとめしものはつきりと秋涼し 後藤比奈夫
平和とは月のうさぎがはつきり餅つく 荻原井泉水
朴咲いて川はつきりと流れ出す 岡本眸
鳴く虫も鵙の鳴く音もはつきりと 高野冨士子
木蓮のはつきり白し朝曇 日野草城
木鋏の音はつきりと野分去る 桂信子 月光抄
夜半忌にはつきり夏の果つるかな 黒川花鳩
夕立や不尽ははつきり見えなから 正岡子規 夕立
落葉寒灯がはつきりと點いてきぬ 八木林之介 青霞集
剪定の音の小さくはっきりと 高澤良一 素抱
梟にはつきり横を向かれたる 後藤比奈夫
蠅とんではつきりとまる八ッ手の葉 京極杞陽 くくたち上巻
鰤の鎌それとはつきり煮凝に 右城暮石 散歩圏
鶯のやゝはつきりと雨の中 深見けん二

以上

by 575fudemakase | 2019-04-19 17:30 | 無季 | Trackback | Comments(0)

あからさま

あからさま

あからさまなる恋唄に踊るなり 大坂黎子
あからさまにうつさば月も凄からめ 完来
あからさまにも並びたる蟻地獄 後藤比奈夫
あからさまに子は率て居りぬ通し鴨 松根東洋城
あからさまに蜜柑をちぎり且啖ふ 西東三鬼
あはれにもあからさまにも菱をとる 京極杞陽 くくたち下巻
かき氷舐めて凡愚もあからさま 山上樹実雄
ぼうたんやわれの老いたるあからさま 森澄雄
もろともにあからさまなり青芝に 日野草城
やぶからし刈りひとり居のあからさま 北見さとる
愛されし墓に冬日のあからさま 石田勝彦 百千
飲み食ひの跡あからさま簗を守る 右城暮石 句集外 昭和五十三年
夏海へ大河の口やあからさま 松根東洋城
火蛾打って女齢をあからさま 佃雅愁
花の幹あからさまなる数にして 石田勝彦 秋興
柿の花神の巧のあからさま 後藤比奈夫
柿食ぶやあからさまなる灯のもとに 中村汀女
寒月や鋸岩のあからさま 蕪村 冬之部 ■ 感偶
金玉糖桃色の餡あからさま 小川春休(童子)
桑枯れてあからさまなる住居かな 松本たかし
血を吸うてあからさまなる藪蚊の腹 高澤良一 暮津
月光に卓布の刺繍あからさま 山口青邨
行く秋やあからさまなる水の面 篠原温亭
山蟻のあからさまなり白牡丹 蕪村
山蟻のあからさま也白牡丹 蕪村 夏之部 ■ 波翻舌本吐紅蓮
蛇の衣古りゆき鱗あからさま 松村蒼石 寒鶯抄
若草やまだ迯水のあからさま 調和
秋風や古ぶ景色のあからさま 道芝 久保田万太郎
人目も草も十一月はあからさま 清水径子
甚平やをとこは老いをあからさま 鈴木真砂女 都鳥
水打つやあからさまなる唖な蝉 前田普羅
逝く秋のあからさまなる山の容 桂信子 「草影」以後
赤椿田舎の恋のあからさま 正岡子規 椿
前山に稲刈る始終あからさま 伊丹三樹彦
草枯れて宮址の溝のあからさま 津田清子 二人称
茸狩の声あからさま池の上 岡井省二 鹿野
脱柵患に桑枯れて湖あからさま 楠本憲吉 孤客
谷間や雪の小村のあからさま 会津八一
地があからさまに落葉す動物園 右城暮石 声と声
蜘蛛の囲に朝霧の粒あからさま 高澤良一 素抱
遅ざくらあからさまにも見ざりけり 寥松
竹林にゐる恋猫のあからさま 右城暮石 句集外 昭和二十六年
蓄へし緋のあからさま桃ひらく 原コウ子
茶の花にひそみて虻のあからさま 高浜年尾
鉄の熔の飛び散る夜業あからさま 右城暮石
冬の山峠に人の白地(あからさま) 日野草城
日が詰る港山街あからさま 飯田蛇笏 雪峡
如在なふ今宵ぞ月のあからさま 凉菟
白南風や僧のつむりのあからさま 綾部仁喜 樸簡
麦刈つてぽつくり寺をあからさま 伊藤白潮
麦打てる農婦の老いのあからさま 鈴木真砂女 卯浪
菱採りし池の乱れのあからさま 織田澡石
風入れの外陣内陣あからさま 今村泗水
返り花あからさまなる梢かな 尾崎放哉 大学時代
蓬莱にあからさま也日本の地 露川
眠蔵(めんぞう)のあからさまなる紅葉かな 広瀬惟然
眠蔵のあからさまなるもみぢ哉 惟然
名月やあからさまなる局口 正岡子規 名月
名月や兎の糞のあからさま 超波 五車反古
明月や道を曲ればあからさま 原石鼎 花影
有明やをしの浮寝のあからさま 内藤鳴雪
夕がほやあからさまなる閨むしろ 加藤曉台
夕顔に女湯あみすあからさま 正岡子規 夕顔
孑孑のおどろくさまのあからさま 赤松[けい]子
豌豆の花のいちいちあからさま 飯田蛇笏 春蘭
鮟鱇の肝のいかにもあからさま 綾部仁喜 寒木

以上

by 575fudemakase | 2019-04-19 17:29 | 無季 | Trackback | Comments(0)

くっきり

くっきり

からつ風吹きて黒富士くつきりと 倉内法子
くつきりと菊の影ゆれ甃 飴山實 句集外
くつきりと芹田の段差晴れて来し 今瀬剛一
くつきりと鶏頭風邪の鼻重し 大野林火 青水輪 昭和二十五年
くつきりと月従へて船行けり 稲畑廣太郎
くつきりと国後浮かぶ青葉潮 谷恵美子(蘇鉄)
くつきりと山や早桃に雨意ふかく 加藤 耕子
くつきりと子規忌の富士でありにけり 星野椿
くつきりと真紅のばらに葉かげかな 高野素十
くつきりと水面を打ちて初音かな 鷹羽狩行
くつきりと土塀の仕切冬に入る 金箱戈止夫
くつきりと日本人父娘謝肉祭 小池文子 巴里蕭条
くつきりと馬の鼻筋花林檎 朔多恭
くつきりと梅鉢草が獣医の手 笠原柑子
くつきりと彼我の結界大文字 吉田穂津
くっきりと富士の雪解の縞模様 岡野 やす子
くつきりと撓ふ山みち時鳥 林翔
くつきりと鶲や畑に乾く田に 石川桂郎
ネオンサインくぐるくつきり汗疹かな 仙田洋子 橋のあなたに
はちまきのあとくつきりと田打焼 橋本鶏二 年輪
ひば垣の角くつきりと年迎かふ 神谷孝子
ひまわりに遭いくっきりと擦過傷 今敦美
伊吹くつきり唐黍の*ひつじかな 岡井省二 山色
一匹となつてくつきり水馬 鈴木鷹夫 渚通り
稲架蔭の冷えくつきりと雨後の晴 大熊輝一 土の香
雲ゆくたび縞目くつきり西瓜育つ 中戸川朝人 残心
沖縄忌夜目にくつきり珊瑚礁 皆川盤水
監視哨くつきり鷹の渡りかな 石河義介
岩手富士くつきり晴れて牧閉す 酒井湧甫
桑は実に淵瀬くつきり寒河江川 佐藤鬼房
弘法の眉のくつきり柿若葉 下元弘子
行年の海くつきりと富士のあり 星野椿
冴え返る手稲の襞のくつきりと 紅露恵子
桜寒む生死の境くつきりと 橋本多佳子
山の影山にくつきり法師蝉 右城暮石 天水
四つ溝柿溝くつきりと湯の疲れ 中戸川朝人 星辰
鴫の脚くつきり映り忘れ潮 深見けん二 日月
若竹の節くつきりと道曲る 横田昌子
秋晴にくつきりと人歩きをり 今井千鶴子
秋蝶の紋くつきりと娶る日よ 阿部豊
宿の灯のくつきり点る濃山吹 高澤良一 ももすずめ
松風に城くつきりと秋意濃し 大熊輝一 土の香
織元の名のくつきりと雪晒し 相馬沙緻
唇くつきり描いて言ふまじ曼珠沙華 八牧美喜子
雛の日の帽子の影のくつきりと 山西雅子
洗礼の朝くつきりと雪の富士 馬場 秀
草萌えの地より白樺くつきり立つ 大熊輝一 土の香
霜のなき場所がくつきり作業場 右城暮石 句集外 昭和三十四年
他愛なき記憶くつきり青写真 片山由美子 天弓
台風の眼のぽつちりとくつきりと 行方克己 昆虫記
地獄痣くっきりと春深みけり 相生垣瓜人 負暄
朝寒ドックに太い錨鎖がくっきり白 古沢太穂 火雲
潮境くっきりと春立ちにけり 木内怜子
庭下駄の木目くっきり寒の月 白井万恵
内示の朝くっきり白い木瓜の花 仁田脇一義
濡れてより目鼻くつきり甘茶仏 森下清子
梅雨の月夜深きほどにくつきりと 岩田由美 夏安
晩霜の野山くつきり在りにけり 草間時彦 櫻山
風の縞くつきり翳す台風以後 大熊輝一 土の香
暮れかけて遠嶺くつきり烏瓜 加藤秋邨
孟蘭盆の母よりも祖母くつきりと 福田甲子雄
裏表くつきり枇杷の冬葉かな 右城暮石 句集外 昭和十三年
祀らるる熊に月の輪くつきりと 羽生大雪
茣蓙を着て足くつきりと白きかな 高浜虚子

以上

by 575fudemakase | 2019-04-19 17:29 | 無季 | Trackback | Comments(0)

ぼんやり

ぼんやり

あぢさゐののっぺらぼうのうすぼんやり 高澤良一 素抱
あんぱんをぼんやりと食ふ花の昼 皆吉司
うつし世のものぼんやりと雪灯籠 石川曲水
くるぶしのうすぼんやりと鱒を釣る 松澤昭 麓入
こおろぎ棲みぼんやり光る鍋や釜や 鮫島康子
ふと手錠を見ている僕の思想のかたわらぼんやり希望のない職務にいる 橋本夢道
ボスニアをぼんやりと見て河馬沈む 田島たつほ
ぼんやりといる草の上受難節 須藤はま子
ぼんやりとかかりてをりぬ風邪の罠 市野川隆
ぼんやりとしてゐていつか夏近し 桂信子 花影
ぼんやりとしてゐる少女靴磨 日野草城
ぼんやりとまた日が暮るる羽抜鳥 矢島渚男 延年
ぼんやりと夏至を過せり脹脛(ふくらはぎ) 佐藤鬼房
ぼんやりと夏霧のこる山間部 高澤良一 随笑
ぼんやりと亀の浮きたる半夏かな 村井美意子
ぼんやりと繋つてゐるや鯨船 日野草城
ぼんやりと鯉の影ある金魚かな 藺草慶子
ぼんやりと今日といふ日の花楝 湯浅康右
ぼんやりと師系に水を打つてゐし 松澤雅世
ぼんやりと紫陽花のある障子かな 岸本尚毅 鶏頭
ぼんやりと次男の耳よ種袋 宮坂静生 山開
ぼんやりと鴫いて空気重たくて 伊藤淳子
ぼんやりと出で行く石榴割れし下 西東三鬼
ぼんやりと春田の中の棒でいる 塚愁草
ぼんやりと水に日のある野菊かな 阿部みどり女
ぼんやりと生死のことをいえば雪 宇多喜代子
ぼんやりと西瓜は甘さ残すだけ 櫂未知子 貴族
ぼんやりと大きく出たり春の不二 春 正岡子規
ぼんやりと灯をともしたる眼張かな 岸本尚毅 舜
ぼんやりと独楽に乗りたる別れかな 渡辺誠一郎
ぼんやりと脳もからだもうす白く 消えゆくことの近くあるらし 宮沢賢治
ぼんやりと八ッ手の花のひと日かな 秋 千晴
ぼんやりと晩秋蚕に灯しあり 波多野爽波 『湯呑』
ぼんやりと浮んでをりし蛙の子 齊田鳳子
ぼんやりと峯より峯の冬の雲 惟然
ぼんやりと枕を抱いて十二月 今井杏大郎
ぼんやりと埃の中に花の雲 花の雲 正岡子規
ぼんやりの先のあめんぼ交むかな 藤田あけ烏 赤松
ぼんやりの素老人行く秋の浜 永田耕衣 殺佛
ぼんやり観てゐる冬山の重なれるかたち 種田山頭火 自画像 落穂集
ぼんやり老い青葉とお腹帯の寺 諸角せつ子
一人(いちにん)の家居ぼんやり皐月どき 高澤良一 素抱
芋の葉に朝がぼんやりありしかな 鈴木鷹夫 大津絵
雨烟り繍線菊ぼんやり咲くところ 高澤良一 暮津
夏風邪に昇れる月のうすぼんやり 高澤良一 暮津
夏曉(なつあけ)をぼんやりしてゐる頭と手足 高澤良一 暮津
河童忌やぼんやりした不安と退屈 竹内幸一
花烏賊を買うてぼんやりした顔で 岸本尚毅 舜
花了る端山小雨にうすぼんやり 高澤良一 暮津
回遊魚ぼんやりと飲む陀羅尼助 星野昌彦
海鳥の肺ぼんやりと葡萄色 飯島晴子
金柑や午睡のあとをぼんやりと 森賀まり
現し世のものぼんやりと雛の灯 片山由美子 水精
行く秋やぼんやりしたる影法師 行く秋 正岡子規
雑炊にぼんやり泛ぶ鴨の肉 鈴木鷹夫 春の門
紫陽花に夜がぼんやりしてをりぬ 栗林明弘
紫陽花のうすぼんやりと末路のはな 高澤良一 寒暑
煮凝の箸ぼんやりとしてをれず 山本英子
秋の暮ぼんやり袖の中に腕 池田澄子 たましいの話
繍線菊にぼんやり道の続きをり 高澤良一 暮津
十一月はぼんやりと板囲い 増山美島
春暑し乳房ぼんやり透く港 松村筐花
初蝶やぼんやりとある死刑台 金子晴彦
初湯してうすぼんやりとおもふこと 高澤良一 素抱
草笛にぼんやり地平むきあへる 松澤雅世
蔵の燈がぼんやり見えて花柘榴 八木林之介 青霞集
童顔の兄の忌二月ぼんやりす 栗林千津
曇日の目許ぼんやり梅咲けり 高澤良一 ぱらりとせ
箸墓のぼんやり見えて桃の花 名田西の鴉
百年を使ひ果たしてぼんやりとこの朝の街霧に沈めり 香川ヒサ
夫婦は赤子があつてぼんやりと暮らす瓜を作つた 中川一碧樓
芙蓉咲きけふもぼんやり日を過ごす 高澤良一 石鏡
風船かづらぼんやりと日を過ごしをり 高澤良一 燕音
泡立草 ぼんやり灯る 武家屋敷 伊丹公子 時間紀行
蜜豆の匙ぼんやりと銀座昏れ やだやえこ
餅あみの目にぼんやりの月日かな 藤田あけ烏
養鯉池雨に緋鯉のうすぼんやり 高澤良一 寒暑
裏山にぼんやりといるわたしかな 鳴戸奈菜
烈風にぼんやり灯る枯木宿 川端茅舎

以上

by 575fudemakase | 2019-04-19 17:28 | 無季 | Trackback | Comments(0)

ずばり

ずばり

羽子板市一番星にずばり買ふ 渡辺 恭子
建前をとらずにずばり冬帽子 高澤良一 燕音
混浴のずばり入る湯に秋津来る 高澤良一 素抱
大鰤をずばりと包丁始かな 菅野虚心
衒はずに本音をずばり青々忌 高澤良一 石鏡
鵙を聞きゐしがずばりと羅紗を截る 岡本差知子

以上

by 575fudemakase | 2019-04-19 17:27 | 無季 | Trackback | Comments(0)

ざっくばらん

ざっくばらん

れんげうのざっくばらんな枝を四方に 高澤良一 さざなみやつこ
一叢のざっくばらんな糸芒 高澤良一 燕音
夏の蟲など鳴きざっくばらんな夜 高澤良一 寒暑
人物評ざっくばらんに梨の味 高澤良一 燕音
草の実や妻という華ざつくばらん 山中葛子
滝見茶屋ざっくばらんな紅葉かな 高澤良一 石鏡
不仕合せがざっくばらんに木も落涙 橋本夢道 良妻愚母
雄日芝はざっくばらんを通しけり 高澤良一 石鏡
令夫人ざつくばらんに浴衣がけ 日野草城

以上

by 575fudemakase | 2019-04-19 17:26 | 無季 | Trackback | Comments(0)

自由

自由

「自由元年」通草の口のそのままに 小平 湖
アメリカの自由を歩く木の芽どき 秋本敦子
サングラスの中の自由や安息や 殿村 莵絲子
しあわせのおかわり自由大旦 山田都詩
スキー靴脱ぎて自由な足となる 千原草之
そんな自由 花野の山羊に 杭と綱 伊丹三樹彦
だんだんに相撲桟敷の膝自由 姉崎蕗子
トマト食す哀しいほどに自由なり 鮫島康子
ハドソンに セーヌに 自由の二つの炬火 伊丹三樹彦
ひた泳ぐ自由は少し塩辛い 櫂未知子 貴族
ふらここに子を守り父に自由なし 下村槐太 光背
メーデーのこゑ無帽こそわが自由 榎本冬一郎
或る高さ以下を自由に黒揚羽 永田耕衣
或高さ以下を自由に黒揚羽 永田耕衣
一握もなき葱売るも自由市 鎌田杏化
一人身の自由不自由ぬくめ鳥 伊藤ゆめ
一日が自由に枯蓮池を埋め 寺田京子 日の鷹
一本の青桐の下きつと自由 石上邦子
雨に猶自由をしる歟蝸牛 望月宋屋
雨雪と自由なりける姿かな 基継
燕ほどの自由もなくてビル勤め 菖蒲あや あ や
牡丹散つて自由な声となりにけり 加藤秋邨
仮住の自由不自由スイトピー 山田弘子
何思ふ自由の女神月を指し 赤尾恵以
夏木立自由で行き場のない孔雀 渡部光枝
海女の子の海の自由(まま)なる月の肌 対馬康子 吾亦紅
鴨の群飛べり追越し自由にて 山口誓子
茅花咲き自由乗降区間なり 高澤良一 ぱらりとせ
起きたい鉄板霜の朝日が自由に跳ね 磯貝碧蹄館 握手
飢えるも自由か駅の階段に寒気さけ 古沢太穂 古沢太穂句集
空という自由鶴舞い止まざるは 稲畑汀子
空といふ自由鶴舞ひやまざるは 稲畑 汀子
空といふ自由鶴舞ひ止まざるは 稲畑汀子
空は自由春りんどうは瞳をひらく 有働亨 汐路
薫風にたてがみ靡かせて自由 柴田奈美
嫌はれてしまへば自由油虫 高田風人子「明易し」
光ふりまき自由を右往左往の牛 八木三日女 赤い地図
向き白由容ち自由に*かりん熟る 山田弘子 螢川
向日葵の種ぎっしりと死は自由 徳弘純 麦のほとり 以後
広みこそ物の自由もうめ柳 凉菟
今の世は恋も自由よ近松忌 高浜朋子
三歳は自由首振り扇風機 倉本 岬
三々五々蟻も自由の時ならむ 相見基子
三尺寝自由の刻を不自由に 小原紫光 『めくら縞』
山ありて海の自由や神送り 凉菟
山葵田に引かれて水の自由なし 津田清子
山芽ぶく不揃いがよい自由がよい 花貫寥
山頭火よりも自由にゴミを出す 相原左義長
時雨れきし自由ケ丘の男ども 加藤秋邨
自由ありけふは憲法記念の日 原山 英士
自由かな毛虫輪になり棒になり 石川青狼
自由が丘の空を載せゆく夏帽子 山田みづえ
自由が丘の夕ベは氷る雪兎 山田みづえ
自由さや月を追行置火燵 洞木
自由して鷺に見せたる小鴨かな 鼠弾
自由てふさみしさ寒の鴉過ぐ 嶋田麻紀
自由てふ不自由もあり水中花 角田菊子
自由で少し不安で灼けし砂丘ゆく 津田清子
自由に使へる一日はさびしこぶし空 平井さち子 完流
自由の語のときに恐ろし初日記 金子兜太
自由の語の頼もし恐ろし嫁が君 金子兜太
自由の時間なり靴中に梅雨染むも 寺田京子 日の鷹
自由軒満席となり織田作忌 尾関令子
自由市の秋雲四方に新らしき 高野素十
自由市秋果の彩をぶち撒けし 大野林火 月魄集 距和五十七年
自由市渋柿甘柿一と山に 杉本寛
自由思想社人力飛行機飛びますぞ 大井 恒行
自由党総理来岐の杜鵑鳥 筑紫磐井 婆伽梵
自由律白く高きに秋の雲 高松眞知子
蛇呑んで原野"俳諧自由"なり 中島斌雄
主婦にあるひとりの自由暖炉もゆ 成嶋いはほ
主婦にある自由の時間秋灯下 山田弘子 螢川
手套脱げば自由の十指月掬ふ 佐野まもる
種まく手自由に振つて老農夫 西東三鬼
秋日燦天国自由切符欲し 沼尻巳津子
春灯に美しき夢持つは自由 高田風人子
春燈に美しき夢もつは自由 高田風人子
初茜犬捨てるとは何たる自由 金子兜太
初日記白き真は自由なり 加藤三七子
上つけで自由を見たしいかのぼり 馬場存義
水に浮く落葉自由といふことなし 後藤比奈夫
水までの自由でありし草の絮 出口善子
水玉となりて噴水自由となる 後藤比奈夫
睡る自由山姥にあり花の昼 黒田杏子 花下草上
瑞居して時間自由にして遣りぬ 後藤比奈夫
青い薔薇あげましよ絶望はご自由に 池田 澄子
青い薔薇あげましょ絶望はご自由に 池田澄子
青い薔薇あげましよ絶望はご自由に 池田澄子
青年に自由楽しくおそろしく 峠谷清広
青葉ごうごうとただいま自由 伊地知建一
切り離し自由な車輛冬に入る 森田 智子
潜きても鵜縄のうちの自由とは 稲岡長
全裸にて夜を泳ぐ声自由の声 山口誓子
駄菓子屋の自由空間夏燕 土屋瞳子
鷹一つ天空にあり自由なり 千曲山人
濁流の逆波燕自由なり 西東三鬼
誰からも好かれぬ自由なめくぢり 仲寒蝉「海市郵便」
朝顔の蔓の自由を籬とす 稲畑 汀子
町角を曲るに鉾の自由利かず 山口誓子
蝶凍つる何も持たぬを自由とし 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
通り抜け自由にさせぬ種物屋 森田峠 三角屋根
定年に得たる自由の野に遊ぶ 大久保白村
転がつて空見る自由ふきのたう 小林みさ
奴隷の自由という語寒卵皿に澄み 金子兜太
冬のハンケチ自由ならざる諸手振り 中村草田男
冬は煙り夏は自由な清水哉 越人
藤蔓の自由を奪ひ棚を結ふ 久木原 みよこ
独り身の自由が淋し荷風の忌 山田具代
農学校は通行自由雲の峯 中村草田男
梅の茣蓙自由に借りて昼餉とす 坊城 中子
麦湯呑み干す二十四時間自由の朝 村山砂田男
肌もあらわにただいま自由な暮らし 五十嵐研三
風花や孤独と云いて自由なり 豊福芳枝
風呂敷の自由なかたち青き踏む 中村路子
噴水を女神の像と見る自由 山口誓子
柄には柄の自由なこころさくらんぼ 後藤比奈夫
壁炉の火水の如くに自由なる 山口誓子
放たれし風船千の自由かな 水口楠子 『泉汲む』
放屁だけは自由の権になつている 堺利彦 豊多摩と巣鴨
鳳仙花弾けて自由満喫す 賀川廣恵
朴落葉拾ひて思ふこと自由 後藤比奈夫
木の自由奪ふ葛枯れつくしても 井上哲王
木蓮白きを活けわが越し方自由律 仲野利三郎
黙々と飛燕「水上に自由存す」 中村草田男
門売も声自由也夏ざかな 去来
門売りも声自由なり夏ざかな 去来「市の庵」
裸たのしみ自由たのしむ荒磯に 津田清子
旅の身の自由不自由裘 鷹羽狩行
蓮根の穴の数だけ自由なり 村木佐紀夫
和歌優雅俳諧自由翁の忌 岩崎照子
孑孑が自由に自由に手足すて 玉城一香
珈琲のお代り自由春時雨 桐村日奈子
繃帯は芒のごとく自由なり 北川邦陽

以上

by 575fudemakase | 2019-04-19 17:26 | 無季 | Trackback | Comments(0)


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《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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